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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月2日
【発行日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】電極チップ
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/30 20060101AFI20191011BHJP
【FI】
   B23K11/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2018-564567(P2018-564567)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月23日
(31)【優先権主張番号】特願2017-10107(P2017-10107)
(32)【優先日】2017年1月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】嶋津 史彦
(57)【要約】
抵抗溶接用の電極チップ(10A)は、内部に第1流路(44)が形成された内筒部(46)と、内筒部(46)との間に第2流路(48)を形成する外筒部(50)と、外筒部(50)の先端側の開口を塞ぐように設けられた先端板部(52)と、内筒部(46)と外筒部(50)とを互いに連結する支持部(54)とを備える。内筒部(46)は、ワーク(W)の溶接時に先端板部(52)の内面(53)を支持し、内筒部(46)の先端部には、第1流路(44)と第2流路(48)とを互いに連通させる連通孔(58)が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抵抗溶接用の電極チップ(10A、10B)であって、
冷媒が流通する第1流路(44)が内部に形成された内筒部(46)と、
内筒部(46)との間に前記冷媒が流通する第2流路(48)が形成されるように前記内筒部(46)の外周側に配置された外筒部(50)と、
前記外筒部(50)の先端側の開口を塞ぐように設けられ、溶接時にワーク(W)に当接する先端板部(52)と、
前記内筒部(46)の外周面と前記外筒部(50)の内周面とを互いに連結する支持部(54)と、を備え、
前記内筒部(46)は、前記ワーク(W)の溶接時に前記先端板部(52)の内面(53)を支持し、
前記内筒部(46)の先端部には、前記第1流路(44)と前記第2流路(48)とを互いに連通させる連通孔(58)が形成されている、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【請求項2】
請求項1記載の電極チップ(10A、10B)において、
前記支持部(54)は、前記内筒部(46)の周方向に互いに離間して複数設けられ、
前記連通孔(58)は、前記内筒部(46)のうち周方向に互いに隣接する前記支持部(54)の間の位置に形成されている、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電極チップ(10A、10B)において、
前記支持部(54)は、前記ワーク(W)の溶接時に前記先端板部(52)の内面(53)を支持している、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極チップ(10A、10B)において、
前記支持部(54)は、前記内筒部(46)の基端よりも基端方向に延在し、
前記支持部(54)のうち前記内筒部(46)よりも基端側に延出した部分は、抵抗溶接機の冷媒管(28)の内孔が前記第1流路(44)に連通するように前記冷媒管(28)を位置決めする位置決め部(56)として機能する、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極チップ(10A、10B)において、
前記内筒部(46)の先端部の内面は、先端方向に向かって縮径している、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極チップ(10B)において、
前記電極チップ(10B)は、複数枚の平板片(64)が軸方向に積層された状態で互いに接合されることによって構成されている、
ことを特徴とする電極チップ(10B)。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極チップ(10A、10B)において、
前記内筒部(46)は、前記先端板部(52)の内面(53)に接合されている、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電極チップ(10A、10B)において、
前記先端板部(52)の中央部の板厚さは、前記外筒部(50)の板厚よりも薄い、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極チップ(10A、10B)において、
前記連通孔(58)は、前記内筒部(46)の先端面(49)に開口している、
ことを特徴とする電極チップ(10A、10B)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抵抗溶接用の電極チップに関する。
【背景技術】
【0002】
特開平9−155563号公報には、電極チップの基端面に形成された凹部にシャンクの先端部を嵌合してなるスポット溶接用電極が開示されている。このスポット溶接用電極では、シャンク内に配置された冷媒管の先端部に冷媒管から導入される冷却液が流通する通路孔が形成された保護体を接続するとともに保護体と電極チップの凹部の底面との隙間を小さくすることによって、電極チップの凹部の底面を流れる冷却液の流速を高めている。
【発明の概要】
【0003】
一般的に、抵抗溶接用の電極チップは、溶接時の加圧力を受けるために先端部を肉厚にする必要がある。そのため、上述した特開平9−155563号公報のように、電極チップの先端部の内面(凹部の底面)を流れる冷却液の流速を高めたとしても、電極チップの先端部の外面を効果的に冷却することは容易ではない。一方、電極チップの先端部を薄肉化すると、溶接時に電極チップが変形するおそれがある。
【0004】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、溶接時の電極チップの変形を抑制しつつ外面を効果的に冷却することができる電極チップを提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る電極チップは、抵抗溶接用の電極チップであって、冷媒が流通する第1流路が内部に形成された内筒部と、内筒部との間に前記冷媒が流通する第2流路が形成されるように前記内筒部の外周側に配置された外筒部と、前記外筒部の先端側の開口を塞ぐように設けられ、溶接時にワークに当接する先端板部と、前記内筒部の外周面と前記外筒部の内周面とを互いに連結する支持部と、を備え、前記内筒部は、前記ワークの溶接時に前記先端板部の内面を支持し、前記内筒部の先端部には、前記第1流路と前記第2流路とを互いに連通させる連通孔が形成されていることを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、支持部を介して外筒部に支持された内筒部によって、溶接時に先端板部に作用した荷重(加圧力)を受けることができるため、先端板部の変形を抑制しつつ先端板部の薄肉化を図ることができる。また、内筒部の先端部に第1流路と第2流路とを連通する連通孔を形成しているため、連通孔を介して第1流路から先端板部の内面に導かれた冷媒を第2流路に逃がす(又は連通孔を介して第2流路から先端板部の内面に導かれた冷媒を第1流路に逃がす)ことができる。これにより、冷媒によって先端板部の内面が冷却されるため、先端板部の外面を効果的に冷却することができる。
【0007】
上記の電極チップにおいて、前記支持部は、前記内筒部の周方向に互いに離間して複数設けられ、前記連通孔は、前記内筒部のうち周方向に互いに隣接する前記支持部の間の位置に形成されていてもよい。
【0008】
このような構成によれば、複数の支持部によって内筒部を外筒部に強固に支持することができる。また、冷媒が連通孔を流通する際に支持部が抵抗になることを抑えることができるため、冷媒を円滑に流通させることができる。
【0009】
上記の電極チップにおいて、前記支持部は、前記ワークの溶接時に前記先端板部の内面を支持していてもよい。
【0010】
このような構成によれば、支持部によって、溶接時に先端板部に作用した荷重を受けることができるため、効果的に先端板部の変形を抑制しつつ先端板部の薄肉化を図ることができる。
【0011】
上記の電極チップにおいて、前記支持部は、前記内筒部の基端よりも基端方向に延在し、前記支持部のうち前記内筒部よりも基端側に延出した部分は、抵抗溶接機の冷媒管の内孔が前記第1流路に連通するように前記冷媒管を位置決めする位置決め部として機能してもよい。
【0012】
このような構成によれば、抵抗溶接機のシャンクに電極チップを装着する際に、冷媒管を電極チップの所定位置に容易に位置決めすることができる。
【0013】
上記の電極チップにおいて、前記内筒部の先端部の内面は、先端方向に向かって縮径していてもよい。
【0014】
このような構成によれば、先端板部のうち溶接時に比較的大きな荷重が作用する中心部を内筒部によって支持することができるため、一層効果的に先端板部の変形を抑制しつつ先端板部の薄肉化を図ることができる。
【0015】
上記の電極チップにおいて、前記電極チップは、複数枚の平板片が軸方向に積層された状態で互いに接合されることによって構成されていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、第1流路、第2流路及び連通孔が内部に形成された電極チップを容易に製造することができる。
【0017】
上記の電極チップにおいて、前記内筒部は、前記先端板部の内面に接合されていてもよい。
【0018】
このような構成によれば、溶接時に先端板部に作用した荷重(加圧力)を確実に受けることができる。
【0019】
上記の電極チップにおいて、前記先端板部の中央部の板厚さは、前記外筒部の板厚よりも薄くてもよい。
【0020】
このような構成によれば、先端板部を効果的に薄肉化することができる。
【0021】
上記の電極チップにおいて、前記連通孔は、前記内筒部の先端面に開口していていもよい。
【0022】
このような構成によれば、第1流路から導かれた冷媒を先端板部の内面に効率的に接触させることができるため、先端板部の外面を一層効果的に冷却することができる。
【0023】
本発明によれば、支持部を介して外筒部に支持された内筒部によって、溶接時に先端板部に作用した荷重(加圧力)を受けることができるため、先端板部の変形を抑制しつつ先端板部の薄肉化を図ることができる。また、冷媒によって先端板部の内面が冷却されるため、先端板部の外面を効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る電極チップが用いられる抵抗溶接機の一部省略構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る電極チップがシャンクに装着された状態の一部省略縦断面図である。
図3図3A図2のIIIA−IIIA線に沿った横断面図であり、図3B図2のIIIB−IIIB線に沿った横断面図であり、図3C図2のIIIC−IIIC線に沿った横断面図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る電極チップがシャンクに装着された状態の一部省略縦断面斜視図である。
図5図5A図4の電極チップの第1平板片の平面図であり、図5B図4の電極チップの第2平板片の平面図であり、図5C図4の電極チップの第3平板片の平面図であり、図5D図4の電極チップの第4平板片の平面図であり、図5E図4の電極チップの第5平板片の平面図であり、図5F図4の電極チップの第6平板片の平面図であり、図5G図4の電極チップの第7平板片の平面図である。
図6図4に示す電極チップの製造方法を示す第1の説明図である。
図7図4に示す電極チップの製造方法を示す第2の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る電極チップについて、電極チップが用いられる抵抗溶接機との関係で好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係る抵抗溶接機12は、ワークWに対してスポット抵抗溶接を行うためのものであって、ロボットアーム14を構成する手首部16に支持された溶接ガン18と、溶接ガン18に着脱可能な一対の電極チップ10Aとを備える。ワークWは、例えば、複数枚の板材200が重ねられて構成される。
【0027】
溶接ガン18は、いわゆるC型溶接ガンであって、ガン本体20と、ガン本体20から一方向に延出した連結ロッド22と、ガン本体20に設けられた略C字形状の固定アーム24とを有する。連結ロッド22は、図示しない駆動源の作用によって延在方向に変位する。連結ロッド22の先端及び固定アーム24の先端部のそれぞれには、電極チップ10Aが装着可能なシャンク26が設けられている。なお、溶接ガン18は、いわゆるX型溶接ガンであってもよい。
【0028】
図2に示すように、シャンク26は、円筒状に構成されており、その内孔には、冷媒管28が配設されている。冷媒管28は、内部に冷却水等の冷媒が流通するチューブであって、例えば、樹脂材料によって構成されている。つまり、冷媒管28の内孔は、電極チップ10Aに冷媒を供給する冷媒供給路30として機能する。冷媒管28の外周面とシャンク26の内周面との間には、冷媒が流通可能な隙間が形成され、この隙間は、電極チップ10Aから冷媒を排出するための冷媒排出路32として機能する。冷媒管28は、シャンク26の先端よりも先端方向に延出している。シャンク26の先端部27の外周面31は、先端に向かってテーパ状に縮径している。
【0029】
図1において、一対の電極チップ10Aは、シャンク26に装着された状態で、連結ロッド22の延在方向(ワークWの板厚方向)に延在するとともに先端同士が互いに対向する。
【0030】
図2に示すように、電極チップ10Aは、抵抗溶接用の電極チップであって、導電性材料によって構成されている。導電性材料としては、例えば、銅等の金属材料が用いられる。より具体的には、導電性材料としては、アルミナ分散銅やクロム銅等の銅合金がよく用いられる。電極チップ10Aは、円柱状に形成されるとともに内部に冷媒流路40が形成されている。電極チップ10Aの基端面11には、シャンク26の先端部27が嵌合する凹部42が形成されている。凹部42を構成する周壁面41は、先端方向に向かってテーパ状に縮径している。凹部42の周壁面41のテーパ角度は、シャンク26の先端部27の外周面31のテーパ角度と同一に設定されている。
【0031】
図2及び図3A図3Cに示すように、電極チップ10Aは、冷媒が流通する第1流路44が内部に形成された内筒部46と、内筒部46との間に冷媒が流通する第2流路48が形成されるように内筒部46の外周側に配置された外筒部50と、外筒部50の先端側の開口を塞ぐように設けられて溶接時にワークWに当接する先端板部52と、内筒部46の外周面と外筒部50の内周面とを互いに連結する複数(図示例では4つ)の支持部54とを備える。
【0032】
図2において、内筒部46は、外筒部50と同軸に設けられている。ただし、内筒部46の軸線は、外筒部50の軸線に対してオフセットしていても構わない。内筒部46は、凹部42の底面43よりも先端側から先端板部52の内面53まで延在している。
【0033】
すなわち、内筒部46の基端面47は、電極チップ10Aをシャンク26に装着した状態で、冷媒管28の先端面29に接触している(図2参照)。内筒部46の先端面49は、先端板部52の内面53に接触している。内筒部46の先端側の内径及び外径は、先端に向かって縮径している。そのため、内筒部46の先端面49は、先端板部52の内面53の中心近傍に接触している。
【0034】
内筒部46の先端面49は、先端板部52の内面53に接触して且つ接合されている。つまり、内筒部46の先端面49は、先端板部52の内面53を支持している。ただし、内筒部46の先端面49は、先端板部52の内面53に接合されずに接触されているだけでもよい。また、内筒部46の先端面49は、ワークWの非溶接時に(電極チップ10AによりワークWに加圧力が付与されていない状態で)先端板部52の内面53に対して離間し、ワークWの溶接時に(電極チップ10AによりワークWに加圧力が付与された状態で)先端板部52の内面53に接触してもよい。つまり、内筒部46は、ワークWの溶接時に先端板部52の内面53に接触して先端板部52を支持できればよい。
【0035】
外筒部50の基端部51には、凹部42が形成されている。すなわち、外筒部50の基端面59は、内筒部46の基端面47よりも基端方向に位置している。図3Bに示すように、複数の支持部54は、内筒部46の周方向に等間隔(図示例では90°ずつ位相がずれた位置)に設けられている。各支持部54は、内筒部46の先端面49から内筒部46の基端面47と外筒部50の基端面59との間まで延在している(図2参照)。
【0036】
図2及び図3Cにおいて、各支持部54のうち内筒部46よりも基端方向に延出した部分である位置決め部56の内側の空間には、冷媒管28の先端部が挿入される。すなわち、位置決め部56は、冷媒管28の内孔(冷媒供給路30)が第1流路44に連通するように冷媒管28を位置決めする。
【0037】
図2に示すように、各支持部54の先端面57は、先端板部52の内面53に接触して且つ接合されている。つまり、各支持部54は、先端板部52の内面53を支持している。ただし、各支持部54の先端面57は、先端板部52の内面53に接合されずに接触されているだけでもよい。また、各支持部54の先端面57は、ワークWの非溶接時に先端板部52の内面53に対して離間し、ワークWの溶接時に先端板部52の内面53に接触してもよい。つまり、支持部54は、ワークWの溶接時に先端板部52の内面53に接触して先端板部52を支持できればよい。
【0038】
先端板部52の外面55は、球状に湾曲しており、溶接時にワークWに接触する。本実施形態では、先端板部52の外面55を効果的に冷却するために、先端板部52の中央部の板厚は、外筒部50の板厚よりも薄く形成されている。具体的には、先端板部52の中央部の板厚は、1.0mm以上2.0mm以下が好ましく、1.5mmがさらに好ましい。ただし、先端板部52の中央部の剛性を高めるために、先端板部52の中央部の板厚は、2.0mmよりも厚くてもよく、外筒部50の板厚以上であってもよい。
【0039】
第1流路44は、内筒部46の全長に亘って延在した1つの孔であって、内筒部46の基端において冷媒供給路30に連通する。図3A及び図3Bにおいて、第2流路48は、内筒部46の周方向に等間隔(図示例では90°ずつ位相がずれた位置)に複数(図示例では4つ)設けられている。つまり、内筒部46の周方向に互いに隣接する第2流路48は、支持部54によって仕切られている。図2に示すように、各第2流路48は、支持部54の全長に亘って軸方向に延在している。各第2流路48は、内筒部46の基端において冷媒排出路32に連通する。
【0040】
内筒部46の先端部には、第1流路44と各第2流路48とを互いに連通させる複数(図3Aでは4つ)の連通孔58が形成されている。図3Aにおいて、複数の連通孔58は、内筒部46の周方向に等間隔(図示例では90°ずつ位相がずれた位置)に設けられている。具体的には、各連通孔58は、内筒部46のうち周方向に互いに隣接する支持部54の間の位置に形成されている。換言すれば、各連通孔58は、電極チップ10Aの軸方向視で、内筒部46のうち支持部54が連結されていない部分に形成されている。各連通孔58は、内筒部46の先端面49に開口している。
【0041】
電極チップ10Aでは、第1流路44、複数の連通孔58、複数の第2流路48によって先端板部52の外面55を冷却するための冷媒流路40が形成されている。
【0042】
本実施形態に係る電極チップ10Aは、基本的には以上のように構成されるものであって、次に、その使用方法について説明する。
【0043】
図1に示すように、ワークWをスポット抵抗溶接する場合、ユーザは、一方の電極チップ10Aを連結ロッド22の先端に設けられたシャンク26に装着するとともに他方の電極チップ10Aを固定アーム24の先端に設けられたシャンク26に装着する。この際、図2に示すように、外筒部50の基端の凹部42にシャンク26の先端部27を嵌入すると、冷媒管28の先端部が複数の位置決め部56の内側の空間に挿入される。そして、図示しないポンプによって冷媒供給路30に冷媒を供給する。
【0044】
そうすると、図2の一点鎖線の矢印で示すように、冷媒供給路30の冷媒は、電極チップ10Aの第1流路44を基端から先端に向かって流通し、先端板部52の内面53に接触する。これにより、先端板部52の内面53が冷媒によって冷却されるため、先端板部52の外面55が冷却される。
【0045】
先端板部52の内面53に接触した冷媒は、各連通孔58を介して各第2流路48に導かれ、電極チップ10Aの先端から基端に向かって各第2流路48を流通する。そして、各第2流路48を流通した冷媒は、凹部42を介して冷媒排出路32に導かれ、図示しない熱交換器によって冷却された後、上述したポンプによって冷媒供給路30に循環される。
【0046】
また、一対の電極チップ10Aの間にワークWが位置するようにロボットアーム14を移動させる。そして、連結ロッド22をガン本体20から延伸させることによって、一対の電極チップ10AによってワークWを挟持する。すなわち、一対の電極チップ10AによってワークWに加圧力を作用させる。その後、一対の電極チップ10A間に電圧を印加することによって、ワークWにジュール熱を発生させて抵抗溶接を行う。ワークWの抵抗溶接が完了すると、連結ロッド22をガン本体20側に縮退させて一対の電極チップ10AをワークWから離間させる。
【0047】
次に、本実施形態の作用効果について以下に説明する。
【0048】
本実施形態では、内筒部46の外周面と外筒部50の内周面とが支持部54によって互いに連結され、内筒部46は、ワークWの溶接時に先端板部52の内面53を支持している。これにより、支持部54を介して外筒部50に支持された内筒部46によって、溶接時に先端板部52に作用した荷重(加圧力)を受けることができるため、先端板部52の変形を抑制しつつ先端板部52の薄肉化を図ることができる。また、内筒部46の先端部に第1流路44と第2流路48とを互いに連通する連通孔58を形成しているため、連通孔58を介して第1流路44から先端板部52の内面53に導かれた冷媒を第2流路48に逃がすことができる。よって、冷媒によって先端板部52の内面53が冷却されるため、先端板部52の外面55を効果的に冷却することができる。
【0049】
支持部54は、内筒部46の周方向に互いに離間して複数設けられているため、複数の支持部54によって内筒部46を外筒部50に強固に支持することができる。また、連通孔58は、内筒部46のうち周方向に互いに隣接する支持部54の間の位置に形成されているため、冷媒が連通孔58を流通する際に支持部54が抵抗になることを抑えることができ、冷媒を円滑に流通させることができる。
【0050】
支持部54は、ワークWの溶接時に先端板部52の内面53を支持している。これにより、支持部54によって、溶接時に先端板部52に作用した荷重を受けることができるため、効果的に先端板部52の変形を抑制しつつ先端板部52の薄肉化を図ることができる。
【0051】
支持部54のうち内筒部46よりも基端側に延出した部分が位置決め部56として機能するため、抵抗溶接機12のシャンク26に電極チップ10Aを装着する際に、冷媒管28を電極チップ10Aの所定位置に容易に位置決めすることができる。
【0052】
内筒部46の先端部の内面は、先端方向に向かって縮径しているため、先端板部52のうち溶接時に比較的大きな荷重が作用する中心部を内筒部46によって支持することができる。よって、一層効果的に先端板部52の変形を抑制しつつ先端板部52の薄肉化を図ることができる。
【0053】
内筒部46は、先端板部52の内面53に接合されている。これにより、溶接時に先端板部52に作用した荷重(加圧力)を確実に受けることができる。
【0054】
先端板部52の中央部の板厚さは、外筒部50の板厚よりも薄いため、先端板部52を効果的に薄肉化することができる。連通孔58は、内筒部46の先端面49に開口している。これにより、第1流路44から導かれた冷媒を先端板部52の内面53に効率的に接触させることができるため、先端板部52の外面を一層効果的に冷却することができる。
【0055】
本実施形態は、上述した構成に限定されない。電極チップ10Aでは、冷媒管28の内孔が冷媒排出路として機能し、冷媒管28の外周面とシャンク26の内周面との間の空間が冷媒供給路として機能してもよい。後述する第2実施形態に係る電極チップ10Bにおいても同様である。また、上記の例では、シャンク26の先端部27の外周面31が電極チップ10Aの凹部42の周壁面41に嵌合しているが、電極チップ10Aの外筒部50の基端部51がシャンク26の先端部27の内周面に嵌合してもよい。後述する第2実施形態に係る電極チップ10Bにおいても同様である。
【0056】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る電極チップ10Bについて説明する。なお、第2実施形態に係る電極チップ10Bにおいて、上述した第1実施形態で説明した電極チップ10Aの構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0057】
本実施形態に係る電極チップ10Bは、図1に示す抵抗溶接機12に用いられるものであり、シャンク26に着脱可能である。図4に示すように、電極チップ10Bは、電極チップ10Aと同様の導電性材料により構成されている。電極チップ10Bの基端部を構成する円筒状のベース部60と、ベース部60の先端に設けられたチップ本体62とを備える。
【0058】
チップ本体62は、複数の平板片64が電極チップ10Bの軸方向に積層された状態で互いに接合されることによって構成されている。複数の平板片64は、第1〜第7平板片64a〜64gを含む。
【0059】
具体的には、図4及び図5A図5Gに示すように、チップ本体62は、先端部において先端方向から第1平板片64a、第2平板片64b、第3平板片64c、第4平板片64d、第5平板片64e、第6平板片64f及び第7平板片64gが1枚ずつこの順番で積層され、この第7平板片64gよりも基端側の中間部において第6平板片64fと第7平板片64gとが交互に複数枚積層され、基端部において第7平板片64gが複数枚(図示例では2枚)積層されている。第1〜第7平板片64a〜64gのそれぞれは、平面視で円形状に形成されている(図5A図5G参照)。
【0060】
図5Aに示すように、先端板部52としての第1平板片64aの外面55は、ワークWが接触する部分であって、中央部に設けられた球面66と、球面66を環状に囲むように設けられて球面66よりも曲率半径が小さく設定された湾曲面68とを有する。本実施形態では、図4から理解されるように、第1平板片64aに適度な剛性を持たせるために、第1平板片64aの中央部の板厚は、後述する第2〜第7平板片64b〜64gのそれぞれの板厚よりも厚く形成されている。ただし、第1平板片64aの外面55の冷却効率を向上させる観点より、第1平板片64aの中央部の板厚は、第2〜第7平板片64b〜64gのそれぞれの板厚以下の厚さに形成されていてもよい。なお、第1平板片64aのみ他の第2〜第7平板片64b〜64gに対して異なる材料にする等、第1〜第7平板片64a〜64gのいずれかの材質を変更してもよい。
【0061】
図5Bに示すように、第2平板片64bには、中央部に形成された円形状の第1孔部70aと、第1孔部70aの外周側に周方向に等間隔(90°ずつ位相がずれた位置)に設けられた複数(図示例では4つ)の第2孔部72aと、第1孔部70aと各第2孔部72aとを互いに連通する複数(図示例では4つ)のスリット74aとが形成されている。第2孔部72aは、スリット74aから第2平板片64bの径方向外方に向かって周方向の幅が広く形成されている。
【0062】
第2平板片64bは、複数の第2孔部72aの外周側に設けられた円環状の外周部76aと、外周部76aから径方向内方に突出した複数(図示例では4つ)の突出部78aと、各突出部78aの先端に設けられて第1孔部70aを構成する複数(図示例では4つ)の孔形成部80aとを有する。
【0063】
突出部78aは、周方向に隣接する第2孔部72aの間に位置している。換言すれば、突出部78aは、外周部76aの周方向に等間隔(図示例では90°ずつ位相がずれた位置)に設けられている。
【0064】
図5Cに示すように、第3平板片64cは、第2平板片64bと同様に構成されている。そのため、第3平板片64cでは、第2平板片64bと同様の構成要素には、同一の参照数字にaに代えて別の英字を付し、その詳細な説明は省略する。第4〜第7平板片64d〜64gについても同様である。
【0065】
第3平板片64cには、第1孔部70bと、複数の第2孔部72bと、複数のスリット74bとが形成されている。第1孔部70bは第1孔部70aよりも一回り大きく、第2孔部72bは第2孔部72aよりも一回り大きく、スリット74bはスリット74aよりも幅広に形成されている。また、第3平板片64cは、外周部76bと、複数の突出部78bと、複数の孔形成部80bとを有する。
【0066】
図5Dに示すように、第4平板片64dには、第1孔部70cと、複数の第2孔部72cと、複数のスリット74cとが形成されている。第1孔部70cは第1孔部70bよりも一回り大きく、第2孔部72cは第2孔部72bよりも一回り大きく、スリット74cはスリット74bよりも幅広に形成されている。また、第4平板片64dは、外周部76cと、複数の突出部78cと、複数の孔形成部80cとを有する。外周部76cのうち各第2孔部72cを構成する内面には、冷媒との熱交換面積を大きくするための凹凸形状部82が設けられている。凹凸形状部82は、第4平板片64dの厚み方向の全長に亘って延在した凹部と凸部とが周方向に交互に設けられたものである。ただし、凹凸形状部82は、熱交換面積を大きくすることができれば任意の形状を採用し得ることは言うまでもない。
【0067】
図5Eに示すように、第5平板片64eには、第1孔部70dと、複数の第2孔部72dと、複数のスリット74dとが形成されている。第1孔部70dは第1孔部70cよりも一回り大きく、第2孔部72dは第2孔部72cよりも一回り大きく、スリット74dはスリット74cよりも幅広に形成されている。また、第5平板片64eは、外周部76dと、複数の突出部78dと、複数の孔形成部80dとを有する。外周部76dのうち各第2孔部72dを構成する内周面には、凹凸形状部82が設けられている。
【0068】
図5Fに示すように、第6平板片64fには、第1孔部70eと、複数の第2孔部72eとが形成されている。第1孔部70eは第1孔部70dよりも一回り大きく、第2孔部72eは第2孔部72dよりも一回り大きい。また、第6平板片64fは、外周部76eと、複数の突出部78eと、円環状の孔形成部80eとを有する。外周部76eのうち各第2孔部72eを構成する内周面には、凹凸形状部82が設けられている。
【0069】
図5Gに示すように、第7平板片64gには、第1孔部70fと、複数の第2孔部72fと、複数のスリット74eとが形成されている。第1孔部70fは第1孔部70eよりも一回り大きく、第2孔部72fは第2孔部72eよりも一回り大きく、スリット74eはスリット74dよりも幅広に形成されている。また、第7平板片64gは、外周部76fと、複数の突出部78fと、複数の孔形成部80fとを有する。外周部76fのうち各第2孔部72fを構成する内周面には、凹凸形状部82が設けられている。
【0070】
このような電極チップ10Bでは、図4に示すように、第1平板片64aによって先端板部52が構成され、第2〜第7平板片64b〜64gの孔形成部80a〜80fによって内筒部46が構成され、第2〜第7平板片64b〜64gの各外周部76a〜76fとベース部60とによって外筒部50が構成され、第2〜第7平板片64b〜64gの突出部78a〜78fによって複数の支持部54が構成される。また、第2〜第7平板片64b〜64gの各第1孔部70a〜70fによって第1流路44が形成され、第2〜第7平板片64b〜64gの各第2孔部72a〜72fによって第2流路48が形成される。さらに、第2〜第5平板片64b〜64eの各スリット74a〜74dによって連通孔58が形成される。
【0071】
すなわち、電極チップ10Bは、冷媒が流通する第1流路44が内部に形成された内筒部46と、内筒部46との間に冷媒が流通する第2流路48が形成されるように内筒部46の外周側に配設された外筒部50と、外筒部50の先端側の開口部を塞ぐように設けられて溶接時にワークWに当接する先端板部52と、内筒部46の外周面と外筒部50の内周面とを互いに連結する複数の支持部54とを備える。内筒部46の中間部には、第7平板片64gのスリット74eからなる複数の中間連通孔84が形成されている。中間連通孔84は、第1流路44と第2流路48とを互いに連通する。
【0072】
また、チップ本体62のうち基端部に設けられた複数枚(図示例では2枚)の第7平板片64gの突出部78fは、冷媒管28の内孔(冷媒供給路30)が第1流路44に連通するように冷媒管28を位置決めする位置決め部56として機能する。
【0073】
本実施形態に係る電極チップ10Bは、基本的には以上のように構成されるものであって、次に電極チップ10Bの製造方法について説明する。図6に示すように、電極チップ10Bを製造する場合、準備工程において、チップ本体62を構成する平板片64の枚数に対応した枚数の銅等の金属製の第1〜第7平板100a〜100gを準備する。本実施形態では、第1〜第5平板100a〜100eが1枚ずつ準備され、第6平板100f及び第7平板100gが複数枚ずつ準備される。
【0074】
続いて、加工工程において、第1〜第7平板100a〜100gのそれぞれに所定の加工を施す。この加工工程では、例えば、プレス加工又はレーザ加工等によって第1〜第7平板100a〜100gを切断する。
【0075】
第1平板100aには、第1平板片64aに対応した複数の第1加工部102aが形成される。各第1加工部102aは、同一円周上に設けられた複数(図示例では2つ)の円弧状の外周切断部104を有する。複数の外周切断部104は、互いに繋がっていない。すなわち、外周切断部104の内側に位置する第1円形部106aは、複数の連結部105を介して第1平板100aの外枠部分108に連結されている。
【0076】
第2平板100bには、第2平板片64bに対応した複数の第2加工部102bが形成される。各第2加工部102bは、複数の外周切断部104を有し、外周切断部104の内側に位置する第2円形部106bには、第2平板片64bの第1孔部70aと、複数の第2孔部72aと、複数のスリット74aが形成される。
【0077】
第3平板100cには、第3平板片64cに対応した複数の第3加工部102cが形成される。各第3加工部102cは、複数の外周切断部104を有し、外周切断部104の内側に位置する第3円形部106cには、第3平板片64cの第1孔部70bと、複数の第2孔部72bと、複数のスリット74bが形成される。
【0078】
第4平板100dには、第4平板片64dに対応した複数の第4加工部102dが形成される。各第4加工部102dは、複数の外周切断部104を有し、外周切断部104の内側に位置する第4円形部106dには、第4平板片64dの第1孔部70cと、複数の第2孔部72cと、複数のスリット74cが形成される。
【0079】
第5平板100eには、第5平板片64eに対応した複数の第5加工部102eが形成される。各第5加工部102eは、複数の外周切断部104を有し、外周切断部104の内側に位置する第5円形部106eには、第5平板片64eの第1孔部70dと、複数の第2孔部72dと、複数のスリット74dが形成される。
【0080】
各第6平板100fには、第6平板片64fに対応した複数の第6加工部102fが形成される。各第6加工部102fは、複数の外周切断部104を有し、外周切断部104の内側に位置する第6円形部106fには、第6平板片64fの第1孔部70eと、複数の第2孔部72eとが形成される。
【0081】
各第7平板100gには、第7平板片64gに対応した複数の第7加工部102gが形成される。各第7加工部102gは、複数の外周切断部104を有し、外周切断部104の内側に位置する第7円形部106gには、第7平板片64gの第1孔部70fと、複数の第2孔部72fと、複数のスリット74eが形成される。
【0082】
加工工程の後、重ね工程において、所定の順番で所定の枚数だけ第1〜第7平板100a〜100gを積層する。そして、接合工程において、積層された第1〜第7平板100a〜100gを互いに拡散接合する。これにより、第1〜第7円形部106a〜106gが互いに接合されることとなる。接合工程では、電極チップ10Bのベース部60を最も基端に位置する第7平板100gに対して拡散接合してもよい。ただし、ベース部60は、チップ本体62が製造された後で、別工程においてチップ本体62に対して接合してもよい。なお、接合工程の接合方法は、拡散接合に限定されず、耐荷重性、導電性、熱伝導性が確保されれば各種の溶接やろう接、接着剤等による接合であってもよい。
【0083】
接合工程の後、切断工程において、外周切断部104が互いに繋がるように第1〜第7平板100a〜100gの連結部105を打ち抜き加工等によって切断する。これにより、第1〜第7円形部106a〜106gが第1〜第7平板100a〜100gの外枠部分108から切り離され、円柱状の積層接合体120が形成される(図7参照)。
【0084】
切断工程の後、仕上げ加工工程において、図7の二点鎖線に沿って積層接合体120の先端部分を球状に切削加工するとともにベース部60に設けられている円形孔61の外周面63をテーパ状に切削加工することによって、球面66、湾曲面68、凹部42の周壁面41が形成された電極チップ10Bが製造されるに至る。
【0085】
本実施形態は、上述した第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、電極チップ10Bは、複数枚の平板片64が軸方向に積層された状態で互いに接合されることによって構成されているため、第1流路44、第2流路48及び連通孔58が内部に形成された電極チップ10Bを容易に製造することができる。
【0086】
本実施形態は、上述した構成に限定されない。本実施形態では、平板片64が第1〜第7平板片64a〜64gを含む構成を例示したが、平板片64の種類や枚数等は適宜変更することができる。
【0087】
本発明に係る電極チップは、上述の実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】