特表-18142714IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月9日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/18 20060101AFI20191018BHJP
   H01L 41/113 20060101ALI20191018BHJP
   H01L 41/053 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   H02N2/18
   H01L41/113
   H01L41/053
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】特願2018-565949(P2018-565949)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年11月13日
(31)【優先権主張番号】特願2017-15588(P2017-15588)
(32)【優先日】2017年1月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 隆文
(72)【発明者】
【氏名】勝村 英則
(72)【発明者】
【氏名】奥村 秀則
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681AA06
5H681BB08
5H681BB14
5H681BB20
5H681DD15
5H681DD27
5H681DD53
5H681FF02
5H681FF04
5H681FF08
5H681FF14
5H681GG01
5H681GG02
5H681GG19
5H681GG27
5H681GG41
(57)【要約】
発電装置は、固有振動数がfAである保持部101と、保持部101に保持され、固有振動数が互いに異なる2以上の振動発電素子105とを備えている。振動発電素子105のうち、固有振動数が最も低い振動発電素子の固有振動数fBminは以下の式1を満たし、固有振動数が最も高い振動発電素子の固有振動数fBmaxは以下の式2を満たす。但し、Nは振動発電素子105の個数である。
Bmin≧(0.925−2.5N/100)fA・・・(式1)
Bmax≦(1.075+2.5N/100)fA・・・(式2)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固有振動数がfAである保持部と、
前記保持部に保持され、固有振動数が互いに異なる2以上の振動発電素子とを備え、
前記振動発電素子のうち、固有振動数が最も低い振動発電素子の固有振動数fBminは以下の式1を満たし、固有振動数が最も高い振動発電素子の固有振動数fBmaxは以下の式2を満たす、発電装置。
Bmin≧(0.925−2.5N/100)fA ・・・ (式1)
Bmax≦(1.075+2.5N/100)fA ・・・ (式2)
但し、Nは振動発電素子の個数である。
【請求項2】
前記振動発電素子のうち、固有振動数が低い方からn番目の振動発電素子の固有振動数fBnと、n+1番目の振動発電素子の固有振動数fBn+1とは、以下の式3を満たす、請求項1に記載の発電装置。
Bn<0.955fBn+1 ・・・ (式3)
【請求項3】
前記振動発電素子のうち、固有振動数が低い方からn番目の振動発電素子の固有振動数fBnと、n+1番目の振動発電素子の固有振動数fBn+1とは、以下の式4を満たす、請求項1又は2に記載の発電装置。
Bn+1≦1.15fBn ・・・ (式4)
【請求項4】
前記振動発電素子は、それぞれ圧電素子と一体となった板バネと、前記板バネに取り付けられた振動素子質量部材とを有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項5】
前記圧電素子は、前記板バネの表面に設けられた圧電体膜を有し、
前記圧電体膜には圧縮応力が付与されている、請求項4に記載の発電装置。
【請求項6】
前記板バネは、一方の端部が前記保持部に固定され、他方の端部は自由端となっている、請求項4又は5に記載の発電装置。
【請求項7】
前記振動素子質量部材の前記板バネにおける位置は、調整可能である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の発電装置。
【請求項8】
前記保持部は、保持部質量部材を有し、
前記保持部質量部材は、前記振動発電素子を収容する収容空間を有し、
前記保持部質量部材の重心は、前記収容空間内に設定されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発電装置に関し、特に振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子は、特定方向に圧力を加えられることにより、電気的な分極を誘起して電圧を発生させる。圧電素子を利用した発電装置は、機械的変位を電圧に変換し発電する。身近な機械的変位として、例えば、振動がある。振動により発電できれば、電源を用意することなく電子機器を動作させることができる。
【0003】
振動により発電する方法として、例えば、圧電素子を振動板に取り付けた振動発電素子を用いる方法がある。この方法は、振動発電素子の固有振動数と入力される振動の振動数とが一致している場合に、振動発電素子に大きな機械的変位を与えられるため、効率良く発電できる。
【0004】
しかし、この方法は、振動発電素子の固有振動数と入力される振動の振動数とが異なっている場合に、振動発電素子に与えられる機械的変位を減少させてしまう。そのため、この方法を用いた発電装置は、効率良く発電できる振動数範囲が狭くなってしまう。
【0005】
機械装置や構造物等の振動は、種々の条件により変動し、一定ではない。そのため、この方法を用いた発電装置は、安定して電力を供給できる電源を構築することが困難である。
【0006】
効率よく発電できる振動数範囲を拡げるために、それぞれ固有振動数の異なる複数の振動発電素子を組み合わせる方法が検討されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかし、この方法は、各振動発電素子がばらばらに作動しているに過ぎない。そのため、この方法を用いた発電装置は、広い振動数範囲で効率良く発電しにくい。
【0007】
広い振動数範囲において効率良く発電するために、振動発電素子とは異なる固有振動数の保持部に振動発電素子を取り付けた、2自由度の振動系とする方法が検討されている(例えば、特許文献2を参照。)。この方法は、2つの振動系を組み合わせることによって、振動発電素子単独の場合と比べて数倍の振動数範囲において発電できる。そのため、この方法を用いた発電装置は、トータルの発電量を増大させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−152004号公報
【特許文献2】国際公開2015/087537号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、さらに発電量を増大させることが要求されている。また、振動数が変動しても安定して発電できる、発電量の振動数依存の小さい発電装置が望まれている。固有振動数が異なる発電装置を複数設置すれば、発電量を増大させたり、発電量の振動数依存性を低減したりできる。しかし、複数の発電装置を設置しようとすると、設置面積が増大するという問題がある。共通の保持部に複数の振動発電素子を取り付けることができれば、設置面積を縮小できるだけでなく、発電装置のコストも低減できると期待される。
【0010】
ところが、本願発明者らは、1つの保持部に取り付ける振動発電素子の数を単純に増やして発電装置を構成した場合、振動発電素子同士の干渉を生じさせ、発電効率の低下や発電量の振動数依存性の増大を引き起こすという問題を見出した。
【0011】
本開示の課題は、本願発明者らの見出した問題を解決し、複数の振動発電素子を1つの保持部に取り付けた発電装置において、発電効率の向上及び発電量の振動数依存の低減の少なくとも一方を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発電装置の一態様は、固有振動数がfAである保持部と、保持部に保持され、固有振動数が互いに異なる2以上の振動発電素子とを備え、振動発電素子のうち、固有振動数が最も低い振動発電素子の固有振動数fBminは以下の式1を満たし、固有振動数が最も高い振動発電素子の固有振動数fBmaxは以下の式2を満たす。
Bmin≧(0.925−2.5N/100)fA・・・(式1)
Bmax≦(1.075+2.5N/100)fA・・・(式2)
但し、Nは振動発電素子の個数である。
【発明の効果】
【0013】
本開示の発電装置によれば、発電効率の向上及び発電量の振動数依存の低減の少なくとも一方を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は一実施形態に係る発電装置を示す断面図である。
図2図2は一実施形態に係る発電装置を説明するための振動モデルである。
図3図3は振動発電素子を示す断面図である。
図4図4は一実施形態に係る発電装置の第1変形例を示す断面図である。
図5図5は一実施形態に係る発電装置の第2変形例を示す断面図である。
図6A図6Aは装置1の測定結果を示すグラフである。
図6B図6Bは装置2の測定結果を示すグラフである。
図6C図6Cは装置3の測定結果を示すグラフである。
図6D図6Dは装置4の測定結果を示すグラフである。
図6E図6Eは装置5の測定結果を示すグラフである。
図6F図6Fは装置6の測定結果を示すグラフである。
図6G図6Gは装置7の測定結果を示すグラフである。
図6H図6Hは装置8の測定結果を示すグラフである。
図6I図6Iは装置9の測定結果を示すグラフである。
図6J図6Jは装置10の測定結果を示すグラフである。
図7A図7Aは装置11の測定結果を示すグラフである。
図7B図7Bは装置12の測定結果を示すグラフである。
図7C図7Cは装置13の測定結果を示すグラフである。
図7D図7Dは装置14の測定結果を示すグラフである。
図7E図7Eは装置15の測定結果を示すグラフである。
図7F図7Fは装置16の測定結果を示すグラフである。
図7G図7Gは装置17の測定結果を示すグラフである。
図7H図7Hは装置18の測定結果を示すグラフである。
図7I図7Iは装置19の測定結果を示すグラフである。
図7J図7Jは装置20の測定結果を示すグラフである。
図7K図7Kは装置21の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、一実施形態の発電装置100が、振動部材200に取り付けられている状態を示している。発電装置100を使用する方向に限定はないが、以下においては振動部材200側を下、振動部材200と反対側を上として説明する。
【0016】
図1に示すように、発電装置100は、保持部101と、保持部101に取り付けられたN(N≧2)個の振動発電素子105とを有している。図1において保持部101は、弾性部材111と保持部質量部材113とを有し、保持部振動系を構成している。振動発電素子105は、板バネ151と、素子質量部材153と、圧電素子155とを有し、素子振動系を構成している。図1には、Nが2である例を示している。
【0017】
振動部材200は、振動を発生させるあらゆるものが含まれる。例えば、運輸機械、工作機械及び家電製品等を含む機械類並びにその構成部品が含まれる。例えば、自動車、電車航空機、冷蔵庫及び洗濯機等が含まれる。また、これらに使用されているボディ、エンジン、モータ、シャフト、マフラ、バンパ、タイヤ、コンプレッサ及びファン等が含まれる。さらに、建物、道路及び橋等を含む建造物並びにそれに付随する柱、壁及び床等の構造部材や、エレベータ及びダクト等の設備などが含まれる。
【0018】
保持部質量部材113は、弾性部材111により振動部材200に弾性連結されている。保持部質量部材113は、振動発電素子105を収容する収容空間113aを有するケース115と蓋116とを含む。
【0019】
図1においては、ケース115に収容された振動発電素子105のそれぞれは、板バネ151の一方の端部が、ケース115の底面から突出する固定用突部117に固定されている。また、板バネ151の反対側の自由端には素子質量部材153が取り付けられている。このため、各素子質量部材153が保持部質量部材113に対して板バネ151により弾性連結された片持梁状の構造となっている。従って、素子質量部材153の保持部質量部材113に対する相対変位は、板バネ151の板厚方向における弾性変形によって許容される。このように、保持部振動系と、それぞれの素子振動系とは2自由度の振動系を構成し、全体としては自由度がN+1の振動系を構成する。
【0020】
N個の振動発電素子を有する発電装置は、図2に示すような振動モデルで表現することができる多自由度振動系となる。なお、図2においてmAは保持部質量部材113の質量、kAは弾性部材111のバネ定数、xAは保持部質量部材113の変位量である。また、mBnはn番目の振動発電素子の素子質量部材153の質量、kBnはn番目の振動発電素子の板バネ151のバネ定数、xBnはn番目の振動発電素子の素子質量部材153の変位量である。F0sin2πftは、振動部材200から発電装置100に入力される振動荷重である。
【0021】
保持部101単体の1自由度振動系の固有振動数fAは、以下の式に示すように、弾性部材111のkAと、保持部質量部材113の質量mAとにより決定される。なお、mAを保持部質量部材113の質量として表現するが、厳密にはケース115及び蓋116を含む保持部質量部材113の質量と、それに取り付けられている発電素子等の質量の総和である。
【0022】
【数1】
【0023】
n番目の振動発電素子105単体の1自由度振動系の固有振動数fBnは、以下の式に示すように、板バネ151の弾性係数kBnと、素子質量部材153の質量mBnとにより決定される。なお、mBnを素子質量部材153の質量として表現するが、厳密には板バネ151及び圧電素子155の寄与分が含まれる。
【0024】
【数2】
【0025】
本実施形態の発電装置において、1つの保持部101に固定されている複数の振動発電素子105の固有振動数は互いに異なっている。また、最も低い固有振動数fBminは以下の式1を満たし、最も高い固有振動数fBmaxは以下の式2を満たす。
Bmin≧(0.925−2.5N/100)fA ・・・ (式1)
Bmax≦(1.075+2.5N/100)fA ・・・ (式2)
ここで、Nは、1つの保持部101に固定されている振動発電素子105の個数である。
【0026】
保持部101に取り付けられている複数の振動発電素子105の固有振動数をこのような範囲とすることにより、発電素子単体の場合と比べて、発電効率の向上及び振動数依存性の低減をすることができる。
【0027】
さらに、fBmin及びfBmaxが式1及び式2を満たす範囲において、振動発電素子105の固有振動数同士が所定の関係を有するように調整することにより、種々の利点を得ることができる。例えば、固有振動数が低い方からn番目の振動発電素子の固有振動数がfBnであり、n+1番目の固有振動数がfBn+1であるとすると、式1及び式2を満たすと共に、以下の式3を満たせばよい。
Bn<0.955fBn+1 ・・・ (式3)
【0028】
このようにfBnをfBn+1の0.955倍よりも小さくすることにより、振動発電素子同士の干渉を抑え、発電量を大幅に増大させることができる。この場合、対応する固有振動数の振動発電素子が1個だけ保持部に取り付けられたN個の発電装置の発電量の合計よりも大きな発電量を得ることができ、発電効率を大幅に向上できる。
【0029】
本実施形態の発電装置において、fBnとfBn+1とが式3を満たす場合には、トータルとしての発電量を大きくできる。しかし、本実施形態の発電装置において、入力される振動の振動数に対して発電量をプロットすると、通常は、振動数により発電量が変動し、振動発電素子の数+1個のピークが出現する。発電量の振動数依存性を小さくして、安定した発電を行う観点からは、ピークの山と谷との差が小さい方が好ましい。ピークの山と谷との差を小さくする観点からは、fBnとfBn+1との差をある程度小さくすることが好ましく、例えば、式4に示すようにfBn+1をfBnの1.15倍以下とすることが好ましい。
Bn+1≦1.15fBn ・・・ (式4)
【0030】
さらにピークの山と谷との差を小さくする観点から、式5に示すようにfBn+1をfBnの1.07倍以下(fBn+1≦1.07fBn)とすることが好ましい。このようにすれば、最も深い谷における発電量Pvと最も高いピークPtにおける発電量との比を小さくできる。
Bn+1≦1.07fBn ・・・ (式5)
【0031】
式1及び式2と共に式4又は式5を満たすようにすれば、発電量が大きく低下する谷の発生を抑え、安定した発電ができる。また、式1及び式2と共に式4又は式5を満たす状態で、さらに式3を満たすようにすれば、トータルとしての発電量を大きくすると共に、安定して発電できる。
【0032】
保持部質量部材113の質量mAは、必要とする保持部振動系の固有振動数に基づいて決定すればよい。但し、質量mAを振動部材200の等価マス質量Mに対して10%以上(mA≧0.1×M)とすれば、保持部質量部材113が振動部材200の振動状態に対して十分な影響を及ぼして、ダイナミックダンパとして機能する。従って、振動が相殺され、振動部材200の振動が低減されるという効果を得ることができる。但し、発電装置100はダイナミックダンパ等の制振装置としての機能を有していなくてもよい。この場合には、保持部質量部材113の質量mAは振動部材200の等価マス質量Mに対して10%未満であってもよい。
【0033】
それぞれの素子質量部材153は、対応する振動発電素子105の固有振動数を設定するための質量である。それぞれの素子質量部材153の質量mは、必要とする振動発電素子105の固有振動数に基づいて決定すればよい。但し、保持部101の固有振動数での応答倍率(共振応答倍率)Xは振動発電素子105の固有振動数での応答倍率(共振応答倍率)Qよりも十分に小さくし、かつ、保持部質量部材113の質量mAは素子質量部材153の質量の総和mBtotalよりも十分に大きくすることでmA×X>mBtotal×Qという関係を満たすように設定することが望ましい。このような設定によって、大きな発電電力を得られる振動数帯域幅は、より広くなる。また、保持部質量部材113の質量mAを素子質量部材153の質量の総和mBtotalの5倍以上とすることにより、さらにその効果を大きくできる。
【0034】
それぞれの素子質量部材153の質量を、保持部質量部材113の質量と比べて小さくすることにより、板ばね151のばね定数を充分に小さく設定できる。これにより、保持部質量部材113の素子質量部材153に対する相対変位を有効に生じさせることが可能となる。
【0035】
各振動発電素子105において板バネ151は、バネ鋼又はバネ用ステンレス鋼等により形成された長手板状の金属部材とすることができる。
【0036】
各振動発電素子105において素子質量部材153は、例えば、鉄等の高比重の材料からなる矩形ブロック状の部材である。図1においては、素子質量部材153が板バネ151の端部に取り付けられている例を示したが、素子質量部材153の取り付け位置は任意に変更することができる。素子質量部材153の板バネ151上の位置を変更することにより、振動発電素子105の固有振動数を調整することができる。また、素子質量部材153は、板バネ151の圧電素子155と反対側に設けることもできる。素子質量部材153は、板バネ151に接着材等により取り付けることができる。また、取り付け位置が調整できるようにボルト等により固定することもできる。
【0037】
各振動発電素子105において圧電素子155は、図3に示すように下部電極156、上部電極157、及び下部電極156と上部電極157との間に挟まれた圧電体層158を有している。図3において、圧電素子155は、板バネ151の一方の面にのみ形成されているが、両面に形成することもできる。
【0038】
振動部材200から保持部質量部材113に及ぼされた外力は、素子質量部材153に伝達される。これにより、保持部質量部材113と素子質量部材153とは相対変位し、板バネ151は弾性変形する。圧電素子155は、板バネ151と一体となっているため、保持部質量部材113と素子質量部材153との相対変位による振動エネルギーが、圧電素子155に入力される。これにより、圧電素子155が板バネ151と共に変形し、電圧が発生する。従って、本実施形態の振動発電装置は、保持部質量部材113と素子質量部材153との相対変位量に応じて、振動エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0039】
各圧電素子155に生じた電力は、下部電極156及び上部電極157にそれぞれ接続されたリードから取り出すことができる。各圧電素子155の出力は、それぞれ整流回路により整流した後、直列又は並列に接続することができる。圧電素子155に生じた電力により、電気回路を駆動することができる。電気回路は特に限定されないが、DC/DCコンバータ回路、蓄電回路、センサ回路又は無線送受信回路等とすることができる。
【0040】
圧電体層158は、セラミクス材料又は単結晶材料等からなる膜とすることができる。例えば、チタン酸ジルコン酸鉛、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等からなる膜とすることができる。圧電体層158は、圧縮応力を付与した膜とすることができる。これにより、圧電体層158を大きく変形させることが可能となる。
【0041】
圧電素子155は、例えば以下のようにして形成することができる。まず、アルミニウムを少量含むSUS430等の耐熱性ステンレス板からなる板バネ151の主面上に、銀−パラジウム合金ペースト層をスクリーン印刷する。次に、圧電材料組成粉を含有する圧電材料ペースト層を銀−パラジウム合金ペースト層の上にスクリーン印刷する。次に、圧電材料ペースト層の上に銀−パラジウム合金ペースト層をスクリーン印刷して、未焼結素子を形成する。次に、未焼結素子を焼成さやの中に配置して875℃で2時間焼成する。これにより、銀−パラジウムペースト層及び圧電材料ペースト層を焼結緻密化する。これにより、板バネ151と一体となった、下部電極156、圧電体層158及び上部電極157を有する焼結素子が形成される。次に、下部電極156と上部電極157との間に、100Vの電圧を、120℃にて30分間印加して、圧電体層158を分極させる。
【0042】
板バネ151は、例えば幅15mm、長さ30mm、厚さ0.1mm程度とすることができる。銀−パラジウムペースト層及び圧電材料ペースト層は、幅14.5mm、長さ24mm程度とすることができる。焼結後の下部電極156及び上部電極157の厚さは5μm程度とすることができる。焼結後の圧電体層158の厚さは25μm程度とすることができる。
【0043】
圧電体層158は、例えばPb1.015Zr0.44Ti0.46(Zn1/3Nb2/30.103.015により形成することができる。この組成は、優れた圧電特性を示し、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)のBサイトをPb(Zn1/3Nb2/3)O3で10モル%置換している。Pbサイト比は1.015でありストイキオメトリーよりも過剰である。この場合、圧電材料ペーストは、以下のようにして作成することができる。純度99.9%以上の酸化鉛(PbO)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb25)粉末を原料に、固相法により組成式(1)に示すモル比の圧電材料組成粉末を調製する。なお、圧電体層の焼結温度を900℃未満とするために、粉末の粒径は0.5μm未満とする。
【0044】
次に、有機バインダと溶剤とを配合した有機ビヒクルを調製する。有機バインダには、例えばエチルセルロース樹脂、アクリル樹脂及びブチラール樹脂等から選ばれた少なくとも1つを用いることができる。溶剤には、例えばα−テルピネオール又はブチルカルビトール等を用いることができる。有機バインダと溶剤との配合比は、例えば2:8とすることができる。有機ビヒクルと、圧電材料組成分末とを、適量のリン酸エステル系分散剤と共に混合して、混練することにより圧電材料ペーストが得られる。有機ビヒクルと圧電材料組成分末との混合比は重量比率にて20:80とすることができる。混練には3本ボールミル等を用いることができる。
【0045】
銀−パラジウムペーストは、例えば、銀を90%、パラジウムを10%含む銀パラジウム合金粒子を含むペーストとすればよい。銀パラジウム合金粒子の粒径は0.9μm程度とすることができる。
【0046】
このようにして得られた圧電素子155の圧電体層158の表面には、例えば450MPa程度の圧縮応力が付与されている。これは、室温から焼成温度の900℃までの平均の熱膨張係数が、PZT系の圧電材料においては5ppm/K程度であるのに対し、耐熱性ステンレス板においては12ppm/K程度とかなり大きいことによる。圧電体層158の表面における残留応力は、圧電素子155の上部電極157を研磨により除去して圧電体層158を露出させた後、圧電体層158の露出面において結晶格子間隔をX線解析法により測定することにより求めることができる。残留応力の測定には、例えば解析角2θが38°付近に出現する面指数(111)のピークを用いることができる。
【0047】
図1においては、ケース115内に2つの振動発電素子105が収容されている。それぞれの振動発電素子105は、振動方向が保持部振動系と一致するように固定されている。振動方向が一致しているとは、主たる振動の方向が一致していることをいい、振動の位相は問わない。主たる振動の方向とは、変位が最も大きくなる方向をいう。方向が一致しているとは、方向のずれが±30°、好ましくは±20°、より好ましくは±10°以内であることをいう。
【0048】
本実施形態において、各振動発電素子105は、ケース115の底面から突出する固定用突部117に固定されている。このため、保持部質量部材113の重心位置と、素子質量部材153の重心位置との高さ方向の差を小さくすることができる。また、板バネ151の支持箇所がケース115の中央部よりになり、素子質量部材153と、保持部質量部材113の重心位置との水平方向の差も小さくできる。これにより、保持部質量部材113の上下振動が板ばね151に対して直接的に効率良く伝達され、発電に有効な曲げ変形を板ばね151に生じさせる。一方、ケース115の外縁部において振動振幅が最大となるような揺れ変位及び回動変位等の板バネ151の曲げ変形を阻害するような振動は、振動発電素子105への伝達が抑えられるため、発電効率を向上させることができる。
【0049】
図1において、複数の振動発電素子105を1つの固定用突部117に上下方向に並べて配置した例を示している。しかし、振動発電素子105のサイズ及び保持部質量部材113のサイズ等に応じて、固定用突部117を複数設けて、複数の振動発電素子105を水平方向に並べて配置してもよい。この場合、それぞれの固定用突部117に複数の振動発電素子105を上下方向に並べて配置することもできる。例えば、保持部質量部材113を構成するケース115を幅90mm、長さ60mm、高さ30mm程度とすると、幅15mm、長さ30mm、厚さ0.1mm程度の振動発電素子105を4つ程度収容することができる。
【0050】
図1においては、保持部質量部材113は、連結部材181を介して振動部材200に固定されている。連結部材181は、保持部質量部材113の外周側面と対向するように設けられた壁部183を有しており、保持部質量部材113の外周側面と壁部183との間に弾性部材111が配置されている。図1において、連結部材181の壁部183は、保持部質量部材113の外周側面の2面に対向して設けられているが、3面又は4面に対向して壁部183が設けられていてもよい。弾性部材111は、壁部183と対向する全ての外周側面に設けることができる。また、弾性部材111は、全周に亘って設けることも、周上の数カ所に設けることもできる。
【0051】
このように、保持部質量部材113の外周側面が弾性部材111により保持される構成とすることにより、振動部材200からの振動が入力される方向において弾性部材111は主に剪断変形する。このため、低動ばね化することが容易にでき、チューニングの自由度が向上する。
【0052】
保持部質量部材113及び弾性部材111の形状及び配置は、振動部材200からの振動が効率良く入力できればこれに限らない。例えば、図4に示す第1変形例のように、保持部質量部材113の底面に弾性部材111が配置された構成とすることもできる。
【0053】
また、保持部質量部材113を収容空間113aを有するケース115とすることにより、振動発電素子105を封止して、振動発電素子の劣化を抑えることが容易となる。但し、保持部質量部材113の形状及び板バネ151の取り付け位置等は、自由に設計することができる。例えば、図5に示す第2変形例のように、保持部質量部材113の上に振動発電素子105を取り付けることもできる。この場合、振動発電素子105を覆うカバー118は必要に応じて設ければよい。なお、振動発電素子105を保持部質量部材113の上に取り付ける場合においても、弾性部材111を保持部質量部材113の外周側面に設ける構成とすることもできる。
【0054】
保持部質量部材113は、特に限定されないが比重が大きな材料により形成することができる。例えば、鉄を用いることができる。弾性部材111は、保持部質量部材113を振動部材200に弾性連結できればどのようなものであってもよい。例えば、矩形ブロック状のゴム弾性体とすることができる。天然ゴム、合成ゴム、又は天然ゴムと合成ゴムとのブレンドゴムとすることができる。合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、塩素化−イソブチレン−イソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化−アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アクリルゴム、及びシリコーンゴム等のいずれかを挙げることができる。また、ゴム弾性体に限らず、コイルスプリング、板ばね、又は棒ばね等の金属ばねを用いることもできる。
【0055】
弾性部材111は、専用の部材である必要はなく、振動部材200の構造物の一部を利用してもよい。例えば、振動部材200が自動車である場合、自動車に設けられている制振用ダイナミックダンパの弾性部を、弾性部材111として利用することができる。
【0056】
本実施形態において、発電装置100を連結部材181を介して振動部材200に取り付ける例を示したが、連結部材181は必要に応じて設ければよく、発電装置100を直接振動部材200に取り付けることもできる。また、連結部材181の形状は、発電装置100及び振動部材200の形状等に応じて自由に設計することができる。連結部材181と振動部材200とがボルトにより固定されている例を示したが、これに限らず接着剤等により固定したり、溶接して固定したりすることもできる。
【0057】
本実施形態においては、保持部101に取り付けられた全ての振動発電素子105が、所定の固有振動数の関係を満たしている例を示した。しかし、保持部101に3個以上の振動発電素子105が取り付けられている場合には、少なくとも2つの振動発電素子105が所定の固有振動数の関係を満たしていれば、所定の固有振動数の関係を満たしていない1以上の振動発電素子105が存在していてもよい。
【0058】
本実施形態の発電装置は、取り付けスペースが小さくすることができる。その上で、発電量を大きくする、発電量の振動数依存性を小さくする、又はこれらの両方を実現することができる。本実施形態の発電装置は特に限定されないが、例えば振動が発生する装置の状態をモニタリングするセンサの電源、人の歩行によって点灯する誘導灯等の電源、人や車、装置等の動きによる振動をモニタリングするセンサの電源、等に用いることができる。また、センサとして用いることもできる。
【実施例】
【0059】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例は、例示であり本発明を限定する意図を有するものではない。
【0060】
<発電特性の測定>
保持部と複数の振動発電素子とを組み合わせた振動発電装置に、加振機を用いて振動を加えて発電をさせた。発電電力は、各振動発電素子の出力リードの両端の電圧Vrmsnを検出することにより行った。各振動発電素子の発電電力Pnは、Vrmsn2/Rにより算出した。ここで、Rはリードの間に接続した抵抗の値であり、100kΩとした。各振動発電素子の発電電力Pnの総和を発電装置の発電電力Pとした。振動数を80Hz〜150Hzの範囲で変化させ、振動数毎の発電電力Pを求め、その積分値を総発電電力Ptotalとした。加振機により加えた振動の加速度は0.1Gとした。
【0061】
(実施例1)
保持部に、2個の振動発電素子を取り付けた発電装置を用いた。保持部の固有振動数fAは111.14Hzとし、一方の振動発電素子の固有振動数は114Hzに固定し、他方の振動発電素子の固有振動数は90Hz〜130Hzの所定の値とした。それぞれの発電装置の発電電力の振動数依存性及び総発電電力Ptotalを評価した。また、所定の固有振動数の振動発電素子を取り付けた比較発電装置の総発電電力の測定を行い、各発電装置と同じ振動数の組み合わせとなるように総発電電力の和P1+2を求め、PtotalとP1+2との差を評価した。発電電力の最も高いピーク値Pt及び複数のピークの間の最も低い谷の値Pvを評価した。周波数範囲の広がりをみる一つの指標として、100μWを基準として100μW以上の発電電力が得られた振動数範囲Δf100を求めた。
【0062】
固有振動数を90Hzとした装置1のPtotalは5013μWであり、P1+2との差は1468μWであり、Δf100は18.6Hzであった。
【0063】
固有振動数を94Hzとした装置2のPtotalは5236μWであり、P1+2との差は974μWであり、Δf100は20.1Hzであった。
【0064】
固有振動数を98Hzとした装置3のPtotalは5727μWであり、P1+2との差は1221μWであり、Δf100は25.6Hzであった。
【0065】
固有振動数を102Hzとした装置4のPtotalは5829μWであり、P1+2との差は1614μWであり、Δf100は22.8Hzであった。
【0066】
固有振動数を106Hzとした装置5のPtotalは5830μWであり、P1+2との差は1322μWであり、Δf100は20.6Hzであった。
【0067】
固有振動数を110Hzとした装置6のPtotalは3246μWであり、P1+2との差は−1723μWであり、Δf100は17.3Hzであった。
【0068】
固有振動数を118Hzとした装置7のPtotalは4278μWであり、P1+2との差は−879μWであり、Δf100は20.0Hzであった。
【0069】
固有振動数を122Hzとした装置8のPtotalは5754μWであり、P1+2との差は1185μWであり、Δf100は23.2Hzであった。
【0070】
固有振動数を126Hzとした装置9のPtotalは5012μWであり、P1+2との差は815μWであり、Δf100は23.5Hzであった。
【0071】
固有振動数を130Hzとした装置10のPtotalは4471μWであり、P1+2との差は655μWであり、Δf100は18.3Hzであった。
【0072】
【表1】
【0073】
表1に装置1〜装置1の評価結果をまとめて示す。また、図6A図6Jに装置1〜装置10の発電電力の振動数依存性を示す。最も低い固有振動数fminが式1を満たし、最も高い固有振動数fmaxが式2を満たしている、装置3〜装置8では、ピークの間に発電量が非常に低い谷が生じておらず、安定して発電できている。
【0074】
min及びfmaxがそれぞれ式1及び式2の条件を満たしている装置のうち、2つの振動発電素子の固有振動数が式4を満たしている、装置4〜8は、いずれもPv/Ptが40%以上であり、より安定した発電が可能である。さらに、式5を満たす装置6〜装置8では、Pv/Ptが45%以上であり、さらに安定した発電が可能である。
【0075】
min及びfmaxがそれぞれ式1及び式2の条件を満たしている装置のうち、2つの振動発電素子の固有振動数が、式3を満たしている装置3〜装置5及び装置8は、総発電電力が増大し、発電効率が大きく向上している。
【0076】
(実施例2)
保持部に、3個の振動発電素子を取り付けた発電装置を用いた。保持部の固有振動数fAは105.8Hzとし、2個の振動発電素子の固有振動数はそれぞれ107.1Hz及び119.3Hzに固定し、1個の振動発電素子の固有振動数は89Hz〜122.7Hzの所定の値とした。それぞれの発電装置の発電電力の振動数依存性及び総発電電力Ptotalを評価した。発電電力の最も高いピーク値Pt及び複数のピークの間の最も低い谷の値Pvを評価した。周波数範囲の広がりをみる一つの指標として、100μWを基準として100μW以上の発電電力が得られた振動数範囲Δf100を求めた。
【0077】
固有振動数を89Hzとした装置11のPtotalは8166μWであり、Δf100は25.0Hzであった。
【0078】
固有振動数を91.1Hzとした装置12のPtotalは8798μWであり、Δf100は25.2Hzであった。
【0079】
固有振動数を92.6Hzとした装置13のPtotalは8987μWであり、Δf100は31.3Hzであった。
【0080】
固有振動数を94.4Hzとした装置14のPtotalは9094μWであり、Δf100は33.4Hzであった。
【0081】
固有振動数を101.5Hzとした装置15のPtotalは9164μWであり、Δf100は28.9Hzであった。
【0082】
固有振動数を103.4Hzとした装置16のPtotalは8723μWであり、Δf100は28.3Hzであった。
【0083】
固有振動数を111.7Hzとした装置17のPtotalは8073μWであり、Δf100は26.9Hzであった。
【0084】
固有振動数を111.8Hzとした装置18のPtotalは8935μWであり、Δf100は27.3Hzであった。
【0085】
固有振動数を113.4Hzとした装置19のPtotalは8709μWであり、Δf100は26.3Hzであった。
【0086】
固有振動数を115.5Hzとした装置20のPtotalは8207μWであり、Δf100は27.6Hzであった。
【0087】
固有振動数を122.7Hzとした装置21のPtotalは7513μWであり、Δf100は25.7Hzであった。
【0088】
【表2】
【0089】
表2に装置11〜装置21の評価結果をまとめて示す。また、図7A図7Kに装置11〜装置21の発電電力の振動数依存性を示す。最も低い固有振動数fminが式1を満たし、最も高い固有振動数fmaxが式2を満たしている、装置12〜装置20では、ピークの間に発電量が非常に低い谷が生じておらず、安定した発電ができている。
【0090】
min及びfmaxがそれぞれ式1及び式2の条件を満たしている装置のうち、3つの振動発電素子の固有振動数が式4を満たしている、装置14〜装置20は、Pv/Ptが20%以上であり、より安定した発電が可能である。さらに、式5を満たす装置15〜装置20では、Pv/Ptが25%以上であり、さらに安定した発電が可能である。
【0091】
min及びfmaxがそれぞれ式1及び式2の条件を満たしている装置のうち、3つの振動発電素子の固有振動数が、式3を満たしている装置12〜装置15及び装置19は、総発電電力が増大し、発電効率が大きく向上している。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本開示の発電装置は、発電量の向上及び発電量の振動数依存の低減の少なくとも一方を実現でき、振動により発電する発電装置等として有用である。
【符号の説明】
【0093】
100 発電装置
101 保持部
105 振動発電素子
111 弾性部材
111 面指数
113 保持部質量部材
113a 収容空間
115 ケース
116 蓋
117 固定用突部
118 カバー
151 板バネ
153 素子質量部材
155 圧電素子
156 下部電極
157 上部電極
158 圧電体層
181 連結部材
183 壁部
200 振動部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
【国際調査報告】