特表-18142723IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧
<>
  • 再表WO2018142723-電池用リードおよび捲回型電池 図000004
  • 再表WO2018142723-電池用リードおよび捲回型電池 図000005
  • 再表WO2018142723-電池用リードおよび捲回型電池 図000006
  • 再表WO2018142723-電池用リードおよび捲回型電池 図000007
  • 再表WO2018142723-電池用リードおよび捲回型電池 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月9日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】電池用リードおよび捲回型電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20191018BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2018-565953(P2018-565953)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年11月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-16257(P2017-16257)
(32)【優先日】2017年1月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】特許業務法人河崎・橋本特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】末弘 祐基
(72)【発明者】
【氏名】三浦 照久
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA01
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043DA03
5H043EA02
5H043EA15
5H043EA18
5H043EA19
5H043HA05E
5H043JA22E
(57)【要約】
捲回型電池は、開口を有する電池ケースと、電極群および電解質と、電池ケースの開口を塞ぐ封口体と、電池ケースと封口体とを絶縁するガスケットとを具備する。第1電極と封口体とが、第1集電リードで接続されており、第2電極と電池ケースとが、第2集電リードで接続されている。第1集電リードは、一端部が、第1電極に接続され、他端部が、電極群の開口側の端面から引き出されて封口体の内側に接続されている。第2集電リードは、一端部が、第2電極に接続され、他端部が、電極群の開口側の端面から引き出されて電池ケースの開口側の側壁内面に接続されており、第2集電リードが、ステンレス鋼およびニッケルの少なくとも一方を含み、かつ破断伸びが15%以上である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンレス鋼およびニッケルの少なくとも一方を含み、かつ破断伸びが15%以上である、電池用リード。
【請求項2】
引張り強度が、300MPa以上である、請求項1に記載の電池用リード。
【請求項3】
少なくともステンレス鋼を含むクラッド材で構成されている、請求項1または2に記載の電池用リード。
【請求項4】
前記クラッド材が、ステンレス鋼を含む層と、ニッケルおよび銅の少なくとも一方を含む層とを有する、請求項3に記載の電池用リード。
【請求項5】
厚さが30μm以上100μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池用リード。
【請求項6】
幅が0.5mm以上2.0mm以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池用リード。
【請求項7】
開口を有する電池ケースと、
前記電池ケースに収容された電極群および電解質と、
前記電池ケースの前記開口を塞ぐ封口体と、
前記電池ケースと前記封口体とを絶縁するガスケットと、を具備し、
前記電極群は、第1電極と、前記第1電極とは極性が異なる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在するセパレータと、を具備し、前記第1電極と前記第2電極とが前記セパレータを介して捲回されており、
前記第1電極と前記封口体とが、第1集電リードで接続されており、
前記第2電極と前記電池ケースとが、第2集電リードで接続されており、
前記第1集電リードは、一端部が、前記第1電極に接続され、他端部が、前記電極群の前記開口側の端面から引き出されて前記封口体の内側に接続され、
前記第2集電リードは、一端部が、前記第2電極に接続され、他端部が、前記端面から引き出されて前記電池ケースの前記開口側の側壁内面に接続されており、
前記第2集電リードが、請求項1に記載の電池用リードである、捲回型電池。
【請求項8】
前記電池ケースが、外径10mm以下の円筒形である、請求項7に記載の捲回型電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池用リードに関し、中でも電極群から引き出されて電池ケースの開口側の側壁内面に接続される用途に適した電池用リードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化に伴い、機器に用いる電池の小型化も進んでいる。小型電池の場合、狭い空間内に、電極と外部端子とを接続するリードを収容することが求められる。しかし、リードを接続する作業や電池の組み立て作業を行うためには、通常、所定のリード長さを確保する必要がある、従って、リードは、屈曲された状態で、電池ケース内の空間に収容されることが多い。この状態で使用機器の落下などにより電池に大きな衝撃が加わると、屈曲部分に大きな応力が発生し、許容応力を超えて破断に至ることがある。
【0003】
そこで、Znを15質量%以上35質量%以下含有し、残部がCuおよび不可避不純物から構成され、引張強さが245MPa以上450MPa以下であり、破断伸びが40%以上であるリード導体が提案されている(特許文献1)。このようなリード導体は、曲げ特性および耐衝撃性に優れている。
【0004】
一方、リードを電極群から電池ケースの開口側に引き出し、電池ケースの開口側の側壁内面に溶接することが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−220129号公報
【特許文献2】国際公開第2012/111061号
【発明の概要】
【0006】
特許文献2が提案するように、電池ケースの開口側の側壁内面にリードを溶接する場合、電極群の端面からのリードの突出長さが短く、ほとんど屈曲することなく、電池ケース内に収容されている。一方、電池ケースの開口側の側壁内面にリードを溶接するには、電池ケースの開口側に溶接治具を挿入するための空間が必要である。そのような空間が存在すると、使用機器の落下などによって電池に大きな衝撃が加わったときに、電極群が電池ケースの軸方向に移動する。この場合、屈曲された状態で電池ケース内に収容されているリードよりも、ほとんど屈曲せずに電池ケース内に収容されているリードに大きな応力が印加される。これは、電極群が移動すると、屈曲度合いの小さいリードに急激に局所的かつ曲率の大きな曲げ応力や張力が印加されるためである。そのため、屈曲部でリードが破断したり、リードと電池ケースとの接続部分でリードが破断したりすることがある。
【0007】
上記に鑑み、本開示の一側面の電池用リードは、ステンレス鋼およびニッケルの少なくとも一方を含み、かつ破断伸びが15%以上である。
【0008】
本開示の別の側面の捲回型電池は、開口を有する電池ケースと、前記電池ケースに収容された電極群および電解質と、前記電池ケースの前記開口を塞ぐ封口体と、前記電池ケースと前記封口体とを絶縁するガスケットと、を具備する。前記電極群は、第1電極と、前記第1電極とは極性が異なる第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在するセパレータと、を具備し、前記第1電極と前記第2電極とが前記セパレータを介して捲回されている。前記第1電極と前記封口体とが、第1集電リードで接続されており、前記第2電極と前記電池ケースとが、第2集電リードで接続されている。前記第1集電リードは、一端部が、前記第1電極に接続され、他端部が、前記電極群の前記開口側の端面から引き出されて前記封口体の内側に接続される。前記第2集電リードは、一端部が、前記第2電極に接続され、他端部が、前記端面から引き出されて前記電池ケースの前記開口側の側壁内面に接続されており、前記第2集電リードが、上記電池用リードである。
【0009】
本開示の上記局面によれば、電極群から引き出されたリードを電池ケースの開口側の側壁内面に接続する場合に、リードの破断を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1集電リードが接続された第1電極の一例を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるIb−Ib線断面図である。
図2図2は、第1集電リードが接続された第1電極の他の例を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるIIb−IIb線断面図(b)である。
図3図3は、第2集電リードが接続された第2電極を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)におけるIIIb−IIIb線断面図である。
図4図4は、捲回前の電極群の構成を概略的に示す平面図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る円筒形電池の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、破断伸びおよび引張り強度は、リードの長手方向の両端を固定し、長手方向と平行に10mm/分の速度で引張試験が実施されることにより決定される。ここで、破断伸びとは、引張試験において、破断後の永久伸び(伸びた長さΔd)を原評点距離Dに対して百分率で表した値(%)であり、引張り強度とは、引張試験中に加わった最大の力をリードの断面積で除した応力である(N/mm2)。
【0012】
電池用リード(以下、単にリードとも称する。)とは、電池を構成する部材間を電気的に接続するフレキシブルな導体である。リードは、例えば、電極と、電極以外の部材とを電気的に接続する導体である。電極以外の部材とは、例えば、電池ケース、電池ケースの開口を塞ぐ封口体などである。リードは、金属箔から所定形状(例えば短冊もしくはリボン状)に切り出された材料である。
【0013】
本発明の一実施形態に係るリードは、ステンレス鋼およびニッケルの少なくとも一方を含み、かつ破断伸びが15%以上である。すなわち、本実施形態に係る電池用リードは、少なくとも、リードを構成する金属箔の材質と破断伸びに特徴を有する。
【0014】
金属箔の材質がステンレス鋼およびニッケルの少なくとも一方を含む場合、リードは、破断を抑制するのに十分な引張り強度を有し、耐腐食性が高く、高い靭性を有する。一般に、引張り強度が大きくなると、破断伸びは小さくなる傾向がある。これに対し、上記材質によれば、引張り強度および破断伸びをいずれも高レベルで両立できるリードが得られる。中でもステンレス鋼を含むリードは、引張り強度、破断伸び、靭性、耐腐食性等をバランスよく発現する。リードの材質の調質は、硬材よりも軟材であることが好ましい。ステンレス鋼の種類は、特に限定されないが、SUS304、SUS316などが高い伸び率を有する点で好ましい。
【0015】
上記金属箔から切り出されたリードは、例えば300MPa以上の引張り強度を発現し得る。リードの破断を高度に抑制するには、破断伸びに加え、引張り強度をできるだけ高めることが望まれる。リードの引張り強度は、400MPa以上がより好ましく、500MPa以上もしくは600MPa以上が更に好ましい。
【0016】
リードの破断伸びは、15%以上であればよいが、20%以上が好ましく、40%以上がより好ましく、50%以上が更に好ましい。このように破断伸びが大きく、かつ上記材質からなるリードは、十分な柔軟性と強度を備える。よって、屈曲度合いの小さいリードに急激に大きな曲げ応力や張力が印加された場合でも、リードの破断が抑制される。
【0017】
リードを構成する金属箔は、単層材であってもよく、複層構造のクラッド材であってもよい。また、単層材またはクラッド材の表面に、銅メッキなどの金属のメッキを施してもよく、クロメート処理などの表面処理を施してもよい。
【0018】
単層材は、ステンレス鋼およびニッケルの少なくとも一方を含む金属で構成される。単層材の材質は、ステンレス鋼およびニッケル以外の他元素を含んでもよいが、他元素の含有量は5質量%以下が好ましく、不可避不純物を含んでもよい。
【0019】
クラッド材は、ステンレス鋼を含む層およびニッケルを含む層の少なくとも一方を具備する。ステンレス鋼を含む層は、例えば不可避不純物を含み得るステンレス鋼からなる層(以下、SUS層と称する。)である。ニッケルを含む層は、例えば95質量%以上がNiからなる層であり、Niと不可避不純物からなる層(以下、純Ni層と称する。)であることが好ましい。
【0020】
好ましいクラッド材の具体例としては、ステンレス鋼を含む層と、ニッケルおよび銅の少なくとも一方を含む層とを具備するクラッド材が挙げられる。ニッケルおよび銅の少なくとも一方を含む層は、上記ニッケルを含む層でもよく、NiとCuとの合金層でもよく、銅を含む層でもよい。銅を含む層は、例えば95質量%以上がCuからなる層であり、Cuと不可避不純物からなる層(以下、純Cu層と称する。)であることが好ましい。NiとCuとの合金層は、例えば95質量%以上のNiおよびCuを含む合金層であり、NiとCuと不可避不純物からなる層(以下、純Ni/Cu層と称する。)であることが好ましい。より具体的には、純Ni層と純Cu層とを含む軟材(Ni−Cu軟材)や、純Ni層とSUS層と純Cu層とを具備する軟材(Ni−SUS−Cu軟材)などが好ましい。
【0021】
リードの厚さは、小型電池においては、30μm以上100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、50μm以下が更に好ましい。リードの厚さを、このように小さくすることで、リードが電極群に不要な外力を与えることが少なくなり、信頼性の高い小型電池を得ることができる。
【0022】
リードの幅は、0.5mm以上3.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましく、2.0mm以下が更に好ましい。リードの幅を、このように小さくすることで、リードが電極群に不要な外力を与えることが少なくなる。また本発明に係るリードは十分な引張り強度を有しているため、リードの幅を小さくした場合であっても破断を抑制することができ、信頼性の高い小型電池を得ることができる。
【0023】
ステンレス鋼を含む層を具備するクラッド材においては、引張り強度、破断伸び、靭性、耐腐食性等を特にバランスよく発現するリードを得る観点から、ステンレス鋼を含む層の含有量を最大にすることが好ましい。クラッド材におけるステンレス鋼を含む層もしくはSUS層の含有量は、例えば50質量%以上99質量%以下が好ましく、70質量%以上99質量%以下がより好ましい。
【0024】
ステンレス鋼を含む層を具備するクラッド材が、ニッケルを含む層を具備する場合、リードと電池構成部材との溶接強度を高める観点から、クラッド材におけるニッケルを含む層もしくは純Ni層の含有量は、例えば1質量%以上50質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましい。
【0025】
ステンレス鋼を含む層を具備するクラッド材が、銅を含む層を具備する場合、高導電性を確保する観点から、クラッド材における銅を含む層もしくは純Cu層の含有量は、例えば1質量%以上50質量%以下が好ましく、3質量%以上30質量%以下がより好ましい。
【0026】
リードを構成する金属箔は、例えば、金属シートを貼り合わせ、熱間圧延および/または冷間圧延を施し、その後、熱処理を行うことで製造できる。熱間圧延または圧延後の熱処理の条件を制御することで、生成する金属箔の破断伸びや引張り強度を制御することができる。
【0027】
熱間圧延は、金属の再結晶温度以上(例えば500℃以上1300℃以下)で金属シートを圧延加工する工程をいう。熱間圧延によれば、圧延後の金属箔の組織を微細化することができ、加工性に優れた金属箔を得ることができる。冷間圧延は、金属の再結晶温度未満(例えば100℃以下)で金属シートを圧延加工する工程をいう。冷間圧延により、金属の加工硬化を進行させることができる。
【0028】
熱処理は、金属箔を窒素雰囲気もしくは水素雰囲気中または真空中で、連続方式またはバッチ方式で加熱する処理をいう。連続方式では、長尺の金属箔が一端側から連続的に加熱装置に供給され、連続的に加熱される。バッチ方式では、例えばロール状に捲回された状態の金属箔が加熱装置内で加熱される。
【0029】
熱処理における加熱温度は、700℃以上1200℃以下が好ましい。上記範囲内であれば、加熱温度が高いほど、破断伸びが大きくなる傾向がある。引張り強度をより大きくしたい場合、加熱温度は、1000℃以下が好ましく、900℃以下がより好ましい。
【0030】
次に、本発明の実施形態に係る捲回型電池は、開口を有する電池ケースと、電池ケースに収容された電極群および電解質と、電池ケースの開口を塞ぐ封口体と、電池ケースと封口体とを絶縁するガスケットとを具備する。電極群は、第1電極と、第1電極とは極性が異なる第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在するセパレータとを具備し、第1電極と第2電極とがセパレータを介して捲回されている。第1電極と封口体は、第1集電リードで互いに電気的に接続されている。第2電極と電池ケースは、第2集電リードで互いに電気的に接続されている。第1集電リードは、一端部が、第1電極に接続され、他端部が、電極群の開口側の端面から引き出されて封口体の内側に接続される。第2集電リードは、一端部が、第2電極に接続され、他端部が、端面から引き出されて電池ケースの開口側の側壁内面に接続されている。
【0031】
上記構成を有する捲回型電池は、小型電池に適している。中でも、電池ケースの外径が10mm以下、更には6mm以下の円筒形である場合には、第2集電リードを電池ケースの内底面に溶接することが困難であり、上記構成を採用することが必須となる。
【0032】
上記構成の場合、第2集電リードを電池ケースに溶接する際に溶接治具を挿入するための空間が電池ケースの開口側に設けられる。溶接治具は、例えば、抵抗溶接を行う装置であり、一対の溶接用電極を具備している。一方の溶接用電極は、開口から電池ケース内に挿入され、これに対向するように他方の溶接用電極が開口端部の外側に配置される。一対の溶接用電極によって電池ケースの開口端部が第2集電リードとともに挟み込まれる。この状態で溶接用電極間に電流を流すことで、第2集電リードと電池ケースとが溶接される。
【0033】
ここで、電池ケースの開口側に空間が存在すると、電池に大きな衝撃が加わったときに電極群が電池ケースの軸方向に移動する。例えば、電極群が電池ケースの開口側に移動すると、第2集電リードが局部的に大きな曲率で屈曲することがある。また、電池に逆方向の衝撃が加わり、電極群が電池ケースの開口から離れるように移動すると、第2集電リードに強い張力が印加される。これに対し、上記電池用リードを第2集電リードに用いることで、第2集電リードの破断が顕著に抑制される。
【0034】
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る捲回型電池についてより詳細に説明する。ここでは、第1電極が正極であり、第2電極が負極である場合を例に説明する。
【0035】
(正極)
図1は、第1集電リード(正極集電リード)が接続された第1電極(正極)の一例を概略的に示す平面図(a)およびそのIb−Ib線断面図(b)である。正極4は、正極集電体シート40と、正極集電体シート40の両面に形成された正極活物質層41とを具備する。正極集電体シート40は矩形であり、本実施形態の場合、長辺方向(図1のY方向)が捲回軸方向に一致する。Y方向における一端部(以下、第一端部)には、正極集電体シート40が露出している第一未塗工部40aが設けられている。第一未塗工部40aは、第一端部に沿って帯状に設けられる。第一未塗工部40aには、短冊状の正極集電リード24の一端部が接続されている。
【0036】
一方、Y方向における他端部(以下、第二端部)には、正極集電体シート40が露出しておらず、第二端部の端面40bを除き、両面の全面に正極活物質層41が形成されている。また、正極集電体シート40の短辺方向(図1のX方向)における両端部も、それらの端面および第一未塗工部に対応する部分を除き、両方の全面が正極活物質層41で覆われている。なお、「端面」とは、集電体シートを裁断するときに形成される厚さ方向の断面に対応する。
【0037】
正極集電体シート40のY方向における幅W10は、電池ケースの長さまたは電池容量に応じて選択すればよい。第一未塗工部40aの幅W11は、例えば2mm〜4mmであればよい。
【0038】
図2は、第1集電リード(正極集電リード)が接続された第1電極(正極)の他の例を概略的に示す平面図(a)およびそのIIb−IIb線断面図(b)である。図2では、第一未塗工部40aが絶縁層5で裏表両面から覆われている。絶縁層5は、第一端部の端面40cが覆われるように、第一端部に沿って帯状に設けられる。第一端部の端面40cが絶縁層5で覆われることで、絶縁層5は第一端部の端面40cから、僅かに張り出すことになる。これにより、第一未塗工部40aの存在による内部短絡のリスクが低減するとともに、正極集電リード24の根本が絶縁層5で固定される。
【0039】
絶縁層5の第一端部の端面40cからの張り出し幅W12は、0.1m〜1mmであることが好ましく、0.4mm〜0.6mmであることが更に好ましい。これにより、正極集電リード24の根本を絶縁層5で固定する効果が大きくなり、かつ電極群の第一方向の長さの不要な増大を避けることができる。
【0040】
絶縁層5は、第一未塗工部40aの両面の合計面積の70%以上を被覆することが好ましく、第一未塗工部40aが完全に絶縁層5で被覆されることが更に好ましい。
【0041】
絶縁層5は、絶縁性の樹脂成分を含む粘着剤で形成することが好ましく、例えばゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などを用いることができる。絶縁層5として、絶縁テープを用いてもよい。絶縁テープを用いると、第一未塗工部40aを絶縁層で被覆する作業が容易となる。絶縁テープは、絶縁シート(基材フィルム)と、絶縁シートの一方の面に設けられた粘着層とを有する。絶縁シートには、例えば、ポリプロピレン製フィルムが用いられる。絶縁層5の厚さは、正極活物質層の厚さの20%〜50%であることが好ましい。
【0042】
円筒形電池がリチウムイオン電池である場合、正極集電体シート40には、例えばアルミニウム、アルミニウム合金などの金属箔が好ましく使用される。正極集電体シート40の厚さは、特に限定されないが、10μm〜20μmが好ましい。
【0043】
正極活物質層41は、正極活物質を含み、任意成分として結着剤、導電剤などを含む。リチウムイオン二次電池の正極活物質としては、リチウム含有複合酸化物が好ましく、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMn24などが用いられる。正極活物質層の厚さは、特に限定されないが、70μm〜130μmが好ましい。
【0044】
正極集電リード24には、上記電池用リードを用いてもよいが、一般的な電池用リードを用いてもよい。第1集電リードである正極集電リード24は、正極と封口体の内側とを接続するものであり、電池の構造上、衝撃による破断を生じにくいためである。一般的な電池用リードとしては、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、ステンレス鋼などの金属箔が挙げられる。正極集電リード24の厚さは、10μm〜100μmが好ましく、20μm〜80μmが更に好ましい。正極集電リード24の形状は、特に限定されないが、電池ケースの外径が10mm以下の円筒形である場合、幅0.5mm〜3mm、長さ3mm〜10mmの短冊状であることが好ましい。
【0045】
(負極)
図3は、第2集電リード(負極集電リード)が接続された第2電極(負極)を概略的に示す平面図(a)およびそのIIIb−IIIb線断面図である。負極2は、負極集電体シート20と、負極集電体シート20の両面に形成された負極活物質層21とを具備する。負極集電体シート20は、X方向の長さが正極集電体シート40よりも大きく設定された矩形である。負極集電体シート20のX方向における一端部(以下、第一端部)には、負極集電体シートが露出している第二未塗工部20aが設けられている。第二未塗工部20aは、当該第一端部に沿って帯状に設けられる。第二未塗工部20aには、短冊状の負極集電リード22の一端部が溶接により接続されている。
【0046】
負極集電体シート20のX方向における他端部(以下、第二端部)にも、負極集電体シート20が露出している第三未塗工部20bが帯状に設けられている。このような負極集電体シート20の露出部は、負極活物質層の剥離を抑制するために設けられる。
【0047】
負極集電体シート20のY方向における両端部は、各端部の端面20c、20、第二未塗工部20a、第三未塗工部20bに対応する部分を除き、負極活物質層21で覆われている。これにより、正極活物質層41と負極活物質層21との対向面積を十分に大きくすることができる。
【0048】
第二未塗工部20aの幅W21は、負極集電体シート20のX方向における幅W20の10%〜50%であることが好ましい。一方、第三未塗工部20bの幅W22は、幅W20の1%〜10%であればよい。第三未塗工部20bは存在しなくてもよい。第二未塗工部20a、第三未塗工部20bの裏面には、その少なくとも一部に負極活物質層が形成されていてもよい。あるいは、第二未塗工部20a、第三未塗工部20bの裏面は、表面と同様に、負極集電体シートが露出する未塗工部であってもよい。
【0049】
円筒形電池がリチウムイオン電池である場合、負極集電体シート20には、例えばステンレス鋼、ニッケル、銅、銅合金、アルミニウムなどの金属箔が好ましく使用される。負極集電体シート20の厚さは、特に限定されないが、5μm〜20μmが好ましい。
【0050】
負極活物質層21は、負極活物質を含み、任意成分として結着剤、導電剤などを含む。リチウムイオン電池の負極活物質としては、金属リチウム、珪素合金、炭素材料(黒鉛、ハードカーボンなど)、珪素化合物、錫化合物、チタン酸リチウム化合物などが用いられる。負極活物質層の厚さは、特に限定されないが、70μm〜150μmが好ましい。
【0051】
負極集電リード22には、上記電池用リードを用いる。負極集電リード22の形状は、特に限定されないが、電池ケースの外径が10mm以下の円筒形である場合、幅0.5mm〜3mm、長さ9mm〜15mmの短冊状であることが好ましい。
【0052】
図3では、第二未塗工部20aと負極集電リード22との接続部分が、固定用絶縁テープ54で覆われている。固定用絶縁テープ54は、捲回後の電極群の最外周を固定するものである。これにより、負極集電リード22と負極集電体シート20との接続部分の強度を確保しやすくなる。
【0053】
図4は、捲回前の電極群の構成を概略的に示す平面図である。図示例では、セパレータ6を中心に、セパレータ6の左側かつ背面側に正極4が配置され、セパレータ6の右側かつ表面側に負極2が配置されている。正極活物質層41の捲回軸方向(Y方向)における幅W13は、負極活物質層21のY方向における幅W23より僅かに小さく、正極活物質層41が完全に負極活物質層21と重複するように正極4と負極2とが積層される。このような正極4、セパレータ6および負極2の積層体が、巻芯50を中心として捲回され、電極群が構成される。
【0054】
セパレータ6のY方向における両端部は、正極4および負極2の対応する端部よりも突出している。これにより、内部短絡のリスクが更に低減する。また、第一未塗工部40aの端面40cは、負極集電体シート20の端面20cよりも突出している。上記位置関係では、負極集電体シート20の端面20cの位置が、正極集電体シート40の第一未塗工部40aを被覆する絶縁層5と対向することとなり、負極集電体シートの端面による内部短絡のリスクが大きく低減する。なお、Y方向の正極集電リード24が突出する側では、絶縁層5のY方向の端部を、セパレータ6の対応する端部よりも突出させてもよい。
【0055】
負極2のX方向における一端部(第二未塗工部20a)は、セパレータ6から張り出している。張り出した部分は、固定用絶縁テープ54を介して電池ケースの側壁内面と対向する。
【0056】
図5は、本発明の一実施形態に係る円筒形電池の縦断面図である。正極4と負極2は、セパレータ6を介して捲回されて電極群を形成している。電極群は、電解質(図示せず)とともに有底円筒形の電池ケース8と、電池ケース8の開口部を封口する封口体12とで形成される空間に密閉されている。巻芯50を抜き取った後の電極群の捲回軸の近傍には半径Rの中空部18が形成される。電池ケース8の開口端部は、ガスケット16を介して封口体12の周縁に加締められる。図示例では、封口体12の周縁に絶縁性のリング部材30が配置され、電池ケース8と封口体12との絶縁が担保されている。
【0057】
負極集電リード22および正極集電リード24は、いずれも電池ケース8の開口側に配置される。すなわち、正極集電リード24は、一端部が、正極4に接続され、他端部が、電極群の開口側の端面から引き出されて封口体12の内側に接続されている。一方、負極集電リード22は、一端部が、負極2に接続され、他端部が、電極群の開口側の端面から引き出されて、電池ケース8の開口側の側壁内面に抵抗溶接により接続されている。電池ケース8の底面の外面は負極端子10となり、封口体12の外面は正極端子14となる。なお、図5では、固定用絶縁テープ54は省略している。
【0058】
負極集電リード22を電池ケース8の側壁内面に接触させるには、抵抗溶接を行うための溶接用電極を開口から電池ケース内に挿入する必要がある。よって、電池ケース8の開口側に、溶接用電極を挿入するための空間が設けられる。この空間には、例えば絶縁性のリング状の中間部材28が配置される。これにより、電極群の捲回軸方向への移動は、概ね制限されている。なお、中間部材28はガスケット16と一体化させてもよい。正極集電リード24は、中間部材28の中空部を通って封口体12の内面まで導出されている。
【0059】
上記構造の場合、正極集電リード24を封口体12の内面に接続する作業や、封口体12で電池ケース8の開口を塞ぐ作業を行うためには、正極集電リード24が所定のリード長さを有する必要がある、よって、正極集電リード24は、屈曲された状態で、電池ケース内の空間に収容される。
【0060】
一方、負極集電リード22は、電池ケース8の側壁内面に溶接されるため、電極群の端面からの負極集電リード22の突出長さは短くてよい。そのため、負極集電リード22は、ほとんど屈曲することなく、電極群の最外周と電池ケース8の側壁とで狭まれるように電池ケース8内に収容されている。従って、使用機器の落下などの大きな衝撃によって電極群が電池ケースの軸方向に移動すると、負極集電リード22に急激に局所的かつ曲率の大きな曲げ応力が発生し、もしくは抵抗溶接により形成された溶接点26と第二未塗工部20aと負極集電リード22との接続部分との間に大きな張力が印加されたりする。これに対し、本発明の実施形態に係る電池用リードを負極集電リード22として使用する場合、このような応力が複数回印加される場合でも、負極集電リード22の破断を抑制することが可能である。
【0061】
(セパレータ)
セパレータ6には、例えば、樹脂製の微多孔膜、不織布が挙げられる。樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、および/またはポリイミド樹脂などが例示できる。セパレータの厚さは、好ましくは5〜40μmもしくは5〜30μmである。
【0062】
(電解質)
電解質は、電池の種類に応じて適宜選択できる。電解質は、溶媒と、溶媒に溶解した溶質(支持塩)を含んでいる。電解質は、液状であってもよく、ゲル状であってもよい。例えば、リチウムイオン二次電池では、支持塩(またはリチウム塩)としては、フッ素含有酸のリチウム塩[ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)など]などが使用される。溶媒としては、非水溶媒が使用される。非水溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート(EMC)などの鎖状カーボネート、鎖状エーテル、環状エーテル、ラクトンなどが挙げられる。電解質における支持塩の濃度は、特に制限されず、例えば、0.5〜2mol/Lである。
【0063】
(電池ケース)
電池ケース8は、開口を有し、例えば外径が10mm以下、好ましくは6mm以下の有底円筒形である。電池ケース8の底部の厚さ(最大厚さ)は、例えば0.08〜0.2mm、好ましくは0.09〜0.15mmである。電池ケースの側壁の厚さ(最大厚さ)は、例えば0.08〜0.2mm、好ましくは0.08〜0.15mmである。
【0064】
電池ケース8は、金属缶であることが好ましい。電池ケース8を構成する材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金(ステンレス鋼を含む)などが例示できる。電池ケースには、必要に応じてニッケルなどのめっき処理を施してもよい。
【0065】
(封口体)
封口体の形状は、特に制限されず、円盤状または円盤の中央部が厚さ方向に突出した形状(ハット状)などが例示できる。封口体の材質としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金(ステンレス鋼を含む)などが例示できる。
【0066】
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0067】
(実施例1)
以下の手順に従って、図5に示す円筒形電池(円筒形リチウムイオン二次電池)を作製した。
【0068】
(1)正極の作製
正極活物質としてニッケル酸リチウム100質量部、導電剤としてアセチレンブラック4質量部、および結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)4質量部に、分散媒としてNMPを加えて混合することにより、正極合剤スラリーを調製した。正極合剤スラリーを正極集電体としてのアルミニウム箔(厚さ15μm)の両面に塗布し、乾燥後、厚さ方向に圧縮することにより、正極活物質層を形成し、正極(厚さ0.14mm)を得た。正極には、正極の幅方向に沿って正極活物質層を有さない第一未塗工部を設け、リボン状のアルミニウム製の正極集電リード(幅1.0mm、厚さ50μm)の一端部を第一未塗工部に接続した。その後、第一未塗工部に絶縁性の粘着テープを貼り付けて絶縁層を形成した。
【0069】
(2)負極の作製
負極活物質として人造黒鉛粉末100質量部、結着剤としてスチレン−メタクリル酸−ブタジエン共重合体1質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)1質量部を混合し、得られた混合物を、脱イオン水に分散させることにより、負極合剤スラリーを調製した。負極集電体としての銅箔(厚さ10μm)の両面に、負極合剤スラリーを塗布し、乾燥後、厚さ方向に圧縮することにより、負極活物質層を形成し、負極(厚さ0.15mm)を得た。負極の電極群における最外周に相当する部分には、両面に負極活物質層を有さない第二未塗工部を形成した。第二未塗工部にはリボン状の所定の負極集電リード(幅1.5mm、厚さ50μm)の一端部を接続した。ここでは、負極集電リードに、Ni−SUS−Cu軟材を用いた。純Ni層、SUS層および純Cu層の含有量は、それぞれ10質量%、80質量%および10質量%であった。破断伸びおよび引張り強度は、それぞれ60%および700MPaであった。
【0070】
(3)電極群の作製
帯状のセパレータを、巻芯(直径0.8mmの円柱状)のスリット部に挟み込み、スリット部で折り曲げて二枚重ねた状態にした。正極と負極との間にセパレータが介在した状態となるように、セパレータと、正極と、負極とを重ね合わせ、正極活物質層と負極活物質層とを対向させた。この状態で、巻芯を中心にして、正極、負極およびセパレータを捲回して電極群を形成した。その後、巻芯を抜き取り、巻き終わり端部に巻止めテープを貼り付けて電極群を固定した。電極群の端面(電池ケース内で開口側に位置する端面)から正極集電リードおよび負極集電リードを延出させた。
【0071】
(4)非水電解質の調製
ECとEMCとを1:1の質量比で含む混合溶媒に、LiPF6を溶解させることにより、非水電解質を調製した。非水電解質中のLiPF6の濃度は1.0mol/Lとした。
【0072】
(5)円筒形電池の作製
電極群をニッケルめっき鉄板から形成された開口を有する有底円筒形の電池ケースに挿入し、負極集電リードの他端部を、電池ケースの側壁内面に抵抗溶接により接続した。電極群の上部に絶縁性のリング状の中間部材を配置し、電極群から引き出した正極リードの他端部を中間部材の孔を通して、周縁部にガスケットを装着した封口体の内面に接続した。電池ケース内に非水電解質を所定量注液した後、封口体で電池ケースの開口を封口した。このようにして、公称容量30mAhの電池A1(高さ30mm)を得た。同様の電池A1を合計3個作製した。
【0073】
[評価]
得られた電池を電極群の巻回軸が鉛直方向で、かつ電池ケースの開口側が下向きとなるように、高さ1mの位置から地面に5回落下させた。次いで、開口側が上向きとなるように電池の向きを反転させ、上記と同様に5回落下させた。これを1セットとして繰り返し、負極集電リードが破断するまでの合計セット数(N:3個の平均)を確認した。
【0074】
(実施例2)
負極集電リードの材質をNi−Cu軟材に変更したこと以外、実施例1と同様に電池A2を作製し、評価した。純Ni層および純Cu層の含有量は、それぞれ70質量%および30質量%であった。破断伸びおよび引張り強度は、それぞれ20%および330MPaであった。
【0075】
(実施例3)
負極集電リードの材質をNi−SUS−Cu硬材に変更したこと以外、実施例1と同様に電池A3を作製し、評価した。純Ni層、SUS層および純Cu層の含有量は、それぞれ10質量%、80質量%および10質量%であった。破断伸びおよび引張り強度は、それぞれ17%および1000MPaであった。
【0076】
(比較例1〜3)
表1に示す負極集電リードを用いたこと以外、実施例1と同様に電池B1〜B3を作製し、評価した。
【0077】
【表1】
【0078】
表1に示すように、実施例1〜3の負極集電リードは落下衝撃に対する耐性が高く、破断が顕著に抑制されることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の実施形態によれば、電池が落下した場合でも電池用リードの破断が抑制され、電池の高い品質を確保することができる。上記電池用リードは、各種携帯電子機器の電源となる電池に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0080】
2:負極(第2電極)
4:正極(第1電極)
5:絶縁層
6:セパレータ
8:電池ケース
10:負極端子
12:封口体
14:正極端子
16:ガスケット
18:中空部
20:負極集電体シート
20a:第二未塗工部
20b:第三未塗工部
21:負極活物質層
22:負極集電リード(第2集電リード)
24:正極集電リード(第1集電リード)
26:溶接点
28:中間部材
30:リング部材
40:正極集電体シート
41:正極活物質層
40a:第一未塗工部
50:巻芯
54:固定用絶縁テープ
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】