特表-18142926IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-142926電池モジュール、および、その製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月9日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】電池モジュール、および、その製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20191018BHJP
   H01M 2/30 20060101ALI20191018BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20191018BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/30 C
   H01M2/02 C
   H01M2/10 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
【出願番号】特願2018-566029(P2018-566029)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月17日
(31)【優先権主張番号】特願2017-15070(P2017-15070)
(32)【優先日】2017年1月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥谷 仰
(72)【発明者】
【氏名】坂本 真一
【テーマコード(参考)】
5H011
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011CC06
5H011DD13
5H011KK01
5H040AA03
5H040AT01
5H040AT02
5H040AY10
5H040CC34
5H040DD03
5H040DD24
5H040DD29
5H040JJ03
5H040LL01
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA19
5H043AA20
5H043CA03
5H043CA22
5H043FA04
5H043FA05
5H043FA26
5H043FA38
5H043HA17F
5H043HA18F
5H043HA29F
5H043JA13F
5H043KA09F
5H043LA02F
5H043LA04F
5H043LA15F
5H043LA21F
5H043LA22F
(57)【要約】
電池モジュール(10)は、端子(14)をそれぞれ有する複数の電池セル(11)と、複数の電池セル(11)の各端子(14)にリード部(47)がそれぞれ接合されることによって電池セル(11)同士を電気的に接続するリード板(41)とを備える。リード部(47)はアルミニウム純度99.0%以上のアルミニウム薄板で構成され、リード部(47)の端子(14)に対する接合面の表面粗度Raが10μm以下であり、リード部(47)が固相接合によって端子(14)に電気的に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子をそれぞれ有する複数の電池セルと、
前記複数の電池セルの各端子にリード部がそれぞれ接合されることによって前記電池セル同士を電気的に接続するリード板と、を備える電池モジュールであって、
前記リード部はアルミニウム純度99.0%以上のアルミニウム薄板で構成され、前記リード部の前記端子に対する接合面の表面粗度Raが10μm以下であり、前記リード部が固相接合によって前記端子に電気的に接続されている、
電池モジュール。
【請求項2】
前記リード部は超音波接合によって前記端子に固相接合されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記電池セルのセルケース本体は前記端子を含めて鉄系金属板により構成され、前記リード部は異種金属同士の固相接合により前記端子に電気的に接続されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記リード部は前記端子に接合されるときに外部から加熱されることによって結晶粒が肥大化されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記リード部は光照射によって局所的に加熱される、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記リード部は、前記端子に接合されるリード先端部と、前記リード先端部と前記リード板の基板部とを接続するリード首部とを有し、前記リード先端部の幅は前記リード首部の幅の1.0〜10倍である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記リード先端部は、前記リード首部の幅方向中心線に対して対称形状に形成されている、請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
端子をそれぞれ有する複数の電池セルと、前記複数の電池セルの各端子にリード部がそれぞれ接合されることによって前記電池セル同士を電気的に接続するリード板とを備え、前記リード部が超音波接合によって前記端子に固相接合されている電池モジュールの製造方法であって、
前記複数の電池セル、および、前記リード部がアルミニウム純度99.0%以上のアルミニウム薄板で構成されるとともに前記リード部の前記端子に対する接合面の表面粗度Raが10μm以下であるリード板を準備する準備工程と、
前記リード部の接合面を前記電池セルの端子に超音波振動子によって押圧する押圧工程と、
前記超音波振動子を用いて前記リード部を加振する加振工程と、
前記リード板において少なくとも前記リード部を加熱する加熱工程と、
を含む、電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記超音波振動子による前記リード部に対する押圧荷重は1〜50Nであり、前記超音波振動子による前記リード部の振動周波数は60〜100kHzである、請求項8に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記端子に押圧された状態で加振される前記リード部に光を照射して局部的に加熱する、請求項8または9に記載の電池モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池モジュールとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電池セルをリード板によって電気的に接続して構成される電池モジュールが知られている。電池セルは、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池が好適に用いられる。また、リード板には、ニッケル薄板や銅薄板が用いられるが、他にも例えば、重量、通電よる発熱、コスト等を考慮してアルミニウム薄板が用いられることもある。
【0003】
リード板には、各電池セルに対応して複数のリード部が形成されている。リード部は、例えば、平板状のアルミニウム薄板を打ち抜き加工することによって、リード板の基板部に片持ち状態で接続した片状に形成することができる。このように形成されたリード部が各電池セルの端子にそれぞれ接合されることによって、各電池セルはリード板を介して電気的に接続されることになる。
【0004】
電池セルの端子がアルミニウム又はアルミニウム合金製の板材によって構成される場合、同種のアルミニウム薄板からなるリード板のリード部を例えばスポット溶接することによって冶金接合することが可能である。しかし、電池セルの端子がアルミニウム以外の例えば銅または銅合金や、鉄系金属によって形成される場合、アルミニウムは銅や鉄と合金層を作らないため、冶金接合することができない。また、スポット溶接等の冶金接合でリード板を電池セルに接合すると、溶接時の熱が端子を介して電池セル内部の電極に伝わり、その結果、電極材料(例えば活物質等)が熱影響により劣化して電池性能が低下することが懸念される。
【0005】
近年、異種金属同士を接合するための技術として固相接合が盛んになってきている。例えば、下記特許文献1には、隣接する複数の素電池の金属端子に金属ラインを接続して金属ラインでもって素電池を直列又は並列に接続して構成される組電池であって、金属ラインを素電池の金属端子の接合面に超音波溶接して連結することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5078282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1には、金属体からなる金属ラインを素電池の金属端子の上に積層し、金属ラインを金属端子に押圧した状態で、金属ラインを超音波振動させて、金属端子に超音波溶接することが記載されている。そして、このときの金属ラインを押圧および加振する超音波振動子の押圧力、振動周波数、出力が具体的数値によって例示されている。
【0008】
しかし、上述したようにリード板を固相接合によって電池セルの端子に固相接合する場合、超音波溶接機の溶接プロセス条件以外のパラメータを工夫することよって、リード板の接合強度アップによる電池モジュールの信頼性向上と、接合時間の短縮による生産性向上を図ることが好ましい。
【0009】
本開示の目的は、超音波溶接のプロセス条件以外のパラメータ調整によって、アルミニウム薄板からなるリード板を電池セルの端子に強固に接合して電池モジュールの信頼性を向上させるとともに、接合時間の短縮による電池モジュールの生産性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る電池モジュールは、端子をそれぞれ有する複数の電池セルと、前記複数の電池セルの各端子にリード部がそれぞれ接合されることによって前記電池セル同士を電気的に接続するリード板と、を備える電池モジュールであって、前記リード部はアルミニウム純度99.0%以上のアルミニウム薄板で構成され、前記リード部の前記端子に対する接合面の表面粗度Raが10μm以下であり、前記リード部が超音波接合によって前記端子に固相接合されているものである。
【0011】
また、本開示に係る電池モジュールの製造方法は、端子をそれぞれ有する複数の電池セルと、前記複数の電池セルの各端子にリード部がそれぞれ接合されることによって前記電池セル同士を電気的に接続するリード板とを備え、前記リード部が超音波接合によって前記端子に固相接合されている電池モジュールの製造方法であって、前記複数の電池セル、および、前記リード部がアルミニウム純度99.0%以上のアルミニウム薄板で構成されるとともに前記リード部の前記端子に対する接合面の表面粗度Raが10μm以下であるリード板を準備する準備工程と、前記リード部の接合面を前記電池セルの端子に超音波振動子によって押圧する押圧工程と、前記超音波振動子を用いて前記リード部を加振する加振工程と、前記リード板において少なくとも前記リード部を加熱する加熱工程と、を含む。ここで、押圧工程、加振工程及び加熱工程は同時に実行されてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本開示に係る電池モジュールおよびその製造方法によれば、アルミニウム薄板からなるリード板を電池セルの端子に異種金属同士であっても強固に固相接合でき、電池モジュールの信頼性が向上するとともに、接合時間の短縮による電池モジュールの生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態である電池モジュールの分解斜視図である。
図2】(a)は電池セルの端子に固相接合されたリード板のリード部の拡大平面図であり、(b)は(a)中のA−A断面図である。
図3】(a)〜(c)はリード部の形状の変形例を示す図2(a)と同様の図である。
図4】リード板のリード部を電池セルの端子に超音波接合するときの様子を示す図である。
図5】リード板のリード部を電池セルの端子に超音波接合して電池モジュールを製造する工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
【0015】
以下においては、電池セルが円筒型電池である場合について説明するが、本開示は、角形をなす電池セルを複数接続して構成される電池モジュールに適用されてもよい。また、以下では、スポット溶接等の冶金接合と明確に区別するために、一般的用語「超音波溶接」に代えて「超音波接合」なる用語を適宜に使用する。
【0016】
図1は、本開示の一実施形態である電池モジュール10の分解斜視図である。先ず、図1を用いて電池モジュール10の全体像について説明する。図1に示すように、電池モジュール10は、複数の円筒型の電池セル11と、各電池セル11を収容する筒状の収容部が複数設けられた電池ホルダー20とを備える。
【0017】
電池セル11は、金属製のセルケース12と、セルケース12内に収容された電池要素(図示せず)と、正極端子14および負極端子15を備える。電池要素には、一対の電極体と、電荷の移動を許容する非水電解質などが含まれる。セルケース12は、電池要素を収容する有底円筒形状のセルケース本体13と、セルケース本体13の開口部を塞ぐ封口体とで構成される。この封口体が電池セル11の一端部において例えば扁平円柱状に突出した正極端子14を構成する。セルケース本体13と正極端子14の間には、樹脂製のガスケット(図示せず)が設けられる。
【0018】
正極端子14は、例えば弁体、キャップ等を含む積層構造を有し、電池要素の正極電極体と電気的に接続されている。本実施形態では、正極端子14は、アルミニウム板又はアルミニウム合金板で形成されてもよいし、あるいは、銅、銅合金、鉄系金属等の金属板で形成されもよい。また、セルケース本体13が、電池要素の負極電極体と電気的に接続されて電池セル11の負極として機能するが、通常はセルケース本体13の外周側面が絶縁樹脂フィルムで被覆されてセルケース本体13の円形状の平坦な底面が負極端子15となっている。本実施形態において、負極端子15を構成するセルケース本体13は、アルミニウム板又はアルミニウム合金板で形成されてもよいし、あるいは、銅、銅合金、鉄系金属等の金属板で形成されもよい。
【0019】
電池セル11は、電池ホルダー20の筒状の収容部の穴21に収容されて整列配置される。電池モジュール10は、電池ホルダー20に取り付けられる一対のポスト30を備える。各ポスト30は、電池ホルダー20の横方向両側面を覆う板状部材であって、一方の面に凸部31が設けられる。各ポスト30は、各凸部31を電池ホルダー20側に向け、電池ホルダー20を挟んで互いに対向するように配置される。凸部31は、電池ホルダー20の凹部25に嵌合する。
【0020】
電池ホルダー20の上には、正極リード板(リード板)41が、正極絶縁板42を介して複数の電池セル11の各正極端子14と電気的に接続された状態で設けられ、その上には正極集電板40が正極リード板41と電気的に接続された状態で設けられる。正極リード板41と正極集電板40とは、例えば溶接等によって一体化される。
【0021】
他方、電池ホルダー20の下には、負極リード板(リード板)46が、負極絶縁板53を介して複数の電池セル11の各負極端子15と電気的に接続された状態で設けられ、その下には、負極集電板45が負極リード板46と電気的に接続された状態で設けられる。負極リード板46と負極集電板45とは、例えば溶接等によって一体化される。
【0022】
複数の電池セル11は、正極リード板41及び負極リード板46によって並列接続される。正極リード板41は、正極基板部(基板部)43と、正極リード部(リード部)47とを含む。正極リード部47は、電池モジュール10に含まれる複数の電池セル11に対応する数で形成されている。正極基板部43は、正極リード部47を介して電池セル11の正極端子14に電気的に接続される。
【0023】
また、負極リード板46は、負極基板部(基板部)48と、負極リード部(リード部)50とを含む。負極リード部50は、電池モジュール10に含まれる複数の電池セル11に対応する数で形成されている。負極基板部48は、負極リード部50を介して電池セル11の負極端子15に電気的に接続される。
【0024】
電池ホルダー20と、正極及び負極リード板41,46の間には、複数の電池セル11の各端子14,15を露出させる円形の孔49,54が形成された正極絶縁板42及び負極絶縁板53が設けられる。正極絶縁板42及び負極絶縁板53は、例えば樹脂の板材で構成される。また、円形の孔49,54は、正極端子14よりも大径で、円筒状のセルケース本体13よりも小径に形成されている。
【0025】
正極集電板40および正極絶縁板42等は、例えば、図示しないネジを用いて一対のポスト30に固定される。負極集電板45および負極絶縁板53もまた、例えば、図示しないネジを用いて一対のポスト30に固定される。これにより、電池モジュール10が一体に組み付けられる。このように一体化された電池モジュールは、例えば、正極集電板40及び負極集電板45を用いて、隣接配置される別の電池モジュール10と直列接続される。
【0026】
図2(a)は電池セル11の正極端子14に固相接合された正極リード板のリード部の拡大平面図であり、同(b)は(a)中のA−A断面図である。
【0027】
図2(a),(b)に示すように、正極リード板41において、正極リード部47は、例えばアルミニウム薄板に略U字状の貫通孔44を例えば打ち抜き加工で形成することよって、基板部43に片持ち状に接続された片状に形成される。正極リード部47は、例えば、略円状をなすリード先端部47aと、リード先端部47aと基板部43とを接続するリード首部47bとを含む。本実施形態では、リード首部47bは、基板部43に近い基端側で斜めに傾斜するように曲げられ、リード先端部47aの近傍においてリード先端部47aが基板部43に沿った姿勢となるように曲げられている。
【0028】
リード先端部47aの最大幅W1は、リード首部47bの幅W2(例えば、0.15〜2mm)の1.0〜10倍程度、より好ましくは2〜5倍程度に形成されるのが好ましい。換言すれば、リード首部47bの幅W2は、リード先端部47aの最大幅W1と同値〜1/10程度、より好ましくは1/2〜1/5程度に形成されている。このようにリード首部47bの幅W2を狭く形成することで、後述するように正極リード部47を正極端子14に超音波接合する場合、リード先端部47aが振動しやすくなり、超音波接合を良好かつ短時間で行うことができる。
【0029】
また、リード先端部47aを一体に有する正極リード板41の板厚tは、例えば、0.05mm〜0.5mmが好ましく、0.3mm以下とするのがより好ましい。さらに、リード先端部47aはリード首部47bよりも幅広に形成されることが好ましいが、特に、リード先端部47aがリード首部47bの幅方向中心性線Cに対して対称形状に形成されていることが好ましい。このようにリード先端部47aが対称形状に形成されることによっても、リード先端部47aが振動しやすくなり、超音波接合を良好かつ短時間で行うことに有利になる。
【0030】
なお、リード先端部47aの形状は、上述した半円形状に限定されるものではない。リード先端部47aは、例えば、図3(a)に示すように略円形状に形成されてもよいし、図3(b)に示すように略長方形状に形成されてもよいし、あるいは、図3(c)に示すように、略台形状に形成されてもよい。
【0031】
また、正極リード部47のリード首部47bは、例えば幅W2で、がリード先端部47aの幅W1の1/10程度の細幅に形成されて、ヒューズとして機能してもよい。この場合、電池セル11の内部短絡等に起因して過電流が流れたときにリード首部47bが溶断することで、当該電池セル11を電気的に切り離すことができ、他の電池セル11への影響を抑制できる。
【0032】
図2(a)に示すように、正極リード部47は、リード先端部47aの中央部において、正極端子14の表面に超音波接合によって接合されている。その接合部60が二点鎖線の円形領域で示されている。次に、図4を参照して、電池セル11の正極端子14に対する正極リード部47の超音波接合について説明する。
【0033】
図4は、正極リード板41の正極リード部47を電池セル11の正極端子14に超音波接合するときの様子を示す図である。図5は、正極リード板41の正極リード部47を電池セル11の正極端子14に超音波接合して電池モジュール10を製造する工程を示すフローチャートである。
【0034】
図4に示すように、本実施形態において正極リード部47は、例えば円柱状の超音波振動子72を有する超音波溶接機70を用いて正極端子14に接合される。本実施形態では電池セル11のセルケース本体13は、鉄系金属板により構成された場合の一例を示し、電池セル11の正極端子14は鉄系金属板で構成されている。正極リード部47は、アルミニウム純度が99.0%以上のアルミニウム薄板で構成されており、アルミニウム純度が99.5%(JIS規格:A1050相当)以上のアルミニウム薄板で構成されるのがより好ましい。また、正極端子14の表面に接合されることとなる正極リード部47の接合面の表面粗度はRa10μm以下であり、Ra1μm以下であることがより好ましい。
【0035】
このような正極リード部47の純度および表面粗度は、上記のような純度及び表面粗度を有するアルミニウム薄板で正極リード板41として用いることで実現される。このように高純度で添加剤や不純物が少ないアルミニウム薄板を用いることで、正極端子14を構成する金属材料の原子と正極リード部47のアルミニウム原子との原子間距離を縮めるのに有利となり、強固な固相接合(共晶状態)を実現することができる。
【0036】
正極リード板41を電池セル11に超音波接合する場合、まず、複数の電池セル11と正極リード板41を準備する(図5のステップS10)。加えて、本実施形態では、正極絶縁板42も併せて準備する。本実施形態では、正極リード板41が正極集電板40に溶接等で予め一体化されている場合を例示するが、正極リード板41を電池セル11に超音波接合した後に、正極リード板41を正極集電板40と溶接して一体化してもよい。
【0037】
次に、電池セル11を超音波溶接機70の支持台(図示せず)上にセットする。そして、電池セル11の上に、正極絶縁板42、正極リード板41および正極集電板40を重ねた状態にセットする。このとき、電池セル11の正極端子14は、正極絶縁板42および正極集電板40の各孔49,51を介して露出し、正極端子14の表面上に正極リード部47のリード先端部47aが対向または載置された状態になる。
【0038】
この状態で、超音波振動子72によってリード先端部47aを正極端子14に例えば1〜50N、より好ましくは10〜35Nの押圧力Fで押圧する(図5のステップS12)。
【0039】
続いて、本実施形態では、超音波振動子72により押圧されたリード先端部47aにレーザ光LBを照射して、正極リード板41の全体ではなく、リード先端部47aを局所的に加熱する(図5のステップS14)。このときのレーザ光LBのレーザ波長は、例えば300〜1100nm(より好ましくは800〜1100nm)で、レーザ出力は、例えば100〜5000Wとすることができる。このように局所加熱することで、常温環境下でリード先端部47aを超音波接合するとき、リード先端部47aと正極端子14との境界面での温度上昇が早くなり、より短時間で固相状態を実現するのに有利になる。
【0040】
ここで、レーザ光LBによる局所加熱は、例えば20℃〜50℃程度の温度上昇分が得られる程度で、リード先端部47aの接合強度が5%〜10%程度、高くなることが実験により確認できた。このようにレーザ光LBによって局所的に加熱する構成とすることで、電池モジュール10の製造設備の小型化および低コスト化を実現できる。リード先端部47aを外部から加熱するには、ノズルで熱風をスポット的に噴き付けるか、または、高温槽内に超音波接合を行うことも考えられが、これらの場合には固相接合に関係しないリード先端部47a以外の電池モジュール構成部材(例えば、電池セル11)等も加熱されて熱影響(例えば電極材料や樹脂製パッキンの劣化等)を受けることが懸念されることから、レーザ光照射による局所加熱を用いることが好適である。
【0041】
続いて、この押圧状態および局所加熱状態で超音波振動子72を例えば60〜100kHz、より好ましくは70〜90kHzの振動周波数fで振動させて、リード先端部47aを加振する(ステップS16)。このときの超音波溶接機70の出力は、例えば5〜300W、より好ましくは40〜80Wとすることができる。
【0042】
これにより、リード先端部47aが正極端子14との摩擦熱によって温度上昇して軟化する。このときのリード先端部47aの接合面(すなわち正極端子14との接触面)の温度は、リード先端部47aを構成するアルミニウム薄板の融点(約660℃)より低い温度(例えば、約150〜300℃)になる。また、このときリード先端部47aが押圧状態で正極端子14の表面と摩擦することで、リード先端部47aの接合面に形成されている酸化アルミ層は破壊されてアルミニウム原子が接合面に露出した状態になるため、固相接合に支障を来すことはない。
【0043】
このような温度上昇による軟化によって、リード先端部47aの接合面に露出した高純度のアルミニウム原子が肥大化することで、正極端子14を構成する金属材料の原子との間の距離が縮まって共晶状態になり、その結果、短時間で固相接合状態となって強固に接合される。この場合、リード先端部47aと正極端子14との接合面の面積は、例えば、0.1〜3.0mm2とし、好ましくは0.3mm2以上とすることで、リード先端部47aと正極端子14とを十分な強度で接合することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、正極リード部47の外部からの加熱手段としてレーザ光を照射する例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばLED等の光を集光して照射してもよい。また、例えばリード先端部と端子とが同種金属で固相接合し易い等の場合には、レーザ光による局所加熱を省略してもよい。
【0045】
上記のようにして正極リード板41の正極リード部47を各電池セル11の正極端子14に超音波接合により連結した後、電池セル11の負極端子15についても同様に負極リード板46の負極リード部50を超音波接合により固相接合することができる。
【0046】
上述したように本実施形態の電池モジュール10およびその製造方法によれば、アルミニウム薄板からなるリード板41,46を、電池セル11の正極及び負極端子14,15に同種金属同士はもとより異種金属同士であっても強固に固相接合でき、電池モジュール10の信頼性が向上するとともに、接合時間の短縮による電池モジュール10の生産性向上を図れる。
【0047】
なお、本開示に係る電池モジュール及びその製造方法は、上述した実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項およびその均等な範囲において種々の変更や改良が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0048】
10 電池モジュール、11 電池セル、12 セルケース、13 セルケース本体、14 正極端子、15 負極端子、20 電池ホルダー、30 ポスト、31 凸部、40 正極集電板、41 正極リード板、42 正極絶縁板、43 正極基板部、45 負極集電板、46 負極リード板、47 正極リード部、47a リード先端部、47b リード首部、48 負極基板部、50 負極リード部、53 負極絶縁板、60 接合部、70 超音波溶接機、72 超音波振動子、LB レーザ光。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】