特表-18159048IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月7日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】プッシュスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 13/66 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   H01H13/66
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2019-502464(P2019-502464)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年12月4日
(31)【優先権主張番号】特願2017-37685(P2017-37685)
(32)【優先日】2017年2月28日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】道路 国雄
【テーマコード(参考)】
5G206
【Fターム(参考)】
5G206AS10K
5G206ES04K
5G206ES04N
5G206ES04P
5G206ES13N
5G206FS12K
5G206KS16
5G206KS38
5G206KS66
5G206KU04
5G206KU13
5G206KU24
5G206PS08
5G206PS09
(57)【要約】
第1固定接点部と、第2固定接点部と、前記第1固定接点部及び前記第2固定接点部を保持する部材と、操作方向において前記部材の一面と対向する位置に配置される可動部材と、接触部材と、を備える。前記接触部材は、前記部材に支持される第1支持部及び第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部とを連結する連結部と、を有する。前記可動部材の前記連結部と前記部材との間に、前記可動連結部が挟まれ、平面視で、前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記可動部材と重ならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1固定接点部と、
第2固定接点部と、
前記第1固定接点部及び前記第2固定接点部を保持する部材と、
操作方向において前記部材の一面と対向する位置に配置される可動部材と、
導電性を有し、前記可動部材に対して前記操作方向における前記部材の前記一面とは反対側の位置に配置される接触部材と、を備え、
前記可動部材は、前記第1固定接点部に接する位置と前記第1固定接点部から離れる位置との間を移動する第1可動接点部と、前記第2固定接点部に接する位置と前記第2固定接点部から離れる位置との間を移動する第2可動接点部と、前記第1可動接点部と前記第2可動接点部とを連結し、かつ、前記第1可動接点部と前記第2可動接点部とを電気的に接続する可動連結部と、を有し、
前記接触部材は、前記部材に支持される第1支持部及び第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部とを連結する連結部と、を有し、
前記連結部と前記部材との間に、前記可動連結部が挟まれ、
平面視で、前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記可動部材と重ならない
プッシュスイッチ。
【請求項2】
前記部材は、ケースを含む
請求項1記載のプッシュスイッチ。
【請求項3】
前記部材は、更に、配線基板を含む
請求項2記載のプッシュスイッチ。
【請求項4】
前記可動部材に対して前記操作方向における前記部材の前記一面とは反対側の位置に配置される押圧体を更に備え、
前記可動連結部は、第3可動接点部を含み、
前記第3可動接点部は、受圧部を有し、
前記第3可動接点部は、前記接触部材に接する位置と前記接触部材から離れる位置との間を移動し、
前記受圧部に外力が作用していない定常状態では、前記第1固定接点部と前記接触部材とが電気的に接続され、前記第1固定接点部と前記第2固定接点部とが電気的に接続され、
前記定常状態から前記操作方向において前記部材の前記一面に近づく向きに前記押圧体で前記受圧部が押された第1操作状態では、前記第3可動接点部が前記接触部材から離れることにより、前記第1固定接点部と前記接触部材との電気的な接続が解除され、
前記第1操作状態から更に前記押圧体で前記受圧部が押された第2操作状態では、前記第1可動接点部が前記第1固定接点部から離れ、前記第2可動接点部が前記第2固定接点部から離れることにより、前記第1固定接点部と前記第2固定接点部との電気的な接続が解除される
請求項1〜3いずれか1項に記載のプッシュスイッチ。
【請求項5】
前記接触部材は、第3固定接点部と、接触片と、を有し、
前記第3固定接点部は、前記部材に保持されており、
前記接触片は、前記第3固定接点部に電気的に接続されており、
前記接触片の少なくとも一部は、前記可動部材に対して前記操作方向における前記基部材の前記一面とは反対側の位置に配置される
請求項1〜4いずれか1項に記載のプッシュスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プッシュスイッチに関し、より詳細には、可動部材の変形によりオン又はオフするプッシュスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非操作時には接点間が導通し、操作時には接点間が導通しない、いわゆる常閉型(ノーマルクローズタイプ)のプッシュスイッチが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の押釦スイッチは、ハウジングと、第1の固定接点及び第2の固定接点と、可動接点とを備えている。ハウジングは、収納部を有している。第1の固定接点及び第2の固定接点は、収納部の内底面に離間して配設されている。可動接点は、第1の固定接点及び第2の固定接点上に配設され、反転可能な膨出部を有する円形ドーム状に形成されている。
【0004】
この押釦スイッチの非動作時には、可動接点が、第1の固定接点及び第2の固定接点と接触しており、両固定接点間が導通状態となり、回路がオン状態となっている。この状態から、可動接点の円形ドーム状の膨出部が押圧されると、可動接点が反転し、第1の固定接点及び第2の固定接点から離間する。この結果、第1及び第2の固定接点間が非導通状態となり、回路がオフ状態となる。
【0005】
一方、特許文献2に記載の押しボタンスイッチは、第一端子点と、第二端子点と、第三端子点と、変形可能接触要素とを備えている。第一状態では、変形可能接触要素が、第一端子点を第二端子点と接続させるのみであり、第二状態では、変形可能接触要素が、第一端子点を第三端子点と接続させるのみである。これにより、この押しボタンスイッチは、ノーマルオープンとノーマルクローズの両方の状態にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−311128号公報
【特許文献2】特表2015−522211号公報
【発明の概要】
【0007】
ところで、特許文献1に記載の押釦スイッチでは、可動接点は、膨出部を有し、円形ドーム状に形成されている。この可動接点は、膨出部が押圧されると反転する。この反転は、可動接点の座屈変形によって生じるので、この変形を支障なく行わせるためには、可動接点が収容される空間を大きくとる必要がある。
【0008】
一方、特許文献2に記載の押しボタンスイッチでも、変形可能接触要素は、ドーム状であるため、特許文献1の場合と同様に、可動接点が収容される空間を大きくとる必要がある。
【0009】
本開示の第1の態様に係るプッシュスイッチは、第1固定接点部と、第2固定接点部と、部材部と、可動部材と、接触部材と、を備える。前記部材は、前記第1固定接点部及び前記第2固定接点部を保持する。前記可動部材は、操作方向において前記部材の一面と対向する位置に配置される。前記接触部材は、導電性を有し、前記可動部材に対して前記操作方向における前記部材の前記一面とは反対側の位置に配置される。前記可動部材は、前記第1固定接点部に接する位置と前記第1固定接点部から離れる位置との間を移動する第1可動接点部と、前記第2固定接点部に接する位置と前記第2固定接点部から離れる位置との間を移動する第2可動接点部と、前記第1可動接点部と前記第2可動接点部とを連結し、かつ、前記第1可動接点部と前記第2可動接点部とを電気的に接続する可動連結部と、を有する。前記接触部材は、前記部材に支持される第1支持部及び第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部とを連結する連結部とを有する。前記連結部と前記部材との間に、前記可動連結部が挟まれ、平面視で、前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記可動部材と重ならない。
【0010】
本発明の第2の態様に係るプッシュスイッチは、第1の態様において、押圧体を更に備える。前記押圧体は、前記可動部材に対して前記操作方向における前記部材の前記一面とは反対側の位置に配置される。前記可動連結部は、第3可動接点部を含み、前記第3可動接点部は、受圧部を有し、前記第3可動接点部は、前記接触部材に接する位置と前記接触部材から離れる位置との間を移動する。前記受圧部に外力が作用していない定常状態では、前記第1固定接点部と前記接触部材とが電気的に接続され、前記第1固定接点部と前記第2固定接点部とが電気的に接続される。前記定常状態から前記操作方向において前記部材の前記一面に近づく向きに前記押圧体で前記受圧部が押された第1操作状態では、前記第3可動接点部が前記接触部材から離れることにより、前記第1固定接点部と前記接触部材との電気的な接続が解除される。前記第1操作状態から更に前記押圧体で前記受圧部が押された第2操作状態では、前記第1可動接点部が前記第1固定接点部から離れ、前記第2可動接点部が前記第2固定接点部から離れることにより、前記第1固定接点部と前記第2固定接点部との電気的な接続が解除される。
【0011】
本発明の第3の態様に係るプッシュスイッチは、第1又は2の態様において、前記接触部材は、第3固定接点部と、接触片と、を有する。前記第3固定接点部は、前記部材に保持されている。前記接触片は、前記第3固定接点部に電気的に接続されており、前記接触片の少なくとも一部は、前記可動部材に対して前記操作方向における前記部材の前記一面とは反対側の位置に配置される。
【0012】
本開示は、従来のノーマルクローズタイプのプッシュスイッチに比べて小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本開示の一実施形態に係るプッシュスイッチの分解斜視図である。
図2図2は、同上のプッシュスイッチの斜視図である。
図3図3は、同上のプッシュスイッチの平面図である。
図4図4は、同上のプッシュスイッチの保護シート及び押圧体を外した状態の平面図である。
図5図5は、同上のプッシュスイッチの押え板を更に外した状態の平面図である。
図6図6は、同上のプッシュスイッチの接触部材の一部(接触片)を更に外した状態の平面図である。
図7図7は、同上のプッシュスイッチの可動部材を更に外した状態の平面図である。
図8図8は、図3のX−X線断面図である。
図9図9は、図3のY−Y線断面図である。
図10A図10Aは、同上のプッシュスイッチの非操作時の断面の概略図である。
図10B図10Bは、同上のプッシュスイッチの1段階目の操作時の断面の概略図である。
図10C図10Cは、同上のプッシュスイッチの2段階目の操作時の断面の概略図である。
図11A図11Aは、同上のプッシュスイッチの非操作時の等価回路の説明図である。
図11B図11Bは、同上のプッシュスイッチの1段階目の操作時の等価回路の説明図である。
図11C図11Cは、同上のプッシュスイッチの2段階目の操作時の等価回路の説明図である。
図12A図12Aは、同上のプッシュスイッチを構成する押え板の一部を拡大した断面の概略図である。
図12B図12Bは、同上のプッシュスイッチを構成する押え板と基材部と溶着箇所を拡大した断面の概略図である。
図13A図13Aは、本開示の一実施形態の第1の変形例に係るプッシュスイッチの一部の断面の概略図である。
図13B図13Bは、本開示の一実施形態の第2の変形例に係るプッシュスイッチの一部の断面の概略図である。
図13C図13Cは、本開示の一実施形態の第3の変形例に係るプッシュスイッチの一部の断面の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態に係るプッシュスイッチについて、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する構成は本開示の一例に過ぎず、本開示は以下に説明する構成に限定されない。したがって、以下に説明する構成以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0015】
(実施形態)
(1)概要
本実施形態に係るプッシュスイッチ1は、図1及び図2に示すように、第1固定接点部611と、第2固定接点部621と、ケース2と、可動部材3と、接触部材4と、を備える。
【0016】
ケース2は、第1固定接点部611及び第2固定接点部621を保持する。
【0017】
可動部材3は、操作方向(上下方向)において基材部20の一面211と対向する位置に配置される。
【0018】
接触部材4は、導電性を有し、可動部材3に対して操作方向における基材部20の一面211とは反対側の位置に配置される。
【0019】
可動部材3は、第1固定接点部611に接する位置と第1固定接点部611から離れる位置との間を移動する第1可動接点部310と、第2固定接点部621に接する位置と第2固定接点部621から離れる位置との間を移動する第2可動接点部320と、第1可動接点部310と第2可動接点部320とを連結し、かつ、第1可動接点部310と第2可動接点部320とを電気的に接続する可動連結部300と、を有する。
【0020】
接触部材4は、基材部20に支持される第1支持部411及び第2支持部421と、第1支持部411と第2支持部421とを連結する連結部400と、を有する。
【0021】
連結部400と基材部20との間に可動連結部300を挟むように、操作方向に直交する面内において、第1可動接点部310と第2可動接点部320とが並ぶ第1方向(左右方向)に交差する第2方向(前後方向)における、可動部材3の両側方において、第1支持部411及び第2支持部421が基材部20に支持されている。
【0022】
この構成では、可動部材3と接触部材4とが交差して配置されるので、第1固定接点部611と第2固定接点部621とが並ぶ直線上から逸れた位置に第3固定接点部631を配置することができる。そうすると、操作方向において、第1固定接点部611及び第2固定接点部621と、第3固定接点部631との間の距離を縮めることができる。つまり、第1固定接点部611及び第2固定接点部621と、第3固定接点部631との高さの差が小さくなる。
【0023】
従って、従来のノーマルクローズタイプのプッシュスイッチに比べて、本開示のプッシュスイッチは、小型化を実現することができる。
【0024】
(2)詳細
以下に説明するプッシュスイッチ1は、情報機器及び家電機器等の各種の機器の操作部に用いられる。プッシュスイッチ1は、例えばプリント基板に実装された状態で機器の筐体内に内蔵される。この場合、筐体においてプッシュスイッチ1に対応する位置には例えば操作釦が配置される。これにより、ユーザが操作釦を押すことによって、プッシュスイッチ1が操作釦を介して間接的に操作される。
【0025】
以下、特に断りがない限り、基材部20の一面211に直交する方向(図7の紙面に直交する方向)を「上下方向」とし、基材部20における上下方向の一面211側を「上方」、他面側を「下方」として説明する。よって、以下の説明では「操作方向」は「上下方向」である。さらに、後述する第1端子612及び第2端子622がケース2から突出する方向を「左右方向」とし、上下方向及び左右方向の両方に直交する方向(図8の紙面に直交する方向)を「前後方向」として説明する。つまり、図1等において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」の矢印で示す通りに上、下、左、右、前、後の各方向を規定する。ただし、これらの方向はプッシュスイッチ1の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
【0026】
(2.1)構成
本実施形態に係るプッシュスイッチ1は、図1図9に示すように、ケース2と、第1金属部材61及び第2金属部材62と、可動部材3と、接触部材4と、押え板8と、保護シート5と、押圧体7と、を備えている。
【0027】
詳しくは後述するが、ケース2は基材部20を含む。第1金属部材61は第1固定接点部611を含む。第2金属部材62は第2固定接点部621を含む。接触部材4は、接触片40及び第3固定接点部631を含む。接触部材4が接触片40及び第3固定接点部631を含んでいる構成には、以下の2つの構成が含まれる。1つ目の構成としては、接触片40及び第3固定接点部631が一体不可分の部材であり、このような部材を接触部材4が含む場合である。2つ目の構成としては、接触片40及び第3固定接点部631が各々独立した部材であり、このような部材を接触部材4が含む場合である。図1等に示すプッシュスイッチ1では、上述した2つ目の構成が図示されている。接触部材4は、接触片40及び第3固定接点部631の両方を指している。
【0028】
言い換えれば、基材部20はケース2の少なくとも一部である。第1固定接点部611は第1金属部材61の少なくとも一部である。第2固定接点部621は第2金属部材62の少なくとも一部である。接触片40及び第3固定接点部631は接触部材4の少なくとも一部である。
【0029】
以下では特に断りがない限り、プッシュスイッチ1の非操作時、つまりプッシュスイッチ1が押操作されていない状態について説明する。
【0030】
ケース2は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。ケース2は、上下方向に扁平な直方体状である。ケース2は、上方に開口する凹部21を有している。ここで、ケース2は、板状の基材部20と、基材部20の一面211の外周部から上方に突出する周壁22と、を有している。本実施形態では、基材部20は上面視において左右方向に長い長方形状に形成されている。周壁22は上面視において矩形枠状に形成されている。この構成においては、基材部20の一面211と周壁22の内側面212とで囲まれた空間が凹部21に相当する。言い換えれば、基材部20の一面211は凹部21の底面であり、周壁22の内側面212は凹部21の内側面である。そのため、基材部20の一面211からの周壁22の突出量は、凹部21の深さに相当する。
【0031】
凹部21の開口形状は略正方形状である。本実施形態では、上面視において凹部21は左辺及び右辺の中央部が外側に向かって突出した形状に構成されている。
【0032】
ここで、ケース2は、第1窪み部210及び第2窪み部220を更に有する。具体的には、凹部21の左辺側の突出した部分は、第1窪み部210を構成する。第1窪み部210の底面は、凹部21の底面(一面211)よりも上方に位置する。凹部21の右辺側の突出した部分は、第2窪み部220を構成する。第2窪み部220の底面は、凹部21の底面よりも上方に位置する。このように、第1窪み部210及び第2窪み部220は、凹部21の底面よりも高い位置に底面を有している。さらに第1窪み部210及び第2窪み部220は、相互に対向している。詳しくは後述するが、第1窪み部210は、可動部材3の第1可動接点部310を支持する部分である。第2窪み部220は、可動部材3の第2可動接点部320を支持する部分である。なお、ケース2は上面視において四隅が面取りされた長方形状である。ただし、面取りはプッシュスイッチ1に必須ではなく、適宜省略可能である。
【0033】
さらに、本実施形態では、ケース2は、第1窪み部210の前後方向の両側に第3窪み部230を有している。また、ケース2は、第2窪み部220の前後方向の両側に、第3窪み部230を有している。つまり、ケース2は、4つの第3窪み部230を有する。各第3窪み部230は、周壁22の上面から下方に窪んで形成されている。各第3窪み部230の底面は、第1窪み部210及び第2窪み部220の表面よりも上方に位置する。詳しくは後述するが、4つの第3窪み部230は、押え板8の四隅を固定するための部分である。
【0034】
第1金属部材61、第2金属部材62及び第3金属部材63は、いずれも導電性を有する金属板からなり、ケース2の基材部20に保持されている。第1金属部材61、第2金属部材62及び第3金属部材63は、例えばインサート成形により、ケース2と一体化されている。本実施形態では、第1金属部材61が左方に配置され、第2金属部材62が右方に配置され、第1金属部材61と第2金属部材62との間に第3金属部材63が配置されている。第1金属部材61と第2金属部材62と第3金属部材63とは、互いに電気的に絶縁されている。
【0035】
第1金属部材61は、第1固定接点部611と、第1端子612と、を有している。第1固定接点部611は、第1金属部材61の左右方向の右端部に位置し、第1端子612は第1金属部材61の左右方向の左端部に位置している。さらに詳しく説明すると、第1金属部材61は、第1端子612と連結される第1主板613を更に有している。第1主板613のうち右方に突出した部位の先端部(右端部)の上面の一部が第1固定接点部611を構成している。つまり、第1固定接点部611と、第1端子612と、第1主板613とは、1枚の金属板にて一体に構成されており、互いに電気的に接続されている(図8参照)。
【0036】
図7に示すように、第1金属部材61は、第1主板613の少なくとも一部がケース2に埋め込まれることにより、ケース2(部材)に保持されている。第1主板613の一部は第1窪み部210の底面から露出している。第1主板613のうち第1窪み部210の底面から露出する部位の上面は、第1窪み部210の底面と面一である。第1主板613の右端部は、第1窪み部210の底面の略左半分から上方に露出している。この露出している部分が第1固定接点部611を構成する。つまり、第1窪み部210の底面に第1固定接点部611が位置している。
【0037】
第2金属部材62は、第2固定接点部621と、第2端子622と、を有している。第2固定接点部621は、第2金属部材62の左右方向の左端部に位置し、第2端子622は第2金属部材62の左右方向の右端部に位置している。さらに詳しく説明すると、第2金属部材62は、第2端子622と連結される第2主板623を更に有している。第2主板623のうち左方に突出した部位の先端部(左端部)の上面の一部が第2固定接点部621を構成している。つまり、第2固定接点部621と、第2端子622と、第2主板623とは、1枚の金属板にて一体に構成されており、互いに電気的に接続されている(図8参照)。
【0038】
第2金属部材62は、第2主板623の少なくとも一部がケース2に埋め込まれることにより、ケース2(部材)に保持されている。ここでは、図7に示すように、第2主板623の一部は第2窪み部220の底面から露出している。第2主板623のうち第2窪み部220の底面から露出する部位の上面は、第2窪み部220の底面と面一である。第2主板623の左端部は、第2窪み部220の底面の略右半分から上方に露出している。この露出している部分が第2固定接点部621を構成する。つまり、第2窪み部220の底面に第2固定接点部621が位置している。
【0039】
第3金属部材63は、一対(2つ)の第3固定接点部631と、第3端子632と、を有している。1つ目の第3固定接点部631は、第3金属部材63の前後方向の前方に位置し、第3端子632は、第3金属部材63の前後方向の後方に位置し、2つ目の第3固定接点部631は、1つ目の第3固定接点部631と第3端子632との間に位置する。さらに詳しく説明すると、図7または図9に示すように、第3金属部材63は、第3端子632に連結される副板634と、副板634に連結される第3主板633と、を更に有している。第3主板633のうち前端部の上面の一部が1つ目の第3固定接点部631を構成している。第3主板633と副板634との連結部分の上面の一部が2つ目の第3固定接点部631を構成している。つまり、一対の第3固定接点部631と、第3端子632と、第3主板633と、副板634とは、1枚の金属板にて一体に構成されており、互いに電気的に接続されている(図9参照)。
【0040】
第3金属部材63は、第3主板633の少なくとも一部がケース2に埋め込まれることにより、ケース2(部材)に保持されている。ここでは、図7に示すように、第3主板633の一部は凹部21の底面(一面211)から露出している。第3主板633のうち凹部21の底面から露出する部位の上面は、凹部21の底面と面一である。第3主板633の前端部は、凹部21の底面の前端部から上方に露出している。この露出している部分が1つ目の第3固定接点部631を構成する。第3主板633の後端部は、凹部21の底面の後端部から上方に露出している。この露出している部分が2つ目の第3固定接点部631を構成する。このように、第3固定接点部631は、ケース2に保持される。
【0041】
ここにおいて、第1窪み部210及び第2窪み部220の底面は、基材部20の一面211から同一の高さにある。第1窪み部210の底面と、第1固定接点部611の上面とは、面一である。第2窪み部220の底面と、第2固定接点部621の上面とは、面一である。4つの第3窪み部230の底面は、基材部20の一面211から同一の高さにある。第1窪み部210及び第2窪み部220の底面は、基材部20の一面211よりも上方に位置し、4つの第3窪み部230の底面は、第1窪み部210及び第2窪み部220の底面よりも上方に位置する。
【0042】
第1端子612は、ケース2の左側面から突出している。第2端子622は、ケース2の右側面から突出している。第3端子632は、ケース2の後面から突出している。具体的には、ケース2の左側面からは、第1端子612が左方に向かって突出している。また、ケース2の右側面からは、第2端子622が右方に向かって突出している。また、ケース2の後面からは、第3端子632が後方に向かって突出している。第1端子612、第2端子622及び第3端子632の下面は、ケース2の下面と面一に形成されている。これらの第1端子612、第2端子622及び第3端子632は、例えばプリント基板上の導電部材に対してはんだ付けにより機械的に結合及び電気的に接続される。
【0043】
詳しくは「(2.2)動作」の欄で説明するが、プッシュスイッチ1は、2つの回路のオンとオフとが切り替えられるように構成されている。2つの回路は、第1端子612及び第2端子622を含む回路、並びに、第1端子612及び第3端子632を含む回路である。このように2つの回路は、第1端子612を共有しているので、第1端子612は共通端子である。
【0044】
可動部材3は、ケース2の凹部21内に配置されている。可動部材3は接触部材4と共に凹部21内に収納されている。可動部材3、接触部材4及び押え板8は、可動部材3、接触部材4、押え板8の順で、凹部21の底面(一面211)上に重ねて配置されている。可動部材3は、操作方向において基材部20の一面211と対向する位置に配置される。つまり、可動部材3は、凹部21の底面と接触部材4との間に配置される。
【0045】
可動部材3は、弾性を有する板材、例えば、ステンレス(SUS)等の金属板にて構成されている。つまり、可動部材3は、弾性変形する部材である。可動部材3は、凹部21内に収まるように、凹部21に対応する形状であって、凹部21より一回り小さく形成されている。本実施形態では、可動部材3は、平板状であって、左右方向に長い長方形状に形成されている。
【0046】
具体的には、可動部材3は、第1可動接点部310と、第2可動接点部320と、可動連結部300と、を有している。可動連結部300は、第3可動接点部330を含んでいる。言い換えると、第1可動接点部310、第2可動接点部320及び第3可動接点部330は、可動部材3の少なくとも一部である。
【0047】
第1可動接点部310は、第1固定接点部611に接する位置と第1固定接点部611から離れる位置との間を移動する。可動部材3の左端部の少なくとも下面の一部が第1可動接点部310を構成する。プッシュスイッチ1の非操作時においては、第1可動接点部310は、第1固定接点部611に接している。詳しくは後述するが、プッシュスイッチ1の操作時においては、押操作による受圧部31の移動距離(変位量)に応じて、第1可動接点部310は、第1固定接点部611に接した状態を維持する、又は第1固定接点部611から離れる。
【0048】
第1可動接点部310の先端部は、第1固定接点部611から離れる向きに跳ね上げられた形状を有している。これにより、プッシュスイッチ1の操作時において、第1可動接点部310の先端部が第1固定接点部611の上面に対して左右方向に横滑りしやすくなる。その結果、第1可動接点部310と第1固定接点部611との間の摩擦力が低減され、これらから金属の削れ粉が発生するのを抑制することができる。
【0049】
第2可動接点部320は、第2固定接点部621に接する位置と第2固定接点部621から離れる位置との間を移動する。可動部材3の右端部の少なくとも下面の一部が第2可動接点部320を構成する。プッシュスイッチ1の非操作時においては、第2可動接点部320は、第2固定接点部621に接している。詳しくは後述するが、プッシュスイッチ1の操作時においては、押操作による受圧部31の移動距離(変位量)に応じて、第2可動接点部320は、第2固定接点部621に接した状態を維持し、又は第2固定接点部621から離れる。
【0050】
第1可動接点部310と同様に、第2可動接点部320の先端部も、第2固定接点部621から離れる向きに跳ね上げられた形状を有している。これにより、プッシュスイッチ1の操作時において、第2可動接点部320の先端部が第2固定接点部621の上面に対して左右方向に横滑りしやすくなる。その結果、第2可動接点部320と第2固定接点部621との間の摩擦力が低減され、これらから金属の削れ粉が発生するのを抑制することができる。
【0051】
可動連結部300は、第1可動接点部310と第2可動接点部320とを連結し、かつ、第1可動接点部310と第2可動接点部320とを電気的に接続する。可動連結部300は、接触部材4(特に接触片40)とケース22との間に配置される。第3可動接点部330は、受圧部31を有し、接触部材4に接する位置と接触部材4から離れる位置との間を移動する。可動部材3の上面の少なくとも接触部材4に接する部分が第3可動接点部330を構成する。本実施形態では、可動部材3の可動連結部300の略中央部の上面の一部が受圧部31を構成し、可動部材3における受圧部31の左右両側の部分が第3可動接点部330を構成する。このように、可動部材3は、可動連結部300のうち略中央部が、プッシュスイッチ1の操作時にプッシュスイッチ1の外部からプッシュスイッチ1に加わる力(以下、「操作力」という)を受ける受圧部31として機能する。プッシュスイッチ1の非操作時においては、第3可動接点部330は、接触部材4に接しているので、第3固定接点部631に接している。詳しくは後述するが、プッシュスイッチ1の操作時においては、受圧部31が押操作されて可動連結部300が下方に凸となるように撓むことによって、第3可動接点部330は、接触部材4(本実施形態では連結部400)から物理的に離れるその結果、電気的な接続の観点からは、第3可動接点部330と第3固定接点部631との間が開放されることになる。
【0052】
可動部材3は、第1可動接点部310を含む左端部が第1窪み部210に収まり、第2可動接点部320を含む右端部が第2窪み部220に収まるように、凹部21内に収納される。さらに詳しく説明すると、第1窪み部210の底面から露出する第1固定接点部611に第1可動接点部310が接し、第2窪み部220の底面から露出する第2固定接点部621に第2可動接点部320が接するように、可動部材3は、凹部21内に収納される。つまり、可動部材3は、第1固定接点部611と第2固定接点部621とを電気的に接続する部材である。さらに可動部材3は、後述の接触部材4と接触することで、第1固定接点部611と第2固定接点部621と第3固定接点部631とを電気的に接続する部材でもある。
【0053】
接触部材4は、可動部材3と共に、ケース2の凹部21内に配置されている。上述したように、可動部材3、接触部材4及び押え板8は上下方向に重ねて配置されている。接触部材4は、導電性を有し、操作方向(上下方向)において基材部20の一面211側に配置される。より詳しく言えば、接触部材4(特に接触部材4の一部である接触片40)は、可動部材3に対して操作方向における基材部20の一面211とは反対側(上側)の位置に配置される。つまり、接触部材4(特に接触片40)は、可動部材3と押え板8との間に配置される。
【0054】
接触部材4は、導電性を有する。接触部材4は、例えば、ステンレス(SUS)等の金属板にて構成されている。接触部材4は、基本的には変形しない部材である。接触部材4は、上述の第3固定接点部631と、接触片40とを有している。接触片40は導電性を有している。本実施形態では、第3固定接点部631と接触片40とが各々独立した部材である場合について説明するが、第3固定接点部631と接触片40とは一体に構成されていてもよい(変形例参照)。第3固定接点部631と接触片40とが各々独立した部材であっても、押操作の有無にかかわらず、接触片40は、第3固定接点部631と電気的に接続されている。
【0055】
接触片40は、第1支持部411及び第2支持部421と、一対(2つ)の連結部400と、を有している。さらに接触片40は、第1支持部411と、第2支持部421と、一対(2つ)の連結部400とで囲まれた貫通孔410を有している。貫通孔410は、上面視において略正方形状であり、操作方向に貫通している。貫通孔410の大きさは、押圧体7が貫通孔410内を操作方向に沿って支障なく移動できる程度の大きさである。このように、接触片40は、上面視において矩形枠状に形成されている。
【0056】
第1支持部411及び第2支持部421は、左右方向に長さの等しい棒状に形成されている。第1支持部411及び第2支持部421は、基材部20に支持される。具体的には、第1支持部411は、凹部21の底面の前方に位置する1つ目の第3固定接点部631に接するように、基材部20に支持される。第2支持部421は、凹部21の底面の後方に位置する2つ目の第3固定接点部631に接するように、基材部20に支持される。
【0057】
第1支持部411には前方に突出するように第1突出部413が設けられ、第2支持部421には後方に突出するように第2突出部423が設けられている。図5に示すように、接触片40がケース2の凹部21内に配置される場合に、第1突出部413が凹部21の前方の周壁22に接触し、第2突出部423が凹部21の後方の周壁22に接触することにより、基材部20の一面211に沿う面内での接触片40の移動が規制される。
【0058】
一対の連結部400は、第1支持部411と第2支持部421とを連結する。一対の連結部400は、前後方向に長さの等しい棒状に形成されている。ただし、一対の連結部400の長さは、可動部材3の幅(前後方向の長さ)と同じ又はそれよりも長い。
【0059】
接触片40は、第1立ち上がり部412と、第2立ち上がり部422と、を更に有している。第1立ち上がり部412は、第1支持部411と一対の連結部400との間において、上方に立ち上がるように形成されている。第2立ち上がり部422は、第2支持部421と一対の連結部400との間において、上方に立ち上がるように形成されている。このように、一対の連結部400は、第1支持部411及び第2支持部421に対して高い位置で、第1支持部411及び第2支持部421を連結している。その結果、一対の連結部400の下面と、第1支持部411及び第2支持部421の下面との間に、可動部材3を収納できる空間が確保される。具体的には、一対の連結部400の下面と、第1支持部411及び第2支持部421の下面との間の距離は、可動部材3の厚さ(上下方向の長さ)と同じ又はそれよりも長い。ただし、プッシュスイッチ1の非操作時において、第1支持部411及び第2支持部421の少なくともいずれかと、可動部材3とは接触している。
【0060】
接触片40の一対の連結部400と基材部20との間に、可動部材3の可動連結部300が挟まれる。このようにして、前後方向における、可動部材3の両側方において、接触片40の第1支持部411及び第2支持部421が基材部20に支持されている。ここで、前後方向は、操作方向に直交する面内において、可動部材3の第1可動接点部310と第2可動接点部320とが並ぶ第1方向(左右方向)に交差する第2方向に相当する。
【0061】
このように、可動部材3と接触部材4(特に接触片40)とを交差して配置すれば、第1固定接点部611と第2固定接点部621とが並ぶ直線上から逸れた位置に第3固定接点部631を配置することができる。そうすると、操作方向(上下方向)において、第1固定接点部611及び第2固定接点部621と、第3固定接点部631との間の距離を縮めることができる。つまり、第1固定接点部611及び第2固定接点部621と、第3固定接点部631との高さの差が小さくなるので、プッシュスイッチ1の小型化を実現することができる。特に操作方向において低背化(薄型化)を実現することができる。
【0062】
押え板8は、その少なくとも一部がケース2の凹部21内に収納されるように配置されている。上述したように、可動部材3、接触部材4及び押え板8は上下方向に重ねて配置されている。押え板8は、接触部材4に対して操作方向(上下方向)における基材部20の一面211とは反対側(上側)の位置に配置される。
【0063】
押え板8は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。押え板8は、第1押え棒811及び第2押え棒821と、一対(2つ)の連結板800と、を有している。さらに押え板8は、第1押え棒811と、第2押え棒821と、一対の連結板800とで囲まれた窓部810を有している。窓部810は、上面視において略正方形状であり、操作方向に貫通している。窓部810の大きさは、押圧体7が窓部810内を操作方向に沿って支障なく移動できる程度の大きさである。このように、押え板8は、上面視において矩形枠状に形成されている。
【0064】
第1押え棒811及び第2押え棒821は、左右方向に長さの等しい棒状に形成されている。具体的には、第1押え棒811及び第2押え棒821の長さは、左右方向において凹部21の対向する内側面212の距離に略等しい。第1押え棒811及び第2押え棒821は、ケース2に固定される。具体的には、第1押え棒811は、凹部21の前方において、第1押え棒811の両端が、凹部21の左右方向において対向する内側面212に接するように、ケース2に固定される。第2押え棒821は、凹部21の後方において、第2押え棒821の両端が、凹部21の左右方向において対向する内側面212に接するように、ケース2に固定される。第1押え棒811及び第2押え棒821は、凹部21の底面の上方においてケース2に固定される。
【0065】
上記のようにして、押え板8は、凹部21の内側面212間に突っ張った状態で配置されている。一般的なプッシュスイッチ1においては、例えばプリント基板への実装時のリフローはんだ付け等の熱により、凹部21の開口が狭くなるようにケース2が変形するおそれがある。このようなケース2の変形を押え板8で抑制することができる。すなわち、押え板8の特に第1押え棒811及び第2押え棒821が凹部21の左右方向において梁としての機能を果たしている。
【0066】
図12Aに示すように、押え板8は、溶着部80と、非溶着部81とを有している。溶着部80は、第1押え棒811及び第2押え棒821(図1参照)の各々の両端面(左右両端面)の上方において左右両側に突出するように設けられている。このように押え板8は、四隅に1つずつ溶着部80を有している。詳しくは後述するが、図12Bに示すように、溶着部80は、レーザ照射によりケース2の第3窪み部230に溶着される部分である。非溶着部81は、溶着部80以外の部分である。特に非溶着部81は、ケース2の凹部21の内側面212に接触する部分である。言い換えると、非溶着部81は、第1押え棒811及び第2押え棒821である。しかも非溶着部81は、凹部21の対向する内側面212間に突っ張った状態で配置されている。なお、図12A及び図12Bでは、第1押え棒811を図示しているが、第2押え棒821も実質的に同じである。
【0067】
図12Aに示すように、操作方向における溶着部80の厚さT1は、非溶着部81の厚さT3から溶着部80の厚さT1を差し引いた厚さT2(=T3−T1)よりも薄い。このように溶着部80が薄いことで、レーザで溶着するために必要な熱量を減少させることができる。さらに非溶着部81が厚いことで、第1押え棒811及び第2押え棒821の梁としての機能を確保することができる。厚さT2よりも溶着部80の厚さT1が厚くなると、熱容量が大きくなり、レーザで溶着するために必要な熱量が増加するおそれがある。この場合、溶着に関与しない不要な部分まで溶融させるおそれがあるので、溶着部80は、溶着に必要な最小限の厚さを有していればよい。
【0068】
溶着部80は第3窪み部230に配置される。すなわち、第1押え棒811及び第2押え棒821の左端の溶着部80は、第1窪み部210の両側の第3窪み部230の上面に配置される。第1押え棒811及び第2押え棒821の右端の溶着部80は、第2窪み部220の両側の第3窪み部230の上面に配置される。各溶着部80の上方から、各溶着部80の上面に向けてレーザを照射することにより、各溶着部80を各第3窪み部230の上面に溶着する。図4に4つの溶着箇所をドット状の網掛けで示す。このようにして押え板8は、ケース2に溶着されている。押え板8の一部とケース2の一部とが溶け合って接合しているので接合強度が高くなる。さらに接着剤などの他の部材を接合に必要としないので、このような部材が接点間に付着してプッシュスイッチ1の挙動を不安定にすることを抑制することもできる。ここで、接触部材4(特に接触片40)は、基材部20と押え板8との間に配置されているので、押え板8は、接触部材4をケース2に固定している。
【0069】
保護シート5は、可撓性を有する合成樹脂製のシートである。ここでは、保護シート5は、耐熱性及び電気絶縁性を有する樹脂フィルムからなる。保護シート5は、凹部21の全体を覆うように、ケース2の上面(凹部21の開口面)側に配置されている。保護シート5は、ケース2における凹部21の周囲、つまりケース2の周壁22の上面に接合されることにより、凹部21を覆う。これにより、保護シート5は、例えば塵埃、水、又はガス等の凹部21内への浸入を抑制し、凹部21内に収納された接点部等を保護する。接点部とは、第1固定接点部611、第2固定接点部621、第3固定接点部631、第1可動接点部310、第2可動接点部320及び第3可動接点部330を意味する。保護シート5の外周形状は、ケース2の周壁22の外周形状と略同一形状であって、周壁22よりも一回り大きい。具体的には、保護シート5は上面視において四隅が面取りされた長方形状である。ただし、面取りはプッシュスイッチ1に必須ではなく、適宜省略可能である。
【0070】
さらに詳しく説明すると、保護シート5は、接合部51と、押圧部52と、中間部53と、を有している。保護シート5は、接合部51にてケース2の周壁22に接合され、押圧部52及び中間部53にて凹部21を覆っている。
【0071】
接合部51は、周壁22の上面に接合される。ここでは、保護シート5のうち、外周部となる矩形枠状の部分であって基材部20の一面211に対して平行な平坦部に、接合部51が設けられている。接合部51は、保護シート5の外周縁より僅かに内側の位置に、保護シート5の外周縁に沿って設定された所定幅の線状の領域からなる。接合部51は、溶着によりケース2における凹部21の周囲に接合されている。そのため、接合部51とケース2とが粘着材にて接合される構成とは異なり、保護シート5の下面には粘着材が付着していない。本実施形態では、接合部51は、レーザ溶着によってケース2における凹部21の周囲に接合されている。図2及び図3にドット状の網掛けで示すように、接合部51は、凹部21の周囲の略全周に亘って、ケース2と接合されている。
【0072】
押圧部52は、可動部材3の受圧部31に対向する。本実施形態では、押圧部52は、押え板8の窓部810及び接触部材4の貫通孔410を通じて、可動部材3の受圧部31に対向している。ここでは、保護シート5のうち、中央部となる円形状の部分が押圧部52を構成する。押圧部52は基材部20の一面211に対して平行な平坦部である。
【0073】
中間部53は、接合部51と押圧部52との間にある。ここでは、保護シート5のうち、接合部51及び押圧部52を除いた部分が中間部53を構成する。つまり、保護シート5において、接合部51に囲まれた部分のうち押圧部52以外の部分は、全て中間部53となる。
【0074】
押圧体7は、接触部材4に対して操作方向(上下方向)における基材部20の一面211とは反対側の位置に配置される。より詳しく言えば、押圧体7は、保護シート5の押圧部52と可動部材3の受圧部31との間に配置されている。押圧体7は、合成樹脂製であって、電気絶縁性を有している。押圧体7は、上下方向に扁平な円盤状である。押圧体7は、押圧体7の下面を受圧部31の上面に接触させた状態で、可動部材3の上方に配置されている。押圧体7の上面は、例えばレーザ溶着によって押圧部52の下面に接合されている。
【0075】
押圧体7は、保護シート5の押圧部52に加わる操作力を可動部材3の受圧部31に伝達する。つまり、押圧部52に上方から操作力が作用すると、この操作力は押圧体7を介して受圧部31に伝達され、受圧部31に上方から作用する。これにより、押圧部52が押されることによって、受圧部31が押圧体7を介して間接的に操作される。
【0076】
(2.2)動作
次に、上述した構成のプッシュスイッチ1の動作について、図10A図10Cを参照して説明する。図10A図10Cは、図8に相当するプッシュスイッチ1の断面を概略的に示した図である。
【0077】
プッシュスイッチ1の非操作時には、プッシュスイッチ1が押操作されていない状態、すなわち、可動部材3の可動連結部300(受圧部31を含む)に外力が作用していない状態が含まれる。プッシュスイッチ1の操作時には、1段階目の操作時と、2段階目の操作時とが含まれる。1段階目の操作時と、2段階目の操作時との違いの1つは、受圧部31の移動距離(変位量)の違いである。すなわち、非操作時から1段階目の操作時までの受圧部31の移動距離(変位量)よりも、非操作時から2段階目の操作時までの受圧部31の移動距離(変位量)の方が長い。非操作時はプッシュスイッチ1における「定常状態」であり、1段階目の操作時はプッシュスイッチ1における「第1操作状態」であり、2段階目の操作時はプッシュスイッチ1における「第2操作状態」である。
【0078】
プッシュスイッチ1は、常閉型のスイッチである。さらに詳しく説明すると、プッシュスイッチ1は、2つの回路のオンとオフとが切り替えられるように構成されている。説明の都合上、第1操作状態でオフする1つ目の回路を第1回路といい、第2操作状態でオフする2つ目の回路を第2回路という。
【0079】
第1回路は、第1端子612及び第2端子622を含む回路である。さらに言えば、第1回路は、第1固定接点部611、第2固定接点部621、第1可動接点部310、第2可動接点部320を含む回路である。第2回路は、第1端子612及び第3端子632を含む回路である。さらに言えば、第2回路は、第1固定接点部611、第3固定接点部631、第1可動接点部310、第3可動接点部330を含む回路である。このように、第1回路及び第2回路の2つの回路は、第1端子612を共有しているので、第1端子612は共通端子である。
【0080】
まず、図10Aに示すプッシュスイッチ1の非操作時(定常状態)について説明する。プッシュスイッチ1の非操作時は、受圧部31に外力が作用していない状態であり、この状態では、第1固定接点部611と接触部材4とが電気的に接続され、第1固定接点部611と第2固定接点部621とが電気的に接続されている。言い換えると、プッシュスイッチ1の非操作時には、第1固定接点部611と第1可動接点部310とが電気的に接続され、また第2固定接点部621と第2可動接点部320とが電気的に接続されているので、第1端子612と第2端子622とが導通している。したがって、第1回路はオン状態である。さらに第1固定接点部611と第3固定接点部631とが接触片40を介して電気的に接続されているので、第1端子612と第3端子632とが導通している。したがって、第2回路もオン状態である。このプッシュスイッチ1の非操作時における等価回路図を図11Aに示す。
【0081】
次に、図10Bに示すプッシュスイッチ1の1段階目の操作時(第1操作状態)について説明する。プッシュスイッチ1の1段階目の操作時には、押圧体7を介して上方から受圧部31に操作力が作用し、受圧部31が凹部21の底面(一面211)に近づく向き(下方)に押されて、可動部材3が徐々に変形する。この変形は、可動部材3の可動連結部300が下方に凸となるように湾曲して撓む弾性変形である。
【0082】
定常状態から操作方向において基材部20の一面211(つまり凹部21の底面)に近づく向きに押圧体7で受圧部31が押された第1操作状態では、第3可動接点部330が接触部材4から離れることにより、第1固定接点部611と接触部材4との電気的な接続が解除される。言い換えると、可動部材3の弾性変形に伴って、可動連結部300における第3可動接点部330が、下方に変位して、接触片40の連結部400の下面から離れる。これにより、接触片40を介した第1固定接点部611と第3固定接点部631との電気的な接続が解除されるので、第1端子612と第3端子632とが非導通となる。したがって、第2回路はオフ状態となる。一方、可動部材3がある程度弾性変形してもなお、第1固定接点部611と第1可動接点部310との電気的な接続は維持され、また第2固定接点部621と第2可動接点部320との電気的な接続も維持されている。そのため、第1端子612と第2端子622とは導通したままである。したがって、第1回路はオン状態である。このプッシュスイッチ1の1段階目の操作時における等価回路図を図11Bに示す。
【0083】
次に、図10Cに示すプッシュスイッチ1の2段階目の操作時(第2操作状態)について説明する。プッシュスイッチ1の2段階目の操作は、1段階目の操作に引き続いて行われる。プッシュスイッチ1の2段階目の操作時には、図10Bに示す状態から更に押圧体7を介して上方から受圧部31に操作力が作用し、受圧部31が凹部21の底面(一面211)に近づく向き(下方)に押されて、可動部材3の可動連結部300が更に下方に凸となるように湾曲して撓む。つまり、1段階目に比べて2段階目の方が、定常状態からの可動部材3の変形量(可動連結部300の変位量)は大きくなる。
【0084】
第1操作状態から更に押圧体7で受圧部31が押された第2操作状態では、第1可動接点部310が第1固定接点部611から離れ、第2可動接点部320が第2固定接点部621から離れることにより、第1固定接点部611と第2固定接点部621との電気的な接続が解除される。言い換えると、可動部材3の更なる弾性変形に伴って、第1可動接点部310が、上方に変位して、第1固定接点部611から離れる。また第2可動接点部320が、上方に変位して、第2固定接点部621から離れる。これにより、可動部材3を介した第1固定接点部611と第2固定接点部621との電気的な接続が解除されるので、第1端子612と第2端子622とが非導通となる。したがって、第1回路はオフ状態となる。一方、第1端子612と第3端子632とは、1段階目の操作から引き続いて非導通である。したがって、第2回路もオフ状態である。このプッシュスイッチ1の2段階目の操作時における等価回路図を図11Cに示す。
【0085】
(変形例)
以下、上記実施形態の変形例について列挙する。
【0086】
上記実施形態では、基材部20がケース2の一部である場合について説明したが、基材部20はケース2の一部に限らず、例えば、プリント基板(配線基板)の一部であってもよい。この場合、基材部20であるプリント基板の一面211上に、可動部材3、接触部材4及び押え板8が配置されることになる。
【0087】
また、プッシュスイッチ1は、凹部21の開口形状が、略長方形状に限らず、例えば正方形状、円形状、又は長円形状等であってもよい。この構成では、凹部21の開口形状に合わせて、可動部材3、接触部材4、押え板8及び保護シート5の形状が決定されることになる。接触部材4(特に接触片40)に形成された貫通孔410の形状は、略正方形状に限らず、例えば三角形状、矩形状、台形状、又は長円形状等であってもよい。押え板8に形成された窓部810の形状も、正方形状に限らず、例えば三角形状、矩形状、台形状、又は長円形状等であってもよい。
【0088】
また、上述の実施形態では、接触部材4を構成する第3固定接点部631と接触片40とが各々独立した部材である場合について説明したが、第3固定接点部631と接触片40とが一体に構成されていてもよい。例えば、接触部材4は、1枚の金属板にて第3固定接点部631と接触片40とを有するように構成されていてもよい。ただし、第3固定接点部631と接触片40とが一体に構成されている場合に比べて、第3固定接点部631と接触片40とが各々独立した部材である場合の方が、プッシュスイッチ1の組立てがより容易となる。
【0089】
また、第3端子632は、ケース2の左右方向の左側の面から突出していてもよいし、右側の面から突出していてもよい。
【0090】
また、可動部材3は、外力が作用していない状態において可動連結部300が基材部20の一面211から離れる向きに湾曲していてもよい。要するに、プッシュスイッチ1の非操作時において、可動部材3は上方に凸となるように湾曲していてもよい。これにより、図13Aに示すように、可動部材3の第1可動接点部310よりも右寄りの下面と、第1窪み部210の底面との間に隙間が確保される。また可動部材3の第2可動接点部320よりも左寄りの下面と、第2窪み部220の底面との間に隙間が確保される。これらの隙間がなくなるまで可動部材3が下方に変位しても、第1可動接点部310は、第1固定接点部611に接した状態を維持することができ、また第2可動接点部320は、第2固定接点部621に接した状態を維持することができる。つまり、可動部材3がある程度下方に変位しても、第1可動接点部310と第1固定接点部611とは直ちには離れず、第2可動接点部320と第2固定接点部621とは直ちには離れない。言い換えると、プッシュスイッチ1の1段階目の操作では、第1可動接点部310と第1固定接点部611との電気的な接続と、第2可動接点部320と第2固定接点部621との電気的な接続とは解除されない。
【0091】
また、図13Bに示すように、第1可動接点部310は、第1固定接点部611に対向して第1突起311を有し、この第1突起311を介して第1可動接点部310と第1固定接点部611とが電気的に接続されていてもよい。同様に、第2可動接点部320は、第2固定接点部621に対向して第2突起321を有し、この第2突起321を介して第2可動接点部320と第2固定接点部621とが電気的に接続されていてもよい。この場合、第1突起311によって、可動部材3の第1可動接点部310よりも右寄りの下面と、第1窪み部210の底面との間に隙間が確保される。同様に、第2突起321によって、可動部材3の第2可動接点部320よりも左寄りの下面と、第2窪み部220の底面との間に隙間が確保される。その結果、図13Aの場合と同様に、プッシュスイッチ1の1段階目の操作では、第1可動接点部310と第1固定接点部611との電気的な接続と、第2可動接点部320と第2固定接点部621との電気的な接続とは解除されない。
【0092】
また、図13Cに示すように、第1固定接点部611は、第1窪み部210の底面から上方に突出して設けられていてもよい。同様に、第2固定接点部621は、第2窪み部220の底面から上方に突出して設けられていてもよい。これにより、第1固定接点部611と第1窪み部210の底面との間、及び第2固定接点部621と第2窪み部220の底面との間には、それぞれ段差が生じる。この場合、第1固定接点部611の上面は、第1窪み部210の底面よりも高い位置にあるので、可動部材3の第1可動接点部310よりも右寄りの下面と、第1窪み部210の底面との間に隙間が確保される。同様に、第2固定接点部621の上面は、第2窪み部220の底面よりも高い位置にあるので、可動部材3の第2可動接点部320よりも左寄りの下面と、第2窪み部220の底面との間に隙間が確保される。その結果、図13A及び図13Bの場合と同様に、プッシュスイッチ1の1段階目の操作では、第1可動接点部310と第1固定接点部611との電気的な接続と、第2可動接点部320と第2固定接点部621との電気的な接続とが解除されにくくなる。
【0093】
また、プッシュスイッチ1は、機器の操作部に用いられて人に操作される構成に限らず、例えば機器の検知部等に用いられてもよい。プッシュスイッチ1が機器の検知部に用いられる場合、プッシュスイッチ1は、例えばリミットスイッチとしてアクチュエータ等の機械部品の位置検出に用いられる。
【0094】
また、押圧体7は、押圧部52と受圧部31との間に限らず、例えば押圧部52の上方に配置されていてもよい。この場合、押圧体7の下面が保護シート5の上面に接合される。この構成では、押圧体7に作用する操作力が、押圧部52を介して受圧部31に伝達される。
【0095】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係るプッシュスイッチ1は、第1固定接点部611と、第2固定接点部621と、部材と、可動部材3と、接触部材4と、を備える。ここでは、ケース2を部材として説明する。ケース2は、第1固定接点部611及び第2固定接点部621を保持する。可動部材3は、操作方向(上下方向)において基材部20の一面211と対向する位置に配置される。接触部材4は、導電性を有し、可動部材3に対して操作方向における基材部20の一面211とは反対側の位置に配置される。可動部材3は、第1固定接点部611に接する位置と第1固定接点部611から離れる位置との間を移動する第1可動接点部310と、第2固定接点部621に接する位置と第2固定接点部621から離れる位置との間を移動する第2可動接点部320と、第1可動接点部310と第2可動接点部320とを連結し、かつ、第1可動接点部310と第2可動接点部320とを電気的に接続する可動連結部300とを有する。接触部材4は、基材部20に支持される第1支持部411及び第2支持部421と、第1支持部411と第2支持部421とを連結する連結部400とを有する。連結部400と基材部20との間に、可動連結部300が挟まれ、平面視で、第1支持部411及び第2支持部421は、前記可動部材3と重ならない。
【0096】
この構成によれば、可動部材3と接触部材4とが交差して配置されるので、第1固定接点部611と第2固定接点部621とが並ぶ直線上から逸れた位置に第3固定接点部631を配置することができる。そうすると、操作方向において、第1固定接点部611及び第2固定接点部621と、第3固定接点部631との間の距離を縮めることができる。つまり、第1固定接点部611及び第2固定接点部621と、第3固定接点部631との高さの差が小さくなるので、小型化を実現することができる、という利点がある。
【0097】
なお、上記第1の態様に係るプッシュスイッチ1では、部材がケース2で構成されている例で説明したが、これに限定されない。例えば、部材が、配線基板を含んでいても良い。
【0098】
第2の態様に係るプッシュスイッチ1は、第1の態様において、押圧体7を更に備える。押圧体7は、可動部材3に対して操作方向における基材部20の一面211とは反対側の位置に配置される。可動連結部300は、第3可動接点部330を含む。前記第3可動接点部は、前記受圧部を有する。第3可動接点部330は、接触部材4に接する位置と接触部材4から離れる位置との間を移動する。受圧部31に外力が作用していない定常状態では、第1固定接点部611と接触部材4とが電気的に接続され、第1固定接点部611と第2固定接点部621とが電気的に接続されている。定常状態から操作方向(上下方向)において基材部20の一面211に近づく向きに押圧体7で受圧部31が押された第1操作状態では、第3可動接点部330が接触部材4から離れることにより、第1固定接点部611と接触部材4との電気的な接続が解除される。第1操作状態から更に押圧体7で受圧部31が押された第2操作状態では、第1可動接点部310が第1固定接点部611から離れ、第2可動接点部320が第2固定接点部621から離れることにより、第1固定接点部611と第2固定接点部621との電気的な接続が解除されるように構成されている。
【0099】
この構成によれば、受圧部31に外力が作用していない定常状態では、第1固定接点部611、第1可動接点部310、第3可動接点部330及び接触部材4を含む1つ目の回路をオン状態とすることができる。さらに第1固定接点部611、第1可動接点部310、第2可動接点部320及び第2固定接点部621を含む2つ目の回路をオン状態とすることができる。
【0100】
受圧部31に外力が作用している状態は、2つの段階に分けられる。
【0101】
1つ目の段階(第1操作状態)では、第3可動接点部330が接触部材4から離れて、第1固定接点部611と接触部材4との電気的な接続が解除されるので、上記の1つ目の回路をオフ状態とすることができる。ただし、この段階ではなお、第1固定接点部611と第2固定接点部621とが電気的に接続されているので、上記の2つ目の回路はオン状態のままとすることができる。
【0102】
2つ目の段階(第2操作状態)では、第1可動接点部310が第1固定接点部611から離れ、第2可動接点部320が第2固定接点部621から離れて、第1固定接点部611と第2固定接点部621との電気的な接続が解除されるので、上記の2つ目の回路もオフ状態とすることができる。
【0103】
このように、プッシュスイッチ1は、常閉型である。しかもこのプッシュスイッチ1は、2つの回路を2段階に分けて1つずつオフ状態とすることができる。
【0104】
第3の態様に係るプッシュスイッチ1は、第1又は2の態様において、接触部材4は、第3固定接点部631と、接触片40と、を有する。第3固定接点部631は、部材(ここではケース2)に保持されている。接触片40は、第3固定接点部631に電気的に接続されており、接触片40の少なくとも一部は、可動部材3に対して操作方向における基材部20の一面211とは反対側の位置に配置される。
【0105】
この構成によれば、第3固定接点部631と接触片40とを各々独立した部材として扱うことができるので、プッシュスイッチ1を組み立てやすくなる。特にプッシュスイッチ1が小さい場合には有効である。
【符号の説明】
【0106】
1 プッシュスイッチ
2 ケース(部材)
3 可動部材
4 接触部材
7 押圧体
8 押え板
20 基材部(部材)
21 凹部
22 周壁
31 受圧部
40 接触片
51 接合部
52 押圧部
53 中間部
61,62,63 金属部材
80 溶着部
81 非溶着部
210 第1窪み部
211 一面
212 内側面
220 第2窪み部
230 第3窪み部
300 可動連結部
310 第1可動接点部
311,321 突起
320 第2可動接点部
330 第3可動接点部
400 連結部
410 貫通孔
411 第1支持部
412 第1立ち上がり部
413 突出部
421 第2支持部
422 第2立ち上がり部
423 突出部
611 第1固定接点部
612 第1端子
613 第1主板
621 第2固定接点部
622 第2端子
623 第2主板
631 第3固定接点部
632 第3端子
633 第3主板
634 副板
800 連結板
810 窓部
811 第1押え棒
821 第2押え棒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C

【手続補正書】
【提出日】2019年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
前記接触部材は、第3固定接点部と、接触片と、を有し、
前記第3固定接点部は、前記部材に保持されており、
前記接触片は、前記第3固定接点部に電気的に接続されており、
前記接触片の少なくとも一部は、前記可動部材に対して前記操作方向における前記部材の前記一面とは反対側の位置に配置される
請求項1〜4いずれか1項に記載のプッシュスイッチ。
【国際調査報告】