特表-18159189IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-159189基板支持ユニット、および基板支持ユニットを有する成膜装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月7日
【発行日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】基板支持ユニット、および基板支持ユニットを有する成膜装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20191122BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20191122BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20191122BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20191122BHJP
   C23C 14/50 20060101ALI20191122BHJP
【FI】
   H01L21/302 101G
   H01L21/31 F
   H01L21/68 N
   C23C16/46
   C23C14/50 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2019-502520(P2019-502520)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2017-36608(P2017-36608)
(32)【優先日】2017年2月28日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼原 剛
(72)【発明者】
【氏名】花待 年彦
(72)【発明者】
【氏名】巽 新
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA06
4K029AA24
4K029BD01
4K029CA01
4K029CA05
4K029DA08
4K029JA02
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA01
4K030GA02
4K030KA23
4K030LA15
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5F004BB13
5F004BB14
5F004BB22
5F004BB26
5F004BB29
5F004BD04
5F004BD05
5F004CB12
5F004DA01
5F045AA09
5F045AB02
5F045AB32
5F045AB33
5F045AC01
5F045AC05
5F045AC07
5F045DP04
5F045EH16
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5F045EK08
5F045EM05
5F045EM09
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5F131EA03
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5F131EB22
5F131EB78
5F131EB81
5F131HA22
5F131KA23
5F131KA54
(57)【要約】
基板支持ユニットが提供される。基板支持ユニットは、シャフト、第1のヒータ、およびステージを有する。第1のヒータはシャフト内に位置し、シャフトの上部を加熱するように構成される。ステージはシャフト上に位置しており、第1のプレートと、第1のプレート上の第2のプレートと、第1のプレートと第2のプレート間の第2のヒータを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフト内に位置し、前記シャフトの上部を加熱するように構成される第1のヒータと、
前記シャフト上に位置し、第1のプレートと、前記第1のプレート上の第2のプレートと、前記第1のプレートと前記第2のプレート間の第2のヒータを有するステージを有する基板支持ユニット。
【請求項2】
前記シャフトは、メインシャフトを有し、
前記第1のヒータは前記メインシャフトと前記第1のプレート間に挟持される、請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項3】
前記シャフトは、前記メインシャフトと前記第1のプレート間にコネクタをさらに有し、
前記コネクタは、前記メインシャフトと前記第1のプレートの少なくとも一方に接し、
前記第1のヒータは前記メインシャフトと前記コネクタ間に挟持される、請求項2に記載の基板支持ユニット。
【請求項4】
前記メインシャフトは管状の形状を有し、上端部にリング形状のフランジを有し、
前記コネクタはリング形状を有し、前記フランジを覆う、請求項3に記載の基板支持ユニット。
【請求項5】
前記シャフトは管状の形状を有し、内部に空洞を有し、
前記第1のヒータと接続される配線、および前記第2のヒータと接続される配線が前記空洞内に配置され、
前記第1のヒータは前記空洞を囲むように配置される、請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項6】
前記第1のヒータの断面積は、前記第2のヒータの断面積よりも小さい、請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項7】
前記シャフトの断面積は、前記第1のプレートの表面の面積よりも小さく、
前記シャフトは前記第1のプレートの中心と重なり、
前記第1のヒータは、前記中心を通過する前記第1のプレートの法線を囲むように配置される、請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項8】
前記シャフトは、前記第1のプレートにろう付けされる、あるいは溶接される、請求項1に記載の基板支持ユニット。
【請求項9】
前記コネクタは、前記第1のプレートにろう付けされる、あるいは溶接される、請求項3に記載の基板支持ユニット。
【請求項10】
請求項1に記載の基板支持ユニットを有する成膜装置。
【請求項11】
請求項1に記載の基板支持ユニットを有する膜加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板支持ユニット、あるいは基板支持ユニットを有する膜加工装置、成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスはほぼ全ての電子機器に搭載されており、電子機器の機能に対して重要な役割を担っている。半導体デバイスはシリコンなどが有する半導体特性を利用したデバイスであり、半導体のみならず、絶縁体や導電体などを含む多数の薄膜によって構成される。これらの薄膜の形成と加工は、フォトリソグラフィープロセスによって行われる。フォトリソグラフィープロセスは、一般的に、蒸着、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法、あるいは基板の化学反応などを利用した薄膜の形成、薄膜上へのレジスト膜の形成、露光、現像によるレジストマスクの成形、エッチングによる薄膜の部分的除去、レジスト膜の除去を含む。
【0003】
フォトリソグラフィープロセスの各ステップでは、多くの反応条件が薄膜の特性を決定づけており、そのうちの一つが基板の温度である。多くの場合、基板の温度は基板を設置する載置台(以下、ステージと記す)の温度を調節することによって制御される。特許文献1から3には、基板の温度を制御するためのヒータが搭載されたステージ、およびステージを支持するシャフトを有する基板支持ユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5712054号公報
【特許文献2】特開2005−166368号公報
【特許文献3】特許第4311922号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の一つは、基板支持ユニットである。基板支持ユニットは、シャフト、第1のヒータ、およびステージを有する。第1のヒータはシャフト内に位置し、シャフトの上部を加熱するように構成される。ステージはシャフト上に位置しており、第1のプレートと、第1のプレート上の第2のプレートと、第1のプレートと第2のプレート間の第2のヒータを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態の膜加工装置の構成を示す図。
図2A】本発明の一実施形態の基板支持ユニットの模式的斜視図。
図2B】本発明の一実施形態の基板支持ユニットの断面の斜視図。
図2C】本発明の一実施形態の基板支持ユニットの断面図。
図3A】本発明の一実施形態の基板支持ユニットの模式的上面図。
図3B】本発明の一実施形態の基板支持ユニットの模式的上面図。
図4A】本発明の一実施形態の基板支持ユニットの断面の斜視図。
図4B】本発明の一実施形態の基板支持ユニットの断面の斜視図。
図5】本発明の一実施形態の成膜装置の構成を示す図。
図6】本発明の一実施形態の成膜装置の構成を示す図。
図7】本発明の一実施形態の成膜装置の構成を示す図。
図8A】実施例と比較例の基板支持ユニットの温度分布を示す図。
図8B】実施例と比較例の基板支持ユニットの温度分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態の課題の一つは、基板の温度を精密に制御するための基板支持ユニット、および基板支持ユニットを有する成膜装置、もしくは膜加工装置を提供することである。
【0008】
以下、本出願で開示される発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0009】
また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態の一つである基板支持ユニット、およびそれを備える膜加工装置に関し、図1から図4Bを用いて説明する。
【0011】
[1.膜加工装置]
図1には、本発明の第1実施形態に係る膜加工装置の一例として、種々の膜に対してドライエッチングを行うためのエッチング装置100が示されている。エッチング装置100は、チャンバー102を有している。チャンバー102は、例えばシリコン基板やガラス基板上に形成された導電体、絶縁体、半導体などの膜に対してエッチングを行う空間を提供する。
【0012】
チャンバー102には排気装置104が接続され、これにより、チャンバー102内を減圧雰囲気に設定することができる。チャンバー102にはさらに反応ガスを導入するための導入管106が設けられ、バルブ108を介してチャンバー内にエッチング用の反応ガスが導入される。反応ガスとしては、例えば四フッ化炭素(CF4)、オクタフルオロシクロブタン(c−C48)、デカフルオロシクロペンタン(c−C510)、ヘキサフルオロブタジエン(C46)などの含フッ素有機化合物が挙げられる。
【0013】
チャンバー102上部には導波管110を介してマイクロ波源112を設けることができる。マイクロ波源112はマイクロ波を供給するためのアンテナなどを有しており、例えば2.45GHzのマイクロ波や、13.56MHzのラジオ波(RF)といった高周波数のマイクロ波を出力する。マイクロ波源112で発生したマイクロ波は導波管110によってチャンバー102の上部へ伝播し、石英やセラミックなどを含む窓114を介してチャンバー102内部へ導入される。マイクロ波によって反応ガスがプラズマ化し、プラズマに含まれる電子やイオン、ラジカルによって膜のエッチングが進行する。
【0014】
チャンバー102下部には基板を載置し、基板の温度を制御するための基板支持ユニット130が設けられる。基板支持ユニット130はシャフト134とシャフト134上に設置されるステージ132を有する。基板はステージ132上に設置される。ステージ132には電源122が接続され、高周波電力がステージ132に与えられ、マイクロ波による電界がステージ132表面、基板表面に対して垂直な方向に形成される。チャンバー102の上部や側面にはさらに磁石116、118、120を設けることができる。磁石116、118、120としては永久磁石でもよく、電磁コイルを有する電磁石でもよい。磁石116、118、120によってステージ132、および基板表面に平行な磁界成分が作り出され、マイクロ波による電界との連携により、プラズマ中の電子はローレンツ力を受けて共鳴し、ステージ132、および基板表面に束縛される。その結果、高い密度のプラズマを基板表面に発生させることができる。
【0015】
ステージ132には、ステージ132やシャフト134に設けられるヒータ(後述する第1のヒータ、第2のヒータ)を制御するヒータ電源126が接続される。ステージ132にはさらに、基板をステージ132に固定するための静電チャック用の電源124が接続されてもよい。エッチング装置100にはさらに、任意の構成として、ステージ132を回転させるための回転制御装置128が設けられていてもよい。
【0016】
[2.基板支持ユニット]
図2Aに基板支持ユニット130の模式的斜視図を示す。図2Aに示すように、基板支持ユニット130はシャフト134と、シャフト134上に設けられるステージ132を有する。
【0017】
<1.ステージ>
ステージ132は二つのプレートを有することができ、ここでは下部プレート132bと、下部プレート132b上に位置する上部プレート132aが設けられる例が示されている。上部プレート132aと下部プレート132bは互いにネジで接続されていてもよく、あるいは溶接、ろう付けによって固定されていてもよい。上部プレート132aや下部プレート132bの主な材料は金属であり、材料としては例えばチタンやアルミニウム、ステンレスなどが挙げられる。図示していないが、下部プレート132bの底面に温度センサーを設置するための開口を設けてもよい。温度センサーには熱電対などを利用することができる。図2Aには円形のステージ132が図示されているが、ステージ132の形状に制限はなく、楕円、あるいは四角形などの多角形の形状を有していてもよい。
【0018】
図2Bに基板支持ユニット130の断面の斜視図を、図2C図2Bの中心部分の拡大図を示す。図2Bに示すように、ステージ132は、下部プレート132bと上部プレート132aの間に第2のヒータ140を有している。第2のヒータ140はステージ132を加熱するために設けられ、下部プレート132bと上部プレート132aに形成された溝に沿って配置される。ただし、溝は下部プレート132bと上部プレート132aの一方のみに設けてもよい。
【0019】
図3Aに、ステージ132の上面模式図を示す。図3Aは、ステージ132から上部プレート132aを省いた状態を示す。図3Aに示すように、第2のヒータ140はステージ132の全体に引き回され、これによりステージ132の全体が加熱される。
【0020】
第2のヒータ140の代表的な例としてシースヒータが挙げられる。シースヒータは金属シースを有し、通電することで発熱する金属を含む発熱体、および発熱体を取り囲む絶縁物が金属シース内に設けられている。発熱体はタングステンやニッケル、クロム、コバルト、およびモリブデンから選択される金属を含むことができる。金属はこれらの金属を含む合金でもよく、例えばニッケルとクロムの合金、ニッケル、クロム、およびコバルトを含む合金でもよい。絶縁物としては、例えば酸化アルミニウム、酸化物チタン、酸化クロム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、あるいはこれらの複合酸化物などが挙げられる。
【0021】
図2Bに示すように、第2のヒータ140は配線142と接続され、配線142はステージ132の中心からシャフト134の内部を延伸し、図1に示すヒータ電源126と接続される。ヒータ電源126によって第2のヒータ140に流れる電流が制御され、これにより、ステージ132の温度が制御される。
【0022】
<2.シャフト>
シャフト134はステージ132を支持するものであり、メインシャフト136、および任意の構成としてコネクタ138を有している(図2B図2C)。コネクタ138を設ける場合、コネクタは下部プレート132bとメインシャフト136の少なくとも一方と接するように設置することができる。シャフト134とステージ132は溶接、あるいはろう付けによって接続することができる。
【0023】
メインシャフト136は管状の形状を有してもよく、ステージ132が円形の場合、ステージ132の中心を通る法線がメインシャフト136の断面、あるいは断面の中心を通過するよう、ステージ132とメインシャフト136を構成することができる。ステージ132の面積はメインシャフト136の断面積よりも大きい。メインシャフト136の内部には空洞、あるいは空間が形成され、この中に配線142が配置される。メインシャフト136の上端には、図2Cに示すようにフランジ144(図中、点線の楕円で示した部分)が形成されていてもよい。フランジ144を形成する場合、フランジ144はリング状の形状を有し、メインシャフト136の端部を形成する。コネクタ138を設ける場合、コネクタ138はリング状の形状を有し、フランジ144を覆うように設けることができる。
【0024】
メインシャフト136やコネクタ138は、上部プレート132aと下部プレート132bで使用可能な材料を含むことができる。例えばメインシャフト136と上部プレート132a、下部プレート132bは、同一の材料を含むことができる。これにより、シャフト134とステージ132間で熱膨張係数の差がなくなるため、シャフト134とステージ132間の接続に高い信頼性を付与することができる。シャフト134やステージ132、コネクタ138で異なる材料を用いる場合、材料間の熱膨張率の差は0.2×10-6/K以上2.0×10-6/K以下、あるいは0.5×10-6/K以上1.0×10-6/K以下、あるいは0.7×10-6/K以上0.9×10-6/Kとすることができる。さらにシャフトからの熱引け防止効果を高めるために、コネクタ138に高熱伝導材料、メインシャフト136に低熱伝導材料を用いてもよい。この場合、高熱伝導材料と低熱伝導材料の少なくとも一方は、上部プレート132aや下部プレート132bに含まれる材料と異なることも可能である。
【0025】
シャフト134にはさらに、メインシャフト136の上部を加熱する第1のヒータ150が内蔵される。例えば第1のヒータ150は、メインシャフト136と下部プレート132bの間に設けることができ、あるいは図2B図2Cに示すようにメインシャフト136とコネクタ138との間に設けることができる。図示していないが、第1のヒータ150はコネクタ138と下部プレート132bの間に設けてもよい。
【0026】
第1のヒータ150は、シャフト134を取り囲むように、あるいはメインシャフト136の空洞を囲むように配置される。また、ステージ132の中心を通過する、ステージ132の法線を囲むように配置される。フランジ144を設ける場合、図2Cに示すように、フランジ144およびコネクタ138に形成される溝に沿って第1のヒータ150を設置することができる。ただし溝はフランジ144およびコネクタ138の少なくとも一方に形成されていればよい。図3Bに、シャフト134の上面図を示す。ここでは、第2のヒータ140や下部プレート132bの一部が点線で示されている。図2Cおよび図3Bに示すように、第1のヒータ150はフランジ144が形成する平面内で、第1のヒータ150の一部が複数の同心円と重なるように形成することができる。
【0027】
第2のヒータ140と同様、第1のヒータ150としてシースヒータを用いることができる。第1のヒータ150の端子は配線152と接続され(図2B図2C)、配線152はメインシャフト136の空洞を延伸し、図1に示すヒータ電源126と接続される。ヒータ電源126によって第1のヒータ150に流れる電流が制御され、これにより、メインシャフト136の上部の温度が制御される。
【0028】
第1のヒータ150の断面積は、第2のヒータ140の断面積よりも小さくなるよう、第1のヒータ150と第2のヒータ140を構成することができる。すなわち、第1のヒータ150に内蔵される発熱体の断面積は、第2のヒータ140に内蔵されるそれと比較して小さくなるよう、第1のヒータ150と第2のヒータ140を構成することができる。このため、ステージ132と比較して小さい面積を有するメインシャフト136やフランジ144に、より高い密度で第1のヒータ150を設置することができる。
【0029】
半導体プロセスにおける基板の温度の設定幅は広く、例えば500℃以上に加熱されることも多い。このような高温での基板加熱を行うためには、ステージ132に設けられる第2のヒータ140に大きな電力を与える必要があり、したがって、大きな断面積を有する発熱体が第2のヒータ140で使用され、これに伴い、大きな断面積を有するシースヒータが第2のヒータ140として使用される。大きな断面積を有するシースヒータを図1に示すように変形して使用する場合、曲げ部分の曲率半径に限界がある。すなわち、第2のヒータ140を緩やかに曲げることは容易であるものの、大きな曲率半径で曲げることは困難であり、このため、ステージ132の中心付近と周辺領域ではヒータの設置密度を均一にすることが難しい。より具体的には、ステージ132の周辺領域では高い密度で第2のヒータ140を配置することができるものの、中心付近においては高い密度で第2のヒータ140を設けることが困難である。さらに、ステージ132の中心付近にはシャフト134が設けられるため、シャフト134を通じてステージ132の熱が奪われやすい。その結果、ステージ132の中心とその近傍の温度は、周辺領域よりも低くなりやすい。これらの理由に起因し、ステージ132全体を均一な温度に保つことは必ずしも容易ではない。
【0030】
一方上述したように、本実施形態で示した基板支持ユニットには、ステージ132の加熱を行うための第2のヒータ140とともに、シャフト134の端部、すなわちシャフト134のステージ132の近傍を加熱するための第1のヒータ150が設けられる。また、第1のヒータ150の断面積は、第2のヒータ140のそれよりも小さいため、フランジ144やコネクタ138などの小さな面積を有する部材に高密度で配置することができる。このため、第1のヒータ150を用いてシャフト134の端部を加熱することで、ステージ132の中心とその付近における温度低下を防止することができる。その結果、ステージ132全体の温度を均一に保持することが容易となり、精密な基板温度制御を達成することが可能となる。
【0031】
<3.その他の構成>
ステージ132にはさらに、基板をステージ132上に固定するための機構として静電チャック160を有してもよい(図4A)。静電チャック160は、例えば静電チャック電極162を絶縁性の膜164で覆った構造を有することができる。静電チャック電極162に電源124(図1参照)から高電圧(数百Vから数千V)を印加することで、静電チャック電極162に電荷が生じる。同時に、静電チャック電極162に生じる電荷とは逆の極性の電荷が基板裏面に発生する。極性が異なる電荷同士のクーロン力により、基板を固定することができる。絶縁体としては、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム、窒化ホウ素などのセラミックを用いることができる。なお、絶縁性の膜164は完全に絶縁性である必要はなく、ある程度の導電性(例えば109Ω・cmから1012Ω・cmオーダーの抵抗率)を有してもよい。この場合、膜164は上述したセラミックに酸化チタンや、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウムなどの金属酸化物がドープされる。静電チャック160の周辺には、基板の位置を決定するためのリブ166が設けられていてもよい。
【0032】
さらに任意の構成として、ステージ132は、貫通孔168を一つ、あるいは複数有してもよい。貫通孔168にヘリウムなどの熱伝導率の高いガスを流すよう、チャンバー102にヘリウム導入管を設けてもよい。これにより、ガスがステージ132と基板の隙間を流れ、ステージ132の熱エネルギーを効率よく基板へ伝えることができる。
【0033】
基板を固定するための静電チャック160をステージ132上に設けず、真空チャックの機能をステージ132に付与してもよい。例えば図4Bに示すように、上部プレート132aに複数の吸引孔170を設け、図示しない吸引装置を用いて吸引孔170から気体を吸引し、上部プレート132a上に基板を吸着することで基板を固定してもよい。
【0034】
図示していないが、ステージ132の内部に、基板の温度を制御するための媒体を環流するための溝(流路)を設けてもよい。媒体としては、水、イソプロパノールやエチレングリコールなどのアルコール、シリコーンオイルなどの液体の媒体を用いることができる。この場合、上部プレート132aと下部プレート132bの一方、あるいは両方に溝が形成され、その後上部プレート132aと下部プレート132bがろう付けなどによって接合される。媒体はステージ132を冷却する場合、加熱する場合のいずれの場合に用いてもよい。
【0035】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態で述べた基板支持ユニット130を有する種々の成膜装置に関し、図5から図7を用いて説明する。第1実施形態と同様の構成に関しては記述を割愛することがある。
【0036】
[1.CVD装置]
図5は、成膜装置の一つであるCVD装置200の模式図である。CVD装置200はチャンバー202を有し、反応ガスを化学的に反応させる場を提供する。
【0037】
チャンバー202には排気装置204が接続され、チャンバー202内の圧力を低減することができる。チャンバー202にはさらに反応ガスを導入するための導入管206が設けられ、バルブ208を介してチャンバー内に成膜用の反応ガスが導入される。反応ガスとしては、作成する膜に依存して種々のガスを用いることができる。ガスは、常温で液体でもよい。例えばシランやジクロロシラン、テトラエトキシシランなどを用いることでシリコン、酸化ケイ素、窒化ケイ素などの薄膜を形成することができる。あるいはフッ化タングステンやトリメチルアルミニウムなどを用いることで、タングステンやアルミニウムなどの金属薄膜を形成することができる。
【0038】
エッチング装置100と同様、チャンバー202上部には導波管210を介してマイクロ波源212を設けてもよい。マイクロ波源212で発生したマイクロ波は導波管210によってチャンバー202内部へ導入される。マイクロ波によって反応ガスがプラズマ化し、プラズマに含まれる種々の活性種によってガスの化学反応が促進され、化学反応によって得られる生成物が基板上に堆積し、薄膜が形成される。任意の構成として、プラズマの密度を増大させるための磁石244をチャンバー202内に設けることができる。チャンバー202下部には、第1実施形態で述べた基板支持ユニット130が設けられ、基板がステージ132上に設置された状態で薄膜の堆積を行うことができる。エッチング装置100と同様、チャンバー202の側面にはさらに磁石216、218を設けてもよい。
【0039】
CVD装置200にはさらに、ステージ132やシャフト134に設けられる第1のヒータ150、第2のヒータ140を制御するヒータ電源224が設けられる。CVD装置200は、高周波電力をステージ132に供給するための電源226、静電チャック用の電源228、ステージ132内部に環流される媒体の温度制御を行う温度コントローラ230などをさらに有していてもよい。CVD装置200にはさらに、任意の構成として、ステージ132を回転させるための回転制御装置(図示せず)が設けられていてもよい。
【0040】
[2.スパッタ装置]
図6は、成膜装置の一つであるスパッタ装置300の模式図である。スパッタ装置300はチャンバー302を有し、高速のイオンとターゲットの衝突、およびその際に発生するターゲット原子の堆積のための場を提供する。
【0041】
チャンバー302にはチャンバー302内を減圧にするための排気装置304が接続される。チャンバー302にはアルゴンなどのスパッタガスをチャンバー302へ導入するための導入管306、およびバルブ308が設けられる。
【0042】
チャンバー302下部には、成膜する材料を含むターゲットを保持し、かつ陰極として機能するターゲットステージ310が設けられ、その上にターゲット312が設置される。ターゲットステージ310には高周波電源314が接続され、高周波電源314によってチャンバー302内にプラズマを発生することができる。
【0043】
チャンバー302上部には、第1実施形態で述べた基板支持ユニット130を設けることができる。この場合、基板がステージ132下に設置された状態で薄膜の形成が進行する。エッチング装置100やCVD装置200と同様、スパッタ装置300は、ステージ132やシャフト134に設けられる第1のヒータ150、第2のヒータ140を制御するヒータ電源324が設けられる。基板支持ユニット130にはさらに、高周波電力をステージ132に供給するための電源326、静電チャック用の電源328、温度コントローラ330などが接続されてもよい。スパッタ装置300にはさらに、任意の構成として、ステージ132を回転させるための回転制御装置(図示せず)が設けられていてもよい。
【0044】
チャンバー302内で発生したプラズマによって加速されたアルゴンイオンは、ターゲット312に衝突し、ターゲット312の原子が弾き出される。弾き出された原子は、シャッター316が開放されている間、ステージ132下に設置される基板へ飛翔し、堆積する。
【0045】
本実施形態では、基板支持ユニット130がチャンバー302の上部に、ターゲットステージ310がチャンバー302の下部に設置される構成が例示されるが、本実施形態はこの構成に限られず、ターゲットが基板支持ユニット130の上に位置するようにスパッタ装置300を構成してもよい。あるいは、基板の主面が水平面に対して垂直に配置されるように基板支持ユニット130を設置し、それに対向するようにターゲットステージ310を設けてもよい。
【0046】
[3.蒸着装置]
図7は、成膜装置の一つである蒸着装置400の模式図である。蒸着装置400はチャンバー402を有し、蒸着源410における材料の蒸発、ならびに蒸発した材料の基板上への堆積のための空間が提供される。
【0047】
チャンバー402にはチャンバー402内を高真空にするための排気装置404が接続される。チャンバー402にはチャンバー402を大気圧に戻すための導入管406が設けられ、バルブ408を介して窒素やアルゴンなどの不活性ガスがチャンバー402内に導入される。
【0048】
チャンバー402上部には、第1実施形態で述べた基板支持ユニット130を設けることができる。基板がステージ132の下に設置された状態で材料の堆積が進行する。エッチング装置100、CVD装置200、スパッタ装置300と同様、蒸着装置400はさらに、ステージ132やシャフト134に設けられる第1のヒータ150、第2のヒータ140を制御するヒータ電源424が設けられる。基板支持ユニット130には、静電チャック用の電源426、温度コントローラ428、ステージ132を回転させるための回転制御装置430などが設けられてもよい。基板支持ユニット130はさらに、基板と蒸着源410の間にメタルマスクを固定するためのマスクホルダ416を有してもよい。これにより、材料を堆積する領域にメタルマスクの開口部が重なるように、基板近傍にメタルマスクを配置することができる。
【0049】
蒸着源410がチャンバーの下側に設けられ、蒸着する材料が蒸着源410に充填される。蒸着源410には材料を加熱するためのヒータが設けられており、ヒータは制御装置412によって制御される。排気装置404を用いてチャンバー402内を高真空にし、蒸着源410を加熱して材料を気化させることで蒸着が開始される。蒸着の速度が一定になった時にシャッター414を開放することで、基板上において材料の堆積が開始される。
【0050】
上述したように、本実施形態のCVD装置200、スパッタ装置300、蒸着装置400などの成膜装置には、実施形態1で説明した基板支持ユニット130を有することができる。したがって、基板全体の温度を均一に制御することができ、形成される薄膜の物性のばらつきを大幅に低減することができる。
【実施例】
【0051】
第1実施形態で述べた基板支持ユニット130を用いることで、ステージ132の全体を均一に加熱することができることを以下に述べる実施例で説明する。
【0052】
図2Aから図3Bに示す構造を有する基板支持ユニット130を実施例として用い、加熱温度のシミュレーションを行った。シミュレーションの設定条件は以下のとおりである。なお比較例として、第1のヒータ150を備えない基板支持ユニットを用いた。
(1)上部プレート132aおよび下部プレート132b
直径:350mm、厚さ:30mm、熱導電率:170W/m・K
(2)第1のヒータ150
断面積:2.54mm2、長さ:1300mm、発生する熱量:400W
(3)第2のヒータ
断面積:85mm2、長さ:1500mm、発生する熱量:600W
(4)メインシャフト136
外径:60mm、内径:50mm、長さ:90mm、熱導電率:170W/m・K
(5)コネクタ138:
外径:90mm、内径:50mm、厚さ:5mm、熱導電率:170W/m・K
(6)フランジ144
外径:90mm、内径:50mm、厚さ:10mm、熱導電率:170W/m・K
(7)外部環境
雰囲気:真空、温度:30℃、放射率:0.3
【0053】
上記設定条件下において平衡に達した時の実施例、比較例の基板支持ユニット130の温度分布をそれぞれ図8A図8Bに示す。各図において、左側は基板支持ユニットの上面図であり、右側は矢印方向から見た断面図である。図8Bに示すように、比較例の基板支持ユニットでは、上部プレート132aに大きな温度分布が観測され、周辺領域から中心に向かうにつれて温度が低下した。具体的には、最大温度を示す位置は上部プレート132aの周辺領域であり、その温度は370.9℃であった。一方、最小温度を示した場所は上部プレート132aの中央部であり、その温度は350.5℃となり、最大温度と最小温度の差は20.4℃であった。
【0054】
一方図8Aに示すように、実施例の基板支持ユニット130では、最大温度と最小温度を示す位置は比較例と同様であるものの、前者は368.5℃、後者は360.4℃となり、その差は僅か8.1℃であった。
【0055】
上述したシミュレーション結果が示すように、本発明の実施形態に係る基板支持ユニット130は、シャフト134の上端部、すなわち、シャフト134のステージ132付近に第1のヒータ150が内蔵されており、この第1のヒータ150を用いることでステージ132の中心部からシャフト134への熱伝導による熱損失を補うことができ、その結果、ステージ132の加熱を均一に行うことができることが分かった。したがって、この基板支持ユニット130を備えた成膜装置や膜加工装置を用いることで、基板上に均一な特性を有する種々の薄膜を形成する、あるいは薄膜に対して基板上で均一な成形を行うことができるため、より精密に半導体プロセスを制御することが可能である。
【0056】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0057】
また、上述した各実施形態によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと理解される。
【符号の説明】
【0058】
100:エッチング装置、102:チャンバー、104:排気装置、106:導入管、108:バルブ、110:導波管、112:マイクロ波源、114:窓、116:磁石、118:磁石、120:磁石、122:電源、124:電源、126:ヒータ電源、128:回転制御装置、130:基板支持ユニット、132:ステージ、132a:上部プレート、132b:下部プレート、134:シャフト、136:メインシャフト、138:コネクタ、140:第2のヒータ、142:配線、144:フランジ、150:第1のヒータ、152:配線、160:静電チャック、162:静電チャック電極、164:絶縁性の膜、166:リブ、168:貫通孔、170:吸引孔、200:CVD装置、202:チャンバー、204:排気装置、206:導入管、208:バルブ、210:導波管、212:マイクロ波源、216:磁石、218:磁石、224:ヒータ電源、226:電源、228:電源、230:温度コントローラ、244:磁石、300:スパッタ装置、302:チャンバー、304:排気装置、306:導入管、308:バルブ、310:ターゲットステージ、312:ターゲット、314:高周波電源、316:シャッター、324:ヒータ電源、326:電源、328:電源、330:温度コントローラ、400:蒸着装置、402:チャンバー、404:排気装置、406:導入管、408:バルブ、410:蒸着源、412:制御装置、414:シャッター、416:マスクホルダ、424:ヒータ電源、426:電源、428:温度コントローラ、430:回転制御装置
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
【国際調査報告】