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再表2018-159305ピラー供給用シートの製造方法、ガラスパネルユニットの製造方法及びガラス窓の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月7日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】ピラー供給用シートの製造方法、ガラスパネルユニットの製造方法及びガラス窓の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/06 20060101AFI20191129BHJP
   E06B 3/677 20060101ALN20191129BHJP
【FI】
   C03C27/06 101Z
   E06B3/677
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2019-502865(P2019-502865)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】特願2017-37679(P2017-37679)
(32)【優先日】2017年2月28日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕之
(72)【発明者】
【氏名】瓜生 英一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 和也
(72)【発明者】
【氏名】野中 正貴
(72)【発明者】
【氏名】石川 治彦
(72)【発明者】
【氏名】石橋 将
(72)【発明者】
【氏名】清水 丈司
【テーマコード(参考)】
2E016
4G061
【Fターム(参考)】
2E016EA01
2E016EA02
2E016FA01
2E016GA00
4G061AA25
4G061BA01
4G061CB02
4G061CB16
4G061CD02
4G061CD22
(57)【要約】
本発明の課題は、複数のピラーを基板上に適切にかつ容易に実装し、ガラスパネルユニットの製造を効率化する、ピラー供給用シートの製造方法、ガラスパネルユニットの製造方法及びガラス窓の製造方法を提供する。ピラー供給用シートの製造方法は、複数のピラー(4)と、キャリアシート(60)と、各ピラー(4)とキャリアシート(60)の間に介在する接着層(65)を備えるピラー供給用シート(900)の製造方法であって、ピラー形成工程を備える。複数のピラー(4)は、基材にエッチングまたはレーザ照射の処理を施し、処理後の基材から不要部分を除去して前記複数のピラーを形成する工程である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピラー供給用シートの製造方法であって、
前記ピラー供給用シートは、ガラスパネルユニットに含まれる第一基板と第二基板の間の距離を維持するために用いられる複数のピラーと、前記複数のピラーが互いに距離をあけて配置されたキャリアシートと、前記複数のピラーと前記キャリアシートの間に介在する接着層と、を有し、
前記製造方法は、基材に対してエッチングまたはレーザ照射の処理を施し、前記基材から不要部分を除去して、前記複数のピラーを形成するピラー形成工程を備える
ピラー供給用シートの製造方法。
【請求項2】
前記キャリアシートに前記接着層を介して前記基材が形成された仕掛品を準備する準備工程を、さらに備え、
前記ピラー形成工程は、前記準備工程の後に実行される
請求項1に記載のピラー供給用シートの製造方法。
【請求項3】
前記キャリアシートは、前記基材よりもレーザの透過率が高く、
前記ピラー形成工程では、前記キャリアシートに接着された前記基材に対して、レーザ照射の処理を施す
請求項2に記載のピラー供給用シートの製造方法。
【請求項4】
前記ピラー形成工程で形成した前記複数のピラーを前記キャリアシートに配置する配置工程を、さらに備える
請求項1に記載のピラー供給用シートの製造方法。
【請求項5】
前記接着層は、前記複数のピラーを弱接着するように構成されている
請求項1〜4のいずれか一項に記載のピラー供給用シートの製造方法。
【請求項6】
前記接着層の接着力は、1N/25mm以下である
請求項5に記載のピラー供給用シートの製造方法。
【請求項7】
前記接着層は、光または熱の外部刺激により接着力が低下するように構成されている
請求項1〜4のいずれか一項に記載のピラー供給用シートの製造方法。
【請求項8】
前記複数のピラーの各々の前記接着層に接着される面とは反対側の面に、第二接着層を設ける第二接着層形成工程を、さらに備える
請求項1〜7のいずれか一項に記載のピラー供給用シートの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のピラー供給用シートの製造方法により前記ピラー供給用シートを製造する工程と、
前記第一基板と前記第二基板の少なくとも一方に、前記ピラー供給用シートを用いて前記複数のピラーを実装するピラー実装工程と、
前記複数のピラーを挟み込むように対向配置された前記第一基板と前記第二基板とを、前記複数のピラーを囲む枠状の封止材を介して気密に接合する接合工程と、を備える
ガラスパネルユニットの製造方法。
【請求項10】
前記ピラー実装工程では、
前記複数のピラーを前記キャリアシートから取り外した後に、前記第一基板と前記第二基板の少なくとも一方に搬送する
請求項9に記載のガラスパネルユニットの製造方法。
【請求項11】
前記ピラー実装工程では、
前記ピラー供給用シートから、前記第一基板または前記第二基板に前記複数のピラーを転写する
請求項9に記載のガラスパネルユニットの製造方法。
【請求項12】
前記ピラー実装工程は、
前記複数のピラーを前記キャリアシートから取り外した後に、前記キャリアシートとは別の転写用シートに再配置する再配置工程と、
前記転写用シートから、前記第一基板または前記第二基板に前記複数のピラーを転写する転写工程を含む
請求項9に記載のガラスパネルユニットの製造方法。
【請求項13】
ガラス板を含む第三基板を、前記第一基板または前記第二基板に対して、枠状の第二封止材を介して気密に接合する第二接合工程を、さらに備える
請求項9〜12のいずれか一項に記載のガラスパネルユニットの製造方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか一項に記載のガラスパネルユニットの製造方法で製造されたガラスパネルユニットを、窓枠に嵌め込む嵌め込み工程を備える
ガラス窓の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ピラー供給用シートの製造方法、ガラスパネルユニットの製造方法及びガラス窓の製造方法に関する。本開示は、更に詳しくは、複数のピラーを供給するためのピラー供給用シートの製造方法と、このピラー供給用シートの製造方法を含むガラスパネルユニットの製造方法及びガラス窓の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の基板間に複数のピラーが挟み込まれたガラスパネルユニットが、従来知られている。
【0003】
このようなガラスパネルユニットを製造するには、一つの基板上に複数のピラーを互いに距離をあけて実装し、これら複数のピラーを挟み込むように、一つの基板に対して別の基板を対向配置する(たとえば特許文献1等参照)。
【0004】
上記した従来の方法では、ガラスパネルユニットを製造するために用いる多数のピラーを、パンチング等で形成した後に保管しておき、保管された多数のピラーのうちから、必要な数のピラーを順次取り出して基板上に実装していくことが一般的である。
【0005】
この場合、保管された多数のピラーの向きが不統一であると、基板上に各ピラーを適切な向きで実装していくことが容易でないという問題がある。また、帯電したピラー同士が保管中に吸着していると、各ピラーを基板上に適切に実装していくことが容易でないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】日本国公開特許公報11−79799号
【発明の概要】
【0007】
本開示は、基板上に複数のピラーを適切にかつ容易に実装することを可能とし、これによりガラスパネルユニットの製造を効率化することを、目的とする。
【0008】
本開示の一様態に係るピラー供給用シートの製造方法では、ピラー供給用シートは、ガラスパネルユニットに含まれる第一基板と第二基板の間の距離を維持するために用いられる複数のピラーと、前記複数のピラーが互いに距離をあけて配置されたキャリアシートと、前記複数のピラーと前記キャリアシートの間に介在する接着層と、を有する。前記ピラー供給用シートの製造方法は、基材に対してエッチングまたはレーザ照射の処理を施し、前記基材から不要部分を除去して、前記複数のピラーを形成するピラー形成工程を備える。
【0009】
本開示の一様態に係るガラスパネルユニットの製造方法では、前記ピラー供給用シートの製造方法により前記ピラー供給用シートを製造する工程と、ピラー実装工程と、接合工程と、を備える。前記ピラー実装工程は、前記第一基板と前記第二基板の少なくとも一方に、前記複数のピラーを実装する。前記接合工程は、前記複数のピラーを挟み込むように対向配置された前記第一基板と前記第二基板とを、前記複数のピラーを囲む枠状の封止材を介して気密に接合する。
【0010】
本開示の一様態に係るガラス窓の製造方法は、前記ガラスパネルユニットを、窓枠に嵌め込む嵌め込み工程を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1Aは、一実施形態のピラー供給用シートを示す平面図であり、図1Bは、同上のピラー供給用シートを示す側面図である。
図2図2Aは、同上のピラー供給用シートを製造するために用いられる仕掛品を示す平面図であり、図2Bは、図2Aのa−a線断面図である。
図3図3Aは、同上の仕掛品にレーザ加工を施した状態を示す平面図であり、図3Bは、図3Aのb−b線断面図である。
図4図4Aは、同上の仕掛品から不要部分を除いた状態を示す平面図であり、図4Bは、図4Aのc−c線断面図である。
図5図5Aは、同上のピラー供給用シートをエッチングの手法で製造するために用いられる仕掛品を示す断面図であり、図5Bは、同上の仕掛品に露光と現像を施した状態を示す断面図であり、図5Cは、同上の仕掛品にエッチングを施した状態を示す断面図であり、図5Dは、同上の仕掛品からレジストの残存部分を剥がした状態を示す断面図である。
図6図6Aは、同上のピラー供給用シートの第一変形例を示す要部断面図であり、図6Bは、同上のピラー供給用シートの第二変形例を示す要部断面図であり、図6Cは、同上のピラー供給用シートの第三変形例を示す要部断面図であり、図6Dは、同上のピラー供給用シートの第四変形例を示す要部断面図であり、図6Eは、同上のピラー供給用シートの第四変形例においてピラーが倒れる様子を示す一部破断図である。
図7図7は、同上のピラー供給用シートの第五変形例を示す側面図である。
図8図8Aは、同上のピラー供給用シートを用いた第一の実装方法の第一手順を示す側面図であり、図8Bは、同上の第一の実装方法の第二手順を示す側面図であり、図8Cは、同上の第一の実装方法の第三手順を示す側面図である。
図9図9Aは、同上のピラー供給用シートを用いた第二の実装方法の第一手順を示す側面図であり、図9Bは、同上の第二の実装方法の第二手順を示す側面図であり、図9Cは、同上の第二の実装方法の第三手順を示す側面図である。
図10図10Aは、同上のピラー供給用シートを用いた第三の実装方法の第一手順を示す側面図であり、図10Bは、同上の第三の実装方法の第二手順を示す側面図であり、図10Cは、同上の第三の実装方法の第三手順を示す側面図であり、図10Dは、同上の第三の実装方法の第四手順を示す側面図である。
図11図11は、同上のピラー供給用シートを用いてガラスパネルユニットを製造する途中の工程を示す斜視図である。
図12図12は、同上のピラー供給用シートを用いて製造されたガラスパネルユニットを示す平面図である。
図13図13は、図12のd−d線断面図である。
図14図14は、同上のガラスパネルユニットの変形例を示す平面図である。
図15図15は、図14のe−e線断面図である。
図16図16は、同上のガラスパネルユニットの変形例の他例の断面図である。
図17図17は、同上のガラスパネルユニットを用いて製造されたガラス窓を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面に基づいて、一実施形態のピラー供給用シート900、ガラスパネルユニット90およびガラス窓9について、順に説明する。なお、添付図面においては各構成を模式的に示しており、図示の各構成の寸法形状は、実際の寸法形状とは相違する。
【0013】
(ピラー供給用シート)
まず、一実施形態のピラー供給用シート(スペーサ供給用シート)900の基本的な構成について説明する。
【0014】
ピラー供給用シート900は、ガラスパネルユニット90(図12図13参照)を製造するために用いられる。より具体的に述べると、ピラー供給用シート900は、ガラスパネルユニット90の一部を構成する複数のピラー(スペーサ)4を、互いに距離をあけた状態で保持し、その状態を維持しながら、ガラスパネルユニット90の製造現場に搬送するために用いられる。
【0015】
図1A図1Bに示すように、ピラー供給用シート900は、複数のピラー4と、キャリアシート60と、接着層65を備える。
【0016】
複数のピラー4について説明する。
【0017】
複数のピラー4は、それぞれ円柱状に形成されている。各ピラー4は、低熱伝導率の樹脂で形成されていることが好ましく、特に、ポリイミド、ポリイミドベンゾオキサゾールで形成されていれば、高強度、低熱伝導性および耐熱性が両立するため好ましい。但し、各ピラー4の材質は樹脂に限定されず、金属、ガラス、セラミック、炭素材、あるいはこれら(樹脂、金属、ガラス、セラミック、炭素材等)が組み合わさった材質でもよい。
【0018】
各ピラー4の外形は円柱状に限定されず、楕円柱状、六角柱状等の他の外形を有してもよい。また、各ピラー4は中実に限定されず、中空(筒状)であってもよい。各ピラー4の寸法は特に限定されないが、直径が50〜1000μmの範囲内で設定されることや、軸方向の高さが50〜300μmの範囲内で設定されることが好ましい。
【0019】
キャリアシート60について説明する。
【0020】
キャリアシート60は、複数のピラー4を所定の配列および姿勢で支持するためのシートである。キャリアシート60は、矩形状に形成されている。キャリアシート60は、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂で形成されていることが好ましいが、キャリアシート60の材質は樹脂に限定されず、ガラス、金属、あるいはこれら(樹脂、ガラス、金属等)が組み合わさった材質でもよい。
【0021】
接着層65について説明する。
【0022】
接着層65は、複数のピラー4をそれぞれキャリアシート60の一面側に接着するための層である。この実施形態では、キャリアシート60の一面側の全部に接着層65が形成されているが、接着層65が形成される範囲はこれに限定されず、少なくとも各ピラー4とキャリアシート60の間に接着層65が介在すればよい。
【0023】
接着層65は、ピラー供給用シート900を保管および搬送する間は各ピラー4を良好に保持し、ピラー供給用シート900を使用するときには各ピラー4を容易に取り外すことができるように(すなわち剥離可能に)構成されていればよく、たとえば弱接着剤(弱粘着剤)で形成可能である。この場合、接着層65の接着力(剪断接着力)は、JIS規格番号[JISZ0237]に基づく180°引き剥がし試験で1N/25mm以下となるように設定されることが好ましい。
【0024】
但し、接着層65は弱接着剤で形成されることに限定されず、光、熱等の外部刺激によって接着力が低下する性質の接着剤で形成されてもよい。
【0025】
ピラー供給用シート900は、上記の構成を備えることから、ピラー供給用シート900を保管および搬送する間は、各ピラー4を、キャリアシート60および接着層65を用いて、適切な配列および姿勢で保持することができる。
【0026】
(ピラー供給用シートの製造方法)
次に、ピラー供給用シート900を製造する方法について説明する。
【0027】
ピラー供給用シート900を製造する方法として、たとえば、レーザ加工を用いる第一の方法と、エッチングを用いる第二の方法がある。
【0028】
まず、第一の方法について説明する。
【0029】
第一の方法は、準備工程と、ピラー(スペーサ)形成工程を備える。
【0030】
準備工程は、レーザ加工の対象となる仕掛品81を準備する工程である。仕掛品81は、図2A図2Bに示すように、キャリアシート60の一面側に接着層65を介して基材40が形成された構造を有する。
【0031】
基材40は、複数のピラー4の基になるシート状の部材であり、各ピラー4と同一の材質で形成されている。つまり、基材40は、たとえば低熱伝導率の樹脂で形成されているが、基材40の材質は樹脂に限定されず、金属、ガラス、セラミック、炭素材、あるいはこれら(樹脂、金属、ガラス、セラミック、炭素材等)が組み合わさった材質であることも有り得る。
【0032】
ピラー形成工程(スペーサ形成工程)は、仕掛品81の基材40に対してレーザ照射の処理が施され、処理後の基材40から不要部分45(図4A等参照)を除去する工程である。ピラー形成工程を経ることで、複数のピラー4が、接着層65を介してキャリアシート60に接着された状態で形成される。
【0033】
ここで照射するレーザは、複数種類のレーザのうちから、基材40の材質に応じて適切なものが選択される。選択可能なレーザは、グリーンレーザ、UVレーザ、エキシマレーザ、アルゴンレーザ、He−Neレーザ等である。たとえば、基材40の材質がポリイミドベンゾオキサゾールであるときには、2倍波のグリーンレーザ、または3倍波のUVレーザを選択することが好ましい。
【0034】
また、基材40に照射するレーザは、ピコ秒レーザ、フェムト秒レーザ、ナノ秒レーザ等の、パルスレーザであることが好ましい。基材40に照射するレーザがパルスレーザであると、レーザの熱を逃がしながら加工を行うことができる。
【0035】
照射されたレーザの熱が接着層65に蓄積されると、接着層65が溶けやすくなるという問題がある。また、照射されたレーザの熱が基材40に蓄積されると、特に基材40が樹脂である場合に、基材40が焦げやすくなるという問題や、基材40が積層材である場合に、熱応力によって積層材が剥がれやすくなるという問題がある。レーザがパルスレーザであると、これらの問題が解消される。
【0036】
上記のレーザ照射により、仕掛品81の基材40には、図3A図3Bに示すような幾何学的なパターン42が精密に描画される。パターン42は、環状(円環状)の複数のパターン421を含んでいる。各パターン421は、基材40を厚み方向に貫通するように形成されている。レーザ加工された基材40のうち、各パターン421に囲まれた部分が、円柱状のピラー4を構成する。
【0037】
次いで、図4A図4Bに示すように、レーザ照射後の基材40の接着層65から不要部分45が剥がされることで、複数のピラー4を有するピラー供給用シート900が得られる。不要部分45は、基材40のうち、複数のパターン421に囲まれる部分(複数のピラー4を構成する部分)を除いた部分である。
【0038】
なお、第一の方法のように基材40にレーザ照射の処理を施す場合、キャリアシート60は、基材40よりもレーザの透過率が高いものを用いることが好ましい。このようにすることで、基材40を加工するためのレーザがキャリアシート60に影響を及ぼすことが抑えられる。
【0039】
次に、エッチングを用いる第二の方法について、図5A図5Dに基づいて説明する。図5A図5Dには、第二の方法でピラー供給用シート900を製造する手順を示している。
【0040】
なお、以下の説明において、第一の方法と同様の構成については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0041】
第二の方法は、準備工程と、ピラー形成工程を備える。準備工程は、エッチングの対象となる仕掛品81を準備する工程である。仕掛品81は、キャリアシート60の一面側に接着層65を介して基材40が形成された構造を有する。
【0042】
ピラー形成工程は、図5A図5Dに示す手順を経て、仕掛品81の基材40に対してエッチングが施され、基材40を基にして複数のピラー4を形成する工程である。
【0043】
図5Aに示すように、基材40の上面には、その全体を覆うようにレジスト87が形成される。レジスト87に対して露光処理と現像処理が施されることで、図5Bに示すように、レジスト87の残存部分875が所定の形状で残存する。この残存部分875を利用してエッチング処理が施されると、図5Cに示すように、基材40が所定の形状でエッチングされ、複数のピラー4が、接着層65を介してキャリアシート60に接着された状態で形成される。
【0044】
ここでのエッチング処理としては、基材40の材質に応じて、湿式および乾式の各種のエッチング処理のうちから、適切な処理が選択される。
【0045】
次いで、エッチング処理後の基材40(複数のピラー4)から、レジスト87の残存部分875が除去されることで、図5Dに示すように、複数のピラー4を有するピラー供給用シート900が得られる。
【0046】
以上、第一の方法と第二の方法について説明したが、ピラー供給用シート900の製造方法はこれらに限定されない。
【0047】
たとえば、ピラー形成工程において、基材40をキャリアシート60に接着された状態で加工するのではなく、キャリアシート60とは別体の状態で加工することも可能である。
【0048】
この場合、ピラー形成工程と配置工程を経ることで、ピラー供給用シート900が製造される。ピラー形成工程では、キャリアシート60とは別体の基材40に対してエッチングまたはレーザ照射の処理が施され、処理後の基材40から不要部分が除去されることで、複数のピラー4を形成する。配置工程では、ピラー形成工程で形成した複数のピラー4を、接着層65を介してキャリアシート60に配置する。
【0049】
特に、基材40の材質が硬度の高い樹脂(ポリイミド、ポリイミドベンゾオキサゾール等)である場合には、打ち抜き等の機械加工で良好な形状のピラー4を得ることは困難である。これに対して、レーザ照射またはエッチングの処理を行うことで、基材40の材質が硬度の高い樹脂であっても、良好な形状のピラー4を得やすいという利点がある。
【0050】
(ピラー供給用シートの変形例)
次に、図6A図6E図7に基づいて、ピラー供給用シート900の各種の変形例(第一〜第五変形例)について説明する。なお、ピラー供給用シート900について既に説明した構成と同様の構成については、同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0051】
図6Aには、ピラー供給用シート900の第一変形例の要部を示している。第一変形例では、各ピラー4が、複数の樹脂層405が積層された複層構造を有している。第一変形例においては、ピラー4を形成する過程で各樹脂層405から溶剤が抜けやすくなるので、ピラー4が単一の樹脂層で構成されている場合に比べて、高い強度を発揮しやすくなる。
【0052】
図6Bには、ピラー供給用シート900の第二変形例の要部を示している。第二変形例では、各ピラー4に、第二接着層82が形成されている。第二接着層82は、各ピラー4が有する軸方向(高さ方向)の両面のうち、接着層65に接着される面とは反対側の面に、形成されている。
【0053】
つまり、ピラー供給用シート900の第二変形例を製造する方法は、第二接着層形成工程を、さらに備える。第二接着層形成工程は、各ピラー4の接着層65に接着される面とは反対側の面に、第二接着層82を設ける工程である。
【0054】
ピラー供給用シート900の第二変形例によれば、後述する転写の手法で第二基板2に各ピラー4を実装するときに、各ピラー4を、第二接着層82を介して第二基板2に接着させることができる。そのため、ガラスパネルユニット90を効率的に製造することが可能である。
【0055】
図6Cには、ピラー供給用シート900の第三変形例の要部を示している。第三変形例では、各ピラー4に、導電体層83が形成されている。導電体層83は、各ピラー4が有する軸方向(高さ方向)の両面のうち、接着層65に接着される面とは反対側の面に、形成されている。
【0056】
つまり、ピラー供給用シート900の第三変形例を製造する方法は、導電体層形成工程を、さらに備える。導電体層形成工程は、各ピラー4の接着層65に接着される面とは反対側の面に、導電体層83を設ける工程である。
【0057】
導電体層83は、アルミニウム、銅、銀等の金属で形成されていることが好ましく、ZnO、SnO2等の導電性酸化物で形成されていることも好ましい。また、導電体層83は、軟質の材質(軟質の金属、軟質の導電性酸化物等)で形成されていることが好ましい。導電体層83が硬質であると、他の部材(第一基板1等)に傷をつける可能性があるが、導電体層83が軟質であるとこの可能性が低減される。
【0058】
ピラー供給用シート900の第三変形例によれば、各ピラー4に導電体層83が形成されていることで、各ピラー4が帯電することが抑えられる。これにより、帯電したピラー4が他の部材に対して電気的に吸着することや、帯電したピラー4同士が電気的に吸着することが抑えられる。
【0059】
図6Dには、ピラー供給用シート900の第四変形例の要部を示している。第四変形例では、各ピラー4が、主材料で形成された部分46と、主材料よりも比重が大きな副材料で形成された部分47を含んでいる。一例として、主材料は樹脂であり、副材料は金属である。
【0060】
ピラー供給用シート900の第四変形例においては、ピラー4が主材料(樹脂)だけで形成されている場合と比べて、ピラー4に質量を付加することができる。ピラー4が軽量であると、ピラー4が後述の吸着ピン85や転写用シート70から離れ難くなるという問題があるが、ピラー4が比重の大きな部分47を含むことで、この問題が解消される。
【0061】
また、第四変形例においては、ピラー4において比重の大きな部分47が占める領域を設定することによって、ピラー4の重心位置を自在に設定することができる。図6Dの左側のピラー4においては、ピラー4の重心が、軸方向において中心からずれて(中心よりも下側にずれて)位置している。これにより、左側のピラー4は、たとえば第二基板2に適正な姿勢で実装されなかった場合には、図6Eに示すように、自ずと倒れて適正な姿勢に至るように構成されている。
【0062】
図7には、ピラー供給用シート900の第五変形例を示している。第五変形例では、互いに距離をあけて位置するように分断された複数の接着層655で、接着層65が構成されている。複数のピラー4は、分断された複数の接着層655に、一対一で接着されている。分断された複数の接着層65は、たとえば上記した第一の方法において、仕掛品81の接着層65に至るまでレーザ加工することや、第二の方法において接着層65に至るまでエッチングすることで、形成することが可能である。
【0063】
以上、ピラー供給用シート900の各種の変形例について説明したが、各種の変形例において更なる設計変更を行うことや、各種の変形例の特徴的な構成を組み合わせることも可能である。
【0064】
(ガラスパネルユニット)
次に、ピラー供給用シート900を用いて製造されたガラスパネルユニット90について説明する。
【0065】
図12図13に示すように、ガラスパネルユニット90は、第一基板1、第二基板2、封止材5および複数(多数)のピラー4を備える。
【0066】
第一基板1は、平板状のガラス板15と、ガラス板15の厚み方向の第一の側(第二基板2に対向する側)を覆うコーティング16を備える。第一基板1のうち第二基板2に対向する対向面12は、コーティング16の表面で構成されている。
【0067】
コーティング16は、たとえば熱線反射膜であるが、他の物理特性を有する膜でもよい。また、第一基板1において、ガラス板15の厚み方向の第一の側ではなく第二の側(第一の側と反対側)に適宜のコーティングが施されてもよいし、ガラス板15の厚み方向の第一の側と第二の側のそれぞれに適宜のコーティングが施されてもよい。
【0068】
第一基板1は、少なくともガラス板15で構成されていればよい。第一基板1は、全体として透明であるが、半透明や非透明でもよい。
【0069】
第二基板2は、平板状のガラス板25で構成されている。第二基板2のうち第一基板1に対向する対向面22は、ガラス板25の表面で構成されている。第二基板2は、少なくともガラス板25で構成されていればよく、ガラス板25の厚み方向の両側または片側に、適宜のコーティングが施されてもよい。第二基板2は、全体として透明であるが、半透明や非透明でもよい。
【0070】
複数のピラー4は、互いに対向して位置する第一基板1と第二基板2の間に挟み込まれて位置する。各ピラー4が、第一基板1の対向面12と第二基板2の対向面22に接触することで、第一基板1と第二基板2の間隔が所定間隔に維持される。
【0071】
封止材5は、第一基板1と第二基板2の間に挟み込まれて位置する。封止材5は、第一基板1の対向面12の周縁部に対して全周に亘って気密に接合され、かつ、第二基板2の対向面22の周縁部に対して全周に亘って気密に接合されている。
【0072】
ガラスパネルユニット90においては、第一基板1と第二基板2と封止材5に囲まれた内部空間51が、所定の真空度にまで減圧された状態で、気密に封止されている。複数のピラー4は、封止材5に全周を囲まれて位置する。複数のピラー4は、減圧された内部空間51に収容されている。なお、内部空間51が減圧状態で封止されるのではなく、乾燥ガス等の断熱性の気体が充填された状態で封止されることも有り得る。
【0073】
(ガラスパネルユニットの製造方法)
次に、ピラー供給用シート900を用いてガラスパネルユニット90を製造する方法について説明する。
【0074】
ガラスパネルユニット90を製造する方法は、ピラー実装工程、接合工程、排気工程および封止工程を備える。
【0075】
まず、ピラー実装工程について説明する。
【0076】
ピラー実装工程(スペーサ実装工程)は、ピラー供給用シート900の一部を構成する複数のピラー4を、第二基板2の対向面22に実装する工程である。複数のピラー4は、対向面22において互いに距離をあけてマトリクス状に実装される。なお、複数のピラー4が実装される箇所は、第二基板2の対向面22に限定されない。複数のピラー4が、第一基板1の対向面12に実装されることや、第一基板1と第二基板2の互いの対向面12,22に実装されることも有り得る。ピラー実装工程については、改めて詳述する。
【0077】
接合工程について説明する。
【0078】
接合工程は、複数のピラー4を挟み込むように対向配置された第一基板1と第二基板2を、枠状の封止材5を介して気密に接合する工程である。
【0079】
接合工程では、第二基板2の対向面22に塗布された封止材5がいったん加熱溶融されることで、第一基板1と第二基板2を気密に接合する。これにより、第一基板1と第二基板2の間には、封止材5で囲まれた内部空間51が形成される。接合工程が完了した段階において、内部空間51は、第二基板2が備える排気孔55(図11参照)を通じて外部空間に連通されている。
【0080】
封止材5が塗布されるタイミングと、複数のピラー4が実装されるタイミングは、いずれが先でもよく、あるいは同時でもよい。内部空間51に連通する排気孔55は、第一基板1が備えてもよいし、第一基板1と第二基板2の両方が備えてもよい。
【0081】
排気工程について説明する。
【0082】
排気工程は、接合工程の後に行われる。排気工程では、内部空間51の空気が、排気孔55を介して外部に排出され、内部空間51の全体が所定の真空度(例えば0.1Pa以下の真空度)に至るまで減圧される。排気孔55を通じての排気作業は、たとえば排気孔55と連通するように第二基板2に接続された排気管を介して、適宜の真空ポンプを用いて行われる。
【0083】
封止工程について説明する。
【0084】
封止工程は、排気工程の後に行われる。封止工程において、内部空間51の減圧状態を維持したまま排気孔55を封止することで、減圧された内部空間51を備えるガラスパネルユニット90が得られる。
【0085】
次に、ピラー実装工程について、図8A図10Dに基づいて改めて詳述する。
【0086】
ピラー実装工程で複数のピラー4を実装する方法として、たとえばピッキングの手法を用いた第一の実装方法、転写の手法を用いた第二の実装方法、ピッキングと転写の両方の手法を用いた第三の実装方法がある。
【0087】
図8A図8Cには、ピッキングの手法を用いた第一の実装方法で、複数のピラー4を第二基板2に実装する手順を示している。
【0088】
第一の実装方法では、図8Aに示すように、ピラー供給用シート900が第二基板2と隣接する位置にセットされる。ピラー供給用シート900は、キャリアシート60および接着層65の上方に複数のピラー4が位置する姿勢で、セットされる。
【0089】
次いで、図8B図8Cに示すように、ピラー供給用シート900の一部を構成する各ピラー4が、先端からエアを吸引するように構成された吸着ピン85を用いて接着層65から剥がされ、第二基板2の上面(対向面22)の所定箇所に順次実装される。
【0090】
上述したように、接着層65は、各ピラー4を弱接着(粘着)するように構成されているか、あるいは、光、熱の外部刺激によって接着力が低下するように構成されていることが好ましい。
【0091】
前者の場合は、吸着ピン85によって各ピラー4を容易に取り外すことができる。
【0092】
後者の場合は、ピラー実装工程において接着層65に外部刺激を与えて接着力を低下させ、各ピラー4を吸着ピン85で容易に取り外すことができる。接着層65は、たとえば加熱によって接着力が低下する性質を有することや、光(紫外線)が照射されると接着力が低下する性質を有することが好ましい。
【0093】
第一の実装方法では、複数のピラー4をピッキングの手法で第二基板2に実装しているが、同様のピッキングの手法で第一基板1に実装することも可能であるし、同様のピッキングの手法で第一基板1と第二基板2の両方に実装することも可能である。
【0094】
なお、各ピラー4を第二基板2に実装しやすくするために、第二基板2に水滴等の液滴を予め付着させることも好ましい。各ピラー4は、液滴の吸着作用によって第二基板2に実装されやすくなる。
【0095】
図9A図9Cには、転写の手法を用いた第二の実装方法で、複数のピラー4を第二基板2に実装する手順を示している。
【0096】
第二の実装方法では、図9Aに示すように、ピラー供給用シート900が第二基板2と隣接する位置にまで搬送され、次いで、図9Bに示すように、ピラー供給用シート900が転写用の姿勢に保持される。この姿勢で、ピラー供給用シート900の一部を構成する複数のピラー4が、第二基板2の上面に押し当てられる。ピラー供給用シート900の転写用の姿勢は、キャリアシート60および接着層65の下方に複数のピラー4が位置する姿勢である。
【0097】
次いで、図9Cに示すように、キャリアシート60が第二基板2から離れるように持ち上げられると、複数のピラー4が第二基板2上に残存する。これにより、ピラー供給用シート900の一部を構成する複数のピラー4が、第二基板2上に、所定の配列で一括的に実装される。
【0098】
なお、複数のピラー4が第二基板2に残存しやすくなるように、第二基板2に水滴等の液滴が予め付着されていることが好ましい。第二基板2に転写された各ピラー4は、液滴の吸着作用によって第二基板2上に残存しやすくなる。
【0099】
また、複数のピラー4が第二基板2に残存しやすくなるように、上記した第二変形例のピラー供給用シート900(図6B参照)を用いることも好ましい。第二変形例のピラー供給用シート900を用いれば、各ピラー4が第二接着層82を介して第二基板2に接着するので、各ピラー4が第二基板2上に残存しやすくなる。
【0100】
第二の実装方法においても、ピラー供給用シート900の接着層65は、各ピラー4を弱接着(粘着)するように構成されているか、あるいは、光、熱の外部刺激によって接着力が低下するように構成されていることが好ましい。
【0101】
前者の場合は、転写の際に各ピラー4がキャリアシート60から容易に取り外される。
【0102】
後者の場合は、転写の際に接着層65に外部刺激を与えて接着力を低下させることで、各ピラー4がキャリアシート60から容易に取り外される。接着層65は、たとえば加熱によって接着力が低下する性質を有することや、光(紫外線)が照射されると接着力が低下する性質を有することが好ましい。
【0103】
この場合、接着層65を形成する接着剤と、第二接着層82を形成する接着剤とで、互いに性質を異ならせることが好ましい。一例として、加熱により接着力が低下する接着剤で接着層65を形成し、かつ、加熱により接着力が高められる接着剤で第二接着層82を形成することが好ましい。また、光(紫外線)照射により接着力が低下する接着剤で接着層65を形成し、かつ、光(紫外線)の照射により接着力が高められる接着剤で第二接着層82を形成することも好ましい。
【0104】
第二の実装方法では、複数のピラー4を転写の手法で第二基板2に実装しているが、同様の転写の手法で第一基板1に実装することも可能であるし、同様の転写の手法で第一基板1と第二基板2の両方に実装することも可能である。
【0105】
図10A図10Dには、ピッキングと転写の両方の手法を用いた第三の実装方法で、複数のピラー4を第二基板2に実装する手順を示している。
【0106】
第三の実装方法では、ピッキングの手法を用いた再配置工程と、転写の手法を用いた転写工程を経ることで、ピラー供給用シート900の一部を構成する複数のピラー4が、第二基板2に所定の配列で実装される。
【0107】
図10A図10Bに示すように、再配置工程では、複数のピラー4がキャリアシート60から取り外された後に、キャリアシート60とは別の転写用シート70に、所定の配列および姿勢で再配置される。複数のピラー4の再配置には、第一の実装方法と同様の吸着ピン85が好適に用いられる。
【0108】
転写用シート70の一面(上面)には接着層75が形成されている。各ピラー4は、接着層75を介して、転写用シート70に所定の配列で接着される。
【0109】
図10Cに示すように、転写工程では、複数のピラー4が再配置された転写用シート70が、転写用の姿勢に保持され、この姿勢で、複数のピラー4が第二基板2の上面(対向面22)に押し当てられる。転写用シート70が転写用の姿勢にあるとき、複数のピラー4は転写用シート70および接着層75の下方に位置する。
【0110】
次いで、図10Dに示すように、転写用シート70が第二基板2から離れるように持ち上げられると、複数のピラー4は第二基板2に残存する。これにより、ピラー供給用シート900の一部を構成する複数のピラー4が、第二基板2に所定の配列で一括的に実装される。
【0111】
第三の実装方法においても、第二の実装方法と同様に、複数のピラー4が第二基板2に残存しやすくなるように、第二基板2に水滴等の液滴が予め付着されていることが好ましい。第二基板2に転写された各ピラー4は、液滴の吸着作用によって第二基板2に残存しやすくなる。
【0112】
第三の実装方法においても、ピラー供給用シート900の接着層65は、各ピラー4を弱接着(粘着)するように構成されているか、あるいは、光、熱の外部刺激によって接着力が低下するように構成されていることが好ましい。
【0113】
前者の場合は、ピッキングの際に各ピラー4がキャリアシート60から容易に取り外される。
【0114】
後者の場合は、ピッキングの際に接着層65に外部刺激を与えて接着力を低下させることで、各ピラー4がキャリアシート60から容易に取り外される。接着層65は、たとえば加熱によって接着力が低下する性質を有することや、光(紫外線)が照射されると接着力が低下する性質を有することが好ましい。
【0115】
転写用シート70に形成される接着層75においても、各ピラー4を弱接着(粘着)するように構成されているか、あるいは、光、熱の外部刺激によって接着力が低下するように構成されていることが好ましい。
【0116】
前者の場合は、転写の際に各ピラー4が転写用シート70から容易に取り外される。
【0117】
後者の場合は、転写の際に接着層75に外部刺激を与えて接着力を低下させることで、各ピラー4が転写用シート70から容易に取り外される。接着層75は、たとえば加熱によって接着力が低下する性質を有することや、光(紫外線)が照射されると接着力が低下する性質を有することが好ましい。
【0118】
第三の実装方法では、複数のピラー4を第二基板2に実装しているが、第一基板1に実装することも可能であるし、第一基板1と第二基板2の両方に実装することも可能である。
【0119】
(ガラスパネルユニットの変形例)
次に、ガラスパネルユニット90の変形例について、図14図16に基づいて説明する。
【0120】
ガラスパネルユニット90の変形例は、第一基板1に対向して位置する第三基板3と、第一基板1と第三基板3の互いの周縁部を全周に亘って気密に接合する第二封止材38を、さらに備える。
【0121】
第三基板3は、少なくともガラス板35で構成されていればよく、適宜のパネルを用いることが可能である。第三基板3は、全体として透明であるが、半透明や非透明でもよい。
【0122】
第一基板1と第三基板3の互いの対向面14,32の間には、封止された第二内部空間52が形成されている。
【0123】
第三基板3は、第一基板1と第二基板2のうち一方の基板に対向して位置すればよい。第三基板3が第二基板2に対向して位置する場合には、第二封止材38が、第二基板2と第三基板3の互いの周縁部に接合され、第二基板2と第三基板3の間に第二内部空間52が形成される(図16参照)。
【0124】
図15に示すように、枠状である第二封止材38の内側には、中空部分を有する枠状のスペーサ34が、さらに配置されている。スペーサ34の中空部分には、乾燥剤36が充填されている。
【0125】
スペーサ34はアルミニウム等の金属で形成されており、その内周側に貫通孔341を有する。スペーサ34の中空部分は、貫通孔341を介して第二内部空間52に連通する。乾燥剤36は、たとえばシリカゲルである。第二封止材38は、たとえばシリコン樹脂、ブチルゴム等の高気密性の樹脂で形成されることが好ましい。
【0126】
第二内部空間52は、第一基板1(または第二基板2)、第三基板3および第二封止材38で密閉された空間である。第二内部空間52には、乾燥ガスが充填される。乾燥ガスは、たとえばアルゴン等の乾燥した希ガス、または乾燥空気である。乾燥空気には、第二内部空間52に封入された後に乾燥剤36の作用で乾燥した空気も含まれる。
【0127】
ガラスパネルユニット90の変形例は、厚み方向の両端に位置する第三基板3と第二基板2(または第一基板1)の間に、所定の真空度に至るまで減圧された内部空間51と、乾燥ガスが充填された第二内部空間52が介在するので、高い断熱性を発揮する。
【0128】
ガラスパネルユニット90の変形例の製造方法は、上記したピラー形成工程、ピラー実装工程、接合工程、排気工程および封止工程に加えて、第二接合工程を備える。第二接合工程は、第一基板1(または第二基板2)に対して、第二封止材38を介して第三基板3を接合する工程である。
【0129】
(ガラス窓)
次に、ガラスパネルユニット90を用いて製造されたガラス窓9について説明する。
【0130】
図17に示すガラス窓9は、正面視矩形状のガラスパネルユニット90と、ガラスパネルユニット90の周縁部に嵌め込まれた矩形枠状の窓枠95を備える。ガラス窓9においては、正面から視たときに、ガラスパネルユニット90の封止材5が窓枠95に隠れることが好ましい。
【0131】
ガラス窓9を製造する方法は、ガラスパネルユニット90を製造するための各工程に加えて、ガラスパネルユニット90に窓枠95を嵌め込む嵌め込み工程を備える。嵌め込み工程において、ガラスパネルユニット90の変形例の周縁部に窓枠95を嵌め込むことも可能である。
【0132】
(態様)
上述した実施形態および変形例から明らかなように、第1の態様のピラー供給用シートの製造方法は、ピラー供給用シート(900)を製造する方法である。ピラー供給用シート(900)は、ガラスパネルユニット(90)に含まれる第一基板(1)と第二基板(2)の間の距離を維持するために用いられる複数のピラー(4)と、複数のピラー(4)が互いに距離をあけて配置されたキャリアシート(60)と、前記複数のピラー(4)とキャリアシート(60)の間に介在する接着層(65)を有する。第1の態様のピラー供給用シートの製造方法は、基材(40)に対してエッチングまたはレーザ照射の処理を施し、基材(40)から不要部分(45)を除去して、複数のピラー(4)を形成するピラー形成工程を備える。
【0133】
したがって、第1の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、ピラー供給用シート(900)を用いて、第一基板(1)と第二基板(2)の少なくとも一方に、複数のピラー(4)を適切にかつ容易に実装することができる。しかも、各ピラー(4)は、レーザ照射またはエッチングで形成されるので、形成されたピラー(4)にバリが発生することが抑えられる。仮に、ピラー(4)が大きなバリを有する場合には、該バリを原因としてピラー(4)が大きく視認されるという問題や、ピラー(4)に圧力が加わったときに該バリを原因として破損しやすいという問題がある。第1の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、これらの問題が解決される。
【0134】
第2の態様のピラー供給用シートの製造方法は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、キャリアシート(60)に接着層(65)を介して基材(40)が形成された仕掛品(81)を準備する準備工程を、さらに備える。ピラー形成工程は、準備工程の後に実行される。
【0135】
したがって、第2の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、ピラー供給用シート(900)を効率的に製造することができる。
【0136】
第3の態様のピラー供給用シートの製造方法は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、キャリアシート(60)は、基材(40)よりもレーザの透過率が高い。ピラー形成工程では、キャリアシート(60)に接着された基材(40)に対して、レーザ照射の処理を施す。
【0137】
したがって、第3の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、仕掛品(81)に対してレーザ照射を施すことで、ピラー供給用シート(900)を効率的に製造することができる。
【0138】
第4の態様のピラー供給用シートの製造方法は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、ピラー形成工程で形成した複数のピラー(4)をキャリアシート(60)に配置する配置工程を、さらに備える。
【0139】
したがって、第4の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、多様な態様のピラー供給用シート(900)を効率的に製造することができる。
【0140】
第5の態様のピラー供給用シートの製造方法は、第1〜第4のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、接着層(65)は、前記複数のピラー(4)を弱接着するように構成されている。
【0141】
したがって、第5の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、ピラー供給用シート(900)を使用してガラスパネルユニット(90)を製造するときに、各ピラー(4)を容易に取り外すことができる。
【0142】
第6の態様のピラー供給用シートの製造方法は、第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、接着層(65)の接着力は、1N/25mm以下である。ここでの接着力は、JIS規格番号[JISZ0237]に基づく180°引き剥がし試験で測定される剪断接着力である。
【0143】
したがって、第6の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、ピラー供給用シート(900)を使用してガラスパネルユニット(90)を製造するときに、各ピラー(4)を容易に取り外すことができる。
【0144】
第7の態様のピラー供給用シートの製造方法は、第1〜第4のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、接着層(65)は、光または熱の外部刺激により接着力が低下するように構成されている。
【0145】
したがって、第7の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、ピラー供給用シート(900)を保管、搬送する間は各ピラー(4)を良好に保持し、ピラー供給用シート(900)を使用するときは各ピラー(4)を容易に取り外すことができる。
【0146】
第8の態様のピラー供給用シートの製造方法は、第1〜第7のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、第二接着層形成工程を、さらに備える。第二接着層形成工程は、前記複数のピラー(4)の各々の接着層(65)に接着される面とは反対側の面に、第二接着層(82)を設ける工程である。
【0147】
したがって、第8の態様のピラー供給用シートの製造方法によれば、各ピラー(4)を、第二接着層(82)を介して第一基板(1)または第二基板(2)に接着させることができる。
【0148】
第9の態様のガラスパネルユニットの製造方法は、第1〜第8のいずれか一つの態様のピラー供給用シートの製造方法によりピラー供給用シート(900)を製造する工程と、ピラー実装工程と接合工程とを備える。ピラー実装工程は、第一基板(1)と第二基板(2)の少なくとも一方に、複数のピラー(4)を実装する工程である。接合工程は、複数のピラー(4)を挟み込むように対向配置された第一基板(1)と第二基板(2)とを、複数のピラー(4)を囲む枠状の封止材(5)を介して気密に接合する工程である。
【0149】
したがって、第9の態様のガラスパネルユニットの製造方法によれば、ピラー供給用シート(900)に保持される複数のピラー(4)を用いて、ガラスパネルユニット(90)を効率的に製造することができる。しかも、各ピラー(4)にバリが発生することが抑えられるので、バリを原因としてピラー(4)が大きく視認されることや、バリを原因として第一基板(1)や第二基板(2)に破損を生じることが抑えられる。
【0150】
第10の態様のガラスパネルユニットの製造方法は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、ピラー実装工程では、複数のピラー(4)をキャリアシート(60)から取り外した後に、第一基板(1)と第二基板(2)の少なくとも一方に搬送する。
【0151】
したがって、第10の態様のガラスパネルユニットの製造方法によれば、第一基板(1)と第二基板(2)の間に、複数のピラー(4)を多様な配列態様で実装することができる。
【0152】
第11の態様のガラスパネルユニットの製造方法は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、ピラー実装工程では、ピラー供給用シート(900)から、第一基板(1)または第二基板(2)に複数のピラー(4)を転写する。
【0153】
したがって、第11の態様のガラスパネルユニットの製造方法によれば、第一基板(1)と第二基板(2)の間に、複数のピラー(4)を効率的に実装することができる。
【0154】
第12の態様のガラスパネルユニットの製造方法は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第12の態様では、ピラー実装工程は、再配置工程と転写工程を含む。再配置工程は、複数のピラー(4)をキャリアシート(60)から取り外した後に、キャリアシート(60)とは別の転写用シート(70)に再配置する工程である。転写工程は、転写用シート(70)から、第一基板(1)または第二基板(2)に複数のピラー(4)を転写する工程である。
【0155】
したがって、第12の態様のガラスパネルユニットの製造方法によれば、キャリアシート(60)における複数のピラー(4)の配列と、転写用シート(70)における複数のピラー(4)の配列を、互いに相違させることができる。そのため、第一基板(1)と第二基板(2)の間に、複数のピラー(4)を、多様な配列態様でかつ効率的に実装することができる。
【0156】
第13の態様のガラスパネルユニットの製造方法は、第9〜第12のいずれか一つの態様との組み合わせにより実現され得る。第13の態様では、第二接合工程をさらに備える。第二接合工程は、ガラス板(35)を含む第三基板(3)を、第一基板(1)または第二基板(2)に対して、枠状の第二封止材(38)を介して気密に接合する工程である。
【0157】
したがって、第13の態様のガラスパネルユニットの製造方法によれば、より断熱性の高いガラスパネルユニット(90)を効率的に製造することができる。
【0158】
第14の態様のガラス窓の製造方法は、第9〜第13のいずれか一つの態様のガラスパネルユニットの製造方法で製造されたガラスパネルユニット(90)を、窓枠(95)に嵌め込む嵌め込み工程を備える。
【0159】
したがって、第14の態様のガラス窓の製造方法によれば、断熱性の高いガラス窓(9)を効率的に製造することができる。
【符号の説明】
【0160】
1 第一基板
15 ガラス板
2 第二基板
25 ガラス板
3 第三基板
35 ガラス板
38 第二封止材
4 ピラー
40 基材
45 不要部分
5 封止材
60 キャリアシート
65 接着層
70 転写用シート
81 仕掛品
82 第二接着層
9 ガラス窓
90 ガラスパネルユニット
95 窓枠
900 ピラー供給用シート
図1
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【国際調査報告】