特表-18159600IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月7日
【発行日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】振動発生装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/18 20060101AFI20191115BHJP
   B06B 1/04 20060101ALI20191115BHJP
【FI】
   H02K33/18 A
   B06B1/04 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
【出願番号】特願2019-503015(P2019-503015)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月27日
(31)【優先権主張番号】特願2017-39613(P2017-39613)
(32)【優先日】2017年3月2日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】和宇慶 朝邦
(72)【発明者】
【氏名】荻原 隆
【テーマコード(参考)】
5D107
5H633
【Fターム(参考)】
5D107AA09
5D107BB08
5D107CC09
5D107DD12
5D107FF10
5H633BB02
5H633GG03
5H633GG04
5H633GG09
5H633GG17
5H633HH02
5H633HH05
5H633HH08
5H633HH13
5H633JA03
(57)【要約】
筐体と、前記筐体内に取り付けられた磁石と、前記筐体内において振動するコイルを有する振動体と、前記筐体内において、前記振動体を保持し、前記筐体に接続された弾性支持部材と、一方が前記コイルの電線と接続され、他方が前記筐体の外に出ている可撓性を有する配線部材と、を有し、前記筐体には、前記配線部材が通る開口部が設けられており、前記筐体内において、前記配線部材は、支持部により支持されていることを特徴とする振動発生装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に取り付けられた磁石と、
前記筐体内において振動するコイルを有する振動体と、
前記筐体内において、前記振動体を保持し、前記筐体に接続された弾性支持部材と、
一方が前記コイルの電線と接続され、他方が前記筐体の外に出ている可撓性を有する配線部材と、
を有し、
前記筐体には、前記配線部材が通る開口部が設けられており、
前記筐体内において、前記配線部材は、支持部により支持されていることを特徴とする振動発生装置。
【請求項2】
前記磁石の磁束を通すヨークを有し、
前記支持部は前記ヨークに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項3】
前記配線部材は、フレキシブルプリント基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の振動発生装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記フレキシブルプリント基板の配線が形成されている領域を除く領域において、前記フレキシブルプリント基板を支持していることを特徴とする請求項3に記載の振動発生装置。
【請求項5】
前記支持部には、前記フレキシブルプリント基板と接触する第1の接触支持部と第2の接触支持部が設けられており、
前記フレキシブルプリント基板の配線の両側には、第1の被支持部と第2の被支持部が設けられており、
前記第1の接触支持部により、前記フレキシブルプリント基板の第1の被支持部が接触し支持されており、
前記第2の接触支持部により、前記フレキシブルプリント基板の第2の被支持部が接触し支持されていることを特徴とする請求項3または4に記載の振動発生装置。
【請求項6】
前記支持部において前記第1の接触支持部と前記第2の接触支持部との間には、前記フレキシブルプリント基板の配線が形成されている領域に対応する凹部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の振動発生装置。
【請求項7】
前記筐体に設けられた開口部の幅は、前記凹部の幅よりも広いことを特徴とする請求項6に記載の振動発生装置。
【請求項8】
前記支持部には、前記第1の接触支持部及び前記第2の接触支持部が設けられている側に、凸部が設けられており、
前記フレキシブルプリント基板には、前記凸部に対応する切り欠け部が設けられており、
前記凸部は前記切り欠け部に入っていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の振動発生装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかを有することを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動発生装置及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末やゲーム機等の電子機器には、携帯情報端末での着信を知らせるための振動や、ゲーム機での触覚フィードバック用の振動等に利用される振動を発生させる振動発生装置が用いられているものがある。
【0003】
このような用途に使用される振動発生装置としては、例えば、筐体の内部に永久磁石と電磁石とが設置されており、電磁石に交流電流を流すことにより、交互に極性の変化する磁界を発生させて、永久磁石と電磁石との間で、引力及び斥力を交互に生じさせることにより振動を発生させるものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−96677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のように振動発生装置では、電磁石は筐体内部に設置されているため、筐体の外に設けられた交流電流を発生させる駆動回路と電気的に接続する必要がある。このように筐体の外部と筐体の内部の電磁石とを電気的に接続するものとして、柔軟性のあるFPC(Flexible Printed Circuits:フレキシブルプリント基板)等が用いられているが、振動発生装置の内部において、FPC同士が接触している場合や、FPCが振動発生装置を形成している部材と接触している場合がある。このため、振動発生装置において通常よりも大きい振動を長時間発生させたり、設計時の寿命を大きく超えて振動を発生させ続けると、FPCが擦れて削れ、FPCを形成している配線が露出したり、断線したりする可能性がある。このように、配線が露出したり、断線したりすると、振動を発生させることができなくなる場合があるため、振動発生装置の長寿命化の制約となっていた。
【0006】
このため、FPC等が用いられている振動発生装置において、さらに長寿命で、信頼性の高いものが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施の形態の一観点によれば、筐体と、前記筐体内に取り付けられた磁石と、前記筐体内において振動するコイルを有する振動体と、前記筐体内において、前記振動体を保持し、前記筐体に接続された弾性支持部材と、一方が前記コイルの電線と接続され、他方が前記筐体の外に出ている可撓性を有する配線部材と、を有し、前記筐体には、前記配線部材が通る開口部が設けられており、前記筐体内において、前記配線部材は、支持部により支持されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
開示の振動発生装置によれば、FPC等が用いられている振動発生装置において、高い信頼性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態における振動発生装置の斜視図
図2】本実施の形態における振動発生装置の分解斜視図
図3】本実施の形態における振動体の斜視図
図4】本実施の形態における弾性支持部材の斜視図
図5】本実施の形態における弾性支持部材の正面図
図6】本実施の形態における弾性支持部材に振動体が入れられた状態の斜視図
図7】本実施の形態における弾性支持部材に振動体が入れられた状態の正面図
図8】本実施の形態における振動発生装置の内部の様子を示す斜視図
図9】本実施の形態における永久磁石の説明図
図10A】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(1)
図10B】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(2)
図11A】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(3)
図11B】本実施の形態における振動発生装置の動作の説明図(4)
図12A】FPCを支持する支持部が設けられていない振動発生装置の説明図(1)
図12B】FPCを支持する支持部が設けられていない振動発生装置の説明図(2)
図13A】本実施の形態におけるヨークの説明図(1)
図13B】本実施の形態におけるヨークの説明図(2)
図14】本実施の形態における振動発生装置の説明図(1)
図15】本実施の形態におけるFPCの説明図
図16】本実施の形態における振動発生装置の説明図(2)
図17】本実施の形態における振動発生装置の説明図(3)
図18】本実施の形態における振動発生装置の説明図(4)
図19】本実施の形態における振動発生装置の説明図(5)
図20】本実施の形態における振動発生装置の説明図(6)
図21】本実施の形態における振動発生装置の説明図(7)
図22】本実施の形態における電子機器の説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。また、本願においては、X1−X2方向、Y1−Y2方向、Z1−Z2方向を相互に直交する方向とする。また、X1−X2方向及びY1−Y2方向を含む面をXY面と記載し、Y1−Y2方向及びZ1−Z2方向を含む面をYZ面と記載し、Z1−Z2方向及びX1−X2方向を含む面をZX面と記載する。
【0011】
本実施の形態における振動発生装置は、携帯情報端末やゲーム機等の電子機器や、自動車などの操作パネルなどユーザーに振動により情報を伝達する装置に搭載されるものであり、振動発生装置が発生させる振動は、例えば、ユーザーの操作に対するフィードバックや、携帯情報端末での着信を知らせるための振動や、ゲーム機での触覚フィードバック用の振動等に用いられる。
【0012】
本実施の形態における振動発生装置100は、図1及び図2に示されるように、筐体本体部10、蓋部20、振動体30、弾性支持部材40、永久磁石51、52、ヨーク61、62等を有している。本実施の形態における振動発生装置の筐体は、筐体本体部10と蓋部20とにより形成されている。
【0013】
筐体本体部10は、金属板を加工することにより形成されており、略直方体の箱形の形状のものであり、底面と、底面の周囲の4つの側面により形成されており、開口している部分より、振動発生装置を形成するための部材が入れられる。筐体本体部10は、Y1−Y2方向が長手方向、X1−X2が短手方向となる略長方形の形状で形成されており、4つの側面は、底面の長手方向、即ち、Y1−Y2方向に沿った対向する2つの長手方向の側面と、短手方向、即ち、X1−X2方向に沿った対向する2つの短手方向の側面により形成されている。
【0014】
蓋部20は、金属板を加工することにより形成された略長方形の板状の部材であり、蓋部20により、筐体本体部10の開口している部分を覆うことができるように形成されている。
【0015】
図3に示されるように、振動体30は、電磁石であり、磁心31と、磁心31の周囲に電線を巻くことにより形成されたコイル32、フランジ33及び34等により形成されている。磁心31は、鉄等の強磁性体により形成されており、角柱形状のものである。コイル32は、磁心31の長手方向、即ち、Y1−Y2方向に対し、略直角に電線を巻くことにより形成されている。フランジ33及び34は、磁心31の長手方向の両端近傍に各々取り付けられている。フランジ33の上面側、即ち、Z1方向の側には、3つの突起部33a、33b、33cが設けられており、このうち、突起部33aと突起部33cは、端子として用いられるものであり、図面には図示されてはいないが、コイル32を形成している電線の両端の部分が各々絡げられている。
【0016】
このように電線が絡げられた突起部33a及び33cには、図示はしないが、FPC70の一方の側の電極端子が接続されている。また、FPC70の他方の側には不図示の外部回路が接続されており、FPC70を介して不図示の外部回路より、コイル32に電流が供給される。従って、FPC70は、一方の側はコイル32を形成している電線の端の部分が絡げられた突起部33a及び33cとハンダ付け等により接続されており、他方の側は筐体の外側となる蓋部20の表面に取り付けられており、一方の側と他方の側の間の部分が、筐体本体部10と蓋部20との間の隙間を通っている。従って、FPC70の他方の側の電極端子が、不図示の外部回路に接続される。尚、本実施の形態においては、FPC70を用いた場合について説明するが、可撓性を有する配線部材であればよく、例えば、FPCに代えてフラットケーブル等を用いてもよい。
【0017】
図4及び図5に示されるように、弾性支持部材40は、ばね性を有した金属板を所定の形状に加工することにより形成されており、振動体30が入れられる保持部41と、保持部41の両側に設けられたバネ部42により形成されている。図4は、弾性支持部材40の斜視図であり、図5は、正面図である。
【0018】
バネ部42は、板バネであり、X1−X2方向に長く形成された金属板を、Y1−Y2方向に沿って複数回折り曲げることにより形成されている。2つのバネ部42のうち、一方のバネ部42は、保持部41より、X1方向の側に形成されており、他方のバネ部42は、保持部41より、X2方向の側に形成されている。
【0019】
具体的には、バネ部42は、図5に示すように、3つの折り曲げ部43a、43b、43cと、2つの平坦部44a、44bと、接続部45とを有している。各々の折り曲げ部43a、43b、43cは、Y1−Y2方向に沿って折り曲げられた部分であり、平坦部44aは、折り曲げ部43aと折り曲げ部43bとの間に形成されており、平坦部44bは、折り曲げ部43bと折り曲げ部43cとの間に形成されている。平坦部44a及び44bは、X1方向の側またはX2方向の側から見た形状が略長方形となるように形成されている。
【0020】
図4及び図5に示される弾性支持部材40のような折り曲げ構造の板ばねは、折り目と直交する方向、即ち、X1−X2方向及びZ1−Z2方向には、変形しやすいが、折り目に沿った方向、即ち、Y1−Y2方向には、変形しにくいという特徴を有している。従って、弾性支持部材40は、伸縮によってX1−X2方向に弾性変形し、撓みによってZ1−Z2方向に弾性変形するが、Y1−Y2方向における変形は抑制される。
【0021】
また、弾性支持部材40のような折り曲げ構造の板ばねでは、一般的に、撓みによるZ1−Z2方向よりも、伸縮によるX1−X2方向の方が弾性変形しやすい。このため、弾性支持部材40のX1−X2方向における弾性係数を第1の弾性係数とし、弾性支持部材40のZ1−Z2方向における弾性係数を第2の弾性係数とすると、第1の弾性係数と第2の弾性係数とは異なる値となる。
【0022】
また、弾性支持部材40における一方のバネ部42のX1方向の側の端には、接続部45が形成されており、他方のバネ部42のX2方向の側の端には、接続部45が形成されている。従って、折り曲げ部43cは平坦部44bと接続部45との間となる。弾性支持部材40の接続部45の長手方向の両端、即ち、Y1方向の端とY2方向の端には、各々接続爪部45aが設けられており、この接続爪部45aを筐体本体部10の短手方向の側面の内側に接続することにより、筐体本体部10の内部に弾性支持部材40を取り付けることができる。従って、弾性支持部材40は、筐体本体部10に対し、X1−X2方向、及び、Z1−Z2方向に弾性変形可能な状態で、筐体本体部10に接続されている。
【0023】
図6及び図7に示すように、振動体30は、弾性支持部材40における保持部41に入れられ保持されている。このように振動体30が弾性支持部材40の保持部41に入れられたものは、第1の弾性係数及び振動体30の質量より定まる第1の固有振動数によりX1−X2方向に振動し、第2の弾性係数及び振動体30の質量より定まる第2の固有振動数によりZ1−Z2方向に振動する。第1の弾性係数と第2の弾性係数とは異なる値であるため、第1の固有振動数と第2の固有振動数も異なる値となる。
【0024】
電磁石により形成されている振動体30は、コイル32に電流を流すことによって、磁界が発生し、Y1−Y2方向に沿った磁束が発生するため、磁心31の長手方向の両側では異なる極性に磁化される。即ち、磁心31のY1方向の側とY2方向の側とでは、磁化される極性が異なっている。このため、コイル32に交流の電流を流すと、発生する磁界は、電流の向きの変化に対応して磁界の向きが変化する交番磁界となる。従って、磁心31のY1方向の側がS極となりY2方向がN極となる状態と、磁心31のY1方向の側がN極となりY2方向がS極となる状態が交互に繰り返される。振動体30に交番磁界を発生させるタイミングや交番磁界の周波数は、コイル32に接続されている不図示の外部回路により制御されている。
【0025】
また、永久磁石51、52は、略四角の板状に形成されている。図8に示されるように、永久磁石51、52は、筐体本体部10内において、振動体30の長手方向、即ち、Y1−Y2方向の延長線上に、各々設置されている。具体的には、筐体本体部10内において、振動体30の磁心31のY1−Y2方向の延長線上に、各々設置されており、振動体30の磁心31のY1方向の延長線上に永久磁石51が設置されており、Y2方向の延長線上に永久磁石52が設置されている。永久磁石51及び52は、最も広い略四角形の面が磁化面となっており、永久磁石51の磁化面と振動体30の磁心31のY1方向の端面とが対向しており、永久磁石52の磁化面と振動体30の磁心31のY2方向の端面とが対向している。尚、図8は、本実施の形態における振動発生装置において、蓋部20及びFPC70を取り除いた状態の斜視図であり、振動発生装置の内部の様子を示している。
【0026】
図9に示されるように、永久磁石51及び52は、左上の角から右下の角に向かう破線により示される対角線により2つの領域に分けられており、互いの領域が異なる極性となるように着磁されている。
【0027】
本願においては、永久磁石51の左下側の領域、即ち、X1方向及びZ2方向側の領域を第1の磁化領域51aとし、永久磁石51の右上側の領域、即ち、X2方向及びZ1方向側の領域を第2の磁化領域51bとして説明する。永久磁石51では、第1の磁化領域51aがS極となり、第2の磁化領域51bがN極となるように着磁されている。永久磁石52についても、同様であるが極性が異なっている。即ち、図示はしないが、永久磁石52は、第1の磁化領域と第2の磁化領域が設けられており、第1の磁化領域がN極となり、第2の磁化領域がS極となるように着磁されている。
【0028】
筐体本体部10内において、永久磁石51よりも外のY1方向の側には、永久磁石51より生じている磁束を振動体30の側に向かわせるため、鉄等の強磁性体により形成されたヨーク61が設けられており、永久磁石52よりも外のY2方向の側には、永久磁石52より生じている磁束を振動体30の側に向かわせるため、鉄等の強磁性体により形成されたヨーク62が設けられている。
【0029】
次に、本実施の形態における振動発生装置の動作について、図10Aから図11Bに基づき説明する。本実施の形態における振動発生装置では、電磁石により形成されている振動体30のコイル32に交流電流を流すことによって交番磁界を発生させ、磁心31の長手方向、即ち、Y1−Y2方向の両端が異なる極性となるように磁化させる。永久磁石51と永久磁石52は振動体30を挟んで対向して配置されており、永久磁石51の第1の磁化領域51aと永久磁石52の第1の磁化領域とは対向しており、永久磁石51の第2の磁化領域51bと永久磁石52の第2の磁化領域とは対向している。従って、対向している永久磁石51の第1の磁化領域51aと永久磁石52の第1の磁化領域とは異なる極性に着磁されており、対向している永久磁石51の第2の磁化領域51bと永久磁石52の第2の磁化領域とは異なる極性に着磁されている。
【0030】
本実施の形態においては、図10Aに示されるように、振動体30の磁心31のY1方向側の端がN極に磁化された場合には、磁心31のY1方向側の端は、永久磁石51の第1の磁化領域51aに引き付けられる引力と、第2の磁化領域51bと反発し合う斥力が生じる。この際、図示はしないが、振動体30の磁心31のY2方向側の端はS極に磁化されるため、磁心31のY2方向側の端は、永久磁石52の第1の磁化領域に引き付けられる引力と、第2の磁化領域と反発し合う斥力が生じる。これにより、振動体30は、破線矢印で示されるようにX1方向やZ2方向に向かって動く。
【0031】
また、図10Bに示されるように、振動体30の磁心31のY1方向側の端がS極に磁化された場合には、磁心31のY1方向側の端は、永久磁石51の第1の磁化領域51aと反発し合う斥力と、第2の磁化領域51bに引き付けられる引力が生じる。この際、図示はしないが、振動体30の磁心31のY2方向側の端はN極に磁化されるため、磁心31のY2方向側の端は、永久磁石51の第1の磁化領域と反発し合う斥力と、第2の磁化領域に引き付けられる引力が生じる。これにより、振動体30は、破線矢印で示されるようにX2方向やZ1方向に向かって動く。
【0032】
従って、本実施の形態における振動発生装置においては、電磁石により形成された振動体30のコイル32に交流電流を流すことにより、交番磁界が発生し、これに伴い、永久磁石との間で引力及び斥力が生じ、振動体30は、X1方向またはZ2方向に向かう動きと、X2方向またはZ1方向とに向かう動きとが繰り返され、振動が発生する。
【0033】
ところで、振動体30は、前述したように弾性支持部材40によって支持されており、第1の弾性係数及び振動体30の質量に対応して定まる第1の固有振動数によりX1−X2方向に沿って振動し、第2の弾性係数及び振動体30の質量に対応して定まる第2の固有振動数によりZ1−Z2方向に沿って振動する。
【0034】
電磁石により形成された振動体30に第1の固有振動数と同じ周波数の交番磁界を発生させた場合には、図11Aに示すように、振動体30は、X1−X2方向において振動しやすく、Z1−Z2方向においては振動しにくくなる。従って、振動体30は、X1−X2方向に沿って振動する。また、電磁石により形成された振動体30に第2の固有振動数と同じ周波数の交番磁界を発生させた場合には、図11Bに示すように、振動体30は、Z1−Z2方向において振動しやすく、X1−X2方向においては振動しにくくなる。従って、振動体30は、Z1−Z2方向に沿って振動する。
【0035】
このように、本実施の形態における振動発生装置は、振動体30のコイル32に流れる交流電流の周波数を変えることにより、X1−X2方向における振動とZ1−Z2方向における振動と振動の方向を変えることができる。
【0036】
また、振動発生装置の筐体内に設置されている振動体30は、筐体の外の不図示の外部回路とFPC70により接続されている。FPC70は金属により形成された配線をポリイミド等の樹脂材料により挟んだ構造のものであり、柔軟性があり変形させることが可能である。このため、振動発生装置の筐体内においてFPC同士が接触していると、接触しているFPC70同士が擦れあい、FPC70を形成している配線が露出したり、配線が断線したりする場合がある。このため、本実施の形態においては、後述するようにヨーク61にFPC70を支持するための支持部が設けられている。
【0037】
具体的に、支持部が設けられていないヨークが用いられている振動発生装置と比較しながら説明する。図12Aは、支持部が設けられていないヨーク961の斜視図であり、図12Bは、このヨーク961が用いられている振動発生装置の要部の断面図である。FPC70は柔軟性があるため、支持部が設けられていないヨーク961が用いられている振動発生装置の場合、図12Bに示すように、FPC70は、筐体内部では、曲げられた状態で撓んでおり、一点鎖線12Aで囲まれている部分に示されるように、FPC70同士が接触している場合や、図示はしないが、筐体や筐体内部の他の部材と接触している場合がある。
【0038】
このように、FPC70同士が接触していると、振動発生装置において通常よりも大きい振動を長時間発生させたり、設計時の寿命を大きく超えて振動を発生させ続けた場合、FPC70同士が接触している部分が擦られ、FPC70の表面が削られ、配線が露出する場合や、更に配線が削られ、配線が断線してしまう場合がある。特に、上述したように、X1−X2方向と、Z1−Z2方向の2つの方向に振動可能な振動発生装置においては、動きが複雑であり、FPC70同士の接触に力が加わった状態で擦れる場合があり、このような場合には、特に顕著になるものと推察される。
【0039】
これに対し、本実施の形態における振動発生装置は、図13A図13Bに示されるように、ヨーク61に、FPC70を支持するための支持部63が設けられている。これにより、図14に示されるように、支持部63によりFPC70が支持されるため、FPC70同士が接触することを防いでいる。従って、本実施の形態における振動発生装置において振動を発生させても、FPC70同士が接触していないため、FPC70同士が擦れることはなく、FPC70の配線が露出したり、配線が断線したりすることはない。よって、振動発生装置における信頼性を向上させることができ、寿命をさらに長くすることができる。FPC70を支持するための支持部は、ヨーク61以外、例えば、筐体本体部10や蓋部20に設けることも可能であるが、ヨーク61は、永久磁石51により発生させた磁束を振動体30に向かわせる機能を有するものであり、磁気抵抗を低くするため、筐体本体部10や蓋部20よりも厚く形成されており、強度が高い。従って、FPC70を支持するための支持部はヨーク61に設けられていることが好ましい。尚、図14は模式図であって、蓋部20の下面(Z2方向を向いた面)とFPC70とは接着されないため、蓋部20の下面とFPC70との間にはわずかに隙間が生じる。蓋部20に沿うように折り返されたFPC70が、支持部63によって支持されてFPC70の弾性によって蓋部20の下面に押しつけられているため、支持部が筐体本体部10に設けられるよりも、筐体本体部10の開口部11から離隔してヨーク61に設けられる方がFPC70の弾性によってより効果的に蓋部20に押しつけることができ、FPC70同士が擦れる可能性をより低くすることが可能となる。
【0040】
より詳細に本実施の形態について説明する。図15はFPC70の全体の構造を示す図である。FPC70は、一方の側の端子領域71には、電極端子71a、71bが設けられており、他方の側の端子領域72には、電極端子72a、72bが設けられている。電極端子71aと電極端子72aとは、配線73aにより接続されており、電極端子71bと電極端子72bとは、配線73bにより接続されている。FPC70では、導電性を有する金属により形成された配線73a及び配線73bは、ポリイミド等の樹脂材料により挟まれているため表面は露出していないが、電極端子71a、71b及び電極端子72a、72bは、電気的に接続をするため露出している。
【0041】
FPC70の一方の側の端子領域71と他方の側の端子領域72との間には、ヨーク61の支持部63により支持される第1の被支持部74及び第2の被支持部75が設けられている。第1の被支持部74と第2の被支持部75は、配線73a及び配線73bの両側に形成されている。即ち、第1の被支持部74と第2の被支持部75には、配線73a及び配線73bは形成されてはおらず、配線73a及び配線73bは、第1の被支持部74と第2の被支持部75との間を通っている。また、第2の被支持部75が形成されている側の第2の被支持部75の近傍には、FPC70の一部を切り欠いた切り欠け部76が設けられている。この切り欠け部76は、配線73bと第2の被支持部75との間に形成されている。
【0042】
図示はされてはいないが、FPC70の一方の側の端子領域71に設けられている電極端子71a、71bは、筐体の内部においてコイル32を形成している電線の端が絡げられたフランジ33の突起部33a及び33cとハンダ付等により接続されている。また、FPC70の他方の側の端子領域72は筐体の外に出ており、蓋部20の外側の面には、FPC70の電極端子72a、72bが設けられている面とは反対側の面が、不図示の両面テープにより張り付けられている。従って、FPC70の他方の側の端子領域72の電極端子72a、72bは、蓋部20の外側で露出している。
【0043】
次に、ヨーク61について、図13A図13Bに基づき説明する。ヨーク61には、Y2方向に向かって延びる支持部63が形成されている。ヨーク61の支持部63のZ1方向の側の端、即ち、蓋部20の内側と対向する側の端には、第1の接触支持部64及び第2の接触支持部65が設けられており、第1の接触支持部64と第2の接触支持部65との間には、Z1方向に出っ張った凸部66と、Z2方向に凹んでいる凹部67が設けられている。即ち、ヨーク61の支持部63のZ1方向の側の端には、Y2からY1に向かって、第1の接触支持部64、凹部67、凸部66、第2の接触支持部65の順に形成されている。
【0044】
次に、図16から図18に基づき支持部63によるFPC70の支持について説明する。尚、図16及び図17は異なる方向から見た斜視図であり、図18は、側面側から見た図である。本実施の形態においては、図16から図18に示されるように、ヨーク61の支持部63に設けられた第1の接触支持部64により、FPC70の第1の被支持部74が接触し支持されており、第2の接触支持部65により、FPC70の第2の被支持部75が接触し支持されている。尚、図18等では、便宜上、ヨーク61の第1の接触支持部64とFPC70の第1の被支持部74とが離れており、ヨーク61の第2の接触支持部65とFPC70の第2の被支持部75とが離れている状態が示されているが、FPC70は可撓性を有しており変形しやすく撓むため、実際は接触している場合が多い。
【0045】
従って、図19に示されるように、ヨーク61の第1の接触支持部64は、FPC70の第1の被支持部74を蓋部20に向かう側で支持しており、ヨーク61の第2の接触支持部65は、FPC70の第2の被支持部75を蓋部20に向かう側で支持している。このため、FPC70の第1の被支持部74は、ヨーク61の第1の接触支持部64と蓋部20の内側との間に位置しており、FPC70の第2の被支持部75は、ヨーク61の第2の接触支持部65と蓋部20の内側との間に位置している。
【0046】
本実施の形態においては、FPC70の第1の被支持部74及び第2の被支持部75には、配線73a及び73bが形成されていないため、たとえ、ヨーク61の第1の接触支持部64及び第2の接触支持部65と接触しているFPC70の第1の被支持部74及び第2の被支持部75が擦れて削れたとしても、FPC70の配線73a及び73bが露出したり、断線したりすることはない。
【0047】
また、本実施の形態においては、ヨーク61の支持部63の凹部67は、FPC70の配線73a及び73bが形成されている領域に対応して形成されている。これは、ヨーク61の支持部63と、FPC70の配線73a及び73bが形成されている領域との接触を避けるためである。FPC70の配線73a及び73bが形成されている領域とヨーク61の支持部63とが接触していなければ、振動発生装置を振動させたとしても、ヨーク61の支持部63により、FPC70の配線73a及び73bが形成されている領域が擦れ、削れることはない。また、FPC70は、ヨーク61の凸部66がFPC70の切り欠け部76の中に入るように設置されている。これにより、Y1−Y2方向におけるFPC70の動きが規制される。
【0048】
本実施の形態においては、図20及び図21に示されるように、筐体本体部10と蓋部20との間、具体的には、筐体本体部10において蓋部20が接続される側に、開口部11が設けられており、FPC70は、この開口部11を通り設置されている。本実施の形態においては、FPC70が、筐体本体部10と接触することを避けるため、開口部11は、ヨーク61の支持部63の凹部67の幅よりも広い幅で形成されている。具体的には、開口部11は、筐体本体部10の長手方向の側面のZ1方向の側に形成されており、ヨーク61の支持部63の凹部67のY1−Y2方向における幅よりも広い幅で形成されている。
【0049】
本実施の形態における振動発生装置100は、例えば、図22に示されるゲーム機のコントローラ等の電子機器に用いられる。このようなゲーム機のコントローラ等の電子機器では、本実施の形態における振動発生装置100は、必要な電子部品等とともにゲーム機のコントローラ等の電子機器の内部に設置されており、ゲーム機のコントローラ等の電子機器の外側には、操作を行うための操作部111、112、113が設けられている。
【0050】
以上、実施の形態について詳述したが、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。例えば、コイル32に流す電流を、交流電流ではなく、所定のタイミングで直流電流のオン・オフを切り換えることによる矩形のパルス波とする事もできる。この場合であっても、第1の固有振動数、第2の固有振動数に対応した周波数でパルス電流を流すことにより、X1−X2方向、またはZ1−Z2方向に沿って振動させる事が可能である。
【0051】
尚、本国際出願は、2017年3月2日に出願した日本国特許出願第2017−039613号に基づく優先権を主張するものであり、その出願の全内容は本国際出願に援用する。
【符号の説明】
【0052】
10 筐体本体部
20 蓋部
30 振動体
31 磁心
32 コイル
33 フランジ
33a、33b、33c 突起部
34 フランジ
40 弾性支持部材
51 永久磁石
52 永久磁石
61 ヨーク
62 ヨーク
63 支持部
64 第1の接触支持部
65 第2の接触支持部
66 凸部
67 凹部
70 FPC
71 一方の側の端子領域
71a、71b 電極端子
72 他方の側の端子領域
72a、72b 電極端子
73a、73b 配線
74 第1の被支持部
75 第2の被支持部
76 切り欠け部
100 振動発生装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】