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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月13日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/68 20060101AFI20191129BHJP
   B60N 2/16 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B60N2/68
   B60N2/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2019-504347(P2019-504347)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月5日
(31)【優先権主張番号】特願2017-44414(P2017-44414)
(32)【優先日】2017年3月8日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】卜部 洋平
(72)【発明者】
【氏名】阿部 龍平
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 淳一
(72)【発明者】
【氏名】津田 敏彦
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087BA15
3B087BB25
3B087DB03
3B087DB05
3B087DE03
(57)【要約】
【課題】 着座フレームがシートクッションの後部のリアフレームに相対回動可能に結合するシートクッションを備え、シートクッションが変形しにくい乗物用シートを提供する。
【解決手段】 シートクッションS1のフレームFを構成し、離間して配置される左右一対のサイドフレームF1と、左右に延在し、左右のサイドフレームの前部を結合するフロントフレームF2と、左右に延在する略円柱状に形成され、左右のサイドフレームの後部を結合するリアフレームF3と、リアフレームに対して相対回動可能に装着されたカラー30と前端においてフロントフレームに結合し、後端においてカラーの上面に引っ掛けられた連結部33を備えたパンフレーム20とを有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションのフレームを構成し、離間して配置される左右一対のサイドフレームと、
左右に延在し、左右の前記サイドフレームの前部を結合するフロントフレームと、
左右に延在する略円柱状に形成され、左右の前記サイドフレームの後部を結合するリアフレームと、
前記リアフレームに対して相対回動可能に装着されたカラーと
前端において前記フロントフレームに結合し、後端において前記カラーの上面に引っ掛けられた連結部を備えたパンフレームとを有することを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
左右の前記サイドフレームの下方にそれぞれ設けられた左右のベースと、前記ベース及び前記サイドフレームの間に設けられた左右1対の前側リンクと左右1対の後側リンクととからなる4節リンクを備える高さ調節機構とを更に有し、
前記リアフレームは前記4節リンクのうち、左右1対の前記後側リンクを結合し、
前記リアフレームの軸線は左右1対の前記後側リンクの軸線に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記パンフレームと前記フロントフレームとは、溶接により結合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記フロントフレームの後端の上面には上方に突出し、前後に延在する複数のフロント側山部が形成され、
前記パンフレームの前端の下面には上方に凹み、前記フロント側山部を上側から覆う複数のパン側谷部が形成され、
前記パン側谷部の間において、前記パンフレームと前記フロントフレームとが溶接されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記フロント側山部の左右方向の幅は、前記フロント側山部の上側に配設される前記パン側谷部の左右方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記パンフレームには前記パン側谷部の後端を左右方向に接続し、前方に向く段部が形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記カラーが樹脂製であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記カラーの左右方向の幅は、前記リアフレームの左右方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項9】
前記連結部には開口が設けられ、
前記カラーの外周には前記開口に係合する係合突起が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項10】
前記パンフレームは側面視で前端から後方に向かって下降した後、前記連結部に向かって上昇していることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等に搭載される乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
乗物用シートにおいて、乗員の臀部を支える着座フレームを、シートクッションの後部のリアフレームに相対回動可能に結合させたものが知られている(例えば特許文献1)。特許文献1では、シートクッションに左右一対のサイドフレームが設けられ、そのサイドフレームはそれぞれ、フロア側に設けられたレールに前側リンク、及び後側リンクから成る平行リンクを介して結合されている。リアフレームは左右に延びるパイプ状に形成され、左右両端が後側リンクにそれぞれ結合している。シートクッションの高さ調整時には、平行リンクが揺動すると共に、リアフレームが回転する。リアフレームの回転による着座フレームの変形を防止するため、着座フレームは前後に延びる複数のスプリングと、そのスプリングの後端に結合し、リアフレームに相対回動可能に引っ掛けられるフックとを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−14867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の乗物用シートでは、乗員が着座するとフックとスプリングとの結合部分に荷重が加わる。その結合部分が劣化している場合や乗員からの荷重が大きい場合には、その結合部分に荷重が加わり、フックとスプリングとの結合部分が外れてしまう虞があった。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、着座フレームがシートクッションの後部のリアフレームに相対回動可能に結合するシートクッションを備え、シートクッションが変形しにくい乗物用シートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、シートクッション(S1)のフレーム(F)を構成し、離間して配置される左右一対のサイドフレーム(F1)と、左右に延在し、左右の前記サイドフレームの前部を結合するフロントフレーム(F2)と、左右に延在する略円柱状に形成され、左右の前記サイドフレームの後部を結合するリアフレーム(F3)と、前記リアフレームに対して相対回動可能に装着されたカラー(30)と前端において前記フロントフレームに結合し、後端において前記カラーの上面に引っ掛けられた連結部(33)を備えたパンフレーム(20)とを有する乗物用シート(S)が提供される。
【0007】
この構成によれば、着座フレームとなる板状のパンフレームがフロントフレームに結合し、リアフレームに回動可能に結合しているため、着座フレームがフロントフレームとリアフレームとの間で変形しにくい。更に、パンフレームがリアフレームに当接しないため、パンフレーム自体が変形し難く、シートクッションが変形し難くなる。
【0008】
また、上記の構成において、左右の前記サイドフレームの下方にそれぞれ設けられた左右のベース(R2)と、前記ベース及び前記サイドフレームの間に設けられた左右1対の前側リンク(L1)と左右1対の後側リンク(L2)とからなる4節リンク(L)を備える高さ調節機構(2)とを更に有し、前記リアフレームは前記4節リンクのうち、左右1対の前記後側リンクを結合し、前記リアフレームの軸線と左右1対の前記後側リンク(L2)の軸線に沿って配置されているとよい。
【0009】
この構成によれば、前側リンク、及び後側リンクを揺動させることによってサイドフレームの高さを変更することができる。更に、高さ変更時にリアフレームが回転しても、パンフレームの接続部がリアフレームに相対回動可能に結合しているため、パンフレームの姿勢が保たれる。
【0010】
また、上記の構成において、前記パンフレームと前記フロントフレームとは、溶接により結合されているとよい。
【0011】
この構成によれば、パンフレームとフロントフレームとを容易に結合することができる。
【0012】
また、上記の構成において、前記フロントフレームの後端の上面には上方に突出し、前後に延在する複数のフロント側山部(13)が形成され、前記パンフレームの前端の下面には上方に凹み、前記フロント側山部を上側から覆う複数のパン側谷部(22)が形成され、前記パン側谷部の間において、前記パンフレームと前記フロントフレームとが溶接されているとよい。
【0013】
この構成によれば、溶接時にパン側谷部をフロント側山部の上側に配置することによって、パン側谷部とフロント側山部と重なることによって、パンフレームの左右方向の位置決めが行われる。
【0014】
また、上記の構成において、前記フロント側山部の左右方向の幅は、前記フロント側山部の上側に配設される前記パン側谷部の左右方向の幅よりも小さいとよい。
【0015】
この構成によれば、パン側谷部がフロント側山部に対して左右方向に移動することができるため、パン側谷部とフロント側山部と重ねることが容易になる。
【0016】
また、上記の構成において、前記パンフレームには前記パン側谷部の後端を左右方向に接続し、前方に向く段部(20C)が形成されているとよい。
【0017】
この構成によれば、パンフレームの前部の剛性が増加する。
【0018】
また、上記の構成において、前記カラーが樹脂製であるとよい。
【0019】
この構成によれば、パンフレームの後端がリアフレームの外周壁面に沿って相対回動するときに異音が発生しにくい。
【0020】
また、上記の構成において、前記カラーの左右方向の幅は、前記リアフレームの左右方向の幅よりも小さいとよい。
【0021】
この構成によれば、パンフレームとサイドフレームとが接触しないため、異音が発生しにくくなる。また、パンフレームに左右方向への荷重が加わった直後にはサイドフレームに衝突せず、パンフレームが変形しにくい。
【0022】
また、上記の構成において、前記連結部には開口(34)が設けられ、前記カラーの外周には前記開口に係合する係合突起(32)が設けられているとよい。
【0023】
この構成によれば、カラーとパンフレームとを容易に結合させることができ、且つ、パンフレームをリアフレームに対して相対回動可能に結合させることができる。
【0024】
また、上記の構成において、前記パンフレームは側面視で前端から後方に向かって下降した後、前記連結部に向かって上昇しているとよい。
【0025】
この構成によれば、パンフレームが乗員の臀部に沿う形状となり、座り心地が向上する。
【発明の効果】
【0026】
以上の構成によれば、着座フレームがシートクッションの後部のリアフレームに相対回動可能に結合するシートクッションを備え、シートクッションが変形しにくい乗物用シートを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に係る乗物用シートの斜視図
図2】乗物用シートのシートクッションフレームの斜視図
図3】乗物用シートのシートクッションフレーム、前側リンク、及び後側リンク部分の側面図
図4】リアフレーム、及びパンフレームの結合部分の拡大図
図5図4のV−V断面図
図6図4のVI−VI断面図
図7】乗物用シートのシートバックの組立斜視図
図8】乗物用シートの掛止部材の斜視図
図9図1のXI−XI断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に本発明による乗物用シートの実施形態を、図1図9を参照して説明する。以下の説明では、乗物用シートに着座した乗員を基準にして左右、及び内外を定める。左右一対設けられる構成については、共通の番号を付し、左右を特定するときは構成の名称に左又は右の文字を付す。
【0029】
図1に示されるように、乗物用シートSは、いわゆるバケットシートであって、シートクッションS1と、背もたれS3及びヘッドレスト部S4が一体として形成されたシートバックS2とを有する。背もたれS3には前後に貫通する通気口S5が形成されている。図3に示されるように、乗物用シートSの下側には車内のフロアに固定され、前後に延在する左右一対のロアレールR1が設けられている。図3に示されるように、そのロアレールR1の上側には、ロアレールR1の延在方向にスライド可能に支持されたアッパーレールR2が結合している。
【0030】
図3に示されるように、シートクッションS1には骨格となるシートクッションフレームFを有する。シートクッションフレームFの上側にはパッド及び表皮が被せられ、乗員の臀部及び大腿部を支持する。シートクッションフレームFは、前後に延び、離間した左右一対のクッションサイドフレームF1と、両クッションサイドフレームF1の前部上面に掛け渡された板状のフロントフレームF2と、両クッションサイドフレームF1の後部を連結するリアフレームF3とを有する。図4に示されるように、クッションサイドフレームF1はアッパーレールR2に4節リンクLを介して結合している。4節リンクLは、上端がクッションサイドフレームF1の前端に回動可能に結合し、下端がアッパーレールR2の前端に回動可能に結合する左右1対の前側リンクL1と、上端がクッションサイドフレームF1の後端に回動可能に結合し、下端がアッパーレールの後端に回動可能に結合する左右1対の後側リンクL2とによって構成されている。図3には、後側リンクL2の前端側、及び後端側の回動軸にそれぞれY、及びZの符号が付されている。前側リンクL1、及び後側リンクL2は、アッパーレールR2をベースとし、それぞれが可動する平行リンクを構成している。前側リンクL1、及び後側リンクL2がそれぞれ、下端側を中心としてアッパーレールR2に対して揺動することによって、クッションサイドフレームF1は上下に移動するため、高さ調節機構2として機能する。更に、アッパーレールR2がロアレールR1に対して前後にスライドすることにより、クッションサイドフレームF1もまたロアレールR1に対して前後に移動する。したがって、乗物用シートSはフロアに対して高さ調整可能であり、前後に位置調整可能となっている。
【0031】
フロントフレームF2はクッションサイドフレームF1に固着されている。フロントフレームF2は、例えば、クッションサイドフレームF1の前部を互いに剛固に結合するフレームに溶接されて、クッションサイドフレームF1に固着されていてもよい。
【0032】
図2に示されるように、フロントフレームF2は、両クッションサイドフレームF1の間の前3分の1程度の部分を覆い略水平をなす板状に形成されている。フロントフレームF2には、その左右両縁に沿って上下に貫通する溶接用穴10が複数並んで形成されている。溶接用穴10の開口縁とクッションサイドフレームF1とが溶接されることによって、フロントフレームF2はクッションサイドフレームF1に結合される。フロントフレームF2の後縁には下方へ凹む4つのフロント側凹部12が左右に並んで形成されている。フロント側凹部12の後縁は後方に向けて開口している。隣接するフロント側凹部12の間にはそれぞれ、フロントフレームF2の上面において、フロント側凹部12の底面よりも上方に突出するフロント側山部13が形成されている。フロント側山部13は、前後方向に延びフロントフレームF2の後縁に達している。図6に示されるように、横断面が逆U字状をなすようにフロントフレームF2を屈曲させることによって、フロント側山部13が形成されている。
【0033】
図2に示されるように、左右のクッションサイドフレームF1の前端上面には、シートクッションS1の左右前端の形状を作るためのサブサイドフレーム14が結合している。サブサイドフレーム14は、側面視で略矩形をなすように屈曲した金属製のパイプによって形成され、その両端が溶接によってクッションサイドフレームF1に固定されている。
【0034】
図2及び図3に示されるように、リアフレームF3は左右に延びた略円柱状の部材であり、本実施形態では金属製のパイプによって形成されている。リアフレームF3はその両端において、左右の後側リンクL2にそれぞれ結合している。リアフレームF3の外周面は側面視で略円状をなし、その軸線が後側リンクL2とクッションサイドフレームF1との結合部分における後側リンクL2の回動軸Zと一致している。
【0035】
リアフレームF3の両端は左右の後側リンクL2にそれぞれ溶接されている。高さ調節機構2には更に、リアフレームから半径方向に延出するセクタギヤと、アッパーレールR2に固定され、セクタギヤに噛合するピニオンを出力端に備えたモータとが含まれている。
【0036】
図2に示されるように、シートクッションフレームFは、更に、フロントフレームF2とリアフレームF3とを接続するパンフレーム20を有する。パンフレーム20は略水平をなす板状に形成され、両クッションサイドフレームF1の間の後ろ3分の2程度の部分を覆うように配置されている。パンフレーム20の左右方向の幅は、両クッションサイドフレームF1の間隔よりも小さくなるように設定されている。パンフレーム20の略中央の部分には、前後に延在する複数のリブ20Aが平行をなすように配置され、そのリブ20Aの間には複数の貫通孔20Bが形成されている。
【0037】
パンフレーム20の前部には左右に延び、前方に向く段部20Cが形成され、段部20Cの前側には略水平に前方に延出する前端部21が形成されている。前端部21には、フロント側山部13に対応する位置において下面が上方へ凹み、段部20Cから前方に延びるパン側谷部22が3つ形成されている。図6に示されるように、パン側谷部22は横断面が逆U字状をなすようにパンフレーム20が屈曲されることによって形成されている。パン側谷部22の左右方向の幅はフロント側山部13の幅よりも大きく形成され、パン側谷部22はフロント側山部13に上側から重なるように配置されている。更に、フロント側山部13の間には前後方向に延びるパン側山部23が形成されている。
【0038】
図2に示されるように、前端部21の上面には、パン側谷部22又はパン側山部23によって略水平なリア側凹部24が画定されている。リア側凹部24の左右方向の幅はフロント側凹部12の約半分であり、6つのリア側凹部24が左右方向に並んで形成されている。中央4つのリア側凹部24はフロント側凹部12のうち中央の2つに上側から重ね合わさっている。また、両端に位置するリア側凹部24は両端のフロント側凹部12にそれぞれ上側から重ね合わさっている。フロントフレームF2とパンフレーム20とは、図3のリア側凹部24の前後左右の概ね中央の位置(図3の×の位置)において、スポット溶接されることによって結合している。そのため、パンフレーム20の前端はフロントフレームF2の後端に結合している。
【0039】
図4、及び図5に示されるように、リアフレームF3には樹脂製のカラー30が装着されている。図5に示されるように、カラー30はリアフレームF3の上面に沿って側面視で略円弧状に形成され、リアフレームF3の外周面に摺動可能に結合している。すなわち、カラー30はリアフレームF3に対してその周方向に相対回転可能に結合している。カラー30の左右両端はパンフレーム20の左右外方にまで延び、その両端は左右の後側リンクL2とは離間している。更に、図4に示されるように、カラー30の外周壁面には、突出する複数の係合突起32が設けられている。係合突起32は、左右方向に所定の長さ延びた略長方形状をなしている。係合突起32はリアフレームF3の左右両端に、それぞれ周方向に2つ並んで配置されている。更に、係合突起32はリアフレームF3の略中央に左右方向に2つ、周方向に2つ並んで配置されている。
【0040】
図3に示されるように、パンフレーム20は側面視で前端から後方に向かうにつれて下降している。パンフレーム20は後端近傍において最も下方に突出し、更に後方に向かうにつれて上昇している。パンフレーム20は、その後端において、カラー30に引っ掛けられたフック状の連結部33を有している。連結部33は側面視でカラー30の上面に沿う略円弧状をなし、少なくともカラー30の上端にまで達している。本実施形態では、連結部33がカラー30からより確実に外れることを防止するため、連結部33はカラー30の後側の上下方向略中央までを覆い、その後端はリアフレームF3の後端後側に達している。連結部33の左右方向の幅はカラー30の左右方向の幅よりも小さくなるように設定されている。
【0041】
連結部33には、カラー30の上側において、上下に貫通する開口34が左右方向に並んで6つ形成されている。開口34はそれぞれ、係合突起32と左右方向の幅が概ね等しく、周方向には周方向に2つ並んだ係合突起32の周方向両端よりも広く設定されている。左右両端の開口34は、カラー30の左右両端の係合突起32に嵌合している。また、中央に位置する2つの開口34もそれぞれカラー30の略中央に形成された係合突起32に嵌合している。開口34とカラー30とが嵌合することによって、開口34の左右壁面と係合突起32の左右壁面と当接し、パンフレーム20に対するカラー30の左右方向の移動が規制される。更に、パンフレーム20は前端が溶接によりフロントフレームF2に結合されているため、カラー30は上下左右の移動が規制され、カラー30はパンフレーム20とリアフレームF3との間で挟持されている。カラー30はリアフレームF3の回転に追随して回転することなく相対回転する。そのため、パンフレーム20はリアフレームF3に相対回動可能に結合している。
【0042】
図7に示されるように、シートバックS2は骨格となるシートバックフレームF4、及び、ヘッドレスト部S4を形成するヘッドレストフレームF5を有する。シートバックフレームF4は、左右のフレームとなるバックサイドフレーム44L、44Rと、両サイドフレームの上部に掛け渡されるバックアッパフレーム46と、両サイドフレームの下部を接続するバックロアフレーム48とを有する。左バックサイドフレーム44L、及び右バックサイドフレーム44Rは左右方向に離間して配設され、それぞれ、左右のクッションサイドフレームF1にリクライニング機構Rを介して回動可能に結合している。左右のクッションサイドフレームF1の下端にはその回動軸に沿ってパイプ部材45が左右方向に延びるように配設されている。左右のバックサイドフレーム44L、44Rの間には板状の架設部材49が設けられている。架設部材49は左右のバックサイドフレーム44L、44Rに所定の弾性部材50を介して結合している。架設部材49は弾性部材50によってバックサイドフレーム44L、44Rに対して前後に変位することができ、弾性力を以て乗員の背部を支持する。シートバックフレームF4は、更に、バックアッパフレーム46の上部の左右両端部にはそれぞれ、シートバックS2の乗員の肩部に当接する部分を構成するためのサブフレーム51が設けられている。
【0043】
図8に示されるように、バックロアフレーム48は、シートバックフレームF4の乗員の臀部に対応する高さにおいて左右に延在している。バックロアフレーム48は、左右方向概ね中央の位置において、側面視で前後に主面を有し、左右に延びる板状に形成され、図9に示されるようにその上縁、及び下縁が前方に屈曲している。バックロアフレーム48の上縁には、側面視で後方に開口する矩形状に形成された金属製の支持部材52が結合している。
【0044】
支持部材52の上面には、図8に示されるように、金属製の線材又はパイプによって形成され、左右に延びる掛止部材54が結合している。掛止部材54の左右両端には、左右方向に延びる第1接合部55が1対形成されている。第1接合部55はそれぞれバックロアフレーム48の上面に溶接等によって結合している。掛止部材54は第1接合部55から内側に向かって、順に略上方、内方、略下方、及び内方に向かうように屈曲している。これらの屈曲によって、第1接合部55の間に正面視で略逆Uの字状の突出部56が2つ形成されている。2つの突出部56の間には、左右方向に延び、バックロアフレーム48の上面に沿う第2接合部58が形成されている。第2接合部58もまた溶接等によってバックロアフレーム48の上面に結合している。突出部56の上端は乗員の腰部に対応する位置に達し、突出部56の前端は第1接合部55よりも前側に位置している。
【0045】
ヘッドレストフレームF5はバックアッパフレーム46の上部背面に結合する第1支持部70Aと、第1支持部70Aの上部前側に結合する第2支持部70B及び第3支持部70Cとを有する。第1支持部70Aは正面視で下方に向く逆U字状の金属製のパイプ部材によって形成され、その下部が左右に対をなし上下に延びるように形成されている。第1支持部70Aは、その下端部においてバックアッパフレーム46の上部前面に結合している。第1支持部70Aは、ヘッドレスト部S4の形状を形作ると共にヘッドレストピラーとしても機能する。第2支持部70Bも第1支持部70Aと同様に金属製のパイプ部材によって形成されている。第2支持部70Bの両端は、左右に対をなし上下に延びる第1支持部70Aの上下方向の概ね中央部分にそれぞれ結合している。第2支持部70Bは正面視で逆U字状をなし、側面視で第1支持部70Aから前方へ延びた後、屈曲して上方に延びるように形成されている。第3支持部70Cもまた両端が第1支持部70Aの上下方向の概ね中央部分にそれぞれ結合し、正面視で逆U字状をなし、側面視で屈曲して前方に突出するように形成されている。第1支持部70A、第2支持部70B、及び第3支持部70Cによって、ヘッドレスト部S4の骨格が形成されている。
【0046】
図2に示されるように、シートバックフレームF4に、前方から緩衝材となるパッド40、及びその前方を覆う表皮42とを有するフロントカバーC1を結合させ、後方から樹脂製のバックカバーC2を取り付けることによって形成されている。このとき、図9に示されるように、支持部材52の前面にパッド40が当接している。表皮42は、クッションサイドフレームF1の下端、及びバックロアフレーム48の背面に沿って延び、シートバックフレームF4の背面にまで達している。表皮42の後端には樹脂製の結合部材59が結合されている。結合部材59はその前端に左右一対の捲着部60を備え、捲着部60はそれぞれ第1接合部55の外周に上側から巻きつくように結合している。
【0047】
次に、このように構成した乗物用シートSの動作について説明する。前側リンクL1及び後側リンクL2がアッパーレールR2に対して回転すると、クッションサイドフレームF1の高さが上下方向に変化する。例えば、図3では、前側リンクL1及び後側リンクL2を紙面左回りに回転させると、クッションサイドフレームF1が上方へ移動する。このとき、リアフレームF3が後側リンクL2の下端側の回動軸Yを中心として回転している。パンフレーム20の後端はリアフレームF3に回動可能に当接しているため、パンフレーム20の姿勢が変化することなく、クッションサイドフレームF1の高さを変化させることができる。
【0048】
次に、このように構成した乗物用シートSの効果について説明する。パンフレーム20には乗員の臀部からの荷重が加わる。パンフレーム20はフロントフレームF2とリアフレームF3とに掛け渡され一体として形成されているため、乗員からの荷重によってパンフレーム20が破断しにくく、シートクッションS1が変形しにくい。またパンフレーム20の前後左右の略中央において貫通孔20Bと前後に延びるリブ20Aが形成されていることによって、パンフレーム20が軽量化されると共に、剛性が高められている。
【0049】
上述のように、連結部33はカラー30を介してリアフレームF3に接続している。パンフレーム20がリアフレームF3に当接しないため、パンフレーム20が変形し難く、シートクッションS1が変形しにくくなる。また、カラー30が樹脂製であるため、金属製であるときに比べ、パンフレーム20の後端がリアフレームF3の外周壁面に沿って摺動するときに異音が発生しにくい。
【0050】
カラー30と左右のクッションサイドフレームF1とは、互いに離間しているため、高さを調節するときに、パンフレーム20とクッションサイドフレームF1とが当接せず、異音が発生しない。また、パンフレーム20に左右方向への荷重が加わった場合でも、荷重が加わった直後にはクッションサイドフレームF1にパンフレーム20が衝突せず、パンフレーム20が変形しにくい。更に、パンフレーム20を左右方向に移動することができるためパンフレーム20の組付がし易くなる。
【0051】
溶接時にフロント側山部13とパン側谷部22とを重ね合わせることによって、容易にパンフレーム20の左右方向の位置決めを行うことができる。更に、パン側谷部22の左右方向の幅はフロント側山部13よりも大きく設定されている。そのため、パン側谷部22は位置決めを行うときに左右方向に移動することができ、パン側谷部22とフロント側山部13とを容易に重ね合わせることができる。
【0052】
パンフレーム20はシートクッションS1の後部において最も下方に突出し緩やかに湾曲しているため、パンフレーム20は乗員の臀部に沿い、シートクッションS1の座り心地が向上する。
【0053】
掛止部材54を設けることによって、表皮42をシートバックS2の前側を覆うように掛け止めすることができる。本実施形態では、表皮42は前方に突出する第1接合部55に掛け止めされているため、表皮42に張りを与えることができる。更に、掛止部材54の前端はパッド40に当接し、パッド40の後方への突出を防止している。そのため、パッド40が掛止部材54によって後方から支持され、架設部材49とバックロアフレーム48との間からパッド40が後方に突出せず、乗物用シートSの座り心地が向上する。
【0054】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、上記実施形態には限定されない。例えば、上記実施形態ではカラー30は樹脂によって形成されていたが、それには限定されず、パンフレーム20とリアフレームF3とを回動可能に接続するベアリング等であってもよい。掛止部材54には2つの突出部56が形成されていたが、1つ、又は3つ以上の構成であってもよい。
【0055】
本実施形態では、高さ調節機構2を有する乗物用シートに本発明を適用した例について記載したが、本発明は高さ調節機構2を有しない乗物用シートに適用することができる。パンフレーム20の後端をリアフレームF3に回動可能に結合させることによって、よりパンフレーム20が下方へ撓みやすくなるため、座り心地が向上する。
【符号の説明】
【0056】
2 :高さ調節機構
13 :フロント側山部
20 :パンフレーム
20C :段部
22 :パン側谷部
30 :カラー
32 :係合突起
33 :連結部
34 :開口
F :クッションフレーム(フレーム)
F1 :クッションサイドフレーム(サイドフレーム)
F2 :フロントフレーム
F3 :リアフレーム
L :4節リンク
L1 :前側リンク
L2 :後側リンク
S :乗物用シート
S1 :シートクッション
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9

【手続補正書】
【提出日】2018年7月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションのフレームを構成し、離間して配置される左右一対のサイドフレームと、
左右に延在し、左右の前記サイドフレームの前部を結合するフロントフレームと、
左右に延在する略円柱状に形成され、左右の前記サイドフレームの後部を結合するリアフレームと、
前記リアフレームに対して相対回動可能に装着されたカラーと前端において前記フロントフレームに結合し、後端において前記カラーの上面に引っ掛けられた連結部を備えたパンフレームとを有し、
前記フロントフレームの後端の上面には上方に突出し、前後に延在する複数のフロント側山部が形成され、
前記パンフレームの前端の下面には上方に凹み、前記フロント側山部のそれぞれに重なるパン側谷部が複数形成され、
前記パンフレームは前記パン側谷部の間において、前記フロントフレームに溶接され、
前記パンフレームには前記パン側谷部の後端を左右方向に接続し、前方に向く段部が形成されていることを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
左右の前記サイドフレームの下方にそれぞれ設けられた左右のベースと、前記ベース及び前記サイドフレームの間に設けられた左右1対の前側リンクと左右1対の後側リンクととからなる4節リンクを備える高さ調節機構とを更に有し、
前記リアフレームは前記4節リンクのうち、左右1対の前記後側リンクを結合し、
前記リアフレームの軸線は左右1対の前記後側リンクの軸線に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記パンフレームと前記フロントフレームとは、溶接により結合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
前記フロント側山部の左右方向の幅は、前記フロント側山部の上側に配設される前記パン側谷部の左右方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記カラーが樹脂製であることを特徴とする請求項1〜請求項3及び請求項5のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記カラーの左右方向の幅は、前記リアフレームの左右方向の幅よりも小さいことを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項5及び請求項7のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項9】
前記連結部には開口が設けられ、
前記カラーの外周には前記開口に係合する係合突起が設けられ、
前記開口を画定する壁面と、前記係合突起との間には周方向に隙間が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項5、請求項7及び請求項8のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項10】
前記パンフレームは側面視で前端から後方に向かって下降した後、前記連結部に向かって上昇していることを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項5、及び請求項7〜請求項9のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【請求項11】
前記パンフレームには、隣り合う前記フロント側山部の間において上方に突出し、前後方向に延びるパン側山部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3、請求項5、及び請求項7〜請求項10のいずれか1つの項に記載の乗物用シート。
【国際調査報告】