(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
手術中に取得される各種のデータである手術データの保存場所を示すインデックス、及び前記手術の対象である患者についての患者情報の保存場所を示すインデックスが手術ごとに統合された統合データインデックスファイル、を生成する、統合データインデックスファイル生成部、を備える、医療情報管理装置を提供する。
手術中に取得される各種のデータである手術データの保存場所を示すインデックス、及び前記手術の対象である患者についての患者情報の保存場所を示すインデックスが手術ごとに統合された統合データインデックスファイル、を生成する、統合データインデックスファイル生成部、
を備える、医療情報管理装置。
前記手術データを参照するための参照要求が入力された場合に、前記参照要求によって指定される前記手術データに対応する統合データインデックスファイルを用いて、前記参照要求によって指定される前記手術データが記録される記録装置にアクセスすることにより、前記参照要求によって指定される前記手術データを取得する、データ取得部、を更に備える、
請求項1に記載の医療情報管理装置。
前記データ取得部によって取得された前記手術データを用いて、前記参照要求を行ったユーザの端末において出力される提示データを生成する、提示データ生成部、を更に備える、
請求項2に記載の医療情報管理装置。
前記映像データは、内視鏡によって撮影される内視鏡映像データ、手術室内を俯瞰撮影する俯瞰カメラによって撮影される俯瞰カメラ映像データ、及び術野を撮影する術野カメラによって撮影される術野カメラ映像データ、の少なくともいずれかを更に含み、
前記表示画面データでは、前記内視鏡映像データ、前記俯瞰カメラ映像データ及び前記術野カメラ映像データのうちの少なくとも2つが、同一のタイムコードで表示される、
請求項4に記載の医療情報管理装置。
前記手術データは、患者のバイタルデータ、患者に対する麻酔に関する情報である麻酔データ、及び医療機器のログデータである機器ログデータ、の少なくともいずれかを更に含み、
前記表示画面データでは、前記映像データと、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかと、が、同一のタイムコードで表示される、
請求項4に記載の医療情報管理装置。
異なる2つの手術における前記手術データとしては、それぞれ異なる執刀医によって実行された手術における、患者のバイタルデータ、患者に対する麻酔に関する情報である麻酔データ、及び医療機器のログデータである機器ログデータ、の少なくともいずれかが比較表示される、
請求項10に記載の医療情報管理装置。
前記手術データは、患者のバイタルデータ、患者に対する麻酔に関する情報である麻酔データ、及び医療機器のログデータである機器ログデータ、の少なくともいずれかを更に含み、
前記サムネイル画像に、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかが、重畳表示される、
請求項13に記載の医療情報管理装置。
前記サムネイル画像に対応する時刻における、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかの値が、前記サムネイル画像に重畳表示される、
請求項14に記載の医療情報管理装置。
時間方向に並べられた前記サムネイル画像間に対応する期間における、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかの最小値、最大値、平均値、又は中央値が、前記サムネイル画像に重畳表示される、
請求項14に記載の医療情報管理装置。
プロセッサが、手術中に取得される各種のデータである手術データの保存場所を示すインデックス、及び前記手術の対象である患者についての患者情報の保存場所を示すインデックスが手術ごとに統合された統合データインデックスファイル、を生成すること、
を含む、医療情報管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.手術データ記録システムの構成
2.手術データ参照システムの構成
3.インデックスサーバー(医療情報管理装置)の機能構成
4.表示画面の例
5.医療情報管理方法
6.ハードウェア構成
7.補足
【0016】
(1.手術データ記録システムの構成)
図1を参照して、本開示の一実施形態に係る手術データ記録システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る手術データ記録システムの構成の一例を示す図である。なお、当該手術データ記録システムは、本開示に係る医療情報管理システムに対応する。
【0017】
図1を参照すると、本実施形態に係る手術データ記録システム1は、メディカルコントローラー101と、各種の手術データを取得する取得装置(俯瞰カメラ111、術野カメラ112、内視鏡装置/医療機器113、外部入力端子114、インカム115、生体モニター116、及び麻酔器117)と、取得された手術データを記録、保存する記録装置(レコーダー121、動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124)と、患者についての情報(患者情報)を管理する患者情報管理装置(電子カルテサーバー141及びDICOM(Digital Imaging and COmmunication in Medicine)サーバー142)と、取得された手術データ及び/又は患者情報を出力するデータ出力装置(天井懸架モニター131、壁面モニター132、及びプリンター133)と、メディカルコントローラー101を操作するための操作装置(タッチパネル151)と、取得された手術データの中の映像データ及び/又は音声データ(以下、映像音声データともいう)や、各種情報の表示データの各装置への入出力を制御するスイッチャー161と、インデックスサーバー201と、から主に構成される。ここで、インデックスサーバー201は、本開示に係る医療情報管理装置に対応する。なお、
図1では、映像音声データに係る情報の流れを破線で示しており、それ以外の情報(例えば、その他の手術データや、機器の制御に係る情報等)に係る情報の流れを実線で示している。
【0018】
これらの装置のうち、取得装置、データ出力装置及び操作装置は、手術室内に設置される。また、その他のメディカルコントローラー101、記録装置、患者情報管理装置、スイッチャー161、及びインデックスサーバー201は、手術室外であって、病院内又は病院外の任意の位置に設置される。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、各装置の設置位置は、手術に影響を与えない範囲で任意に変更されてよい。
【0019】
(メディカルコントローラー)
メディカルコントローラー101は、上記の各装置と通信可能に接続されており、これら各装置の動作を制御する。ただし、図示する構成例では、メディカルコントローラー101は、インカム115、生体モニター116、及び麻酔器117とは接続されておらず、これらの装置はメディカルコントローラー101とは独立して動作可能である。
【0020】
具体的には、メディカルコントローラー101は、取得装置の動作を制御し、手術データを取得させる。
【0021】
また、メディカルコントローラー101は、記録装置の動作を制御し、取得装置によって取得された手術データを当該記録装置に記録、保存させる。このとき、手術データに含まれる映像音声データについては、メディカルコントローラー101は、スイッチャー161の動作を制御することにより、当該スイッチャー161を介して、記録装置に当該映像音声データを送信させる。また、メディカルコントローラー101は、記録装置及び患者情報管理装置にアクセスし、これらの装置に保存されている手術データ及び患者情報を読み出すことができる。
【0022】
また、メディカルコントローラー101は、データ出力装置の動作を制御し、手術データ及び/又は患者情報を当該データ出力装置から出力させる。具体的には、メディカルコントローラー101は、現在取得されている手術データに含まれる映像音声データを、ユーザの指示に従ってデータ出力装置から出力させる。また、メディカルコントローラー101は、現在取得されている手術データに含まれる機器ログデータ、バイタルデータ、及び麻酔データの表示データ、並びに患者情報に含まれる電子カルテ情報及びDICOM情報の表示データのうちの少なくともいずれかを、ユーザの指示に従ってデータ出力装置から出力させる。このとき、映像音声データ、並びに機器ログデータ、バイタルデータ、及び麻酔データの表示データについては、メディカルコントローラー101は、スイッチャー161の動作を制御することにより、当該スイッチャー161を介して、データ出力装置に当該映像音声データ及び表示データを送信させる。なお、図示する構成例のようにデータ出力装置が複数の装置を含む場合には、ユーザの指示に従って、各装置から互いに異なる情報が出力されてもよい。
【0023】
また、メディカルコントローラー101には、術野に照明光を照射する照明装置171が接続され得る。照明装置171は、例えば無影灯である。メディカルコントローラー101は、ユーザの指示に従って、当該照明装置171の動作も制御し得る。
【0024】
メディカルコントローラー101は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサによって構成される。メディカルコントローラー101のプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、以上説明した機能が実現される。
【0025】
(操作装置)
操作装置は、メディカルコントローラー101に対して各種の指示を入力するための入力インターフェースである。本明細書において「操作装置」と記載した場合には、特に断りがない限り、メディカルコントローラー101に対して各種の指示を入力するための各種装置の一部又は全てを指す。図示する構成例では、操作装置の一例として、タッチパネル151が示されている。ユーザがタッチパネル151から入力した指示は、タッチパネルインターフェース152を介して、メディカルコントローラー101に入力される。メディカルコントローラー101は、かかる指示に従って、接続されている各種の装置の動作を制御する。
【0026】
なお、操作装置の種類は図示する例に限定されず、操作装置としては、各種の公知の入力装置が用いられてよい。例えば、操作装置としては、マウス、キーボード、スイッチ、レバー、リモートコントロール装置等が用いられてよい。あるいは、操作装置は、マイクロフォンやカメラであってもよく、当該マイクロフォンを介した音声入力、及び/又は当該カメラによる撮像映像を用いたジェスチャ入力により、指示が入力されてもよい。また、操作装置の数も図示する例に限定されず、複数の装置が操作装置として設置されてもよい。
【0027】
(取得装置)
取得装置は、手術データを取得する各種装置の総称である。本明細書において「取得装置」と記載した場合には、特に断りがない限り、手術データを取得する各種装置の一部又は全てを指す。図示する構成例では、取得装置は、俯瞰カメラ111、術野カメラ112、内視鏡装置/医療機器113、外部入力端子114、インカム115、生体モニター116、及び麻酔器117を含む。
【0028】
俯瞰カメラ111は、手術室の天井に設置され、手術室内の様子(特に患者が位置している手術台の周囲の様子)を撮影する。俯瞰カメラ111は、手術データとして、手術室内の様子が収められた映像データを取得する。
【0029】
術野カメラ112は、手術室内において手術台の近くに設置され、術野の様子を撮影する。術野カメラ112は、手術データとして、術野の様子が収められた映像データを取得する。
【0030】
内視鏡装置/医療機器113は、内視鏡装置及び医療機器を含む。内視鏡装置/医療機器113は、患者に対して処置を行う際に用いられる各種装置を概念的に1つの装置として表すものである。ここで、医療機器は、例えば腹腔を拡張し手術スペースを作る気腹装置、及び高周波電流や超音波振動等のエネルギーを使用して組織を凝固、切開、又はシーリングするエナジーデバイス等を含む。ただし、本実施形態はかかる例に限定されず、医療機器は、一般的に手術に用いられる各種の装置を含んでよい。内視鏡装置によって、手術データとして、その内視鏡によって撮影された映像データが取得される。また、医療機器によって、手術データとして、自身が動作した際の設定値(例えば、気腹装置であれば送気量の設定値、エナジーデバイスであれば出力電力の設定値等)のログデータ(すなわち、機器ログデータ)が取得される。
【0031】
外部入力端子114は、映像音声データを入力するための端子である。外部入力端子114に外部機器が接続されることにより、当該外部機器からの映像音声データが手術データ記録システム1に入力される。
【0032】
インカム115は、マイクロフォンとして機能し、手術データとして、手術室内の音声データを取得する。当該音声データは、例えば、指導医による口頭での指示や、医療スタッフ間の会話等についてのデータである。
【0033】
生体モニター116は、手術データとして、手術中における患者のバイタルデータ(例えば、脈拍及び血圧等のデータ)を取得する。
【0034】
麻酔器117は、患者への麻酔の投与、及び患者に対して投与した麻酔量の管理等、手術中における麻酔に関する各種の制御を行う。麻酔器117は、麻酔に関する各種の制御を行う過程で、手術データとして、麻酔器117のログデータ等の、麻酔に関するデータ(麻酔データ)を取得する。麻酔データには、例えば、患者に対して投与した麻酔量の設定値等のデータが含まれる。
【0035】
なお、本実施形態では、壁面モニター132がタッチパネル機能を有してもよい。この場合には、壁面モニター132も取得装置として機能し、当該壁面モニター132を介して入力された情報が手術データとなり得る。例えば、手術中には、壁面モニター132に表示されている映像(例えば、内視鏡によって撮影された映像)に対して、指導医が、壁面モニター132上で情報を書き込むことにより、執刀医に対して指示を与える場合がある。かかる壁面モニター132を介して入力された指導医の指示に係る情報は、その表示されている映像データに対するアノテーションデータとして、手術データの一部として取得され得る。
【0036】
俯瞰カメラ111、術野カメラ112、及び内視鏡装置/医療機器113の内視鏡装置によって取得された映像データは、それぞれ、コンバーター181を介して、所定の伝送方式で送信され、スイッチャー161に入力される。また、外部入力端子114によって取得された映像音声データは、コンバーター181を介して、所定の伝送方式で送信され、スイッチャー161に入力される。また、インカム115によって取得された音声データは、コンバーター181を介して、所定の伝送方式で送信され、スイッチャー161に入力される。スイッチャー161は、これらの映像データ、映像音声データ、及び音声データを、コンバーター181を介して、所定の伝送方式で動画サーバー122に送信する。このとき、アノテーションデータが取得されている場合には、当該アノテーションデータも、スイッチャー161により、その対応する映像データと関連付けて、動画サーバー122に送信される。動画サーバー122は、これらのデータを記録、保存する。
【0037】
また、内視鏡装置/医療機器113の医療機器によって取得された機器ログデータは、メディカルコントローラー101を介して、機器ログデータサーバー123に記録、保存される。また、当該医療機器によって取得された機器ログデータの表示データは、コンバーター181を介して、所定の伝送方式で、スイッチャー161に送信される。
【0038】
また、生体モニター116及び麻酔器117によって取得されたバイタルデータ及び麻酔データは、麻酔科サーバー124に記録、保存される。また、生体モニター116及び麻酔器117によって取得されたバイタルデータ及び麻酔データの表示データは、コンバーター181を介して、所定の伝送方式で、スイッチャー161に送信される。上述したように、生体モニター116及び麻酔器117は、メディカルコントローラー101とは独立して設置されているため、このように、生体モニター116及び麻酔器117によって取得されたバイタルデータ及び麻酔データは、メディカルコントローラー101を経由することなく、麻酔科サーバー124に直接記録、保存され、当該バイタルデータ及び当該麻酔データの表示データは、スイッチャー161に直接送信される。
【0039】
なお、取得装置は、手術データを取得する際に、その手術データを取得した時間を、当該手術データと関連付けて同時に取得し得る。つまり、取得された手術データには、メタデータとして時間情報が付与されている。
【0040】
また、図示する取得装置の構成はあくまで一例であり、取得装置は、
図1には示さない他の装置を含んでもよい。例えば、取得装置は
図1には示さない他の医療機器を含んでもよく、当該他の医療器によって取得されるログデータが、機器ログデータとして取得されてもよい。また、例えば、手術中には、患者の出血量や患者に投与された輸液量が、所定の時間間隔で測定、記録され得る。これらの情報も、時間情報と紐付けて手術データとして取得され、記録装置のいずれかに記録、保存されてよい。例えば、出血量及び輸液量についてのデータは、バイタルデータとして、麻酔科サーバー124に記録、保存され得る。
【0041】
(記録装置)
記録装置は、手術データを記録、保存する各種装置の総称である。本明細書において「記録装置」と記載した場合には、特に断りがない限り、手術データを記録、保存する各種装置の一部又は全てを指す。図示する構成例では、記録装置は、レコーダー121、動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124を含む。
【0042】
動画サーバー122は、手術データのうち、映像音声データを記録、保存する。具体的には、動画サーバー122は、俯瞰カメラ111、術野カメラ112、内視鏡装置/医療機器113の内視鏡装置、外部入力端子114、及びインカム115によって取得された映像音声データを、スイッチャー161を介して受信し、記録、保存する。このとき、取得装置によって取得された映像音声データに、指導医によるアノテーションデータが含まれる場合には、メディカルコントローラー101は、当該アノテーションデータを当該映像音声データと関連付けて、動画サーバー122に記録、保存させる。
【0043】
機器ログデータサーバー123は、手術データのうち、内視鏡装置/医療機器113の医療機器によって取得された機器ログデータを、メディカルコントローラー101を介して受信し、記録、保存する。
【0044】
麻酔科サーバー124は、手術データのうち、生体モニター116及び麻酔器117によって取得されたバイタルデータ及び麻酔データを記録、保存する。
【0045】
レコーダー121は、動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124のバックアップとして機能する。レコーダー121は、動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124に記録、保存される手術データの一部又は全てを記録、保存する。レコーダー121が記録、保存する手術データの種類は、ユーザによって適宜決定されてよい。レコーダー121が設けられることにより、万が一動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124に異常が発生した場合であっても、手術データが記録、保存されることとなるため、手術データ記録システム1の信頼性が向上する。なお、図示する構成例では、レコーダー121が1台のみ設けられているが、レコーダー121は複数台設けられてもよい。
【0046】
レコーダー121、動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124は、いずれも、手術データが取得された時間と対応付けて当該手術データを記録、保存する。また、メディカルコントローラー101からの制御により、レコーダー121、動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124に対して、患者情報管理装置の電子カルテサーバー141に保存されている、現在手術を行っている患者についての電子カルテ情報が提供されてよく、レコーダー121、動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124は、当該電子カルテ情報と対応付けて(例えば、患者IDや、手術の執刀医のID等と対応付けて)手術データを記録、保存してもよい。
【0047】
(患者情報管理装置)
患者情報管理装置は、患者情報を管理する各種装置の総称である。本明細書において「患者情報管理装置」と記載した場合には、特に断りがない限り、患者情報を管理する各種装置の一部又は全てを指す。図示する構成例では、患者情報管理装置は、電子カルテサーバー141及びDICOMサーバー142を含む。
【0048】
電子カルテサーバー141は、患者の電子カルテ情報を保存する。電子カルテ情報には、患者を特定するための患者ID、当該患者の身体データ、当該患者の病歴、当該患者の過去の手術歴等が含まれる。また、この手術歴には、その手術を担当した執刀医や、その手術に参加した看護師等を特定するIDが含まれ得る。その他、電子カルテ情報には、一般的に電子カルテ情報に含まれる各種の情報が含まれてよい。
【0049】
DICOMサーバー142は、患者のDICOM情報を保存する。DICOM情報には、患者のCT画像データ、MRI画像データ等が含まれる。DICOMサーバー142では、DICOM情報が、患者IDと関連付けて管理されている。その他、DICOM情報には、一般的にDICOM情報に含まれる各種の情報が含まれてよい。
【0050】
(スイッチャー)
スイッチャー161は、映像音声データ及び表示データの各装置への入出力の制御を行う。手術データ記録システム1では、映像音声データ及び表示データは、スイッチャー161を介して、各種の装置に入力及び出力される。スイッチャー161の動作は、スイッチャー制御装置162によって制御される。メディカルコントローラー101は、スイッチャー制御装置162を介してスイッチャー161の動作を制御することができる。
【0051】
具体的には、スイッチャー161は、上述したように、取得装置によって取得された映像音声データを、コンバーター181を介して、所定の伝送方式で動画サーバー122に送信する。また、スイッチャー161は、取得装置によって取得された手術データを、コンバーター181を介して所定の伝送方式で取得するとともに、メディカルコントローラー101からの指示により、これらの手術データを、コンバーター181を介して所定の伝送方式でデータ出力装置に送信する。また、スイッチャー161は、メディカルコントローラー101からの指示により、患者情報管理装置に保存されている電子カルテ情報及びDICOM情報を取得し、これらの表示データを、コンバーター181を介して、所定の伝送方式でデータ出力装置に送信する。
【0052】
なお、手術データ記録システム1では、映像音声データ及び表示データの伝送経路として、互いに異なる伝送形式による伝送経路が複数設けられてよい。これにより、万が一1つの通信経路に異常が発生したとしても、他の通信経路によって映像音声データ及び表示データが正常に伝送され得ることとなる。伝送方式としては、例えば、DVI(Digital Visual Interface)、SDI(Serial Digital Interface)(例えば、HD−SDI)等が用いられ得る。また、IP(Internet Protocol)伝送が用いられてもよい。なお、互いに異なる伝送形式による伝送経路が複数設けられる場合には、外部入力端子114、スイッチャー161、及びコンバーター181も、その採用されている伝送形式に応じたものがそれぞれ設けられる(すなわち、外部入力端子114、スイッチャー161、及びコンバーター181も複数設けられる)。
【0053】
(データ出力装置)
データ出力装置は、取得された手術データを少なくとも出力する各種装置の総称である。本明細書において「データ出力装置」と記載した場合には、特に断りがない限り、取得された手術データを少なくとも出力する各種装置の一部又は全てを指す。データ出力装置は、手術データに加えて、患者情報を表示してもよい。図示する構成例では、データ出力装置は、天井懸架モニター131、壁面モニター132、及びプリンター133を含む。
【0054】
天井懸架モニター131は、手術室内において天井から吊り下げられて設置されるモニターである。壁面モニター132は、手術室内において壁面に設置されるモニターである。例えば、天井懸架モニター131及び壁面モニター132は、手術データに含まれる映像データを表示する。なお、天井懸架モニター131及び壁面モニター132は、スピーカを有してもよく、手術データに含まれる音声データを、映像データとともに出力してもよい。また、例えば、天井懸架モニター131及び壁面モニター132は、手術データに含まれる機器ログデータ、バイタルデータ、及び/又は麻酔データを、時間軸に沿ったグラフの形式で表示する。また、例えば、天井懸架モニター131及び壁面モニター132は、患者情報に含まれる電子カルテ情報及び/又はDICOM情報を、表や画像等の形式で表示する。
【0055】
天井懸架モニター131及び壁面モニター132の種類は限定されず、これらのモニターとしては、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、又は有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ装置等、各種の公知のディスプレイ装置が用いられてよい。
【0056】
プリンター133は、手術データ及び/又は患者情報を、画像(静止画像)、グラフ等の形式で、紙に印刷する。
【0057】
(インデックスサーバー201)
インデックスサーバー201は、記録装置及び患者情報管理装置にアクセス可能に構成される。インデックスサーバー201は、主に2つの機能を有する。1つ目の機能は、記録装置に記録されている手術データ及び患者情報管理装置に保存されている患者情報を読み出すためのインデックスファイルを生成及び保存する機能である。2つ目の機能は、自身が生成したインデックスファイルに基づいて、ユーザからの参照要求に従った手術データ及び/又は患者情報を記録装置及び/又は患者情報管理装置から読み出し、読み出した手術データ及び/又は患者情報に基づいて、当該ユーザに提示される提示データを生成する機能である。2つ目の機能については、下記(2.手術データ参照システムの構成)で改めて説明するため、ここでは、1つ目の機能について主に説明する。
【0058】
なお、インデックスサーバー201の具体的な装置構成は、一般的なサーバーと同様であってよい。インデックスサーバー201は、CPUやDSP等のプロセッサ、及びメモリ等の記憶素子から構成される。インデックスサーバー201のプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、上記の各機能が実現される。
【0059】
図示する構成例では、インデックスサーバー201は、記録装置に含まれる動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124、並びに患者情報管理装置に含まれる電子カルテサーバー141及びDICOMサーバー142と、院内ネットワークによって通信可能に接続されている(なお、
図1では、作図の都合上、インデックスサーバー201が2台描かれているが、実際にはインデックスサーバー201は、1台だけ設置される)。
【0060】
インデックスサーバー201は、ある1つの手術が終了すると、その手術の最中に取得された手術データと、当該手術の対象である患者についての患者情報についてのインデックスファイルを生成する。つまり、インデックスファイルは、手術ごとに生成される。本明細書では、1つの手術に対応するインデックスファイルのことを、統合データインデックスファイルとも呼称する。
【0061】
統合データインデックスファイルは、ある手術についての手術データ及び患者情報の保存場所を示す情報(インデックス)が記載されたファイルである。例えば、インデックスは、手術データ及び患者情報の保存場所を示すアドレスであり得る。統合データインデックスファイルを用いることにより、手術終了後に、当該手術についての手術データ及び患者情報を、記録装置及び患者情報管理装置から簡便に読み出すことが可能になる。
【0062】
図2は、統合データインデックスファイルの構成を概念的に示す図である。
図2に示すように、統合データインデックスファイルには、手術データ及び患者情報にアクセスするためのインデックス(各データの保存場所を示すアドレス)が、階層的に含まれている。例えば、統合データインデックスファイルには、映像音声データインデックス(動画サーバー122内の映像音声データにアクセスするためのインデックス)、機器ログデータインデックス(機器ログデータサーバー123内の機器ログデータにアクセスするためのインデックス)、バイタル/麻酔データインデックス(麻酔科サーバー124内のバイタルデータ及び麻酔データにアクセスするためのインデックス)、アノテーションデータインデックス(動画サーバー122内のアノテーションデータにアクセスするためのインデックス)、及び患者情報インデックス(電子カルテサーバー141内の電子カルテ情報及びDICOMサーバー142内のDICOM情報にアクセスするためのインデックス)が含まれる。なお、映像音声データインデックス、機器ログデータインデックス、バイタル/麻酔データインデックス、及びアノテーションデータインデックスが指し示す手術データは、同一の手術において同一のタイムコードで取得された手術データである。
【0063】
映像音声データインデックスには、更に、内視鏡映像データインデックス(映像音声データの中の、内視鏡映像データにアクセスするためのインデックス)、術野カメラ映像データインデックス(映像音声データの中の、術野カメラ映像データにアクセスするためのインデックス)、及び俯瞰カメラ映像データインデックス(映像音声データの中の、俯瞰カメラ映像データにアクセスするためのインデックス)が含まれる。
【0064】
機器ログデータインデックスには、更に、内視鏡ログデータインデックス(機器ログデータの中の、内視鏡装置/医療機器113によって取得されたログデータにアクセスするためのインデックス)、及びその他ログデータインデックス(機器ログデータの中の、
図1に示さないその他の医療機器のログデータにアクセスするためのインデックス)が含まれる。更に、内視鏡ログデータインデックスには、CCUログデータインデックス(内視鏡装置/医療機器113によって取得されたログデータの中の、CCU(Camera Control Unit)のログデータにアクセスするためのインデックス)、光源ログデータインデックス(内視鏡装置/医療機器113によって取得されたログデータの中の、光源のログデータにアクセスするためのインデックス)、気腹装置ログデータインデックス(内視鏡装置/医療機器113によって取得されたログデータの中の、気腹装置のログデータにアクセスするためのインデックス)、及びエナジーデバイスログデータインデックス(内視鏡装置/医療機器113によって取得されたログデータの中の、エナジーデバイスのログデータにアクセスするためのインデックス)が含まれる。
【0065】
バイタル/麻酔データインデックスには、更に、麻酔器ログデータインデックス(麻酔データの中の、麻酔器117によって取得されたログデータにアクセスするためのインデックス)、及びバイタルデータインデックス(生体モニター116によって取得されたバイタルデータにアクセスするためのインデックス)が含まれる。
【0066】
患者情報インデックスには、更に、電子カルテ情報インデックス(電子カルテサーバー141内の電子カルテ情報にアクセスするためのインデックス)、及びDICOM情報インデックス(DICOMサーバー142内のDICOM情報にアクセスするためのインデックス)が含まれる。
【0067】
ここで、一般的に、病院内のシステムにおいては、手術データは、その種類に応じて、各々異なる機器又はサーバー等に記録、保存される。また、手術データと患者情報も、各々異なる装置に保存される。従って、ある手術についてのこれら手術データ及び患者情報を参照しようとすると、ユーザは、手作業で、各装置にアクセスし、必要なデータを抽出する必要があり、その作業負担が大きなものとなっていた。
【0068】
かかる一般的なシステムの構成に対して、
図1に示す手術データ記録システム1においても、手術データ及び患者情報がそれぞれ異なる装置(記録装置及び患者情報管理装置)に記録及び保存される点は同様である。ただし、本実施形態では、以上説明したように、記録装置及び患者情報管理装置にアクセス可能なインデックスサーバー201が設置される。そして、当該インデックスサーバー201によって、手術ごとに統合データインデックスファイルが生成される。統合データインデックスファイルにより、手術データ及び患者情報が手術ごとに統合的に管理され得るため、ユーザは、上記のように手作業でデータを抽出する作業を行うことなく、当該統合データインデックスファイルを用いることで、手術ごとの手術データ及び患者情報に簡便にアクセスすることが可能となる。よって、ユーザの作業負荷を軽減することができ、当該ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
また、手術データ記録システム1は、一般的なシステムに対してインデックスサーバー201を新たに設置するだけで構成可能である。従って、既存のシステムを大幅に変更することなく、手術データ記録システム1を構成することができる。よって、手術データ記録システム1を構築するためのコストを比較的小さく抑えることができる。
【0070】
なお、統合データインデックスファイルは、手術データ及び患者情報の実体的な内容を含むファイルではなく、あくまでこれら手術データ及び患者情報にアクセスするための情報が記載されたファイルであることに留意されたい。例えば、手術データ及び患者情報を統合的に管理するための方法としては、特許文献2に記載の方法を採用することも考えられる。当該方法では、手術データ及び患者情報を、手術ごとに1つの記録装置に記録、保存することにより、手術データ及び患者情報を統合的に管理している。しかしながら、1つの手術で発生する手術データ及び患者情報は膨大であり、そのデータ量は非常に大きなものとなる。特に、近年では、例えば4K等、映像データの高解像度化が進んでおり、手術データにおける映像データの容量は増大化している。かかる状況においては、特許文献2に記載の方法のように手術データ及び患者情報を手術ごとに1つの記録装置に記録、保存することは、困難となる可能性がある。
【0071】
これに対して、本実施形態では、上記のように、統合データインデックスファイルを生成することにより、手術データ及び患者情報を管理する。統合データインデックスファイルは、いわば仮想的に手術データ及び患者情報が統合されたファイルであり、実体的な手術データ及び患者情報の中身を含むものではないため、その容量はさほど大きなものではない。統合データインデックスファイルを管理することにより、間接的に手術データ及び患者情報を統合的に管理することができるため、本実施形態によれば、手術データ及び患者情報の管理をより容易に行うことが可能となる。
【0072】
以上、手術データ記録システム1の構成について説明した。なお、
図1に示す手術データ記録システム1の構成はあくまで一例であって、手術データ記録システム1の構成は、任意に変更可能である。上述したように、本実施形態に係る手術データ記録システムは、既存の一般的な病院のシステムに対して、記録装置及び患者情報管理装置にアクセス可能にインデックスサーバーを設置すれば構成可能である。つまり、本実施形態に係る手術データ記録システムは、各種の公知の病院のシステムに対してインデックスサーバーが追加的に設置された構成を有してよい。
【0073】
例えば、病院のシステムによっては、機器ログデータは、機器ログデータサーバー123に統合的に記録、保存されるのではなく、各医療機器に、記録、保存される場合がある。当該システムを用いて本実施形態に係る手術データ記録システムを構成する場合であれば、機器ログデータサーバー123は設けられなくてもよく、各医療機器が取得装置及び記録装置の双方として機能し得ることとなる。
【0074】
また、インデックスサーバー201は、記録装置のいずれかに記録された手術データから手術に関連するイベントを検出し、手術データと関連付けてイベント情報を生成してよい。手術に関連するイベントには、例えば、手術対象の状態の変化と、手術機器の動作状況との一方または双方を含む。また、イベント情報とは、発生したイベントに関連する情報であり、イベント情報には、例えば、手術データ種別、イベント種別、及びイベント発生時刻が含まれる。
【0075】
具体的には、インデックスサーバー201は、例えば、“ログデータに基づくエネルギーデバイスの利用状況(例えば電気メスの切除時刻や切除頻度、モノポーラの利用頻度等)”、“内視鏡や術野カメラの映像データやバイタルデータに基づく出血時刻や出血状況”、“音声データに基づく手術関係者の発話状況(例えば驚いた声、怒声、指摘等)や発話内容”、“俯瞰カメラの映像データに基づく手術室内の状況”等に関連するイベントを検出し、対応する手術データと対応付けたイベント情報を生成する。生成されたイベント情報は、例えば、手術データ参照システムから参照可能なように、インデックスサーバー201に保存される。
【0076】
また、インデックスサーバー201はイベント情報を生成せず、取得装置が、取得した手術データからイベントを検出し、検出されたイベントに関するイベント情報を、手術データと関連付けて記録装置のいずれかに記録、保存する構成でもよい。
【0077】
なお、
図1に示す手術データ記録システム1を構成する各装置としては、一般的に病院のシステムにおいて用いられている装置を用いることができる。従って、ここでは、各装置の具体的な装置構成についての説明を省略する。
【0078】
(2.手術データ参照システムの構成)
図3を参照して、本実施形態に係る手術データ参照システムの構成について説明する。
図3は、本実施形態に係る手術データ参照システムの構成の一例を示す図である。当該手術データ参照システムは、
図1に示す手術データ記録システム1において生成された統合データインデックスファイルを用いて、ユーザが手術データを参照するためのシステムである。なお、当該手術データ参照システムは、本開示に係る医療情報管理システムに対応する。
【0079】
図3を参照すると、本実施形態に係る手術データ参照システム2は、インデックスサーバー201と、記録装置(動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124)と、患者情報管理装置(電子カルテサーバー141及びDICOMサーバー142)と、少なくとも手術データをユーザに対して提示する端末(カンファレンスモニター301、医局PC(Personal Computer)302、及びタブレットPC303)と、から主に構成される。なお、記録装置(動画サーバー122、機器ログデータサーバー123、及び麻酔科サーバー124)、及び患者情報管理装置(電子カルテサーバー141及びDICOMサーバー142)については、
図1を参照して既に説明しているため、ここではこれらの装置についての説明を省略する。
【0080】
端末は、ユーザに対して手術データを含む各種の情報を提示するための各種装置の総称である。本明細書において「端末」と記載した場合には、特に断りがない限り、ユーザに対して手術データを含む各種の情報を提示するための各種装置の一部又は全てを指す。図示する例では、端末は、カンファレンスモニター301、医局PC302、及びタブレットPC303を含む。
【0081】
カンファレンスモニター301は、病院内のカンファレンスルームに設置されるモニターである。カンファレンスモニター301は、セットアップボックス304を介してインデックスサーバー201と院内ネットワークによって接続されており、インデックスサーバー201によって生成された提示データを出力する。なお、カンファレンスモニター301の種類は限定されず、当該カンファレンスモニター301としては、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、又は有機ELディスプレイ装置等、各種の公知のディスプレイ装置が用いられてよい。
【0082】
医局PC302は、病院内の医局に設置されるPCである。医局PC302は、インデックスサーバー201と院内ネットワークによって接続されており、インデックスサーバー201によって生成された提示データを出力する。
【0083】
タブレットPC303は、病院のスタッフによって所持されるタブレットPCである。タブレットPC303は、インデックスサーバー201と院内ネットワークによって接続されており、インデックスサーバー201によって生成された提示データを出力する。タブレットPC303は、病院外に持ち出されてもよい。
【0084】
提示データには、端末の表示画面に表示される表示画面データが少なくとも含まれる。端末においては、その表示画面に、当該表示画面データが表示される。また、提示データには、端末から出力される音声データが更に含まれてもよく、端末において当該音声データが出力されてもよい。この提示データの出力は、予め端末にインストールされているソフトウェアを用いて実行されてもよいし、端末に対して、当該提示データを出力するための専用のアプリケーションソフトが提供されてもよい。
【0085】
インデックスサーバー201は、
図1に示すインデックスサーバー201と同一のものである。手術データ参照システム2では、インデックスサーバー201は、上述した2つ目の機能(自身が生成したインデックスファイルに基づいて、ユーザからの参照要求に従った手術データ及び/又は患者情報を記録装置及び/又は患者情報管理装置から読み出し、読み出した手術データ及び/又は患者情報に基づいて、当該ユーザに提示される提示データを生成する機能)を実行する。
【0086】
具体的には、手術データ参照システム2では、インデックスサーバー201に対して、ユーザから、手術データを参照するための要求(参照要求)が入力される。参照要求は、少なくとも、ユーザが参照したい手術データを特定するための情報を含む。当該手術データを特定するため情報の具体的な内容は限定されない。例えば、参照要求は、参照したい特定の手術データを具体的に指し示すものであってもよい。あるいは、参照要求は、ユーザが参照したい手術データを特定するためのキーワードであってもよい。当該キーワードは、例えば、手術の対象であった患者の患者ID、手術を行った執刀医のID、手術に参加した医療スタッフのID、手術の日時、及び/又は手術の場所等であり得る。参照要求では、ある1つの種類の手術データのみが要求されてもよいし、複数の種類の手術データが要求されてもよい。複数の種類の手術データが要求される場合には、かかる手術データは、互いに異なる複数の手術における手術データであってもよい。
【0087】
参照要求の入力は、端末を介して実行され得る。この場合、端末に対して、参照要求を入力するためのアプリケーションソフトが提供され得る。あるいは、参照要求は、インデックスサーバー201に設けられる入力装置を介して直接入力されてもよい。
【0088】
なお、ユーザが参照要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)が提供されてもよい。当該GUIでは、例えば、手術データを参照する目的に応じて、参照する手術データの種類が予め規定されているテンプレートが用意され得る。当該テンプレートを用いれば、手術データの種類については予め規定されているため、ユーザは、どの手術時の手術データを参照するかだけを指定すればよく、ユーザの操作性が向上する。例えば、教育目的であれば、当該GUIとして、異なる2つの内視鏡映像データを指定するための入力画面が表示されてよい。ユーザは、当該入力画面において、例えば上述したキーワードを用いて一方の内視鏡映像データとして自身が行った手術時の内視鏡映像データを指定するとともに、他方の内視鏡映像データとして指導医が行った同一症例についての手術時の内視鏡映像データを指定する。この場合、これら2つの内視鏡映像データが読み出されることとなるから、ユーザは、これらの内視鏡映像データを比較しながら参照し、自身の手技を振り返ることができる。あるいは、例えば、学会発表用の資料作成目的であれば、当該GUIとして、学会発表用の資料に頻繁に含まれる手術データをキーワード等によって指定するための入力画面が表示されてよい。
【0089】
また、本実施形態では、参照要求は、その参照することを要求した手術データを端末に表示する際の、表示画面レイアウトについての要求も含む。かかる要求は、具体的には、画面内の領域の分け方、及び各領域に表示させる手術データの種類等についての情報を含む。かかる表示画面レイアウトについての要求を入力するために、専用のGUIが提供されてもよい。
【0090】
なお、参照要求は、参照したい手術データを特定するための情報に加え、参照したい患者情報を特定するための情報を更に含んでもよい。患者情報を特定するための情報も、手術データを特定するための情報と同様に、特定の患者情報を具体的に指し示すものであってもよいし、参照したい患者情報を特定するためのキーワードであってもよい。また、ある1つの患者情報のみが要求されてもよいし、複数の種類の患者情報が要求されてもよい。更に、患者情報についても、GUI及びテンプレートが提供されてもよい。
【0091】
インデックスサーバー201は、手術ごとに生成し保存していた統合データインデックスファイルの中から、入力された参照要求に対応する統合データインデックスファイル(すなわち、入力された参照要求によって特定される手術データについての統合データインデックスファイル)を抽出する。そして、インデックスサーバー201は、その抽出した統合データインデックスファイルを用いて記録装置にアクセスし、入力された参照要求に対応する手術データを取得する。参照要求に、参照したい患者情報を特定するための情報が含まれる場合には、インデックスサーバー201は、同様に、その患者情報についての統合データインデックスファイルを抽出するとともに、その抽出した統合データインデックスファイルを用いて患者情報管理装置にアクセスし、入力された参照要求に対応する患者情報を取得する。
【0092】
手術データを取得すると、インデックスサーバー201は、ユーザに対して提示されるデータである提示データを生成する。例えば、インデックスサーバー201は、提示データとして、参照要求に含まれる表示画面レイアウトについての要求に従ってその手術データが表示画面上に配置された、表示画面データを生成する。参照要求に、参照したい患者情報を特定するための情報が含まれ、当該患者情報も取得されている場合には、インデックスサーバー201は、当該患者情報も含めて表示画面データを生成する。
【0093】
そして、インデックスサーバー201は、生成した表示画面データを提示データとして端末に送信する。端末に、送信された表示画面データが表示されることにより、ユーザは、当該端末を介して自身が要求した手術データ(及び患者情報)を参照することができる。なお、参照要求によって手術データに含まれる音声データの参照も要求されている場合には、提示データには、当該音声データも含まれる。
【0094】
なお、要求された手術データが映像データを含む場合には、端末は、当該映像データをインデックスサーバー201から一括してダウンロードし、その後当該映像データを再生してもよいし、インデックスサーバー201が当該映像データをスクリーミング配信してもよい。ただし、上述したように、特に高解像度で撮影されている場合には、映像データの容量は大きなものとなるため、端末のスペックによっては、映像データの再生を円滑に実行するために、スクリーミング配信を用いる方が好ましい。
【0095】
また、要求された手術データが同一の手術についての複数の種類の手術データを含む場合には、インデックスサーバー201は、表示画面データにおいて、これらの手術データを同一のタイムコードで表示させ得る。これにより、ユーザは、複数の種類の手術データを、手術の経過に応じた同一の時間軸で参照することができる。
【0096】
また、要求された手術データが映像データを含む場合には、インデックスサーバー201は、表示画面データにおいて、当該映像データのサムネイル画像群を表示させてもよい。当該サムネイル画像群は、当該映像データを所定の時間間隔で分割した際の各時刻におけるサムネイル画像が、表示画面内の所定の方向に時系列に並べられたものであってよい。当該表示画面データにおいては、そのサムネイル画像群における一のサムネイル画像を選択することにより、その選択されたサムネイル画像に対応する時刻から映像データが再生され得る。つまり、ユーザは、サムネイル画像群を用いて、映像データの再生位置を指定することができる。これにより、ユーザは、所望の時刻から映像データを参照することができるため、ユーザの利便性が向上する。特に、教育目的のために自身の手術時の映像データと、指導医の手術時の映像データと、を比較する際には、これらは互いに異なる手術時に取得された映像データであるため、当然、同一のタイムコードで取得されたものではない。従って、上記サムネイル画像群が用意され、ユーザが、各映像データの再生位置を適宜指定できることにより、ユーザは、例えば同一の手技についての位置から各映像データを同時に再生する等の操作を行うことにより、互いに異なるタイムコードで取得された映像データについても、比較しながら参照することが可能になる。
【0097】
また、要求された手術データが映像データを含む場合には、インデックスサーバー201は、表示画面データにおいて、当該映像データの解像度を落として表示させてもよい。解像度を落とすことにより、表示画面データのデータ容量を小さくすることができるため、当該表示画面データの端末への送信、及び端末での当該表示画面データの参照が、より容易に行えることとなる。この場合には、ユーザが所定の操作(例えば、映像データが表示されている領域を選択する操作等)を行うことにより、表示画面データが変更され、高解像度の映像データが改めて表示されてもよい。
【0098】
また、インデックスサーバー201は、生成した過去の提示データを保存してもよい。そして、ユーザが参照要求を入力する際に、当該ユーザに対して、当該過去の提示データが提示され、当該ユーザが当該過去の提示データを選択することにより、その提示データに対応する参照要求が入力可能であってもよい。これにより、ユーザが過去に参照した手術データの組み合わせ及び表示画面レイアウトを再び参照した場合に、参照要求を再度初めから入力する必要がなく、より簡易な操作で当該参照要求を入力することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
【0099】
以上、本実施形態に係る手術データ参照システム2の構成について説明した。なお、手術データ参照システム2の構成は、図示する例に限定されない。手術データ参照システム2は、インデックスサーバー201が、記録装置及び端末と通信可能に接続されればよく、接続される記録装置及び端末の具体的な装置の種類は、適宜決定されてよい。例えば、手術データのうちの一部について、予めユーザが参照しないことが決定しているのであれば、その手術データが記録、保存される記録装置は、手術データ参照システム2に含まれなくてもよい。また、例えば、端末の種類は図示する例に限定されず、端末としては、表示機能を有する装置であれば、各種の装置が用いられてよい。例えば、
図1に示す壁面モニター132等、手術室内のモニターが、端末として機能してもよい。この場合、手術中に参照要求をインデックスサーバー201に送信することにより、過去の手術における手術データを即座に確認することが可能になる。
【0100】
以上説明したように、手術データ参照システム2によれば、参照要求を入力するという簡便な操作によって、所望の手術データを選択することが可能であるため、ユーザの利便性を向上させることができる。この際、同一の手術において取得された又は互いに異なる手術において取得された複数の種類の手術データも、簡便な操作で指定することが可能である。
【0101】
従って、例えば、異なる種類の手術データを同一のタイムコードで参照することが容易に行える。また、例えば、自身が行った手術における映像データと、指導医が行った同一症例についての手術における映像データと、を容易に比較することができる。この際、手術データ参照システム2によれば、参照したい手術データを端末に表示する際の表示画面レイアウトを、ユーザが自由に設定可能であるため、例えばこれらの手術データや映像データを所望のレイアウトで見比べることができる。なお、端末に表示される表示画面の例については、下記(4.表示画面の例)で説明する。
【0102】
ここで、医師、特に外科医の育成における手術映像の有用性は一般的に認められており、特に音声付きの映像視聴による教育効果については、様々な学会発表等でも見受けられる。また、この映像による教育効果については、特に内視鏡外科手術においては、内視鏡映像と体腔外の映像をともに表示させ、例えば鉗子操作に係るこれらの映像を並列的に視聴することにより、教育効果がより一層高まるという意見がある。また、一般的に、教育目的として、若手医師が、優秀な執刀医の手術映像を見て、その手技を真似することが行われている。この際、自らの手術と優秀な執刀医の手術の違いを理解するためには、各々の手術映像を並列して見ることが効果的である。
【0103】
このように、医療分野においては、自身の手術映像と、他の映像とを一画面で同時に視聴したいという要望が大きかった。しかしながら、これまでの既存の技術では、手術データを統合的に管理することが困難であったため、このような要望を実現することが難しかった。例えば、ユーザは、参照したい自身の手術映像と他の映像が保存されている装置を特定し、それらの装置からこれらの映像データを抽出する作業を手作業で行わなければならず、その負担が大きかった。また、抽出した2つの映像を見比べる際にも、これら2つの映像を別々に表示し、交互に視聴する必要があり、映像の比較を行い難い状況であった。
【0104】
これに対して、手術データ参照システム2では、上述したように、ユーザが参照したい複数の手術データを簡便な操作で選択可能であり、また、その手術データの表示画面レイアウトもユーザが自由に設定可能であるため、異なる2つの手術映像を比較しながら視聴したいという上記要望を好適に満たし得る。このように、手術データ参照システム2は、若手医師の教育のために非常に有用なシステムであり得る。
【0105】
更に、例えば手術中に優秀な執刀医の手術映像を表示することができれば、手術の品質向上に大変有益である。手術をサポートするためのシステムとしては、ナビゲーションシステムが広く用いられているが、ナビゲーションシステムは、例えばCG(Computer Graphics)等で描かれた仮想的な臓器に対する手技の手順を参照表示するものであり、その場面に応じたお手本となるべき映像を表示するものではない。手術データ参照システム2によれば、上述したように、手術中に、簡便な操作で、手術室内のモニターに、過去の手術時の映像データを表示させることができるため、このような手術時のナビゲーションとしても有用な情報を提供することができる。
【0106】
(3.インデックスサーバー(医療情報管理装置)の機能構成)
図4を参照して、
図1及び
図3に示すインデックスサーバー201の機能構成について説明する。
図4は、インデックスサーバー201の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0107】
図4を参照すると、インデックスサーバー201は、その機能として、統合データインデックスファイル生成部202と、データ取得部203と、提示データ生成部204と、記憶部205と、を有する。これらの機能のうち、統合データインデックスファイル生成部202、データ取得部203、及び提示データ生成部204は、インデックスサーバー201のプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより実現され得る。また、記憶部205は、例えばHDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置によって実現される。
【0108】
統合データインデックスファイル生成部202は、手術ごとに、統合データインデックスファイルを生成する。つまり、統合データインデックスファイル生成部202は、上述した手術データ記録システム1におけるインデックスサーバー201の機能に対応するものである。統合データインデックスファイル生成部202は、生成した統合データインデックスファイルを、記憶部205に保存する。
【0109】
なお、統合データインデックスファイル生成部202が統合データインデックスファイルを生成するトリガは、任意に設定されてよい。例えば、統合データインデックスファイル生成部202は、手術終了後にユーザから与えられる指示によって手術が行われたことを検知し、統合データインデックスファイルを生成してもよいし、記録装置を逐次監視することにより、当該記録装置に新たな手術データが記録されたことによって手術が行われたことを検知し、統合データインデックスファイルを生成してもよい。
【0110】
データ取得部203は、ユーザから入力される参照要求に従って、記憶部205から当該参照要求に対応する統合データインデックスファイルを抽出するとともに、その抽出した統合データインデックスファイルを用いて記録装置にアクセスし、当該参照要求によって指定されている手術データを取得する。なお、参照要求に患者情報についての要求も含まれている場合には、データ取得部203は、同様に、記憶部205から当該参照要求に対応する統合データインデックスファイルを抽出するとともに、その抽出した統合データインデックスファイルを用いて患者情報管理装置にアクセスし、当該参照要求によって指定されている患者情報を取得する。
【0111】
データ取得部203は、取得した手術データを、提示データ生成部204に提供する。患者情報が取得されている場合には、データ取得部203は、その取得した患者情報も併せて、提示データ生成部204に提供する。
【0112】
提示データ生成部204は、データ取得部203によって取得された手術データを用いて、ユーザから入力される参照要求に従って、ユーザに提示される提示データを生成する。参照要求には、表示画面レイアウトについての情報が含まれており、提示データ生成部204は、その表示画面レイアウトを実現するように、提示データとして表示画面データを生成する。患者情報が取得されている場合には、提示データ生成部204は、その患者情報も用いて当該表示画面データを生成する。また、参照要求に音声データについての要求が含まれる場合には、提示データ生成部204は、当該音声データも提示データに含める。
【0113】
また、提示データ生成部204は、提示データに含まれる手術データに関連するイベント情報を、提示データに含めてよい。提示データ生成部204は、例えば、ユーザの指示に基づき手術データから検出される手術に関連するイベントに関するイベント情報を、抽出する。そして、提示データ生成部204は、抽出されたイベント情報を提示データとして生成する。なお、抽出されたイベント情報に対応する提示データには、他の情報が含まれていてもよい。
【0114】
また、提示データ生成部204は、画面に表示された手術データの時刻に合わせて、手術データに対応するイベント情報を表示させてよい。また、提示データ生成部204は、各サムネイル画像に対し、対応するイベント情報を付加して表示させてもよい。さらに、提示データ生成部204は、ユーザの指示に基づきイベント情報を検索し、対応する手術データを提示するようにしてもよい。
【0115】
提示データ生成部204は、生成した提示データを端末に送信する。端末において、当該提示データが表示され、ユーザによって視聴される。
【0116】
以上、インデックスサーバー201の機能構成の一例を示した。なお、インデックスサーバー201の具体的な装置構成は限定されない。
図4に示す各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。かかる構成は、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更され得る。
【0117】
また、インデックスサーバー201は、必ずしも1つの装置でなくてもよく、複数の装置の協働によって実現されてもよい。この場合には、インデックスサーバー201の各機能が、これらの機能を実現し得る構成を有する複数の装置に分散して搭載され、これら複数の装置が互いに各種の情報をやり取りしながら協働して動作することにより、全体として、インデックスサーバー201としての機能が実現され得る。
【0118】
なお、上記のようなインデックスサーバー201の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0119】
(4.表示画面の例)
図5及び
図6を参照して、端末における表示画面のいくつかの例について説明する。
図5は、手術データが表示された端末の表示画面の一例を示す図である。
図5に示す例では、表示画面401は、9つの領域に分割されている。最も大きな領域402には、ユーザが行った手術における内視鏡映像が表示される。領域402の横の領域403、404には、指導医が行った同一症例の手術における内視鏡映像、及び術野カメラ映像が、それぞれ表示される。自身の内視鏡映像と指導医の内視鏡映像が並べて表示されることにより、ユーザは、指導医との手技の比較を容易に行うことができる。また、自身の内視鏡映像と術野カメラ映像が並べて表示されることにより、ユーザは、体腔内での処置具の動きと体腔外での処置具の動きを同時に確認することができる。
【0120】
このとき、ユーザの内視鏡映像及び術野カメラ映像は、同一の手術において同一のタイムコードで取得された映像データである。これら内視鏡映像及び術野カメラ映像は、表示画面401上においても、同一のタイムコードで再生される。一方、指導医の内視鏡映像は、ユーザの内視鏡映像とは異なる手術において取得されたものであるため、ユーザの内視鏡映像とは異なるタイムコードを有する。そこで、本実施形態では、ユーザが手動で、指導医の内視鏡映像の再生開始位置を調整することができる。これにより、異なるタイムコードで取得されたユーザの内視鏡映像及び指導医の内視鏡映像について、同一の手技についての場面を同時に再生する等の調整を行うことができ、自身の内視鏡映像と指導医の内視鏡映像とを比較することが可能になる。指導医の内視鏡映像の再生開始位置の調整は、後述するサムネイル画像群を用いて行うことができる。
【0121】
領域402、403、404の下部には、音声データがテキスト表示される領域405が設けられる。領域405には、ユーザの内視鏡映像と同一のタイムコードで取得された音声データがテキストで表示される。当該音声データには、指導医による口頭での指示等が含まれるため、当該音声データは、内視鏡映像によって自身の手術を顧みる際に有用なデータであり得る。なお、表示画面401を参照する環境によっては、音声を出力できないことも考えられるため、このような場合においては、音声データがテキスト表示されることが大変有用となる。
【0122】
領域405の下部には、領域402、403、404に表示されている各映像のサムネイル画像群が表示される領域406が設けられる。領域406には、所定の時間間隔で分割された各映像についてのサムネイル画像が、映像ごとに、例えば横方向を時間方向として時系列で並べられて表示される。ユーザによってサムネイル画像群の中の一のサムネイル画像が選択されると、そのサムネイル画像に対応する映像が、そのサムネイル画像に対応する時間から領域402、403、404において再生される。つまり、ユーザは、サムネイル画像を選択することにより、その映像の再生開始位置を選択することができる。かかるサムネイル画像群を用いて各映像の再生位置を適宜調整することにより、上述したように、ユーザは、例えば自身の内視鏡映像及び指導医の内視鏡映像について、同一の手技についての場面を同時に再生する等の調整を行うことができる。
【0123】
なお、各サムネイル画像に対して、手術の場面を特定し得る情報が重畳表示されてもよい。ユーザは、当該情報を参照することにより、所望の再生位置を示すサムネイル画像をより精度良く選択することが可能になる。当該情報は、例えば、機器ログデータに含まれる装置の設定値であり得る。例えば、エナジーデバイスの出力電力の設定値は、手術の進行に応じて増減し得る。従って、当該設定値は、手術の進捗度合いを示す指標となり得るため、サムネイル画像に重畳される情報として好適である。もちろん、その他の医療機器の設定値が用いられてもよい。この際、上述したように、サムネイル画像は、所定の時間間隔で表示されているから、重畳表示される値は、そのサムネイル画像に対応する時刻における設定値であってもよいし、そのサムネイル画像間に対応する期間における設定値の最大値、最小値、平均値又は中央値等であってよい。
【0124】
また、時間方向に並べられた各サムネイル画像は、全てが同一の大きさで表示されてもよいし、ある特定のサムネイル画像のみが時間方向に伸長して拡大表示されてもよい。例えば、手術時に何らかのイベントが発生した時刻におけるサムネイル画像が拡大表示されることにより、ユーザは、所望の再生位置を示すサムネイル画像をより精度良く選択することが可能になる。拡大表示されるサムネイル画像は、ユーザによって選択されてもよいし、機器ログデータやバイタルデータ等に基づいて自動的に決定されてもよい。その決定基準は、例えば、機器ログデータに含まれるある医療機器の設定値がしきい値を超えたとき又は下回ったとき等、手術時にイベントが発生したことを示し得る基準として、ユーザによって適宜決定されてよい。
【0125】
領域406の下部には、バイタルデータが表示される領域407が設けられる。領域407には、バイタルデータに含まれるいずれかのデータがグラフで表示される。ここで、領域407には、ユーザの内視鏡映像に対応するバイタルデータ(すなわち、ユーザの内視鏡映像データと同時に取得されたバイタルデータ)が、当該内視鏡映像と同一のタイムコードで表示される。つまり、ユーザが領域406においてサムネイル画像を選択した場合には、それに連動して、そのサムネイル画像に対応する時刻から自身の内視鏡映像が再生されるとともに、その時刻からのバイタルデータの時間変化がグラフ表示され得る。なお、領域407では、指導医の内視鏡映像に対応するバイタルデータも同時に表示されてもよい。当該バイタルデータも、サムネイル画像の選択に連動して、指導医の内視鏡映像と同一のタイムコードで表示され得る。これにより、ユーザは、内視鏡映像と指導医の内視鏡映像とを比較しつつ、領域407においてその際のバイタルデータも同時に比較することが可能になる。従って、同一の症例に対する手術において、患者に与えた侵襲を比較することが可能になる。
【0126】
また、表示画面401には、更に、ユーザの内視鏡映像に対応するバイタルデータ、麻酔データ、及び機器ログデータと、指導医の内視鏡映像に対応するバイタルデータ、麻酔データ、及び機器ログデータと、を比較するための領域408、409、410が設けられる。図示する例では、領域408には、麻酔データ、並びにバイタルデータに含まれる出血量及び輸液量のデータが比較表示され、領域409には、バイタルデータに含まれるその他のデータが比較表示され、領域410には、機器ログデータのうちのエナジーデバイスの設定値が比較表示されている。領域408、409、410に表示されるデータも、サムネイル画像の選択に連動して、ユーザの内視鏡映像と同一のタイムコード及び指導医の内視鏡映像と同一のタイムコードで、それぞれ表示され得る。これら領域408、409、410における表示により、患者に与える侵襲をより詳しく比較することが可能になる。
【0127】
なお、
図5では、説明のため、便宜的に、図中に、「同一タイムコード」及び「連動」を示す矢印を記載しているが、当該矢印は、実際に表示画面上に表示されるものではないことに留意されたい。
【0128】
図6は、手術データが表示された端末の表示画面の他の例を示す図である。
図6に示す例では、表示画面421は、6つの領域に分割されている。最も大きな領域422には、
図5に示す例と同様に、ユーザの内視鏡映像が表示される。ただし、
図6に示す例では、
図5に示す例とは異なり、領域422には、アノテーションデータが重畳された内視鏡映像が表示される。このようなアノテーションデータの重畳表示を行うことにより、指導を受けていた医師が後から自身の手術の内視鏡映像を見返した際に、復習効果がより高まることが期待される。
【0129】
領域422の横の領域423、424には、俯瞰カメラ映像及び術野カメラ映像が、それぞれ表示される。俯瞰カメラ映像及び術野カメラ映像は、ユーザの内視鏡映像と同一のタイムコードで表示される。これにより、複数の映像によって、複合的に手術の状況を振り返ることが可能になる。
【0130】
また、領域422、423、424の下部には、バイタルデータがグラフ表示される領域425、音声データがテキスト表示される領域426、及び機器ログデータ(医療機器の設定値)が表示される領域427が設けられる。これらバイタルデータ、音声データ、及び機器ログデータは、ユーザの内視鏡映像と同一のタイムコードで表示される。これらのデータが表示されることにより、内視鏡映像と同期しながら、自らの処置が患者に与えた影響、指導医からの口頭での指示の内容、及びチームの会話の内容等についても振り返ることが可能となり、より教育効果が高まることが期待できる。
【0131】
以上、端末における表示画面のいくつかの例について説明した。なお、表示画面は
図5及び
図6に示すものに限定されず、表示画面に表示させる手術データ、及び表示画面レイアウトは、ユーザによって適宜選択可能である。また、複数の端末の表示画面に対して、それぞれ、以上説明したような手術データの表示画面が表示されてもよい。この場合、各端末において同一の表示画面が表示されてもよいし、互いに異なる表示画面が表示されてもよい。前者の場合には、インデックスサーバー201は、生成した提示データを、複数の端末に対して同時に出力する。後者の場合には、インデックスサーバー201は、複数の表示画面に対応する複数の提示データを生成し、それらを複数の端末に対してそれぞれ出力する。例えば、カンファレンス等において、複数の医師が各自の端末で同一の手術データを各々確認する場合等には、各端末において同一の表示画面が表示され得る。あるいは、映像データをより大画面で確認したい場合等には、並べて設置された2つの端末に、互いに異なる映像データに係る表示画面が表示され得る。
【0132】
(5.医療情報管理方法)
以上説明した、インデックスサーバー201によって実行される情報処理方法(医療情報管理方法)の処理手順について説明する。
図7は、本実施形態に係る医療情報管理方法の処理手順の一例を示すフロー図である。なお、
図7に示す各処理は、
図1、
図3、及び
図4に示すインデックスサーバー201によって実行される処理に対応している。インデックスサーバー201のプロセッサが所定のプログラムに従って演算処理を実行することにより、
図7に示す各処理が実行される。
図7に示す各処理の詳細については、インデックスサーバー201の機能について説明する際に既に上述しているため、以下の
図7に示す各処理についての説明では、これら各処理の概要を述べるに留め、その詳細な説明は省略する。
【0133】
図7を参照すると、本実施形態に係る医療情報管理方法では、まず、手術が行われたかどうかが判定される(ステップS101)。
【0134】
ステップS101で手術が行われたと判定された場合には、ステップS103に進む。ステップS103では、その手術についての統合データインデックスファイルが生成される。ステップS103における処理が終了すると、ステップS105に進む。なお、ステップS101及びステップS103における処理は、
図4に示す統合データインデックスファイル生成部202が実行する処理に対応している。
【0135】
ステップS101で手術が行われなかったと判定された場合には、ステップS103における処理をスキップし、ステップS105に進む。ステップS105では、手術データの参照要求が入力されたかどうかが判定される。
【0136】
ステップS105で参照要求が入力されていないと判定された場合には、一連の処理を終了する。
【0137】
一方、ステップS105で参照要求が入力されていると判定された場合には、ステップS107に進む。ステップS107では、その参照要求に対応する統合データインデックスファイルを用いて、手術データが取得される。参照要求において患者情報も要求されている場合には、対応する統合データインデックスファイルを用いて、患者情報も併せて取得され得る。なお、ステップS101及びステップS103における処理は、
図4に示すデータ取得部203が実行する処理に対応している。
【0138】
次に、取得した手術データに基づいて、提示データが生成される(ステップS109)。そして、生成された提示データが端末に対して出力され(ステップS111)、一連の処理が終了する。なお、ステップS109及びステップS111における処理は、
図4に示す提示データ生成部204が実行する処理に対応している。
【0139】
(6.ハードウェア構成)
図8を参照して、本実施形態に係る医療情報管理装置のハードウェア構成について説明する。
図8は、本実施形態に係る医療情報管理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示される医療情報管理装置900は、上記の実施形態におけるインデックスサーバー201を実現し得る。
【0140】
医療情報管理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)903及びRAM(Random Access Memory)905を含む。また、医療情報管理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923、及び通信装置925を含んでもよい。医療情報管理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0141】
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919又はリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、医療情報管理装置900内の動作全般又はその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM903及びRAM905は、CPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。CPU901は、本実施形態では、例えば、
図4に示す統合データインデックスファイル生成部202、データ取得部203、及び提示データ生成部204を構成し得る。
【0142】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバー等、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、医療情報管理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器929であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、医療情報管理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0143】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、有機ELディスプレイ装置、ランプ、プロジェクタ、照明等の表示装置、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置、並びに、プリンター等であり得る。出力装置917は、医療情報管理装置900における処理により得られた結果を、テキスト又は画像等の映像として出力したり、音声又は音響などの音声として出力したりする。
【0144】
ストレージ装置919は、医療情報管理装置900の記憶部として機能するデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ及び外部から取得した各種のデータ等を格納する。本実施形態では、例えば、ストレージ装置919は、
図4に示す記憶部205を構成し得る。
【0145】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927のためのリーダライタであり、医療情報管理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に情報を書き込む。ドライブ921は、医療情報管理装置900において処理される各種の情報を、リムーバブル記録媒体927から読み出したり、リムーバブル記録媒体927に書き込んだりすることができる。
【0146】
接続ポート923は、機器を医療情報管理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等であり得る。また、接続ポート923は、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)ポート等であってもよい。接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、医療情報管理装置900と外部接続機器929との間で各種のデータが交換され得る。接続ポート923を介して、医療情報管理装置900において処理される各種の情報が、外部接続機器929との間で互いに送受信され得る。
【0147】
通信装置925は、例えば、通信ネットワーク931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線又は無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)又はWUSB(Wireless USB)用の通信カード等であり得る。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber line)用のルータ又は各種通信用のモデム等であってもよい。通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IP等の所定のプロトコルを用いて信号等を送受信する。また、通信装置925に接続される通信ネットワーク931は、有線又は無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信又は衛星通信等である。通信装置925は、医療情報管理装置900において処理される各種の情報を、通信ネットワーク931を介して外部の他の機器との間で互いに送受信することができる。
【0148】
以上、医療情報管理装置900のハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。かかる構成は、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更され得る。
【0149】
(7.補足)
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0150】
例えば、上記実施形態では、インデックスサーバー201において提示データが生成され、端末では、その提示データを出力する処理しか行われていなかったが、本開示はかかる例に限定されない。例えば、インデックスサーバー201は、統合データインデックスファイルを生成する機能、及び参照要求に従って統合データインデックスファイルを用いて手術データを取得する機能のみを有してもよい。この場合には、インデックスサーバー201は、取得した手術データを端末に送信する。そして、端末において、当該手術データを用いて提示データが生成され、出力されてもよい。あるいは、提示データの生成処理の一部がインデックスサーバー201によって行われ、残りが端末において行われてもよい。ただし、手術データは膨大なデータとなり得るため、端末の情報処理能力が低い場合には、端末において手術データを処理することは困難となる可能性がある。従って、本開示においては、より高い情報処理能力を有するインデックスサーバー201において提示データを生成する上述した実施形態に係る構成が、より好ましいと考えられる。
【0151】
また、上記実施形態では、互いに異なる手術において取得された映像データをともに再生する際に、その再生開始位置を揃える処理が、ユーザによるサムネイル画像の選択操作によって行われていたが、本開示はかかる例に限定されない。この再生開始位置を揃える処理は、インデックスサーバー201によって提示データが生成される際に、自動で行われてもよい。例えば、画像解析技術を用いて2つの映像データをそれぞれ解析して映像内の臓器や処置具の種類を特定し、2つの映像データにおける手術の進捗具合を把握することにより、その再生開始位置を揃えることができる。あるいは、機器ログデータを参照して医療機器の設定値の時間変化を解析し、2つの映像データにおける手術の進捗具合を把握することにより、その再生開始位置を揃えることができる。
【0152】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的又は例示的なものであって限定的なものではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
【0153】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
手術中に取得される各種のデータである手術データの保存場所を示すインデックス、及び前記手術の対象である患者についての患者情報の保存場所を示すインデックスが手術ごとに統合された統合データインデックスファイル、を生成する、統合データインデックスファイル生成部、
を備える、医療情報管理装置。
(2)
前記手術データを参照するための参照要求が入力された場合に、前記参照要求によって指定される前記手術データに対応する統合データインデックスファイルを用いて、前記参照要求によって指定される前記手術データが記録される記録装置にアクセスすることにより、前記参照要求によって指定される前記手術データを取得する、データ取得部、を更に備える、
前記(1)に記載の医療情報管理装置。
(3)
前記データ取得部によって取得された前記手術データを用いて、前記参照要求を行ったユーザの端末において出力される提示データを生成する、提示データ生成部、を更に備える、
前記(2)に記載の医療情報管理装置。
(4)
前記手術データは、手術の様子を表す映像データを含み、
前記提示データは、前記端末において表示される表示画面データを含み、
前記表示画面データでは、前記映像データと、前記手術データに含まれる他のデータのうちの少なくともいずれかと、が、同一のタイムコードで表示される、
前記(3)に記載の医療情報管理装置。
(5)
前記映像データは、内視鏡によって撮影される内視鏡映像データ、手術室内を俯瞰撮影する俯瞰カメラによって撮影される俯瞰カメラ映像データ、及び術野を撮影する術野カメラによって撮影される術野カメラ映像データ、の少なくともいずれかを更に含み、
前記表示画面データでは、前記内視鏡映像データ、前記俯瞰カメラ映像データ及び前記術野カメラ映像データのうちの少なくとも2つが、同一のタイムコードで表示される、
前記(4)に記載の医療情報管理装置。
(6)
前記手術データは、患者のバイタルデータ、患者に対する麻酔に関する情報である麻酔データ、及び医療機器のログデータである機器ログデータ、の少なくともいずれかを更に含み、
前記表示画面データでは、前記映像データと、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかと、が、同一のタイムコードで表示される、
前記(4)又は(5)に記載の医療情報管理装置。
(7)
前記手術データは、手術室内の音声データを更に含み、
前記表示画面データでは、前記映像データと、前記音声データに係るテキストと、が、同一のタイムコードで表示される、
前記(4)〜(6)のいずれか1項に記載の医療情報管理装置。
(8)
前記手術データは、手術中に表示される前記映像データに対して指導医が付与したアノテーションデータを更に含み、
前記表示画面データでは、前記映像データと、前記アノテーションデータと、が、同一のタイムコードで表示される、
前記(4)〜(7)のいずれか1項に記載の医療情報管理装置。
(9)
前記提示データは、前記端末において表示される表示画面データを含み、
前記表示画面データでは、前記手術データとともに、前記患者情報が表示される、
前記(3)〜(8)のいずれか1項に記載の医療情報管理装置。
(10)
前記提示データは、前記端末において表示される表示画面データを含み、
前記表示画面データでは、異なる2つの手術における前記手術データが、ともに表示される、
前記(3)〜(9)のいずれか1項に記載の医療情報管理装置。
(11)
異なる2つの手術における前記手術データとしては、それぞれ異なる執刀医によって実行された手術における映像データがそれぞれ表示される、
前記(10)に記載の医療情報管理装置。
(12)
異なる2つの手術における前記手術データとしては、それぞれ異なる執刀医によって実行された手術における、患者のバイタルデータ、患者に対する麻酔に関する情報である麻酔データ、及び医療機器のログデータである機器ログデータ、の少なくともいずれかが比較表示される、
前記(10)又は(11)に記載の医療情報管理装置。
(13)
前記手術データは、手術の様子を表す映像データを含み、
前記提示データは、前記端末において表示される表示画面データを含み、
前記表示画面データでは、前記映像データとともに、前記映像データが所定の時間間隔で分割された各時刻におけるサムネイル画像が時間方向に並べて表示され、選択された前記サムネイル画像に対応する時刻から、前記映像データが再生される、
前記(3)〜(12)のいずれか1項に記載の医療情報管理装置。
(14)
前記手術データは、患者のバイタルデータ、患者に対する麻酔に関する情報である麻酔データ、及び医療機器のログデータである機器ログデータ、の少なくともいずれかを更に含み、
前記サムネイル画像に、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかが、重畳表示される、
前記(13)に記載の医療情報管理装置。
(15)
前記サムネイル画像に対応する時刻における、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかの値が、前記サムネイル画像に重畳表示される、
前記(14)に記載の医療情報管理装置。
(16)
時間方向に並べられた前記サムネイル画像間に対応する期間における、前記バイタルデータ、前記麻酔データ、及び前記機器ログデータのうちの少なくともいずれかの最小値、最大値、平均値、又は中央値が、前記サムネイル画像に重畳表示される、
前記(14)に記載の医療情報管理装置。
(17)
時間方向に並べられた複数の前記サムネイル画像のうちの一部が、時間方向に伸長して拡大表示される、
前記(13)〜(16)のいずれか1項に記載の医療情報管理装置。
(18)
前記提示データ生成部は、ユーザの指示に基づき前記手術データから検出される手術に関連するイベントに関するイベント情報を抽出し、前記提示データとして生成する、
(3)〜(17)のいずれか1項に記載の医療情報管理装置。
(19)
プロセッサが、手術中に取得される各種のデータである手術データの保存場所を示すインデックス、及び前記手術の対象である患者についての患者情報の保存場所を示すインデックスが手術ごとに統合された統合データインデックスファイル、を生成すること、
を含む、医療情報管理方法。
(20)
手術中に取得される各種のデータである手術データを、当該手術中に記録し保存する記録装置と、
前記手術データを統合的に管理する医療情報管理装置と、
前記手術データを表示する端末と、
を備え、
前記医療情報管理装置は、
手術中に取得される各種のデータである手術データの保存場所を示すインデックス、及び前記手術の対象である患者についての患者情報の保存場所を示すインデックスが手術ごとに統合された統合データインデックスファイル、を生成する、統合データインデックスファイル生成部と、
前記手術データを参照するための参照要求が入力された場合に、前記参照要求によって指定される前記手術データに対応する統合データインデックスファイルを用いて、前記参照要求によって指定される前記手術データが記録される記録装置にアクセスすることにより、前記参照要求によって指定される前記手術データを取得する、データ取得部と、
前記データ取得部によって取得された前記手術データを用いて、前記参照要求を行ったユーザの端末において出力される提示データを生成する、提示データ生成部と、を有する、
医療情報管理システム。