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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年9月27日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両のバッテリ配置構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 9/00 20060101AFI20191129BHJP
   B62J 11/00 20060101ALI20191129BHJP
   B62J 35/00 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B62J9/00 H
   B62J11/00 G
   B62J35/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】25
【出願番号】特願2019-507634(P2019-507634)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月16日
(31)【優先権主張番号】特願2017-60183(P2017-60183)
(32)【優先日】2017年3月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八百川 哲雄
(57)【要約】
燃料タンクの下方に配置されるバッテリに容易にアクセスできるようにする。
ヘッドパイプ15から車体後方に延出するメインフレーム16を備える車体フレーム10と、メインフレーム16の上方に位置する燃料タンク35と、メインフレーム16の下方に位置するエンジン11と、バッテリ51とを備える鞍乗り型車両のバッテリ配置構造において、燃料タンク35は、その前端部または後端部に設けられる揺動支持部50によって車体フレーム10に揺動可能に支持されており、バッテリ51は、燃料タンク35とエンジン11との間に設けられるとともに、揺動支持部50が設けられた側とは反対側に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプ(15)から車体後方に延出するメインフレーム(16)を備える車体フレーム(10)と、前記メインフレーム(16)の上方に位置する燃料タンク(35)と、前記メインフレーム(16)の下方に位置するエンジン(11)と、バッテリ(51)とを備える鞍乗り型車両のバッテリ配置構造において、
前記燃料タンク(35)は、その前端部または後端部に設けられる揺動支持部(50)によって前記車体フレーム(10)に揺動可能に支持されており、
前記バッテリ(51)は、前記燃料タンク(35)と前記エンジン(11)との間に設けられるとともに、前記揺動支持部(50)が設けられた側とは反対側に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項2】
前記バッテリ(51)は、少なくともその一部が車両側面視で前記メインフレーム(16)と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項3】
前記メインフレーム(16)は左右一対で設けられ、
前記バッテリ(51)は、左右の前記メインフレーム(16)の間に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項4】
前記バッテリ(51)を収納するバッテリ収納部(60)と、前記バッテリ収納部(60)に設けられて前記バッテリ(51)を上方から覆うリッド(70)とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項5】
前記リッド(70)は、リッド揺動支持部(65)を介して前記バッテリ収納部(60)に揺動可能に支持されており、
前記リッド(70)は、揺動して前記バッテリ(51)を露出させるように開かれた状態になると前記燃料タンク(35)に当接する燃料タンク当接部(75)を備えることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項6】
前記リッド(70)は、前記リッド揺動支持部(65)が設けられた側とは反対側の端部に前記燃料タンク当接部(75)を備えることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項7】
前記リッド揺動支持部(65)は、前記リッド(70)の前後方向の端部において、前記揺動支持部(50)に近い側の端部に設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項8】
前記燃料タンク当接部(75)は、上面視で上方から前記メインフレーム(16)に重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両のバッテリ配置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗り型車両のバッテリ配置構造において、乗員用のシートの下方に燃料タンクが配置され、バッテリが、メインフレームと燃料タンクとの間に配置されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、バッテリは、メインフレームの下方でヘッドパイプとピボットフレームとの間に配置されるエンジンよりも後方に配置されている。上記バッテリは、車体カバーを取り外すことで、車両側方からアクセス可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−1843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ヘッドパイプの後方でメインフレームの上方に燃料タンクが設けられる車両では、燃料タンクの下方にバッテリを配置した場合、バッテリの上方に位置する燃料タンクや、バッテリの下方に位置するフレーム及びエンジンなどの車体構成部品が邪魔になり、バッテリにアクセスし難くなることがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、燃料タンクの下方に配置されるバッテリに容易にアクセスできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この明細書には、2017年3月24日に出願された日本国特許出願・特願2017−060183の全ての内容が含まれる。
本発明は、ヘッドパイプ(15)から車体後方に延出するメインフレーム(16)を備える車体フレーム(10)と、前記メインフレーム(16)の上方に位置する燃料タンク(35)と、前記メインフレーム(16)の下方に位置するエンジン(11)と、バッテリ(51)とを備える鞍乗り型車両のバッテリ配置構造において、前記燃料タンク(35)は、その前端部または後端部に設けられる揺動支持部(50)によって前記車体フレーム(10)に揺動可能に支持されており、前記バッテリ(51)は、前記燃料タンク(35)と前記エンジン(11)との間に設けられるとともに、前記揺動支持部(50)が設けられた側とは反対側に配置されていることを特徴とする。
【0006】
また、上記発明において、前記バッテリ(51)は、少なくともその一部が車両側面視で前記メインフレーム(16)と重なる位置に配置されていても良い。
また、上記発明において、前記メインフレーム(16)は左右一対で設けられ、前記バッテリ(51)は、左右の前記メインフレーム(16)の間に配置されていても良い。
さらに、上記発明において前記バッテリ(51)を収納するバッテリ収納部(60)と、前記バッテリ収納部(60)に設けられて前記バッテリ(51)を上方から覆うリッド(70)とを備える構成としても良い。
【0007】
また、上記発明において、前記リッド(70)は、リッド揺動支持部(65)を介して前記バッテリ収納部(60)に揺動可能に支持されており、前記リッド(70)は、揺動して前記バッテリ(51)を露出させるように開かれた状態になると前記燃料タンク(35)に当接する燃料タンク当接部(75)を備える構成としても良い。
また、上記発明において、前記リッド(70)は、前記リッド揺動支持部(65)が設けられた側とは反対側の端部に前記燃料タンク当接部(75)を備えていても良い。
また、上記発明において、前記リッド揺動支持部(65)は、前記リッド(70)の前後方向の端部において、前記揺動支持部(50)に近い側の端部に設けられていても良い。
また、上記発明において、前記燃料タンク当接部(75)は、上面視で上方から前記メインフレーム(16)に重なる位置に設けられていても良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る鞍乗り型車両のバッテリ配置構造によれば、メインフレームの上方に位置する燃料タンクは、その前端部または後端部に設けられる揺動支持部によって車体フレームに揺動可能に支持されており、バッテリは、燃料タンクとエンジンとの間に設けられるとともに、揺動支持部が設けられた側とは反対側に配置されている。これにより、燃料タンクが揺動支持部を介して揺動すると、燃料タンクの下方に位置するバッテリは、上方に露出するようになる。バッテリは、揺動支持部が設けられた側とは反対側に配置されており、揺動による燃料タンクの移動量が大きい側に位置するため、外側に大きく露出する。このため、燃料タンクの下方に配置されるバッテリに容易にアクセスできる。
また、上記発明において、バッテリは、少なくともその一部が車両側面視でメインフレームと重なる位置に配置されていても良い。この構成によれば、上下の高さを抑えてバッテリを配置できる。
また、上記発明において、メインフレームは左右一対で設けられ、バッテリは、左右のメインフレームの間に配置されていても良い。この構成によれば、左右のメインフレームの間の空間を利用してバッテリを配置できる。また、左右のメインフレームの存在によって側方からバッテリにアクセスし難い構成であっても、上方からバッテリにアクセスできる。
【0009】
さらに、上記発明において、バッテリを収納するバッテリ収納部と、バッテリ収納部に設けられてバッテリを上方から覆うリッドとを備えても良い。この構成によれば、リッドによってバッテリを上方から保護できる。
また、上記発明において、リッドは、リッド揺動支持部を介してバッテリ収納部に揺動可能に支持されており、リッドは、揺動してバッテリを露出させるように開かれた状態になると燃料タンクに当接する燃料タンク当接部を備えても良い。この構成によれば、バッテリにアクセスする際に開かれるリッドを利用して、燃料タンクを揺動した状態に支持しておくことができ、バッテリにアクセスし易い。
また、上記発明において、リッドは、リッド揺動支持部が設けられた側とは反対側の端部に燃料タンク当接部を備えていても良い。この構成によれば、燃料タンクを大きく揺動した位置にリッドで支持でき、バッテリにアクセスし易い。
【0010】
また、上記発明において、リッド揺動支持部は、リッドの前後方向の端部において、揺動支持部に近い側の端部に設けられていても良い。この構成によれば、リッド揺動支持部を介して開かれたリッドによって燃料タンクを支持している状態では、バッテリは、揺動支持部側とは反対側に露出する。このため、リッド及び燃料タンクが邪魔になり難く、バッテリにアクセスし易い。
また、上記発明において、燃料タンク当接部は、上面視で上方からメインフレームに重なる位置に設けられていても良い。この構成によれば、燃料タンクの重量を、燃料タンク当接部を介してメインフレームで効果的に受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。
図2図2は、燃料タンクの周辺部の構造を示す左側面図である。
図3図3は、バッテリケースの周辺部を上方から見た平面図である。
図4図4は、バッテリケースの周辺部を左後方側から見た斜視図である。
図5図5は、バッテリが収納されたバッテリケースの斜視図である。
図6図6は、リッドを揺動軸を中心に揺動させて開いた状態を前方側から見た斜視図である。
図7図7は、燃料タンクをリッドで支持している状態を示す左側面図である。
図8図8は、図3のVIII−VIII断面図である。
図9図9は、図8の状態からリッドを後方に揺動させてリッドを開いた状態における断面図である。
図10図10は、リッドを開いた状態における図3のX−X断面図である。
図11図11は、バッテリケースに収納されたバッテリを上方から見た平面図である。
図12図12は、プラス側ハーネス、マイナス側ハーネス及びバンド固定具を取り外した状態におけるバッテリの周辺部の平面図である。
図13図13は、タンクカバーの周辺部の平面図である。
図14図14は、タンクカバーの周辺部を前方から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車1の左側面図である。なお、図1では、左右一対で設けられるものは、符号を含め左側のものだけが図示されている。
自動二輪車1は、車体フレーム10にパワーユニットとしてのエンジン11が支持され、前輪2を操舵可能に支持する操舵系12が車体フレーム10の前端に操舵可能に支持され、後輪3を支持するスイングアーム13が車体フレーム10の後部側に設けられた車両である。自動二輪車1は、乗員が跨るようにして着座するシート14が車体フレーム10の後部の上方に設けられた鞍乗り型車両である。
【0014】
車体フレーム10は、その前端に設けられるヘッドパイプ15と、ヘッドパイプ15から左右一対で後下がりに後方へ延びるメインフレーム16,16と、メインフレーム16,16の前端部から後下方へ延びる左右一対のダウンフレーム17,17と、メインフレーム16,16の後端から下方に延びる左右一対のピボットフレーム18,18とを備える。
また、車体フレーム10は、メインフレーム16,16の前後の中間部から後上がりに後方へ延びる左右一対のシートフレーム19,19と、ピボットフレーム18,18の上部から後上がりに延びてシートフレーム19,19に連結される左右一対のサブフレーム20,20とを備える。
【0015】
各メインフレーム16は、ヘッドパイプ15の上部から後下がりに延びる上側メインフレーム16aと、ヘッドパイプ15の下部から後下がりに延びて上側メインフレーム16aの後端に連結される下側メインフレーム16bとを備える。
車体フレーム10は、上側メインフレーム16aの前端部と下側メインフレーム16bの前端部とを連結する上ガセット21を備える。
また、車体フレーム10は、下側メインフレーム16bの前端部とダウンフレーム17の前端部とを連結する下ガセット22を備える。
上ガセット21及び下ガセット22は左右一対で設けられる。
【0016】
操舵系12は、ヘッドパイプ15に支持される。
詳細には、操舵系12は、ヘッドパイプ15に回動自在に軸支されるステアリングシャフト24(図4)と、前輪2の左右の両側に配置されて前輪2を支持する左右一対のフロントフォーク25,25と、ステアリングシャフト24の上端に固定されて左右のフロントフォーク25,25の上部を連結するトップブリッジ26と、ステアリングシャフト24の下端に固定されて左右のフロントフォーク25,25を連結するボトムブリッジ27と、トップブリッジ26の上部に固定されるハンドル28とを備える。
前輪2は、フロントフォーク25,25の下端部間に渡される車軸2aに軸支される。
スイングアーム13は、ピボットフレーム18,18に設けられるピボット軸29に軸支されて後方に延びる。後輪3はスイングアーム13の後端部に軸支される。
【0017】
エンジン11は、車体フレーム10から吊り下げられるように設けられ、メインフレーム16,16の下方で、ダウンフレーム17,17とピボットフレーム18,18との間に配置される。
エンジン11は、車幅方向に延びるクランク軸(不図示)を支持するクランクケース30と、クランクケース30の前部の上部から上方に延びるシリンダ部31とを備える。クランクケース30の後部には、変速機(不図示)が内蔵される。シリンダ部31のシリンダ軸線31aは、前上方に延びる。
エンジン11の排気管32は、シリンダ部31の前面から下方に引き出される。排気管32の下流端は、エンジン11の下方に配置されたマフラー33に接続される。
【0018】
エンジン11の駆動力は、チェーン34を介して後輪3に伝達される。
燃料タンク35は、メインフレーム16,16の上方で、シート14とヘッドパイプ15との間に配置される。
ヘッドライト36は、ヘッドパイプ15の前方に設けられる。
シート14は、運転者用の前側シート14aと、前側シート14aの後上方に設けられる同乗者用の後側シート14bとを備える。
運転者用の左右一対のステップ37,37は、ピボットフレーム18,18の下部側に設けられる。
【0019】
自動二輪車1は、車体フレーム10及び燃料タンク35等の車体を覆う車体カバー40を備える。
車体カバー40は、燃料タンク35を覆うタンクカバー41と、タンクカバー41の前端部に取り付けられる左右一対のシュラウド42,42と、前側シート14aとメインフレーム16,16及びサブフレーム20,20との間を覆う左右一対のサイドカバー43,43とを備える。
また、車体カバー40は、シートフレーム19,19の後部を覆うリアカバー44と、エンジン11を下方から覆うアンダーカバー45とを備える。
また、自動二輪車1は、前輪2を上方から覆うフロントフェンダー46と、後輪3を後上方から覆うリアフェンダ47と、後輪3を前上方から覆うインナーフェンダ48とを備える。
【0020】
図2は、燃料タンク35の周辺部の構造を示す左側面図である。ここで、図2では、タンクカバー41、シュラウド42,42、及び、ハンドル28等の部品が取り外された状態が示されている。
燃料タンク35は、ヘッドパイプ15の後方で車体フレーム10の前部を上方から覆うように設けられる。燃料タンク35は、車両前後方向では、メインフレーム16,16及びシートフレーム19,19に跨って設けられる。また、燃料タンク35は、車幅方向(左右方向)でも、メインフレーム16,16及びシートフレーム19,19に跨って設けられる。
【0021】
車体フレーム10は、左右のシートフレーム19,19の前部を車幅方向に連結するクロスメンバ19aを備える。クロスメンバ19aは、シートフレーム19,19よりも上方に延出している。
また、車体フレーム10は、上側メインフレーム16a,16aから上方に延出する左右一対のタンクステー16c,16cを備える。
【0022】
燃料タンク35は、その前部の上面に給油口35aを備える。燃料タンク35の前部の下面は、車両側面視では、上側メインフレーム16aよりも急な傾斜で後下がりに延びる傾斜面35bとなっている。
燃料タンク35は、その後端部が、クロスメンバ19aに設けられるタンク揺動支持部50(揺動支持部)を介して車体フレーム10に支持されている。
タンク揺動支持部50は、車幅方向に延びるヒンジ軸であり、燃料タンク35を揺動自在に支持する。
また、燃料タンク35は、前方に延出する左右一対の固定部35c,35cを、前部の下部の左右の両側部に備える。燃料タンク35は、固定部35c,35cに車幅方向から挿通される固定具35d,35dを介し、上側メインフレーム16a,16aのタンクステー16c,16cに固定される。
【0023】
自動二輪車1の電装部品やエンジン11に接続されるバッテリ51は、箱状のバッテリケース60(バッテリ収納部)に収納されている。バッテリケース60には、バッテリ51を上方から覆うリッド70が取り付けられる。
バッテリ51及びバッテリケース60は、燃料タンク35の前部の下方でエンジン11のシリンダ部31の上方に配置されている。詳細には、バッテリ51及びバッテリケース60は、燃料タンク35の傾斜面35bの下方で左右の上側メインフレーム16a,16aの間に配置されている。また、バッテリ51及びバッテリケース60は、燃料タンク35の固定部35c,35cよりも前方に位置するとともに、その上部が上側メインフレーム16a,16aの上方に位置し、その下部が上側メインフレーム16a,16aの下方に位置する。
【0024】
図3は、バッテリケース60の周辺部を上方から見た平面図である。図4はバッテリケース60の周辺部を左後方側から見た斜視図である。図5は、バッテリ51が収納されたバッテリケース60の斜視図である。ここで、図3及び図4では、燃料タンク35、操舵系12及び車体カバー40の一部の部品等が取り外された状態が図示されている。
図3図5を参照し、バッテリケース60は、その上面が開口した箱状のケース本体部61を備える。ケース本体部61は、左右の側壁61a,61bと、後壁61cと、前壁61dと、底壁61f(図7)と、上面の開口61eとを備える。
【0025】
また、バッテリケース60は、左側の側壁61aの上部から車幅方向の一側方へ延出する側方延出部62と、右側の側壁61bの上部から車幅方向の他側方へ延出する側方延出部63と、前壁61dの上部から前方へ延出する前方延出部64とを備える。
側方延出部62,63の先端部には、リッド70を揺動自在に支持するリッド揺動支持部65,65が設けられている。詳細には、リッド揺動支持部65,65は、車両前後方向において、バッテリケース60の後部の両端部に設けられている。
側方延出部62,63においてリッド揺動支持部65,65よりも車幅方向内側の位置には、ケース固定部62a,63aが設けられている。バッテリケース60は、ケース固定部62a,63aに上方から挿通されるケース固定ボルト66,66によって上側メインフレーム16a,16aに固定される。
【0026】
また、側方延出部62,63においてケース固定部62a,63aよりも車幅方向内側には、上方に延出するガイド部67,67が設けられている。ガイド部67,67は、前後方向に延びる板状のリブである。
前方延出部64は、上方に延出するリッド係合部64aを備える。
直方体のブロック状に形成されるバッテリ51は、ケース本体部61の開口61eからケース本体部61に収納される。バッテリ51は、開口61eを車幅方向に跨ぐようにバッテリケース60に取り付けられるバンド68によって固定される。
【0027】
上側メインフレーム16a,16aの上面においてタンクステー16c,16cの前方には、ケース固定ボルト66,66が締結されるバッテリケースステー16d,16dが設けられている。
バッテリケース60は、ケース本体部61が上方から上側メインフレーム16a,16aの間に差し込まれ、左右の側方延出部62,63が上側メインフレーム16a,16aのバッテリケースステー16d,16dに固定される。
バッテリケース60の側方延出部62,63は、上側メインフレーム16a,16aを跨いで車幅方向外側に延びており、リッド揺動支持部65,65は上側メインフレーム16a,16aよりも外側に位置する。
【0028】
図2図4を参照し、リッド70は、ケース本体部61及び側方延出部62,63を上方から覆うように形成されており、前後方向よりも車幅方向に長く延びている。
リッド70は、車幅方向外側に突出する揺動軸71,71を車幅方向の両端部に備える。詳細には、揺動軸71,71は、車両前後方向において、リッド70の後部の両端部に設けられている。
リッド70は、揺動軸71,71がリッド揺動支持部65,65に嵌合してバッテリケース60に取り付けられ、揺動軸71,71を中心に揺動可能である。リッド70の揺動の揺動軸線71aは、ヒンジ軸であるタンク揺動支持部50(図2)の揺動軸線と平行である。
【0029】
リッド70の前縁における車幅方向の中央部には、バッテリケース60のリッド係合部64aに係合する係合部72が設けられている。図3のように、リッド70が閉じられてケース本体部61の開口61eを塞ぐ状態では、係合部72がリッド係合部64aに係合することで、リッド70が閉状態にロックされている。リッド係合部64aと係合部72との係合は、例えばスナップフィット方式である。
【0030】
リッド70は、図2及び図3のようにリッド70を閉じた状態において上方に突出する燃料タンク当接部75,75を左右一対備える。
燃料タンク当接部75,75は、車両前後方向においてリッド70の前部に位置し、車両前後方向で揺動軸71,71とは反対側に位置する。また、燃料タンク当接部75,75は、バッテリケース60の側方延出部62,63の上方に位置しており、上面視において上側メインフレーム16a,16aに上方から重なる位置に設けられている。
【0031】
図6は、リッド70を揺動軸71,71を中心に揺動させて開いた状態を前方側から見た斜視図である。図7は、燃料タンク35をリッド70で支持している状態を示す左側面図である。ここで、図6及び図7では、要部以外の部品の図示が省略されている。
図6及び図7を参照し、固定具35d,35d(図2)による固定が解除されると、燃料タンク35は、タンク揺動支持部50を中心に揺動可能となる。
燃料タンク35は、揺動量が所定値になると、後端の規制片35eがクロスメンバ19aに当接し、揺動を規制される。
【0032】
メンテナンス等の際に作業者等がバッテリ51にアクセスする際には、燃料タンク35が上方に揺動されるとともに、燃料タンク35の揺動により確保された空間を利用して、揺動軸71,71を中心にリッド70が後方に揺動されてリッド70が開かれる。
燃料タンク35は、リッド70の燃料タンク当接部75,75が固定部35c,35cに下方から当接することで、上方に揺動した状態を保って支持される。詳細には、燃料タンク当接部75,75は、リッド70を閉じた状態(図2参照)における燃料タンク当接部75,75の前面が固定部35c,35cを下方から支持する。
【0033】
本実施の形態では、タンク揺動支持部50が燃料タンク35の後端部に設けられ、バッテリ51が、車両前後方向においてタンク揺動支持部50とは反対側の燃料タンク35の前端部側に設けられるため、燃料タンク35を揺動させた場合に、バッテリ51の上方に広い空間を確保できる。このため、バッテリ51に容易にアクセスできる。
また、揺動された燃料タンク35を、バッテリ51等を保護するリッド70を利用して支持できるため、バッテリ51に容易にアクセスできる。
【0034】
燃料タンク当接部75,75は、リッド70の後部側に設けられた揺動軸71,71に対し、車両前後方向において反対側の前部に設けられているため、リッド70を開いた状態では、高い位置に位置する。このため、大きく揺動した燃料タンク35を燃料タンク当接部75,75で支持できる。
タンク揺動支持部50は燃料タンク35の後端部に設けられ、揺動軸71,71はリッド70の後端部側に設けられ、バッテリ51にアクセスしようとする際の燃料タンク35及びリッド70の揺動方向は同一である。これにより、リッド70を開いてリッド70によって燃料タンク35を支持する状態では、リッド70はタンク揺動支持部50が位置する後方側に揺動しており、バッテリ51は、開いた状態のリッド70の前方で上方に露出する。このため、前方側からバッテリ51にアクセスする際にリッド70が邪魔になり難く、容易にバッテリにアクセスできる。
【0035】
図8は、図3のVIII−VIII断面図である。
図5及び図8を参照し、バッテリケース60の各リッド揺動支持部65は、リッド70の揺動軸71の軸端を車幅方向外側から覆う外壁部65aと、外壁部65aから車幅方向内側に延出し、揺動軸71が嵌まる上下に延びる溝を形成する支持壁部65bとを備える。支持壁部65bは、前面側及び上面側が閉じており、後面側の下部に後方に開放する開放部65cを備える。揺動軸71は、支持壁部65bの内側の溝に嵌合した状態で回動する。
【0036】
リッド70は、バッテリケース60のガイド部67,67に当接する平坦な当接部76,76を備える。ガイド部67,67は、上方に凸の略半円の円弧状に形成される円弧部67aと、円弧部67aの後端から略鉛直に下方に延びる鉛直部67bとを備える。
図2及び図8に示すように、リッド70が閉じた状態では、リッド70の揺動軸71,71は、支持壁部65b内の溝の上部に嵌合している。この状態では、リッド70の当接部76,76は、ガイド部67,67の円弧部67a,67aの上端部に上方から当接し、円弧部67a,67aによって下方から支持されている。
【0037】
図9は、図8の状態からリッド70を後方に揺動させてリッド70を開いた状態における断面図である。
図8の状態からリッド70を開く方向に後方へ揺動させると、リッド70は、当接部76,76がガイド部67,67上を滑りながら揺動軸71,71を中心に揺動し、図9の状態となる。
詳細には、リッド70は、当接部76,76が鉛直部67b,67bに沿って揺動する状態になると、鉛直部67b,67bに沿って下方に移動し、揺動軸71,71も支持壁部65bの溝内を下方に移動する。
【0038】
すなわち、リッド70は、開かれた状態になると、当接部76,76が鉛直部67b,67bに当接する状態になる。この状態では、リッド70を閉じる方向の力が作用したとしても、当接部76,76が鉛直部67b,67bに当接することで、リッド70の揺動が規制される。このため、リッド70が意図せずに閉じられることを防止できる。
図9の状態からリッド70を閉じる場合には、リッド70を上方に引き上げて揺動軸71,71を支持壁部65b,65bの溝内の上部に位置させた状態でリッド70を前方に揺動させれば良い。
【0039】
図10は、リッド70を開いた状態における図3のX−X断面図である。
図4及び図10に示すように、バッテリケースステー16d,16dは、ケース固定部62a,63aを受ける部分よりも後方の位置から上方に延びるストッパー16e,16eを備える。ストッパー16e,16eは、ケース固定部62a,63aよりも上方に突出している。
【0040】
リッド70は、リッド70が開かれた状態になるとケース固定部62a,63aの上面に当接する受け部77,77を備える。
ストッパー16e,16eは、リッド70が開かれた状態では受け部77,77に後方から近接するように設けられている。ストッパー16e,16eは、受け部77,77の後方への移動を規制する。このため、図5及び図8に示すように、リッド揺動支持部65,65が開放部65c,65cを有する構成であっても、リッド70の揺動軸71,71が開放部65c,65cから後方に外れることを防止できる。
【0041】
リッド70をバッテリケース60に着脱する場合には、バッテリケース60を車体フレーム10から取り外した状態で行われる。この状態では、ストッパー16e,16eが邪魔にならないため、開放部65c,65cを介して揺動軸71,71をリッド揺動支持部65,65に対し着脱できる。
【0042】
次に、バッテリ51を固定するバンド68の周辺構造について説明する。
図11は、バッテリケース60に収納されたバッテリ51を上方から見た平面図である。図11では、リッド70は不図示である。
図5図6及び図11を参照し、バッテリ51は、その一側面である上面51aがバッテリケース60の開口61eから上方に露出するように、バッテリケース60に収納されている。バッテリ51の上面51aは長方形状であり、バッテリ51は、上面51aの長手方向が車幅方向に略一致する向きで配置される。
また、バッテリ51は、上面51aがバッテリケース60の開口61eの上端よりも深い位置に位置するようにバッテリケース60に収納されている。
【0043】
バッテリ51は、上面51aの前端部における車幅方向の一端にプラス端子51pを備え、上面51aの前端部における車幅方向の他端にマイナス端子51nを備える。
すなわち、プラス端子51p及びマイナス端子51nは、上面51aの前端部において上面51aの長手方向(車幅方向)に直線的に並んで配置されている。プラス端子51p及びマイナス端子51nの配列方向は車幅方向である。
【0044】
プラス端子51pには、プラス側ハーネス80pが接続され、マイナス端子51nにはマイナス側ハーネス80nが接続される。
プラス側ハーネス80pは、プラス端子51pから上面51aの長手方向にマイナス端子51n側へ向かって引き出され、マイナス端子51nの手前で前方に屈曲してケース本体部61の外側に延びる。
マイナス側ハーネス80nは、マイナス端子51nから上面51aの短手方向に後方へ引き出される。
すなわち、バッテリ51の上面51aにおけるプラス側ハーネス80p及びマイナス側ハーネス80nの配索方向は略直交している。
【0045】
図12は、プラス側ハーネス80p、マイナス側ハーネス80n及び後述のバンド固定具84を取り外した状態におけるバッテリ51の周辺部の平面図である。
図5図6図11及び図12を参照し、バッテリケース60は、バッテリ51の上面51aよりも上方に延出する壁部81を、マイナス端子51nの近傍に備える。壁部81は、ケース本体部61の右側の側壁61bに沿うように上方に延出している。壁部81の上部には、壁部81を車幅方向に貫通する係合孔81aが形成されている。
【0046】
バッテリケース60は、側方延出部62の上面に台状部82を備える。台状部82は、ケース本体部61の左側の側壁61aの上端部に連続している。
さらに、バッテリケース60は、台状部82の上面において側壁61a側の位置に設けられるバンド固定部83を備える。バンド固定部83の上面にはバンド固定孔部83aが設けられる。バンド固定孔部83aは、例えば、バンド固定部83に装着されるクリップナットである。
また、バンド固定部83は、台状部82の上面に沿うように外側方へ突出する突起83bを備える。
【0047】
バンド68は、車幅方向に長い帯状の板部材である。バンド68は、ケース本体部61の開口61eを車幅方向に跨いで設けられ、バッテリ51の上面51aの一部を上方から覆うことで、バッテリ51をバッテリケース60に固定する。
バンド68は、プラス端子51p及びマイナス端子51nの後方で、バッテリ51の上面51aの長手方向に延びる。すなわち、バンド68は、プラス端子51p及びマイナス端子51nの配列方向に沿って車幅方向に延びる。
【0048】
バンド68は、その長手方向の一端部がバンド固定具84によってバンド固定部83に固定され、その長手方向の他端部が壁部81に固定される。バンド固定具84は、例えばボルトである。
バンド68は、バッテリ51の上面51aに沿って直線状に延びるバンド本体部85を備える。
詳細には、バンド68の一端部には、バンド固定具84が挿通される孔86と、バンド固定部83の突起83bが係合する側面係合部87と、プラス端子51p及びプラス側ハーネス80pを上方から覆う覆い部88とが設けられている。
側面係合部87は、バンド68の車幅方向の端面に形成された孔である。
バンド68の一端部は、側面係合部87が突起83bに係合するとともに、孔86に挿通されるバンド固定具84がバンド固定孔部83aに締結されることでバッテリケース60に固定される。
【0049】
覆い部88は、バンド本体部85から前方のプラス端子51p側に延出している。
覆い部88は、プラス端子51pを上方、前方、後方及び車幅方向の外側方から覆うドーム状に形成されており、車幅方向内側に開放する開放部88aを備える。
【0050】
バンド68の他端部には、バンド本体部85からバッテリケース60の壁部81に沿うように上方に延出する側壁部89と、側壁部89の上端から車幅方向外側に延出する係合部90とが設けられている。
バンド68の他端部は、係合部90が車幅方向内側からバッテリケース60の壁部81の係合孔81aに差し込まれて係合することで、バッテリケース60に固定される。
すなわち、バンド68は、バッテリ51の上面51aに沿って車幅方向にスライドされることで、係合部90が係合孔81aに係合するとともに、側面係合部87が突起83bに係合する。その後、バンド固定具84が締結されることで、バンド68はバッテリケース60に固定される。覆い部88の開放部88aは、バンド68のスライド方向に開放している。
【0051】
図6及び図11を参照し、マイナス側ハーネス80nは、バンド68の他端部においてバンド本体部85を上方から覆っている。すなわち、バンド68の他端部は、マイナス側ハーネス80nとバッテリ51の上面51aとの間に挟まれている。
また、バンド68の他端部の側壁部89は、マイナス側ハーネス80nとバッテリケース60の壁部81との間に挟まれている。
バンド68の側壁部89は、壁部81に対するバンド68の差し込み方向(バンド68のスライド方向)で見た場合、マイナス側ハーネス80nの側面に重なっている。
また、プラス端子51pに接続されるプラス側ハーネス80pの接続端部80p1及びプラス端子51pは、覆い部88によって覆われている。
【0052】
ここで、バッテリ51をバッテリケース60から取り出す手順の一例を説明する。
図11の状態では、プラス側ハーネス80pが、バッテリケース60に固定されたバンド68の覆い部88によって覆われているため、覆い部88が邪魔になり、プラス側ハーネス80pをプラス端子51pから取り外すことは困難である。
また、図11の状態では、バンド68の他端部がマイナス側ハーネス80nによって覆われているため、マイナス側ハーネス80nがバンド68の取り外しの邪魔になり、バンド68を取り外すことは困難である。
【0053】
さらに、図11の状態では、バンド固定具84を取り外したとしても、マイナス側ハーネス80nが、バンド68を壁部81から取り外す際のバンド68のスライド方向に位置するため、マイナス側ハーネス80nが側壁部89のスライドによる移動の邪魔になり、バンド68を取り外すことは困難である。また、壁部81があるため、バンド68を壁部81側にスライドさせて取り外すことも困難である。
これにより、プラス側ハーネス80p及びバンド68よりも先にマイナス側ハーネス80nを取り外すべきことが作業者に示唆される。
【0054】
図12のようにマイナス側ハーネス80n及びバンド固定具84が取り外された状態では、作業者は、バンド68をプラス端子51p側に車幅方向へスライドさせることで、バンド68を取り外すことができる。これにより、プラス側ハーネス80pの接続端部80p1が露出し、作業者はプラス側ハーネス80pをプラス端子51pから取り外すことができる。
【0055】
また、本実施の形態では、バッテリ51をバッテリケース60に取り付ける際にも、プラス側ハーネス80pをマイナス側ハーネス80nよりも先に取り付けるべきことを示唆することができる。
すなわち、マイナス側ハーネス80n及びバンド68をプラス側ハーネス80pよりも先に取り付けた場合、覆い部88が邪魔になり、プラス側ハーネス80pをプラス端子51pに接続することが困難となる。
【0056】
バッテリ51の周壁部51bの上部は、ケース本体部61の後壁61c及び前壁61dに形成された切欠部61g,61gから外側に露出する。このため、作業者は、バッテリ51の着脱の際に、切欠部61g,61gを介してバッテリ51を把持でき、作業性が良い。
【0057】
次に、タンクカバー41の構造について説明する。
図13は、タンクカバー41の周辺部の平面図である。図14は、タンクカバー41の周辺部を前方から見た正面図である。図13及び図14では。操舵系12等は不図示である。
図1図13及び図14を参照し、タンクカバー41は、燃料タンク35の車幅方向の中央部を上方から覆うタンクセンターカバー92と、燃料タンク35の左右の側面を覆う左右一対のタンクサイドカバー93,93とを備える。
また、自動二輪車1は、燃料タンク35を前方から覆うインナーカバー94と、シュラウド42,42とインナーカバー94との間に設けられる左右一対のダクトカバー95,95とを備える。
【0058】
タンクセンターカバー92は、ヘッドパイプ15の後方近傍から前側シート14aの前縁まで直線的に延びる。給油口35aは、タンクセンターカバー92に設けられた開口から上方に露出する。
タンクサイドカバー93,93は、タンクセンターカバー92の側縁から燃料タンク35の上面及び側面に沿って車幅方向外側且つ下方に延びる。
タンクサイドカバー93,93の前部には、車幅方向外側に膨出する膨出部93a,93aが設けられ、膨出部93a,93aの前端部の外側面にシュラウド42,42が取り付けられる。
シュラウド42,42の後縁と膨出部93a,93aとの間には、走行風が通る隙間96,96が形成されている。隙間96,96は、膨出部93a,93aの上面から膨出部93a,93aの側面に亘って形成されている。
【0059】
インナーカバー94は、タンクサイドカバー93,93とメインフレーム16,16との間に設けられる左右一対のカバー部94a,94aと、カバー部94a,94aを左右に連結する連結部94bとを一体に備える。連結部94bは、ヘッドパイプ15の後方且つメインフレーム16,16の上方を車幅方向に延びている。また、連結部94bは、タンクカバー41の前縁の下方を通っている。
インナーカバー94のカバー部94a,94aは、シュラウド42,42の内面に車幅方向内側から対向する内側面部94c,94cを備える。
【0060】
ダクトカバー95,95は、シュラウド42,42の前縁とインナーカバー94の内側面部94c,94cの前縁との間に形成された導風口97,97を覆う。ダクトカバー95,95は、走行風が通過できるようにメッシュ状に形成されている。
導風口97,97からシュラウド42と内側面部94c,94cとの間に取り込まれた走行風は、隙間96,96から外側に排出される。
詳細には、走行風は、膨出部93a,93aの上面側の隙間96,96、及び、膨出部93a,93aの側面側の隙間96,96の両方から外側に排出される。
【0061】
図1に示すように、車両側面視では、シュラウド42,42の前縁はフロントフォーク25,25の後方に位置するとともに、フロントフォーク25,25の後縁に沿って後傾している。フロントフォーク25,25の後縁とシュラウド42,42の前縁とは略平行である。これにより、前方からフロントフォーク25,25の周囲を通ってシュラウド42,42側に流れる走行風を、スムーズに導風口97,97に導くことができる。
【0062】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、自動二輪車1のバッテリ配置構造は、ヘッドパイプ15から車体後方に延出するメインフレーム16,16を備える車体フレーム10と、メインフレーム16,16の上方に位置する燃料タンク35と、メインフレーム16,16の下方に位置するエンジン11と、バッテリ51とを備え、燃料タンク35は、その後端部に設けられるタンク揺動支持部50によって車体フレーム10に揺動可能に支持されている。バッテリ51は、燃料タンク35とエンジン11との間に設けられるとともに、タンク揺動支持部50が設けられた側とは反対側である燃料タンク35の前端部側に配置されている。これにより、燃料タンク35がタンク揺動支持部50を介して揺動すると、燃料タンク35の下方に位置するバッテリ51は、上方に露出するようになる。バッテリ51は、タンク揺動支持部50が設けられた側とは反対側に配置されており、揺動による燃料タンク35の移動量が大きい側に位置するため、外側に大きく露出する。このため、燃料タンク35の下方に配置されるバッテリ51に容易にアクセスできる。
【0063】
また、バッテリ51は、少なくともその一部が車両側面視でメインフレーム16,16と重なる位置に配置されている。これにより、上下の高さを抑えてバッテリ51を配置できる。
また、メインフレーム16,16は左右一対で設けられ、バッテリ51は、左右のメインフレーム16,16の間に配置されている。これにより、左右のメインフレーム16,16の間の空間を利用してバッテリ51を配置できる。また、左右のメインフレーム16,16の存在によって側方からバッテリ51にアクセスし難い構成であっても、上方からバッテリ51にアクセスできる。
【0064】
さらに、バッテリ51を収納するバッテリケース60と、バッテリケース60に設けられてバッテリ51を上方から覆うリッド70とを備える。これにより、リッド70によってバッテリ51を上方から保護できる。
また、リッド70は、リッド揺動支持部65,65を介してバッテリケース60に揺動可能に支持されており、リッド70は、揺動してバッテリ51を露出させるように開かれた状態になると燃料タンク35に当接する燃料タンク当接部75,75を備える。これにより、バッテリ51にアクセスする際に開かれるリッド70を利用して、燃料タンク35を揺動した状態に支持しておくことができ、バッテリ51にアクセスし易い。
【0065】
また、リッド70は、リッド揺動支持部65,65が設けられた側とは反対側の端部に燃料タンク当接部75,75を備えている。これにより、燃料タンク35を大きく揺動した位置にリッド70で支持でき、バッテリ51にアクセスし易い。
また、リッド揺動支持部65,65は、リッド70の前後方向の端部において、タンク揺動支持部50に近い側の端部に設けられている。これにより、リッド揺動支持部65,65を介して開かれたリッド70によって燃料タンク35を支持している状態では、バッテリ51は、タンク揺動支持部50側とは反対側に露出する。このため、リッド70及び燃料タンク35が邪魔になり難く、バッテリ51にアクセスし易い。
また、燃料タンク当接部75,75は、上面視で上方からメインフレーム16,16に重なる位置に設けられている。これにより、燃料タンク35の重量を、燃料タンク当接部75,75を介してメインフレーム16,16で効果的に受けることができる。
【0066】
また、本発明を適用した実施の形態によれば、自動二輪車1のバッテリ配置構造は、上面51aにプラス端子51p及びマイナス端子51nを備えるバッテリ51と、バッテリ51を収納するバッテリケース60と、バッテリ51をバッテリケース60に固定するバンド68とを備え、バンド68は、バッテリ51の上面51aを外側に露出させるバッテリケース60の開口61eに跨って設けられ、バンド68はプラス端子51pを覆う覆い部88を備え、マイナス端子51nに接続されるマイナス側ハーネス80nは、バンド68を覆う。
この構成によれば、バンド68の覆い部88がプラス端子51pを覆うため、バンド68を取り外さなければプラス側ハーネス80pを取り外すことが困難である。また、バンド68は、マイナス側ハーネス80nに覆われるため、マイナス側ハーネス80nを取り外さなければバンド68を取り外すことが困難である。このため、マイナス側ハーネス80nをプラス側ハーネス80pよりも先に取り外すことを示唆することができる。
【0067】
また、バンド68は、その一端部及び他端部がバッテリケース60に固定され、バンドは、一端部に覆い部88を備え、他端部がマイナス側ハーネス80nに覆われている。これにより、バンド68は、バッテリケース60に固定されるバンド68の一端部に覆い部88を備えるため、覆い部88で強固にプラス端子51pを覆うことができる。また、バンド68は、バッテリケース60に固定される他端部がマイナス側ハーネス80nに覆われているため、バンド68の他端部が取り外されることをマイナス側ハーネス80nによって効果的に抑制できる。
また、バンド68の他端部は、バッテリ51の上面51aに沿って延在するバンド本体部85から立設される側壁部89と、側壁部89から突出してバッテリケース60に係合する係合部90とを備え、側壁部89は、バッテリケース60に対する係合部90の差し込み方向で見た場合、マイナス側ハーネス80nに重なる。これにより、バッテリケース60に対する係合部90の差し込みを解除しようとする場合、マイナス側ハーネス80nが側壁部89の移動の邪魔になる。このため、マイナス側ハーネス80nを取り外す前にバンド68が取り外されることを防止できる。
【0068】
さらに、バッテリケース60は、バンド68の係合部90が係合する壁部81を備え、側壁部89は、マイナス側ハーネス80nと壁部81との間に位置している。これにより、壁部81及びマイナス側ハーネス80nによってバンド68の移動を強固に規制できる。
また、バンド68は、スライドして壁部81に差し込まれ、プラス端子51pに接続されるプラス側ハーネス80pは、バンド68のスライド方向に沿って配索され、覆い部88は、スライド方向に開放部88aを備えるドーム状に形成されている。これにより、バンド68のスライドを可能としながら、ドーム状の覆い部88によってプラス側ハーネス80pを広く覆うことができる。また、プラス側ハーネス80pがバンド68のスライド方向に沿って配索されるため、バンド68がスライドする際に、プラス側ハーネス80pがバンド68の側壁部89の移動の邪魔になり難く、バンド68をスムーズにスライドさせることができる。
また、バッテリ51は、上面51aがバッテリケース60の開口61eよりも深い位置に位置するように収納され、バッテリケース60は、バッテリ51の周壁部51bを露出させる切欠部61g,61gを備える。これにより、切欠部61g,61gを介してバッテリ51の周壁部51bにアクセスでき、バッテリ51をバッテリケース60から取り出し易い。
【0069】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、燃料タンク35は、その後端部に設けられるタンク揺動支持部50によって車体フレーム10に揺動可能に支持され、バッテリ51は、燃料タンク35とエンジン11との間に設けられるとともに、燃料タンク35の前端部側に設けられているものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、燃料タンク35は、その前端部に設けられるタンク揺動支持部によって車体フレーム10に揺動可能に支持され、バッテリ51は、燃料タンク35とエンジン11のクランクケース30の後部との間に設けられるとともに、燃料タンク35の後端部の下方に設けられても良い。
また、上記実施の形態では、メインフレーム16,16は左右一対で設けられ、バッテリ51は、左右のメインフレーム16,16の間に配置されているものとして説明したが。本発明はこれに限定されない。例えば、バッテリは、ヘッドパイプ15から後方へ1本で延びるメインフレームに対し、車両側面視で重なるように設けられても良い。
また、上記実施の形態では、バッテリ収納部として、箱状のバッテリケース60を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。バッテリ収納部は、例えば、複数の車体の部品によってバッテリ51を収納可能な形状に形成されていても良い。
また、上記実施の形態では自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、4輪以上を備えた鞍乗り型車両、及び、スクーターなどの鞍乗り型車両に適用可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 自動二輪車
10 車体フレーム
11 エンジン
15 ヘッドパイプ
16,16 メインフレーム
35 燃料タンク
50 タンク揺動支持部(揺動支持部)
51 バッテリ
60 バッテリケース(バッテリ収納部)
65 リッド揺動支持部
70 リッド
75,75 燃料タンク当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14

【手続補正書】
【提出日】2018年12月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドパイプ(15)から車体後方に延出するメインフレーム(16)を備える車体フレーム(10)と、前記メインフレーム(16)の上方に位置する燃料タンク(35)と、前記メインフレーム(16)の下方に位置するエンジン(11)と、バッテリ(51)とを備える鞍乗り型車両のバッテリ配置構造において、
前記燃料タンク(35)は、その後端部に設けられる揺動支持部(50)によって前記車体フレーム(10)に揺動可能に支持されており、
前記バッテリ(51)は、前記燃料タンク(35)と前記エンジン(11)との間に設けられるとともに、前記揺動支持部(50)が設けられた側とは反対側に配置され、
前記燃料タンク(35)は、前記揺動支持部(50)よりも前方のタンクステー(16c)を介し前記車体フレーム(10)に固定され、
前記バッテリ(51)は、前記タンクステー(16c)よりも前方に位置することを特徴とする鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項2】
前記バッテリ(51)は、少なくともその一部が車両側面視で前記メインフレーム(16)と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項3】
前記メインフレーム(16)は左右一対で設けられ、
前記バッテリ(51)は、左右の前記メインフレーム(16)の間に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項4】
前記バッテリ(51)を収納するバッテリ収納部(60)と、前記バッテリ収納部(60)に設けられて前記バッテリ(51)を上方から覆うリッド(70)とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項5】
前記リッド(70)は、リッド揺動支持部(65)を介して前記バッテリ収納部(60)に揺動可能に支持されており、
前記リッド(70)は、揺動して前記バッテリ(51)を露出させるように開かれた状態になると前記燃料タンク(35)に当接する燃料タンク当接部(75)を備えることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項6】
前記リッド(70)は、前記リッド揺動支持部(65)が設けられた側とは反対側の端部に前記燃料タンク当接部(75)を備えることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項7】
前記リッド揺動支持部(65)は、前記リッド(70)の前後方向の端部において、前記揺動支持部(50)に近い側の端部に設けられていることを特徴とする請求項5または6記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項8】
前記燃料タンク当接部(75)は、上面視で上方から前記メインフレーム(16)に重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項9】
前記バッテリ(51)は、車両側面視で、前記ヘッドパイプ(15)と前記タンクステー(16c)との間に配置されることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【請求項10】
燃料タンク(35)は、車両側面視で、燃料タンク(35)の前部の下面の下方に位置する前記メインフレーム(16)よりも急な傾斜で後下がりに延びる傾斜面(35b)を前記下面に備え、
前記バッテリ(51)は、前記傾斜面(35b)の下方に配置されることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の鞍乗り型車両のバッテリ配置構造。
【国際調査報告】