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再表2018-181855蒸気タービンの排気室、及び、蒸気タービン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年10月4日
【発行日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】蒸気タービンの排気室、及び、蒸気タービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/30 20060101AFI20191122BHJP
【FI】
   F01D25/30 A
   F01D25/30 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2019-510216(P2019-510216)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月30日
(31)【優先権主張番号】特願2017-69366(P2017-69366)
(32)【優先日】2017年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】村上 遼
(72)【発明者】
【氏名】松本 和幸
(72)【発明者】
【氏名】桑村 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】西川 豊治
(72)【発明者】
【氏名】田畑 創一朗
(57)【要約】
蒸気タービンの排気室は、ケーシングと、ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、を備え、ケーシングは、ベアリングコーンの下流端の径方向外側において、少なくとも一部の周方向範囲に設けられ、ベアリングコーンの下流端に対して軸方向の下流側に凹んだ凹部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気タービンの排気室であって、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、を備え、
前記ケーシングは、前記ベアリングコーンの下流端の径方向外側において、少なくとも一部の周方向範囲に設けられ、前記ベアリングコーンの下流端に対して軸方向の下流側に凹んだ凹部を含む、
ことを特徴とする蒸気タービンの排気室。
【請求項2】
前記凹部は、
前記ベアリングコーンの下流端に対して前記軸方向の下流側に位置し、径方向に沿って延在する径方向壁面と、
一端部が前記径方向壁面の径方向内側端部に接続されるとともに、前記一端部から他端部に向かって前記径方向に対して交差する方向に延在する軸方向壁面と、を有する、第1凹部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンの排気室。
【請求項3】
前記軸方向壁面は、前記軸方向に沿うように設けられることを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービンの排気室。
【請求項4】
前記軸方向壁面は、前記一端部が前記他端部よりも前記径方向の内側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の蒸気タービンの排気室。
【請求項5】
前記凹部は、前記ベアリングコーンの下流端に対して前記軸方向の下流側に位置し、湾曲形状を有する湾曲壁面を有する第2凹部を含むことを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービンの排気室。
【請求項6】
前記凹部は、前記蒸気タービンの排気室内の蒸気が排出される排気室出口とは反対側に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蒸気タービンの排気室。
【請求項7】
前記蒸気タービンの排気室は、前記凹部の内周部から前記径方向の外側に向かって延在する第1循環流ガイドをさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蒸気タービンの排気室。
【請求項8】
前記蒸気タービンの排気室は、前記凹部の外周部から前記径方向の内側に向かって延在する第2循環流ガイドをさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の蒸気タービンの排気室。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載の蒸気タービンの排気室と、
前記蒸気タービンの排気室の上流側に設けられる動翼と、
前記蒸気タービンの排気室の上流側に設けられる静翼と、を備える、
ことを特徴とする蒸気タービン。
【請求項10】
前記蒸気タービンは、前記蒸気タービンの排気室から排出された排気を凝縮するための復水器をさらに備え、
前記ベアリングコーンの下流端の前記軸方向における位置が、前記復水器の壁面と一致することを特徴とする請求項9に記載の蒸気タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蒸気タービンの排気室、及び、蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービンのタービン車室からの蒸気は、通常、排気室を介して蒸気タービンから排出される。排気室内では、蒸気流れの性状や内部構造物の形状等によって流体損失が生じるため、排気室における流体損失を低減するための構成が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、排気室のディフューザ流路を形成するフローガイドに偏向部材を設けて、ディフューザ流路内においてチップフローに旋回を付与し、チップフローと蒸気主流とが混合する際の損失を低減させる蒸気タービンが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、スチームガイドとともに排気流路を形成するベアリングコーンの一部をロータ側に湾曲した形状にして、排気流路面積を拡大することにより排気流路を通る蒸気の流れを円滑にする蒸気タービン低圧排気室が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、排気室から下方に向けて蒸気が排出されるとともに、排気室において外周側のフローガイドと内周側のベアリングコーンで形成される蒸気の流路が、上側部位に比べて下側部位の方が長く形成された蒸気タービンの排気装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−220125号公報
【特許文献2】特開2006−83801号公報
【特許文献3】特開平11−200814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜3に記載の蒸気タービンや低圧排気室、排気装置では、排気室内に設けた偏向部材やベアリングコーンの形状、フローガイドとベアリングコーンで形成される蒸気の流路の形状により、排気室内の流体損失を低減することが期待される。
しかしながら、蒸気タービンの排気室内での流体損失を低減するためのさらなる方策が望まれる。特に低負荷運転時では通常運転時に比べて排気室内での流体損失が大きくなるという問題がある。
【0008】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、排気室内における流体損失を低減可能な蒸気タービンの排気室、及び、蒸気タービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る蒸気タービンの排気室は、
蒸気タービンの排気室であって、
ケーシングと、
前記ケーシング内に設けられるベアリングコーンと、を備え、
前記ケーシングは、前記ベアリングコーンの下流端の径方向外側において、少なくとも一部の周方向範囲に設けられ、前記ベアリングコーンの下流端に対して軸方向の下流側に凹んだ凹部を含む。
【0010】
上記(1)の構成によれば、凹部を含むケーシングを備える蒸気タービンの排気室は、例えば低負荷運転時のような、蒸気がフローガイド側に偏流してベアリングコーン側で逆流が生じる場合であっても、凹部により逆流が案内されるので、逆流がベアリングコーンの位置する上流側に流れることを抑制でき、逆流を含む循環流が循環する循環領域が、ベアリングコーンの下流端より上流側に広がるのを低減することができる。このため、蒸気のベアリングコーン側での剥離を抑制でき、かつ、排気室内の実効的な排気面積が小さくなるのを抑制できるので、排気室内での蒸気の圧力回復量を向上させることができる。したがって、排気室内における流体損失を低減することができ、蒸気タービンの効率を向上させることができる。
【0011】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記凹部は、
前記ベアリングコーンの下流端に対して前記軸方向の下流側に位置し、径方向に沿って延在する径方向壁面と、
一端部が前記径方向壁面の径方向内側端部に接続されるとともに、前記一端部から他端部に向かって前記径方向に対して交差する方向に延在する軸方向壁面と、を有する、第1凹部を含む。
【0012】
上記(2)の構成によれば、第1凹部は、ベアリングコーンの下流端の軸方向の下流側に径方向に沿って延在する径方向壁面と、一端部が径方向壁面の径方向内側端部に接続されるとともに一端部から他端部に向かって径方向に対して交差する方向に延在する軸方向壁面と、を有している。このような軸方向壁面は、径方向壁面に沿って上流側に向かって流れる逆流を、そのまま上流側に流れないように案内することができるので、蒸気のベアリングコーン側での剥離を抑制できる。
【0013】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記軸方向壁面は、前記軸方向に沿うように設けられる。
上記(3)の構成によれば、軸方向壁面は、軸方向に沿うように設けられるので、径方向壁面に沿って上流側に向かって流れる逆流を、そのまま上流側に流れないように案内することができ、蒸気のベアリングコーン側での剥離を抑制できる。
【0014】
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記軸方向壁面は、前記一端部が前記他端部よりも前記径方向の内側に配置される。
上記(4)の構成によれば、軸方向壁面は、径方向壁面の径方向内側端部に接続される一端部が、他端部よりも径方向の内側に配置されるので、軸方向に沿うように設けられるのと比べて、径方向壁面に沿って上流側に向かって流れる逆流を、上流側に流れないようにより効率的に案内することができ、蒸気のベアリングコーン側での剥離をより効率的に抑制できる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記凹部は、前記ベアリングコーンの下流端に対して前記軸方向の下流側に位置し、湾曲形状を有する湾曲壁面を有する第2凹部を含む。
上記(5)の構成によれば、第2凹部は、ベアリングコーンの下流端の軸方向の下流側に湾曲形状を有する湾曲壁面を有している。第2凹部の湾曲壁面は、湾曲壁面に沿って流れる逆流を、上流側に流れないように案内することができるので、蒸気のベアリングコーン側での剥離を抑制できる。
【0016】
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記凹部は、前記蒸気タービンの排気室内の蒸気が排出される排気室出口とは反対側に設けられる。
上記(6)の構成によれば、凹部は、蒸気タービンの排気室の蒸気が排出される排気室出口とは反対側に設けられる。ここで、排気室の蒸気が排出される排気室出口が設けられる側は、ケーシングの外周壁面が存在する反対側とは異なり、蒸気がケーシングの外周壁面に突き当たって折り返す必要がないので、蒸気のベアリングコーン側での剥離が生じにくい。このため、ケーシングの外周壁面が存在する反対側に凹部を設けることで、該反対側においてケーシングの外周壁面に突き当たって折り返す逆流が、凹部により案内される。したがって、逆流がベアリングコーンの位置する上流側に流れることを抑制でき、蒸気のベアリングコーン側での剥離を抑制できる。
【0017】
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の構成において、
前記蒸気タービンの排気室は、前記凹部の内周部から前記径方向の外側に向かって延在する第1循環流ガイドをさらに備える。
上記(7)の構成によれば、第1循環流ガイドは、凹部に沿って流れる逆流を上流側に流れないように案内することができるので、蒸気のベアリングコーン側での剥離を抑制できる。
【0018】
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記蒸気タービンの排気室は、前記凹部の外周部から前記径方向の内側に向かって延在する第2循環流ガイドをさらに備える。
上記(8)の構成によれば、第2循環流ガイドは、凹部に沿って流れる逆流が循環するように案内することができるので、逆流が上流側に流れることを抑制でき、蒸気のベアリングコーン側での剥離を抑制できる。
【0019】
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る蒸気タービンは、
上記(1)から(8)のいずれか一つに記載の蒸気タービンの排気室と、
前記蒸気タービンの排気室の上流側に設けられる動翼と、
前記蒸気タービンの排気室の上流側に設けられる静翼と、を備える。
【0020】
上記(9)の構成によれば、蒸気タービンは、上記(1)から(8)のいずれか一つに記載の構成を有する蒸気タービンの排気室を備えるので、排気室内における流体損失を低減することができ、蒸気タービンの効率を向上させることができる。
【0021】
(10)幾つかの実施形態では、上記(9)の構成において、
前記蒸気タービンは、前記蒸気タービンの排気室から排出された排気を凝縮するための復水器をさらに備え、
前記ベアリングコーンの下流端の前記軸方向における位置が、前記復水器の壁面と一致する。
上記(10)の構成によれば、ベアリングコーンの下流端の軸方向における位置が、復水器の壁面と一致するので、排気室出口が設けられる側のベアリングコーンに沿うように下流側に流れる蒸気(排気)は、そのまま蒸気を凝縮するための復水器内に案内される。このため、排気室内における流体損失を低減することができ、蒸気タービンの効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、排気室内における流体損失を低減可能な蒸気タービンの排気室、及び、蒸気タービンが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る蒸気タービンの軸方向に沿った概略断面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図である。
図3図2に示すA−A線矢視の概略断面図である。
図4】本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図である。
図5】本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図であって、第2凹部を説明するための図である。
図6】本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図であって、第1循環流ガイド、第2循環流ガイド及び第1壁面を説明するための図である。
図7】本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室を説明するための図であって、ケーシングを外側から見た状態を示す概略斜視図である。
図8】比較例の蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図である。
図9】本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図であって、第1壁面を含まないケーシングを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0025】
まず、幾つかの実施形態に係る蒸気タービンの全体構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る蒸気タービンの軸方向に沿った概略断面図である。図1に示されるように、蒸気タービン1は、軸受部6により回転自在に支持されるロータ2と、ロータ2に取付けられた複数段の動翼8と、ロータ2及び動翼8を収容する内側ケーシング10と、動翼8に対向するように内側ケーシング10に取付けられた複数段の静翼9と、を備えている。また、内側ケーシング10の外側には、外側ケーシング12が設けられている。このような蒸気タービン1は、蒸気入口3から内側ケーシング10に蒸気が導入されると、蒸気が静翼9を通過する際に膨張して増速されて、動翼8に対して仕事をしてロータ2を回転させるようになっている。
【0026】
また、蒸気タービン1は、排気室14を備えている。排気室14は、図1に示されるように、動翼8及び静翼9の下流側に位置している。内側ケーシング10内にて動翼8及び静翼9を通過した蒸気(蒸気流れFs)は、排気室入口11から排気室14に流入し、排気室14の内部を通り、排気室14の下方側に設けられた排気室出口13から蒸気タービン1の外部に排出される。幾つかの実施形態では、排気室14の下方には、復水器27(図6参照)が設けられている。この場合には、蒸気タービン1で動翼8に対して仕事をし終えた蒸気は、排気室14から排気室出口13を介して復水器27に流入するようになっている。
【0027】
次に、図1図7を参照して、幾つかの実施形態に係る排気室14の構成について、より具体的に説明する。ここで、図2は、本発明の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図である。図3は、図2に示すA−A線矢視の概略断面図である。図4は、本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図である。図5は、本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図であって、第2凹部を説明するための図である。図6は、本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図であって、第1循環流ガイド、第2循環流ガイド及び第1壁面を説明するための図である。図7は、本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室を説明するための図であって、ケーシングを外側から見た状態を示す概略斜視図である。
【0028】
幾つかの実施形態に係る排気室14は、図1〜6に示されるような、ケーシング20と、ケーシング20内において、軸受部6を覆うように設けられるベアリングコーン16と、ケーシング20内においてベアリングコーン16の外周側に設けられるフローガイド19と、を備えている。なお、排気室14のケーシング20は、図1に示されるように、蒸気タービン1の外側ケーシング12の少なくとも一部を形成するものであってもよい。また、図2等に示されるように、ベアリングコーン16及びフローガイド19の中心軸は、ロータ2の中心軸と同一の直線上に存在していてもよい。
【0029】
ベアリングコーン16の下流端Pbは、ケーシング20の内壁面に接続されている。より詳細には、ケーシング20は、図1、2、4〜6に示されるような、ベアリングコーン16及びフローガイド19に対して径方向(図2中上下方向)の外側に位置し、軸方向(図2中左右方向)に沿って延在する外周壁面20aと、径方向に沿って延在する第1壁面21(内側径方向壁面)と、を含んでいる。第1壁面21は、図2、4〜6に示されるような、ベアリングコーン16に対して少なくとも一部が径方向の外側に位置し、長さ途中部がベアリングコーン16の下流端Pbに接続されている。また、第1壁面21は、図4〜7に示されるような、ロータ2を挿通させるための貫通孔21aが形成されている。なお、第1壁面21は、図1に示されるように、径方向内側に位置する一端部がベアリングコーン16の下流端Pbに接続されていてもよい。
【0030】
排気室14は、下方側に排気室出口13を有している。排気室入口11から排気室14に流入した蒸気は、排気室出口13を介して、蒸気タービン1から排出されるようになっている。また、排気室14は、図3に示されるように、排気室出口13が設けられる下側とは水平線Hを挟んで反対側に位置する上側の、ケーシング20の外周壁面20aが、水平線Hが延在する方向に沿った断面内において半環状に形成されている。ここで、水平線Hは、ロータ2の中心軸Oを通る軸線に直交して水平方向(図3中左右方向)に沿って延在する直線である。
【0031】
ケーシング20の内部には、ベアリングコーン16とフローガイド19とによって、環状のディフューザ通路18(蒸気流路)が形成されている。ディフューザ通路18は、蒸気タービン1の最終段翼出口17に連通するとともに、断面積が徐々に大きくなる形状を有している。そして、蒸気タービン1の最終段の動翼8Aを通過した高速の蒸気流れFsが、最終段翼出口17を介してディフューザ通路18に流入すると、蒸気流れFsが減速されて、その運動エネルギーが圧力へと変換(静圧回復)されるようになっている。
【0032】
幾つかの実施形態におけるケーシング20は、図1、2、4〜7に示されるような、第1壁面21の径方向外側において、少なくとも一部の周方向範囲に設けられ、第1壁面21に対して軸方向の下流側に凹んだ凹部22をさらに含んでいる。つまり、凹部22は、ベアリングコーン16の下流端Pbの径方向外側において、少なくとも一部の周方向範囲に設けられ、下流端Pbに対して軸方向の下流側に凹んでいる。
【0033】
ここで、図8は、比較例の蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図である。図8において、図1〜7に示される幾つかの実施形態と同一の符号を有する部材については、その説明を省略する。
図8に示される比較例の排気室29は、ケーシング30と、ベアリングコーン16と、フローガイド19と、を備えている。そして、ケーシング30は、上述した凹部22を含まない構成になっている。すなわち、ケーシング30は、図8に示されるような、ベアリングコーン16及びフローガイド19に対して径方向(同図中上下方向)の外側に位置し、軸方向(同図中左右方向)に沿って延在する外周壁面30aと、径方向に沿って延在する第1壁面31と、を含んでいる。第1壁面31は、ベアリングコーン16に対して少なくとも一部が径方向の外側に位置し、長さ途中部がベアリングコーン16の下流端Pbに接続されている。そして、第1壁面31の径方向外側端部は、外周壁面30aの軸方向の下流側に位置する一端部に突き当てられて一体的に接続されている。
【0034】
上述したケーシング30を備える比較例の排気室29は、蒸気流れFsがフローガイド19側に偏流した場合にベアリングコーン16側で剥離が生じ、排気室29内での流体損失が大きくなるということを、本発明の発明者らは見出した。ここで、蒸気タービン1は、通常運転時に最終段翼出口17から軸方向に沿って蒸気が流れるように設計されている。これに対して、低負荷運転時には、動翼8の回転速度は通常運転時と変わらないが、通常運転時よりも蒸気の流出速度が小さくなる。このため、低負荷運転時に最終段翼出口17から流れる蒸気は、軸方向成分に対する旋回成分の割合が大きくなるので、フローガイド19側に偏流するようになっている。
【0035】
蒸気流れFsがベアリングコーン16側で剥離が生じる理由としては、図8に示されるように、フローガイド19側に偏流した蒸気流れFsの一部が、外周壁面30aに突き当たって折り返し、第1壁面31及び第1壁面31の上流側に位置するベアリングコーン16に沿って上流側に流れる逆流Fcとなることが挙げられる。排気室29内の逆流Fcは、ベアリングコーン16の中流側近傍において蒸気流れFsにより下流側に押し返されるので、ベアリングコーン16側で循環して、図8に示される循環領域Acを形成するようになっている。そして、排気室29内に形成される循環領域Acは、ベアリングコーン16の下流端Pbより上流側に広がっているので、ベアリングコーン16側で剥離が生じるとともに、排気室29内の実効的な排気面積が小さくなっている。したがって、排気室29内での流体損失が大きくなっている。
【0036】
そこで、本発明の発明者らは、ケーシング20に上述した凹部22を形成して、凹部22に逆流Fcがベアリングコーン16の位置する上流側に流れないように案内させることで、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制することに思い至った。
【0037】
幾つかの実施形態では、排気室14は、図1〜7に示されるような、上述したケーシング20と、上述したベアリングコーン16と、を備えている。そして、ケーシング20は、図1、2、4〜7に示されるような、上述した凹部22を含んでいる。
【0038】
上記の構成によれば、凹部22を含むケーシング20を備える蒸気タービン1の排気室14は、例えば低負荷運転時のような、蒸気がフローガイド19側に偏流してベアリングコーン16側で逆流Fcが生じる場合であっても、凹部22により逆流Fcが案内されるので、逆流Fcがベアリングコーン16の位置する上流側に流れることを抑制でき、逆流Fcを含む循環流が循環する循環領域Acが、ベアリングコーン16の下流端Pbより上流側に広がるのを低減することができる。このため、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制でき、かつ、排気室14内の実効的な排気面積が小さくなるのを抑制できるので、排気室14内での蒸気の圧力回復量を向上させることができる。したがって、排気室14内における流体損失を低減することができ、蒸気タービン1の効率を向上させることができる。
【0039】
幾つかの実施形態では、凹部22は、図1、2、4、6、7に示されるような、第1凹部23を含んでいる。第1凹部23は、図2、4、6、7に示されるような、第1壁面21に対して軸方向の下流側に位置し、第1壁面21と平行な方向に沿って延在する第2壁面23a(径方向壁面)と、一端部が第2壁面23aの径方向内側端部に接続されるとともに、他端部が第1壁面21の径方向外側端部に接続される第3壁面23b(軸方向壁面)と、を有している。つまり、第2壁面23aは、ベアリングコーン16の下流端Pbに対して軸方向の下流側に位置し、径方向に沿って延在し、第3壁面23bは、一端部から他端部に向かって径方向に対して交差する方向に延在する。
【0040】
そして、第1凹部23は、図2、4、6、7に示されるような、一端部が第2壁面23aの径方向外側端部に接続されるとともに、他端部がケーシング20の外周壁面20aの一端部に接続される第4壁面23cをさらに有している。幾つかの実施形態では、第4壁面23cの他端部は、図2、4、6に示されるように、軸方向に沿った断面内において外周壁面20aの一端部に直線状に連続するように接続されている。また、他の幾つかの実施形態では、第4壁面23cの他端部は、図7に示されるように、外周壁面20aの一端部との間に段差を有して接続されている。なお、図2、4、6においては説明の便宜上、外周壁面20aと第4壁面23cとの間を二点鎖線により区切っているが、外周壁面20aと第4壁面23cとは一体的に設けられていてもよい。
【0041】
上記の構成によれば、第1凹部23は、ベアリングコーン16の下流端Pbの軸方向の下流側に径方向に沿って延在する第2壁面23aと、一端部が第2壁面23aの径方向内側端部に接続されるとともに一端部から他端部に向かって径方向に対して交差する方向に延在する第3壁面23bと、を有している。このような第3壁面23bは、第2壁面23aに沿って上流側に向かって流れる逆流Fcを、そのまま上流側に流れないように案内することができるので、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制できる。
【0042】
幾つかの実施形態では、第3壁面23bは、図1、2、6、7に示されるように、軸方向に沿うように設けられる。
【0043】
より詳細には、第3壁面23bは、図2、6に示されるように、軸方向に沿った断面内において、第2壁面23aに対して直角になるように、第2壁面23aの径方向内側端部から折れ曲がるように形成されている。
【0044】
上記の構成によれば、第3壁面23bは、軸方向に沿うように設けられるので、第2壁面23aに沿って上流側に向かって流れる逆流Fcを、そのまま上流側に流れないように案内することができ、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制できる。
【0045】
また、他の幾つかの実施形態では、第3壁面23bは、図4に示されるように、一端部が他端部よりも径方向の内側に配置される。
【0046】
より詳細には、第3壁面23bは、図4に示されるように、軸方向に沿った断面内において、第2壁面23aに対して鋭角になるように、第2壁面23aの径方向内側端部から折れ曲がるように形成されている。
【0047】
上記の構成によれば、第3壁面23bは、第2壁面23aの径方向内側端部に接続される一端部が、他端部よりも径方向の内側に配置されるので、第1壁面21の軸方向に沿うように設けられるのと比べて、第2壁面23aに沿って上流側に向かって流れる逆流Fcを、上流側に流れないようにより効率的に案内することができ、蒸気のベアリングコーン16側での剥離をより効率的に抑制できる。
【0048】
幾つかの実施形態では、凹部22は、図5に示されるような、第2凹部24を含んでいる。第2凹部24は、図5に示されるような、第1壁面21に対して軸方向の下流側に位置し、湾曲形状を有する湾曲壁面24aを有している。
【0049】
より詳細には、幾つかの実施形態では、第2凹部24は、図5に示されるように、軸方向に沿った断面内において、湾曲壁面24aの内周部側に位置する下端部が第1壁面21の径方向外側端部に直交するように接続されるとともに、湾曲壁面24aの外周部側に位置する上端部が外周壁面20aの一端部に直線状に連続するように接続されている。なお、図5においては説明の便宜上、外周壁面20aと湾曲壁面24aとの間を二点鎖線により区切っているが、外周壁面20aと湾曲壁面24aとは一体的に設けられていてもよい。また、他の幾つかの実施形態では、第2凹部24は、一部に湾曲形状を有する湾曲壁面24aを有している。そして、第2凹部24は、湾曲壁面24aの他に、上述した第1壁面21に接続される第3壁面23bや、上述した外周壁面20aに接続される第4壁面23cを含み、湾曲壁面24aは第3壁面23bや第4壁面23cに接続されている。
【0050】
上記の構成によれば、第2凹部24は、第1壁面21の軸方向の下流側に湾曲形状を有する湾曲壁面24aを有している。第2凹部24の湾曲壁面24aは、湾曲壁面24aに沿って流れる逆流Fcを、上流側に流れないように案内することができるので、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制できる。
【0051】
幾つかの実施形態では、凹部22は、図6、7に示されるような、排気室14内の蒸気が排出される排気室出口13とは反対側に設けられる。
【0052】
より詳細には、上述した幾つかの実施形態における凹部22は、図1、2、4、5に示されるように、環状に形成されていたが、本実施形態における凹部22は、図6、7に示されるような、一部の周方向範囲に設けられる円弧状(図7では半環状)に形成されており、排気室14内の蒸気が排出される排気室出口13とは反対側にのみ設けられている。なお、幾つかの実施形態では、凹部22は、図7に示されるように、円弧状の端部(同図中下端)から中央部(同図中上端)に向かうにつれて凹部22の深さ寸法が大きくなるように形成されている。第1凹部23の深さ寸法は、第3壁面23b及び第4壁面23cの長さ寸法により定まる。このため、第1凹部23の第3壁面23b及び第4壁面23cの長さ寸法は、円弧状の端部から中央部に向かうにつれて大きく形成されている。
【0053】
上記の構成によれば、凹部22は、排気室14の蒸気が排出される排気室出口13とは反対側に設けられる。ここで、排気室14の蒸気が排出される排気室出口13が設けられる側は、ケーシング20の外周壁面20aが存在する反対側とは異なり、蒸気がケーシング20の外周壁面20aに突き当たって折り返す必要がないので、蒸気のベアリングコーン16側での剥離が生じにくい。このため、ケーシング20の外周壁面20aが存在する反対側に凹部22を設けることで、該反対側においてケーシング20の外周壁面20aに突き当たって折り返す逆流Fcが、凹部22により案内される。したがって、逆流Fcがベアリングコーン16の位置する上流側に流れることを抑制でき、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制できる。
【0054】
幾つかの実施形態では、排気室14は、図6に示されるような、凹部22の内周部から径方向の外側に向かって延在する第1循環流ガイド25をさらに備えている。
【0055】
第1循環流ガイド25は、図6に示されるように、第1凹部23の内周部に位置する第3壁面23bに一端部が接続されるとともに、他端部が径方向の外側(同図中上側)に向かって延在している。そして、第1循環流ガイド25は、第1壁面21に対して傾斜するように設けられている。なお、第1循環流ガイド25は、第2凹部24の内周部に一端部が接続されていてもよく、第1壁面21の径方向外側端部近傍に一端部が接続されていてもよい。
【0056】
上記の構成によれば、第1循環流ガイド25は、凹部22に沿って流れる逆流Fcを上流側に流れないように案内することができるので、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制できる。
【0057】
幾つかの実施形態では、排気室14は、図6に示されるような、凹部22の外周部から径方向の内側に向かって延在する第2循環流ガイド26をさらに備えている。
【0058】
第2循環流ガイド26は、図6に示されるように、第1凹部23の外周部に位置する第4壁面23cに一端部が接続されるとともに、他端部が径方向の内側(同図中下側)に向かって延在している。そして、第2循環流ガイド26は、第1壁面21に対して傾斜するように設けられている。なお、第2循環流ガイド26は、第2凹部24の外周部に一端部が接続されていてもよく、外周壁面20aの凹部22に接続される一端部側近傍に一端部が接続されていてもよい。
【0059】
上記の構成によれば、第2循環流ガイド26は、凹部22に沿って流れる逆流Fcが循環するように案内することができるので、逆流Fcが上流側に流れることを抑制でき、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制できる。
【0060】
また、他の幾つかの実施形態では、蒸気タービン1は、上述した各々の実施形態(図1図7参照)のいずれか一つに記載された構成を有する排気室14を備えている。また、蒸気タービン1は、図1、2、4〜6に示されるような、排気室14の上流側に設けられる動翼8と、同じく排気室14の上流側に設けられる静翼9と、を備えている。
【0061】
上記の構成によれば、蒸気タービン1は、上述した各々の実施形態(図1図7参照)のいずれか一つに記載された構成を有する排気室14を備えているので、排気室14内における流体損失を低減することができ、蒸気タービン1の効率を向上させることができる。
【0062】
幾つかの実施形態では、蒸気タービン1は、図6に示されるような、排気室14から排出された排気を凝縮するための復水器27をさらに備えている。そして、排気室14の第1壁面21は、復水器27の壁面と一致する。つまり、ベアリングコーン16の下流端Pbの軸方向における位置が、復水器27の壁面と一致する。
【0063】
復水器27は、図6に示されるように、軸方向に沿って延在する複数の冷却管27aと、冷却管27aの長さ途中に互いに間隔をおいて配置されて複数の冷却管27aを支持する支持部材27bと、を有している。そして、復水器27は、複数の冷却管27aにより排気室14から排出された排気を凝縮するものである。
【0064】
上記の構成によれば、ベアリングコーン16の下流端Pbの軸方向における位置が、復水器27の壁面と一致するので、排気室出口13が設けられる側のベアリングコーン16に沿うように下流側に流れる蒸気(排気)は、そのまま蒸気を凝縮するための復水器27内に案内される。このため、排気室14内における流体損失を低減することができ、蒸気タービン1の効率を向上させることができる。
【0065】
上述した幾つかの実施形態では、ケーシング20は、第1壁面21及び凹部22を含んでいたが、凹部22のみを含んでいれば、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0066】
図9は、本発明の他の一実施形態に係る蒸気タービンの排気室の軸方向に沿った概略断面図であって、第1壁面を含まないケーシングを説明するための図である。図9に示されるように、ケーシング40は、ケーシング20とは上述した第1壁面21を含まない点において異なるものである。以下、排気室14の各構成と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略し、ケーシング40の特徴的な構成を中心に説明する。
【0067】
幾つかの実施形態では、図9に示されるように、ケーシング40は、ベアリングコーン16の下流端Pbの径方向外側において、少なくとも一部の周方向範囲に設けられる凹部41であって、下流端Pbに対して軸方向の下流側に凹んでいる凹部41を含んでいる。図9に示される実施形態では、ケーシング40は、上述したベアリングコーン16と、ベアリングコーン16及びフローガイド19に対して径方向(図9中上下方向)の外側に位置し、軸方向(図9中左右方向)に沿って延在する外周壁面40aと、をさらに含んでいる。なお、ケーシング40は、ケーシング20と同様に蒸気タービン1の外側ケーシング12の少なくとも一部を形成するものであってもよい。
【0068】
上記の構成によれば、凹部41を含むケーシング40を備える蒸気タービン1の排気室14は、例えば低負荷運転時のような、蒸気がフローガイド19側に偏流してベアリングコーン16側で逆流Fcが生じる場合であっても、凹部41により逆流Fcが案内されるので、逆流Fcがベアリングコーン16の位置する上流側に流れることを抑制でき、逆流Fcを含む循環流が循環する循環領域Acが、ベアリングコーン16の下流端Pbより上流側に広がるのを低減することができる。このため、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制でき、かつ、排気室14内の実効的な排気面積が小さくなるのを抑制できるので、排気室14内での蒸気の圧力回復量を向上させることができる。したがって、排気室14内における流体損失を低減することができ、蒸気タービン1の効率を向上させることができる。
【0069】
幾つかの実施形態では、図9に示されるように、凹部41は、ベアリングコーン16の下流端Pbに対して軸方向の下流側に位置し、径方向に沿って延在する第2壁面41a(径方向壁面)と、一端部が第2壁面41aの径方向内側端部に接続される第3壁面41b(軸方向壁面)であって、一端部から他端部に向かって径方向に対して交差する方向に延在する第3壁面41bと、有している。図9に示される実施形態では、第3壁面41bは軸方向に沿って延在しているが、他の実施形態では、第3壁面41bは軸方向に対して傾斜する方向に沿って延在し、第3壁面41bの一端部が他端部よりも径方向の外側又は内側に位置していてもよい。また、図9に示される実施形態では、凹部41の径方向内側端部、すなわち第3壁面41bの他端部が、ベアリングコーン16の下流端Pbに接続されている。
【0070】
図9に示される実施形態では、凹部41は環状に形成されている。そして、凹部41は、一部の周方向範囲に設けられる第4壁面41cをさらに有している。第4壁面41cは、排気室14内の蒸気が排出される排気室出口13とは反対側に設けられており、一端部が第2壁面41aの径方向外側端部に接続されるとともに、他端部がケーシング40の外周壁面40aの一端部に接続されている。なお、図9においては説明の便宜上、外周壁面40aと第4壁面41cとの間を二点鎖線により区切っているが、外周壁面40aと第4壁面41cとは一体的に設けられていてもよい。
【0071】
また、図9に示される実施形態における第2壁面41aは、軸方向における位置が復水器27の壁面(図6参照)と一致してもよい。より詳細には、例えば図2、4に示される実施形態では、排気室出口13が設けられる側において、第2壁面23aは、第4壁面23cの一端部と接続される部分が径方向外側端部になっている。つまり、第4壁面23cに接続される部分よりも排気室出口13側に向かって延在していない。代わりに、第4壁面23cの他端部に接続される第1壁面21が、第4壁面23cと接続される部分よりも排気室出口13側に向かって延在している。これに対して、図9に示される実施形態では、排気室出口13が設けられる側において、第2壁面41aは、図2、4に示されるような第4壁面23cに接続されておらず、排気室出口13側に向かって延在している。そして、第2壁面41aの径方向外側端部は、復水器27の壁面の一端部(径方向内側端部)に直線状に連続するように接続されている。第2壁面41aと復水器27の壁面との間に段差がなく面一になっている。
【0072】
上記の構成によれば、凹部41は、ベアリングコーン16の下流端Pbの軸方向の下流側に径方向に沿って延在する第2壁面41aと、一端部が第2壁面41aの径方向内側端部に接続されるとともに、一端部から他端部に向かって径方向に対して交差する方向に延在する第3壁面41bと、を有している。このような第3壁面41bは、第2壁面41aに沿って上流側に向かって流れる逆流Fcを、そのまま上流側に流れないように案内することができるので、蒸気のベアリングコーン16側での剥離を抑制できる。
【0073】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【符号の説明】
【0074】
1 蒸気タービン
2 ロータ
3 蒸気入口
6 軸受部
8 動翼
8A 最終段動翼
9 静翼
10 内側ケーシング
11 排気室入口
12 外側ケーシング
13 排気室出口
14 排気室
16 ベアリングコーン
17 最終段翼出口
18 ディフューザ通路
19 フローガイド
20 ケーシング
20a 外周壁面
21 第1壁面
22 凹部
23 第1凹部
23a 第2壁面
23b 第3壁面
23c 第4壁面
24 第2凹部
24a 湾曲壁面
25 第1循環流ガイド
26 第2循環流ガイド
27 復水器
27a 冷却管
27b 支持部材
29 排気室
30 ケーシング
30a 外周壁面
31 第1壁面
40 ケーシング
40a 外周壁面
41 凹部
41a 第2壁面
41b 第3壁面
41c 第4壁面
Ac 循環領域
Fc 逆流
Fs 蒸気流れ
H 水平線
O 中心軸
Pb ベアリングコーンの下流端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】