特表-18182007IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年10月4日
【発行日】2020年4月16日
(54)【発明の名称】歯間清掃具
(51)【国際特許分類】
   A61C 15/04 20060101AFI20200319BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20200319BHJP
【FI】
   A61C15/04 501
   D03D1/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
【出願番号】特願2019-509423(P2019-509423)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月30日
(31)【優先権主張番号】特願2017-68139(P2017-68139)
(32)【優先日】2017年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】305037123
【氏名又は名称】KBセーレン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡本 好弘
(72)【発明者】
【氏名】平岡 洋一
【テーマコード(参考)】
4L048
【Fターム(参考)】
4L048AA34
4L048AB07
4L048CA15
4L048DA21
(57)【要約】
コシがあるため挿入性が良く、帯状を維持して使用することが出来るため一度に広い面積を捉えて清掃することができ、歯間側面の清掃がし易く、非常に清掃効果が高く、また、マルチフィラメントを使用しているため、歯間や歯茎へのあたりが柔らかい歯間清掃具を提供する。マルチフィラメントで構成される織物からなる歯間清掃具であって、前記織物の経緯のカバーファクター(K)が下記式(1)を満足する歯間清掃具である。
(数1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチフィラメントで構成される織物からなる歯間清掃具であって、前記織物の経緯のカバーファクター(K)が下記式(1)を満足する歯間清掃具。
【数1】
【請求項2】
前記織物の幅が2〜7mmであり、厚さが0.03〜0.1mmである請求項1記載の歯間清掃具。
【請求項3】
前記織物の織組織が平織である請求項1又は2記載の歯間清掃具。
【請求項4】
前記織物のマルチフィラメントの単糸繊度が0.3〜10dtexである請求項1〜3いずれか1項に記載の歯間清掃具。
【請求項5】
前記織物における耳部の経糸が、地合部の経糸より総繊度が小さいマルチフィラメントである請求項1〜4いずれか1項に記載の歯間清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、織物を使用した帯状の歯間清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
歯間は、歯ブラシを使用したブラッシングをしても毛先が届きにくく、虫歯や歯周病の原因であるプラークが溜まりやすい。歯間のプラークを落とすには、デンタルフロス等の歯間清掃具によるフロッシングが有効である。
【0003】
口腔内の健康は身体の健康にも影響を及ぼすこともあり、近年オーラルケアの関心が強く、歯間清掃具の需要が増えている。挿入性や歯茎へのあたり等の使用感や清掃効果が優れるもの等、様々な歯間清掃具がある。歯間清掃具としては、糸状の歯間清掃具と、帯状の歯間清掃具がある。使用者は挿入性や清掃感、歯間や歯茎へのあたり等の使用感や、実際の清掃効果を鑑みて、自分の好みに合う歯間清掃具を使用することができる。
【0004】
糸状の歯間清掃具としては、例えば、合撚した割繊糸を使用した歯間清掃具がある(特許文献1)。この歯間清掃具は、合撚することで割繊糸のエッジが効率よく表面に現れるため、強い力を入れずに効果的にプラークを掻き取ることができ、使用時に歯や歯茎へのあたりが柔らかく、使用感にも優れている。
【0005】
また、極細のマルチフィラメントからなる芯糸の周囲に、芯糸より太く熱収縮率が高い熱融着糸を隙間を空けてらせん状に巻くことで、芯糸と鞘糸とが、熱融着によって部分的に固定されている歯間清掃具がある(特許文献2)。この歯間清掃具は、熱収縮差によってねじれが生じた芯糸により、優れた清掃効果を備える。また、鞘糸に固定された芯糸の部分間は自由度をもつため、挿入時に毛羽立ちや糸切れが発生しない。
【0006】
帯状の歯間清掃具としては、例えば、隣接した超高分子量ポリエチレンマルチフィラメントを部分的に融着させて得たテープを用いた歯間清掃具がある(特許文献3)。超高分子量のポリエチレンを使用しているため強度が高く、密接した歯間を通している間も断裂しにくく、テープを破損することなく歯間に挿入することができ、もし破損しても強度をほとんど維持したまま清掃が可能であるとされている。
【0007】
また、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)テープを用いた歯間清掃具がある(特許文献4)。PTFE製の歯間清掃具を両手に巻き付けて使用する長巻タイプとして使用する場合、PTFEの特性である高い摺動性により、容器の巻芯からの脱落や使用時につまみにくいなどの取扱いにくさを補うために、片面をつや消し面として摩擦係数を高くしている。
【0008】
また、極細繊維を編物や組物などの紐状構造物とし、微小な隙間部分の清浄に適した清掃具がある(特許文献5)。上記清掃具は、紐状構造物の周方向に並ぶ目の向きが、紐状構造物の長手方向に対して角度をつけているため、長手方向にすべらせるだけで優れた清掃効果を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5236864号公報
【特許文献2】特許第5221280号公報
【特許文献3】特許第4850846号公報
【特許文献4】特許第4049273号公報
【特許文献5】特開2003−200117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の発明では、糸状の歯間清掃具であることから、歯と歯茎との隙間の清掃効果能は高いが、歯間側面の清掃効果は乏しい。また、特許文献1には、編物や織物でもよいという記載はあるものの具体的な構成は記載されていない。
【0011】
特許文献3に記載の発明では、帯状の歯間清掃具であるが、超高分子量ポリエチレンテープの長手方向に溝を形成しただけであるため、清掃効果が低い。また、掻き取ったプラークを保持することができず、プラークが再付着しやすいという問題があった。
【0012】
また、特許文献4に記載の発明では、帯状の歯間清掃具ではあるが、テープ状であるため、清掃効果が低い。また、掻き取ったプラークを内部に保持することができず、プラークが再付着しやすい。また、長巻タイプとして使用したときにPTFEの高い摺動性によるパッケージからの脱落を防ぐことや、手で持ちやすくすることを目的として片面をつや消し面としているため、面によって清掃効果が異なる。
【0013】
また、特許文献5に記載されているような編物の清掃具を歯間清掃具として使用した場合は、コシがないため挿入性が悪い。
【0014】
したがって、本発明の目的は、挿入性が良く、歯間側面の清掃効果が高く、歯間や歯茎へのあたりが柔らかい歯間清掃具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者等は、鋭意検討した結果、帯状の歯間清掃具として、特定のカバーファクタ―を備えた、マルチフィラメントで構成される織物を使用することで、清掃効果能が良好で挿入性が良好な歯間清掃具ができる事を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の目的は、マルチフィラメントで構成される織物からなる歯間清掃具であって、前記織物の経緯のカバーファクター(K)が下記式(1)を満足する歯間清掃具によって達成される。
【0016】
【数1】
【0017】
また、前記織物の幅が2〜7mmであり、厚さが0.03〜0.1mmであることが好ましい。
【0018】
また、前記織物の織組織が平織であることが好ましい。
【0019】
また、前記織物のマルチフィラメントの単糸繊度が0.3〜10dtexであることが好ましい。
【0020】
また、前記織物における耳部の経糸が、地合部の経糸より総繊度が小さいマルチフィラメントであることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明により、コシがあるため挿入性が良く、帯状を維持して使用することが出来るため一度に広い面積を捉えて清掃することができ、歯間側面の清掃がし易く、清掃効果が高く、また、マルチフィラメントを使用しているため、歯間や歯茎へのあたりが柔らかく、プラークをしっかりとマルチフィラメントの内部に保持し、再付着を防ぐことができ、歯や歯茎へのあたりが良く、不快感なく清掃することができる使用感の良い歯間清掃具を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の歯間清掃具はマルチフィラメントで構成される織物である。織物とすることにより、緯糸が存在するので、糸状のものより凹凸ができるため清掃性が高い。
本発明の歯間清掃具は、織物を手でつまみ、フロッシングする長巻タイプとして使用しても、F字やY字のホルダーに張られた織物でフロッシングするホルダータイプとして使用しても良い。
【0023】
本発明における織物は、前記織物の経緯のカバーファクター(K)が上記式(1)を満足する歯間清掃具である。
【0024】
経緯のカバーファクター(K)の比が、上記式(1)を満足すれば、織物にコシがあり、挿入時に折れ曲がることなく挿入しやすく、使用中は帯状の形状を維持し、一度に広い面積を捉えて歯間側面を清掃することができる。また、上記経緯のカバーファクター(K)の比は、2.5〜3.5であることがより好ましい。
【0025】
本発明における織物の幅は、2〜7mmであることが好ましく、4〜5mmであることが、より好ましい。織物の幅が2mm以上であれば一度に広い面積を捉えて歯間側面を良好に清掃することができる。また、織物の幅が7mm以下であれば、歯からはみだすことが少なく清掃し易い。
【0026】
本発明における織物の厚さは、0.03〜0.1mmであることが好ましく、0.05〜0.08mmであることが、より好ましい。織物の厚さが0.03mm以上であれば、織物にコシがあるため、挿入時に折り曲がって挿入できなくなくなってしまうことが起きにくい。また、織物の厚さが0.1mm以下であれば、狭い歯間にも無理なく挿入することができる。
【0027】
本発明における織物の織り組織は、平織、綾織、朱子織等が挙げられるが、平織が好ましい。織物が平織であれば、織物の表裏の組織が同じであるため、どちらの面でも同じ清掃効果が得られる。また、経糸と緯糸が交差している組織点が多く、歯に接触する凹凸が多いため優れた清掃効果が得られる。また、摩擦に対して丈夫であるため、糸切れしにくい。
【0028】
本発明におけるマルチフィラメントの総繊度は、5〜110dtexであることが好ましく、10〜50dtexであることがより好ましい。総繊度が5dtex以上であれば強度不足で清掃中に切れることがない。また、総繊度が110dtex以下であれば歯間に対して織物が厚くなることがなく、歯間清掃具として使用したときの挿入性が良い。
【0029】
経糸の総繊度は、緯糸の総繊度より大きいことが好適である。経糸の総繊度が緯糸の総繊度より大きいと、挿入方向と垂直な方向にコシが出て挿入し易くなる。経糸の総繊度と緯糸の総繊度の差は、10〜100dtexであることが好ましい。
【0030】
本発明におけるマルチフィラメントの単糸繊度は、0.3〜10dtexであることが好ましく、0.5〜3dtexであることがより好ましい。単糸繊度が0.3dtex以上であれば単糸切れによる毛羽は抑えられる。また、単糸繊度が10dtex以下であればマルチフィラメントの比表面積が大きく、清掃効果が高い。
【0031】
また、織物における織物の耳部の経糸が、地合部の経糸より総繊度が小さいマルチフィラメントであることが好ましい。通常、織物は耳部に緯糸の折り返し部分があるため、耳高となってしまうが、耳部の経糸の総繊度が地合部の経糸より小さいと耳高が、より抑制される。
この場合、織物の耳部の経糸の総繊度と地合部の経糸の総繊度の差は、5〜20dtexであることが好ましい。総繊度の差が上記範囲内であれば、耳部が厚くなることがなく、歯間に挿入しやすい。耳高が抑制されていると、挿入時に耳部が邪魔することなく挿入しやすく、歯や歯茎へのあたりが良く、不快感なく清掃することができる。
【0032】
本発明におけるマルチフィラメントは、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンPTFE等から選ばれる少なくとも一種のポリマーから成ることが好ましい。
特に、マルチフィラメント及び細巾織物の生産性および物性面(強度、耐熱性、耐候性、変色等)でバランスのとれたポリエステルが好ましい。
【0033】
本発明におけるマルチフィラメントは、その繊維横断面形状が、円形状でも、楕円形状でも、また、異形断面形状でも良い。例えば、多葉形又は三角断面等は、エッジがあるため、掻き取るようにして効率良くプラークを除去することができる。
【0034】
本発明におけるマルチフィラメントは、サイドバイサイド複合繊維や、分割型複合繊維など、2成分以上のポリマーからなるマルチフィラメントでも良い。
【0035】
本発明におけるマルチフィラメントは、ワックス加工、フッ素加工、フレーバー加工等の表面加工により機能を付与しても良い。
【0036】
本発明における織物は、2種類以上のマルチフィラメントを使用しても良い。
【0037】
本発明の歯間清掃具は、例えば、次のようにして製造する。すなわち、常法により、上記のようなマルチフィラメントを用い、歯間清掃具に適した所望のカバーファクタ―及び幅等となるように織物を製造し、得られた織物を所定長さに切断して巻上げる等により本発明の歯間清掃具が得られる。
【実施例】
【0038】
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。また、実施例中の各評価は以下のようにして行った。
【0039】
(厚さと幅の測定)
シックネスゲージG−1M(尾崎製作所社製)を用いて、歯間清掃具として使用する織物の地合部と耳部の厚さ、および標準ノギス(ミツトヨ社製)を用いて織物の幅を測定した。
【0040】
(官能評価試験)
10名の専門モニターにより各歯間清掃具を使用しての挿入性および使用感についての官能評価試験を実施した。評価基準は以下の通りである。10名の評価の中で最も多い評価を歯間清掃具の評価とした。
<挿入性>非常に良好:◎、良好:○、やや不良:△、不良:×
<使用感>非常に良好:◎、良好:○、やや不良:△、不良:×
【0041】
(清掃効果評価試験)
歯間清掃具の清掃効果評価試験として、人工プラーク(ニッシン社製)を円筒状のガラス瓶の側面に塗布し、20cmに切断した織物の両端を持ち左右方向に張った状態で、人口プラーク塗布面を端から端まで一往復させた。織物を往復させたガラス瓶側面に残留する人口プラークの量を目視で観察し、評価した。評価基準は以下のとおりである。
全く残留しない:◎、やや残留するが概ね良好:○、残留する:△
【0042】
(実施例1)
経糸として33dtex/12fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン社製)を使用し、緯糸として10dtex/4fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン社製)を使用し、経糸の打込み本数を140本/inch(2.54cm)、緯糸の打込み本数を96本/inch(2.54cm)とした、幅4mmの平織物を製織し、歯間清掃具とした。
得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果評価試験を行った。
【0043】
(実施例2)
耳部の経糸として22dtex/8fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果評価試験を行った。
【0044】
(実施例3)
地合部の経糸として56dtex/24fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン社製)を使用し、耳部の経糸として22dtex/8fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン社製)を使用し、経糸の打込み本数を125本/inch(2.54cm)としたこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果評価試験を行った。
【0045】
(実施例4)
耳部の経糸として22dtex/8fのポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント(KBセーレン社製)を使用し、経糸の打込み本数を160本/inch(2.54cm)、緯糸の打込み本数を62本/inch(2.54cm)としたこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果評価試験を行った。
【0046】
(実施例5)
織物の幅を6mmとしたこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果測定評価試験を行った。
【0047】
(実施例6)
織物の織組織を綾織とし、緯糸の打込み本数を85本/inch(2.54cm)としたこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果測定評価試験を行った。
【0048】
(実施例7)
ナイロン6マルチフィラメント(KBセーレン社製)を使用したこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果評価試験を行った。
【0049】
(比較例1)
経糸の打込み本数を160本/inch(2.54cm)、緯糸の打込み本数を50本/inch(2.54cm)としたこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果評価試験を行った。
【0050】
(比較例2)
緯糸の打込み本数を140本/inch(2.54cm)としたこと以外は実施例1と同様にして歯間清掃具を作製し、得られた歯間清掃具を用いて厚さ測定、挿入性および使用感の官能評価試験、清掃効果評価試験を行った。
【0051】
これら結果を表1に併せて示す。
【0052】
【表1】
【0053】
実施例1、実施例3、実施例4および実施例7の歯間清掃具は、コシがあるため挿入性が良好(○)であり、また、歯間や歯茎へのあたりが柔らかく、使用感が非常に良好(◎)であった。また、清掃効果評価試験は、歯間清掃具にコシがあることから帯状を維持して使用することができ、結果、プラークが全く残留しておらず(◎)、清掃効果が高かった。歯間清掃具として十分適していた。
【0054】
実施例2は、実施例1より挿入性が良好(◎)であった。耳部の厚さが小さいためである。歯間清掃具として好適であった。
【0055】
実施例5および実施例6は、使用感が良好(○)であった。実施例5は幅が広いため、少し使用しにくいためである。実施例6は、平織と比べて綾織は糸が動きやすく、少し使用しにくいためである。両方共、歯間清掃具としては適していた。
【0056】
比較例1は挿入性がやや不良(△)であり、使用感は不良(×)であった。緯糸の打込み本数が少ないことから織物の経緯のカバーファクター(K)の比が大きく、織物にコシがないためである。また、比較例2の挿入性は不良(×)であり、使用感は挿入が困難で評価できなかった。歯間清掃具として適していなかった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の歯間清掃具は、歯間の清掃に好適に使用することができる。
【国際調査報告】