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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年11月15日
【発行日】2020年3月12日
(54)【発明の名称】自動検査装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/36 20060101AFI20200214BHJP
【FI】
   G06F11/36 188
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】特願2019-517485(P2019-517485)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年3月27日
(31)【優先権主張番号】特願2017-92917(P2017-92917)
(32)【優先日】2017年5月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】平岡 康
(72)【発明者】
【氏名】津高 健太郎
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042GB05
5B042HH12
5B042HH17
5B042HH49
(57)【要約】
【課題】機器仕様情報が変更された場合であっても、検査シナリオの変更が不要又は僅かで済む自動検査装置を提供する。
【解 決手段】自動検査装置20は、変換部30と、出力部31と、取得部32と、検査部42と、を備える。変換部30は、検査対象機10に行わせる処理と、前記 検査対象機の期待動作又は期待データと、を含む検査シナリオのうち検査対象機10に行わせる処理を機器仕様情報に対応した変換信号に変換する。出力部31 は、変換信号を検査対象機10へ出力する。取得部32は、変換信号に応じて得られる検査対象機10の応答データを取得する。検査部42は、応答データと、 機器仕様情報又は検査シナリオに含まれる、期待動作又は期待データと、の一致度を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象機に行わせる処理と、前記検査対象機の期待動作又は期待データと、を含む検査シナリオのうち前記検査対象機に行わせる処理を前記検査対象機の機器仕様情報に対応した変換信号に変換する変換部と、
前記変換信号を前記検査対象機へ出力する出力部と、
前記変換信号に応じて得られる前記検査対象機の応答データを取得する取得部と、
前記応答データと、前記機器仕様情報又は前記検査シナリオに含まれる、期待動作又は期待データとの一致度を算出する検査部と、
を備えることを特徴とする自動検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動検査装置であって、
前記検査シナリオには、前記検査対象機に行わせる処理として、ユーザの操作意図又は外部から供される環境データが記載されていることを特徴とする自動検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の自動検査装置であって、
前記変換部は、前記変換信号として、前記検査対象機に対する操作信号又は入力センサデータに変換することを特徴とする自動検査装置。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載の自動検査装置であって、
前記取得部は、前記応答データとして、前記検査対象機の表示画面又は出力センサデータを取得することを特徴とする自動検査装置。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載の自動検査装置であって、
前記取得部が取得した前記応答データを解析することで前記機器仕様情報又は前記検査シナリオの作成又は編集を行う作成部を備えることを特徴とする自動検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の自動検査装置であって、
前記出力部は、操作又は表示に関する基礎的な情報に基づき、少なくとも前記検査対象機に対する操作信号を出力する処理を自律的に繰り返し行い、
前記作成部は、前記検査対象機の操作仕様データを前記機器仕様情報として作成することを特徴とする自動検査装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の自動検査装置であって、
前記出力部は、操作又は表示に関する基礎的な情報に基づき、少なくとも前記検査対象機に対する操作信号を出力する処理を自律的に繰り返し行い、
前記作成部は、前記検査対象機の表示画面の種類及び当該表示画面で表示されるデータを前記機器仕様情報として作成することを特徴とする自動検査装置。
【請求項8】
請求項1から7までの何れか一項に記載の自動検査装置であって、
前記検査部は、予め取得して記憶した前記応答データと、前記機器仕様情報又は前記検査シナリオに含まれる、期待動作又は期待データとの前記一致度を算出することを特徴とする自動検査装置。
【請求項9】
請求項1から8までの何れか一項に記載の自動検査装置であって、
前記検査部は、前記一致度として、合否を判定又は成績値を算出することを特徴とする自動検査装置。
【請求項10】
請求項1から9までの何れか一項に記載の自動検査装置であって、
前記出力部が前記変換信号を前記検査対象機へ出力するタイミングを決定するタイミング決定部を備え、
前記タイミング決定部は、前記検査対象機が前記変換信号を受け付けたこと、又は、前記検査対象機が前記変換信号に基づく処理を完了したことを前記検査対象 機の表示画面及び当該検査対象機からの応答データ又は発生する音の少なくとも1つに基づいて検出した後に、次の前記変換信号を前記検査対象機へ出力するこ とを特徴とする自動検査装置。
【請求項11】
請求項1から10までの何れか一項に記載の自動検査装置であって、
前記検査対象機で用いられるフォントを学習することで得られる学習フォントデータを記憶する記憶部と、
前記学習フォントデータを編集する編集部と、
を備え、
前記応答データを解析した時の文字認識を誤った文字又はその確度が所定の閾値以下の文字について、前記編集部は、前記応答データを用いて前記学習フォントデータを補正学習させることを特徴とする自動検査装置。
【請求項12】
検査対象機に行わせる処理と、前記検査対象機の期待動作又は期待データと、を含む検査シナリオのうち前記検査対象機に行わせる処理を前記検査対象機の機器仕様情報に対応した変換信号に変換し、
前記変換信号を前記検査対象機へ出力し、
前記変換信号に応じて得られる前記検査対象機の応答データを取得し、
前記応答データと、前記機器仕様情報又は前記検査シナリオに含まれる、期待動作又は期待データとの一致度を算出することを特徴とする自動検査方法。
【請求項13】
検査対象機に行わせる処理と、前記検査対象機の期待動作又は期待データと、を含む検査シナリオのうち前記検査対象機に行わせる処理を前記検査対象機の機器仕様情報に対応した変換信号に変換し、
前記変換信号を前記検査対象機へ出力し、
前記変換信号に応じて得られる前記検査対象機の応答データを取得し、
前記応答データと、前記機器仕様情報又は前記検査シナリオに含まれる、期待動作又は期待データとの一致度を算出する処理を演算部に行わせることを特徴とする自動検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、検査対象機を自動的に検査する自動検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリンタ等で印刷した印刷物の画像データを取得し、当該画像データの品質に基づいてプリンタ等を検査する技術を開示する。
【0003】
特許文献2は、2つの画像データを取得し、当該画像データを比較することで、2つの画像の差異を検出する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4006224号公報
【特許文献2】特開2013−214178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の自動検査装置は、検査の手順を示す検査シナリオに沿って検査が行われる。そして、従来の検査シナリオは、具体的に人間が操作するボタンやキーボード の系列として記載されている。そのため、従来の自動検査装置では、検査対象機の仕様を示す機器仕様情報が変更された場合に、その変更に応じて検査シナリオ を変更することが必要となる。この処理は煩雑かつ頻度が高くなる可能性もあるため、オペレータにとって手間となるため、改善が求められていた。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、機器仕様情報が変更された場合であっても、検査シナリオの変更が不要又は僅かで済む自動検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の観点によれば、以下の構成の自動検査装置が提供される。即ち、この自動検査装置は、変換部と、出力部と、取得部と、検査部と、を備える。前記変換 部は、検査対象機に行わせる処理と、前記検査対象機の期待動作又は期待データと、を含む検査シナリオのうち前記検査対象機に行わせる処理を前記検査対象機 の機器仕様情報に対応した変換信号に変換する。前記出力部は、前記変換信号を前記検査対象機へ出力する。前記取得部は、前記変換信号に応じて得られる前記 検査対象機の応答データを取得する。前記検査部は、前記応答データと、前記機器仕様情報又は前記検査シナリオに含まれる、期待動作又は期待データとの一致 度を算出する。
【0009】
これにより、自動検査装置が検査対象機に行わせる処理を変換信号に変換する機能を有するため、検査対象機 に行わせる処理を用いて検査シナリオを記載することができる。従って、機器仕様情報が変更された場合であっても、それに応じて検査シナリオを変更する必要 がないため、オペレータの手間を大幅に軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】検査対象機及び自動検査装置の構成を示すブロック図。
図2】自動検査装置の記憶部に記憶されたデータの内容を示す図。
図3】ダミー検査処理の内容を示すフローチャート。
図4】ダミー検査処理で作成された機器仕様情報を編集する処理を示すフローチャート。
図5】フォント学習処理の内容を示すフローチャート。
図6】操作ヒントに基づいたダミー検査処理の一種であるメニュー探索処理の内容を示すフローチャート。
図7】操作ヒントに基づいたダミー検査処理の一種である画面探索処理の内容を示すフローチャート。
図8】自動検査処理の内容を示すフローチャート。
図9】コマンド出力処理を行ってから、次のコマンド出力処理を行うまでの処理を示すフローチャート。
図10】オフライン検査処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。初めに、図1を参照して、検査対象機10及び自動検査装置20の構成について説明する。図1は、検査対 象機10及び自動検査装置20の構成を示すブロック図である。図2は、自動検査装置20の記憶部24に記憶されたデータの内容を示す図である。
【0012】
自動検査とは、検査対象機10が予め定めた仕様通りに動作するかを自動的に検査する装置である。自動的に検査とは、コンピュータを用いて検査対象機10に 指示を行うとともに、この指示に応じた検査対象機10からの応答データの合否を判定又は成績値をコンピュータが算出し、合否及び成績値を記録することを意 味する。
【0013】
検査対象機10は、特定の用途を有しており、当該用途に特化した機能を有する組込み系機器(例えば、舶用機器、 測定機器、医療機器、通信機器、輸送用機器)である。なお、検査対象機10は、汎用コンピュータに所定のアプリケーションがインストールされている構成で あっても良い。汎用コンピュータを検査対象機10とする場合、汎用コンピュータ自体を検査対象とすることもでき、又は、インストールされているアプリケー ションを検査対象とすることもできる。
【0014】
検査対象機10は、表示部11と、操作部12と、通信部13と、記憶部14と、演 算部15と、を備える。表示部11は、所定の情報を表示する部分であり、例えば液晶ディスプレイである。操作部12は、使用者が検査対象機10に所定の指 示を与えるために操作する部分であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、音声認識装置等である。通信部13は、検査対象機10 が他の機器(特に、自動検査装置20)との通信に用いる部分(通信アンテナ、通信ケーブルの接続部等)である。記憶部14は、電子データを記憶する部分で ある。演算部15は、所定のプログラムを用いて演算処理を行う部分である。
【0015】
自動検査装置20は、検査対象機10を自動検 査するための装置である。自動検査装置20は、汎用コンピュータに自動検査用アプリケーションがインストールされた(自動検査プログラムが記憶された)構 成である。なお、自動検査装置20は、自動検査を主たる用途とする組込み機器であっても良い。
【0016】
自動検査装置20は、表示 部21と、操作部22と、通信部23と、記憶部24と、演算部25と、を備える。表示部21は、所定の情報を表示する液晶ディスプレイ等である。操作部 22は、使用者が自動検査装置20に所定の指示を与えるために操作する部分であり、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、音声認識 装置等である。通信部23は、自動検査装置20が他の機器(特に、検査対象機10)との通信に用いる部分(通信アンテナ、通信ケーブルの接続部等)であ る。
【0017】
記憶部24は、電子データを記憶可能な不揮発性メモリであり、具体的には、フラッシュメモリ(フラッシュディスク及 びメモリーカード等)、ハードディスク、又は光ディスク等である。図2に示すように、記憶部24には、自動検査プログラムと、機器仕様情報作成プログラム と、機器仕様情報編集プログラムと、フォントデータ編集プログラムと、機器仕様情報と、学習フォントデータと、検査シナリオデータと、検査結果データと、 が記憶されている。なお、これらのデータの一部(特に、機器仕様情報、検査シナリオデータ、及び検査結果データ)は、自動検査装置20以外の装置に記憶さ れていても良い。
【0018】
自動検査プログラムは、上述の自動検査を実行するためのプログラムである。機器仕様情報作成プログラム は、検査対象機10からの応答データを用いて機器仕様情報を作成するプログラムである。機器仕様情報編集プログラムは、機器仕様情報作成プログラムを用い て作成した機器仕様情報をオペレータの操作及び許可に基づいて編集するためのプログラムである。フォントデータ編集プログラムは、後述の学習フォントデー タを編集するためのプログラムである。
【0019】
機器仕様情報とは、検査対象機10の設計内容、取決め、及び要求事項等が記載され たデータである。機器仕様情報には、例えば、操作仕様データ、表示仕様データ、メニュー仕様データ、及び通信仕様データが含まれている。操作仕様データに は、操作部12を操作したときに検査対象機10がどのような処理を行うか等が記載されている。表示仕様データには、検査対象機10の表示部11にどのよう な画面が表示されるかが記載されている。より具体的には、検査対象機10が表示する画面の種類(初期設定画面、メニュー選択画面、及び測定結果の表示画面 等)、及び当該画面において、表示される情報の内容、当該情報の表示範囲、大きさ、及びフォント(文字の場合)等である。メニュー仕様データは、検査対象 機10のメニューツリー(メニュー項目の内容、表示順序、階層等を示すデータ)及びメニュータイトル等を示すデータである。通信仕様データは、検査対象機 10が他の機器との通信に用いる通信規格等である。また、これらの仕様データには、所定の設定項目における現在の設定値を示すデータが含まれていても良 い。
【0020】
検査シナリオデータとは、自動検査時において、検査対象機10にどのような処理を行わせるかを定めるデータである。 検査シナリオには、複数の検査項目が含まれている。検査項目とは、検査シナリオを検査内容毎に分けたものである。各検査項目には、図2に示すように、検査 ナンバー(番号位置)と、検査内容と、入力内容と、期待内容と、が記載されている。検査ナンバーは、検査を行う順序を示すとともに、検査項目のIDとして の機能を有している(別途IDを設定しても良い)。検査内容には、どのような内容を検査するかが記載されている。入力内容には、検査対象機10にどのよう な指示を入力するかがユーザの意図レベルで記載されている(即ち、ユーザの操作意図が記載されている)。また、入力内容には、操作意図に代えて又は加え て、外部から供される環境データが記載されていても良い。期待内容には、期待データ及び期待動作が含まれている。期待データとは、機器仕様情報及び検査シ ナリオから導かれる検査対象機10が出力するデータである。期待動作とは、機器仕様情報及び検査シナリオから導かれる検査対象機10の動作である。なお、 期待内容としては、表示部11に表示される情報の表示範囲(位置及び大きさを含む、例えば4つの画素アドレスで示される矩形領域)、表示される数値の範 囲、表示される数値と他のデータとの大小関係、数値の時間的特性、表示される文字の内容、他イベントとの前後関係や遅延時間等がある。なお、期待内容は、 検査シナリオデータに加えて又は代えて、機器使用情報に記載されていても良い。
【0021】
学習フォントデータは、検査対象機10の表示部11に表示される文字に対して文字認識(OCR)を行うためのデータである(詳細は後述)。
【0022】
検査結果データは、上記の検査シナリオを用いて検査を行った結果を示すデータである。自動検査装置20は、検査シナリオの期待データ又は期待動作と、検査 対象機10が実際に出力したデータ(以下、応答データ)と、を比較することで自動検査を行う。具体的には、期待内容が単一の数値で構成されている場合は、 期待データと検査対象機10の応答データが一致した場合に、判定結果が「OK」となる。期待内容が数値範囲で構成されている場合は、応答データがこの数値 範囲内である場合に、判定結果が「OK」となる。また、期待内容が単調増加、又は、収束等である場合、検査対象機10がこのような動作を示した場合に、判 定結果が「OK」となる。一方で、上記のような応答データが得られなかった場合は、判定結果は「NG」となる。判定結果が「NG」の場合は、「NG」と なった理由(判定理由)、即ち、期待内容と検査対象機10の応答データとで何が異なっていたかが記載される。また、検査結果データとしては、「OK」か 「NG」だけでなく、成績値を記載することもできる。例えば、応答データの値と、期待内容の値と、の差異等に応じて成績値を算出し、その成績値を検査結果 データとして記載する。
【0023】
演算部25は、FPGA、ASIC、又はCPU等の演算装置により実現される。演算部25は、予 め作成されたプログラム(例えば、自動検査プログラム、機器仕様情報作成プログラム)を実行することで、自動検査装置20に関する様々な処理を実行可能に 構成されている。以下の説明では、演算部25が実行する処理のうち、自動検査処理、及び、機器仕様情報作成処理について詳細に説明するが、演算部25はそ れ以外の処理についても実行可能である。
【0024】
演算部25は、変換部30と、出力部31と、取得部32と、タイミング決定部41と、検査部42と、作成部51と、編集部52と、を備える。
【0025】
変換部30は、検査シナリオを読み出し、検査シナリオに記載されている、ユーザの操作意図又は外部から供される環境データを、検査対象機10の機器仕様情 報に基づいて、検査対象機10に対する操作信号又は入力センサデータ(これらを変換信号と総称)に変換する演算を行う。具体的には、例えば検査対象機10 がソナーである場合において、ユーザの操作意図として、「音波の送信周波数を200kHzにする」と記載されている状況を考える。変換部30は、この操作 意図を、音波の送信周波数を設定する画面を読み出して200kHzを選択するまでに必要な操作部12の操作信号に変換する。なお、変換部30は、検査対象 機10の機器仕様情報(より詳細には操作仕様データ)に基づいて、この変換を行う。また、別の例として、環境データの変換について説明する。例えば、検査 対象機10が外部センサとLAN等を用いて通信する場合、外部センサの検出値を、物理量を示すデータからセンテンスフォーマットデータに変換する必要があ る。変換部30は、機器仕様情報(詳細には通信仕様データ)に基づいて、この変換を行う。また、検査対象機10が外部センサとアナログインタフェースで通 信する場合、検査対象機10側には外部センサからのデータを処理するためのプログラムが必要となる。そのため、変換部30は、このプログラムに応じた フォーマット、タイミング等のプロトコルを用いて、環境データを変換する。この変換も、上記と同様に、機器仕様情報(詳細には通信仕様データ)に基づいて 行われる。このように、環境データを機器仕様情報に基づいて、検査対象機10で処理可能な形式に変換したデータを入力センサデータと称する。
【0026】
出力部31は、操作信号出力処理と、センサデータ出力処理と、の両方を行う(出力部31は片方の処理のみを実行可能であっても良い)。操作信号出力処理 は、検査対象機10の操作部12が操作された状態を実現する操作信号(変換部30が作成した操作信号)を出力する処理である。本実施形態では、出力部31 が操作信号を検査対象機10へ出力することで、操作部12の各キーが操作された状態を実現している。従って、出力部31は操作部12のキーの数、キーの操 作方法等に応じた操作信号を出力可能である。なお、出力部31は、検査対象機10の操作部12を物理的に操作(キーの押圧、回転等)するための操作信号を 出力する構成であっても良い。この場合、操作部12の近傍に操作部12を物理的に操作するための操作機構を備え、出力部31が操作機構へ所定の操作信号を 出力することで、当該操作機構が操作部12を操作して、操作部12の各キーが操作された状態が実現される。センサデータ出力処理は、所定のセンサの検出結 果を示す出力センサデータ(変換部30が作成した出力センサデータ)を検査対象機10へ出力する処理である。なお、操作信号出力処理と、センサデータ出力 処理と、の少なくとも一方を含む処理(2つの処理の総称)をコマンド出力処理と称する。
【0027】
取得部32は、出力部31の出力 内容に応じて検査対象機10から出力される応答データを取得する。取得部32が取得するデータとしては、検査対象機10の表示部11に表示される画面の画 像データであっても良いし、表示部11に表示される文字データ又は数値データであっても良いし、検査対象機10から外部へ出力されるデータ(画像データ、 文字データ、数値データ等)であっても良い。また、取得部32は、表示部11に表示される画面の画像データを取得する(以下、画面を取得等と記載する)場 合、検査対象機10と通信を行って画面を取得しても良いし、表示部11をカメラ等で撮影することで画面を取得しても良い。
【0028】
タイミング決定部41は、出力部31が操作信号又はセンサデータを出力するタイミングを決定する。検査部42は、検査シナリオの期待データと、検査対象機 10の応答データと、の一致度を算出する。具体的には、検査部42は、期待データと応答データの一致度が所定の範囲内であるか否か(合格か否か)を検査し たり、期待データの応答データの一致度に基づいて成績値を算出したりする。
【0029】
作成部51は、取得部32が取得した応答データに基づいて(例えば取得した画面を解析する等して)機器仕様情報を作成したり、この機器仕様情報をオペレータの指示に基づいて編集したりする。編集部52は、学習フォントデータを編集する。
【0030】
ここで、検査対象機10が出力した応答データに基づいて機器仕様情報を作成する目的について説明する。従来は、機器仕様情報を主に手入力により作成してい る。機器仕様情報が定める事項は膨大であるため、機器仕様情報の作成に長い時間が掛かったり、作成した機器仕様情報に誤りが含まれたりすることがあった。 機器仕様情報に誤りが含まれている場合、検査対象機10が正常に動作していても、機器仕様情報が古いため期待データが誤った値となり、検査結果が「NG」 となることがある。このような点を考慮し、本実施形態の自動検査装置20は、機器仕様情報の作成を簡単かつ正確に行うために、機器仕様情報を検査対象機 10の応答データに基づいて自動的に作成する処理(ダミー検査処理、メニュー探索処理、画面探索処理)を行う。以下、具体的に説明する。
【0031】
初めに、図3を参照して、機器仕様情報を作成するダミー検査処理について説明する。図3は、ダミー検査処理の内容を示すフローチャートである。
【0032】
ダミー検査処理とは、検査シナリオに沿って検査対象機10の画面を変化させることで、検査対象機10の表示仕様を取得することを目的としている。つまり、 検査結果を得ることを目的とせずに、検査に類似する処理を行うため「ダミー」検査と称している。なお、自動検査装置20は、画面以外の応答データを取得す る構成であっても良い。
【0033】
初めに、自動検査装置20(変換部30)は、上述のように、検査シナリオを読み出し、検査シナリ オに記載されている、ユーザの操作意図又は外部から供される環境データを、検査対象機10の機器仕様情報に基づいて、検査対象機10に対する操作信号/入 力センサデータに変換する(S101)。このように、以下では、操作信号とセンサデータの少なくとも一方(即ち変換信号)をスラッシュを用いて「操作信号 /センサデータ」と記載する。次に、自動検査装置20(出力部31)は、検査シナリオに基づいて、操作信号/センサデータを検査対象機10に対して出力す る(S102)。ステップS102により、検査対象機10の画面が変化する。
【0034】
次に、自動検査装置20(取得部32)は、 検査対象機10に表示される画面(表示画面)を取得する(S103)。検査シナリオに基づく検査では、操作意図に基づいて一連の操作やデータ入力を行った 後に検査対象機10に表示される画面を取得する。つまり、検査シナリオに基づく検査では、検査で用いられる画面のみを取得する。なお、この処理に代えて、 検査シナリオに基づく検査において、全ての画面を取得する処理を行っても良い。
【0035】
次に、自動検査装置20(作成部51) は、ステップS102で取得した画面を解析することで得られたデータから機器仕様情報を作成する(S104)。画面の解析とは、画面に対して文字認識、図 形認識等を行い、画面に含まれているデータを抽出する処理である。画面に含まれているデータとしては、表示されているデータの種類及びその表示範囲(位置 及び大きさ)、表示されている具体的な文字、記号、及び数字等を示すコード、及び、文字等の大きさ、色、及びフォント等である。これらのデータは、機器仕 様情報(特に表示仕様データ)そのものであるか、機器仕様情報を作成する元データとなる。従って、画面を解析することで得られたデータに基づいて機器仕様 情報を作成することができる。
【0036】
次に、自動検査装置20は、検査項目が残っているか否かを判定する(S105)。自動検査 装置20は、検査項目が残っている(検査シナリオが終了していない)場合は、ステップS101に戻り、次の操作信号/センサデータを変換する (S101)。一方、自動検査装置20は、検査項目が残っていない(検査シナリオが終了した)場合はダミー検査処理を終了する。
【0037】
このように、ダミー検査処理を行うことで、検査シナリオに基づいて表示される画面を取得できる。検査シナリオでは、あらゆる状態の画面(特に重要な画面) が表示されると考えられるので、検査対象機10が作成する画面を網羅的に取得できる。以上のようにしてコンピュータを用いて機器仕様情報を作成すること で、手入力で作成する場合と比較して簡単かつ短期間で機器仕様情報を作成できる。更に、ヒューマンエラーを防止できるので、正確な機器仕様情報を作成でき る。なお、検査対象機10に正しい仕様が反映されていない場合、又は、検査シナリオが誤っている場合等のために、自動検査装置20は、上記で作成された機 器仕様情報を編集する機能を有する。以下、具体的に説明する。
【0038】
次に、図4を参照して、ダミー検査処理で得られた機器仕様情報を編集する処理について説明する。図4は、ダミー検査処理の結果に基づいて機器仕様情報を編集する処理を示すフローチャートである。
【0039】
オペレータは、自動検査装置20の操作部22に適宜の操作を行うことで、自動検査装置20が作成した機器仕様情報を表示部21に表示可能である。また、自 動検査装置20は、オペレータの指示に基づいて、機器仕様情報の編集箇所の選択を受け付け(S201)、当該編集箇所の変更内容を受け付けることで (S202)、機器仕様情報の内容を更新する(S203)。なお、ここで更新した内容が検査シナリオの内容にも影響する場合、自動検査装置20は、当該更 新内容に基づいて検査シナリオも更新する(S203)。例えば、文字の表示範囲が更新された場合、検査シナリオに記載の文字の表示範囲(文字認識を行う範 囲)も更新される。
【0040】
次に、図5を参照して、フォント学習処理について説明する。図5は、フォント学習処理の内容を示すフローチャートである。
【0041】
自動検査装置20は、予め、検査対象機10のフォントデータの学習処理を行って学習フォントデータを作成する。学習フォントデータとは、文字コードと、文 字の画像と、の対応関係を示すデータである。自動検査装置20は、事前に検査対象機10が使用しているフォントデータを検査対象機10から、又は、別の ソースから取得する。従って、自動検査装置20は、検査対象機10で用いるフォントデータを用いるため、確度の高い文字認識(OCR)を行うことができ る。しかし、検査対象機10によっては、文字等を表示する際に濃淡のグラデーションを付けて表示したり、アンチエイリアシングを行ったりすることがあるた め、文字認識に失敗する場合もある。本実施形態では、文字認識をより正確に行うために、以下のフォント学習処理を行って学習フォントデータを更新する。
【0042】
初めに、自動検査装置20(出力部31)は、ダミー検査で取得された画面又はその解析結果(文字認識の結果)を取得する(S301)。そして、自動検査装 置20は、ダミー検査で取得された画面を取得した場合、当該画面に対して文字認識を行う。ここで文字認識のために用いられるデータは、事前に学習したフォ ントデータである。つまり、事前に学習した文字の画像と、ステップS301で取得した画面に含まれている文字の画像と、の一致度を求めることで、文字認識 を行う(又はその文字認識の結果を取得する)。
【0043】
次に、自動検査装置20は、文字認識の結果、文字認識の確度が低いものがあるか否かを判定する(S302)。この処理は、上記の一致度が所定の閾値よりも低いか否かに基づいて判定できる。
【0044】
文字認識の確度が低いものが無い場合、自動検査装置20は、ステップS301に戻って別の画面を取得する(S301)。文字認識の確度が低いものがあった 場合、自動検査装置20は、該当する文字の画像(ステップS301で取得した画面の一部)と、当該文字認識で最も一致度が高かった文字と、を並べて表示部 21に表示することで(S303)、文字認識が正しいか否かオペレータに問い合わせる。
【0045】
自動検査装置20は、文字認識の 結果が正しいか否かのオペレータからの回答を待機している(S304)。自動検査装置20(編集部52)は、オペレータから文字認識の結果が正しい旨の回 答があった場合、学習フォントデータを更新する(S305)。具体的には、ステップS301で取得した画面に含まれている文字の画像と、文字コードと、が 対応付けられるように学習フォントデータの内容を変更する。これにより、文字認識をより正確に行うことができる。
【0046】
また、 自動検査装置20は、オペレータから文字認識の結果が正しくない旨の回答があった場合(ステップS304でNoの場合)、次に一致度が高い文字と、画面に 含まれている文字の画像と、を並べて表示し、同様の問い合わせを行う(S306)。なお、オペレータからの正しい文字の入力を受け付けても良い。
【0047】
また、事前に行ったフォントの学習処理を省略することもできる。この場合、自動検査装置20は、検査対象機10が使用しているフォントデータを取得せず に、一般的な文字認識ソフトをベースとしてフォント学習を行うこととなる。これにより、学習フォントデータの更新の回数は多くなるが、事前の処理が簡単に なる。
【0048】
次に、図6を参照して、操作ヒントに基づいたメニュー探索処理について説明する。図6は、メニュー探索処理の内容 を示すフローチャートである。図6の処理において、操作ヒントとは、メニュー項目に関する操作又は表示に関する基礎的な情報(メニュー画面を開く操作、メ ニュー項目の選択位置を移動させる操作、決定操作、決定を取り消す操作等)である。
【0049】
一般的な検査シナリオでは、単一の操 作信号を組み合わせることで、目的とする検査項目に関する操作を行わせる。しかし、メニューツリー(メニュー項目を階層に基づいて並べたもの)が変化した 場合、同じメニュー項目を選択する場合であっても操作信号の組合せが異なることがあるため、検査シナリオを修正する必要がある。また、新たな検査項目の検 査シナリオを作成する場合においても、複数の操作を記載する必要があるため、オペレータの手間が大きい。本実施形態では、これらの手間を軽減するために、 以下のメニュー探索処理を行う。
【0050】
メニュー探索処理とは、自動検査装置20が、検査シナリオによらずに、上記の操作ヒント に基づいて検査対象機10を操作することで、検査対象機10のメニューツリーを取得することにある。そのため、メニュー探索処理において出力される操作信 号は、ユーザの操作意図等が変換された操作信号(変換信号)ではなく、自動検査装置20が自律的に生成した操作信号である。メニュー探索処理は、検査結果 データの作成を目的としない検査である。メニューツリーを取得することで、所定のメニュー項目(操作意図、操作目的)を選択するためにどのような操作をす れば良いか(どのような操作信号を出力すれば良いか)を容易に求めることができる。以下、具体的に説明する。
【0051】
初めに、自動検査装置20に対して、上記の操作ヒントを学習させる。この学習に基づいて、自動検査装置20は、操作信号を出力し、メニュー項目の探索を行う。
【0052】
具体的には、自動検査装置20(取得部32)は、検査対象機10に表示されている画面を取得して解析(文字認識等)を行うことで、この画面に表示されてい るメニュー項目を取得する(S401)。次に、自動検査装置20(出力部31)は、未登録のメニュー項目が表示されるように操作信号を出力する (S402)。具体的には、画面に表示されているメニュー項目であって、メニュー探索処理でまだ選択していないメニュー項目を選択する処理を行う。或い は、現在よりも上位のメニュー項目を表示する処理を行い、この上位のメニュー項目のうちメニュー探索処理でまだ選択していないメニュー項目を選択する処理 を行う。
【0053】
そして、自動検査装置20は、未登録のメニュー項目が表示されたか否かを判定する(S403)。未登録のメ ニュー項目が表示された場合は、ステップS401に戻って、表示されている未登録のメニュー項目を取得する。また、自動検査装置20は、ステップS402 の処理を行っても未登録のメニュー項目が表示されなかった場合、全てのメニュー項目の探索が終了したと判断し、取得したメニュー項目を整理して操作仕様 データの一種であるメニュー仕様データ(メニューツリー、メニュータイトル、及び設定値等)を作成する(S404)。
【0054】
なお、上記のようにして作成したメニュー仕様データに対しても、図4で示したように、自動検査装置20(作成部51)は、オペレータの指示に基づいて、内容を変更(編集)することができる。
【0055】
このように、検査対象機10を操作して得られたメニュー項目に基づいてメニュー仕様データを作成することで、検査対象機10が有するメニュー仕様データを簡単かつ正確に作成することができる。
【0056】
また、メニュー仕様データ作成することで、所定の情報に値を入力したり、値を選択したりするためにどのような操作信号を出力すれば良いかを容易に求めるこ とができる。これにより、検査シナリオには、最終的に選択したい変数とパラメータを記載するだけで良い。以下、具体的に説明する。図2の検査シナリオの No.1に示すように、本実施形態では入力内容として「変数Xのパラメータを数値Nに設定」と記載されている。例えば検査対象機10がソナーである場合、 この入力内容として、音波の送信周波数を200kHzに設定することを例として挙げることができる。ここで、従来の自動検査装置では、このような入力内容 を設定する場合、検査シナリオにおいて、変数Xのパラメータを変更するために必要な操作手順(キーコードの列)が記載される。そのため、従来の自動検査装 置では、メニューツリー等のメニュー仕様データが変更された場合、検査シナリオを変更する必要がある。これに対し、本実施形態では、検査シナリオが操作意 図で記載され、操作意図が機器仕様情報(具体的にはメニュー仕様データ)に基づいて、キーコード等に変換される構成である。従って、本実施形態の自動検査 装置20では、メニューツリー等のメニュー仕様データが変更された場合であっても検査シナリオの変更が不要となる。
【0057】
次 に、図7を参照して、操作ヒントに基づいた画面探索処理について説明する。図7は、画面探索処理の内容を示すフローチャートである。図7の処理において、 操作ヒントとは、画面選択に関する操作又は表示に関する基礎的な情報(画面を開く操作、画面を切り替える操作等)である。
【0058】
画面探索処理は、検査対象機10から取得した画面に基づいて、表示仕様データを更新することを目的とした処理である。画面探索処理は、検査結果データの取得を目的としない検査である。画面探索処理は、メニュー探索処理と同様の処理であるため、簡単に説明する。
【0059】
初めに、自動検査装置20に対して、上記の操作ヒントを学習させる。この学習に基づいて、自動検査装置20は、操作信号を出力し、画面の探索を行う。
【0060】
具体的には、自動検査装置20(取得部32)は、検査対象機10に表示されている画面を取得して解析を行うことで、画面の種類及び当該画面に表示されてい る情報を取得する(S501)。画面に表示されている情報としては、表示されている情報の種類及びその表示範囲(位置及び大きさ)、表示されている具体的 な文字、記号、及び数字等を示すコード、及び、文字等の大きさ、色、及びフォント等である。次に、自動検査装置20(出力部31)は、未登録の画面が表示 されるように操作信号を出力する(S502)。そして、自動検査装置20は、未登録の画面が表示されたか否かを判定する(S503)。未登録の画面が表示 された場合は、ステップS501に戻って、表示されている未登録の画面を取得する。また、自動検査装置20は、ステップS502の処理を行っても未登録の 画面が表示されなかった場合、全ての画面の探索が終了したと判断し、取得した画面を解析及び整理して画面データを作成する(S504)。
【0061】
なお、上記のようにして作成した画面データに対しても、図4で示したように、自動検査装置20(作成部51)は、オペレータの指示に基づいて、内容を変更(編集)することができる。
【0062】
また、メニュー探索処理及び画面探索処理は、以下の用途・利点も有する。即ち、これらの処理は、新しいバージョンの検査対象機10が、以前のバージョンの 仕様データと一致しているか否かの検査に用いることができる。この確認は、検査シナリオが必要でないため、より簡単に(オペレータの手間なく)行うことが できる。また、これらの処理(特にメニュー探索処理)で得られたデータは、検査シナリオの操作意図を操作コマンドに変換するためのデータベースとしても用 いることができる。また、これらの処理(特に画面探索処理)で得られたデータは、検査対象機に表示される各画面における情報の表示範囲を検査シナリオ又は 機器仕様情報に記載するためのデータベースとしても用いることができる。
【0063】
次に、図8を参照して、自動検査処理について説明する。図8は、自動検査処理の内容を示すフローチャートである。
【0064】
初めに、自動検査装置20(変換部30)は、ダミー検査処理時と同様に、検査シナリオを読み出し、検査シナリオに記載されている、ユーザの操作意図又は外 部から供される環境データを、検査対象機10の機器仕様情報に基づいて、検査対象機10に対する操作信号/入力センサデータに変換する(S601)。
【0065】
次に、自動検査装置20(出力部31)は、ステップS101で変換した操作信号/センサデータを出力する(S602)。次に、自動検査装置20は、検査対 象機10から応答データを取得する(S603)。なお、ここで取得される応答データは、操作信号/入力センサデータに応じて検査対象機10に表示される画 面であるか、操作信号/入力センサデータに応じて検査対象機10から出力される出力センサデータである。
【0066】
次に、自動検査 装置20(検査部42)は、応答データと、期待データ/期待動作と、に基づいて合否を判定、又は、成績値を算出し(即ち一致度を算出し)、判定結果、又 は、成績値を検査結果データに記載する(S604)。上述のように、応答データの合否が判定される場合は、「OK」か「NG」が記載され、応答データの成 績値が算出される場合はその値が記載される。また、判定結果が「NG」である場合の判定理由、及び、成績値が所定の閾値以下である場合の理由についても検 査結果データに記載される。
【0067】
次に、自動検査装置20は、検査項目が残っているか否かを判定する(S605)。自動検査装 置20は、検査項目が残っている(検査シナリオが終了していない)場合は、ステップS601に戻り、次の検査項目について、操作信号/センサデータを変換 する。一方、自動検査装置20は、検査項目が残っていない(検査シナリオが終了した)場合は自動検査処理を終了する。
【0068】
なお、自動検査装置20は、ダミー検査処理と同様に、ステップS603で取得した検査対象機10の応答データ(検査対象機10に表示される画面)を記憶部24に記憶しても良い。この記憶した応答データは、後述のオフライン検査処理に用いることができる。
【0069】
次に、図9を参照して、出力タイミングを決定する処理について説明する。図9は、コマンド出力処理を行ってから、次のコマンド出力処理を行うまでに行う処理を示すフローチャートである。
【0070】
ここで、検査対象機10に連続してコマンド出力処理を行う場合において、1つ目のコマンド出力処理に対して検査対象機10が行う処理が完了する前に(例え ば、画面切替えを指示する操作信号を出力したがまだ画面が切り替わっていない状態で)2つ目のコマンド出力処理が行われた場合、2つ目のコマンド出力処理 が受け付けられない可能性がある。従って、一般的には、次のコマンド出力処理を受け付けるまでの時間である標準待機時間を設定し、標準待機時間が経過した 後に次のコマンド出力処理を行うように設定される。なお、自動検査を確実に行うために、標準待機時間は余裕を持たせた値(長めに見積もった値)が設定され る。そのため、自動検査に掛かる時間が長くなっていた。この点を考慮し、本実施形態では、検査対象機10の画面の変化に基づいて検査対象機10の状態を検 出し、次のコマンド出力処理を行う構成である。
【0071】
図9に示す処理は、図8のステップS601が複数のコマンド出力処理を含 んでいる場合において、あるコマンド出力処理を行ってから次のコマンド出力処理を行うまでの間に行われる。初めに、自動検査装置20は、直前のコマンド出 力処理の応答カテゴリを取得する(S701)。応答カテゴリとは、コマンド出力処理に対して検査対象機10が行う応答動作を種類別に分けたものである。応 答カテゴリの分け方は任意であるが、例えば、カーソル移動、画面切替え、数値表示等を挙げることができる。
【0072】
自動検査装置 20は、直近のコマンド出力処理に対する応答カテゴリを把握可能である場合、検査対象機10の画面を取得し(S703)、この画面を解析することで、応答 カテゴリに応じた画面変化が発生したか否かを検出する(S704)。応答カテゴリに応じた画面変化が生じた場合(例えば、応答カテゴリが画面変化であり画 面が変化したことが認識できた場合)、直近のコマンド出力処理に対する検査対象機10の処理が完了したことと判断できるので、図9の処理を完了する。その 後、タイミング決定部41は、次のコマンド出力処理を行うように出力部31に指示する。これにより、コマンド出力処理を行ってから次のコマンド出力処理を 行うまでの時間を短くできるので、自動検査に掛かる時間を短くできる。
【0073】
なお、自動検査装置20は、ステップS702において、応答カテゴリを把握できない場合、標準待機時間の待機を行う(S705)。この待機後、タイミング決定部41は、次のコマンド出力処理を行うように出力部31に指示する。
【0074】
なお、自動検査装置20は、画面変化に限られず、検査対象機10が発生する音やセンテンス出力に基づいて、出力部31のコマンド出力処理を検査対象機10が受け付けたことを検出しても良い。
【0075】
次に、図10を参照して、オフライン検査処理について説明する。図10は、オフライン検査処理を示すフローチャートである。
【0076】
本実施形態の自動検査装置20は、ダミー検査処理又は自動検査処理を行うことにより、検査シナリオの検査項目毎に検査対象機10が表示する画面が記憶部 24に記憶されている。従って、例えば自動検査処理を行って、検査結果が「NG」となった検査項目があった場合等において、記憶部24に記憶されている画 面を用いて再検査を行うことができる。
【0077】
なお、初めに行った自動検査において検査対象機10に不具合等があり、得られた画 像自体に間違いが存在しているような場合は、オフライン検査処理を行うことは適切ではない。オフライン検査は、機器仕様情報又は検査シナリオにミスがある ことに起因して検査結果が「NG」となった場合において、機器仕様情報等の修正後に検査結果が正しくなることを確認するために行うことが適切である。
【0078】
具体的には、自動検査装置20は、検査シナリオに基づいて、記憶部24に記憶した応答データを読み出す(S801)。次に、自動検査装置20は、応答デー タと、期待データ/期待動作と、に基づいて合否を判定、又は、成績値を算出し、判定結果、又は、成績値を検査結果データに記載する(S802)。なお、具 体的な検査の内容及びその後の処理(S803等)については、自動検査処理と同様であるため説明を省略する。
【0079】
オフライン 検査を行うことで、検査対象機10と接続することなく(オフラインで)検査を行うことができる。従って、検査対象機10が他用途で使用されている場合にお いても検査を行うことができる。更に、オフライン検査では、通常の自動検査と異なり検査対象機10の応答を待つ必要がないため、短期間で検査を完了させる ことができる。なお、オフライン検査処理は、検査シナリオの任意の箇所のみについて実行できる。そのため、例えば、所定の番号位置からオフライン検査処理 を開始したり、検査結果が「NG」の検査項目についてのみオフライン検査処理を行ったりすることができる。
【0080】
以上に説明し たように、本実施形態の自動検査装置20は、変換部30と、出力部31と、取得部32と、検査部42と、を備える。変換部30は、検査対象機10に行わせ る処理と、前記検査対象機の期待動作又は期待データと、を含む検査シナリオのうち検査対象機10に行わせる処理(具体的にはユーザの操作意図又は外部から 供される環境データ)を機器仕様情報に対応した変換信号(具体的には検査対象機10に対する操作信号又は入力センサデータ)に変換する(変換ステップ)。 出力部31は、変換信号を検査対象機10へ出力する(出力ステップ)。取得部32は、変換信号に応じて得られる検査対象機10の応答データ(具体的には表 示画面又は出力センサデータ)を取得する(取得ステップ)。検査部42は、応答データと、機器仕様情報又は検査シナリオに含まれる、期待動作又は期待デー タと、の一致度を算出(具体的には合否を判定、又は、成績値を算出)する(検査ステップ)。
【0081】
これにより、自動検査装置 20が検査対象機10に行わせる処理を変換信号に変換する機能を有するため、検査対象機に行わせる処理を用いて検査シナリオを記載することができる。従っ て、機器仕様情報が変更された場合であっても、それに応じて検査シナリオを変更する必要がないため、オペレータの手間を大幅に軽減できる。
【0082】
また、本実施形態の自動検査装置20は、取得部32が取得した応答データを解析することで機器仕様情報又は検査シナリオの作成又は編集を行う作成部51を備える。
【0083】
これにより、検査対象機10から出力された応答データに基づいて機器仕様情報を作成することで、機器仕様情報を簡単かつ正確に作成することができる。
【0084】
また、本実施形態の自動検査装置20では、出力部31は、操作又は表示に関する基礎的な情報に基づき、少なくとも操作信号を出力する処理を自律的に繰り返し行う。作成部51は、検査対象機10の操作仕様データを機器仕様情報として作成する。
【0085】
また、本実施形態の自動検査装置20では、出力部31は、操作又は表示に関する基礎的な情報に基づき、少なくとも操作信号を出力する処理を自律的に繰り返 し行う。作成部51は、検査対象機10の表示画面の種類及び当該表示画面で表示されるデータを機器仕様情報として作成する。
【0086】
これにより、自動検査装置20が、検査シナリオによらずに、自律的・自動的に操作仕様データ及び表示仕様データを作成可能であるため、仕様書作成の手間を大幅に軽減できる。また、これらのデータは、上述したように、操作意図の変換等にも用いることができる。
【0087】
また、本実施形態の自動検査装置20では、検査部42は、予め取得して記憶した応答データと、検査シナリオに含まれる期待データと、に基づいて合否を判定、又は、成績値を算出する。
【0088】
これにより、検査対象機10を用いることなく、検査対象機10の自動検査を行うことができる。
【0089】
また、本実施形態の自動検査装置20は、出力部31が操作信号又は入力センサデータを検査対象機10へ出力するタイミングを決定するタイミング決定部41 を備える。タイミング決定部41は、検査対象機10が操作信号又は入力センサデータを受け付けたこと、又は、検査対象機10が操作信号又は入力センサデー タに基づく処理を完了したことを検査対象機10の表示画面及び当該検査対象機10からの応答データ又は発生する音の少なくとも1つに基づいて検出した後 に、次の操作信号又は入力センサデータを検査対象機10へ出力する。
【0090】
これにより、コマンド出力処理を行ってから次のコマンド出力処理を行うまでの時間を短くできるので、自動検査に掛かる時間を短くできる。
【0091】
また、本実施形態の自動検査装置20は、記憶部24と、編集部52と、を備える。記憶部24は、検査対象機10で用いられるフォントを学習することで得ら れる学習フォントデータを記憶する。編集部52は、学習フォントデータを編集する。応答データを解析した時の文字認識を誤った文字又はその確度が所定の閾 値以下の文字について、編集部52は、応答データを用いて学習フォントデータを補正学習させる。
【0092】
これにより、検査対象機10で実際に行われる表示に基づいてフォントデータが学習されるので、文字認識の精度を高めることができる。
【0093】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0094】
上記実施形態では、図9に示す処理において、自動検査装置20は、出力部31のコマンド出力処理に基づく検査対象機10の処理が完了したことを検出する構 成であるが、出力部31のコマンド出力処理を検査対象機10が受け付けたことを検出する構成であっても良い。具体的には、検査対象機10の操作部12が操 作されることで確認音が鳴る場合は当該確認音を用いて、出力部31のコマンド出力処理を検査対象機10が受け付けたことを検出できる。なお、上記実施形態 と同様に、検査対象機10の画面変化に基づいて、出力部31のコマンド出力処理を検査対象機10が受け付けたことを検出しても良い。
【符号の説明】
【0095】
10 検査対象機
20 自動検査装置
24 記憶部
25 演算部
30 変換部
31 出力部
32 取得部
41 タイミング決定部
42 検査部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】