特表-18216123IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年11月29日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】車両制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/165 20120101AFI20191129BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20191129BHJP
   B60K 31/00 20060101ALI20191129BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   B60W30/165
   B60W30/09
   B60K31/00 Z
   G08G1/16 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2019-519862(P2019-519862)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年5月24日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】小黒 宏史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大智
【テーマコード(参考)】
3D241
3D244
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA02
3D241BA05
3D241BA08
3D241BA33
3D241BB37
3D241BC01
3D241CD11
3D241CD12
3D241CE05
3D241DB02Z
3D241DC02Z
3D241DC03Z
3D241DC09Z
3D241DC26Z
3D241DC27Z
3D244AA04
3D244AA25
3D244AC26
3D244AC59
3D244AD01
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181CC24
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF22
5H181FF32
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
本発明は、自車両(100)の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置(10)に関する。外界状態検出部(80)が、追従制御の対象である第1他車両(121)、及び、第1他車両(121)と自車両(100)の間に割り込む走行挙動を示す第2他車両(122)を検出した場合、減速度制限部(86)は、第2他車両(122)に対する自車両(100)の相対速度(ΔV)が、正値である速度閾値(Th)を超えるか否かに応じて異なる制限を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両(100)の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置(10)であって、
前記自車両(100)の外界状態を検出する外界状態検出部(80)と、
前記外界状態検出部(80)により前記自車両(100)の前方に検出された他車両に対する追従制御を実行可能な走行制御部(60)と、
前記走行制御部(60)による前記追従制御の実行中に前記自車両(100)の減速度を制限する減速度制限部(86)と、
を備え、
前記外界状態検出部(80)が、前記追従制御の対象である第1他車両(121)、及び、前記第1他車両(121)と前記自車両(100)の間に割り込む走行挙動を示す第2他車両(122)を検出した場合、
前記減速度制限部(86)は、前記第2他車両(122)に対する前記自車両(100)の相対速度(ΔV)が、正値である速度閾値(Th)を超えるか否かに応じて異なる制限を行うことを特徴とする車両制御装置(10)。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御装置(10)において、
前記減速度制限部(86)は、
前記相対速度(ΔV)が前記速度閾値(Th)を超えない場合、少なくとも、前記第2他車両(122)に対する前記自車両(100)の接触余裕時間を用いて前記減速度の上限値を決定し、
前記相対速度(ΔV)が前記速度閾値(Th)を超える場合、少なくとも、前記第2他車両(122)と前記自車両(100)の間の車間距離を用いて前記減速度の上限値を決定する
ことを特徴とする車両制御装置(10)。
【請求項3】
請求項2に記載の車両制御装置(10)において、
前記減速度制限部(86)は、前記相対速度(ΔV)が前記速度閾値(Th)を超えない場合、前記接触余裕時間が短いほど相対的に大きい前記上限値を、前記接触余裕時間が長いほど相対的に小さい前記上限値を決定することを特徴とする車両制御装置(10)。
【請求項4】
請求項3に記載の車両制御装置(10)において、
前記減速度制限部(86)は、前記相対速度(ΔV)が前記速度閾値(Th)を超えず、かつ、前記接触余裕時間が時間閾値を超える場合、予見時間(Tp)が経過した時点にて前記相対速度(ΔV)が所定の負値(−δ)になる減速度の設計値を前記上限値として決定することを特徴とする車両制御装置(10)。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両制御装置(10)において、
前記減速度制限部(86)は、前記相対速度(ΔV)がゼロ値又は負値である場合、前記減速度の上限値をゼロ値に決定することを特徴とする車両制御装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自車両の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う車両制御装置が知られている。例えば、先行する複数の他車両との関係を考慮しつつ、自車両を円滑に走行させるための運転支援技術又は自動運転技術が種々開発されている。
【0003】
特開2002−264688号公報(段落[0011])では、先行車両に対する車間距離が所定距離以下に減少した場合、現在の車間距離を新たな目標車間距離として自動的に設定し、追従制御をそのまま継続する車両制御装置が提案されている。これにより、他車両による連続した割り込み及び自車両の不必要な減速動作を回避できる旨の記載がある。
【発明の概要】
【0004】
例えば、追従対象車両と自車両の間に別の他車両(以下、割り込み車両ともいう)が割り込もうとする場合、割り込み車両が自車両よりも高速で走行していれば、自車両は、特段の減速動作を行うことなく割り込みに対処することができる。或いは、割り込み車両が自車両よりも低速で走行する場合であっても車間距離が十分に確保できていれば、自車両は、特段の減速動作を行わなくても済む。
【0005】
ところが、特開2002−264688号公報で提案される装置では、割り込み車両の走行挙動にかかわらず、より短い目標車間距離の再設定をトリガとして一時的な減速制御を実行することで、自車両は、状況によっては不必要な減速動作を行う場合がある。このように、上記した装置には、運転の利便性の観点で、改良の余地が十分に残されている。
【0006】
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、割り込み車両の走行挙動に適した追従制御を実行可能な車両制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明に係る車両制御装置は、自車両の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う装置であって、前記自車両の外界状態を検出する外界状態検出部と、前記外界状態検出部により前記自車両の前方に検出された他車両に対する追従制御を実行可能な走行制御部と、前記走行制御部による前記追従制御の実行中に前記自車両の減速度を制限する減速度制限部と、を備え、前記外界状態検出部が、前記追従制御の対象である第1他車両、及び、前記第1他車両と前記自車両の間に割り込む走行挙動を示す第2他車両を検出した場合、前記減速度制限部は、前記第2他車両に対する前記自車両の相対速度が、正値である速度閾値を超えるか否かに応じて異なる制限を行う。
【0008】
このように、第2他車両が、第1他車両と自車両の間に割り込む走行挙動を示す場合、第2他車両に対する自車両の相対速度が、正値である速度閾値を超えるか否かに応じて異なる制限を行うので、第2他車両に対する車間距離が徐々に短くなる状況において、第2他車両(つまり、割り込み車両)の走行挙動に適した追従制御を実行することができる。
【0009】
また、前記減速度制限部は、前記相対速度が前記速度閾値を超えない場合、少なくとも、前記第2他車両に対する前記自車両の接触余裕時間を用いて前記減速度の上限値を決定し、前記相対速度が前記速度閾値を超える場合、少なくとも、前記第2他車両と前記自車両の間の車間距離を用いて前記減速度の上限値を決定してもよい。
【0010】
また、前記減速度制限部は、前記相対速度が前記速度閾値を超えない場合、前記接触余裕時間が短いほど相対的に大きい前記上限値を、前記接触余裕時間が長いほど相対的に小さい前記上限値を決定してもよい。これにより、第2他車両との接触を回避する必要が生じた場合に大きな減速動作を許容する一方、第2他車両と接触するまでの時間的余裕がある場合に不必要に急激な減速動作を抑制することができる。
【0011】
前記減速度制限部は、前記相対速度が前記速度閾値を超えず、かつ、前記接触余裕時間が時間閾値を超える場合、予見時間が経過した時点にて前記相対速度が所定の負値になる減速度の設計値を前記上限値として決定してもよい。第2他車両に対する車間距離の変化が比較的小さく、かつ、接触余裕時間が比較的長い状況において、第2他車両の速度に合わせた円滑な減速制御を行うことができる。
【0012】
また、前記減速度制限部は、前記相対速度がゼロ値又は負値である場合、前記減速度の上限値をゼロ値にしてもよい。これにより、第2他車両に対する車間距離が徐々に長くなる状況において、自車両を減速させない追従制御を行うことができる。
【0013】
本発明に係る車両制御装置によれば、割り込み車両の走行挙動に適した追従制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態における車両制御装置の構成を示すブロック図である。
図2図1の車両制御装置における主要な特徴部を示す機能ブロック図である。
図3図2に示す目標速度生成部の詳細ブロック図である。
図4図2に示す減速度制限部の詳細ブロック図である。
図5】自車両と2台の他車両の間の位置関係を示す図である。
図6】減速度の制限特性の一例を示す図である。
図7】範囲における上限値の決定方法を示す図である。
図8図8Aは、範囲Ra(図6)の割り込み状況における自車両の走行挙動を示す図である。図8Bは、範囲Rd(図6)の割り込み状況における自車両の走行挙動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る車両制御装置について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
【0016】
[車両制御装置10の構成]
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態における車両制御装置10の構成を示すブロック図である。車両制御装置10は、車両(図5の自車両100)に組み込まれており、かつ、自動又は手動により車両の走行制御を行う。この「自動運転」は、車両の走行制御をすべて自動で行う「完全自動運転」のみならず、走行制御を部分的に自動で行う「部分自動運転」(或いは、運転支援)を含む概念である。
【0017】
車両制御装置10は、基本的には、入力系装置群と、制御システム12と、出力系装置群とから構成される。入力系装置群及び出力系装置群をなす各々の装置は、制御システム12に通信線を介して接続されている。
【0018】
入力系装置群は、外界センサ14と、通信装置16と、ナビゲーション装置18と、車両センサ20と、自動運転スイッチ22と、操作デバイス24に接続された操作検出センサ26と、を備える。出力系装置群は、車輪を駆動する駆動力装置28と、当該車輪を操舵する操舵装置30と、当該車輪を制動する制動装置32と、を備える。
【0019】
<入力系装置群の具体的構成>
外界センサ14は、車両の外界状態を示す情報(以下、外界情報)を取得する複数のカメラ33と複数のレーダ34を備え、取得した外界情報を制御システム12に出力する。外界センサ14は、さらに、複数のLIDAR(Light Detection and Ranging;光検出と測距/Laser Imaging Detection and Ranging;レーザ画像検出と測距)を備えてもよい。
【0020】
通信装置16は、路側機、他車両、及びサーバを含む外部装置と通信可能に構成されており、例えば、交通機器に関わる情報、他車両に関わる情報、プローブ情報又は最新の地図情報を送受信する。なお、地図情報は、ナビゲーション装置18に記憶されると共に、地図情報として記憶装置40の地図情報記憶部42にも記憶される。
【0021】
ナビゲーション装置18は、車両の現在位置を検出可能な衛星測位装置と、ユーザインタフェース(例えば、タッチパネル式のディスプレイ、スピーカ及びマイク)を含んで構成される。ナビゲーション装置18は、車両の現在位置又はユーザによる指定位置に基づいて、指定した目的地までの経路を算出し、制御システム12に出力する。ナビゲーション装置18により算出された経路は、経路情報として記憶装置40の経路情報記憶部44に記憶される。
【0022】
車両センサ20は、車両の速度(車速)を検出する速度センサ、いわゆる縦加速度を検出する縦加速度センサ、いわゆる横加速度を検出する横加速度センサ、垂直軸周りの角速度を検出するヨーレートセンサ、向き・方位を検出する方位センサ、勾配を検出する勾配センサを含み、各センサからの検出信号を制御システム12に出力する。これらの検出信号は、自車状態情報Ivhとして記憶装置40の自車状態情報記憶部46に記憶される。
【0023】
操作デバイス24は、アクセルペダル、ステアリングホイール、ブレーキペダル、シフトレバー、及び方向指示レバーを含んで構成される。操作デバイス24には、ドライバによる操作の有無や操作量、操作位置を検出する操作検出センサ26が取り付けられている。
【0024】
操作検出センサ26は、検出結果としてアクセル踏込量(アクセル開度)、ハンドル操作量(操舵量)、ブレーキ踏込量、シフト位置、右左折方向等を走行制御部60に出力する。
【0025】
自動運転スイッチ22は、ハードスイッチ又はソフトスイッチからなり、ユーザのマニュアル操作により、「自動運転モード」と「手動運転モード」を含む複数の運転モードを切り替え可能に構成される。
【0026】
自動運転モードは、ドライバが、操作デバイス24(具体的には、アクセルペダル、ステアリングホイール及びブレーキペダル)の操作を行わない状態で、車両が制御システム12による制御下に走行する運転モードである。換言すれば、自動運転モードは、制御システム12が、逐次決定される行動計画(短期的には、後述する短期軌道St)に基づいて、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32の一部又は全部を制御する運転モードである。
【0027】
なお、ドライバが、自動運転モード中に操作デバイス24の操作を開始した場合には、自動運転モードは自動的に解除されると共に、運転の自動化レベルが相対的に低い運転モード(手動運転モードを含む)に切り替わる。
【0028】
<出力系装置群の具体的構成>
駆動力装置28は、駆動力制御用ECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)と、エンジン・駆動モータを含む駆動源から構成される。駆動力装置28は、走行制御部60から入力される車両制御値Cvhに従って車両が走行するための走行駆動力(トルク)を生成し、トランスミッションを介し、或いは直接的に車輪に伝達する。
【0029】
操舵装置30は、EPS(電動パワーステアリングシステム)用ECUと、EPS装置とから構成される。操舵装置30は、走行制御部60から入力される車両制御値Cvhに従って車輪(操舵輪)の向きを変更する。
【0030】
制動装置32は、例えば、油圧式ブレーキを併用する電動サーボブレーキであり、制動力制御用ECUと、ブレーキアクチュエータとから構成される。制動装置32は、走行制御部60から入力される車両制御値Cvhに従って車輪を制動する。
【0031】
<制御システム12の構成>
制御システム12の機能実現部は、1つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)が、非一過性の記憶媒体(例えば、記憶装置40)に記憶されているプログラムを実行することにより機能が実現されるソフトウェア機能部である。これに代わって、機能実現部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路からなるハードウェア機能部であってもよい。
【0032】
制御システム12は、記憶装置40及び走行制御部60の他、外界認識部52と、認識結果受信部53と、局所環境マップ生成部54と、統括制御部70と、長期軌道生成部71と、中期軌道生成部72と、短期軌道生成部73と、を含んで構成される。ここで、統括制御部70は、認識結果受信部53、局所環境マップ生成部54、長期軌道生成部71、中期軌道生成部72、及び短期軌道生成部73のタスク同期を制御することで、各部の統括制御を行う。
【0033】
外界認識部52は、走行制御部60からの自車状態情報Ivhを参照した上で、入力系装置群により入力された各種情報(例えば、外界センサ14からの外界情報)を用いて、レーンマーク・停止線・信号機等の標示物を認識した後、標示物の位置情報又は車両の走行可能領域を含む「静的」な外界認識情報を生成する。また、外界認識部52は、入力された各種情報を用いて、駐停車車両等の障害物、人・他車両等の交通参加者、又は信号機の灯色を含む「動的」な外界認識情報を生成する。
【0034】
なお、静的及び動的な外界認識情報はそれぞれ、外界認識情報Iprとして記憶装置40の外界認識情報記憶部45に記憶される。
【0035】
認識結果受信部53は、演算指令Aaに応答して、所定の演算周期Toc内に受信した外界認識情報Iprを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。ここで、演算周期Tocは、制御システム12の内部での基準の演算周期であり、例えば、数10ms程度の値に設定されている。
【0036】
局所環境マップ生成部54は、統括制御部70からの演算指令Abに応答して、自車状態情報Ivh及び外界認識情報Iprを参照し、演算周期Toc内に局所環境マップ情報Iemを生成して、更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。すなわち、制御の開始時には、局所環境マップ情報Iemが生成されるまでに、演算周期2×Tocを要する。
【0037】
局所環境マップ情報Iemは、車両の走行環境をマップ化した情報であり、概略的には、外界認識情報Iprに対して自車状態情報Ivh及び理想走行経路を合成してなる。局所環境マップ情報Iemは、記憶装置40の局所環境マップ情報記憶部47に記憶される。
【0038】
長期軌道生成部71は、統括制御部70からの演算指令Acに応答して、局所環境マップ情報Iem(外界認識情報Iprのうち静的な成分のみ利用)、自車状態情報Ivh、及び地図情報記憶部42に記憶されている道路地図(カーブの曲率等)を参照して、相対的に最も長い演算周期(例えば、9×Toc)で長期軌道Ltを生成する。そして、長期軌道生成部71は、生成した長期軌道Ltを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。なお、長期軌道Ltは、軌道情報Irとして、記憶装置40の軌道情報記憶部48に記憶される。
【0039】
中期軌道生成部72は、統括制御部70からの演算指令Adに応答して、局所環境マップ情報Iem(外界認識情報Iprのうち、動的な成分及び静的な成分の両方を利用)、自車状態情報Ivh、及び長期軌道Ltを参照して、相対的に中位の演算周期(例えば、3×Toc)で中期軌道Mtを生成する。そして、中期軌道生成部72は、生成した中期軌道Mtを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70に出力する。なお、中期軌道Mtは、長期軌道Ltと同様に、軌道情報Irとして、記憶装置40の軌道情報記憶部48に記憶される。
【0040】
短期軌道生成部73は、統括制御部70からの演算指令Aeに応答して、局所環境マップ情報Iem(外界認識情報Iprのうち、動的な成分及び静的な成分の両方を利用)、自車状態情報Ivh、及び中期軌道Mtを参照し、相対的に最も短い演算周期(例えば、Toc)で短期軌道Stを生成する。そして、短期軌道生成部73は、生成した短期軌道Stを更新カウンタのカウント値と共に、統括制御部70及び走行制御部60に同時に出力する。なお、短期軌道Stは、長期軌道Lt及び中期軌道Mtと同様に、軌道情報Irとして、軌道情報記憶部48に記憶される。
【0041】
なお、長期軌道Ltは、例えば10秒間程度の走行時間における軌道を示し、乗り心地・快適性を優先した軌道である。また、短期軌道Stは、例えば1秒間程度の走行時間における軌道を示し、車両ダイナミクスの実現及び安全性の高さを優先した軌道である。中期軌道Mtは、例えば5秒間程度の走行時間における軌道を示し、長期軌道Lt及び短期軌道Stに対する中間的な軌道である。
【0042】
短期軌道Stは、短周期Ts(=Toc)毎の車両の走行軌道(つまり、目標挙動の時系列)を示すデータセットに相当する。短期軌道Stは、例えば、縦方向(X軸)の位置x、横方向(Y軸)の位置y、姿勢角θz(ヨー角)、速度V、加速度G、曲率ρ、ヨーレートγ、操舵角δstをデータ単位とする軌道プロット(x,y,θz,V,G,ρ、γ、δst)である。また、長期軌道Lt又は中期軌道Mtは、周期がそれぞれ異なるものの、短期軌道Stと同様に定義されたデータセットである。
【0043】
走行制御部60は、短期軌道Stから特定される走行挙動(目標挙動の時系列)に従って、車両を走行制御するための各々の車両制御値Cvhを決定する。そして、走行制御部60は、得られた各々の車両制御値Cvhを、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32に出力する。つまり、走行制御部60は、短期軌道Stの各値に対応する1種類以上の走行制御を実行可能に構成される。
【0044】
走行制御の種類には、例えば追従制御、具体的にはACC(Adaptive Cruise Control)制御が含まれる。この「ACC制御」とは、車間距離を略一定(つまり、目標車間距離)に保ちながら、先行する他車両に対して追従するように車両を走行させる走行制御である。
【0045】
<主要な特徴部>
図2は、図1の車両制御装置10における主要な特徴部を示す機能ブロック図である。車両制御装置10は、局所環境マップ生成部54(図1)の他、外界状態検出部80と、情報取得部82と、目標速度生成部84と、減速度制限部86と、加減速制御部88と、を備える。
【0046】
外界状態検出部80は、図1に示す外界センサ14に相当する。情報取得部82、目標速度生成部84及び減速度制限部86は、図1に示す短期軌道生成部73に相当する。加減速制御部88は、図1に示す走行制御部60に相当する。
【0047】
外界状態検出部80(具体的には、図1のカメラ33又はレーダ34)は、自車両100(図5)の外界状態を検出する。例えば、カメラ33を用いることで、自車両100が走行中の道路102(図5)を含む撮像画像が得られる。
【0048】
情報取得部82は、外界状態検出部80による検出結果を含む局所環境マップ情報Iemから、短期軌道Stの生成に供される各種情報を取得する。この情報には、例えば、上記した自車状態情報Ivhの他、レーンマーク(図5のレーンマーク108、110)の形状を特定可能なレーンマーク情報、他車両(図5の第1他車両121、第2他車両122)の位置及び動きを特定可能な他車両情報が含まれる。
【0049】
目標速度生成部84は、情報取得部82により取得された各種情報を用いて、目標速度の時系列パターンを示す短期軌道Stを生成する。減速度制限部86は、情報取得部82により取得された各種情報を用いて制限速度の時系列パターン(以下、制限速度パターン)を設定し、目標速度生成部84に向けて出力する。つまり、減速度制限部86は、短期軌道Stの生成に制限速度を反映させることで、自車両100の減速度を制限する。
【0050】
加減速制御部88は、自車両100に対して、目標速度生成部84により生成された目標速度に合わせる加速制御又は減速制御を行う。具体的には、加減速制御部88は、短期軌道Stが示す速度パターン(車両制御値Cvh)を駆動力装置28又は制動装置32に出力する。
【0051】
<目標速度生成部84の詳細ブロック図>
図3は、図2に示す目標速度生成部84の詳細ブロック図である。目標速度生成部84は、パターン生成部91と、軌道候補生成部92と、軌道評価部93と、出力軌道生成部94と、を備える。
【0052】
パターン生成部91は、自車状態情報Ivh及び局所環境マップ情報Iemを用いて、短期軌道Stの生成に供される2種類のパターンに関するバリエーション群を生成する。具体的には、パターン生成部91は、[1]速度Vの時系列を示す速度パターン(縦パターン)と、[2]操舵角δstの時系列を示す操舵角パターン(横パターン)、に関するバリエーション群をそれぞれ生成する。
【0053】
軌道候補生成部92は、パターン生成部91により生成されたパターンのバリエーション群を用いて、短期軌道Stの候補(以下、単に「軌道候補」という)を生成する。具体的には、軌道候補生成部92は、速度パターン及び操舵角パターンを組み合わせることで、2次元位置(x,y)の時系列情報をそれぞれ含む、多数の軌道候補を生成する。なお、直近に生成された短期軌道St(以下、前回出力軌道)が存在する場合、その軌道との整合性を図るための拘束条件を設けてもよい。
【0054】
軌道評価部93は、軌道候補生成部92により生成された多数の軌道候補に対してそれぞれ、所定の評価基準に従った評価処理を行う。評価基準として、局所環境マップ情報Iem(レーンマーク及び他車両の検出結果を含む)又は上位階層軌道(中期軌道Mt)が参照される。なお、軌道評価部93は、減速度制限部86(図2)による制限速度パターンを参照し、自車両100が制限速度以下で走行するように評価基準を変更することができる。
【0055】
評価手法としては、例えば、軌道プロット(x,y,θz,V,G,ρ、γ、δst)を構成する1つ以上の変数と目標値(参照値)の偏差を求め、この偏差を得点化し、重み付け演算により総合得点を算出する手法が挙げられる。例えば、特定のパラメータに対応する重み係数を相対的に大きくすることで、特定のパラメータを重視した評価結果が得られる。
【0056】
<減速度制限部86の詳細ブロック図>
図4は、図2に示す減速度制限部86の詳細ブロック図である。減速度制限部86は、理想追従速度算出部96と、ミニマムセレクタ98と、を備える。
【0057】
理想追従速度算出部96は、自車状態情報Ivhの他、第1他車両121に関する車両情報(以下、第1車両情報)を用いて、第1他車両121に追従するための理想的な速度パターン(以下、理想追従速度という)を算出する。この車両情報には、速度(絶対速度)、自車両100との車間距離、又はTTC(接触余裕時間;Time-To-Contact/衝突余裕時間;Time-To-Collision)が含まれる。
【0058】
なお、第1他車両121の他に、第2他車両122が同時に検出されている場合、理想追従速度算出部96は、第2他車両122に関する車両情報(以下、第2車両情報)をさらに用いて、第1他車両121又は第2他車両122に対する理想追従速度を算出する。
【0059】
ミニマムセレクタ98は、理想追従速度算出部96により算出された理想追従速度と、3種類の制限速度候補A、B、Cのうち最小となる速度を選択し、制限速度パターンとして出力する。制限速度候補Aは、法規等に基づく速度の上限値(いわゆる法定速度)である。制限速度候補Bは、レーン曲率に基づいて算出される、安定した走行挙動を保つための速度の上限値である。制限速度候補Cは、信号機の標示状態及び停止線に基づいて算出される、所定の停止位置にて停車可能な速度の上限値である。
【0060】
[車両制御装置10の動作]
本実施形態における車両制御装置10は、以上のように構成される。続いて、車両制御装置10の動作について、図5図8Bを参照しながら説明する。
【0061】
図5は、自車両100と2台の他車両の間の位置関係を示す図である。自車両100は、概ね直線状であって片側3車線の道路102上を走行している。道路102上には、レーン104、105、106を区画するための破線状のレーンマーク108、110が標示されている。
【0062】
本図から理解されるように、2台の他車両は、自車両100に対して先行しながら同じ道路102上を走行している。自車両100と同一のレーン105(走行レーン)を走行する他車両を「第1他車両121」という。自車両100とは異なるレーン106を走行する他車両を「第2他車両122」という。ここで、走行制御部60は、自車両100に先行する第1他車両121に対して追従制御を実行中であることを想定する。
【0063】
<STEP1.検出ステップ>
第1に、外界状態検出部80は、自車両100の周辺にある静止物としてレーンマーク108、110を、自車両100の周辺にある移動物として第1他車両121及び第2他車両122をそれぞれ検出する。
【0064】
図5に示す例では、自車両100の速度VをV=V0とし、第1他車両121の速度をV1とし、第2他車両122の速度をV2とする。自車両100を基準とする場合、第1他車両121に対する車間距離はDis1であり、第2他車両122に対する車間距離はDis2(<Dis1)である。自車両100を基準とする場合、第1他車両121に対する接触余裕時間はTtc1であり、第2他車両122に対する接触余裕時間はTtc2である。
【0065】
実線矢印で示すように、自車両100及び第1他車両121はいずれも、レーン105を直進しようとする一方、第2他車両122は、走行中であるレーン106から隣接するレーン105に車線変更しようとする。つまり、第2他車両122は、自車両100の追従走行中に、第1他車両121と自車両100の間に割り込む走行挙動を示している。
【0066】
なお、この「割り込み」の走行挙動は、第2他車両122の移動方向のみならず、例えば、レーンマーク110との位置関係(具体的には、第2他車両122がレーンマーク110を跨いだか否か)によっても検出可能である。
【0067】
<STEP2.制限ステップ>
第2に、減速度制限部86は、図5に示す第1他車両121及び第2他車両122が検出された場合、第2他車両122に対する自車両100の相対速度ΔVに応じて自車両100の減速度を制限する。なお、相対速度ΔV=V0−V2の値は、自車両100の方が相対的に速い場合は正であり、第2他車両122の方が相対的に速い場合は負である。
【0068】
図6は、減速度の制限特性の一例を示す図である。グラフの横軸は相対速度ΔV(単位:km/h)を示すと共に、グラフの縦軸は減速度の上限値(単位:m/s2)を示す。以下、減速度を「符号なし」の絶対値で定義し、減速度の値が大きいほど、単位時間当たりの速度の変化量(減少量)が大きくなる。
【0069】
本図から理解されるように、減速度の上限値は、[1]ΔV≦0、[2]0<ΔV≦Th、[3]ΔV>Th、のそれぞれの範囲に応じて異なる値をとる。ここで、Thは、正の速度閾値(例えば、Th=10[km/h])である。後述するように、ΔV≦0は減速度の制限緩和が「ない」範囲に相当し、ΔV>0は減速度の制限緩和が「ある」範囲に相当する。
【0070】
[1]ΔV≦0の関係を満たす場合、つまり、「V0=V2」又は「V0<V2」の大小関係を満たす場合、上限値はゼロ値(ゼロ又はその近傍値)に設定されるため、実質的に減速されなくなる。
【0071】
このように、減速度制限部86は、相対速度ΔVがゼロ値又は負値である場合に減速度の上限値をゼロ値にする。これにより、第2他車両122に対する車間距離Dis2が徐々に長くなる状況において、自車両100を減速させない追従制御を行うことができる。
【0072】
[2]0<ΔV≦Thの関係を満たす場合、つまり、「V2<V0≦V2+Th」の大小関係を満たす場合、減速度の上限値は、接触余裕時間Ttc2を用いて決定される。ここで、接触余裕時間Ttc2が所定の時間閾値よりも大きい範囲Raでは、上限値は、相対速度ΔVに対して線形的に増加する特性を有する。一方、接触余裕時間Ttc2が所定の時間閾値よりも小さい範囲Rbでは、上限値は、範囲Raの場合と比べて大きい指定値(Glimb;通常時の減速度リミット)をとる。
【0073】
このように、減速度制限部86は、相対速度ΔVが速度閾値Thを超えない場合、少なくとも、第2他車両122に対する自車両100の接触余裕時間Ttc2を用いて減速度の上限値を決定してもよい。特に、減速度制限部86は、接触余裕時間Ttc2が短いほど相対的に大きい上限値を、接触余裕時間Ttc2が長いほど相対的に小さい上限値を決定してもよい。これにより、第2他車両122との接触を回避する必要が生じた場合に大きな減速動作を許容する一方、第2他車両122と接触するまでの時間的余裕がある場合に不必要に急激な減速動作を抑制することができる。
【0074】
[3]ΔV>Thの関係を満たす場合、つまり、「V0>V2+Th」の大小関係を満たす場合、減速度の上限値は、車間距離Dis2を用いて決定される。ここで、車間距離Dis2が所定の距離閾値よりも大きい範囲Rcでは、上限値は、相対速度ΔVに対して線形的に増加する特性を有する。一方、車間距離Dis2が所定の距離閾値よりも小さい範囲Rdでは、上限値は、範囲Rcの場合と比べて大きい指定値(Glimd)をとる。なお、Glimdは、「緊急時の減速度リミット」に相当し、Glimd>Glimbの大小関係を満たす。
【0075】
図7は、範囲Ra、Rcにおける上限値の決定方法を示す図である。本図は、自車両100の目標速度パターンを示すグラフに相当する。グラフの横軸は時間t(単位:s)を示すと共に、グラフの縦軸は自車両100の速度V(単位:km/h)を示す。この時間tは、外界状態検出部80による検出時点(t=0)からの経過時間に相当する。
【0076】
この目標速度パターンは、2つの点(0,V0)、(Tp,V2−δ)を結ぶ線分を示す。ここで、V0は自車両100の現在速度であり、V2は第2他車両122の現在速度である。また、Tpは予見時間(任意の正値)であり、δは余裕速度(例えば、5km/h)である。このパターンを実現する減速度は(ΔV+δ)/Tpであるため、この値が上限値として決定される。
【0077】
このように、減速度制限部86は、相対速度ΔVが速度閾値Thを超えず、かつ、接触余裕時間Ttc2が時間閾値を超える場合、予見時間Tpが経過した時点(t=Tp)にて相対速度ΔVが所定の負値(−δ)になる減速度の設計値を上限値として決定してもよい。第2他車両122に対する車間距離Dis2の変化が比較的小さく、かつ、接触余裕時間Ttc2が比較的長い状況において、第2他車両122の速度V2に合わせた円滑な減速制御を行うことができる。
【0078】
<STEP3.走行制御ステップ>
第3に、走行制御部60は、減速度制限部86により減速度が制限された状態下に、自車両100の走行制御を継続する。その結果、自車両100は、相対速度ΔVに応じて異なる走行挙動を示す。
【0079】
図8Aは、範囲Ra(図6)の割り込み状況における自車両100の走行挙動を示す図である。自車両100は、図7の目標速度パターンに従って略一定の減速度にて減速しつつ、第2他車両122との車間距離を徐々に拡大していく。そして、第2他車両122による車線変更が完了した時点では、自車両100の速度Vは、V=V2−δに達している。
【0080】
この車線変更が完了する前後において、走行制御部60は、追従制御の対象(ターゲット)を第1他車両121から第2他車両122に変更し、第2他車両122に対する追従制御を開始する。これにより、自車両100は、不必要に急激な減速動作を伴わずに、第2他車両122の速度V2に合わせた円滑な追従走行を継続することができる。
【0081】
図8Bは、範囲Rd(図6)の割り込み状況における自車両100の走行挙動を示す図である。自車両100は、図6の制限特性に従ってGlimdを超えない程度の大きな減速度にて減速する。これにより、第2他車両122との接触を回避する必要が生じた場合に大きな減速動作を許容することができる。
【0082】
そして、第2他車両122による車線変更が完了した時点では、第2他車両122との車間距離が十分に確保されると共に、自車両100の速度Vは、V=V3(<V2)に達している。この車線変更が完了する前後において、走行制御部60は、追従制御の対象(ターゲット)を第1他車両121から第2他車両122に変更し、第2他車両122に対する追従制御を開始する。これにより、自車両100は、第2他車両122との接触可能性を未然に回避しつつも、円滑な追従走行を継続することができる。
【0083】
[車両制御装置10による効果]
以上のように、車両制御装置10は、自車両100の走行制御を少なくとも部分的に自動で行う装置であって、[1]自車両100の外界状態を検出する外界状態検出部80と、[2]自車両100の前方に検出された他車両に対する追従制御を実行可能な走行制御部60と、[3]追従制御の実行中に自車両100の減速度を制限する減速度制限部86と、を備え、[4]外界状態検出部80が、追従制御の対象である第1他車両121、及び、第1他車両121と自車両100の間に割り込む走行挙動を示す第2他車両122を検出した場合、減速度制限部86は、第2他車両122に対する自車両100の相対速度ΔVが、正値である速度閾値Thを超えるか否かに応じて異なる制限を行う。
【0084】
また、車両制御装置10を用いた車両制御方法は、[1]自車両100の外界状態を検出する検出ステップと、[2]自車両100の前方に検出された他車両に対する追従制御を実行する制御ステップと、[3]追従制御の実行中に自車両100の減速度を制限する制限ステップと、を備え、[4]検出ステップにて、追従制御の対象である第1他車両121、及び、第1他車両121と自車両100の間に割り込む走行挙動を示す第2他車両122を検出した場合、制限ステップでは、第2他車両122に対する自車両100の相対速度ΔVが、正値である速度閾値Thを超えるか否かに応じて異なる制限を行う。
【0085】
このように、第2他車両122が、第1他車両121と自車両100の間に割り込む走行挙動を示す場合、相対速度ΔVが速度閾値Thを超えるか否かに応じて異なる制限を行うので、第2他車両122に対する車間距離Dis2が徐々に短くなる状況において、第2他車両122(つまり、割り込み車両)の走行挙動に適した追従制御を実行することができる。
【0086】
[補足]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。或いは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
【0087】
例えば、減速度の制限特性は図6に示す例に限られることなく、別の特性曲線を有してもよい。具体的には、速度閾値Th、指定値Glimb、Glimd、余裕速度δ、又は予見時間Tpは、任意の固定値であってもよいし、他の情報と対応付けられた可変値であってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】