特表-18225155IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-225155スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年12月13日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F04C 18/02 20060101AFI20191129BHJP
   F04C 29/02 20060101ALI20191129BHJP
   F04C 29/04 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   F04C18/02 311Y
   F04C29/02 351B
   F04C29/02 361A
   F04C29/04 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】特願2019-523243(P2019-523243)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年6月6日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩竹 渉
(72)【発明者】
【氏名】関屋 慎
(72)【発明者】
【氏名】河村 雷人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 圭
【テーマコード(参考)】
3H039
3H129
【Fターム(参考)】
3H039AA05
3H039AA12
3H039BB13
3H039BB15
3H039BB16
3H039CC08
3H039CC26
3H039CC27
3H039CC29
3H039CC33
3H039CC48
3H129AA02
3H129AA14
3H129AA33
3H129AB03
3H129BB03
3H129BB05
3H129BB12
3H129BB16
3H129BB35
3H129BB43
3H129CC02
3H129CC04
3H129CC06
3H129CC09
3H129CC25
3H129CC45
3H129CC49
(57)【要約】
スクロール圧縮機において、固定台板およびフレームには、密閉容器内に配置した油分離機構で分離された油を、密閉容器の底部の油溜め部に供給する第1流路が形成され、固定台板には、油分離機構で分離された油を圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出口が形成された固定台板と固定渦巻体とからなる固定スクロールと、揺動台板と揺動渦巻体とからなる揺動スクロールとを有し、前記固定渦巻体と前記揺動渦巻体とが軸方向に組み合わされて吸入室および圧縮室が形成され、油を含有するガス状の流体を前記吸入室から前記圧縮室に吸入して圧縮し、前記吐出口から吐出する圧縮機構部と、
前記圧縮機構部を収容し、前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の吐出空間と、流体が外部から取り込まれる吸入空間とが内部に形成され、前記吸入空間の底部が油を貯留する油溜め部となる密閉容器と、
前記揺動スクロールの前記圧縮室と反対側で前記揺動スクロールを支持するフレームと、
前記吐出空間内で前記吐出口を覆って配置され、吹出口が形成されたガイド容器を有し、前記吐出空間内のうち前記ガイド容器の外周側の空間である油分離空間に、前記吐出口および前記吹出口を介して吹き出された流体を、前記油分離空間内で旋回させて前記流体から油を分離する油分離機構とを備え、
前記固定台板および前記フレームには、前記油分離機構で分離された油を前記油溜め部に供給する第1流路が形成され、
前記固定台板には、前記油分離機構で分離された油を前記圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されているスクロール圧縮機。
【請求項2】
前記吹出口からの前記流体の吹き出し方向の延長線と前記密閉容器とが交わる吹き出し衝突点と、前記軸方向に前記固定台板を見たときの前記固定台板の中心とを通る直線に対して、前記固定台板の前記中心で垂直に交わる直線を用いて、前記固定台板を2つの範囲に分けたとき、前記吹き出し衝突点を有する側とは反対側の範囲に、前記第1流路および前記第2流路のそれぞれの前記油分離空間側の開口が位置している請求項1記載のスクロール圧縮機。
【請求項3】
前記吹出口からの前記流体の吹き出し方向の延長線と前記密閉容器とが交わる吹き出し衝突点と、前記軸方向に前記固定台板を見たときの前記固定台板の中心とを通る直線に対して、前記固定台板の前記中心で垂直に交わる直線を用いて、前記密閉容器の上面を2つの範囲に分けたとき、前記吹き出し衝突点を有する側とは反対側の範囲に、吐出管が接続されている請求項1記載のスクロール圧縮機。
【請求項4】
前記固定台板において、前記第2流路の前記油分離空間側の開口は、前記第1流路の前記油分離空間側の開口よりも前記固定台板の径方向の内側に位置している請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項5】
前記油分離機構の前記ガイド容器は、円弧の曲面状の第1壁部と、前記第1壁部の周方向の一端に連結された平面状または円弧の曲面状の第2壁部とが連結されて構成され、前記第1壁部の周方向の他端と前記第2壁部との間に、前記吹出口となる隙間が形成されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項6】
前記ガイド容器の前記吹出口から前記流体が吹き出されて前記密閉容器内に衝突するまでの流路において前記流体の旋回方向と反対側に、前記吹出口から吹き出された前記流体が前記旋回方向に向かうように補助する旋回流補助ガイドを備えた請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項7】
前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の面の外周部に、周方向に間隔を空けて凸状の旋回流補助ガイドが複数形成され、前記旋回流補助ガイドは、前記固定台板からの前記軸方向の高さが一定で、且つ前記軸方向に見たときに、前記流体の旋回方向に向かうにしたがって内側に向けて傾斜した傾斜面を有する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項8】
前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の面の外周部に、周方向に間隔を空けて凸状の旋回流補助ガイドが複数形成され、前記旋回流補助ガイドは、前記固定台板からの前記軸方向の高さが前記流体の旋回方向に向かうにしたがって高くなり、かつ、径方向の厚みが一定に構成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項9】
前記密閉容器を外部から貫通して前記固定台板に接続されたインジェクション管を備え、
前記インジェクション管と前記固定台板との接続箇所と、前記第2流路と、を連通する連通流路が前記固定台板に形成されている請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを備えた冷凍サイクル装置。
【請求項11】
前記凝縮器と前記減圧装置との間から分岐し、前記スクロール圧縮機に接続されるインジェクション回路と、
前記インジェクション回路の流量を調整する流量調整弁と備えた請求項10記載の冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧シェル型のスクロール圧縮機および冷凍サイクル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、スクロール圧縮機において、底部に油溜め部が形成された密閉容器内に、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、油分離機構とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、圧縮機構部で圧縮されて容器内の吐出空間に吐出された冷媒から油分離機構で冷凍機油を分離し、分離した冷凍機油を圧縮機下部の油溜め部に貯留するようにしている。そして、油溜め部の冷凍機油を、圧縮機構部を駆動する回転軸の回転によるポンプ作用によりくみ上げて圧縮機構部の摺動部に給油し、冷凍機油によって圧縮機構部の摺動部の潤滑と、摺動部における隙間のシールとを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−152683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術では、冷媒から分離された冷凍機油の全てを圧縮機下部の油溜め部に戻すようにしている。このため、油溜め部の冷凍機油を圧縮機構部の摺動部に給油するにあたり、回転軸の回転数が低い低速運転に以下の課題がある。すなわち、低速運転時では、ポンプ作用の低下により給油不足となり、圧縮機構部のシール性が低下する。圧縮機構部では、冷媒が低圧状態で圧縮機構部に吸入され、圧縮機構部内で圧縮されて吐出空間に吐出される。よって、圧縮機構部におけるシール性が低下すると、圧縮機構部内において冷媒が高圧側から低圧側へ漏れて圧縮機の性能が低下する課題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、圧縮機構部内において冷媒が高圧側から低圧側へ漏れることによる性能低下を抑えることが可能なスクロール圧縮機および冷凍サイクル装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスクロール圧縮機は、吐出口が形成された固定台板と固定渦巻体とからなる固定スクロールと、揺動台板と揺動渦巻体とからなる揺動スクロールとを有し、固定渦巻体と揺動渦巻体とが軸方向に組み合わされて吸入室および圧縮室が形成され、油を含有するガス状の流体を吸入室から圧縮室に吸入して圧縮し、吐出口から吐出する圧縮機構部と、圧縮機構部を収容し、固定台板の圧縮室とは反対側の吐出空間と、流体が外部から取り込まれる吸入空間とが内部に形成され、吸入空間の底部が油を貯留する油溜め部となる密閉容器と、揺動スクロールの圧縮室と反対側で揺動スクロールを支持するフレームと、 吐出空間内で吐出口を覆って配置され、吹出口が形成されたガイド容器を有し、吐出空間内のうちガイド容器の外周側の空間である油分離空間に、吐出口および吹出口を介して吹き出された流体を、油分離空間内で旋回させて流体から油を分離する油分離機構とを備え、固定台板およびフレームには、油分離機構で分離された油を油溜め部に供給する第1流路が形成され、固定台板には、油分離機構で分離された油を圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されているものである。
【0007】
また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、上記のスクロール圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、密閉容器内で分離された冷凍機油の一部を圧縮機構部内に供給するため、圧縮機構部のシール性の低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成を示す概略縦断面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部近傍の概略横断面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における図1中のA−A断面での揺動スクロールの1回転中の動作を示す圧縮工程図である。
図4】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における油分離機構近傍の概略横断面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における油分離機構の斜視図である。
図6図4のB−O−B断面の概略縦断面図である。
図7】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における他の構成例の圧縮機構部近傍の概略縦断面図である。
図8】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における吐出空間近傍の概略横断面図である。
図9図8のC−O−C1−C断面の概略縦断面図である。
図10】本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における圧縮機構部近傍の概略横断面図である。
図11】本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例1を示す上面図である。
図12】本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例1を示す斜視図である。
図13】本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例2を示す上面図である。
図14】本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例2を示す斜視図である。
図15】本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例3を示す上面図である。
図16】本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例3を示す斜視図である。
図17】本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機における旋回流補助ガイドを含む吐出空間近傍の概略横断面図である。
図18】本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機における旋回流補助ガイドを含む吐出空間近傍の概略横断面図である。
図19図18のD−Dで切断した断面方向から旋回流補助ガイドを見た概略図である。
図20】本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機における変形例の旋回流補助ガイドを含む吐出空間近傍の概略横断面図である。
図21図20のD−Dで切断した断面方向から旋回流補助ガイドを見た概略図である。
図22】本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機における油分離機構近傍の概略横断面図である。
図23図22のE−E1−E1−O−E断面の概略縦断面図である。
図24】本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機における、高速運転時の吐出空間の冷凍機油の状態を示す概略縦断面図である。
図25】本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機における、低速運転時の吐出空間の冷凍機油の状態を示す概略縦断面図である。
図26】本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の一例を示す図である。
図27】本発明の実施の形態7に係るスクロール圧縮機における油分離機構近傍の概略横断面図である。
図28】本発明の実施の形態7に係るスクロール圧縮機におけるインジェクション冷媒の流れを示す概略縦断面図である。
図29】本発明の実施の形態8に係るスクロール圧縮機を備えたインジェクション回路を含む冷凍サイクル装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機について図面などを参照しながら説明する。ここで、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成を示す概略縦断面図である。図1の矢印は冷媒の流れ方向を示している。後述の概略縦断面図においても同様である。図2は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部近傍の概略横断面図である。
【0012】
実施の形態1のスクロール圧縮機30は、圧縮機構部8と、回転軸6を介して圧縮機構部8を駆動する電動機構部110と、その他の構成部品とを有している。スクロール圧縮機30はこれらの構成部品が外郭を構成する密閉容器100の内部に収容された構成を有している。回転軸6は、密閉容器100の内部にて電動機構部110からの回転力を揺動スクロール1に伝達する。揺動スクロール1は回転軸6に偏心して連結され、電動機構部110の回転力により揺動運動する。スクロール圧縮機30は、ガス状の低圧流体を密閉容器100の内部空間に一旦取り込んでから圧縮する、いわゆる低圧シェル型である。ここで、スクロール圧縮機30で圧縮されるガス状の流体には、相変化する冷媒または空気等を用いることができる。以下では、流体が冷媒であるものとして説明する。
【0013】
密閉容器100の内部には、さらに、回転軸6の軸方向に電動機構部110を挟んで対向するようにフレーム7とサブフレーム9とが配置されている。フレーム7は、電動機構部110の上側に配置されて電動機構部110と圧縮機構部8との間に位置している。サブフレーム9は、電動機構部110の下側に位置している。フレーム7は、焼嵌めまたは溶接などによって密閉容器100の内周面に固着されている。また、サブフレーム9は、サブフレームホルダ9aを介して焼嵌めまたは溶接などによって密閉容器100の内周面に固着されている。
【0014】
サブフレーム9の下方には、上端面で回転軸6を軸方向に支承するようにして容積型ポンプを含むポンプ要素111が取り付けられている。ポンプ要素111は、密閉容器100の底部の油溜め部100aに溜められた冷凍機油を圧縮機構部8の後述の主軸受7aなどの摺動部位に供給する。
【0015】
密閉容器100には、冷媒を吸入するための吸入管101と、冷媒を吐出するための吐出管102と、が設けられている。密閉容器100内の空間への冷媒の取り込みは吸入管101を通じて行われる。
【0016】
また、実施の形態1では、密閉容器100内の空間を以下のように定義する。密閉容器100内のハウジング空間であり、フレーム7より電動機構部110側の空間を吸入空間73とする。吸入空間73は、吸入管101から吸入された吸入圧の冷媒で満たされて低圧空間となっている。また、フレーム7と後述の固定台板2aとで挟まれる空間を渦巻空間74とする。また、圧縮機構部8の後述の固定台板2aより吐出管102側の空間を吐出空間75とする。吐出空間75は、圧縮機構部8で圧縮された冷媒で満たされて高圧空間となっている。そして、密閉容器100は、圧縮される前の冷媒が一旦、吸入空間73に取り込まれる、いわゆる低圧シェル型である。
【0017】
圧縮機構部8は、吸入管101から吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を密閉容器100内の上方の吐出空間75に排出する機能を有している。吐出空間75は、圧縮した冷媒が流入することで高圧空間となっている。
【0018】
圧縮機構部8は、揺動スクロール1と固定スクロール2とを備えている。
【0019】
固定スクロール2は、フレーム7を介して密閉容器100に固定されている。揺動スクロール1は、固定スクロール2の下側に配置されて回転軸6の後述の偏心軸部6aに揺動自在に支持されている。
【0020】
揺動スクロール1は、揺動台板1aと、揺動台板1aの一方の面に立てて設けられた渦巻状突起である揺動渦巻体1bと、を有している。固定スクロール2は、固定台板2aと、固定台板2aの一方の面に立てて設けられた渦巻状突起である固定渦巻体2bと、を有している。揺動渦巻体1bおよび固定渦巻体2bは、インボリュート曲線にならって構成されている。揺動スクロール1および固定スクロール2は、揺動渦巻体1bと固定渦巻体2bと、を回転軸6の回転中心に対して逆位相で組み合わせた対称渦巻形状の状態で密閉容器100内に配置されている。以下、揺動スクロール1と固定スクロール2とで構成された圧縮機構部8のうち、特に揺動渦巻体1bと固定渦巻体2bとを組み合わせた対称渦巻形状の構造体部分を、渦巻構造体8aという。
【0021】
ここで、図2に示すように、揺動渦巻体1bが描くインボリュート曲線の基礎円の中心を基礎円中心204aとする。また、固定渦巻体2bが描くインボリュート曲線の基礎円の中心を基礎円中心204bとする。基礎円中心204aが基礎円中心204bまわりに回転することで、後述する図3に示すように、揺動渦巻体1bは固定渦巻体2bまわりに揺動運動を行う。スクロール圧縮機30の運転中での揺動スクロール1の運動については後に詳細を述べる。
【0022】
渦巻中心から渦巻の伸開方向に巻き終わりまで渦巻に沿って見た場合に、揺動渦巻体1bの内向面205aと固定渦巻体2bの外向面206bとの間に複数の接触点ができる。つまり、揺動渦巻体1bの内向面205aと固定渦巻体2bの外向面206bとの間隙は複数の接触点によって区切られ、圧縮室71a1、圧縮室71a2、・・・が形成される。以下、圧縮室71a1、圧縮室71a2、・・・をまとめて指すときは圧縮室71aという。
【0023】
また、渦巻中心から渦巻の伸開方向に巻き終わりまで渦巻に沿って見た場合に、固定渦巻体2bの内向面205bと揺動渦巻体1bの外向面206aとの間に複数の接触点ができる。つまり、固定渦巻体2bの内向面205bと揺動渦巻体1bの外向面206aとの間隙は複数の接触点によって区切られて圧縮室71b1、圧縮室71b2、・・・が形成される。以下、圧縮室71b1、圧縮室71b2、・・・をまとめて指すときは圧縮室71bという。また、圧縮室71aおよび圧縮室71bをまとめて指すときは圧縮室71という。
【0024】
このように、揺動スクロール1の揺動台板1aに設けられた揺動渦巻体1bと、固定スクロール2の固定台板2a上に設けられた固定渦巻体2bとが組み合わされて圧縮室71が形成されている。
【0025】
揺動渦巻体1bと固定渦巻体2bとを組み合わせた渦巻構造体8aは対称渦巻形状である。このため、図2に示すように渦巻構造体8a内には、回転軸6の回転中心を中心として対称の一対の圧縮室71aおよび圧縮室71bが、渦巻の外側から内側に複数組、形成された状態となる。図2では2組形成された状態を示している。
【0026】
また、渦巻構造体8aにおいて中心部分は、揺動渦巻体1bの内向面205a、固定渦巻体2bの内向面205b、揺動台板1aおよび固定台板2aで囲まれた空間で構成された最内室となる。そして、固定台板2aにおいて最内室を形成する部分に、圧縮した冷媒を吐出する吐出口200(図1参照)が設けられている。
【0027】
そして、渦巻構造体8aの外周には、吸入管101から吸入された吸入冷媒を圧縮機構部8に導く冷媒導入口7cおよび冷媒導入口7dがフレーム7に加工されている。
【0028】
再び、図1を参照する。吸入管101から密閉容器100内に吸入された冷媒は、冷媒導入口7cおよび冷媒導入口7dを介して圧縮機構部8の吸入室70に取り込まれる。吸入室70は、渦巻空間74のうち、渦巻構造体8aと密閉容器100との間の筒状の空間であって、冷媒導入口7cおよび冷媒導入口7dを介して吸入空間73に連通する空間である。そして、揺動渦巻体1bが旋回すると、固定渦巻体2bと揺動渦巻体1bとが接する位置が移動し、圧縮室71の容積が変動することで、圧縮室71内の冷媒が圧縮される。圧縮された冷媒は吐出口200から吐出される。
【0029】
圧縮室71は、以下の構成によりシールされている。すなわち、揺動渦巻体1bの軸方向端部である歯先には、図示しないシール部材が挿入されており、運転中、シール部材が、相対する固定台板2aと接触して摺動する。これにより、歯先と、歯先に相対する固定台板2aとの隙間がシールされる。また、固定渦巻体2bも同様に、軸方向端部である歯先には、図示しないシール部材が挿入されており、運転中、シール部材が、相対する揺動台板1aと接触して摺動する。これにより、歯先と、歯先に相対する揺動台板1aとの隙間がシールされる。そして、揺動渦巻体1bおよび固定渦巻体2bの、軸方向と直交する方向の厚さは、強度の点からある程度の厚みを有するように形成され、歯先部分は平坦な面となっている。
【0030】
揺動スクロール1の揺動台板1aにおいて揺動渦巻体1bの形成面とは反対側の面の略中心部には、中空円筒形状のボス部1dが形成されている。ボス部1dの内側には、回転軸6の上端部に形成された後述の偏心軸部6aが、後述のスライダー5を介して連結されている。
【0031】
固定スクロール2の固定台板2aには、圧縮された冷媒ガスを吐出するための吐出口200が貫通形成され、吐出口200の出口部には吐出バルブ11が設けられている。固定台板2aにはさらに、フレーム7を貫通した穴とともに第1流路104が形成され、また、第2流路105が形成されているが、これらについての詳細は後述する。
【0032】
スクロール圧縮機30に吸入される冷媒には、圧縮機構部8の摺動部を潤滑する冷凍機油が含有されており、密閉容器100内の吐出空間75には、摺動部を通過後の冷媒から冷凍機油を分離する油分離機構103が配置されている。油分離機構103は、固定台板2aの圧縮室71とは反対側の面である背面2aaに、吐出口200を覆うようにして配置されている。油分離機構103の詳細は後述する。
【0033】
フレーム7は、固定スクロール2が固定され、揺動スクロール1に作用するスラスト荷重を軸方向に支持するスラスト面を有している。また、フレーム7には、吸入空間73と渦巻空間74とを連通して、吸入管101から吸入された冷媒を圧縮機構部8に導く冷媒導入口7cおよび冷媒導入口7dが貫通形成されている。
【0034】
回転軸6に回転駆動力を供給する電動機構部110は、電動機固定子110aと電動機回転子110bと、を有している。電動機固定子110aは、外部から電力を得るために、フレーム7と電動機固定子110aとの間に存在する図示しないガラス端子に図示しないリード線で接続されている。また、電動機回転子110bは、回転軸6に焼嵌めなどにより固定されている。また、スクロール圧縮機30の回転系全体のバランシングを行うため、回転軸6には、第1バランスウェイト60が固定されているとともに、電動機回転子110bには、第2バランスウェイト61が固定されている。
【0035】
回転軸6は、回転軸6の上部の偏心軸部6aと、主軸部6bと、回転軸6の下部の副軸部6cと、で構成されている。偏心軸部6aには、スライダー5と揺動軸受1cとを介して揺動スクロール1のボス部1dが嵌め合わされる。偏心軸部6aは、冷凍機油による油膜を介して揺動軸受1cと摺動する。揺動軸受1cは、銅鉛合金などの滑り軸受に使用される軸受材料を圧入するなどしてボス部1d内に固定されている。主軸部6bは、フレーム7に設けられたボス部7bの内周に配置された主軸受7aにスリーブ13を介して嵌め合わされ、冷凍機油による油膜を介して主軸受7aに対して摺動する。主軸受7aは、銅鉛合金などの滑り軸受に使用される軸受材料を圧入するなどしてボス部7b内に固定されている。
【0036】
サブフレーム9の中央部には、玉軸受からなる副軸受10を備え、副軸受10は、電動機構部110の下方で回転軸6を半径方向に軸支する。なお、副軸受10は、玉軸受以外の別の軸受構成によって軸支してもよい。副軸部6cは、副軸受10と嵌め合わされ、副軸受10と摺動する。主軸部6bおよび副軸部6cの軸心は、回転軸6の軸心と一致している。
【0037】
次に、図3は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における図1中のA−A断面での揺動スクロールの1回転中の動作を示す圧縮工程図である。図3には、4つの回転位相での揺動スクロールの動作を示している。
【0038】
回転位相θは、直線L1と直線L2とが成す角度と定義する。直線L1は、圧縮開始時の揺動渦巻体1bの基礎円中心204a−1と固定渦巻体2bの基礎円中心204bとを結ぶ直線である。L2は、あるタイミングでの揺動渦巻体1bの基礎円中心204aと固定渦巻体2bの基礎円中心204bを結ぶ直線である。回転位相θは、圧縮開始時に0degであり、揺動スクロール1の1回転の間に0degから360degまで変動する。図3の(A)〜(D)は、それぞれ揺動渦巻体1bが回転位相θ=0deg→90deg→180deg→270degと揺動運動する状況を表している。
【0039】
密閉容器100に設けられた図示しないガラス端子に通電されると、電動機回転子110bにより回転軸6が回転する。そして、その回転力が偏心軸部6aを介して揺動軸受1cに伝わり、揺動軸受1cから揺動スクロール1に伝えられ、揺動スクロール1が揺動運動する。吸入管101から密閉容器100内に吸入された冷媒ガスは、圧縮機構部8に取り込まれる。
【0040】
図3(A)の状態は、複数の圧縮室71のうち、最も外周側にある最外室である一対の圧縮室71、すなわち圧縮室71aおよび圧縮室71bが閉じられて冷媒の吸入が完了した状態を示している。そして、最外室である圧縮室71aおよび圧縮室71bに着目すると、圧縮室71aおよび圧縮室71bは、揺動スクロール1の揺動運動に伴い、図3(A)→図3(B)→図3(C)に示されるように、外周部から中心方向に移動しながら容積を減じる。圧縮室71aおよび圧縮室71b内の冷媒ガスは、圧縮室71aおよび圧縮室71bの容積の減少に伴い、圧縮される。このように渦巻構造体8aの内部では、図2の揺動スクロール1の旋回方向の矢印に示すように、揺動スクロール1が揺動運動することで圧縮が行われる。なお、図3(B)→図3(C)では、圧縮室71a2および圧縮室71b2は互いに連通し、最内室となる。最内室は、上述したように図1に示す吐出口200と連通し、圧縮された冷媒が吐出バルブ11を経て吐出空間75に吐出される。
【0041】
次に、油分離機構103と、本実施の形態1の特徴部分である、油分離機構103で分離された油の油流路である、第1流路104および第2流路105について次の図4図6を参照して説明する。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における油分離機構近傍の概略横断面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における油分離機構の斜視図である。図6は、図4のB−O−B断面の概略縦断面図である。
【0043】
油分離機構103は、上面が閉塞された円筒状のガイド容器103aを備えている。ガイド容器103aには吹出口(図示せず)が形成されており、その吹出口に円管状の吹き出し部103bが接続されている。ガイド容器103aは、図1に示すように吐出口200を覆うようにして固定台板2aの背面2aaに配置されている。そして、吐出空間75内のうちガイド容器103aの外周側の円筒状の空間が油分離空間75aとなっている。なお、油分離機構103は、吹き出し部103bを省略してガイド容器103aに設けた吹出口(図示せず)から冷媒を吹き出す構成としてもよい。
【0044】
このように構成された油分離機構103において、吐出口200からガイド容器103a内に吐出された冷媒は、吹き出し部103bから油分離空間75aへ吹き出される。油分離空間75aへ吹き出された冷媒は、油分離空間75aにおいて旋回流を形成する。図4の矢印400は、旋回流の流れを示している。ここで、密閉容器100の内壁の接線208と吹き出し部103bの吹き出し方向209とがなす角度を入射角φと定義すると、入射角φが小さいほど旋回流が発生しやすくなる。そして、この旋回流に遠心力が作用することで冷媒中の冷凍機油が分離され、分離された冷凍機油は油分離空間75a内の固定台板2aの背面2aa上に溜まる。
【0045】
固定台板2aの背面2aa上に溜まった冷凍機油は、第1流路104によって油溜め部100aに戻されるとともに、第2流路105によって圧縮機構部8内に供給される。以下、第1流路104および第2流路105について説明する。
【0046】
第1流路104は、固定台板2aおよびフレーム7のそれぞれを軸方向に貫通して形成され、油分離空間75aと吸入空間73とを連通して油分離空間75a内の冷凍機油を油溜め部100aに戻す流路である。
【0047】
また、第2流路105は、固定台板2aに貫通して形成され、油分離空間75aと圧縮機構部8内とを連通して、油分離空間75a内の冷凍機油を圧縮機構部8内に供給する流路である。図6には、第2流路105が圧縮機構部8内のうち中間圧の圧縮室71内に連通した構成を示している。中間圧とは、吸入圧と吐出圧との間の圧力である。
【0048】
以上の構成により、固定台板2aの背面2aa上に溜まった冷凍機油が、第1流路104によって油溜め部100aに戻される一方、第2流路105によって圧縮機構部8内の圧縮室71に給油される。このため、固定台板2aの背面2aa上に溜まった冷凍機油の全てを油溜め部100aに戻す構成に比べて、圧縮機構部8内における圧縮室71のシール性を高めることができる。よって、特に、低速運転時における圧縮機構部8のシール性の低下を改善して、高圧側から低圧側への冷媒漏れを抑制することができ、圧縮機の性能を向上させることができる。以下では、高圧側から低圧側への冷媒漏れを、「高低圧漏れ」という場合がある。
【0049】
なお、圧縮機構部8内における圧縮室71のシール性をより高めるために、背面2aa上に溜まった冷凍機油の全てを圧縮機構部8内に戻す構成が考えられる。しかしこの構成とした場合、高速運転時に圧縮機構部8に対して過剰給油となり、圧縮機内部の潤滑油が圧縮機外部に吐出される現象である油上がりが大きくなる。そうすると、油溜め部100aの冷凍機油が枯渇しやすくなることで、摺動部の潤滑が十分に行えず、信頼性が低下する可能性がある。
【0050】
これに対し、本実施の形態1では、背面2aa上に溜まった冷凍機油を、第1流路104によって油溜め部100aに戻すとともに、圧縮機構部8内に給油する構成とした。このため、高速運転時の過剰給油による油上がりの抑制と、低速運転時における高低圧漏れの抑制との両立を図ることができる。
【0051】
なお、第2流路105の低圧側の開口105bの形成位置は圧縮室71に連通する位置に限らず、次の図7に示す位置でもよい。
【0052】
図7は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における他の構成例の圧縮機構部近傍の概略縦断面図である。
図7に示すように、第2流路105の低圧側の開口105bの形成位置は、圧縮機構部8の吸入室70に連通する位置でもよい。この位置とすることで、固定台板2aの背面2aa上に溜まった冷凍機油が、第2流路105を介して吸入室70に流入する。なお、第2流路105は、油分離空間75aと吸入室70とが連通するように形成されていればよいので、第2流路105の穴加工は、図7に示すように、フレーム7に軸方向に直線的に行えば良い。よって、図7の第2流路105の形成は、図6に示した曲がりのある第2流路105を形成する場合に比べて容易な穴加工で形成できる。
【0053】
以上より、第2流路105は、吸入室70または圧縮室71に、固定台板2aの背面2aa上に溜まった冷凍機油を給油するように設けられていればよい。言い換えれば、第2流路105は、圧縮機構部8内に冷凍機油を給油するように設けられていればよい。
【0054】
次に、第1流路104および第2流路105のそれぞれの油分離空間75a側(以下、高圧側という)の開口位置について検討する。
【0055】
図8は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における吐出空間近傍の概略横断面図である。図9は、図8のC−O−C1−C断面の概略縦断面図である。
【0056】
吹き出し部103bから吹き出された冷媒は、吹き出し部103bの吹き出し方向の延長線と密閉容器100の内壁面とが交わる吹き出し衝突点210を中心とした周囲で、密閉容器100に衝突する。
【0057】
ここで、上述したように、スクロール圧縮機30の運転中、固定台板2a上には、常に、冷媒中から分離された冷凍機油が溜まっている。図9には、固定台板2a上に溜まった冷凍機油120を示している。
【0058】
吹き出し部103bから吐出された冷媒の流速が速い場合、その冷媒によって、固定台板2a上に溜まった冷凍機油が撒き上げられ、吹き出し衝突点210付近に冷凍機油が溜まらないおそれがある。このように、冷凍機油が溜まらない箇所に第1の流路および第2の流路のそれぞれの高圧側の開口104aおよび開口105aを配置した場合、第1流路104および第2流路105のそれぞれの内部が冷凍機油で満たされない。この場合、第1流路104が低圧空間と連通し、第2流路105が中間圧空間または低圧空間と連通する。そうすると、吐出空間75内の高圧ガス冷媒が、第1流路104および第2流路105を介して低圧側に漏れるおそれがある。
【0059】
このため、第1流路104および第2流路105のそれぞれの高圧側の開口104aおよび開口105aを、冷凍機油が溜まりにくい場所を避けて配置することが望ましい。具体的には、図8において、固定台板2aのうちガイド容器103aより外側の環状範囲を後述の直線212bで2つの範囲に分けたとき、吹き出し衝突点210を有する側が、冷凍機油が溜まりにくい場所に相当する。なお、直線212bとは、固定台板2aを軸方向に見たときの中心Oと吹き出し衝突点210とを通る直線212aに対して中心Oで垂直に交わる直線である。よって、吹き出し衝突点210を有する側とは反対側の範囲(以下、反吹き出し側範囲211)に開口104aおよび開口105aを配置することが望ましい。
【0060】
反吹き出し側範囲211に第1流路104および第2流路105のそれぞれの高圧側の開口104aおよび開口105aを設けることで、運転中、第1流路104および第2流路105のそれぞれの内部を冷凍機油で満たすことができる。その結果、圧縮機構部8において高圧側から低圧側への冷媒漏れを抑制し、高性能な圧縮機を得ることができる。
【0061】
次に、吐出管102の密閉容器100への接続位置について検討する。
【0062】
図10は、本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機における圧縮機構部近傍の概略横断面図である。図10には、説明の都合上、スクロール圧縮機を軸方向に見たときの吐出管102の密閉容器100への接続位置を示している。
吹き出し衝突点210付近では、上述したように固定台板2a上に溜まった冷凍機油が撒き上げられやすい。このため、吐出管102が吹き出し衝突点210付近に接続される場合、巻き上げられた冷凍機油が吐出管102から外部へ排出される、いわゆる油上がりが起こりやすい。
【0063】
よって、吐出管102は、密閉容器100の上面のうち、油上がりを抑えることが可能な位置に接続されることが望ましい。具体的には、密閉容器100の上面を直線212bで2つの範囲に分けたとき、吹き出し衝突点210を有する側とは反対側の範囲(以下、反吹き出し側範囲213)に、吐出管102を接続すればよい。これにより、油上がりを抑制することができる。
【0064】
以上説明したように本実施の形態1によれば、油分離空間75aで分離された冷凍機油を油溜め部100aに戻す第1流路104に加えて、圧縮機構部8内へ供給する第2流路105を設けた。このため、圧縮室71のシール性を高めることができる。よって、特に、低速運転時には、高圧側から低圧側への冷媒漏れを抑制することができ、圧縮機の性能を向上させることができる。
【0065】
また、油分離空間75aにおける冷凍機油120の全てを圧縮機構部8へ給油するのではなく、油溜め部100aにも戻す構成としたことで、特に、油上がりの大きい高速運転時には、油溜め部100aの冷凍機油の枯渇を抑制し、信頼性を向上させることができる。
【0066】
なお、油分離機構103は、圧縮機構部8から吐出された冷媒を直接、密閉容器100に衝突させることを防止しているので、消音機能も兼ねている。
【0067】
実施の形態2.
実施の形態2は、油分離機構103が実施の形態1と異なるものであり、その他の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態2では、実施の形態1と相違する特徴部分のみを説明する。
【0068】
実施の形態2では、油分離機構103について、3つの構成例を順に説明する。
【0069】
図11は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例1を示す上面図である。図12は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例1を示す斜視図である。
図11および図12に示す油分離機構103は、円弧の曲面状の第1壁部113aと、平面状の第2壁部113bとで構成されている。具体的には、第1壁部113aの周方向の一端に第2壁部113bが連結され、第2壁部113bと第1壁部113aの周方向の他端との間には吹出口となる隙間113cが形成されている。そして、油分離機構103は、隙間113cから流出した冷媒を第2壁部113bによって案内して外部に吹き出す構成となっている。なお、第1壁部113aおよび第2壁部113bで本発明のガイド容器が構成されている。
【0070】
図13は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例2を示す上面図である。図14は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例2を示す斜視図である。
図13および図14に示す油分離機構103は、円弧状の第1壁部114aと、第1壁部114aとは異なる曲率の円弧状の第2壁部114bとで構成されている。具体的には、第1壁部114aの周方向の一端に第2壁部114bが連結され、第2壁部114bと第1壁部114aの周方向の他端との間には、吹出口となる隙間114cが形成されている。そして、油分離機構103は、隙間114cから流出した冷媒を第2壁部114bによって案内して外部へ吹き出す構成となっている。なお、第1壁部114aおよび第2壁部114bで本発明のガイド容器が構成されている。
【0071】
図15は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例3を示す上面図である。図16は、本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機における油分離機構の構成例3を示す斜視図である。
図15および図16に示す油分離機構103は、円弧状の第1壁部115aと、円弧状の第2壁部115bとで構成されている。具体的には、第1壁部115aの周方向の一端に第2壁部115bが連結され、第2壁部115bと第1壁部115aの周方向の他端との間には、吹出口となる隙間115cが形成されている。そして、第1壁部115aと第2壁部115bとが連結されて構成された曲面は、連続的に曲率が変化する曲面となっている。油分離機構103は、隙間115cから流出した冷媒を第2壁部115bによって案内して外部へ吹き出す構成となっている。なお、第1壁部115aおよび第2壁部115bで本発明のガイド容器が構成されている。
【0072】
以上の図11図16に示した油分離機構103は、軸方向に延びる隙間が吹出口となるため、軸方向に一様な旋回流を発生させることができ、かつ、より簡便な構造で吐出空間75に旋回流を発生させることができる。また、油分離機構103の形状は、入射角φが十分小さく、旋回流を発生させることができれば上記の形状に限定されることはない。
【0073】
実施の形態3.
実施の形態3は、実施の形態1に加えてさらに、旋回流補助ガイドを備えた構成に関する。その他の構成は実施の形態1と同様である。実施の形態3では、実施の形態1と相違する特徴部分のみを説明する。
【0074】
図17は、本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機における旋回流補助ガイドを含む吐出空間近傍の概略横断面図である。
実施の形態3では、吐出空間75内の固定台板2aの背面2aa側に、油分離機構103に加えて、板状の旋回流補助ガイド106を備えている。旋回流補助ガイド106は、油分離機構103の吹き出し部103bから吹き出された冷媒が旋回方向400に向かうように補助するガイド部材であり、以下の位置に配置される。すなわち、旋回流補助ガイド106は、油分離機構103の吹き出し部103bから吹き出されて密閉容器100内に衝突するまでの流路において旋回方向400と反対側に、冷媒の吹き出し方向209に沿って配置されている。
【0075】
このように配置した旋回流補助ガイド106により、吹き出し部103bから吹き出された冷媒が、吐出空間75内を旋回方向400と反対側に流れることを抑制している。
【0076】
実施の形態3は、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、旋回流補助ガイド106を備えたことで、より一層、吐出空間75に旋回流が発生しやすくなり、油分離効率を向上させることができる。
【0077】
実施の形態4.
実施の形態4は、実施の形態1に加えてさらに、旋回流補助ガイドを備えた構成に関する。実施の形態4の旋回流補助ガイドは、実施の形態3の旋回流補助ガイドとは異なる形状を有する。実施の形態4では、実施の形態1と相違する特徴部分のみを説明する。
【0078】
図18は、本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機における旋回流補助ガイドを含む吐出空間近傍の概略横断面図である。図19は、図18のD−Dで切断した断面方向から旋回流補助ガイドを見た概略図である。
実施の形態4では、固定台板2aの背面2aa側の外周部に、周方向に間隔を空けて凸状の旋回流補助ガイド106が複数、形成されている。旋回流補助ガイド106は、固定台板2aからの軸方向の高さが一定で、且つ軸方向に見たときに旋回方向400に向かうにしたがって内側に向けて傾斜した傾斜面を有している。
【0079】
このように構成した旋回流補助ガイド106により、油分離機構103から吹き出された冷媒が旋回方向400と逆方向に流れることを抑制することができる。
【0080】
次の図20は、旋回流補助ガイド106の形状を図18に示した形状とは変えた変形例を示す図である。
【0081】
図20は、本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機における変形例の旋回流補助ガイドを含む吐出空間近傍の概略横断面図である。図21は、図20のD−Dで切断した断面方向から旋回流補助ガイドを見た概略図である。
この変形例の旋回流補助ガイド106は、固定台板2aの背面2aa側の外周部に、周方向に間隔を空けて複数、凸状に形成されている点は図18および図19に示した構成と同じである。そして、この変形例の旋回流補助ガイド106は、固定台板2aからの高さが、旋回方向400に向かうにしたがって高くなり、かつ、径方向の厚みが一定に構成されている。
【0082】
このように構成した場合も、油分離機構103から吹き出された冷媒が旋回方向400と逆方向に流れることを抑制することができる。
【0083】
本実施の形態4によれば、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、旋回流補助ガイド106を備えたことで、より一層、吐出空間75に旋回流が発生しすくなり、油分離効率を向上させることができる。
【0084】
また、上記実施の形態3の旋回流補助ガイド106では、冷媒の吐出直後に作用するのみであった。これに対し、実施の形態4では、旋回流補助ガイド106を周方向に複数設けることで、その設置箇所のそれぞれで冷媒の流れを制御でき、より油分離効率を向上させることができる。
【0085】
実施の形態5.
実施の形態5は、第1流路104と第2流路105との位置関係が、実施の形態1〜4と異なるものである。実施の形態5では、その特徴部分のみを説明し、他の部分の説明を省略する。
【0086】
図22は、本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機における油分離機構近傍の概略横断面図である。図23は、図22のE−E1−E1−O−E断面の概略縦断面図である。図24は、本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機における、高速運転時の吐出空間の冷凍機油の状態を示す概略縦断面図である。図25は、本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機における、低速運転時の吐出空間の冷凍機油の状態を示す概略縦断面図である。
【0087】
実施の形態5では、第2流路105の高圧側の開口105aが、第1流路104の吐出空間75側の開口104aよりも径方向の内側に位置するように、第2流路105が固定台板2aに穴加工された構成を有する。
【0088】
図24に示すように、高速運転時には、吐出空間75内の冷媒の旋回流の速度が速いため、吐出空間75に存在する冷凍機油120は、径方向外側に偏在する。一方で図25に示すように、低速運転時には、吐出空間75の冷媒の旋回流の発生する旋回流が遅いため、冷凍機油120の径方向の偏在は抑制される。
【0089】
油溜め部100aの冷凍機油の枯渇は、油上がりが大きくなる高速運転時ほど発生しやすい。このため、油溜め部100aに冷凍機油を戻す流路である第1流路104については、高速運転時において冷凍機油が偏って溜まっている、固定台板2aの背面2aaにおいて径方向外側に第1流路104の高圧側の開口が配置されていることが望ましい。
【0090】
一方で、圧縮機構部8内に冷凍機油を給油する流路である第2流路105については、高圧側の開口105aを以下の位置に配置することが望ましい。すなわち、圧縮機構部8の冷凍機油によるシールは、高低圧漏れによる性能低下の影響が大きい低速運転時ほど必要である。一方、高速運転時に圧縮室71へ過剰に冷凍機油を供給すると、圧縮機構部8のシール性は向上するが、供給した冷凍機油の圧縮損失が大きくなり、圧縮機の性能が低下するおそれがある。
【0091】
よって、高速運転時よりも低速運転時に、圧縮機構部8内への給油量を確保することができるように、本実施の形態5では、第2流路105の高圧側の開口105aを、第1流路104の高圧側の開口104aよりも径方向内側に配置した構成としている。
【0092】
本実施の形態5によれば、実施の形態1の効果に加えて、より一層、油溜め部100aの冷凍機油の枯渇を抑制し、信頼性の高いスクロール圧縮機を得ることができる。また、冷凍機油の圧縮損失を抑制し、高性能なスクロール圧縮機を得ることができる。
【0093】
実施の形態6.
実施の形態6は、上記のいずれかのスクロール圧縮機を備えた冷凍サイクル装置に関するものである。
【0094】
図26は、本発明の実施の形態6に係る冷凍サイクル装置の一例を示す図である。図26において矢印は冷媒の流れ方向を示している。
図26に示す冷凍サイクル装置300は、スクロール圧縮機30と、凝縮器31と、減圧装置としての膨張弁32と、蒸発器33と、を有し、これらが順次配管で接続されて冷媒が循環するように構成されている回路を備えている。スクロール圧縮機30には、上記実施の形態1〜実施の形態5のいずれかのスクロール圧縮機30が用いられている。膨張弁32の開度、およびスクロール圧縮機30の回転数は、図示しない制御装置によって制御される。
【0095】
なお、冷凍サイクル装置300にさらに図示しない四方弁を設け、冷媒の流れ方向を逆に切り替えるようにしてもよい。この場合、スクロール圧縮機30の下流側に設置した凝縮器31を室内機側、蒸発器33を室外機側とすれば暖房運転となり、凝縮器31を室外機側、蒸発器33を室内機側とすれば冷房運転となる。
【0096】
以下では、図26中のスクロール圧縮機30、凝縮器31、膨張弁32および蒸発器33を有する回路を主回路、この主回路を循環する冷媒を主冷媒と記載する。
【0097】
次に主冷媒の流れについて説明する。
【0098】
主回路においては、スクロール圧縮機30から吐出された主冷媒が、凝縮器31、膨張弁32および蒸発器33を経由してスクロール圧縮機30に戻る。スクロール圧縮機30に戻る冷媒は、吸入管101から密閉容器100内に流入する。
【0099】
吸入管101から密閉容器100内の吸入空間73に流入した低圧冷媒は、フレーム7内に設置された2つの冷媒導入口7dおよび冷媒導入口7cを通って圧縮機構部8内の吸入室70に流入する。吸入室70に流入した低圧冷媒は、圧縮機構部8の揺動渦巻体1bおよび固定渦巻体2bの相対的な揺動動作に伴って圧縮室71へと吸い込まれる。圧縮室71に吸い込まれた主冷媒は、揺動渦巻体1bおよび固定渦巻体2bの相対的な動作に伴う圧縮室71の幾何学的な容積変化によって低圧から高圧へと昇圧される。そして、高圧となった主冷媒は、吐出バルブ11を押し開けて、その後、吐出空間75に吐出され、吐出管102から高圧冷媒としてスクロール圧縮機30の外部へと吐出される。
【0100】
本実施の形態6によれば、上記のいずれかのスクロール圧縮機30を備えたので、冷媒ガスの高低圧漏れによる効率低下を抑制でき、高効率な冷凍サイクル装置を得ることができる。
【0101】
実施の形態7.
実施の形態7は、上記実施の形態1〜実施の形態5のスクロール圧縮機30にさらにインジェクション回路が接続された構成に関する。
【0102】
図27は、本発明の実施の形態7に係るスクロール圧縮機における油分離機構近傍の概略横断面図である。図28は、本発明の実施の形態7に係るスクロール圧縮機におけるインジェクション冷媒の流れを示す概略縦断面図である。
実施の形態7のスクロール圧縮機30は、密閉容器100を外部から貫通して内部に挿入されたインジェクション管201が固定台板2aに接続され、その接続箇所と第2流路105とを連通する連通流路202が固定台板2aに形成された構成を有する。
【0103】
この構成においては、インジェクション冷媒がインジェクション管201から連通流路202および第2流路105の一部を介して圧縮機構部8内にインジェクションされる。言い換えれば、吐出空間75と圧縮機構部8内とを連通する流路がインジェクション冷媒で満たされ、吐出空間75と圧縮機構部8内とが連通しない状態が形成される。
【0104】
よって、本実施の形態7によれば、以上の実施の形態1〜実施の形態5の効果に加え、て、さらに以下の効果を得ることができる。すなわち、上述したように、吹き出し部103bから吐出された冷媒の流速が速く、固定台板2a上に溜まった冷凍機油が撒き上げられて第2流路105が冷凍機油120で満たされない運転条件において、吐出空間75から圧縮機構部8への冷媒漏れを抑制できる。
【0105】
実施の形態8.
実施の形態8は、上記実施の形態7のスクロール圧縮機30を備えた冷凍サイクル装置に関する。以下、実施の形態8が、図26に示した実施の形態6の冷凍サイクル装置と異なる点を中心に説明する。
【0106】
図29は、本発明の実施の形態8に係るスクロール圧縮機を備えたインジェクション回路を含む冷凍サイクル装置の一例を示す図である。
図29に示す冷凍サイクル装置500は、図26に示した実施の形態6の主回路に、さらに以下の構成を有する。すなわち、冷凍サイクル装置500は、凝縮器31と膨張弁32との間から分岐し、スクロール圧縮機30のインジェクション管201に接続されたインジェクション回路34を備えている。また、インジェクション回路34には、流量調整弁としての膨張弁34aが設けられており、スクロール圧縮機30にインジェクションする流量を調整可能となっている。
【0107】
以上のように構成した冷凍サイクル装置500において、主回路の動作は実施の形態6と同様である。そして、実施の形態8の冷凍サイクル装置500では、スクロール圧縮機30から吐出され、凝縮器31を通過した主冷媒の一部であるインジェクション冷媒が、インジェクション回路34に流入する。インジェクション回路34に流入した冷媒は、膨張弁34aで減圧されて液状態または二相状態となり、スクロール圧縮機30のインジェクション管201に流入する。インジェクション管201に流入した液状態または二相状態のインジェクション冷媒は、連通流路202および第2流路105の一部を通り、圧縮機構部8内に流入する。
【0108】
本実施の形態8によれば、上記実施の形態6と同様の効果が得られるとともに、連通流路202および第2流路105の一部がインジェクション冷媒によって塞がれる。このため、高速運転時に第2流路105を介した吐出空間75から圧縮機構部8への冷媒漏れを抑制できる。
【0109】
また、上記各実施の形態においてそれぞれ別の実施の形態として説明したが、各実施の形態の特徴的な構成を適宜組み合わせてスクロール圧縮機を構成してもよい。たとえば、実施の形態2と実施の形態4とを組み合わせ、図11に示した油分離機構103を備えたスクロール圧縮機に、図18に示した旋回流補助ガイドを適用した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 揺動スクロール、1a 揺動台板、1b 揺動渦巻体、1c 揺動軸受、1d ボス部、2 固定スクロール、2a 固定台板、2aa 背面、2b 固定渦巻体、5 スライダー、6 回転軸、6a 偏心軸部、6b 主軸部、6c 副軸部、7 フレーム、7a 主軸受、7b ボス部、7c 冷媒導入口、7d 冷媒導入口、8 圧縮機構部、8a 渦巻構造体、9 サブフレーム、9a サブフレームホルダ、10 副軸受、11 吐出バルブ、13 スリーブ、30 スクロール圧縮機、31 凝縮器、32 膨張弁、33 蒸発器、34 インジェクション回路、34a 膨張弁、60 第1バランスウェイト、61 第2バランスウェイト、70 吸入室、71 圧縮室、71a 圧縮室、71a1 圧縮室、71a2 圧縮室、71b 圧縮室、71b1 圧縮室、71b2 圧縮室、73 吸入空間、74 渦巻空間、75 吐出空間、75a 油分離空間、100 密閉容器、100a 油溜め部、101 吸入管、102 吐出管、103 油分離機構、103a ガイド容器、103b 吹き出し部、104 第1流路、104a 開口、105 第2流路、105a 開口、105b 開口、106 旋回流補助ガイド、110 電動機構部、110a 電動機固定子、110b 電動機回転子、111 ポンプ要素、113a 第1壁部、113b 第2壁部、113c 隙間、114a 第1壁部、114b 第2壁部、114c 隙間、115a 第1壁部、115b 第2壁部、115c 隙間、120 冷凍機油、200 吐出口、201 インジェクション管、202 連通流路、204a 基礎円中心、204a−1 基礎円中心、204b 基礎円中心、205a 内向面、205b 内向面、206a 外向面、206b 外向面、208 接線、209 吹き出し方向、210 吹き出し衝突点、211 反吹き出し側範囲、213 反吹き出し側範囲、300 冷凍サイクル装置、500 冷凍サイクル装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29

【手続補正書】
【提出日】2019年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るスクロール圧縮機は、吐出口が形成された固定台板と固定渦巻体とからなる固定スクロールと、揺動台板と揺動渦巻体とからなる揺動スクロールとを有し、固定渦巻体と揺動渦巻体とが軸方向に組み合わされて吸入室および圧縮室が形成され、油を含有するガス状の流体を吸入室から圧縮室に吸入して圧縮し、吐出口から吐出する圧縮機構部と、圧縮機構部を収容し、固定台板の圧縮室とは反対側の吐出空間と、流体が外部から取り込まれる吸入空間とが内部に形成され、吸入空間の底部が油を貯留する油溜め部となる密閉容器と、揺動スクロールの圧縮室と反対側で揺動スクロールを支持するフレームと、吐出空間内で吐出口を覆って配置され、吹出口が形成されたガイド容器を有し、吐出空間内のうちガイド容器の外周側の空間である油分離空間に、吐出口および吹出口を介して吹き出された流体を、油分離空間内で旋回させて流体から油を分離する油分離機構とを備え、固定台板およびフレームには、油分離機構で分離された油を油溜め部に供給する第1流路が形成され、固定台板には、油分離機構で分離された油を圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されており、ガイド容器の吹出口から流体が吹き出されて密閉容器内に衝突するまでの流路において流体の旋回方向と反対側に、吹出口から吹き出された流体が旋回方向に向かうように補助する旋回流補助ガイドを備えたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出口が形成された固定台板と固定渦巻体とからなる固定スクロールと、揺動台板と揺動渦巻体とからなる揺動スクロールとを有し、前記固定渦巻体と前記揺動渦巻体とが軸方向に組み合わされて吸入室および圧縮室が形成され、油を含有するガス状の流体を前記吸入室から前記圧縮室に吸入して圧縮し、前記吐出口から吐出する圧縮機構部と、
前記圧縮機構部を収容し、前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の吐出空間と、流体が外部から取り込まれる吸入空間とが内部に形成され、前記吸入空間の底部が油を貯留する油溜め部となる密閉容器と、
前記揺動スクロールの前記圧縮室と反対側で前記揺動スクロールを支持するフレームと、
前記吐出空間内で前記吐出口を覆って配置され、吹出口が形成されたガイド容器を有し、前記吐出空間内のうち前記ガイド容器の外周側の空間である油分離空間に、前記吐出口および前記吹出口を介して吹き出された流体を、前記油分離空間内で旋回させて前記流体から油を分離する油分離機構とを備え、
前記固定台板および前記フレームには、前記油分離機構で分離された油を前記油溜め部に供給する第1流路が形成され、
前記固定台板には、前記油分離機構で分離された油を前記圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されており、
前記ガイド容器の前記吹出口から前記流体が吹き出されて前記密閉容器内に衝突するまでの流路において前記流体の旋回方向と反対側に、前記吹出口から吹き出された前記流体が前記旋回方向に向かうように補助する旋回流補助ガイドを備えたスクロール圧縮機。
【請求項2】
吐出口が形成された固定台板と固定渦巻体とからなる固定スクロールと、揺動台板と揺動渦巻体とからなる揺動スクロールとを有し、前記固定渦巻体と前記揺動渦巻体とが軸方向に組み合わされて吸入室および圧縮室が形成され、油を含有するガス状の流体を前記吸入室から前記圧縮室に吸入して圧縮し、前記吐出口から吐出する圧縮機構部と、
前記圧縮機構部を収容し、前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の吐出空間と、流体が外部から取り込まれる吸入空間とが内部に形成され、前記吸入空間の底部が油を貯留する油溜め部となる密閉容器と、
前記揺動スクロールの前記圧縮室と反対側で前記揺動スクロールを支持するフレームと、
前記吐出空間内で前記吐出口を覆って配置され、吹出口が形成されたガイド容器を有し、前記吐出空間内のうち前記ガイド容器の外周側の空間である油分離空間に、前記吐出口および前記吹出口を介して吹き出された流体を、前記油分離空間内で旋回させて前記流体から油を分離する油分離機構とを備え、
前記固定台板および前記フレームには、前記油分離機構で分離された油を前記油溜め部に供給する第1流路が形成され、
前記固定台板には、前記油分離機構で分離された油を前記圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されており、
前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の面の外周部に、周方向に間隔を空けて凸状の旋回流補助ガイドが複数形成され、前記旋回流補助ガイドは、前記固定台板からの前記軸方向の高さが一定で、且つ前記軸方向に見たときに、前記流体の旋回方向に向かうにしたがって内側に向けて傾斜した傾斜面を有するスクロール圧縮機。
【請求項3】
吐出口が形成された固定台板と固定渦巻体とからなる固定スクロールと、揺動台板と揺動渦巻体とからなる揺動スクロールとを有し、前記固定渦巻体と前記揺動渦巻体とが軸方向に組み合わされて吸入室および圧縮室が形成され、油を含有するガス状の流体を前記吸入室から前記圧縮室に吸入して圧縮し、前記吐出口から吐出する圧縮機構部と、
前記圧縮機構部を収容し、前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の吐出空間と、流体が外部から取り込まれる吸入空間とが内部に形成され、前記吸入空間の底部が油を貯留する油溜め部となる密閉容器と、
前記揺動スクロールの前記圧縮室と反対側で前記揺動スクロールを支持するフレームと、
前記吐出空間内で前記吐出口を覆って配置され、吹出口が形成されたガイド容器を有し、前記吐出空間内のうち前記ガイド容器の外周側の空間である油分離空間に、前記吐出口および前記吹出口を介して吹き出された流体を、前記油分離空間内で旋回させて前記流体から油を分離する油分離機構とを備え、
前記固定台板および前記フレームには、前記油分離機構で分離された油を前記油溜め部に供給する第1流路が形成され、
前記固定台板には、前記油分離機構で分離された油を前記圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されており、
前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の面の外周部に、周方向に間隔を空けて凸状の旋回流補助ガイドが複数形成され、前記旋回流補助ガイドは、前記固定台板からの前記軸方向の高さが前記流体の旋回方向に向かうにしたがって高くなり、かつ、径方向の厚みが一定に構成されているスクロール圧縮機。
【請求項4】
前記密閉容器を外部から貫通して前記固定台板に接続されたインジェクション管を備え、
前記インジェクション管と前記固定台板との接続箇所と、前記第2流路と、を連通する連通流路が前記固定台板に形成されている請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項5】
吐出口が形成された固定台板と固定渦巻体とからなる固定スクロールと、揺動台板と揺動渦巻体とからなる揺動スクロールとを有し、前記固定渦巻体と前記揺動渦巻体とが軸方向に組み合わされて吸入室および圧縮室が形成され、油を含有するガス状の流体を前記吸入室から前記圧縮室に吸入して圧縮し、前記吐出口から吐出する圧縮機構部と、
前記圧縮機構部を収容し、前記固定台板の前記圧縮室とは反対側の吐出空間と、流体が外部から取り込まれる吸入空間とが内部に形成され、前記吸入空間の底部が油を貯留する油溜め部となる密閉容器と、
前記揺動スクロールの前記圧縮室と反対側で前記揺動スクロールを支持するフレームと、
前記吐出空間内で前記吐出口を覆って配置され、吹出口が形成されたガイド容器を有し、前記吐出空間内のうち前記ガイド容器の外周側の空間である油分離空間に、前記吐出口および前記吹出口を介して吹き出された流体を、前記油分離空間内で旋回させて前記流体から油を分離する油分離機構とを備え、
前記固定台板および前記フレームには、前記油分離機構で分離された油を前記油溜め部に供給する第1流路が形成され、
前記固定台板には、前記油分離機構で分離された油を前記圧縮機構部の内部へ供給する第2流路が形成されており、
前記密閉容器を外部から貫通して前記固定台板に接続されたインジェクション管を備え、
前記インジェクション管と前記固定台板との接続箇所と、前記第2流路と、を連通する連通流路が前記固定台板に形成されているスクロール圧縮機。
【請求項6】
前記吹出口からの前記流体の吹き出し方向の延長線と前記密閉容器とが交わる吹き出し衝突点と、前記軸方向に前記固定台板を見たときの前記固定台板の中心とを通る直線に対して、前記固定台板の前記中心で垂直に交わる直線を用いて、前記固定台板を2つの範囲に分けたとき、前記吹き出し衝突点を有する側とは反対側の範囲に、前記第1流路および前記第2流路のそれぞれの前記油分離空間側の開口が位置している請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項7】
前記吹出口からの前記流体の吹き出し方向の延長線と前記密閉容器とが交わる吹き出し衝突点と、前記軸方向に前記固定台板を見たときの前記固定台板の中心とを通る直線に対して、前記固定台板の前記中心で垂直に交わる直線を用いて、前記密閉容器の上面を2つの範囲に分けたとき、前記吹き出し衝突点を有する側とは反対側の範囲に、吐出管が接続されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項8】
前記固定台板において、前記第2流路の前記油分離空間側の開口は、前記第1流路の前記油分離空間側の開口よりも前記固定台板の径方向の内側に位置している請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項9】
前記油分離機構の前記ガイド容器は、円弧の曲面状の第1壁部と、前記第1壁部の周方向の一端に連結された平面状または円弧の曲面状の第2壁部とが連結されて構成され、前記第1壁部の周方向の他端と前記第2壁部との間に、前記吹出口となる隙間が形成されている請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、蒸発器とを備えた冷凍サイクル装置。
【請求項11】
前記凝縮器と前記減圧装置との間から分岐し、前記スクロール圧縮機に接続されるインジェクション回路と、
前記インジェクション回路の流量を調整する流量調整弁と備えた請求項10記載の冷凍サイクル装置。
【国際調査報告】