(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年12月20日
【発行日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】駆動装置及び電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H02M 1/08 20060101AFI20191011BHJP
H03K 17/04 20060101ALN20191011BHJP
H03K 17/0412 20060101ALN20191011BHJP
【FI】
H02M1/08 A
H02M1/08 C
H03K17/04 Z
H03K17/0412
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】特願2019-525200(P2019-525200)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年5月8日
(31)【優先権主張番号】特願2017-115782(P2017-115782)
(32)【優先日】2017年6月13日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 正志
【テーマコード(参考)】
5H740
5J055
【Fターム(参考)】
5H740BA11
5H740BB04
5H740BB08
5H740BC01
5H740BC02
5H740HH06
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5H740JB01
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5J055AX04
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5J055EZ20
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5J055EZ50
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5J055EZ63
5J055FX05
5J055FX12
5J055GX01
5J055GX04
5J055GX06
(57)【要約】
駆動装置100は、直列に接続されたスイッチング素子11,12のゲートをそれぞれ駆動するゲート駆動回路21,22を有するゲート駆動部20、スイッチング素子12のロー側の電位である基準電位COMを降圧した負電位GNDをゲート駆動部20に供給する負側電源VCCL、スイッチング素子12のハイ側の電位である基準電位VSを降圧した負電位MVSをゲート駆動部20に供給するための負側キャパシタ42、ハイサイドのゲート駆動回路21の電位状態に基づいて、負側キャパシタ42を充電する充電タイミングを検出するタイミング検出回路50、及び充電タイミングにおいて、負側電源VCCLを用いて負側キャパシタ42を充電する充電回路を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有するスイッチ回路を駆動する駆動装置であって、
前記第1スイッチング素子のゲートを駆動する第1ゲート駆動回路および前記第2スイッチング素子のゲートを駆動する第2ゲート駆動回路を有するゲート駆動部と、
前記第1スイッチング素子のロー側の電位である第1基準電位を正電位側とし、負電位側を第1負電位とした前記ゲート駆動部に供給する負側電源と、
前記第1スイッチング素子のハイ側の電位である第2基準電位を正電位側とし、負電位側を第2負電位とした前記ゲート駆動部に供給するための負側キャパシタと、
前記第1ゲート駆動回路および前記第2ゲート駆動回路のうちハイサイドの駆動回路の電位状態に基づいて、前記負側キャパシタを充電する充電タイミングを検出するタイミング検出回路と、
前記充電タイミングにおいて、前記負側電源を用いて前記負側キャパシタを充電する充電回路と
を備える駆動装置。
【請求項2】
前記第1基準電位を負電位側とし、正電位側を第1正電位とした前記ゲート駆動部に供給する正側電源と、
前記第2基準電位を負電位側とし、正電位側を第2正電位とした前記ゲート駆動部に供給するための正側キャパシタと、
前記正側電源の正側端子から前記正側キャパシタへと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する第1整流器と
を備える請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記タイミング検出回路は、前記第1正電位、前記第2正電位、前記第1基準電位、前記第2基準電位、前記第1負電位、および前記第2負電位の少なくとも1つに基づいて、前記充電タイミングを検出する請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記タイミング検出回路は、前記第2基準電位および前記第1負電位の差が基準電圧以下であることを条件として、前記充電タイミングを検出する請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記タイミング検出回路は、前記第2基準電位および前記第1負電位を分圧した分圧電圧が第1閾値以下であることを条件として、前記充電タイミングを検出する請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記タイミング検出回路は、前記分圧電圧を前記第1閾値より大きい第2閾値以下にクランプする請求項5に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記タイミング検出回路は、前記正側電源から前記正側キャパシタへと流れる電流が第3閾値以上であることを条件として、前記充電タイミングを検出する請求項2に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記タイミング検出回路は、前記第1スイッチング素子をオンとすることを前記第1ゲート駆動回路に指示する第1ゲート制御信号を入力したことを更に条件として、前記充電タイミングを検出する請求項4から7のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記充電回路は、前記充電タイミングにおいて前記第1負電位および前記第2負電位の間を接続する第3スイッチング素子を有する請求項2から8のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記第1基準電位側から前記第2基準電位側へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する第2整流器を更に備える請求項2から9のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1スイッチング素子は、前記スイッチ回路におけるローサイドのスイッチング素子であり、
前記第2スイッチング素子は、前記スイッチ回路におけるハイサイドのスイッチング素子である
請求項2から10のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記第1ゲート駆動回路は、前記第1正電位および前記第1負電位を駆動電圧として受け取り、
前記第2ゲート駆動回路は、前記第2正電位および前記第2負電位を駆動電圧として受け取る
請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記第2スイッチング素子のゲートを制御するための、前記第1基準電位を基準とする第1ゲート制御信号をレベルシフトして、前記第2基準電位を基準とする第2変換ゲート制御信号を生成するレベルシフト回路を更に備え、
前記第2ゲート駆動回路は、前記第2変換ゲート制御信号に応じて前記第2スイッチング素子のゲートを駆動する
請求項11または12に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記レベルシフト回路は、
前記第2正電位および前記第2負電位の間に順に直列に接続されたレベルシフト抵抗およびレベルシフト用スイッチング素子と、
前記第2基準電位側から前記レベルシフト抵抗および前記レベルシフト用スイッチング素子の間の接続点へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断するレベルシフト用整流器と
を有する請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記負側キャパシタは、前記正側キャパシタよりも容量が小さい請求項2から14のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の駆動装置と、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子と
を備える電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置及び電力変換装置
【背景技術】
【0002】
電力変換装置(インバータとも呼ぶ)は、例えば、ハイサイド及びローサイドのそれぞれに配される2つのスイッチング素子及びこれらのゲートをそれぞれ駆動する2つのゲート駆動回路を含んで構成される。ここで、スイッチング素子を高速でスイッチオフするために、ゲートに負電圧を入力することがある。そのため、各ゲート駆動回路において、スイッチング素子をオン及びオフするためにゲートに入力する正電圧及び負電圧をそれぞれ供給する駆動電源(正側電源及び負側電源とも呼ぶ)として、フローティングされた2つの駆動電源が必要となる。
【0003】
そこで、例えば特許文献1から3には、ハーフブリッジ構成された電力変換装置において、キャパシタを用いて、ローサイドからハイサイドのゲート駆動回路に電源電圧を供給するブートストラップ回路を設けることで、ハイサイドに能動的な電圧源を持たないシンプルな構成とする技術が開示されている。
特許文献1 特開2010−35389号公報
特許文献2 特開2011−66963号公報
特許文献3 特開2013−179821号公報
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のブートストラップ回路は、ローサイドに正側及び負側電源を備え、ハイサイドに正電源用及び負電源用の2つのキャパシタ(それぞれ、正側及び負側キャパシタとも呼ぶ)と負側キャパシタを充電するための追加の駆動電源とを必要とする。また、特許文献2に記載のブートストラップ回路は、ローサイドに正側及び負側電源を備え、ハイサイドに正側及び負側キャパシタを備え、ハイサイドのスイッチング素子をオフ且つローサイドのスイッチング素子をオンすると同時に追加のスイッチング素子により負側電源を負側キャパシタに接続してこれを充電する。しかし、負側キャパシタの充電タイミングを制御することができない。また、特許文献3に記載のブートストラップ回路は、ローサイドに正側及び負側電源、ハイサイドに正側及び負側キャパシタ並びに追加のスイッチング素子を備え、ローサイドのスイッチング素子がオンのときに正側キャパシタを充電するとともに追加のスイッチング素子をオンして負側キャパシタを負電源として使用し、ハイサイドのスイッチング素子がオンのときに追加のスイッチング素子をオフして正側キャパシタを用いて負側キャパシタを充電する。しかし、正側キャパシタの電位が大きく変動し、伝搬遅延時間等に影響するおそれがある。
【0005】
(項目1)
直列に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有するスイッチ回路を駆動する駆動装置であってよい。
駆動装置は、第1スイッチング素子のゲートを駆動する第1ゲート駆動回路および第2スイッチング素子のゲートを駆動する第2ゲート駆動回路を有するゲート駆動部を備えてよい。
駆動装置は、第1スイッチング素子のロー側の電位である第1基準電位を正電位側とし、負電位側を第1負電位としたゲート駆動部に供給する負側電源を備えてよい。
駆動装置は、第1スイッチング素子のハイ側の電位である第2基準電位を正電位側とし、負電位側を第2負電位としたゲート駆動部に供給するための負側キャパシタを備えてよい。
駆動装置は、第1ゲート駆動回路および第2ゲート駆動回路のうちハイサイドの駆動回路の電位状態に基づいて、負側キャパシタを充電する充電タイミングを検出するタイミング検出回路を備えてよい。
駆動装置は、充電タイミングにおいて、負側電源を用いて負側キャパシタを充電する充電回路を備えてよい。
【0006】
(項目2)
駆動装置は、第1基準電位を負電位側とし、正電位側を第1正電位としたゲート駆動部に供給する正側電源を備えてよい。
駆動装置は、第2基準電位を負電位側とし、正電位側を第2正電位としたゲート駆動部に供給するための正側キャパシタを備えてよい。
駆動装置は、正側電源の正側端子から正側キャパシタへと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する第1整流器を備えてよい。
【0007】
(項目3)
タイミング検出回路は、第1正電位、第2正電位、第1基準電位、第2基準電位、第1負電位、および第2負電位の少なくとも1つに基づいて、充電タイミングを検出してよい。
【0008】
(項目4)
タイミング検出回路は、第2基準電位および第1負電位の差が基準電圧以下であることを条件として、充電タイミングを検出してよい。
【0009】
(項目5)
タイミング検出回路は、第2基準電位および第1負電位を分圧した分圧電圧が第1閾値以下であることを条件として、充電タイミングを検出してよい。
【0010】
(項目6)
タイミング検出回路は、分圧電圧を第1閾値より大きい第2閾値以下にクランプしてよい。
【0011】
(項目7)
タイミング検出回路は、正側電源から正側キャパシタへと流れる電流が第3閾値以上であることを条件として、充電タイミングを検出してよい。
【0012】
(項目8)
タイミング検出回路は、第1スイッチング素子をオンとすることを第1ゲート駆動回路に指示する第1ゲート制御信号を入力したことを更に条件として、充電タイミングを検出してよい。
【0013】
(項目9)
充電回路は、充電タイミングにおいて第1負電位および第2負電位の間を接続する第3スイッチング素子を有してよい。
【0014】
(項目10)
駆動装置は、第1基準電位側から第2基準電位側へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する第2整流器を更に備えてよい。
【0015】
(項目11)
第1スイッチング素子は、スイッチ回路におけるローサイドのスイッチング素子であってよい。
第2スイッチング素子は、スイッチ回路におけるハイサイドのスイッチング素子であってよい。
【0016】
(項目12)
第1ゲート駆動回路は、第1正電位および第1負電位を駆動電圧として受け取ってよい。
第2ゲート駆動回路は、第2正電位および第2負電位を駆動電圧として受け取ってよい。
【0017】
(項目13)
駆動装置は、第2スイッチング素子のゲートを制御するための、第1基準電位を基準とする第1ゲート制御信号をレベルシフトして、第2基準電位を基準とする第2変換ゲート制御信号を生成するレベルシフト回路を更に備えてよい。
第2ゲート駆動回路は、第2変換ゲート制御信号に応じて第2スイッチング素子のゲートを駆動してよい。
【0018】
(項目14)
レベルシフト回路は、第2正電位および第2負電位の間に順に直列に接続されたレベルシフト抵抗およびレベルシフト用スイッチング素子を有してよい。
レベルシフト回路は、第2基準電位側からレベルシフト抵抗およびレベルシフト用スイッチング素子の間の接続点へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断するレベルシフト用整流器を有してよい。
【0019】
(項目15)
負側キャパシタは、正側キャパシタよりも容量が小さくてよい。
【0020】
(項目16)
電力変換装置は、項目1から15のいずれか一項に記載の駆動装置を備えてよい。
電力変換装置は、第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を備えてよい。
【0021】
なお、の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本駆動装置及びこれを含んで構成される電力変換装置の構成を示す。
【図2】ハイサイドのゲート駆動回路の入力閾値範囲を示す。
【図3】入力回路の入力閾値範囲を示す。
【図4】レベルシフト回路の構成をハイサイドのゲート駆動回路及びツェナーダイオードとともに示す。
【図5】タイミング検出回路の構成を示す。
【図6】タイミング検出回路の動作波形の一例を示す。
【図7】駆動装置及び電力変換装置における動作波形の一例を示す。
【図8】変形例に係る駆動装置及びこれを含んで構成される電力変換装置の構成を示す。
【図9】変形例に係るタイミング検出回路の構成を示す。
【図10】変形例に係るタイミング検出回路の動作波形の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
図1は、本駆動装置100及びこれを含んで構成される電力変換装置110の構成を示す。駆動装置100は、電力変換装置110においてハイサイドに能動的な駆動電源を設けることなく、ハイサイドに設けられた駆動電源用のキャパシタを充電するタイミングを制御することによりスイッチング素子の負電源駆動を可能とするものである。電力変換装置110は、スイッチ回路10及び駆動装置100を備える。
【0025】
スイッチ回路10は、スイッチング素子11,12及び整流素子13,14を有し、これらより負荷L及び電源EVに対してハーフブリッジ型のスイッチ回路を構成する。なお、電源EVの正極側及び負極側をそれぞれハイサイド(HS)及びローサイド(LS)と呼ぶ。
【0026】
スイッチング素子11,12は、一例として絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)とする。なお、スイッチング素子11,12として、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を採用してもよい。スイッチング素子11,12は、ゲート電極(単にゲートとも呼ぶ)、コレクタ電極(単にコレクタとも呼ぶ)、及びエミッタ電極(単にエミッタとも呼ぶ)を有する。スイッチング素子11,12は、スイッチング素子11のエミッタとスイッチング素子12のコレクタとを接続することで直列に接続され、それぞれハイサイド及びローサイドに配される。
【0027】
整流素子13,14は、一例として、フリーホイールダイオード(FWD)とする。整流素子13,14は、それぞれスイッチング素子11,12に逆並列に接続される。なお、スイッチング素子11,12が寄生ダイオードを含む場合、整流素子13,14を設けなくてもよい。
【0028】
スイッチ回路10において、スイッチング素子11は、コレクタ及びエミッタをそれぞれ電源EVの正極及び負荷Lの一端に接続し、スイッチング素子12は、コレクタ及びエミッタをそれぞれ負荷Lの一端及び電源EVの負極に接続する。ただし、負荷Lの他端は電源EVの負極に接続する。ここで、スイッチング素子12のハイ側及びロー側の電位(すなわち、負荷Lの一端及び他端の電位)をそれぞれの動作の基準となる基準電位VS,COM(それぞれ第2及び第1基準電位の一例)と示す。
【0029】
駆動装置100は、外部から入力される制御信号INに従ってスイッチ回路10を駆動する装置である。駆動装置100は、ゲート駆動部20及びブートストラップ回路40を有する。
【0030】
ゲート駆動部20は、スイッチング素子11,12のゲートを駆動してスイッチ回路10を駆動するユニットであり、入力回路23、フィルタ遅延回路24、パルス生成回路25、及びレベルシフト回路30、ゲート駆動回路21,22、及びツェナーダイオード26,27を含む。なお、一例として、駆動装置100外に配されるマイクロプロセッサ9により基準電位COMに対する制御信号INが生成され、ゲート駆動部20に入力される。
【0031】
入力回路23は、制御信号INに従って、スイッチング素子11,12のゲートを制御するためのゲート制御信号HIN,LINを生成する。ゲート制御信号HIN,LINは、後段のフィルタ遅延回路24に入力される。
【0032】
フィルタ遅延回路24は、ゲート制御信号HIN,LINからノイズを除去するとともに、それらの一方に対して他方を遅延させて、HRDV,LDRV信号を出力する。例えば、ゲート制御信号HINの立下りに対してゲート制御信号LINの立上りを遅延させるとともにゲート制御信号LINの立下りに対してゲート制御信号HINの立上りを遅延させることにより、スイッチング素子11,12の同時オンが防止される。
【0033】
パルス生成回路25は、ゲート制御信号HDRVからレベルシフト回路30に入力する制御信号SET,RESを生成する。ここで、制御信号SET,RESは、それぞれ、ゲート制御信号HDRVの立上り及び立下りに応じて生成されるパルス信号を含む。
【0034】
レベルシフト回路30は、スイッチング素子11のゲートを制御するための変換ゲート制御信号SDRN,RDRNを生成する。変換ゲート制御信号SDRN,RDRNは、負電位GNDを基準とするゲート制御信号HDRV(これから生成される制御信号SET,RES)をレベルシフトして負電位MVSを基準とする信号に変換することにより生成される。レベルシフト回路30の構成については後述する。
【0035】
ゲート駆動回路21,22は、それぞれ、ハイサイド及びローサイドに配され、スイッチング素子11,12のゲートを駆動する。
【0036】
ゲート駆動回路21は、レベルシフト回路30により生成される変換ゲート制御信号SDRN,RDRNに従ってゲート駆動信号HOを生成し、スイッチング素子11のゲートに入力する。ここで、ゲート駆動信号HOは、スイッチング素子11をターンオン及びオフするための正電圧及び負電圧信号の間で切り換えられ、これらはゲート駆動回路21がそれぞれ正側及び負側キャパシタ41,42から駆動電圧として受け取る正電位VB(第2正電位の一例)及び負電位MVS(第2負電位の一例)を利用して生成される。図2に示すゲート駆動回路21の入力閾値範囲より分かるように、負電位MVSは、基準電位VSから負側キャパシタ42の充電電圧(VS−MVS)に相当するオフセット電圧分降下させた電位を有し、ゲート制御信号HOは、正電位VBと負電位MVSとの間の電圧範囲が与えられることとなる。
【0037】
ゲート駆動回路22は、入力回路23により生成される制御信号LINを経由し、フィルタ遅延回路24により生成される制御信号LDRVに従ってゲート駆動信号LOが生成され、スイッチング素子12のゲートに入力される。ここで、ゲート駆動信号LOは、スイッチング素子12をターンオン及びオフするための正電圧及び負電圧信号の間で切り換えられ、これらはゲート駆動回路22がそれぞれ正側及び負側電源VCCH,VCCLから駆動電圧として受け取る正電位VL(第1正電位の一例)及び負電位GND(第1負電位の一例)を利用して生成される。図3に示す入力回路23の入力閾値範囲より分かるように、負電位GNDは、基準電位COMから負側電源VCCLの電源電圧(COM−GND)に相当するオフセット電圧分降下させた電位を有し、制御信号INは、正電位VLと基準電位COMとの間の電圧範囲が与えられるが、ゲート制御信号LDRVは正電位VLと負電位GNDとの間の電圧範囲が与えられることとなる。
【0038】
ツェナーダイオード26,27は、それらの降伏電圧により、それぞれ正電位VB及び負電位MVSを基準電位VSに対して一定以下の電位差に維持する。それにより、正側及び負側キャパシタ41,42が過充電される場合においても、一定の正電圧及び負電圧をゲート駆動回路21に供給することができる。
【0039】
ブートストラップ回路40は、ローサイドに配される電源からハイサイドに配されるゲート駆動回路21に電源電圧を供給する回路である。ブートストラップ回路40は、正側及び負側電源VCCH,VCCL、正側及び負側キャパシタ41,42、整流器43,44、スイッチング素子47、整流素子48、及びタイミング検出回路50を含む。
【0040】
正側及び負側電源VCCH,VCCLは、ローサイドに配され、スイッチング素子12のゲートに入力するゲート駆動信号LOを生成するのに使用され、正電位VL及び負電位GNDをゲート駆動部20内のゲート駆動回路22に供給する電源である。なお、正側及び負側電源VCCH,VCCLは、外部電源(例えば、商用電源)からAC−DC変換等によって生成してもよく、ローカルな電力又はバッテリ等を用いて生成してもよい。正側及び負側電源VCCH,VCCLは、それぞれ直列に接続され、それらの接続点が基準電位COMに接続され、負側電源VCCLの負極が負電位GNDに接続される。正側電源VCCHは、正電位VLを生成し、ゲート駆動回路22に供給する。負側電源VCCLは、負電位GNDを生成し、ゲート駆動回路22に供給する。これにより、基準電位COMに対して正電位VL及び負電位GNDのゲート駆動信号LOを生成することができる。
【0041】
正側及び負側キャパシタ41,42は、ハイサイドに配され、スイッチング素子11のゲートに入力するゲート駆動信号HOを生成するのに使用され、正電位VB及び負電位MVSをゲート駆動部20内のゲート駆動回路21に供給する素子である。正側及び負側キャパシタ41,42は、それぞれ直列に接続され、それらの接続点が基準電位VSに接続される。正側キャパシタ41は、正側電源VCCHにより充電され、正電位VBを生成し、これをゲート駆動回路21に供給する。負側キャパシタ42は、負側電源VCCL及び正側キャパシタの充電と共に充電され、負電位MVSを生成し、これをゲート駆動回路21に供給する。これにより、基準電位VSに対して正電位VS及び負電位MVSのゲート駆動信号HOを生成することができる。なお、負側キャパシタ42は、正側キャパシタ41よりも容量が小さくてよい。
【0042】
整流器43,44は、それぞれ、正側及び負側電源VCCH,VCCLから正側及び負側キャパシタ41,42に電流を流してそれらを充電するとともに、正側及び負側キャパシタ41,42から電流を戻すことなく正電位VB及び負電位MVSをゲート駆動回路21に供給する素子である。整流器43は、正側電源VCCHと正側キャパシタ41との間に接続され、正側電源VCCHの正極から正側キャパシタ41へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する。それにより、スイッチング素子12がターンオンされた時に、正側電源VCCH、整流器43、正側キャパシタ41、及びスイッチング素子12により充電回路が形成され、正側電源VCCHにより正側キャパシタ41が充電される。整流器44は、基準電位COMと基準電位VSとの間に接続され、基準電位COM側から基準電位VS側へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する。
【0043】
なお、整流器44は、正側及び負側キャパシタ41,42の直列コンデンサの合成容量値の減少が許容される場合において、必ずしも設ける必要はない。斯かる場合、後述するスイッチング素子47がターンオンされた時に、直列する正側及び負側電源VCCH,VCCL、整流器43、正側及び負側キャパシタ41,42、及びスイッチング素子47により充電回路が形成され、直列する正側及び負側電源VCCH,VCCLにより正側キャパシタ41とともに負側キャパシタ42が充電される。
【0044】
スイッチング素子47は、後述するタイミング検出回路50により制御されて、充電タイミングにおいてターンオンして負電位GND,MVSの間を接続する。それにより、負側電源VCCL、整流器44、負側キャパシタ42、及びスイッチング素子47により充電回路が形成され、負側電源VCCLにより負側キャパシタ42が充電される。
【0045】
整流素子48は、スイッチング素子47に逆並列に接続される。整流素子48により、負電位MVSが負電位GND以下にならないようにする。なお、スイッチング素子47が寄生ダイオードを含む場合、整流素子48を設けなくてもよい。
【0046】
タイミング検出回路50は、ハイサイドに配されたゲート駆動回路21の電位状態に基づいて、負側キャパシタ42を充電する充電タイミングを検出する回路である。タイミング検出回路50は、ローサイドのゲート制御信号LDRV及び後述するハイサイドの電位レベル出力HSPOT(基準電位VS及び負電位GND間の差に対応)を制御入力として利用することにより検出タイミングを検出し、そのタイミングにおいてスイッチング素子47をターンオンして充電回路を形成することで負側キャパシタ42を充電する。タイミング検出回路50の構成については後述する。
【0047】
図4は、レベルシフト回路30の構成をハイサイドのゲート駆動回路21及びツェナーダイオード26,27とともに示す。レベルシフト回路30は、抵抗素子31S,31R、スイッチング素子32S,32R、整流素子33S,33R、整流素子34S,34R、及び抵抗素子35,36を有する。
【0048】
抵抗素子31S,31Rは、レベルシフト抵抗の一例であり、一端が正側キャパシタ41の正極(すなわち、正電位VB)に接続され、他端がゲート駆動回路21に接続される。
【0049】
スイッチング素子32S,32Rは、レベルシフト用スイッチング素子の一例であり、それぞれ抵抗素子31S,31Rの他端と負電位GNDの間に接続される。スイッチング素子32Sは、パルス生成回路25から出力される制御信号SETにより駆動され、変換ゲート制御信号SDRNとしてゲート駆動回路21に入力する。スイッチング素子32Rは、パルス生成回路25から出力される制御信号RESにより駆動され、変換ゲート制御信号RDRNとしてゲート駆動回路21に入力する。
【0050】
整流素子33S,33Rは、カソードを正電位VB側に向けて、それぞれ抵抗素子31S,31Rに並列に接続され、変換ゲート制御信号SDRN,RDRNが正電位VBを超えないようにする。
【0051】
整流素子34S,34Rは、アノードを基準電位VS側に向けて、それぞれ抵抗素子31S,31R及びスイッチング素子32S,32Rの間の接続点と基準電位VSとの間に接続され、変換ゲート制御信号SDRN,RDRNが基準電位VSを下回らないようにする。
【0052】
従って、レベルシフト回路30は、ゲート制御信号HDRVの立上り及び立下りに応じてそれぞれ生成されるパルス制御信号SET,RESを入力として、正電位VB及び基準電位VSの間の電位を有する変換ゲート制御信号SDRN,RDRNにそれぞれ変換される。
【0053】
抵抗素子35,36は、基準電位VS及び負電位GNDの間に直列に接続される。さらに、抵抗素子35,36の接続点がハイサイドの電位レベル出力HSPOTとしてタイミング検出回路50に入力される。なお、抵抗素子35,36の抵抗値は、スイッチング素子11がオン及びオフの時(すなわち、ハイサイドが高及び低電位状態の時)に後述するタイミング検出回路50内のリファレンスVREFより高く及び低くなるように定められるものとする。
【0054】
図5は、タイミング検出回路50の構成を示す。タイミング検出回路50は、比較器51、ツェナーダイオード52、遅延回路53、論理積(AND)回路54、論理否定(NOT)回路55、遅延回路56、ラッチ回路57、及び増幅器58を有する。
【0055】
比較器51は、レベルシフト回路30から出力されるハイサイドの電位レベル出力HSPOTをリファレンスVREFと比較して、電位レベル出力HSPOTがリファレンスVREF以下及びより大きい場合にそれぞれハイレベル及びローレベルとなる比較結果COUTを出力する。それにより、基準電位VS及び負電位GNDの差がリファレンスVREFに対応する基準電圧以下であることを条件として、充電タイミングを検出することができる。
【0056】
ツェナーダイオード52は、比較器51に入力されるハイサイドの電位レベル出力HSPOTをその降伏電圧以下にクランプする。ここで、降伏電圧は、リファレンスVREFより大きいとする。電位レベル出力HSPOTはスイッチング素子11のスイッチング状態により大きく上下するため、これにより過度に高い電圧信号が比較器51に入力されるのを防ぐことができる。
【0057】
遅延回路53は、ゲート制御信号LDRVの立上りに対して遅延するパルス波を出力する。遅延時間delay1を任意に定めることで、充電タイミングの開始を、ゲート制御信号LDRVの立上り、すなわちスイッチング素子12のターンオンに遅延して検出することができる。
【0058】
AND回路54は、比較器51の比較結果COUTと遅延回路53の出力との論理積を算出し、その結果を出力する。それにより、比較器51の比較結果COUTがハイレベルの場合、すなわちスイッチング素子11がターンオフされてハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態にある場合を検出できる。
【0059】
NOT回路55は、ゲート制御信号LDRVの論理否定を算出し、その結果を出力する。
【0060】
遅延回路56は、ゲート制御信号LDRVの論理否定の立上り、すなわちゲート制御信号LDRVの立下りに対して遅延するパルス波を出力する。遅延時間delay2を任意に定めることで、充電タイミングの終了を、ゲート制御信号LDRVの立下り、すなわちスイッチング素子12のターンオフに遅延して検出することができる。
【0061】
ラッチ回路57は、AND回路54の出力によりセットされて、遅延回路56の出力によりリセットされる。それにより、スイッチング素子11がターンオフされてハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態にある場合で、スイッチング素子12のターンオンに遅延して充電を開始し、スイッチング素子12のターンオフに遅延して充電を終了する充電タイミング信号が生成される。
【0062】
増幅器58は、ラッチ回路57の出力を増幅して出力する。出力は、ゲート駆動信号XM1Gとしてスイッチング素子47のゲートに入力される。
【0063】
図6は、タイミング検出回路50の動作波形の一例を示す。最上段に、電位レベル出力HSPOTの波形を示す。電位レベル出力HSPOTは、ハイサイドに配されたゲート駆動回路21の電位状態を表し、スイッチング素子11のスイッチング動作(オン及びオフ)に伴ってハイレベル及びローレベルを繰り返している。第2段に、比較器51の出力COUTの波形を示す。出力COUTは、電位レベル出力HSPOTがリファレンスVREF以下及び大きい場合にそれぞれハイレベル及びローレベルとなる。第3段に、ローサイドのゲート制御信号LDRVの波形を示す。ゲート制御信号LDRVは、ハイサイドのゲート制御信号HDRV(不図示)に反対してハイレベル及びローレベルを繰り返す。第4及び第5段に、それぞれ、AND回路54の出力S及び遅延回路56の出力Rの波形を示す。出力Sは、比較器51の出力COUTがハイレベルの場合、すなわちスイッチング素子11がターンオフされてハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態にある場合に、ゲート制御信号LDRVの立上り(スイッチング素子12のターンオンに対応する)に遅延してパルス状に立ち上がる。出力Rは、ゲート制御信号LDRVの立下り(スイッチング素子12のターンオフに対応する)に対して遅延してパルス状を立ち上がる。第6段に、ゲート駆動信号XM1Gの波形を示す。ゲート駆動信号XM1Gは、出力Sの立上りに応じて立ち上がり、出力Rの立上りに応じて立ち下がる。それにより、負側キャパシタ42の充電タイミングは、スイッチング素子11がターンオフされてハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態にある場合にスイッチング素子12のターンオンに遅延して開始し、スイッチング素子12のターンオフに遅延して終了することとなる。なお、遅延回路53,56により遅延時間delay1,delay2を定めることで、スイッチング素子11のターンオン動作に応じて任意に充電タイミングを定めることができる。
【0064】
図7は、駆動装置100及び電力変換装置110における動作波形の一例を示す。最上段に、制御信号INの波形を示す。制御信号INは、負電位GNDを基準とする振幅3.3Vで、時刻5μ秒から約3μ秒間のローレベル及び約2μ秒間のハイレベルを繰り返す。第2段に、正側電源VCCH及び負側電源VCCLの出力電圧の波形を示す。正側電源VCCH及び負側電源VCCLの出力電圧は、負電位GNDを基準としてそれぞれ20V及び5Vである。第3段に、負電位MVSを基準とする正電位VB及び基準電位VSの波形を示す。正電位VB及び基準電位VSは、負電位MVSを基準としてそれぞれ20V及び5Vである。第4段に、負電位GNDを基準とする正電位VB、基準電位VS、及び負電位MVSの波形を示す。正電位VB、基準電位VS、及び負電位MVSは、スイッチング素子11のスイッチング動作(オン及びオフ)に伴って120Vの振幅で動作している。第5段に、ゲート駆動信号XM1Gの波形を示す。ゲート駆動信号XM1Gは、負電位GNDを基準とする振幅5Vを有し、ハイサイド(基準電位VS)が低電位状態にある場合にローサイドのゲート制御信号LDRV(本例では、制御信号INのハイレベルに対応する)に遅延してハイレベルとなる。第6及び第7段に、ゲート駆動信号HO,LOの波形を示す。ゲート駆動信号HO,LOは、それぞれ負電位MVS及び負電位GNDを基準とする振幅20Vを有し、互いに基準電位の異なるローレベル期間を介して交互に基準電位の異なるハイレベルを繰り返す。第8段に、ハイサイド基準電位VSの波形を示す。第9及び第10段に、基準電位VSに対する正電位VB及び負電位MVSに対する基準電位VSの電位変動波形を示す。いずれも50mV以下の変動範囲内で動作しており、充電と放電を繰り返している。
【0065】
なお、本駆動装置100では、タイミング検出回路50が充電タイミングを検出するハイサイドの電位状態(電位レベル出力HSPOTとして検出)として基準電位VS及び負電位GND間の電位差を利用したが、正電位VB,VL、基準電位VS,COM、及び負電位MVS,GNDのうちの少なくとも1つを利用してよい。特に、正電位VB、基準電位VS、及び負電位MVSのうちの少なくとも1つと正電位VL、基準電位COM、及び負電位GNDのうちの少なくとも1つとの間の電位差を利用してよい。また、正電位VB、基準電位VS、及び負電位MVSのうちの少なくとも1つと負電位GNDとの間の電位差を利用してよい。
【0066】
図8は、変形例に係る駆動装置200及びこれを含んで構成される電力変換装置210の構成を示す。電力変換装置210は、スイッチ回路10及び駆動装置200を備える。ここで、スイッチ回路10は、先述の電力変換装置210におけるそれと同様に構成される。
【0067】
駆動装置200は、ゲート駆動部20及びブートストラップ回路140を有する。ここで、ゲート駆動部20は、先述の駆動装置100におけるそれと同様に構成される。ただし、レベルシフト回路30内の抵抗素子35,36を要しない。
【0068】
ブートストラップ回路140は、正側及び負側電源VCCH,VCCL、正側及び負側キャパシタ41,42、整流器43,44、抵抗素子45,46、スイッチング素子47、整流素子48、及びタイミング検出回路150を含み、先述のブートストラップ回路40における正側電源VCCHと整流器43との間に抵抗素子45を挿入し、負側電源VCCLと整流器44との間に抵抗素子46を挿入し、タイミング検出回路50をタイミング検出回路150に置き換えることで構成される。ブートストラップ回路140では、ハイサイドの電位状態を整流器43と抵抗素子45との接続点の電位BSVを利用して検出し、これをタイミング検出回路150に入力する。
【0069】
図9は、タイミング検出回路150の構成を示す。タイミング検出回路150は、比較器151、論理積(AND)回路152、論理否定(NOT)回路153、ラッチ回路154、及び増幅器155を有する。
【0070】
比較器151は、電位BSVをリファレンスVREFと比較して、電位BSVがリファレンスVREF以下及びより大きい場合にそれぞれハイレベル及びローレベルとなる比較結果COUTを出力する。それにより、電位BSVがリファレンスVREFに対応する基準電圧以下であること、つまり正側電源VCCHから正側キャパシタ41へと流れる電流がリファレンスVREFに対応する閾電流量以上であることを条件として、充電タイミングを検出することができる。
【0071】
AND回路152は、比較器151の比較結果COUTとゲート制御信号LDRVとの論理積を算出し、その結果を出力する。それにより、比較器51の比較結果COUTがハイレベルの場合、すなわちスイッチング素子11がターンオフされてハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態にある場合に、パルス信号が出力される。
【0072】
NOT回路153は、ゲート制御信号LDRVの論理否定を算出し、その結果を出力する。
【0073】
ラッチ回路154は、AND回路152の出力によりセットされて、ゲート制御信号LDRVの論理否定によりリセットされる。それにより、スイッチング素子11がターンオフされてハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態で、スイッチング素子12のターンオンに同期して充電を開始し、スイッチング素子12のターンオフに同期して充電を終了する充電タイミング信号が生成される。
【0074】
増幅器155は、ラッチ回路154の出力を増幅して出力する。出力は、ゲート駆動信号XM1Gとしてスイッチング素子47のゲートに入力される。
【0075】
なお、ゲート制御信号LDRVを遅延回路を介して遅延してAND回路152に入力してもよいし、ゲート制御信号LDRVの論理否定を遅延回路を介して遅延してラッチ回路154に入力してもよい。
【0076】
図10は、変形例に係るタイミング検出回路150の動作波形の一例を示す。最上段に、電位BSVの波形を示す。電位BSVは、ハイサイドの電位状態を表し、スイッチング素子12のターンオンに伴って下がり、正側キャパシタ41の充電に伴って上がる。第2段に、比較器51の出力COUTの波形を示す。出力COUTは、電位BSVがリファレンスVREF以下及び大きい場合にそれぞれハイレベル及びローレベルとなる。第3段に、ローサイドのゲート制御信号LDRVの波形を示す。ゲート制御信号LDRVは、ハイサイドのゲート制御信号HDRV(不図示)に反対してハイレベル及びローレベルを繰り返す。第4及び第5段に、それぞれ、AND回路152の出力S及びNOT回路153の出力Rの波形を示す。出力Sは、比較器151の出力COUTがハイレベルの場合、すなわちスイッチング素子11がターンオフされてハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態にある場合に、ゲート制御信号LDRVの立上り(スイッチング素子12のターンオンに対応する)に応じて立ち上がり、出力COUTの立下り又はゲート制御信号LDRVの立下りに応じて立ち下がる。出力Rは、ゲート制御信号LDRVの立下り(スイッチング素子12のターンオフに対応する)に応じて立ち上がり、ゲート制御信号LDRVの立上り(スイッチング素子12のターンオンに対応する)に応じて立ち下がる。第6段に、ゲート駆動信号XM1Gの波形を示す。ゲート駆動信号XM1Gは、出力Sの立上りに応じて立ち上がり、出力Rの立上りに応じて立ち下がる。それにより、負側キャパシタ42の充電タイミングは、ハイサイドに配されたゲート駆動回路21が低電位状態にある場合でスイッチング素子12のターンオンのタイミングのときに開始し、スイッチング素子12のターンオフのタイミングのときに終了する。
【0077】
なお、本駆動装置100及び変形例に係る駆動装置200では、ローサイドに正側及び負側電源VCCH,VCCL、ハイサイドに正側及び負側キャパシタ41,42を設けたが、これに代えて、ハイサイドに正側及び負側電源VCCH,VCCL、ローサイドに正側及び負側キャパシタ41,42を設けてもよい。斯かる場合、入力回路23、フィルタ遅延回路24、及びパルス生成回路25はハイサイドに設けられ、レベルシフト回路30は、基準電位VSを基準とするゲート制御信号LDRV(これから生成される制御信号SET,RES)をレベルシフトして基準電位COMを基準とする信号に変換することによりスイッチング素子12のゲートを制御するための変換ゲート制御信号を生成する。
【0078】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は実施の形態に記載の範囲には限定されない。実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0079】
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0080】
9…マイクロプロセッサ、10…スイッチ回路、11,12…スイッチング素子、13,14…整流素子、20…ゲート駆動部、21,22…ゲート駆動回路、23…入力回路、24…フィルタ遅延回路、25…パルス生成回路、26,27…ツェナーダイオード、30…レベルシフト回路、31R,31S…抵抗素子、32R,32S…スイッチング素子、33R,33S,34R,34S…整流素子、35,36…抵抗素子、40…ブートストラップ回路、41…正側キャパシタ、42…負側キャパシタ、43,44…整流器、45,46…抵抗素子、47…スイッチング素子、48…整流素子、50…タイミング検出回路、51…比較器、52…ツェナーダイオード、53…遅延回路、54…AND回路、55…NOT回路、56…遅延回路、57…ラッチ回路、58…増幅器、100…駆動装置、110…電力変換装置、140…ブートストラップ回路、150…タイミング検出回路、151…比較器、152…AND回路、153…NOT回路、154…ラッチ回路、155…増幅器、200…駆動装置、210…電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【手続補正書】
【提出日】2018年10月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有するスイッチ回路を駆動する駆動装置であって、
前記第1スイッチング素子のゲートを駆動する第1ゲート駆動回路および前記第2スイッチング素子のゲートを駆動する第2ゲート駆動回路を有するゲート駆動部と、
前記第1スイッチング素子のロー側の電位である第1基準電位を正電位側とし、負電位側を第1負電位とした前記ゲート駆動部に供給する負側電源と、
前記第1スイッチング素子のハイ側の電位である第2基準電位を正電位側とし、負電位側を第2負電位とした前記ゲート駆動部に供給するための負側キャパシタと、
前記第1ゲート駆動回路および前記第2ゲート駆動回路のうちハイサイドの駆動回路の電位状態に基づいて、前記負側キャパシタを充電する充電タイミングを検出するタイミング検出回路と、
前記充電タイミングにおいて、前記負側電源を用いて前記負側キャパシタを充電する充電回路と
を備え、
前記タイミング検出回路は、前記第2基準電位および前記第1負電位の差が基準電圧以下であることを条件として、前記充電タイミングを検出する、
駆動装置。
【請求項2】
直列に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有するスイッチ回路を駆動する駆動装置であって、
前記第1スイッチング素子のゲートを駆動する第1ゲート駆動回路および前記第2スイッチング素子のゲートを駆動する第2ゲート駆動回路を有するゲート駆動部と、
前記第1スイッチング素子のロー側の電位である第1基準電位を正電位側とし、負電位側を第1負電位とした前記ゲート駆動部に供給する負側電源と、
前記第1スイッチング素子のハイ側の電位である第2基準電位を正電位側とし、負電位側を第2負電位とした前記ゲート駆動部に供給するための負側キャパシタと、
前記第1ゲート駆動回路および前記第2ゲート駆動回路のうちハイサイドの駆動回路の電位状態に基づいて、前記負側キャパシタを充電する充電タイミングを検出するタイミング検出回路と、
前記充電タイミングにおいて、前記負側電源を用いて前記負側キャパシタを充電する充電回路と、
前記第1基準電位を負電位側とし、正電位側を第1正電位とした前記ゲート駆動部に供給する正側電源と、
前記第2基準電位を負電位側とし、正電位側を第2正電位とした前記ゲート駆動部に供給するための正側キャパシタと、
前記正側電源の正側端子から前記正側キャパシタへと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する第1整流器と、
を備え、
前記タイミング検出回路は、前記正側電源から前記正側キャパシタへと流れる電流が第3閾値以上であることを条件として、前記充電タイミングを検出する、
駆動装置。
【請求項3】
直列に接続された第1スイッチング素子および第2スイッチング素子を有するスイッチ回路を駆動する駆動装置であって、
前記第1スイッチング素子のゲートを駆動する第1ゲート駆動回路および前記第2スイッチング素子のゲートを駆動する第2ゲート駆動回路を有するゲート駆動部と、
前記第1スイッチング素子のロー側の電位である第1基準電位を正電位側とし、負電位側を第1負電位とした前記ゲート駆動部に供給する負側電源と、
前記第1スイッチング素子のハイ側の電位である第2基準電位を正電位側とし、負電位側を第2負電位とした前記ゲート駆動部に供給するための負側キャパシタと、
前記第1ゲート駆動回路および前記第2ゲート駆動回路のうちハイサイドの駆動回路の電位状態に基づいて、前記負側キャパシタを充電する充電タイミングを検出するタイミング検出回路と、
前記充電タイミングにおいて、前記負側電源を用いて前記負側キャパシタを充電する充電回路と
を備え、
前記充電回路は、前記充電タイミングにおいて前記第1負電位および前記第2負電位の間を接続する第3スイッチング素子を有し、
前記タイミング検出回路は、前記第1負電位を基準として前記充電タイミングを示す駆動信号を出力し、
前記第3スイッチング素子は、前記駆動信号に基づいて、前記第1負電位および前記第2負電位の間を接続する、
駆動装置。
【請求項4】
前記第1基準電位を負電位側とし、正電位側を第1正電位とした前記ゲート駆動部に供給する正側電源と、
前記第2基準電位を負電位側とし、正電位側を第2正電位とした前記ゲート駆動部に供給するための正側キャパシタと、
前記正側電源の正側端子から前記正側キャパシタへと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する第1整流器と
を備える請求項1または3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記タイミング検出回路は、前記第1正電位、前記第2正電位、前記第1基準電位、前記第2基準電位、前記第1負電位、および前記第2負電位の少なくとも1つに基づいて、前記充電タイミングを検出する請求項3に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記タイミング検出回路は、前記第2基準電位および前記第1負電位を分圧した分圧電圧が第1閾値以下であることを条件として、前記充電タイミングを検出する請求項1に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記タイミング検出回路は、前記分圧電圧を前記第1閾値より大きい第2閾値以下にクランプする請求項6に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記タイミング検出回路は、前記第1スイッチング素子をオンとすることを前記第1ゲート駆動回路に指示する第1ゲート制御信号を入力したことを更に条件として、前記充電タイミングを検出する請求項1から7のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記充電回路は、前記充電タイミングにおいて前記第1負電位および前記第2負電位の間を接続する第3スイッチング素子を有する請求項1または2に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記第1基準電位側から前記第2基準電位側へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断する第2整流器を更に備える請求項1から9のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記第1スイッチング素子は、前記スイッチ回路におけるローサイドのスイッチング素子であり、
前記第2スイッチング素子は、前記スイッチ回路におけるハイサイドのスイッチング素子である
請求項1から10のいずれか一項に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記第1ゲート駆動回路は、前記第1正電位および前記第1負電位を駆動電圧として受け取り、
前記第2ゲート駆動回路は、前記第2正電位および前記第2負電位を駆動電圧として受け取る
請求項11に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記第2スイッチング素子のゲートを制御するための、前記第1基準電位を基準とする第1ゲート制御信号をレベルシフトして、前記第2基準電位を基準とする第2変換ゲート制御信号を生成するレベルシフト回路を更に備え、
前記第2ゲート駆動回路は、前記第2変換ゲート制御信号に応じて前記第2スイッチング素子のゲートを駆動する
請求項11または12に記載の駆動装置。
【請求項14】
前記レベルシフト回路は、
前記第2正電位および前記第2負電位の間に順に直列に接続されたレベルシフト抵抗およびレベルシフト用スイッチング素子と、
前記第2基準電位側から前記レベルシフト抵抗および前記レベルシフト用スイッチング素子の間の接続点へと向かう電流を通過させ、逆方向の電流を遮断するレベルシフト用整流器と
を有する請求項13に記載の駆動装置。
【請求項15】
前記負側キャパシタは、前記正側キャパシタよりも容量が小さい請求項2または4に記載の駆動装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の駆動装置と、
前記第1スイッチング素子および前記第2スイッチング素子と
を備える電力変換装置。
【国際調査報告】