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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年12月27日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】LCフィルタ
(51)【国際特許分類】
   H03H 7/075 20060101AFI20191129BHJP
   H03H 7/01 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H03H7/075 A
   H03H7/01 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2019-525267(P2019-525267)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年5月25日
(31)【優先権主張番号】特願2017-119296(P2017-119296)
(32)【優先日】2017年6月19日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100158207
【弁理士】
【氏名又は名称】河本 尚志
(72)【発明者】
【氏名】矢▲崎▼ 浩和
【テーマコード(参考)】
5J024
【Fターム(参考)】
5J024AA01
5J024BA02
5J024BA03
5J024BA04
5J024CA02
5J024DA05
5J024DA29
5J024DA31
5J024EA01
5J024KA02
(57)【要約】
キャパシタ電極4に対向させて金属シールドを配置し、キャパシタ電極4と金属シールドとの間に容量を発生させることによって、容易にLCフィルタを作製することができる積層型素子を提供する。
基材層1a〜1fが積層された積層体2と、インダクタ電極6a〜6hと、外表面に形成されたキャパシタ電極4と、外部端子3a、3bと、を備え、インダクタ電極6a〜6hを使って、インダクタL1、L2が構成され、外部端子3a、3bの間にインダクタL1、L2が接続され、かつ、インダクタL1、L2とキャパシタ電極4とが接続されたものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基材層が積層され、実装面と、天面と、前記実装面と前記天面とを繋ぐ複数の側面とを含む外表面を有する積層体と、
前記基材層の層間に形成された、少なくとも1つのインダクタ電極と、
前記外表面に形成された、または、前記インダクタ電極よりも前記天面側の前記基材層の層間に形成された、少なくとも1つのキャパシタ電極と、
前記外表面に形成された、外部に接続するための少なくとも2つの外部端子と、を備え、
前記インダクタ電極を使って、少なくとも1つのインダクタが構成され、
2つの前記外部端子の間に前記インダクタが接続され、かつ、少なくとも1つの前記インダクタと前記キャパシタ電極とが接続された、積層型素子。
【請求項2】
前記キャパシタ電極が、前記天面に形成された、請求項1に記載された積層型素子。
【請求項3】
前記キャパシタ電極が、前記側面に形成された、請求項1または2に記載された積層型素子。
【請求項4】
前記天面および/または前記側面に形成された前記キャパシタ電極を覆う、前記積層体よりも誘電率の高い材質の高誘電率層を、さらに備えた、請求項2または3に記載された積層型素子。
【請求項5】
前記外部端子が、前記実装面に形成された、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された積層型素子。
【請求項6】
前記基材層の少なくとも1層が磁性体である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された積層型素子。
【請求項7】
前記インダクタと前記キャパシタ電極との間に、さらに別のインダクタが挿入された、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された積層型素子。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載された積層型素子と、
金属シールドと、を備え、
前記金属シールドは、前記積層型素子を覆うように配置され、
前記金属シールドと、前記積層型素子の前記キャパシタ電極との間に発生する容量によりキャパシタが構成された、LCフィルタ。
【請求項9】
前記金属シールドと前記キャパシタ電極との間に、さらに樹脂が設けられた、請求項8に記載されたLCフィルタ。
【請求項10】
前記金属シールドと前記キャパシタ電極との間が空間である、請求項8に記載されたLCフィルタ。
【請求項11】
さらに基板を備え、
前記積層型素子が前記基板に実装された、請求項8ないし10のいずれか1項に記載されたLCフィルタ。
【請求項12】
前記基板の下側主面にグランド端子が形成され、
前記金属シールドが前記グランド端子に接続された、請求項11に記載されたLCフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダクタ電極を使って構成された少なくとも1つのインダクタと、少なくとも1つのキャパシタ電極と、を備えた積層型素子に関する。
【0002】
また、本発明は、上記積層型素子を使って作製されたLCフィルタに関する。
【背景技術】
【0003】
積層体の内部に、インダクタとキャパシタとを形成したLCフィルタが、通信機器などの電子機器に広く使用されている。そのようなLCフィルタが、特許文献1(特開2013-21449号公報)に開示されている。図16(A)に、特許文献1に開示されたLCフィルタ(ローパスフィルタ)1100を示す。
【0004】
LCフィルタ1100は、複数の基材層(絶縁体層)101a〜101jが積層された積層体102を備えている。基材層101a〜101jの層間に、必要に応じて、インダクタ電極(コイル導体)103やキャパシタ電極(コンデンサ導体)104が形成されている。
【0005】
LCフィルタ1100は、複数のインダクタ電極103がビア電極(ビアホール導体)105によって接続されて、積層体102の内部にインダクタが構成されている。また、LCフィルタ1100は、対向する1対のキャパシタ電極104によって、積層体102の内部にキャパシタが構成されている。この結果、LCフィルタ1100は、図16(B)に示す等価回路からなるLCフィルタ(ローパスフィルタ)を構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-21449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
LCフィルタ1100は、積層体102の内部に、インダクタを構成する全てのインダクタ電極103と、キャパシタを構成する全てのキャパシタ電極104とが形成されているため、インダクタ電極103およびキャパシタ電極104の配置(配置の設計)が難しかった。すなわち、積層体102の内部に、全てのインダクタ電極103と全てのキャパシタ電極104とを、相互に干渉しないように配置し、かつ、相互に干渉しないように外部に引き出さなければならないため、積層体102の内部の電極の配置が難しかった。また、LCフィルタ1100は、積層体102の内部に、全てのインダクタ電極103と全てのキャパシタ電極104とを、相互に干渉しないように配置し、かつ、相互に干渉しないように外部に引き出すために、積層体102が大型化してしまう場合があった。
【0008】
また、LCフィルタ1100は、外部から内部へのノイズの侵入、および、内部から外部へのノイズの放射に対して、何ら対策が講じられていなかった。そのため、LCフィルタ1100は、外部から内部に浸入したノイズによって誤作動する虞や、内部から外部に放出されたノイズによって隣接して実装された他の電子部品の機能に影響を与える虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、その手段として本発明の積層型素子は、複数の基材層が積層され、実装面と、天面と、実装面と天面とを繋ぐ複数の側面とを含む外表面を有する積層体と、基材層の層間に形成された、少なくとも1つのインダクタ電極と、外表面に形成された、または、インダクタ電極よりも天面側の基材層の層間に形成された、少なくとも1つのキャパシタ電極と、外表面に形成された、外部に接続するための少なくとも2つの外部端子と、を備え、インダクタ電極を使って、少なくとも1つのインダクタが構成され、2つの外部端子の間にインダクタが接続され、かつ、少なくとも1つのインダクタとキャパシタ電極とが接続されたものとした。なお、キャパシタ電極は、外部の金属シールドと対向させて、キャパシタを構成することができる。
【0010】
キャパシタ電極は、積層体の天面に形成することができる。あるいは、キャパシタ電極は、積層体の側面に形成することができる。また、キャパシタ電極は、積層体の天面と側面の両方に形成してもよい。
【0011】
天面や側面に形成されたキャパシタ電極を覆う、積層体よりも誘電率の高い材質の高誘電率層を、さらに備えるようにしてもよい。この場合には、当該積層型素子を使って作製したLCフィルタにおいて、積層型素子のキャパシタ電極と、金属シールドとの間に発生する容量を大きくすることができる。
【0012】
外部端子は、たとえば、積層体の実装面に形成することができる。
【0013】
基材層の少なくとも1層が、磁性体であることも好ましい。この場合には、内部に構成されたインダクタのインダクタンス値を大きくすることができる。
【0014】
インダクタとキャパシタ電極との間に、さらに別のインダクタが挿入されることも好ましい。この場合には、当該積層型素子を使って作製したLCフィルタにおいて、信号ラインとグランドとの間にLC直列共振器を構成することができる。そして、当該LC直列共振器によって、LCフィルタの周波数特性を改善することができる。
【0015】
本発明のLCフィルタは、上述した従来の課題を解決するために、上述した本発明の積層型素子と、金属シールドと、を備え、金属シールドは、積層型素子を覆うように配置され、金属シールドと、積層型素子のキャパシタ電極との間に発生する容量によりキャパシタを構成するようにした。
【0016】
金属シールドとキャパシタ電極との間に、さらに樹脂を設けることも好ましい。この場合には、樹脂の有する誘電率に応じて、金属シールドとキャパシタ電極との間に大きな容量を発生させることができる。
【0017】
あるいは、金属シールドとキャパシタ電極との間を、空間(空気)にしてもよい。この場合には、金属シールドとキャパシタ電極との間に、容易に容量を発生させることができる。なお、この場合には、金属シールドとして、たとえば、1枚の金属板を加工して作製された金属構造体を用いることができる。
【0018】
さらに基板を備え、積層型素子を基板に実装してもよい。この場合において、基板の下側主面にグランド端子が形成され、金属シールドがグランド端子に接続されることも好ましい。この場合には、金属シールドによるノイズ抑制機能が向上する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の積層型素子は、キャパシタ電極に対向させて金属シールドを配置し、キャパシタ電極と金属シールドとの間に容量を発生させることによって、容易にLCフィルタを作製することができる。
【0020】
また、本発明の積層型素子は、当該積層型素子を使用して作製するLCフィルタが備えるキャパシタの1対のキャパシタ電極のうち、一方のキャパシタ電極のみを備えたものであるため、積層体の内部において、インダクタ電極とキャパシタ電極とが干渉しにくい。したがって、本発明の積層型素子は、積層体の内部の電極の配置(配置の設計)が容易である。なお、特に、キャパシタ電極を積層体の外表面に形成した場合には、積層体の内部においてインダクタ電極とキャパシタ電極とが干渉しないため、積層体の内部の電極の配置がさらに容易になる。また、本発明の積層型素子は、積層体の内部の電極の配置が容易であるため、積層体を小型化できる場合がある。
【0021】
また、本発明のLCフィルタは、本発明の積層型素子を使用して、容易に作製することができる。
【0022】
また、本発明のLCフィルタは、金属シールドによって、外部から内部へのノイズの侵入、および、内部から外部へのノイズの放射が抑制されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1(A)は、第1実施形態にかかる積層型素子100を天面側から見た斜視図である。図1(B)は、積層型素子100を実装面側から見た斜視図である。
図2図2は、積層型素子100の分解斜視図である。
図3図3(A)は、積層型素子100の断面図である。図3(B)は、積層型素子100の等価回路図である。
図4図4(A)は、第1実施形態にかかるLCフィルタ150の断面図である。図4(B)は、LCフィルタ150の等価回路図である。
図5図5(A)は、LCフィルタ150の周波数特性図である。図5(B)は、封止樹脂13の厚みを変化させた場合のLCフィルタ150の周波数特性図である。
図6図6は、第2実施形態にかかるLCフィルタ250の断面図である。
図7図7は、第3実施形態にかかる積層型素子300の分解斜視図である。
図8図8(A)は、積層型素子300の断面図である。図8(B)は、積層型素子300の等価回路図である。
図9図9は、第4実施形態にかかる積層型素子400の断面図である。
図10図10は、第5実施形態にかかる積層型素子500の断面図である。
図11図11(A)は、第6実施形態にかかる積層型素子600の断面図である。図11(B)は、積層型素子600の等価回路図である。
図12図12(A)は、第7実施形態にかかる積層型素子700の断面図である。図12(B)は、積層型素子700の等価回路図である。
図13図13は、第8実施形態にかかる積層型素子800の断面図である。
図14図14は、第9実施形態にかかる積層型素子900の断面図である。
図15図15は、第10実施形態にかかる積層型素子1000の断面図である。
図16図16(A)は、特許文献1に開示されたLCフィルタ1100の分解斜視図である。図16(B)は、LCフィルタ1100の等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
【0025】
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。
【0026】
[第1実施形態;積層型素子100・LCフィルタ150]
(積層型素子100)
図1(A)、(B)、図2図3(A)、(B)に、第1実施形態にかかる積層型素子100を示す。ただし、図1(A)は、天面側から見た積層型素子100の斜視図である。図1(B)は、実装面側から見た積層型素子100の斜視図である。図2は、積層型素子100の分解斜視図である。図3(A)は、積層型素子100の断面図であり、図1(A)の一点鎖線X−X部分を示している。図3(B)は、積層型素子100の等価回路図である。
【0027】
積層型素子100は、基材層1a〜1fが積層された積層体2を備えている。本実施形態においては、全ての基材層1a〜1fが、磁性体セラミックによって作製されている。基材層1a〜1fは、焼成されて一体化されており、層と層との界面が不明確になっている場合がある。
【0028】
積層体2は、実装面Bと、天面Uと、実装面Bと天面Uとを繋ぐ4つの側面Sとからなる外表面を有している。
【0029】
図1(B)に示すように、積層体2の実装面Bに、1対の外部端子3a、3bが形成されている。本実施形態においては、外部端子3a、3bを、Agによって形成した。ただし、外部端子3a、3bの材質は任意であり、他の種類の金属を使用してもよい。また、外部端子3a、3bの表面に、めっき層を形成してもよい。
【0030】
図1(A)に示すように、積層体2の天面Uに、キャパシタ電極4が形成されている。本実施形態においては、キャパシタ電極4を、Agによって形成した。ただし、キャパシタ電極4の材質は任意であり、他の種類の金属を使用してもよい。また、キャパシタ電極4の表面に、めっき層を形成してもよい。
【0031】
次に、図2図3(A)を参照して、基材層1a〜1fの詳細について説明する。
【0032】
基材層1aの下側主面に、上述した、外部端子3a、3bが形成されている。また、基材層1aの両主面間を貫通して、ビア電極5a、5fが形成されている。さらに、基材層1aの上側主面に、インダクタ電極6a、6eが形成されている。そして、ビア電極5aが外部端子3aとインダクタ電極6aの一端とを接続し、ビア電極5fが外部端子3bとインダクタ電極6eの一端とを接続している。
【0033】
基材層1bの両主面間を貫通して、ビア電極5b、5gが形成されている。ビア電極5bはインダクタ電極6aの他端に接続され、ビア電極5gはインダクタ電極6eの他端に接続されている。また、基材層1bの上側主面に、インダクタ電極6b、6fが形成されている。インダクタ電極6bの一端がビア電極5bに接続され、インダクタ電極6fの一端がビア電極5gに接続されている。
【0034】
基材層1cの両主面間を貫通して、ビア電極5c、5hが形成されている。ビア電極5cはインダクタ電極6bの他端に接続され、ビア電極5hはインダクタ電極6fの他端に接続されている。また、基材層1cの上側主面に、インダクタ電極6c、6gが形成されている。インダクタ電極6cの一端がビア電極5cに接続され、インダクタ電極6gの一端がビア電極5hに接続されている。
【0035】
基材層1dの両主面間を貫通して、ビア電極5d、5iが形成されている。ビア電極5dはインダクタ電極6cの他端に接続され、ビア電極5iはインダクタ電極6gの他端に接続されている。また、基材層1dの上側主面に、インダクタ電極6d、6hが形成されている。インダクタ電極6dの一端がビア電極5dに接続され、インダクタ電極6hの一端がビア電極5iに接続されている。
【0036】
基材層1e、1fのそれぞれの両主面間を貫通して、ビア電極5e、5jが形成されている。ビア電極5eはインダクタ電極6dの他端に接続され、ビア電極5jはインダクタ電極6hの他端に接続されている。また、基材層1fの上側主面に、上述した、キャパシタ電極4が形成されている。キャパシタ電極4に、ビア電極5e、5jがそれぞれ接続されている。
【0037】
本実施形態においては、ビア電極5a〜5j、インダクタ電極6a〜6hを、Agによって形成した。ただし、ビア電極5a〜5j、インダクタ電極6a〜6hの材質は任意であり、他の種類の金属を使用してもよい。
【0038】
基材層1a〜1fが積層され、一体化されて積層体2を形成することにより、積層体2の内部に、2つのインダクタL1、L2が構成される。
【0039】
インダクタL1は、外部端子3aを起点にし、キャパシタ電極4を終点にして、ビア電極5a、インダクタ電極6a、ビア電極5b、インダクタ電極6b、ビア電極5c、インダクタ電極6c、ビア電極5d、インダクタ電極6d、ビア電極5eを順に繋ぐ導電経路によって構成されている。
【0040】
インダクタL2は、外部端子3bを起点にし、キャパシタ電極4を終点にして、ビア電極5f、インダクタ電極6e、ビア電極5g、インダクタ電極6f、ビア電極5h、インダクタ電極6g、ビア電極5i、インダクタ電極6h、ビア電極5jを順に繋ぐ導電経路によって構成されている。
【0041】
以上の構成において、インダクタL1およびインダクタL2とキャパシタ電極4がそれぞれビア電極5e、ビア電極5jで接続されるため、インダクタL1とインダクタL2の間に寄生インダクタを生じず、また、インダクタL1およびインダクタL2を流れる電流が面積の広いキャパシタ電極4を流れるため、内部配線の抵抗値を下げることができる。
【0042】
以上の結果、積層型素子100は、図3(B)に示す等価回路を有している。すなわち、外部端子3aとキャパシタ電極4との間にインダクタL1が接続され、外部端子3bとキャパシタ電極4との間にインダクタL2が接続されている。
【0043】
積層型素子100は、キャパシタ電極4が積層体2の外表面(天面U)に形成されているため、積層体2の内部には、インダクタL1、L2のみが形成されている。したがって、積層型素子100は、積層体2の内部の電極の配置が容易である。また、積層体2が、小型化されている。
【0044】
また、積層型素子100は、基材層1a〜1fが、磁性体セラミックによって作製されているため、インダクタL1、L2は、それぞれ、インダクタンス値が大きい。ただし、インダクタL1、L2のインダクタンス値はそれぞれ任意であり、基材層の層数を増減してインダクタ電極の数を増減するなどの方法によって、増減させることができる。
【0045】
(積層型素子100の製造方法の一例)
積層型素子100は、たとえば、次の方法で製造することができる。
【0046】
まず、基材層1a〜1fを作製するための、セラミックグリーンシートを用意する。セラミックグリーンシートは、たとえば、磁性体フェライトを主成分にして形成されている。
【0047】
次に、所定のセラミックグリーンシートに、ビア電極5a〜5jを形成するための孔を、たとえば、レーザー光を照射するなどの方法によって形成する。
【0048】
次に、ビア電極5a〜5jを形成するための孔に、導電ペーストを充填する。続いて、セラミックグリーンシートの主面に、たとえば、導電ペーストをスクリーン印刷するなどの方法によって、外部端子3a、3b、キャパシタ電極4、インダクタ電極6a〜6hを形成するための導電ペーストパターンを形成する。
【0049】
次に、セラミックグリーンシートを所定の順番に積層し、たとえば、加圧および加熱することによって一体化させ、未焼成の積層体を作製する。
【0050】
次に、未焼成の積層体を、所定のプロファイルで焼成して積層体2を作製する。積層体2の内部には、インダクタL1、L2が形成されている。積層体2の外表面には、外部端子3a、3b、キャパシタ電極4が形成されている。
【0051】
最後に、必要に応じて、3a、3b、キャパシタ電極4の表面にめっき層を形成して、積層型素子100を完成させる。
【0052】
なお、上記においては、1つの積層型素子100を製造する場合について説明したが、各セラミックグリーンシートがマトリックス状に配置されたマザーセラミックグリーンシートを用意し、多数の積層型素子100を一括して製造し、途中で、各積層型素子100に分割するようにしてもよい。
【0053】
(LCフィルタ150)
次に、第1実施形態にかかるLCフィルタ150について説明する。なお、LCフィルタ150は、上述した第1実施形態にかかる積層型素子100を使用して作製されている。
【0054】
図4(A)、(B)に、LCフィルタ150を示す。ただし、図4(A)は、LCフィルタ150の断面図である。図4(B)は、LCフィルタ150の等価回路図である。
【0055】
LCフィルタ150は、基板7を備えている。本実施形態においては、基板7に、複数のセラミック層7a、7bが積層された多層基板を使用した。ただし、基板7の材質は任意であり、セラミックに代えて、たとえば、樹脂を使用してもよい。また、基板7は、多層基板ではなく、単層基板であってもよい。
【0056】
基板7の下側主面に、3つの外部端子8a、8b、8cが形成されている。外部端子8a、8bは、それぞれ、信号ラインに接続される入出力端子である。外部端子8cは、グランドに接続されるグランド端子である。
【0057】
基板7の上側主面に、ランド電極9a、9bが形成されている。また、基板7の上側主面に、後述する金属シールド14に接続される接続電極10が形成されている。
【0058】
基板7の内部には、セラミック層7a、7bのそれぞれの両主面間を貫通して形成されたビア電極と、セラミック層7a、7bの層間に形成された層間電極とで、配線電極11が形成されている。そして、配線電極11によって、外部端子8aとランド電極9aとが接続されている。配線電極11によって、外部端子8bとランド電極9bとが接続されている。配線電極11によって、外部端子8cと接続電極10とが接続されている。
【0059】
外部端子8a、8b、8c、ランド電極9a、9b、接続電極10、配線電極(ビア電極、層間電極)11の材質は、それぞれ任意であるが、たとえば、CuやNiなどを使用することができる。また、外部端子8a、8b、8c、ランド電極9a、9b、接続電極10の表面には、めっき層を形成してもよい。めっき層の材質および構造は任意であるが、たとえば、第1層がNiめっき層、第2層がSnめっき層の2層構造に形成することができる。
【0060】
基板7の上側主面に、はんだ12によって、積層型素子100が実装されている。より具体的には、ランド電極9aに、積層型素子100の外部端子3aが、はんだ12によって接合されている。また、ランド電極9bに、積層型素子100の外部端子3bが、はんだ12によって接合されている。なお、はんだ12に代えて、たとえば導電性接着剤によって、積層型素子100を実装してもよい。
【0061】
積層型素子100を実装した基板7の上側主面に、積層型素子100を覆うように、封止樹脂13が形成されている。本実施形態においては、封止樹脂13に、熱硬化性および光硬化性の少なくとも一方を備えた、誘電率3.5〜5.0程度のエポキシ樹脂を使用した。ただし、封止樹脂13の材質は絶縁性を有していればよいため、任意で選択可能あり、たとえば、シリコーン樹脂を使用してもよい。また、封止樹脂13の誘電率も任意である。
【0062】
封止樹脂13の外表面を覆うように、金属シールド14が形成されている。なお、本実施形態においては、金属シールド14は、基板7の端面の一部も覆っている。
【0063】
本実施形態においては、金属シールド14を、図示は省略するが、密着層と、導電層と、保護層との3層に形成し、3層合計の厚みを100μmとした。ただし、封止樹脂13との密着性が良好である場合は、密着層を省略してもよい。密着層および保護層の材料には、たとえば、SUS、Ti、Cr、Niなどを使用することができる。導電層の材料には、たとえば、Cu、Ag、Alなどを使用することができる。
【0064】
金属シールド14は、基板7の上側主面に形成された接続電極10に接続されている。なお、上述したとおり、接続電極10は、基板7の下側主面に形成されたグランド端子である外部端子8cに、配線電極11によって接続されているため、金属シールド14はグランドに接地される。
【0065】
本実施形態においては、積層型素子100の天面Uに形成されたキャパシタ電極4と、金属シールド14との距離、すなわち、キャパシタ電極4と金属シールド14の間に設けられた封止樹脂13の厚みを、50μmにした。
【0066】
LCフィルタ150においては、積層型素子100の天面Uに形成されたキャパシタ電極4と、金属シールド14との間に発生する容量により、キャパシタC1が構成されている。この結果、LCフィルタ150は、図4(B)に示す等価回路を有している。
【0067】
LCフィルタ150は、T型のローパスフィルタを構成している。図5(A)に、LCフィルタ150の周波数特性を、模式的に示す。
【0068】
LCフィルタ150の周波数特性は、キャパシタ電極4と金属シールド14との間の封止樹脂13の厚みを増減することにより、調整することができる。すなわち、図5(B)に示すように、封止樹脂13の厚みを小さくし、キャパシタC1のキャパシタンス値を大きくすることにより、共振周波数を低周波側に移動させることができる。逆に、封止樹脂13の厚みを大きくし、キャパシタC1のキャパシタンス値を小さくすることにより、共振周波数を高周波側に移動させることができる。
【0069】
(LCフィルタ150の製造方法の一例)
LCフィルタ150は、たとえば、次の方法で製造することができる。
【0070】
まず、基板7を用意する。基板7には、予め、外部端子8a、8b、8c、ランド電極9a、9b、接続電極10、配線電極11が形成されている。
【0071】
次に、基板7のランド電極9a、9bに、積層型素子100を実装する。具体的には、まず、ランド電極9a、9bにクリームはんだを印刷する。次に、ランド電極9a、9bに印刷されたクリームはんだ上に、積層型素子100の外部端子3a、3bを載置する。次に、加熱してクリームはんだを溶融させ、続いて冷却してクリームはんだを固化させて、はんだ12を形成し、はんだ12によってランド電極9a、9bに外部端子3a、3bを接合する。
【0072】
次に、積層型素子100が実装された基板7の上側主面に、封止樹脂13を形成する。具体的には、まず、積層型素子100が実装された基板7の上側主面に、未硬化の樹脂を充填する。次に、加熱、および、光の照射の少なくとも一方を施し、樹脂を硬化させて封止樹脂13を形成する。
【0073】
最後に、封止樹脂13の外表面、および、基板7の端面の一部を覆うように、たとえばスパッタリングによって金属シールド14を形成し、LCフィルタ150を完成させる。
【0074】
なお、上記においては、1つのLCフィルタ150を製造する場合について説明したが、各基板7がマトリックス状に配置されたマザー基板を用意し、多数のLCフィルタ150を一括して製造し、マザー基板上に封止樹脂13を形成した後に、各LCフィルタ150に分割するようにしてもよい。
【0075】
[第2実施形態;LCフィルタ250]
図6に、第2実施形態にかかるLCフィルタ250を示す。ただし、図6は、LCフィルタ250の断面図である。
【0076】
LCフィルタ250も、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様に、第1実施形態にかかる積層型素子100を使用している。しかしながら、LCフィルタ250は、LCフィルタ150が備えていた、封止樹脂13と、封止樹脂13の外表面に形成されていた金属シールド14とを省略し、代わりに、1枚の金属板を加工して作製した金属構造体24を金属シールドとして使用している。以下、LCフィルタ150との相違点を中心にして、簡単に説明する。
【0077】
LCフィルタ250は、基板27を備えている。第1実施形態にかかるLCフィルタ150の基板7は、上側主面に、部分的に接続電極10が形成されていた。LCフィルタ250の基板27は、これに代えて、上側主面の外縁部の近傍に、環状に接続電極20が形成されている。接続電極20は、配線電極11を経由して、グランド端子である外部端子8cに接続されている。
【0078】
基板27の上側主面に、積層型素子100が実装されている。
【0079】
LCフィルタ250は、上述したように、金属シールドとして、1枚の金属板を加工して作製した金属構造体24を備えている。金属構造体24は、はんだ22によって、基板27の上側主面に形成された接続電極20に接合されている。
【0080】
LCフィルタ250は、積層型素子100の天面に形成されたキャパシタ電極4と、金属構造体24との間が、空間(空気)になっている。本実施形態においては、キャパシタ電極4と金属構造体24との間の距離を、第1実施形態にかかるLCフィルタ150のキャパシタ電極4と金属シールド14との間の封止樹脂13の厚みと同じ、50μmにした。
【0081】
LCフィルタ250は、キャパシタ電極4と金属構造体24との間に発生する容量によりキャパシタC1が構成されている。LCフィルタ250の等価回路は、図4(B)に示したLCフィルタ150の等価回路と同じである。ただし、LCフィルタ250は、キャパシタ電極4と金属構造体24との間に存在する空気(誘電率=1)をキャパシタC1の誘電体として使用しているため、キャパシタ電極4と金属シールド14との間の封止樹脂13(誘電率=3.5〜5.0)をキャパシタC1の誘電体として使用したLCフィルタ150に比べて、キャパシタC1のキャパシタンス値が小さくなっている。
【0082】
[第3実施形態;積層型素子300]
図7図8(A)、(B)に、第3実施形態にかかる積層型素子300を示す。ただし、図7は、積層型素子300の分解斜視図である。図8(A)は、積層型素子300の断面図である。図8(B)は、積層型素子300の等価回路図である。
【0083】
積層型素子300は、第1実施形態にかかる積層型素子100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、積層型素子100では、図2図3(A)に示すように、ビア電極5a、インダクタ電極6a、ビア電極5b、インダクタ電極6b、ビア電極5c、インダクタ電極6c、ビア電極5d、インダクタ電極6d、ビア電極5eで構成されるインダクタL1と、ビア電極5f、インダクタ電極6e、ビア電極5g、インダクタ電極6f、ビア電極5h、インダクタ電極6g、ビア電極5i、インダクタ電極6h、ビア電極5jで構成されるインダクタL2とを、別々にキャパシタ電極4に接続していた。これに対し、積層型素子300は、図7図8(A)に示すように、基材層1dの上側主面にそれぞれ形成された、インダクタL1のインダクタ電極6dと、インダクタL2のインダクタ電極6hとを、接続点Yで相互に接続したうえで、基材層1e、1fを貫通して形成されたビア電極35kを経由させて、キャパシタ電極4に接続した。
【0084】
積層型素子300は、図8(B)に示すように、インダクタL1とインダクタL2との接続点Yと、キャパシタ電極4との間に、ビア電極35kによってインダクタL3が構成されている。なお、積層型素子300のインダクタL1、L2のインダクタンス値は、インダクタ長が短くなった分、積層型素子100のインダクタL1、L2のインダクタンス値よりも、それぞれ小さくなっている。
【0085】
積層型素子300を使って、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCローパスフィルタを構成した場合、図8(B)に示すように、インダクタL3とキャパシタC1とで、LC直列共振器が構成される。積層型素子300を使って構成したLCローパスフィルタは、このLC直列共振器を設けたことにより、通過域よりも高周波側の減衰が強化されている。
【0086】
[第4実施形態;積層型素子400]
図9に、第4実施形態にかかる積層型素子400を示す。ただし、図9は、積層型素子400の断面図である。
【0087】
積層型素子400は、第1実施形態にかかる積層型素子100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、積層型素子100では、積層体2の天面Uに、キャパシタ電極4が形成されていた。積層型素子400は、これに代えて、積層体2の側面Sに、キャパシタ電極44を形成した。そして、インダクタL1のインダクタ電極6d、および、インダクタL2のインダクタ電極6hを、それぞれ、ビア電極や、基材層の層間に形成した層間電極を経由させて、キャパシタ電極44に接続した。
【0088】
このように、キャパシタ電極44を、積層体2の側面Sに形成してもよい。積層型素子400を使用して、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを作製することができる。
【0089】
[第5実施形態;積層型素子500]
図10に、第5実施形態にかかる積層型素子500を示す。ただし、図10は、積層型素子500の断面図である。
【0090】
積層型素子500は、積層体2の天面Uにキャパシタ電極4を形成するとともに、積層体2の側面Sにキャパシタ電極44を形成した。そして、インダクタL1のインダクタ電極6d、および、インダクタL2のインダクタ電極6hを、それぞれ、ビア電極や、基材層の層間に形成した層間電極を経由させて、キャパシタ電極4およびキャパシタ電極44に接続した。
【0091】
このように、積層体2の外表面に、複数のキャパシタ電極4、44を形成してもよい。積層型素子500を使用して、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを作製することができる。
【0092】
[第6実施形態;積層型素子600]
図11(A)、(B)に、第6実施形態にかかる積層型素子600を示す。ただし、図11(A)は、積層型素子600の断面図である。図11(B)は、積層型素子600の等価回路図である。
【0093】
積層型素子600は、積層体2の内部に、ビア電極と、インダクタ電極とを使って、1つのインダクタL61が形成されている。そして、インダクタL61は、一方の端部が外部端子3aに接続され、他方の端部が外部端子3bに接続されている。また、外部端子3aが、ビア電極を使って、積層体2の天面Uに形成されたキャパシタ電極4に接続されている。
【0094】
積層型素子600は、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを構成した場合、図11(B)に示すように、L型フィルタが構成される。
【0095】
[第7実施形態;積層型素子700]
図12(A)、(B)に、第7実施形態にかかる積層型素子700を示す。ただし、図12(A)は、積層型素子700の断面図である。図12(B)は、積層型素子700の等価回路図である。
【0096】
積層型素子700は、積層体2の内部に、ビア電極と、インダクタ電極とを使って、1つのインダクタL71が形成されている。そして、インダクタL71は、一方の端部が外部端子3aに接続され、他方の端部が外部端子3bに接続されている。また、積層体2の天面Uに、2つのキャパシタ電極74a、74bが形成されている。そして、外部端子3aがビア電極を使ってキャパシタ電極74aに接続され、外部端子3bがビア電極を使ってキャパシタ電極74bに接続されている。
【0097】
積層型素子700は、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを構成した場合、図12(B)に示すように、π型フィルタが構成される。
【0098】
[第8実施形態;積層型素子800]
図13に、第8実施形態にかかる積層型素子800を示す。ただし、図13は、積層型素子800の断面図である。
【0099】
積層型素子800は、第1実施形態にかかる積層型素子100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、積層型素子100では、積層体2を構成する基材層1a〜1fの全てを、磁性体セラミックで作製していた。積層型素子800は、これに代えて、基材層1cのみを非磁性体セラミックで作製した。
【0100】
積層型素子800は、基材層1cを非磁性体セラミックで作製したことにより、インダクタL1およびインダクタL2の直流重畳特性が、それぞれ改善されている。積層型素子800を使用して、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを作製することができる。
【0101】
[第9実施形態;積層型素子900]
図14に、第9実施形態にかかる積層型素子900を示す。ただし、図14は、積層型素子900の断面図である。
【0102】
積層型素子900は、第1実施形態にかかる積層型素子100に、構成を追加した。具体的には、積層型素子900は、積層体2の天面Uに形成されたキャパシタ電極4を覆うように、積層体2(基材層1a〜1f)よりも誘電率の高い材質によって高誘電率層91を形成した。本実施形態においては、高誘電率層91に、誘電率が50以上の誘電体材料を使用し、積層体2を焼成によって作製した後に、積層体2の天面Uに誘電体材料を塗布して形成した。なお、磁性体セラミックの積層体2(基材層1a〜1f)の誘電率は、おおよそ、 10〜15程度である。
【0103】
積層型素子900は、積層体2の天面Uにキャパシタ電極4を覆う高誘電率層91を形成したことにより、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを構成した場合、キャパシタC1が大きなキャパシタンス値をもつ。
【0104】
[第10実施形態;積層型素子1000]
図15に、第10実施形態にかかる積層型素子1000を示す。ただし、図15は、積層型素子1000の断面図である。
【0105】
積層型素子1000は、第1実施形態にかかる積層型素子100の構成の一部に変更を加えた。具体的には、積層型素子100では、積層体2を、6層の磁性体セラミックの基材層1a〜1fで構成していた。積層型素子1000は、これに代えて、積層体2の基材層1fの上に、さらに、1層の高誘電率セラミックからなる基材層1gを設けた。7層の基材層1a〜1gは、焼成されて一体化され、積層体2を構成している。なお、キャパシタ電極4は、基材層1fと基材層1gとの層間に形成される。
【0106】
基材層1gの高誘電率セラミックには、たとえば、誘電率20以上のものを使用することが好ましい。なお、磁性体セラミックの基材層1a〜1fの誘電率は、おおよそ、10〜15程度である。
【0107】
積層型素子900は、積層体2に高誘電率セラミックからなる基材層1gを追加したことにより、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを構成した場合、キャパシタC1が大きなキャパシタンス値をもつ。
【0108】
以上、第1実施形態〜第10実施形態にかかる積層型素子100、300、400、500、600、700、800、900、1000、および、第1実施形態にかかるLCフィルタ150、第2実施形態にかかるLCフィルタ250について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
【0109】
たとえば、積層型素子100等の積層体2の内部に形成されるインダクタの個数、形成位置、接続方法などは任意であり、上述した内容には限定されない。また、積層体2に形成されるキャパシタ電極の個数、形成位置なども任意であり、上述した内容には限定されない。
【0110】
また、積層型素子100等の積層体2を構成する基材層の層数、材質なども任意であり、上述した内容には限定されない。
【0111】
また、本発明の積層型素子を使用して、第1実施形態にかかるLCフィルタ150で示した方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250で示した方法とは異なった方法によって、LCフィルタを作製してもよい。
【符号の説明】
【0112】
1a〜1g・・・基材層
2・・・積層体
3a、3b・・・外部端子
4、44、74a、74b・・・キャパシタ電極
5a〜5j、35k・・・ビア電極
6a〜6h・・・インダクタ電極
7、17、27・・・基板
8a、8b・・・外部端子(入出力端子)
8c・・・外部端子(グランド端子)
9a、9b・・・ランド電極
10、20・・・接続電極
11・・・配線電極
12・・・はんだ
13・・・封止樹脂
14・・・金属シールド
24・・・金属構造体(金属シールド)
91・・・高誘電率層
100、300、400、500、600、700、800、900、1000・・・積層型素子
150、250・・・LCフィルタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16

【手続補正書】
【提出日】2019年10月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基材層が積層され、実装面と、天面と、前記実装面と前記天面とを繋ぐ複数の側面とを含む外表面を有する積層体と、前記基材層の層間に形成された、少なくとも1つのインダクタ電極と、前記外表面に形成された、少なくとも1つのキャパシタ電極と、前記外表面に形成された、外部に接続するための少なくとも2つの外部端子と、を備え、前記インダクタ電極を使って、少なくとも1つのインダクタが構成され、2つの前記外部端子の間に前記インダクタが接続され、かつ、少なくとも1つの前記インダクタと前記キャパシタ電極とが接続された積層型素子と、
金属シールドと、を備え、
前記金属シールドは、前記積層型素子を覆うように配置され、
前記金属シールドと、前記積層型素子の前記キャパシタ電極との間に発生する容量によりキャパシタが構成され、
前記金属シールドと前記キャパシタ電極との間に、さらに樹脂が設けられた、
LCフィルタ。
【請求項2】
複数の基材層が積層され、実装面と、天面と、前記実装面と前記天面とを繋ぐ複数の側面とを含む外表面を有する積層体と、前記基材層の層間に形成された、少なくとも1つのインダクタ電極と、前記外表面に形成された、または、前記インダクタ電極よりも前記天面側の前記基材層の層間に形成された、少なくとも1つのキャパシタ電極と、前記外表面に形成された、外部に接続するための少なくとも2つの外部端子と、を備え、前記インダクタ電極を使って、少なくとも1つのインダクタが構成され、2つの前記外部端子の間に前記インダクタが接続され、かつ、少なくとも1つの前記インダクタと前記キャパシタ電極とが接続された積層型素子と、
金属シールドと、を備え、
前記金属シールドは、前記積層型素子を覆うように配置され、
前記金属シールドと、前記積層型素子の前記キャパシタ電極との間に発生する容量によりキャパシタが構成され、
前記金属シールドと前記キャパシタ電極との間が空間である、
LCフィルタ。
【請求項3】
さらに基板を備え、
前記積層型素子が前記基板に実装された、
請求項1または2に記載されたLCフィルタ。
【請求項4】
前記基板の下側主面にグランド端子が形成され、
前記金属シールドが前記グランド端子に接続された、
請求項に記載されたLCフィルタ。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明のLCフィルタは、上述した従来の課題を解決するために、複数の基材層が積層され、実装面と、天面と、実装面と天面とを繋ぐ複数の側面とを含む外表面を有する積層体と、基材層の層間に形成された、少なくとも1つのインダクタ電極と、外表面に形成された、少なくとも1つのキャパシタ電極と、外表面に形成された、外部に接続するための少なくとも2つの外部端子と、を備え、インダクタ電極を使って、少なくとも1つのインダクタが構成され、2つの外部端子の間にインダクタが接続され、かつ、少なくとも1つのインダクタとキャパシタ電極とが接続された積層型素子と、金属シールドと、を備え、金属シールドは、積層型素子を覆うように配置され、金属シールドと、積層型素子のキャパシタ電極との間に発生する容量によりキャパシタ構成され、金属シールドとキャパシタ電極との間に、さらに樹脂が設けられたものとした。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
の場合には、樹脂の有する誘電率に応じて、金属シールドとキャパシタ電極との間に大きな容量を発生させることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
あるいは、本発明の別の実施態様に係るLCフィルタは、複数の基材層が積層され、実装面と、天面と、実装面と天面とを繋ぐ複数の側面とを含む外表面を有する積層体と、基材層の層間に形成された、少なくとも1つのインダクタ電極と、外表面に形成された、または、インダクタ電極よりも天面側の基材層の層間に形成された、少なくとも1つのキャパシタ電極と、外表面に形成された、外部に接続するための少なくとも2つの外部端子と、を備え、インダクタ電極を使って、少なくとも1つのインダクタが構成され、2つの外部端子の間にインダクタが接続され、かつ、少なくとも1つのインダクタとキャパシタ電極とが接続された積層型素子と、金属シールドと、を備え、金属シールドは、積層型素子を覆うように配置され、金属シールドと、積層型素子のキャパシタ電極との間に発生する容量によりキャパシタが構成され、金属シールドとキャパシタ電極との間を、空間(空気)にした。この場合には、金属シールドとキャパシタ電極との間に、容易に容量を発生させることができる。なお、この場合には、金属シールドとして、たとえば、1枚の金属板を加工して作製された金属構造体を用いることができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
最後に、必要に応じて、外部端子3a、3b、キャパシタ電極4の表面にめっき層を形成して、積層型素子100を完成させる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
積層型素子1000は、積層体2に高誘電率セラミックからなる基材層1gを追加したことにより、第1実施形態にかかるLCフィルタ150と同様の方法や、第2実施形態にかかるLCフィルタ250と同様の方法によって、LCフィルタを構成した場合、キャパシタC1が大きなキャパシタンス値をもつ。
【国際調査報告】