特表-18003209IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アドバンスト・リサーチ・フォー・マニュファクチャリング・システムズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーの特許一覧 ▶ DMG森精機株式会社の特許一覧

再表2018-3209金型製造方法、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体、およびコントローラ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年1月4日
【発行日】2019年3月14日
(54)【発明の名称】金型製造方法、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体、およびコントローラ
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/38 20060101AFI20190215BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20190215BHJP
   B33Y 50/02 20150101ALI20190215BHJP
【FI】
   B29C33/38
   B33Y10/00
   B33Y50/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】特願2018-524894(P2018-524894)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】特願2016-126877(P2016-126877)
(32)【優先日】2016年6月27日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】514267869
【氏名又は名称】アドバンスト・リサーチ・フォー・マニュファクチャリング・システムズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED RESEARCH FOR MANUFACTURING SYSTEMS, LLC
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽雌 眞和
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AJ09
4F202CA30
4F202CD18
4F202CD21
4F202CD28
4F202CD30
4F202CN12
4F202CN14
(57)【要約】
金型製造方法は、複数の別個のブロックを含む被加工物を、金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個のブロックは、外形に基づいて選択され、かつ複数の別個のブロックの全部または一部の各々には、流路を構成するための貫通孔が設けられている。金型製造方法は、機械加工後の被加工物の表面上に外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するための金型製造方法であって、
複数の別個の構成要素を含む被加工物を、前記金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備え、前記複数の別個の構成要素は、前記外形に基づいて選択され、かつ前記複数の別個の構成要素の全部または一部の各々には、前記流路を構成するための貫通孔が設けられており、
前記金型製造方法は、前記機械加工後の前記被加工物の表面上に前記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を前記被加工物に付加するステップをさらに備える、金型製造方法。
【請求項2】
前記機械加工するステップでは、前記金型を構成するベース部材に前記被加工物を固定した状態で、前記被加工物の機械加工が行われる、請求項1に記載の金型製造方法。
【請求項3】
前記ベース部材には溝が設けられており、
前記溝は、前記貫通孔とつながっている、請求項2に記載の金型製造方法。
【請求項4】
前記ベース部材の前記被加工物側の表面には、前記溝が複数設けられており、
前記構成要素の前記ベース部材に接する表面には、前記貫通孔の開口部が設けられており、
前記貫通孔の開口部が前記溝と同じ位置となるように前記構成要素を前記ベース部材に固定することにより、前記溝が前記貫通孔とつながっている、請求項3に記載の金型製造方法。
【請求項5】
前記複数の別個の構成要素のうちの第1の構成要素に、前記流路の入口が形成され、
前記複数の別個の構成要素のうちの第2の構成要素に、前記流路の出口が形成されている、請求項1または2に記載の金型製造方法。
【請求項6】
内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するための金型製造方法であって、
複数の別個の構成要素を含む被加工物を、前記金型を構成するベース部材に収容した状態で、前記金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備え、前記複数の別個の構成要素は、前記外形に基づいて選択され、かつ、前記流路を構成するために、互いに隣り合う前記構成要素との間で隙間が生じるように前記ベース部材の表面上に配置され、
前記金型製造方法は、前記機械加工後の前記被加工物の表面上に前記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を前記被加工物に付加するステップをさらに備える、金型製造方法。
【請求項7】
前記ベース部材は、底部と、前記底部の端部領域上に構成された複数の側部とを有し、
前記複数の側部のうちの第1の側部に、前記流路の入口となる第2の貫通孔が形成され、
前記複数の側部のうちの第2の側部に、前記流路の出口となる第3の貫通孔が形成されている、請求項6に記載の金型製造方法。
【請求項8】
前記第2の側部は、前記第1の側部に対向する位置にあり、
前記第2の貫通孔と前記第3の貫通孔とが、各々、複数形成されている、請求項7に記載の金型製造方法。
【請求項9】
前記複数の別個の構成要素は、大きさが異なるブロックを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の金型製造方法。
【請求項10】
前記連続面に対して前記機械加工により表面仕上げを行なうステップをさらに備え、
前記機械加工するステップおよび前記付加するステップは、工作機械において実行される、請求項1から9のいずれか1項に記載の金型製造方法。
【請求項11】
コンピュータによって実行されたときに少なくとも1つの工作機械に、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するための方法を実行させる命令が格納された非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
前記方法は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、前記金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備え、前記複数の別個の構成要素は、前記外形に基づいて選択され、かつ前記複数の別個の構成要素の全部または一部の各々には、前記流路を構成するための貫通孔が設けられており、
前記方法は、前記機械加工後の前記被加工物の表面上に前記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を前記被加工物に付加するステップをさらに備える、非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項12】
コンピュータによって実行されたときに少なくとも1つの工作機械に、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するための方法を実行させる命令が格納された非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
前記方法は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、前記金型を構成するベース部材に収容した状態で、前記金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備え、前記複数の別個の構成要素は、前記外形に基づいて選択され、かつ、前記流路を構成するために、互いに隣り合う前記構成要素との間で隙間が生じるように前記ベース部材の表面上に配置され、
前記方法は、前記機械加工後の前記被加工物の表面上に前記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を前記被加工物に付加するステップをさらに備える、非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体。
【請求項13】
内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するためのコントローラであって、
回路を含み、
前記回路は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、前記金型の最終的な外形に基づいて機械加工を実行するように構成され、前記複数の別個の構成要素は、前記外形に基づいて選択され、かつ前記複数の別個の構成要素の全部または一部の各々には、前記流路を構成するための貫通孔が設けられており、
前記回路は、前記機械加工後の前記被加工物の表面上に前記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を前記被加工物に付加することを実行するように構成される、コントローラ。
【請求項14】
内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するためのコントローラであって、
回路を含み、
前記回路は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、前記金型を構成するベース部材に収容した状態で、前記金型の最終的な外形に基づいて機械加工を実行するように構成され、前記複数の別個の構成要素は、前記外形に基づいて選択され、かつ、前記流路を構成するために、互いに隣り合う前記構成要素との間で隙間が生じるように前記ベース部材の表面上に配置され、
前記回路は、前記機械加工後の前記被加工物の表面上に前記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を前記被加工物に付加することを実行するように構成される、コントローラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するための金型製造方法、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体、およびコントローラ関する。
【背景技術】
【0002】
従来、付加製造技術(Additive manufacturing)が知られている。付加製造技術とは、非特許文献1にも記載されているように、材料を付着することによって物体を3次元形状の数値表現から作成するプロセスを指す。付加製造技術は、多くの場合、層の上に層を積むことによって実現され、除去的な製造方法と対照的なものである。なお、このような付加製造技術の定義は、工業規格に関する民間規格制定機関であるASTMインターナショナルにおけるASTM F2792−12a(Standard Terminology for Additive Manufacturing Technologies)においてなされている。また、付加製造技術は、「3Dプリンター」とも称される。
【0003】
付加製造には、複数の方式が存在する。付加製造方式は、ASTMによって大きく7つの方式に分類されることが定義されている。付加製造方式としては、結合剤噴射(Binder jetting)と、指向性エネルギー堆積(Directed energy deposition)と、材料押出(Material extrusion)と、材料噴射(Material jetting)と、粉末床溶融結合(Powder bed fusion)と、シート積層(Sheet lamination)と、液槽光重合(Vat photopolymerization)とが挙げられる。
【0004】
特許文献1(特開2002−322501号公報)には、上記の粉末床溶融結合を用いて、流体経路を有する金型を製造する方法が開示されている。なお、「粉末床溶融結合」は、粉末を敷いたある領域を熱エネルギーによって選択的に溶融結合させる処理である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−322501号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】特許庁、“平成25年度 特許出願技術動向調査報告書(概要) 3Dプリンター”、[online]、平成26年3月、[平成28年5月20日検索]、インターネット(URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/pdf/gidou-houkoku/25_3dprinter.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1の金型製造方法は、粉末床溶融結合を用いるため、流体経路に固化されない粉体が残る。このため、特許文献1の金型製造方法では、金型の成形後に当該粉末(粉体)を除去する必要がある。このように、粉末床溶融結合を用いて金型を製造する場合には、材料のロスが多くなってしまう。
【0008】
さらに、特許文献1の金属製造方法では、所望の高さ(厚み)が得られるまで、粉末を敷く処理と、粉末を敷いた領域を光レーザで溶融結合させる処理とを繰り返す必要がある。つまり、金型の厚み次第では、何百回もの上記の2つの処理を繰り返す必要がある。このため、特許文献1の金属製造方法では、金型を製造するのに多大な時間を要してしまう。
【0009】
本願発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、内部に冷媒を流すための流路を有する金型の製造するにあたり、短い時間かつ材料のロスを少なくすることが可能な金型製造方法、工作機械に上記金型製造方法を実行させる命令が格納された非一時的なコンピュータ読取可能な記録媒体、上記の金型を製造するためのコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある局面に従うと、金型製造方法は、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するために実行される。金型製造方法は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個の構成要素は、外形に基づいて選択され、かつ複数の別個の構成要素の全部または一部の各々には、流路を構成するための貫通孔が設けられている。方法は、機械加工後の被加工物の表面上に外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【0011】
好ましくは、機械加工するステップでは、金型を構成するベース部材に被加工物を固定した状態で、被加工物の機械加工が行われる。
【0012】
好ましくは、ベース部材には溝が設けられている。溝は、貫通孔とつながっている。
好ましくは、記ベース部材の被加工物側の表面には、溝が複数設けられている。構成要素のベース部材に接する表面には、貫通孔の開口部が設けられている。貫通孔の開口部が溝と同じ位置となるように構成要素をベース部材に固定することにより、溝が貫通孔とつながっている。
【0013】
好ましくは、複数の別個の構成要素のうちの第1の構成要素に、流路の入口が形成されている。複数の別個の構成要素のうちの第2の構成要素に、流路の出口が形成されている。
【0014】
本発明の他の局面に従うと、金型製造方法は、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するために実行される。金型製造方法は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、金型を構成するベース部材に収容した状態で、金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個の構成要素は、外形に基づいて選択され、かつ、流路を構成するために、互いに隣り合う構成要素との間で隙間が生じるようにベース部材の表面上に配置される。金型製造方法は、機械加工後の被加工物の表面上に外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【0015】
好ましくは、ベース部材は、底部と、底部の端部領域上に構成された複数の側部とを有する。複数の側部のうちの第1の側部に、流路の入口となる第2の貫通孔が形成されている。複数の側部のうちの第2の側部に、流路の出口となる第3の貫通孔が形成されている。
【0016】
好ましくは、第2の側部は、第1の側部に対向する位置にある。第2の貫通孔と第3の貫通孔とが、各々、複数形成されている。
【0017】
好ましくは、複数の別個の構成要素は、大きさが異なるブロックを含む。
好ましくは、金型製造方法は、連続面に対して機械加工により表面仕上げを行なうステップをさらに備える。機械加工するステップおよび付加するステップは、工作機械において実行される。
【0018】
本発明のさらに他の局面に従うと、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体は、コンピュータによって実行されたときに少なくとも1つの工作機械に、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するための方法を実行させる命令が格納されている。方法は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個の構成要素は、外形に基づいて選択され、かつ複数の別個の構成要素の全部または一部の各々には、流路を構成するための貫通孔が設けられている。方法は、機械加工後の被加工物の表面上に外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【0019】
本発明のさらに他の局面に従うと、非一時的なコンピュータ読取可能な記憶媒体は、コンピュータによって実行されたときに少なくとも1つの工作機械に、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するための方法を実行させる命令が格納されている。方法は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、金型を構成するベース部材に収容した状態で、金型の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個の構成要素は、外形に基づいて選択され、かつ、流路を構成するために、互いに隣り合う構成要素との間で隙間が生じるようにベース部材の表面上に配置される。方法は、機械加工後の被加工物の表面上に外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【0020】
本発明のさらに他の局面に従うと、コントローラは、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するためのものである。コントローラは、回路を含む。回路は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、金型の最終的な外形に基づいて機械加工を実行するように構成される。複数の別個の構成要素は、外形に基づいて選択され、かつ複数の別個の構成要素の全部または一部の各々には、流路を構成するための貫通孔が設けられている。回路は、機械加工後の被加工物の表面上に外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加することを実行するように構成される。
【0021】
本発明のさらに他の局面に従うと、コントローラは、内部に冷媒を流すための流路を有する金型を製造するためのものである。コントローラは、回路を含む。回路は、複数の別個の構成要素を含む被加工物を、金型を構成するベース部材に収容した状態で、金型の最終的な外形に基づいて機械加工を実行するように構成される。複数の別個の構成要素は、外形に基づいて選択され、かつ、流路を構成するために、互いに隣り合う構成要素との間で隙間が生じるようにベース部材の表面上に配置される。回路は、機械加工後の被加工物の表面上に外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加することを実行するように構成される。
【発明の効果】
【0022】
上記の発明によれば、内部に冷媒を流すための流路を有する金型の製造するにあたり、短い時間かつ材料のロスを少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】工作機械の外観および内部構造を説明するための概要図である。
図2】主軸に付加製造装置が取り付けられた状態を表した図である。
図3】主軸に工具ホルダが取り付けられた状態を表した図である。
図4】工作機械のハードウェア構成の概要を表した図である。
図5】金型を製造する際の処理の流れを表したフローチャートである。
図6】本実施の形態に係る簡易モデルの概要を表した図である。
図7】金型を構成するベース部材の斜視図である。
図8】ブロックの斜視図である。
図9A】ブロックの内部構造の透視図である。
図9B図9AのIXB-IXB線矢視断面図である。
図9C】本体部の斜視図である。
図10】ブロックにおける冷媒の流れを説明するための断面図である。
図11】ベース部材に対して複数のブロックを配置することにより得られた中間体の外観を表した図である。
図12】中間体に対してミーリングを行なうことにより得られた中間体の外観を表した図である。
図13】中間体に対して付加製造および最終加工を行なうことにより得られた金型の外観を表した図である。
図14図13におけるXIV-XIV線矢視断面図である。
図15図13におけるXV-XV線矢視断面図である。
図16】冷媒の流れを説明するための断面図である。
図17】他の形態に係る簡易モデルの概要を表した図である。
図18】金型の製造に使用され得るブロックの断面を表した断面図である。
図19】本実施の形態に係る、最終製品としての金型の斜視図である。
図20図19におけるXX-XX線矢視断面図である。
図21】金型の内部構造の透視図である。
図22A】他の形態に係る簡易モデルの断面図である。
図22B図22AのXXIIB-XXIIB線矢視断面図である。
図23】金型を構成するベース部材の斜視図である。
図24】ベース部材に対して複数のブロックを配置することにより得られた中間体の外観を表した図である。
図25図24のXXV-XXV線矢視断面図である。
図26図24のXXVI-XXVI線矢視断面図である。
図27】中間体に対してミーリングを行なうことにより得られた中間体の外観を表した図である。
図28図27のXXVIII-XXVIII線矢視断面図である。
図29】中間体に対して付加製造および最終加工を行なうことにより得られた金型の外観を表した図である。
図30図29におけるXXX-XXX線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態に係る金型、金型の製造方法、および金型を製造するための工作機械について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。また、実施の形態1〜3において共通している構成を先に説明し、その後、各実施の形態において固有の構成を説明する。
【0025】
以下では、上記工作機械の一例として、付加製造技術(すなわち3Dプリンター)の機能を備えた5軸加工機を例に挙げて説明する。しかしながら、工作機械は、5軸加工機に限定されるものではない。工作機械は、付加製造技術の機能を備えた除去加工機(たとえば、4軸加工機)であればよい。さらに、以下では、付加製造技術における付加製造方式として、指向性エネルギー堆積を利用するものとする。
【0026】
図1は、工作機械1000の外観および内部構造を説明するための概要図である。図1を参照して、工作機械1000は、オペレーティングシステム1011と、スプラッシュガード1012と、主軸頭1013と、主軸1014と、回転装置1018と、扉1019と、テーブル装置1020とを備える。
【0027】
テーブル装置1020は、回転テーブル1016と、回転テーブル1016を回転可能に支持する台座1017とを有する。テーブル装置1020は、回転装置1018に取り付けられている。詳しくは、台座1017が回転装置1018の中央部に固定されている。
【0028】
オペレーティングシステム1011は、本実施の形態では、従来の操作盤(プログラム編集装置)の役割を果たすとともに、数値制御装置としての機能も果たす。なお、工作機械1000は、このような態様に限定されず、数値制御装置が、図示するラップトップ型の装置の筐体内ではなく、工作機械1000の本体内に別個に設けられていてもよい。
【0029】
オペレーティングシステム1011(詳しくは、オペレーティングシステム1011の数値制御装置)は、ユーザが設計したプログラム等を実行することにより、工作機械1000の全体の動作を制御する。たとえば、オペレーティングシステム1011は、主軸頭1013、主軸1014、回転装置1018、扉1019、テーブル装置1020、後述する付加製造装置1030の動作を制御する。なお、オペレーティングシステム1011は、周知のシステムであるので、ここでは詳しくは説明しない。
【0030】
主軸頭1013は、図示しないクロスレールに取り付けられている。主軸頭1013は、矢印1901に示す軸方向(X軸方向)および矢印1902に示す軸方向(Y軸方向)にスライド移動可能に設けられている。主軸頭1013には、主軸1014が取り付けられている。
【0031】
主軸1014は、矢印1903に示す軸方向(Z軸方向)にスライド移動可能に設けられている。主軸1014は、先端に、工具が取り付けられた工具ホルダを装着するための機構を有する。
【0032】
工具ホルダの例としては、付加製造技術を実行するための付加製造装置1030(図2)、工具マガジン(図示せず)に格納されている工具ホルダ(たとえば、エンドミルを備えた工具ホルダ1040(図3))が挙げられる。なお、付加製造装置1030以外の工具ホルダは、自動工具交換装置1021(図3)によって、主軸1014に取り付けられる。
【0033】
工具マガジンは、扉1019に対して加工領域とは反対側(すなわち図1における扉1019の奥側)に配置されている。なお、「加工領域」とは、スプラッシュガード1012および扉1019によって仕切られる空間(工作機械1000の内部側の空間)であって、主軸頭1013、主軸1014、回転装置1018、テーブル装置1020、付加製造装置1030、ワーク等が移動可能に配置される空間を指す。
【0034】
主軸頭1013および主軸1014の各々には、スライド移動を可能とするための送り機構や案内機構、サーボモータなどが適宜、設けられている。工作機械1000においては、主軸頭1013および主軸1014の各々のスライド移動が組み合わさることにより、工具ホルダに取り付けられた工具の位置をXYZ空間において自在に変化させることができる。
【0035】
回転装置1018は、X軸方向に延びる中心軸を中心に、モータ駆動により回転可能に設けられている。回転装置1018の回転とともに、テーブル装置1020が当該中心軸を中心にして、時計および半時計方向(矢印1904の方向)に回転する。
【0036】
テーブル装置1020の回転テーブル1016は、デフォルト状態である図1の状態においては、鉛直(Z軸)方向に延びる中心軸を中心に、モータ駆動により回転可能に設けられている。なお、回転テーブル1016は、回転装置1018によって矢印1904の方向に回転するため、回転テーブル1016の回転の中心軸はYZ平面に平行な状態を保ちながら変化する。
【0037】
回転テーブル1016上には、チャックや各種の治具を用いて、ワークが保持される。固定工具を用いた切削加工時、回転テーブル1016の回転とともにワークが当該中心軸を中心にして時計および半時計方向(矢印1905の方向)に回転する。
【0038】
以上のような構成により、工作機械1000は、加工領域内に設置されたワーク等の部材の姿勢を変更することが可能となる。
【0039】
図2は、主軸1014に付加製造装置1030が取り付けられた状態を表した図である。図2を参照して、付加製造装置1030は、吐出部1310と、取付部1320と、ホース部1330とを備える。
【0040】
詳細については後述するが、吐出部1310の先端部1311から金属のパウダー等が吐出される。取付部1320は、付加製造装置1030を主軸1014に固定させるための部材である。ホース部1330は、パウダー等の供給路である。ホース部1330は、パウダー等が格納された装置(図示せず)から、取付部1320を介してパウダー等を吐出部1310に供給するために設けられている。
【0041】
工作機械1000は、付加製造装置1030を使用しない場合には、付加製造装置1030を付加製造装置用のホルダ1039に格納する。なお、ホルダ1039は、XY平面に平行な状態を保ちながら回転可能に構成されている。つまり、ホルダ1039は、Z軸に平行な軸を中心に回転する。
【0042】
図3は、主軸1014に工具ホルダ1040が取り付けられた状態を表した図である。図3を参照して、オペレーティングシステム1011は、扉1019を開く制御を行ない、その後、自動工具交換装置によって工具ホルダ1040を主軸1014に取り付けさせる。なお、工具ホルダ1040の交換は、付加製造装置1030をホルダ1039に格納した状態で行なわれる。
【0043】
図4は、工作機械1000のハードウェア構成の概要を表した図である。図4を参照して、工作機械1000は、オペレーティングシステム1011と、主軸頭1013と、主軸1014と、回転装置1018と、テーブル装置1020と、自動工具交換装置1021と、工具マガジン1022と、付加製造装置1030とを備える。
【0044】
オペレーティングシステム1011は、CPU(Central Processing Unit)1091と、メモリ1092と、通信IF(Interface)1093と、ディスプレイ1094と、操作キー1095とを有する。
【0045】
CPU1091は、メモリ1092に格納された各種プログラムを実行することにより、通信IF1093を介して、工作機械1000の各部の動作を制御する。ディスプレイ1094は、工作機械1000における各種の情報を工作機械1000のユーザに視認可能に表示する。操作キー1095は、ユーザによる様々な入力(たとえば、加工開始の入力)を受け付ける。
【0046】
図5は、金型を製造する際の処理の流れを表したフローチャートである。図5を参照して、ステップS1において、ベース部材とブロックとが準備される。詳しくは、金型の最終的な外形に基づいて、ベース部材とブロックとが準備される。より詳しくは、複数種類のベース部材のうちから1つのベース部材が選択され、複数種類のブロックから、少なくとも1種類以上のブロックが1つ以上選択される。これらの選択処理は、人によって行われてもよいし、所定のアプリケーションプログラムによって自動的に実行されるものであってもよい。
【0047】
また、ベース部材とブロックとの準備は、工作機械1000によって自動的になされる構成であってもよい。具体的には、工作機械1000の加工領域内にベース部材とブロックとが自動的に送られる構成であってもよい。
【0048】
ステップS2において、ブロックがベース部材上に配置される。典型的には、複数の別個のブロック(以下、単に、「複数のブロック」とも称する)がベース部材上に固定される。固定方法は、特に限定されるものではなく、ボルトによる締結(たとえばベース部材の裏面からボルトをブロック内部に通して固定)であってもよいし、ベース部材との係合(たとえば、ベース部材の凸部とブロックの凹部とによる噛み合わせ)による固定であってもよい。
【0049】
また、ブロックの配置は、ユーザによってなされてもよいし、工作機械1000によってなされてもよい。工作機械1000によってブロックがベース部材上に配置される構成の場合には、ブロックを掴み、かつ当該ブロックをベース部材の所定の位置まで搬送する機構を工作機械1000に備えておく必要がある。
【0050】
ステップS3において、工作機械1000によって、ブロックに対して、機械加工としてのミーリング(切削加工)が行われる。詳しくは、工作機械1000によって、金型の最終的な形状に基づいて、ミーリングが実行される。より詳しくは、工作機械1000は、ユーザによって入力されたデータ(金型の最終的な形状に基づくデータ)を利用して、複数のブロックに対してミーリングを行なう。さらに詳しくは、機械加工は、金型を構成するベース部材に複数のブロックを固定した状態で、当該複数のブロックを含む被加工物の機械加工(詳しくは、複数のブロックのうちの全部または一部のブロックの機械加工)が行われる。なお、複数のブロックに対するだけではなく、ベース部材に対しても機械加工を行ってもよい。
【0051】
ステップS4において、工作機械1000は、付加製造(レーザクラッディング,3Dプリンティング)を実行する。詳しくは、工作機械1000は、ミーリングにより加工がなされた加工面を含む所定の領域上に対して、付加製造を行なう。より詳しくは、工作機械1000は、ミーリング後のブロック(被加工物)の表面上に金型の最終的な外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料(金属の粉体)をブロックに付加する。
【0052】
ステップS5において、工作機械1000は、少なくとも、上記形成された連続面に対して、最終加工を行なう。具体的には、工作機械1000は、当該連続面に対して表面仕上加工を行なう。なお、当該最終処理を実行するための命令は、ユーザによって工作機械1000に記憶されている。
【0053】
ところで、ブロックの構造およびベース部材の構造は、後述する各実施の形態で異なる。たとえば、実施の形態1および2では、冷媒を流すための流路がブロックの内部に形成されている。具体的には、実施の形態1および2では、冷媒を流すための貫通孔が設けられている。その一方、実施の形態3では、ブロックの内部に流路は形成されていない。その他の相違点の詳細については、後述する。
【0054】
また、以下の各実施の形態においては、具体的かつ詳細な金型(金型1C,2,3C)の構成および製造方法等について説明する前に、当該金型とは外形および断面形状が異なる簡易モデル(M1,M2,M3)を用いて、各実施の形態で得ようとしている金型の特徴的構成を端的に説明する。
【0055】
[実施の形態1]
<A.概要(簡易モデル)>
図6は、本実施の形態に係る簡易モデルM1の概要を表した図である。図6を参照して、簡易モデルM1は、ベース部材11に複数のブロック12が配置されている。また、ブロック12の露出面(上面および側面)には、付加製造による金属層13が形成されている。
【0056】
また、複数のブロック12(複数の別個の構成要素)の全部の各々には、内部に冷媒を流すための流路を構成するための貫通孔が設けられている。また、ベース部材11には、冷媒を流すための流路を構成するための溝(詳細は、図7のベース部材100の溝105を参照)が設けられている。ベース部材11の溝は、各ブロック12の貫通孔とつながっている。
【0057】
詳しくは、ベース部材のブロック側の表面には、溝が複数設けられている。ブロックのベース部材に接する表面には、貫通孔の開口部が設けられている。ベース部材の溝がブロックの貫通孔の開口部と同じ位置となるように、ブロックをベース部材に固定することにより、ベース部材の溝がブロックの貫通孔とつながっている。
【0058】
ベース部材11に入った冷媒は、その後、各ブロック12の内部を通り、ベース部材11から外部に流れ出す。各ブロック12においては、ベース部材11から供給された冷媒は、他のブロック12を介さずにベース部材11に戻る。
【0059】
詳しくは、ベース部材11には、冷媒を各ブロック12に流す流路(具体的には、貫通孔)と、ブロック12から流れてくる冷媒を外部に出すための流路(具体的には、貫通孔)とが設けられている。複数のブロック12の各々には、ベース部材11から流れてきた冷媒をブロック12の内部に流すための入口と、冷媒をベース部材11に返すための出口とが設けられている。
【0060】
より詳しくは、冷媒による金属層13の冷却効果を高めるために、各ブロック12においては、金属層13の近くにおいても流路が形成されている。
【0061】
以下では、このような特徴的構成を有する金型の詳細な構成と、当該金型の製造工程とについて、説明する。
【0062】
<B.製造工程と金型との詳細>
(b1.ベース部材とブロックとの準備)
ベース部材とブロックとの準備(図5のステップS1に対応)について、具体的に説明する。
【0063】
図7は、金型を構成するベース部材100の斜視図である。図7を参照して、ベース部材100は、底部104と、底部104の周囲を囲む4つの側部106とで構成される。底部104と4つの側部106とにより、収容部101が形成される。4つの側部106のうち1つの側部106には、貫通孔102,103が設けられている。また、底部104の主面には、複数の溝105が設けられている。
【0064】
図8は、ブロックの斜視図である。図8を参照して、金型を製造する際には、大きさ(典型的には高さ)が異なるブロックが用いられる。具体的には、ベース部材100の収容部101に複数のブロックが配置される。図8を参照して、ブロック200A,200B,200C等の各種のブロックが収容部101に配置される。
【0065】
ブロック200Aは、本体部202Aと、キャップ部201Aとで構成される。具体的には、本体部202Aに対してキャップ部201Aを嵌め込むことにより、ブロック200Aが構成される。同様に、ブロック200Bは、本体部202Bとキャップ部201Bとで構成される。ブロック200Cは、本体部202Cとキャップ部201Cとで構成される。
【0066】
各ブロック200A,200B,200Cは、典型的には、直方体の外形を有する。各ブロック200A,200B,200Cの底面の形状は、同一である。また、各本体部202A,202B,202Cの高さ(長さ)は、各々で異なる。各キャップ部201A,201B,201Cの厚み(ブロックの高さ方向の高さ)は、同じであってもよいし、あるいは異なっていてもよい。
【0067】
なお、以下では、ブロック200A,200B,200C等の各種のブロックを、「ブロック200」と総称する。また、本体部202A,202B,202C等の各種の本体部を、「本体部202」と総称する。また、キャップ部201A,201B,201C等の各種のキャップ部を、「キャップ部201」と総称する。
【0068】
図9A,9B,9Cは、ブロック200の詳細を説明するための図である。図9Aは、ブロック200の内部構造の透視図である。図9Bは、図9AのIXB-IXB線矢視断面図である。図9Cは、本体部202の斜視図である。
【0069】
図9A,9Bを参照して、本体部202には、2つの貫通孔211が設けられている。また、図9Bを参照して、キャップ部201は、本体部202にキャップ部201を固定するための部材として、凸部219を有する。図9Cを参照して、本体部202の上端には、半ドーナツ状の凹部215が形成されている。また、凹部215の表面には、2つの貫通孔211の各開口部213が形成されている。さらに、本体部202の上端の中心部には、キャップ部201の凸部219が差し込まれる孔216が設けられている。
【0070】
なお、本体部202の上端の構成は、このような構成に限定されるものではない。キャップ部201が固定可能であって、かつ一方の貫通孔211から送られてくる冷媒を他方の貫通孔211に送ることができる構成であれば、特に限定されるものではない。
【0071】
図10は、ブロック200における冷媒の流れを説明するための断面図である。具体的には、図10は、図9Bに対して、冷媒の流れを表す矢印を追加した図である。
【0072】
図10を参照して、ベース部材100から送られてきた冷媒は、矢印271の方向に、本体部202に設けられた一方の貫通孔211を通過する。その後、冷媒は、本体部202の凹部215を矢印272の方向に通過する。さらに、冷媒は、矢印273の方向に本体部202に設けられた他方の貫通孔211を通過して、その後、ベース部材100に送られる。
【0073】
本体部202の凹部215は、キャップ部201によって蓋がされた状態となる。このため、冷媒は、キャップ部201の底面にも接触する。これにより、本体部202だけではなく、キャップ部201についても、冷媒によって直接冷却されることになる。
【0074】
(b2.ブロックの配置)
ブロックの配置について(図5のステップS2に対応)について、具体的に説明する。
【0075】
図11は、ベース部材100に対して複数のブロック200を配置することにより得られた中間体1Aの外観を表した図である。図11を参照して、金型の最終的な外形に基づいて選択されたブロック200が、当該外形に基づいて、ベース部材100の収容部101に配置される。
【0076】
詳しくは、ブロック200が、キャップ部201を上向きにした状態で、収容部101を満たすように配置される。より詳しくは、底部104の表面が隠れるように、ブロック200同士の側面が接触した状態で、ブロック200が底部104に敷き詰められる。
【0077】
(b3.ミーリング)
ミーリングについて(図5のステップS3に対応)について、具体的に説明する。
【0078】
図12は、中間体1Aに対してミーリングを行なうことにより得られた中間体1Bの外観を表した図である。図12を参照して、複数のブロック200のキャップ部201をミーリングすることにより、金型の最終形状に近い曲面81を有する中間体1Bが得られる。なお、貫通孔211が露出しない限りにおいて、本体部202の一部を削ってもよい。
【0079】
(b4.付加製造および最終加工)
付加製造および最終加工について(図5のステップS4,S5に対応)について、具体的に説明する。
【0080】
図13は、中間体1Bに対して付加製造および最終加工を行なうことにより得られた金型1Cの外観を表した図である。図13を参照して、工作機械1000の付加製造装置1030を用いて、少なくとも、ミーリング後のブロック200の露出面(キャップ部201および一部の本体部202の側面)に対して付加製造を行なう。さらに、工作機械1000によって、付加製造により形成された金属層300に対し、最終加工としての表面仕上加工を行なう。このような処理によって、最終製品としての金型1Cが得られる。金型1Cにおいては、全てのブロック200が金属層300で覆われている。
【0081】
なお、付加製造の処理においては、金型の最終形状に一致するように、金属層300が形成される。すなわち、金型の最終形状に一致するように、ミーリング後のブロック200の露出面の形状に沿って、材料をブロックに付加する。
【0082】
図14は、図13におけるXIV-XIV線矢視断面図である。図14を参照して、金型1Cは、ベース部材100と、金属層300との間に、複数のブロック200が埋め込まれている状態となっている。また、ベース部材100の複数の溝105と、複数のブロック200の各々の2つの貫通孔211により、金型1Cには、金型1Cの内部全体にわたって、冷媒を流すための流路が形成されている。
【0083】
図15は、図13におけるXV-XV線矢視断面図である。図15を参照して、ベース部材100は、貫通孔102と、貫通孔103と、複数の溝105とを有する。複数のブロック200の各々は、2つの貫通孔211を有する。溝105は、貫通孔102につながっているものと、貫通孔103につながっているものとに大別される。各ブロック200の貫通孔211(詳しくは、貫通孔211の開口部)が溝105の真上に位置するように、各ブロック200がベース部材100の収容部101に配置される。
【0084】
図16は、冷媒の流れを説明するための断面図である。具体的には、図16は、図15に対して、冷媒の流れを表す矢印を追加した図である。図16を参照して、金型1Cでは、上述したように、貫通孔102から入った冷媒が溝105を通過した後、各ブロック200の貫通孔211を通る。その後、冷媒は、先ほど通過した溝105とは別の溝105を通過し、貫通孔103から出てくる。
【0085】
<C.小括>
(1)上述した金型製造方法は、内部に冷媒を流すための流路を有する金型1Cを製造するために行われる。金型製造方法は、複数の別個のブロック200を含む被加工物を、金型1Cの最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個のブロック200は、上記外形に基づいて選択され、かつ複数の別個のブロック200の全部の各々には、流路を構成するための貫通孔211が設けられている。金型の製造方法は、ミーリング後の被加工物の表面上に上記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【0086】
上記の金型製造方法によれば、付加製造方式として粉末床溶融結合を用いる構成に比べて、材料のロスを少なくすることができる。また、複数のブロック200を利用するため、粉末床溶融結合を用いる構成に比べて、金型の製造時間を短くすることができる。このように、本実施の形態に係る金型製造方法によれば、内部に冷媒を流すための流路を有する金型の製造するにあたり、短い時間かつ材料のロスを少なくすることが可能となる。
【0087】
なお、複数の別個のブロックの一部にのみ、貫通孔211が設けられていてもよい。すなわち、金型を製造するに当たり、貫通孔211を有するブロック200以外の貫通孔がないブロックを一部に利用してもよい。
【0088】
(2)また、上記機械加工するステップでは、金型1Cを構成するベース部材100に上記被加工物を固定した状態で、被加工物の機械加工が行われる。
【0089】
(3)ベース部材100には溝105が設けられている。溝105は、上記貫通孔とつながっている。このような構成によれば、冷媒の流路が形成される。
【0090】
(4)詳しくは、ベース部材100の被加工物側の表面には、溝105が複数設けられている。ブロック200のベース部材100に接する表面には、貫通孔211の開口部が設けられている。貫通孔211の開口部が溝105と同じ位置となるようにブロック200をベース部材100に固定することにより、溝105が貫通孔211とつながっている。
【0091】
(5)複数の別個のブロック200は、大きさが異なるブロックを含む。このような構成によれば、ブロックの大きさが一定の場合に比べて、効率的に金型1Cを製造することが可能となる。
【0092】
(6)金型製造方法は、上記連続面に対して機械加工により表面仕上げを行なうステップをさらに備える。機械加工するステップおよび付加するステップは、工作機械において実行される。このような構成によれば、機械加工と付加とが別々の装置で実行される場合に比べて、金型の製造時間を短縮することができる。
【0093】
<D.変形例>
ベース部材には、溝105の代わりに、貫通孔が設けられた構成であってもよい。具体的に説明すれば、以下のとおりである。
【0094】
ベース部材100には、貫通孔が設けられている。当該貫通孔は、貫通孔102,103を延伸したものといえる。ベース部材100のブロック200側の表面には、当該貫通孔の開口部が設けられている。ブロック200の貫通孔の開口部(ベース部材100側の開口部)がベース部材100の当該貫通孔の開口部と同じ位置となるように複数のブロック200をベース部材100に固定することにより、ベース部材100の貫通孔がブロック200の貫通孔とつながる。すなわち、溝105と同様の形状が、ベース部材100の内部に形成され、ブロック200と連通するために、ベース部材100のブロック200側の表面に開口が形成される。
【0095】
このような構成であっても、金型1Cと同様の効果を得ることができる。
[実施の形態2]
<E.概要(簡易モデル)>
図17は、本実施の形態に係る簡易モデルM2の概要を表した図である。図17を参照して、簡易モデルM2は、ベース部材21に複数のブロック22が配置されている。また、ブロック22の露出面(上面および側面)には、付加製造による金属層23が形成されている。
【0096】
また、複数のブロック22(複数の別個の構成要素)の全部の各々には、内部に冷媒を流すための流路を構成するための貫通孔が設けられている。なお、本実施の形態では、実施の形態1とは異なり、ベース部材21には、冷媒を流すための流路を構成するための溝は設けられていない。
【0097】
詳しくは、ブロック22の貫通孔は、隣のブロック22の貫通孔とつながっている。典型的には、ブロック22は、側面に貫通孔の開口部を2つ有している。ブロック22の一方の開口部が、隣接するブロックの1つの開口部と重なり、かつ、ブロック22の他方の開口部が、隣接する他のブロックの1つの開口部と重なるように、複数のブロックが配置される。
【0098】
複数のブロック22のうちの端部のブロック22から入った冷媒は、複数のブロック22の貫通孔を通過して、別の端部のブロック22から出てくる。より詳しくは、冷媒による金属層13の冷却効果を高めるために、各ブロック22においては、金属層23の近くにおいても流路が形成されている。
【0099】
以下では、このような特徴的構成を有する金型の詳細な構成と、当該金型の製造工程とについて、説明する。
【0100】
<F.製造工程と金型との詳細>
図18は、金型の製造に使用され得るブロックの断面を表した断面図である。図18を参照して、金型を製造する際には、異なる高さのブロックが用いられる。たとえば、ブロック400Aと、ブロック400Cと、ブロック400Dと、ブロック400Eとは、互いに高さが異なる。
【0101】
また、同じ高さのブロックであっても、貫通孔の形状は異なっている。具体的には、貫通孔の開口部の位置が異なっている。たとえば、ブロック400Aと、ブロック400Bと、ブロック400Fとは、高さが同じであるが、貫通孔411の形状と、開口部412の位置とが互いに異なっている。なお、ブロック400Fにおいて、貫通孔411は、高さを一定として状態で、直角(断面の法線方向)に曲がっている。
【0102】
各ブロック400A,400B,400C,…は、典型的には、直方体の外形を有する。各ブロック400A,400B,400C,…の底面の形状は、同一である。また、以下では、各ブロック400A,400B,400C,…の各種のブロックを、「ブロック400」と総称する。
【0103】
なお、金型の最終的な外形に基づいて、複数の種類のブロック400の中から、ブロック400が適宜選択される。また、貫通孔同士がつながるように(詳しくは、冷媒を流す流路が複数のブロック400の貫通孔によって構成されるように)、ブロック400はベース部材上に配置される。
【0104】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、「ベース部材とブロックとの準備」、「ブロックの配置」、「ミーリング」、「付加製造および最終加工」が実行されることにより、所望の形状を有する金型が得られる。
【0105】
詳しくは、工作機械1000の付加製造装置1030を用いて、少なくとも、ミーリング後のブロック400の露出面に対して付加製造を行なう。さらに、工作機械1000によって、付加製造により形成された金属層に対し、最終加工としての表面仕上加工を行なう。このような処理によって、最終製品としての金型が得られる。
【0106】
図19は、本実施の形態に係る、最終製品としての金型2の斜視図である。図19を参照して、金型2は、ベース部材500と、複数のブロック400と、金型の最終形状に一致するように付加製造により形成された金属層300Aとから構成される。
【0107】
金型2においては、外周部のブロック400における外周側の側面については、金属層300で覆われていない。金型2においては、外部に露出した貫通孔411の開口部412(たとえば、図の奥側の開口部412)から冷媒が流し込まれる。当該冷媒は、外部に露出した他の貫通孔411の開口部412(たとえば、図の手前側の開口部412)から流れ出す。
【0108】
図20は、図19におけるXX-XX線矢視断面図である。図20を参照して、金型2は、複数のブロック400の各貫通孔411がつながることによって構成された流路を有する。
【0109】
図21は、金型2の内部構造の透視図である。詳しくは、図21は、金型2の内部において冷媒が流路を流れる方向を説明するための図である。図21を参照して、奥側の開口部412から入った冷媒は、複数のブロック400の内部を順に通過し、手前側の開口部412から流れ出す。このような冷媒の流路を複数のブロック400を使用して金型2の内部に設けることにより、金型2を全体にわたり冷媒で冷却することができる。
【0110】
<G.小括>
(1)上述した金型製造方法は、内部に冷媒を流すための流路を有する金型2を製造するために行われる。金型製造方法は、複数の別個のブロック400を含む被加工物を、金型2の最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個のブロック400は、上記外形に基づいて選択され、かつ複数の別個のブロック400の全部の各々には、流路を構成するための貫通孔411が設けられている。金型の製造方法は、ミーリング後の被加工物の表面上に上記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【0111】
上記の金型製造方法によれば、付加製造方式として粉末床溶融結合を用いる構成に比べて、材料のロスを少なくすることができる。また、複数のブロック400を利用するため、粉末床溶融結合を用いる構成に比べて、金型の製造時間を短くすることができる。このように、本実施の形態に係る金型製造方法によれば、内部に冷媒を流すための流路を有する金型の製造するにあたり、短い時間かつ材料のロスを少なくすることが可能となる。
【0112】
なお、複数の別個のブロックの一部にのみ、貫通孔411が設けられていてもよい。
(2)また、上記機械加工するステップでは、金型2を構成するベース部材500に上記被加工物を固定した状態で、被加工物の機械加工が行われる。
【0113】
(3)さらに、複数の別個のブロック400のうちの第1のブロックに、上記流路の入口(開口部412)が形成され、複数の別個のブロック400のうちの第2のブロックに、上記流路の出口(開口部412)が形成されている。
【0114】
(4)複数の別個のブロック400は、大きさが異なるブロックを含む。このような構成によれば、ブロックの大きさが一定の場合に比べて、効率的に金型2を製造することが可能となる。
【0115】
(5)金型製造方法は、上記連続面に対して機械加工により表面仕上げを行なうステップをさらに備える。機械加工するステップおよび付加するステップは、工作機械において実行される。このような構成によれば、機械加工と付加とが別々の装置で実行される場合に比べて、金型の製造時間を短縮することができる。
【0116】
[実施の形態3]
<H.概要(簡易モデル)>
図22A,22Bは、本実施の形態に係る簡易モデルM3の概要を表した図である。図22Aは、簡易モデルM3の断面図である。図22Bは、図22AのXXIIB-XXIIB線矢視断面図である。
【0117】
図22A,22Bを参照して、簡易モデルM3は、ベース部材31に複数のブロック32が配置されている。また、ブロック32の露出面(上面および側面)には、付加製造による金属層33が形成されている。
【0118】
また、ブロック32とブロック32との間には、隙間39が形成されるように、各ブロック32が配置されている。さらに、端部のブロック32とベース部材31との内壁との間にも隙間が形成されるように、ブロック32が配置される。
【0119】
詳しくは、ベース部材31の4つの側面部のうちの少なくとも2つの側面部には、貫通孔が形成されている。一方の側面部の貫通孔から簡易モデルM3に入った冷媒は、他方の側面部の貫通孔から流れ出る。なお、詳細については後述するが、上記2つの側面部の各々には、複数の貫通孔が形成されている。
【0120】
<I.製造工程と金型との詳細>
(i1.ベース部材とブロックとの準備)
ベース部材とブロックとの準備(図5のステップS1に対応)について、具体的に説明する。
【0121】
図23は、金型を構成するベース部材600の斜視図である。図23を参照して、ベース部材600は、底部604と、底部604の端部領域上に構成された4つの側部606とで構成される。詳しくは、4つの側部606は、底部604の周囲を囲むように設けられている。底部604と4つの側部106とにより、収容部601が形成される。4つの側部606のうち1つの側部106には、複数の貫通孔102が設けられている。また、貫通孔102が設けられた側部106に対向する側部106には、複数の貫通孔103が設けられている。
【0122】
本実施の形態で利用するブロックは、実施の形態1と同様に、大きさ(典型的には高さ)が互いに異なる。また、当該ブロックは、実施の形態1,2とは異なり、貫通孔は設けられていない。
【0123】
なお、以下では、ブロックが直方体である場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではない。直方体以外の四角柱であってもよい、四角柱以外の多角柱であってもよい。たとえば、正六角柱を利用してハニカム形状することにより、冷媒が接する表面積を大きくすることができ、かつ冷媒に加わる抵抗を低減することができる。
【0124】
(i2.ブロックの配置)
ブロックの配置について(図5のステップS2に対応)について、具体的に説明する。
【0125】
図24は、ベース部材600に対して複数のブロック700を配置することにより得られた中間体3Aの外観を表した図である。図24を参照して、金型の最終的な外形に基づいて選択されたブロック700が、当該外形に基づいて、ベース部材600の収容部601に配置される。
【0126】
詳しくは、互いに隣り合うブロック700との間で隙間が生じるようにベース部材600の表面上に配置される。さらに詳しくは、底部604の表面の大くの領域が隠れるように、ブロック700同士の側面が接触しない状態(隙間990がある状態)で、ブロック700が底部104に敷き詰められる。
【0127】
図25は、図24のXXV-XXV線矢視断面図である。図25を参照して、ブロック700同士の間に形成された隙間990が、たとえば貫通孔602を入口とし貫通孔603を出口とする、金型の流路を構成する。
【0128】
図26は、図24のXXVI-XXVI線矢視断面図である。図26を参照して、複数の貫通孔602から内部に入った冷媒は、隙間990を通って、複数の貫通孔603から流れ出すことが可能となる。
【0129】
これにより、これにより、複数のブロック700およびベース部材600が冷却される。さらには、ブロック700の上面を覆うように形成された、後述する金属層300B(図29参照)も冷却されることになる。
【0130】
(i3.ミーリング)
ミーリングについて(図5のステップS3に対応)について、具体的に説明する。
【0131】
図27は、中間体3Aに対してミーリングを行なうことにより得られた中間体3Bの外観を表した図である。図27を参照して、複数のブロック700の一部のブロック700の先端部をミーリングすることにより、金型の最終形状に近い曲面83を有する中間体3Bが得られる。
【0132】
図28は、図27のXXVIII-XXVIII線矢視断面図である。図28を参照して、曲面83付近では、曲面83の形状に応じた隙間990が形成される。すなわち、隙間990の高さ方向の長さが、ミーリング前の状態(図25)に比べてミーリングにより短くなる。
【0133】
(i4.付加製造および最終加工)
付加製造および最終加工について(図5のステップS4,S5に対応)について、具体的に説明する。
【0134】
図29は、中間体3Bに対して付加製造および最終加工を行なうことにより得られた金型3Cの外観を表した図である。図29を参照して、工作機械1000の付加製造装置1030を用いて、少なくとも、ミーリング後のブロック700の露出面に対して付加製造を行なう。さらに、工作機械1000によって、付加製造により形成された金属層300Bに対し、最終加工としての表面仕上加工を行なう。このような処理によって、最終製品としての金型3Cが得られる。なお、金型3Cにおいては、実施の形態1と同様に、全てのブロック700が金属層300Bで覆われている。
【0135】
なお、付加製造の処理においては、金型の最終形状に一致するように、金属層300Bが形成される。すなわち、金型の最終形状に一致するように、ミーリング後のブロック700の露出面の形状に沿って、材料をブロックに付加する。
【0136】
図30は、図29におけるXXX-XXX線矢視断面図である。図29を参照して、金型3Cは、ベース部材600と、金属層300Bとの間に、複数のブロック700が埋め込まれている状態となっている。また、隙間990の上端は、金属層300Bにより塞がれた状態となっている。これにより、冷媒が金型の主面(金属層300Bの表面)に対して流れ出ることはない。また、冷媒が金属層300Bに接触することも可能なため、金型3Cは、冷却効果に優れている。
【0137】
このように、金型3Cにおいては、貫通孔602と、隣接するブロック700同士によって構成された隙間990と、貫通孔603とにより、金型3Cの内部全体にわたって、冷媒を流すための流路が形成されている。
【0138】
<J.小括>
(1)上述した金型製造方法は、内部に冷媒を流すための流路を有する金型3Cを製造するために行われる。金型製造方法は、複数の別個のブロック700を含む被加工物を、金型3Cを構成するベース部材600に収容した状態で、金型3Cの最終的な外形に基づいて機械加工するステップを備える。複数の別個のブロック700は、上記外形に基づいて選択され、かつ、上記流路を構成するために、互いに隣り合うブロック700との間で隙間が生じるようにベース部材600の表面上に配置される。金型製造方法は、機械加工後の被加工物の表面上に上記外形に基づいた連続面が形成されるように、付加製造方式を指向性エネルギー堆積とした付加製造技術によって材料を被加工物に付加するステップをさらに備える。
【0139】
上記の金型製造方法によれば、付加製造方式として粉末床溶融結合を用いる構成に比べて、材料のロスを少なくすることができる。また、複数のブロック700を利用するため、粉末床溶融結合を用いる構成に比べて、金型の製造時間を短くすることができる。このように、本実施の形態に係る金型製造方法によれば、内部に冷媒を流すための流路を有する金型の製造するにあたり、短い時間かつ材料のロスを少なくすることが可能となる。
【0140】
また、ブロック700は貫通孔を有していないため、ブロック700の準備が容易となる。
【0141】
(2)ベース部材600は、底部604と、底部604の端部領域上に構成された複数の側部606(典型的には4つの側部)とを有する。複数の側部606のうちの第1の側部に、流路の入口となる貫通孔602が形成され、複数の側部のうちの第2の側部に、流路の出口となる貫通孔603が形成されている。
【0142】
(3)上記第2の側部は、上記第1の側部に対向する位置にある。貫通孔602と貫通孔603とが、各々、複数形成されている。当該構成によれば、貫通孔602と貫通孔603とが1つの場合に比べて、単位時間内に金型3C内に流入させることができる冷媒の量を多くすることができる。
【0143】
(4)複数の別個のブロック700は、大きさが異なるブロックを含む。このような構成によれば、ブロックの大きさが一定の場合に比べて、効率的に金型2を製造することが可能となる。
【0144】
(5)金型製造方法は、上記連続面に対して機械加工により表面仕上げを行なうステップをさらに備える。機械加工するステップおよび付加するステップは、工作機械において実行される。このような構成によれば、機械加工と付加とが別々の装置で実行される場合に比べて、金型の製造時間を短縮することができる。
【0145】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0146】
1A,1B,3A,3B 中間体、1C,2,3C 金型、11,21,31,100,500,600 ベース部材、12,22,32,200,200A,200B,200C,400,400A,400B,400C,400D,400E,400F,700 ブロック、13,23,33,300,300A,300B 金属層、39,990 隙間、81,83 曲面、101,601 収容部、102,103,211,411,602,603 貫通孔、104,604 底部、105 溝、106,606 側部、201,201A,201B,201C キャップ部、202,202A,202B,202C 本体部、213,412 開口部、215 凹部、216 孔、219 凸部、1000 工作機械、1011 オペレーティングシステム、1013 主軸頭、1014 主軸、1021 自動工具交換装置、1030 付加製造装置、1039 ホルダ、1040 工具ホルダ、1310 吐出部、1311 先端部、1320 取付部、1330 ホース部、M1,M2,M3 簡易モデル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【国際調査報告】