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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年3月22日
【発行日】2018年9月13日
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   F03B 17/06 20060101AFI20180817BHJP
【FI】
   F03B17/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2017-511356(P2017-511356)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年9月14日
(11)【特許番号】特許第6191803号(P6191803)
(45)【特許公報発行日】2017年9月6日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 博昭
(72)【発明者】
【氏名】和田 泰孝
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA08
3H074AA12
3H074BB10
3H074CC11
3H074CC31
(57)【要約】
発電システムは、復水器から排出された海水を海へ導く水路であって、基準部と、基準部よりも下流に設けられ且つ基準部よりも大きな断面積を有する幅広部とを備える放水路と、基準部より下流に配置される第1水車と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
復水器から排出された海水を海へ導く水路であって、基準部と、前記基準部よりも下流に設けられ且つ前記基準部よりも大きな断面積を有する幅広部とを備える放水路と、
前記基準部より下流に配置される第1水車と、
を備える
発電システム。
【請求項2】
前記放水路は、前記基準部と前記幅広部とを繋ぎ且つ下流に向かって大きくなる断面積を有する拡幅部を備え、
前記第1水車は、前記拡幅部に配置される
請求項1に記載の発電システム。
【請求項3】
前記第1水車は、前記海と前記放水路との間の境界面に重なる位置に配置される
請求項1に記載の発電システム。
【請求項4】
前記第1水車は、前記放水路の流れ方向で見て前記基準部に重なる位置に配置される
請求項1から3のいずれか1項に記載の発電システム。
【請求項5】
前記第1水車より下流に配置される第2水車を備え、
前記放水路の幅方向における前記第2水車の位置は、前記幅方向における前記第1水車の位置と異なる
請求項1から4のいずれか1項に記載の発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所等において、タービンで使用された蒸気を冷却するための冷媒として海水が用いられている。ポンプによって汲み上げられた海水が、復水器において蒸気を冷却する。復水器を通過した海水は、海へ排出される。復水器で冷却に使用された海水は放水路を或る速度で流れて海へ戻されるため、放水路における海水は運動エネルギーを有する。例えば特許文献1には、放水路に設けられた水車によって発電するエネルギー利用システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−256699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
放水路に配置された水車は、発電する一方で、放水路中の流れに対する抵抗となる。このため、放水路に水車が配置されると、海水を復水器へ汲み上げるポンプの消費電力が大きくなる可能性があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、復水器から排出された海水の運動エネルギーを回収して発電でき且つ復水器へ海水を汲み上げるポンプの負荷上昇を抑制できる発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る発電システムは、復水器から排出された海水を海へ導く水路であって、基準部と、前記基準部よりも下流に設けられ且つ前記基準部よりも大きな断面積を有する幅広部とを備える放水路と、前記基準部より下流に配置される第1水車と、を備える。
【0007】
これにより、発電システムは、放水路を流れる水によって第1水車が回転するので発電することができる。また、第1水車によって海水の運動エネルギーが回収されることで海水の流速が低下するが、第1水車を通過した海水が基準部よりも広い断面積を有する流路を介して海へ流下するため、基準部における水の流れが妨げられにくい。このため、ポンプの負荷上昇が抑制される。したがって、発電システムは、復水器から排出された海水の運動エネルギーを回収して発電でき且つ復水器へ海水を汲み上げるポンプの負荷上昇を抑制できる。
【0008】
発電システムの望ましい態様として、前記放水路は、前記基準部と前記幅広部とを繋ぎ且つ下流に向かって大きくなる断面積を有する拡幅部を備え、前記第1水車は、前記拡幅部に配置されることが好ましい。これにより、基準部と幅広部とが直接繋がれる場合に比較して、水の流れに渦が生じにくくなる。このため、水の流れが滑らかになりやすい。第1水車が拡幅部に配置されることで、第1水車が幅広部に配置される場合に比較して第1水車に当たる水の流速が大きくなりやすい。このため、発電システムによる発電量が向上しやすい。
【0009】
発電システムの望ましい態様として、前記第1水車は、前記海と前記放水路との間の境界面に重なる位置に配置されることが好ましい。これにより、第1水車の位置が基準部から遠くなるので、第1水車が基準部の流れをより妨げにくくなる。その一方で、海岸に沿う潮流により、境界面付近では水がいわゆるエジェクタ効果によって海の方向へ引っ張られる。このため、境界面付近の水の流速が大きくなりやすい。したがって、発電システムは、基準部の水の流れに対する影響を小さくできると共に、発電量を向上させやすい。
【0010】
発電システムの望ましい態様として、前記第1水車は、前記放水路の流れ方向で見て前記基準部に重なる位置に配置されることが好ましい。放水路の流れ方向で見て基準部に重なる位置は、その他の位置よりも流速が低下しにくい。このため、第1水車に当たる水の流速が大きくなりやすいので、発電システムによる発電量が向上しやすい。
【0011】
発電システムの望ましい態様として、前記第1水車より下流に配置される第2水車を備え、前記放水路の幅方向における前記第2水車の位置は、前記幅方向における前記第1水車の位置と異なることが好ましい。これにより、第2水車は、第1水車の影響を受けにくい。具体的には、幅方向における第2水車の位置が幅方向における第1水車の位置と同じである場合と比較して、第1水車の影響によって第2水車に当たる水の流速の減少が起こりしにくい。したがって、発電システムは、発電量を向上させやすい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、復水器から排出された海水の運動エネルギーを回収して発電でき且つ復水器へ海水を汲み上げるポンプの負荷上昇を抑制できる発電システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本実施形態に係る発電システムの模式図である。
図2図2は、本実施形態に係る放水路の周辺を示す平面図である。
図3図3は、図2におけるA−A断面図である。
図4図4は、本実施形態に係る第1水車の斜視図である。
図5図5は、変形例1に係る放水路の周辺を示す平面図である。
図6図6は、図5におけるB−B断面図である。
図7図7は、変形例2に係る放水路の周辺を示す平面図である。
図8図8は、図7におけるC−C断面図である。
図9図9は、変形例3に係る放水路の周辺を示す平面図である。
図10図10は、図9におけるD−D断面図である。
図11図11は、変形例4に係る放水路の周辺を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0015】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る発電システムの模式図である。本実施形態に係る発電システム1は、例えば火力発電所又は原子力発電所等に適用される。火力発電所又は原子力発電所は、図1に示すように復水器11と、ボイラ12と、タービン13とを備える。ボイラ12で生成された蒸気がタービン13に送られ、タービン13で使用された蒸気が復水器11で凝縮させられる。復水器11で生成された水は、ボイラ12で再び蒸気となる。
【0016】
復水器11には、タービン13から送られてくる蒸気を冷却するための冷却水が供給される。冷却水は、例えば海10から汲み上げられる海水である。復水器11には、冷却水供給管15及び冷却水排出管16が接続されている。冷却水供給管15は、ポンプ14により海水が貯留された取水槽17から海水を汲み上げる。取水槽17は、スクリーン18を介して海10と繋がっている。スクリーン18は、例えば所定間隔で並べられた複数のバーを備えた装置であって、草木又はゴミ等の塵芥を捕捉する。スクリーン18により、取水槽17の海水に含まれる大きな塵芥が除かれる。これにより、後述する第1水車3が塵芥によって傷つけられる可能性が低減される。冷却水供給管15を介して復水器11に導かれた冷却水は、蒸気と熱交換した後、冷却水排出管16を介して復水器11から排出される。冷却水排出管16は、放水路2に繋がっている。
【0017】
図2は、本実施形態に係る放水路の周辺を示す平面図である。図3は、図2におけるA−A断面図である。図4は、本実施形態に係る第1水車の斜視図である。図2及び図3に示すように、本実施形態に係る発電システム1は、放水路2と、台座5と、第1水車3と、発電機4と、第1整流板61と、第2整流板62とを備える。
【0018】
放水路2は、冷却水排出管16と海10とを繋ぐ水路であって、冷却水を海10へ導く。図3に示すように、放水路2は例えば開水路である。開水路とは、水面を有する水路である。放水路2は例えばコンクリートで形成されている。例えば、放水路2と海10との間の境界面101は、平面視において、海岸近傍を流れる潮流の方向である潮流方向DTに沿っている。境界面101は、放水路2の下流側の縁を含む面であって、本実施形態においては鉛直平面である。放水路2は、基準部21と、幅広部23と、拡幅部22とを備える。
【0019】
基準部21は、例えばポンプ14の設計流量に応じた所定の断面積を有する。断面積は、放水路2の流れ方向DFに対して直交する断面の面積を意味する。流れ方向DFは、放水路2の長手方向に等しい。本実施形態においては、流れ方向DFは境界面101に対して垂直な方向であるともいえる。基準部21の幅及び深さは一定である。幅広部23は、基準部21よりも下流側に配置されている。幅広部23の断面積は、例えば一定であって、基準部21の断面積より大きい。具体的には、幅広部23の幅は基準部21の幅より大きく且つ幅広部23の深さは基準部21の深さより大きい。拡幅部22は、基準部21と幅広部23とを繋いでいる。拡幅部22の断面積は、下流に向かって大きくなっている。すなわち、拡幅部22の幅及び深さが下流に向かって大きくなっている。拡幅部22の最も上流側での断面積は、基準部21の断面積に等しい。拡幅部22の最も下流側での断面積は、幅広部23の断面積に等しい。
【0020】
台座5は、第1水車3を水中で支持する部材である。台座5は、図3に示すように拡幅部22の底に固定されている。台座5は、例えば鋼鉄で形成されている。台座5は、鉛直方向に沿うポール51を備える。ポール51は、例えば軸受を介して第1水車3を支持する。第1水車3は、ポール51によって、鉛直方向に沿う軸を中心に回転できるように支持される。
【0021】
第1水車3は、放水路2を流れる水の運動エネルギーを発電機4の動力に変換するための部材である。第1水車3は、例えばいわゆる垂直型である。すなわち、第1水車3は水の流れに対して直交する回転軸を有する装置である。第1水車3は、基準部21よりも下流側に配置されている。より詳細には、基準部21よりも下流側とは、基準部21の下流側端部よりも下流側を意味する。より具体的には、第1水車3は、台座5の鉛直方向上側に配置されており、台座5に支持されている。すなわち、第1水車3は、拡幅部22に配置されている。また、図2及び図3に示すように、第1水車3は、放水路2の流れ方向DFで見て基準部21に重なる位置に配置される。すなわち、図2に示すように、平面視で、基準部21の幅方向の長さに等しい幅の水平帯状領域A1内に第1水車3が配置されている。幅方向は、水平方向のうち水の流れに対して直交する方向を意味する。さらに、図3に示すように幅方向に対して直交する断面において、基準部21の鉛直方向の長さ(深さ)に等しい幅の鉛直帯状領域A2内に第1水車3が配置されている。
【0022】
図4に示すように、第1水車3は、シャフト31と、ブレード32と、を備える。シャフト31は、鉛直方向に沿う棒状の部材であって、例えば軸受を介して台座5のポール51に支持されている。ブレード32は、例えば2つの連結部321と、3つの翼部322とを備える。連結部321は、シャフト31に固定されており、シャフト31と共に回転する。連結部321は、3つの翼部322を連結している。翼部322は、鉛直方向に沿う板状部材である。翼部322の水平断面は、いわゆる翼型の形状を有する。翼部322に水平方向に流れる水が当たると、ブレード32及びシャフト31が、鉛直方向に沿う軸を中心に回転する。
【0023】
発電機4は、例えば放水路2の近傍の陸上に配置されており、シャフト41を備える。シャフト41は、鉛直方向に沿う棒状の部材であって、動力伝達部材39によって第1水車3のシャフト31に接続されている。動力伝達部材39は、例えばベルトである。シャフト31で生じたトルクは、動力伝達部材39を介してシャフト41に伝達される。このため、放水路2の水流によって第1水車3が回転すると、シャフト41も回転する。発電機4は、シャフト41の回転に応じて発電する。すなわち、第1水車3及び発電機4は、放水路2の水が有する運動エネルギーを電気エネルギーに変換する水力発電装置である。発電機4で生じた電気は、発電機4に接続された送電線によって変電所等に送られる。
【0024】
第1整流板61は、水の流れを整えるための部材であって、平面視で流れ方向DFに沿う板状部材である。第1整流板61は、第1水車3の上流側に配置されている。具体的には、第1整流板61は基準部21に配置されている。複数の第1整流板61が、基準部21の幅方向に等間隔に並べられている。第1整流板61を通過した水が第1水車3に当たることで、ブレード32及びシャフト31が回転する。
【0025】
第2整流板62は、水の流れを整えるための部材であって、平面視で放水路2の流れ方向DFに対して角度をなす板状部材である。第2整流板62は、第1水車3の下流側に配置されている。具体的には、第2整流板62は幅広部23に配置されている。複数の第2整流板62が、幅広部23の幅方向に並べられている。また、複数の第2整流板62は、第1水車3を中心として放射状に配置されている。第2整流板62は、第1水車3を通過した水の流れを整える。
【0026】
なお、第1水車3は、必ずしも流れ方向DFで見て基準部21に重なる位置に配置されていなくてもよい。また、第1水車3が流れ方向DFで見て基準部21に重なる位置に配置される場合でも、必ずしも第1水車3の全ての部分が流れ方向DFで見て基準部21に重ならなくてもよい。第1水車3の少なくとも一部が流れ方向DFで見て基準部21に重なっていればよい。すなわち、平面視で第1水車3の少なくとも一部が水平帯状領域A1内に位置しており、且つ幅方向に対して直交する断面において第1水車3の少なくとも一部が鉛直帯状領域A2内に位置していればよい。
【0027】
なお、第1水車3は、必ずしも垂直型でなくてもよく、水の流れによって回転する装置であればよい。例えば、第1水車3は水平型であってもよい。すなわち、第1水車3は、水の流れ方向DFに平行な回転軸を有する装置であってもよい。
【0028】
なお、発電機4は、必ずしも陸上に配置されていなくてもよい。例えば、発電機4が、陸上から水面上に突出する支持部材等に固定されることで、第1水車3の鉛直方向上方に配置されていてもよい。また、発電機4は、水中に配置されてもよい。発電機4が水中に配置される場合は、水中での使用に耐えうる構造を有する発電機が採用される。
【0029】
以上で説明したように、発電システム1は、放水路2と、第1水車3とを備える。放水路2は、復水器11から排出された海水を海へ導く水路であって、基準部21と、基準部21よりも下流に設けられ且つ基準部21よりも大きな断面積を有する幅広部23とを備える。第1水車3は、基準部21より下流に配置される。
【0030】
これにより、発電システム1は、放水路2を流れる水によって第1水車3が回転するので発電することができる。また、第1水車3によって海水の運動エネルギーが回収されることで海水の流速が低下するが、第1水車3を通過した海水が基準部21よりも広い断面積を有する流路を介して海へ流下するため、基準部21における水の流れが妨げられにくい。このため、ポンプ14の負荷上昇が抑制される。したがって、発電システム1は、復水器11から排出された海水の運動エネルギーを回収して発電でき且つ復水器11へ海水を汲み上げるポンプ14の負荷上昇を抑制できる。
【0031】
また、発電システム1において、放水路2は、基準部21と幅広部23とを繋ぎ且つ下流に向かって大きくなる断面積を有する拡幅部22を備える。第1水車3は、拡幅部22に配置される。これにより、基準部21と幅広部23とが直接繋がれる場合に比較して、水の流れに渦が生じにくくなる。このため、水の流れが滑らかになりやすい。第1水車3が拡幅部22に配置されることで、第1水車3が幅広部23に配置される場合に比較して第1水車3に当たる水の流速が大きくなりやすい。このため、発電システム1による発電量が向上しやすい。
【0032】
また、第1水車3は、放水路2の流れ方向DFで見て基準部21に重なる位置に配置される。放水路2の流れ方向DFで見て基準部21に重なる位置は、その他の位置よりも流速が低下しにくい。このため、第1水車3に当たる水の流速が大きくなりやすいので、発電システム1による発電量が向上しやすい。
【0033】
(変形例1)
図5は、変形例1に係る放水路の周辺を示す平面図である。図6は、図5におけるB−B断面図である。変形例1に係る発電システム1Aは、第1水車3Aと、第1整流板63とを備える。第1水車3Aは、上述した第1水車3と比較して、配置される位置が相違する。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0034】
図5に示すように、第1水車3Aは、境界面101に重なる位置に配置される。具体的には、境界面101に重なる位置に配置された台座5Aの鉛直方向上側に第1水車3Aが配置されている。すなわち、第1水車3Aは、幅広部23の下流側の端部に配置されている。また、図5及び図6に示すように、第1水車3Aは、放水路2の流れ方向DFで見て基準部21に重なる位置に配置される。すなわち、図5に示すように、平面視で、水平帯状領域A1内に第1水車3Aが配置されている。図6に示すように幅方向に対して直交する断面において、鉛直帯状領域A2内に第1水車3Aが配置されている。
【0035】
第1整流板63は、水の流れを整えるための部材であって、平面視で放水路2の流れ方向DFに沿う板状部材である。第1整流板63は、第1水車3Aの上流側に配置されている。具体的には、第1整流板63は幅広部23に配置されている。複数の第1整流板63が、幅広部23の幅方向に等間隔に並べられている。
【0036】
上述したように、第1水車3Aは、海10と放水路2との間の境界面101に重なる位置に配置される。これにより、第1水車3Aの位置が基準部21から遠くなるので、第1水車3Aが基準部21の流れをより妨げにくくなる。その一方で、海岸に沿う潮流により、境界面101付近では水がいわゆるエジェクタ効果によって海10の方向へ引っ張られる。このため、境界面101付近の水の流速が大きくなりやすい。したがって、発電システム1Aは、基準部21の水の流れに対する影響を小さくできると共に、発電量を向上させやすい。
【0037】
(変形例2)
図7は、変形例2に係る放水路の周辺を示す平面図である。図8は、図7におけるC−C断面図である。変形例2に係る発電システム1Bは、第1水車3と、第2水車3Bと、第3整流板64とを備える。変形例2に係る発電システム1Bは、複数の第1水車(第1水車3及び第2水車3B)を備える点で、上述した実施形態と相違する。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0038】
図7に示すように、第2水車3Bは、境界面101に重なる位置に配置される。具体的には、境界面101に重なる位置に配置された台座5Bの鉛直方向上側に第2水車3Bが配置されている。すなわち、第2水車3Bは、幅広部23の下流側の端部に配置されている。また、幅方向における第2水車3Bの位置は、幅方向における第1水車3の位置と異なる。すなわち、第2水車3Bの位置は、第1水車3の位置に対して幅方向にずれている。第2水車3Bは、第2動力伝達部材39Bで第2発電機4Bに連結されている。
【0039】
第3整流板64は、水の流れを整えるための部材であって、平面視で放水路2の流れ方向DFに沿う板状部材である。第3整流板64は、第2整流板62の下流側且つ第2水車3Bの上流側に配置されている。すなわち、第3整流板64は、第2整流板62と第2水車3Bとの間に配置されている。具体的には、第3整流板64は幅広部23に配置されている。複数の第3整流板64が、幅広部23の幅方向に等間隔に並べられている。例えば、第3整流板64は、第2整流板62と一体である。なお、第3整流板64は、第2整流板62と一体でなくてもよく、第2整流板62とは別部材であってもよい。第2整流板62及び第3整流板64により、第1水車3によって乱された水流が整えられる。そして、整えられた水流が第2水車3Bに至る。
【0040】
上述したように、発電システム1Bは、第1水車3より下流に配置される第2水車3Bを備える。放水路2の幅方向における第2水車3Bの位置は、幅方向における第1水車3の位置と異なる。これにより、第2水車3Bは、第1水車3の影響を受けにくい。具体的には、幅方向における第2水車3Bの位置が幅方向における第1水車3の位置と同じである場合と比較して、第1水車3の影響によって第2水車3Bに当たる水の流速の減少が起こりにくい。したがって、発電システム1Bは、発電量を向上させやすい。
【0041】
(変形例3)
図9は、変形例3に係る放水路の周辺を示す平面図である。図10は、図9におけるD−D断面図である。変形例3に係る発電システム1Cは、支持部材29と、第1水車3Cと、発電機4Cとを備える。変形例3に係る発電システム1Cは、吊り下げられる第1水車3Cを有する点で、上述した実施形態と相違する。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0042】
支持部材29は、第1水車3C及び発電機4Cを支持するための部材である。例えば支持部材29は、図9及び図10に示すように、放水路2の一方の岸から他方の岸に架け渡されている。なお、支持部材29は、放水路2の一方の岸から放水路2の水面上に突出する部材であってもよい。支持部材29は、第1水車3C及び発電機4Cを支持できればよく、支持部材29の構造は特に限定されない。
【0043】
図10に示すように、発電機4Cは、支持部材29の上面に配置されている。発電機4Cのシャフト41Cが支持部材29を貫通しており、支持部材29の下方に突出している。図10に示すように、第1水車3Cは、支持部材29の下方に吊り下げられている。具体的には、第1水車3Cのシャフト31Cが発電機4Cのシャフト41Cに接合されている。ブレード32に水が当たると、シャフト31C及びシャフト41Cが一体に回転することで、発電機4Cが発電する。
【0044】
(変形例4)
図11は、変形例4に係る放水路の周辺を示す断面図である。変形例4に係る発電システム1Dは、放水路2Dと、第1水車3Dと、発電機4Dとを備える。変形例4に係る発電システム1Dは、管路である放水路2Dを有する点で、上述した実施形態と相違する。なお、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0045】
放水路2Dは、上述した放水路2と同様に、冷却水排出管16(図1参照)と海10とを繋ぐ水路であって、冷却水を海10へ導く。図11に示すように、変形例4に係る放水路2Dは管路である。管路は、水面を有さない水路である。放水路2Dは、地中に配置されており、斜面である海底で開口している。放水路2Dと海10との間の境界面101Dは、放水路2Dの下流側の縁を含む面であって、変形例4においては水平面に対して角度をなす平面である。放水路2Dは、基準部21Dと、幅広部23Dと、拡幅部22Dとを備える。基準部21Dは、例えばポンプ14(図1参照)の設計流量に応じた所定の断面積を有する。幅広部23Dは、基準部21Dよりも下流側に配置されている。幅広部23Dの断面積は、基準部21Dの断面積より大きい。拡幅部22Dは、基準部21Dと幅広部23Dとを繋いでいる。拡幅部22Dの断面積は、下流に向かって大きくなっている。
【0046】
図11に示すように、発電機4Dは、例えば放水路2Dの底面に固定されている。例えば、発電機4Dは、幅広部23Dの下流側の端部に配置されている。発電機4Dは、水中で使用できる発電機である。発電機4Dのシャフト41Dが、上方に突出している。
【0047】
図11に示すように、第1水車3Dは、境界面101Dに重なる位置に配置されている。また、放水路2Dの流れ方向DFで見て、基準部21Dに重なる位置に配置されている。例えば、第1水車3Dは、発電機4Dに支持されている。第1水車3Dのシャフト31Dが発電機4Dのシャフト41Dに接合されている。ブレード32に水が当たると、シャフト31D及びシャフト41Dが一体に回転することで、発電機4Dが発電する。発電機4Dで生じた電気は、水中に設けられた送電線によって変電所等に送られる。
【符号の説明】
【0048】
1、1A、1B、1C、1D 発電システム
10 海
101 境界面
11 復水器
12 ボイラ
13 タービン
14 ポンプ
15 冷却水供給管
16 冷却水排出管
17 取水槽
18 スクリーン
2、2D 放水路
21、21D 基準部
22、22D 拡幅部
23、23D 幅広部
3、3A、3C、3D 第1水車
3B 第2水車
31、31C、31D シャフト
32 ブレード
321 連結部
322 翼部
39 動力伝達部材
39B 第2動力伝達部材
4、4C、4D 発電機
4B 第2発電機
41、41C、41D シャフト
5、5A、5B 台座
51 ポール
61、63 第1整流板
62 第2整流板
64 第3整流板
A1 水平帯状領域
A2 鉛直帯状領域
DF 流れ方向
DT 潮流方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11

【手続補正書】
【提出日】2017年5月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項1】
復水器から排出された海水を海へ導く水路であって、基準部と、前記基準部よりも下流に設けられ且つ前記基準部よりも大きな断面積を有する幅広部とを備える放水路と、
前記基準部より下流に配置される第1水車と、
前記第1水車より下流に配置される第2水車と、
を備え
前記放水路の幅方向における前記第2水車の位置は、前記幅方向における前記第1水車の位置と異なる
発電システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項5】
復水器から排出された海水を海へ導く水路であって、基準部と、前記基準部よりも下流に設けられ且つ前記基準部よりも大きな断面積を有する幅広部とを備える放水路と、
前記基準部より下流に配置される第1水車と、
を備え、
前記第1水車は、前記海と前記放水路との間の境界面に重なる位置に配置される
発電システム。
【国際調査報告】