特表-18051698IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年3月22日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】圧電発電装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/083 20060101AFI20181130BHJP
   H01L 41/113 20060101ALI20181130BHJP
   H01L 41/31 20130101ALI20181130BHJP
   H01L 41/047 20060101ALI20181130BHJP
   H02N 2/18 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   H01L41/083
   H01L41/113
   H01L41/31
   H01L41/047
   H02N2/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】特願2018-539572(P2018-539572)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年8月10日
(31)【優先権主張番号】特願2016-181403(P2016-181403)
(32)【優先日】2016年9月16日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 講平
【テーマコード(参考)】
5H681
【Fターム(参考)】
5H681AA12
5H681BB08
5H681DD23
5H681DD37
5H681DD39
5H681EE10
5H681FF08
(57)【要約】
圧電体の破損が生じ難い圧電発電装置を提供する。
支持体2に圧電素子4が貼り合わされている圧電発電装置1。圧電素子4に第1及び第2の端子23,24が電気的に接続されている。圧電素子4が、圧電体11を有し、圧電体11の第1の主面11aに、第1,第2の端子23,24にそれぞれ電気的に接続されている第1及び第2の電極12,20aが設けられており、圧電素子4が、第1の主面11a側から支持体2に貼り合わされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
前記支持体に貼り合わされた圧電素子と、
前記圧電素子に電気的に接続されている第1及び第2の端子とを備え、
前記圧電素子が、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電体と、前記第1の主面に設けられており、前記第1,第2の端子にそれぞれ電気的に接続されている第1及び第2の電極とを有し、
前記圧電素子が、前記圧電体の前記第1の主面側から前記支持体に貼り合わされている、圧電発電装置。
【請求項2】
前記圧電体が、複数の圧電体層を有する積層型圧電体である、請求項1に記載の圧電発電装置。
【請求項3】
前記積層型圧電体内に設けられており、前記圧電体層を介して対向している複数の内層電極を有し、前記複数の内層電極が、前記第1の主面から前記第2の主面に向かう前記積層型圧電体の厚み方向において交互に、前記第1の電極または前記第2の電極に電気的に接続されている、請求項2に記載の圧電発電装置。
【請求項4】
前記支持体の前記圧電素子に貼り合わされている面に、凹部が設けられており、前記第1,第2の端子が、前記凹部内から、前記支持体外に引き出されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧電発電装置。
【請求項5】
前記凹部が、前記第1の端子が配置されている第1の凹部と、前記第2の端子が配置されている第2の凹部とを有する、請求項4に記載の圧電発電装置。
【請求項6】
前記圧電体の前記第2の主面に、第3の電極が設けられており、前記第3の電極は、前記第2の電極に電気的に接続されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧電発電装置。
【請求項7】
前記第3の電極が、前記第2の主面のほぼ全面に設けられている、請求項6に記載の圧電発電装置。
【請求項8】
前記圧電体の前記第2の主面に設けられている、保護層をさらに備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の圧電発電装置。
【請求項9】
前記凹部の深さが、前記第1,第2の端子の厚み以上である、請求項4に記載の圧電発電装置。
【請求項10】
前記支持体が、前記圧電体が貼り合わされている板状部と、前記板状部における前記圧電体が貼り合わされている面の反対側から前記圧電体と遠ざかる方向に延びている複数の脚部とを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の圧電発電装置。
【請求項11】
前記複数の脚部が、前記圧電素子を平面視した場合、前記支持体の外周縁に沿って、分散配置されている、請求項10に記載の圧電発電装置。
【請求項12】
前記複数の脚部が、前記外周縁に沿って等間隔で配置されている、請求項10に記載の圧電発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電素子と支持体とが貼り合わされており、圧電体及び支持体を押圧により変形させて電力を取り出す、圧電発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電素子の変形を利用した圧電発電装置が種々提案されている。下記の特許文献1では、柔軟性を有するシートの両面に圧電フィルムが積層されている。各圧電フィルムの表面及び裏面のそれぞれから、外部と電気的に接続するための端子が引き出されている。
【0003】
また、下記の特許文献2には、金属板からなる支持体上に、接着剤を用いて、積層型圧電素子が貼り合わされている。この積層型圧電素子は、積層型圧電体の第1,第2の主面に設けられた第1,第2の外層電極と、第1,第2の外層電極と圧電体層を介して重ねられている内層電極とを有する。第1,第2の外層電極が、積層型圧電体の一方端面に設けられている第1の端子電極により接続されている。また、内層電極が、他方端面に設けられた第2の端子電極に電気的に接続されている。電力を取り出すために、上記第1,第2の端子電極にそれぞれ、端子を接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−9569号公報
【特許文献2】特開2016−96252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の圧電発電装置では、圧電フィルムの柔軟性を有するシートに積層されている側の面と、反対側の面とで、変形に際し応力差が生じる。従って、圧電フィルムの柔軟性を有するシートに積層されている側とは反対側の面において、圧電フィルムに破損が生じたり、端子との接合部分が破損したりするおそれがあった。特許文献2に記載の圧電発電装置でも同様の問題があった。
【0006】
さらに、特許文献2に記載の圧電発電装置では、積層型圧電素子においては、発電に寄与しない未分極領域が生じる。この未分極領域と、分極されている領域との間の応力差によっても、圧電体が破損するおそれがあった。
【0007】
本発明の目的は、製造時の応力や駆動時の応力により、圧電体の破損が生じ難い、圧電発電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る圧電発電装置は、支持体と、前記支持体に貼り合わされた圧電素子と、前記圧電素子に電気的に接続されている第1及び第2の端子とを備え、前記圧電素子が、対向し合う第1,第2の主面を有する圧電体と、前記第1の主面に設けられており、前記第1,第2の端子にそれぞれ電気的に接続されている第1及び第2の電極とを有し、前記圧電素子が、前記圧電体の前記第1の主面側から前記支持体に貼り合わされている、圧電発電装置である。
【0009】
本発明に係る圧電発電装置のある特定の局面では、前記圧電体が、複数の圧電体層を有する積層型圧電体である。この場合には、より一層大きな電力を取り出すことができる。
【0010】
本発明に係る圧電発電装置の他の特定の局面では、前記積層型圧電体内に設けられており、前記圧電体層を介して対向している複数の内層電極を有し、前記複数の内層電極が、前記第1の主面から前記第2の主面に向かう前記積層型圧電体の厚み方向において交互に、前記第1の電極または前記第2の電極に電気的に接続されている。
【0011】
本発明に係る圧電発電装置の別の特定の局面では、前記支持体の前記圧電素子に貼り合わされている面に、凹部が設けられており、前記第1,第2の端子が、前記凹部内から、前記支持体外に引き出されている。この場合には、凹部内に第1,第2の端子が配置されるため、第1,第2の端子が設けられている部分における圧電素子に加わる応力の増大を抑制することができる。
【0012】
本発明に係る圧電発電装置の別の特定の局面では、前記凹部が、前記第1の端子が配置されている第1の凹部と、前記第2の端子が配置されている第2の凹部とを有する。
【0013】
本発明に係る圧電発電装置のさらに他の特定の局面では、前記圧電体の前記第2の主面に、第3の電極が設けられており、前記第3の電極は、前記第2の電極に電気的に接続されている。この場合には、圧電体の第2の主面側までの部分を利用して、発電を行なわせることができる。
【0014】
本発明に係る圧電発電装置のさらに他の特定の局面では、前記第3の電極が、前記第2の主面のほぼ全面に設けられている。この場合には、より一層大きな電力を取り出すことができる。
【0015】
本発明に係る圧電発電装置の別の特定の局面では、前記圧電体の前記第2の主面に設けられている、保護層がさらに備えられている。この場合には、圧電発電装置の耐湿性を高めたり、圧電体を外部から機械的に保護したりすることができる。
【0016】
本発明に係る圧電発電装置の別の特定の局面では、前記凹部の深さが、前記第1,第2の端子の厚み以上である。この場合には、第1,第2の端子を設けたことによる、圧電体に加わる応力の増大を抑制することができる。
【0017】
本発明に係る圧電発電装置のさらに他の特定の局面では、前記支持体が、前記圧電体が貼り合わされている板状部と、前記板状部における前記圧電体が貼り合わされている面の反対側から前記圧電体と遠ざかる方向に延びている複数の脚部とを有する。
【0018】
本発明に係る圧電発電装置のさらに他の特定の局面では、前記複数の脚部が、前記圧電素子を平面視した場合、前記支持体の外周縁に沿って、分散配置されている。この場合には、圧電素子に、圧電体の第1,第2の主面と直交する方向に応力を加えた場合に、圧電体を効果的に変形させることができる。従って、より一層大きな電力を取り出すことができる。
【0019】
本発明に係る圧電発電装置のさらに他の特定の局面では、前記複数の脚部が、前記外周縁に沿って等間隔で配置されている。この場合には、圧電発電装置の圧電体の第1,第2の主面の法線方向から外力を加えて圧電体を変形させた場合、圧電発電装置の姿勢を安定に保つことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る圧電発電装置によれば、製造時や発電時に、応力が圧電素子に加わったとしても、圧電体の破損が生じ難い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る圧電発電装置の正面断面図である。
図2図2は、本発明の第1の実施形態で用いられている圧電素子の平面図である。
図3図3は、本発明の第1の実施形態で用いられている圧電素子の下面に設けられた電極形状を説明するための透視図である。
図4図4は、本発明の第1の実施形態で用いられている支持体の模式的平面図である。
図5図5(a)及び図5(b)は、第1の実施形態で用いられている支持体の斜視図及び支持体の脚部を取り出して示す斜視図である。
図6図6は、本発明の第1の実施形態に係る圧電発電装置において、応力が加わった際の変形状態を説明するための模式図である。
図7図7は、本発明の第2の実施形態に係る圧電発電装置の正面断面図である。
図8図8は、本発明の第1の実施形態の圧電発電装置を含む発電システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。なお、図面において、圧電発電装置の大きさ及び厚さなどは便宜上誇張して表現されることがある。
【0023】
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る圧電発電装置の正面断面図である。圧電発電装置1は、支持体2と、接着剤層3と、圧電素子4と、接着剤層5と、保護層6とを有する。なお、図1では、圧電素子4では、その積層構造を見やすくするために、圧電素子4の厚みが、支持体2の板状部2aの厚みよりもかなり厚く図示されているが、特に限定されるわけではない。実際には、板状部2aと、圧電素子4の厚みは、ほぼ同等とされている。
【0025】
図5(a)に示すように、支持体2は、平面形状が正方形の板状部2aと、板状部2aの下面から下方に、すなわち圧電素子4から遠ざかる方向に延びている複数の脚部2bとを有する。図5(b)に、1つの脚部2bを取り出して模式的に示す。本実施形態では、脚部2bは、三角柱の形状を有している。もっとも、脚部の形状は、円柱、四角柱などの他の形状であってもよく、また円錐台や角錐台などの形状であってもよく、特に限定されるものではない。板状部2aの平面形状についても、正方形や長方形のような矩形に限らず、円形等の任意の形状とすることができる。
【0026】
後述するように、支持体2の板状部2aが、発電時に、圧電素子4と共に屈曲変形する。従って、支持体2の板状部2aは、金属板などの弾性板からなることが望ましい。このような金属板の材料としては、ステンレス、SUSなどの適宜の金属もしくは合金を挙げることができる。
【0027】
脚部2bは、板状部2aと一体に形成されているが、別部材の脚部2bが板状部2aに接合されていてもよい。
【0028】
図4は、支持体2の模式的平面図である。複数の脚部2bは、破線で示すように、正方形の平面形状を有する板状部2aの各コーナー部に設けられている。従って、複数の脚部2bは、支持体2を平面視した場合、支持体2の外周縁に沿って、等間隔で配置されている。本発明においては、好ましくは、複数の脚部は支持体の外周縁に沿って等間隔で配置されていることが望ましい。それによって、発電時の変形した板状部2aを、複数の脚部により、より確実に支持することができる。
【0029】
図1に戻り、支持体2の上面2a1に、接着剤層3を介して、圧電素子4が貼り合わされている。接着剤層3の材料としては、エポキシ樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤などの適宜の絶縁性接着剤を用いることができる。また、後述する端子23,24との電気的絶縁を図り得るのであれば、接着剤層3として導電性接着剤を用い、支持体2を金属で構成することにより、圧電素子4の一方の電位に接続される電極を、支持体2に電気的に接続することができる。
【0030】
圧電素子4は、本実施形態では、圧電体としての積層型圧電体11を有する。積層型圧電体11は、支持体2と同じ平面形状を有している。積層型圧電体11は、対向し合う第1の主面11aと、第2の主面11bと第1,第2の端面11c,11dとを有する。圧電体としての積層型圧電体11の第1の主面11a側から、圧電素子4が、接着剤層3により支持体2に貼り合わされている。
【0031】
積層型圧電体11は、複数の圧電体層を有する。そして、第1の主面11a及び第2の主面11bに外層電極12,13がそれぞれ設けられている。外層電極12が、本発明において、第1の主面11aに設けられる第1の電極である。また、本発明における第2の電極は、後述する接続電極20aである。すなわち、圧電素子4は、圧電体としての積層型圧電体11と、第1の電極としての外層電極12と、第2の電極としての接続電極20aとを有する。また、積層型圧電体11内には、外層電極12側から、外層電極13に向かって、複数の内層電極14〜18が順に積層されている。図2は、本実施形態で用いられている圧電素子の平面図であり、図3は、圧電素子の下面に設けられている電極形状を説明するための透視図である。外層電極13は、本発明における第3の電極である。外層電極13は、略正方形の形状を有しており、第1の主面11aの外周縁からギャップを隔てて設けられている。すなわち、外層電極13の外側に、矩形枠状のギャップ領域が設けられている。もっとも、第1の端面11cの一部に至るように外層電極13が設けられている。上記内層電極15,17は、外層電極13と同じ平面形状を有している。
【0032】
そして、第1の端面11cに、図2に示す接続電極19が設けられている。この接続電極19は、第1の端面11cにおいて、第2の主面11bから第1の主面11aに至るように上下方向に延ばされている。
【0033】
図3に示すように、圧電素子4の下面には、外層電極12と、接続電極20aが設けられている。外層電極12は、第1の端面11cに引き出されており、上述した接続電極19に電気的に接続されている。他方、接続電極20aも、第1の端面11cに引き出されている。そして、接続電極20aは、図1及び図2に示す接続電極20に電気的に接続されている。すなわち、接続電極20は、図1に示すように、第1の端面11cにおいて、上下方向に延びている。また、図2に示すように、接続電極20は、接続電極19と、第1の端面11cにおいて、横方向に隔てられて設けられている。
【0034】
図1に示すように、内層電極14,16,18は、第1の端面11cに引き出されており、接続電極20に電気的に接続されている。従って、内層電極14,16,18は、接続電極20を介して、接続電極20aに接続されている。
【0035】
内層電極14,16,18は、外層電極13と同様に正方形の形状を有し、ただし、接続電極19ではなく、接続電極20に向かって延ばされている部分を有する。
【0036】
上記積層型圧電体11の圧電体層は、厚み方向において交互に逆方向に分極処理されている。
【0037】
積層型圧電体11は、チタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスからなる。外層電極12,13、内層電極14〜18、接続電極19,20,20aは、適宜の金属もしくは合金からなる。
【0038】
図4に示すように、支持体2の上面2a1には、外周縁に開いた凹部2d,2eが設けられている。凹部2dは本発明における第1の凹部であり、凹部2eは本発明における第2の凹部である。この凹部2d,2eが設けられている位置に、第1の端子23及び第2の端子24が配置される。
【0039】
図1では、上記第2の端子24が配置されている部分の断面が示されている。第2の端子24は、導電性接着剤21により、第2の電極としての接続電極20aに接合されている。図1では示されていないが、図4の凹部2dが設けられている部分において、第1の端子23が、図1図3に示した第1の電極としての外層電極12に導電性接着剤により接合されている。それによって、積層型の圧電素子4が、第1,第2の端子23,24により外部と電気的に接続される。上記第1,第2の端子23,24は、適宜の金属もしくは合金からなる。
【0040】
図1に示すように、第2の端子24が導電性接着剤21により接合されている部分の厚みを吸収するために、凹部2eが設けられている。従って、好ましくは、凹部2eの深さは、第2の端子24の厚み以上であることが望ましく、より好ましくは第2の端子24の厚みよりも大きいことが望ましく、さらに好ましくは、凹部2eの深さは、第2の端子24の厚みと、導電性接着剤21の厚みから、外層電極12の厚みを減算した値よりも大きいことが望ましい。それによって、後述の発電動作時の屈曲変形に際し、第2の端子24が存在している部分において、積層型圧電体11に大きな応力が加わることを抑制することができる。凹部2dの深さについても、好ましくは、第1の端子23の厚み以上であることが望ましく、より好ましくは、第1の端子23の厚みよりも大きいことが望ましく、さらに好ましくは、第1の端子23の厚みと、導電性接着剤の厚みから、外層電極12の厚みを減算した値よりも大きいことが望ましい。
【0041】
積層型圧電体11の第2の主面11b上に、接着剤層5を介して、保護層6が積層されている。接着剤層5は、エポキシ樹脂系接着剤や、アクリル樹脂系接着剤などの適宜の絶縁性接着剤からなる。上記保護層6としては、有機または無機の絶縁体を用いることができる。好ましくは、発電時の変形を抑制し難いため、合成樹脂フィルムなどの有機フィルムを用いることが望ましい。保護層6を設けることにより、変形時の外層電極13や積層型圧電体11の破損を抑制することができる。また、他の電気的部材との所望でない短絡も抑制することができる。
【0042】
次に、圧電発電装置1による発電動作を説明する。発電に際しては、圧電発電装置1において、積層型圧電体11の上方から下方に向けて外力を繰り返し加える。圧電素子4の上方から外力が加わると、図6に模式図で示すように、支持体2の板状部2aと、圧電素子4とが、これらの中央部が下方に突出するように、支持体2及び圧電素子4が屈曲変形する。この変形に伴って、圧電素子4の各圧電体層に電荷が生じる。そして、生じた電荷による電力が、第1の端子23及び第2の端子24から取り出される。なお、発電に際しては、圧電発電装置1において、積層型圧電体11の下方から上方に向けて外力を繰り返し加えることにより、発電動作を行ってもよい。
【0043】
前述したように、外層電極12,13及び複数の内層電極14〜18は、積層型圧電体11を平面視した場合の外周縁位置の領域を除く大きな矩形の領域を占めている。従って、複数の内層電極14〜18及び外層電極12,13の対向面積が大きい。よって、大きな電極を取り出すことができる。
【0044】
特に、外層電極13は、第2の主面11bのほぼ全面にわたっている。従って、大きな電力を取り出すことができる。
【0045】
圧電発電装置1では、上記発電に際し、繰り返し図6に矢印で示した応力が加わる。しかしながら、圧電発電装置1では、圧電素子4の破損や端子との接合部分の破損が生じ難い。これを以下においてより詳細に説明する。
【0046】
まず、支持体2と、圧電素子4とが積層されている構造では、図6に示すように変形した場合、第1の主面11aに引張応力が加わり、第2の主面11bに圧縮応力が加わる。一般に、セラミックスは、圧縮強度は高いが、引張強度は弱い。
【0047】
しかしながら、第1の主面11aが支持体2に貼り合わされているため、この構造では、引張応力は、第1の主面11aよりも、支持体2の板状部2a側に大きく発生する。すなわち、圧電素子4と支持体2とが積層されている部分の界面である第1の主面11aは中立面となり、大きな引張応力が加わり難い。そのため、上記変形を繰り返したとしても、圧電素子4における積層型圧電体11の破損が生じ難い。
【0048】
また、発電動作時だけでなく、製造工程においても、積層型圧電体11に第1,第2の端子23,24が導電性接着剤21などで接合される際に、積層型圧電体11を構成しているセラミックスの線膨張係数、導電性接着剤21の硬化物の線膨張係数、第1,第2の端子23,24の線膨張係数などの差や弾性率の差により応力が生じることがある。このような応力が生じたとしても、上記のように、積層型圧電体11の破損や、積層型圧電体11と第1,第2の端子23,24との接合部分の破損が生じ難い。
【0049】
さらに、第1,第2の端子23,24は、上記第1の主面11a側から外部に引き出されている。従って、第1の主面11aに大きな応力が加わり難いため、積層型圧電体11と、第1,第2の端子23,24との接合部分の破損も生じ難い。
【0050】
そのため、積層型圧電体11においては、未分極領域が少ないため、屈曲変形による積層型圧電体11の破損が生じ難い。圧電セラミックスを用いた圧電素子では、分極領域と、未分極領域との間で、変形による応力差が生じる。そのため、分極領域と未分極領域との境界部分において破損するおそれがある。圧電発電装置1では、未分極領域が小さいため、このような破損も生じ難い。また、圧電素子4の未分極領域の接着面積を小さくすることができるため、それによっても、発電に際しての効率を高めることができる。
【0051】
積層型圧電体11では、外層電極12,13及び内層電極14,15,16,17,18が厚み方向において重なり合っている領域が分極領域となり、その他の領域が未分極領域となる。もっとも、例えば、第1の主面11aに最も近い圧電体層は、外層電極12と、内層電極14とにより挟まれている。この場合、外層電極12と内層電極14が重なり合っている領域だけでなく、端面11c側においても、外層電極12と内層電極14との間に、幾分かの分極の弱い領域が生じる。すなわち、分極が完全になされない領域は、接続電極20aと、内層電極14とが重なり合っている部分となる。このように、完全な未分極領域が小さい。
【0052】
図7は、本発明の第2の実施形態に係る圧電発電装置31の正面断面図である。圧電発電装置31では、支持体2の板状部2aの上面に接着剤層3を介して、圧電素子4が貼り合わされている。板状部2aの下面にも、接着剤層3Aを介して圧電素子4Aが積層されている。接着剤層3A及び圧電素子4Aは、接着剤層3及び圧電素子4と同様に構成されている。このように、板状部2aの両面に、圧電素子4,4Aを積層してもよい。
【0053】
また、上記圧電素子4は、積層型圧電体11を用いているが、積層型圧電体ではなく、単一の圧電板を用いてもよい。すなわち、圧電板の上面及び下面に電極を形成してなる圧電素子を用いてもよい。
【0054】
図8は、第1の実施形態の圧電発電装置1を用いた発電システムの模式図である。発電システム41は、圧電発電装置1と、圧電発電装置1の第1,第2の端子23,24に接続された負荷42とを有する。このように、圧電発電装置1を繰り返し変形させ、第1,第2の端子23,24から取り出される電力により、負荷42に電力を供給することができる。
【符号の説明】
【0055】
1…圧電発電装置
2…支持体
2a…板状部
2a1…上面
2b…脚部
2d,2e…凹部
3,3A,5…接着剤層
4,4A…圧電素子
6…保護層
11…積層型圧電体
11a,11b…第1,第2の主面
11c,11d…第1,第2の端面
12,13…外層電極
14〜18…内層電極
19,20,20a…接続電極
21…導電性接着剤
23,24…第1,第2の端子
31…圧電発電装置
41…発電システム
42…負荷
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】