特表-18055668IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年3月29日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20181130BHJP
【FI】
   H02M7/48 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2018-540512(P2018-540512)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年9月20日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】山邊 翔太
(72)【発明者】
【氏名】三木 省吾
(72)【発明者】
【氏名】小玉 勝久
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA21
5H770BA02
5H770PA17
5H770PA22
5H770PA24
5H770PA28
5H770PA42
5H770PA44
5H770QA01
5H770QA08
5H770QA22
5H770QA25
5H770QA28
5H770QA37
(57)【要約】
電力変換装置において、筐体本体は、複数の電気部品が実装されている部品実装面と、部品実装面の裏面である冷媒流路面とを有している。冷媒流路面には、冷媒流路溝が設けられている。部品実装面は、蓋に対向する第1の対向部と、第1の対向部に隣り合っており、かつ第1の対向部よりも蓋から離れて蓋に対向する第2の対向部と、第1の対向部と第2の対向部との間に設けられている側面部とを有している。冷媒流路溝は、第1の対向部及び側面部の裏側に位置する第1の流路部分と、第2の対向部の裏側に位置する第2の流路部分とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気部品、及び
前記電気部品が実装されている筐体本体と、前記筐体本体に取り付けられている蓋とを有している筐体
を備え、
前記筐体本体は、部品実装面と、前記部品実装面の裏面である冷媒流路面とを有しており、
前記複数の電気部品は、前記部品実装面に実装されており、
前記冷媒流路面には、冷媒流路溝が設けられており、
前記筐体本体には、前記冷媒流路溝を覆う溝カバーが取り付けられており、
前記部品実装面は、前記蓋に対向する第1の対向部と、前記第1の対向部に隣り合っており、かつ前記第1の対向部よりも前記蓋から離れて前記蓋に対向する第2の対向部と、前記第1の対向部と前記第2の対向部との間に設けられている側面部とを有しており、
前記冷媒流路溝は、前記第1の対向部及び前記側面部の裏側に位置する第1の流路部分と、前記第2の対向部の裏側に位置する第2の流路部分とを有している電力変換装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の対向部が水平となるように前記筐体を置いたとき、
前記第2の流路部分の流れに直交する断面である第2の流路断面の幅寸法は、前記第2の流路断面の上下方向寸法よりも大きく、
前記第1の流路部分の流れに直交する断面である第1の流路断面の幅寸法は、前記第2の流路断面の幅寸法よりも小さく、
前記第1の流路断面の上下方向寸法は、前記第2の流路断面の上下方向寸法よりも大きい請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記冷媒流路溝は、前記筐体の外部から前記冷媒流路溝に冷媒を導入するための導入部分と、前記筐体の外部へ冷媒を導出するための導出部分とをさらに有しており、
前記第1の流路部分、前記第2の流路部分、前記導入部分、及び前記導出部分が直列に接続されている請求項2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記冷媒流路溝の冷媒流れ方向が曲がっている部分に、整流フィンが設けられており、
前記整流フィンの上流側と下流側とで前記冷媒流路溝の断面積が変化している請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記複数の電気部品には、前記第2の対向部に実装されている磁性体部品が含まれている請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記磁性体部品には、トランス及びリアクトルが含まれている請求項5記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記磁性体部品の周囲に伝熱材が充填されている請求項5又は請求項6に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記複数の電気部品には、前記第1の対向部に実装されている電気部品が含まれている請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第1の対向部に実装されている前記電気部品には、スイッチング素子が含まれている請求項8記載の電力変換装置。
【請求項10】
少なくとも一部の前記電気部品が、高さを揃えて前記第1及び第2の対向部に実装されており、かつ共通の基板に接続されている請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項11】
前記筐体本体には、前記第1及び第2の対向部と、前記第1及び第2の対向部の外側の領域との間を仕切る熱仕切壁が設けられている請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記部品実装面の前記熱仕切壁の外側の領域には、前記蓋に対向する第3の対向部が設けられている請求項11記載の電力変換装置。
【請求項13】
前記複数の電気部品には、前記第3の対向部に実装されている低発熱電気部品が含まれている請求項12記載の電力変換装置。
【請求項14】
前記低発熱電気部品には、コンデンサ部及びフィルタ回路部の少なくともいずれか一方が含まれている請求項13記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば電動車両に搭載される電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、電気自動車又はハイブリッド自動車のように、駆動源にモータが用いられている電動車両には、複数の電力変換装置が搭載されている。電力変換装置としては、商用の交流電源から直流電源に変換して高圧バッテリに充電する充電器、高圧バッテリの直流電源から補助機器用のバッテリの電圧(例えば12V)に変換するDC/DCコンバータ、バッテリからの直流電力をモータへの交流電力に変換するインバータ等が挙げられる。
【0003】
近年、上記のような電力変換装置の低価格化、電力変換装置の軽量化による電動車両の燃費向上、電動車両における電力変換装置の実装スペースの縮小化などのため、電力変換装置の小型化が検討されている。
【0004】
また、電力変換装置の小型化に伴い、電力変換装置に搭載される電子部品の小型化が進み、電子部品の発熱密度が増加するため、より冷却能力の高い冷却装置が必要とされている。
【0005】
これに対して、従来の電力変換装置では、リアクトル及びコンデンサを収容するケースの壁部の一部が、流路形成壁部となっている。この流路形成壁部により、ケース外側から内側に凹む形状の冷媒流路が形成されている。ケースには、冷媒流路を覆う金属製の蓋部が取り付けられている。流路形成壁部及び蓋部には、冷媒流路内に突出する複数の冷却フィンが形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−5315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記のように構成された従来の電力変換装置では、冷媒流路の両側に部品が実装されているため、部品間を接続するための部材及びスペースが必要となり、小型化が困難である。また、冷却面が1面のみであるため、放熱面積が小さく、放熱性能が低い。さらに、例えばリアクトル及びトランスのような大型高発熱電子部品の場合、冷却面から遠い電子部品頭頂部付近については、熱伝導経路が長くなり、熱抵抗が大きくなるため、冷却が困難になる。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、小型化を図りつつ、冷却能力を向上させることができる電力変換装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る電力変換装置は、複数の電気部品、及び電気部品が実装されている筐体本体と、筐体本体に取り付けられている蓋とを有している筐体を備え、筐体本体は、部品実装面と、部品実装面の裏面である冷媒流路面とを有しており、複数の電気部品は、部品実装面に実装されており、冷媒流路面には、冷媒流路溝が設けられており、筐体本体には、冷媒流路溝を覆う溝カバーが取り付けられており、部品実装面は、蓋に対向する第1の対向部と、第1の対向部に隣り合っており、かつ第1の対向部よりも蓋から離れて蓋に対向する第2の対向部と、第1の対向部と第2の対向部との間に設けられている側面部とを有しており、冷媒流路溝は、第1の対向部及び側面部の裏側に位置する第1の流路部分と、第2の対向部の裏側に位置する第2の流路部分とを有している。
【発明の効果】
【0010】
この発明の電力変換装置は、部品実装面に電気部品が実装されており、部品実装面の裏面である冷媒流路面に冷媒流路溝が設けられているため、冷媒流路の一側に電気部品を集めることができる。また、第1の流路部分が側面部の裏側に位置し、第2の流路部分が第2の対向部の裏側に位置しているので、第2の対向部に電気部品を実装することにより、第2の対向部に実装された電気部品を第1及び第2の流路部分から冷却することができる。従って、小型化を図りつつ、冷却能力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1による電力変換装置の内部構成を示す平面図である。
図2図1の電力変換装置のII−II線に沿う断面図である。
図3図1の電力変換装置のIII−III線に沿う断面図である。
図4図2、3の冷媒流路溝及び溝カバーを部品実装面側から透視して示す平面図である。
図5図4の第2のパイプを第2の側壁に配置した変形例を示す平面図である。
図6図4の第1のパイプを第4の側壁に配置し第2のパイプを第2の側壁に配置した変形例を示す平面図である。
図7図4の第1のパイプを第4の側壁に配置した変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による電力変換装置の内部構成を示す平面図、図2図1の電力変換装置のII−II線に沿う断面図、図3図1の電力変換装置のIII−III線に沿う断面図である。
【0013】
図において、筐体1は、金属製の筐体本体2と、筐体本体2の一側に取り付けられている平板状の蓋3と、筐体本体2の他側に取り付けられている平板状の溝カバー4とを有している。図1では筐体1内を示すために蓋3を省略しており、図2、3では蓋3を2点鎖線で示している。また、この実施の形態における電力変換装置は、蓋3が水平かつ筐体本体2の上に位置する向きで設置される。
【0014】
筐体本体2は、例えば鉄又はアルミニウムにより構成されている。また、筐体本体2は、鋳造による一体成形品である。さらに、筐体本体2の周囲には、互いに対向する第1及び第2の側壁2a,2b、及び互いに対向する第3及び第4の側壁2c,2dが一体に形成されている。
【0015】
筐体本体2の一側の第1ないし第4の側壁2a〜2dの端面には、シール材(図示せず)が全周に渡って塗布されている。蓋3は、シール材を介して第1ないし第4の側壁2a〜2dの端面、即ち筐体本体2の開口端に接合され、複数のねじ(図示せず)により筐体本体2に固定されている。
【0016】
筐体本体2は、蓋3側の面である部品実装面21と、部品実装面21の裏面である冷媒流路面22とを有している。部品実装面21は、筐体本体2に蓋3を固定することにより密封されている。
【0017】
部品実装面21は、蓋3に対向する第1の対向部21aと、第1の対向部21aに隣り合っており、かつ第1の対向部21aよりも蓋3から離れて蓋3に対向する第2の対向部21bと、第1の対向部21aと第2の対向部21bとの間に設けられている側面部21cとを有している。
【0018】
第1の対向部21aには、発熱密度が高い高発熱電気部品である複数のスイッチング素子5が互いに間隔をおいて実装されている。この例では、6個のスイッチング素子5が用いられている。
【0019】
第2の対向部21bには、第1のリアクトル6、トランス7、及び第2のリアクトル8が実装されている。第1のリアクトル6、トランス7、及び第2のリアクトル8は、発熱量の大きい高発熱電気部品であり、かつ磁性体部品である。
【0020】
第2の対向部21bには、互いに仕切られた第1ないし第3の部屋21d,21e,21fが設けられている。第1の部屋21dには、第1のリアクトル6が収容されている。第2の部屋21eには、トランス7が収容されている。第3の部屋21fには、第2のリアクトル8が収容されている。
【0021】
一部の部屋である第1及び第3の部屋21d,21fには、第1及び第2のリアクトル6,8の形状に合わせて凹部23a及び一対の凸部23bが形成されている。第1のリアクトル6、トランス7及び第2のリアクトル8の周囲には、それぞれ伝熱材24(図1では省略)が充填されている。伝熱材24としては、一般的な樹脂材料と比較して熱伝導性の高い樹脂材料、例えばポッティング剤であるシリコーン樹脂が用いられている。
【0022】
スイッチング素子5、第1のリアクトル6、トランス7及び第2のリアクトル8は、高さを揃えて実装されており、それぞれの端子5a,6a,7a,8aが共通の基板9(図1では2点鎖線で示す)の孔に差し込まれて電気的に接続されている。
【0023】
部品実装面21の第1及び第2の対向部21a,21bの外側の領域には、第4ないし第6の部屋21g,21h,21iが設けられている。第4の部屋21gには、高発熱電気部品よりも発熱量が小さい低発熱電気部品であるコンデンサ部10が設けられている。第5及び第6の部屋21h,21iには、低発熱電気部品である第1及び第2のフィルタ回路部11,12がそれぞれ設けられている。
【0024】
コンデンサ部10、第1のフィルタ回路部11、及び第2のフィルタ回路部12は、基板9に接続されている。基板9、及び基板9に接続されている電気部品5,6,7,8,10,11,12により、電力変換回路が構成されている。なお、図2,3では、電気部品5,6,7,8,10,12の内部構造の図示を省略している。
【0025】
実施の形態1では、水平面に直角に投影したときの面積を投影面積として、複数種類の投影面積を持つ電気部品6,7,8,10,11,12が、それぞれ対応する面積を持つ部屋21d,21e,21f,21g,21h,21iに収容されている。
【0026】
各部屋21d,21e,21f,21g,21h,21iの間隙は、それぞれ必要な絶縁距離及び実装距離を確保した最低限の距離となっている。
【0027】
筐体本体2には、第1ないし第3の部屋21d,21e,21fを仕切る複数の部屋仕切壁25が設けられている。また、筐体本体2には、高発熱電気部品が配置されている第1及び第2の対向部21a,21bと低発熱電気部品が配置されている第4ないし第6の部屋21g,21h,21iとの間を仕切る複数の熱仕切壁26が設けられている。実施の形態1において、熱仕切壁26の外側の領域に設けられて蓋3に対向する第3の対向部は、第4ないし第6の部屋21g,21h,21iである。基板9は、部屋仕切壁25及び熱仕切壁26の蓋3側の端面に接合されて筐体本体2に固定されている。
【0028】
冷媒流路面22には、冷媒流路溝27が設けられている。溝カバー4は、鋼板で構成されており、冷媒流路溝27を覆っている。また、溝カバー4は、複数のねじ(図示せず)により筐体本体2に固定されている。そして、冷媒流路溝27及び溝カバー4により、冷媒流路が構成されている。冷媒流路に流す冷媒としては、例えば、水又はエチレングリコール液が使用される。
【0029】
溝カバー4には、図2に示すように、冷媒流路溝27の冷媒流れに直交する断面形状に沿って、複数の絞り加工部4a,4bが設けられている。
【0030】
冷媒流路溝27は、図3に示すように、第1の対向部21a及び側面部21cの裏側に位置する第1の流路部分27aと、第2の対向部21bの裏側に位置する第2の流路部分27bとを有している。
【0031】
実施の形態1では、第1の流路部分27aは、第1の対向部21aの下方で、第2の対向部21b上の空間の側方に配置されている。また、第2の流路部分27bは、第2の対向部21bの下方に配置されている。
【0032】
これにより、第1の対向部21a上のスイッチング素子5は下方から冷却され、第2の対向部21b上の第1のリアクトル6、トランス7及び第2のリアクトル8は、側方及び下方から冷却されることになる。即ち、第1のリアクトル6、トランス7及び第2のリアクトル8は、2面で冷却される。一方、第4ないし第6の部屋21g,21h,21iの下方には、冷媒流路溝27は配置されていない。
【0033】
第1の流路部分27aには、複数の冷却フィン28が、冷媒流れ方向(図3の紙面に直角な方向)に沿って設けられている。
【0034】
図3に示すように、第1及び第2の対向部21a,21bが水平となるように筐体1を置いたとき、第2の流路部分27bの流れに直交する断面である第2の流路断面の幅寸法(図3の左右方向寸法)は、第2の流路断面の上下方向寸法、即ち電気部品の実装方向の寸法よりも大きい。また、第1の流路部分27aの流れに直交する断面である第1の流路断面の幅寸法(図3の左右方向寸法)は、第2の流路断面の幅寸法よりも小さい。さらに、第1の流路断面の上下方向寸法は、第2の流路断面の上下方向寸法よりも大きい。さらにまた、第1の流路断面の上下方向寸法は、第1の流路断面の幅寸法よりも大きい。
【0035】
図1に示すように、第2の側壁2bには、外側へ突出した第1の突起部2eが設けられている。第1の突起部2eには、冷媒流路に冷媒を導入する金属製の第1のパイプ29が装着されている。第3の側壁2cには、外側へ突出した第2の突起部2fが設けられている。第2の突起部2fには、冷媒流路から冷媒を導出するための金属製の第2のパイプ30が装着されている。但し、冷媒は、第2のパイプ30から導入し、第1のパイプ29から導出してもよい。
【0036】
第1及び第2のパイプ29,30は、第1及び第2の突起部2e,2fに設けられているパイプ孔(図示せず)にそれぞれ圧入されている。第1及び第2のパイプ29,30のパイプ孔に圧入されている部分の外周には、それぞれシール材(図示せず)が塗布されている。
【0037】
なお、第1の側壁2aの部品実装面21側には、外部に対して電力を導入出するコネクタ(図示せず)が設けられている。
【0038】
図4図2、3の冷媒流路溝27及び溝カバー4を部品実装面21側から透視して示す平面図である。冷却フィン28は、第1の流路部分27aの幅方向(図4の上下方向)及び冷媒流れ方向(図4の左右方向)に互いに間隔をおいて配置されている。
【0039】
冷媒流路溝27は、第1及び第2の流路部分27a,27bに加えて、筐体1の外部から冷媒流路溝27に冷媒を導入するための導入部分27cと、筐体1の外部へ冷媒を導出するための導出部分27dと、導入部分27cと第1の流路部分27aとを接続する第1の接続部分27eと、第1の流路部分27aと第2の流路部分27bとを接続する第2の接続部分27fと、第2の流路部分27bと導出部分27dとを接続する第3の接続部分27gとを有している。
【0040】
導入部分27c、第1の接続部分27e、第1の流路部分27a、第2の接続部分27f、第2の流路部分27b、第3の接続部分27g、及び導出部分27dは、直列に接続されており、これにより連続した1本の冷媒流路が形成されている。第1の流路部分27aと第2の流路部分27bとは平行であり、第1の流路部分27a、第2の接続部分27f、及び第2の流路部分27bによりU字形の流路が形成されている。
【0041】
冷媒流路溝27の一部には、複数の整流フィン31が設けられている。実施の形態1では、整流フィン31は、冷媒流れ方向が直角に曲がっている第2の流路部分27bと第3の接続部分27gとの間の部分に設けられている。整流フィン31の上流側と下流側とでは、冷媒流路溝27の断面積が変化している。
【0042】
冷媒流路面22の冷媒流路溝27の両側の縁部には、溝カバー4を固定するためのねじが締め込まれる複数のねじ穴32が設けられている。冷媒流路面22の冷媒流路溝27の全周囲には、冷媒流路溝27とねじ穴32との間を通るようにシール材(図示せず)が塗布されている。
【0043】
第1の流路部分27aと第2の流路部分27bとの間には、冷媒仕切壁34が設けられている。ねじ穴32は、冷媒仕切壁34にも設けられている。また、冷媒仕切壁34には、一対の位置決め穴33が設けられている。溝カバー4には、位置決め穴33に挿入される一対の位置決め突起(図示せず)が設けられている。
【0044】
導入部分27c及び導出部分27dの冷媒流れに直交する断面積は、第1及び第2のパイプ29,30の冷媒流れに直交する断面積よりもそれぞれ大きい。第1及び第2のパイプ29,30の筐体本体2側の端部は、パイプ孔内に留まっており、それぞれ導入部分27c及び導出部分27d内に突出していない。
【0045】
また、導入部分27c及び導出部分27dの冷媒流れに直交する断面積は、冷媒流れ方向に沿って徐々に変化している。即ち、第1及び第2のパイプ29,30側から反対側へ向けて徐々に大きくなっている。冷媒流路溝27の断面積が変化している角部には、変化がなだらかとなるようにR形状が付されている。また、冷媒流路溝27の内壁の傾斜部では、できるだけ勾配が小さくされている。
【0046】
このような電力変換装置では、部品実装面21に電気部品5,6,7,8,10,11,12が実装されており、部品実装面21の裏面である冷媒流路面22に冷媒流路溝27が設けられているため、冷媒流路の一側に電気部品5,6,7,8,10,11,12を集めることができる。また、第1の流路部分27aが側面部21cの裏側に位置し、第2の流路部分27bが第2の対向部21bの裏側に位置しているので、第2の対向部21bに実装された電気部品6,7,8を第1及び第2の流路部分27a,27bから冷却することができる。従って、小型化を図りつつ、冷却能力を向上させることができる。
【0047】
さらに、部品実装面21に電気部品5,6,7,8を集めたので、電気部品5,6,7,8の実装時に筐体1を何度も回転させる必要がなく、組み立て工数を低減できる。
【0048】
また、第2の流路部分27bの第2の流路断面の幅寸法を上下方向寸法よりも大きくしたので、第2の対向部21bに実装された電気部品6,7,8の冷却面積を大きくすることができる。
【0049】
さらに、第1の流路部分27aの第1の流路断面の幅寸法を第2の流路断面の幅寸法よりも小さくするとともに、第1の流路断面の上下方向寸法を第2の流路断面の上下方向寸法よりも大きくしたので、第2の対向部21bに実装された電気部品6,7,8の冷却面積を大きくすることができる。また、冷媒流路の断面積の変化を低減させ、冷媒流量の偏流を抑制し、冷媒流量を均等化することができ、これにより冷却性能の偏りを起こさずに高効率な冷却を行うことができる。
【0050】
さらにまた、冷媒流路溝27の導入部分27c、第1の流路部分27a、第2の流路部分27b、及び導出部分27dが、接続部分27e,27f,27gを介して、直列に接続されているので、接続に使用する部材を削減することができ、電力変換装置の小型化、低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【0051】
また、第1の流路部分27aに冷却フィン28を設けたので、第1の対向部21aに実装されたスイッチング素子5の冷却能力を向上させることができる。さらに、冷却フィン28により第1の流路部分27aの実質的な断面積が縮小するので、冷媒の流速を速めるとこができるとともに、冷媒が接触する表面積を増大させることができ、スイッチング素子5の冷却能力を向上させることができる。
【0052】
さらに、冷媒流れ方向が曲がっており、かつ断面積が変化している部分に、整流フィン31を設けたので、冷媒の流れを抑制し、冷媒を均流化させるとともに流路断面積の変化を低減させ、冷媒流量の偏流を抑制し均等化することができ、冷却性能の偏りを起こさずに高効率な冷却を行うことができる。
【0053】
さらにまた、第1のリアクトル6、トランス7及び第2のリアクトル8を第2の対向部21bに実装したので、高発熱電気部品を高効率で冷却することができる。
【0054】
また、第1のリアクトル6、トランス7及び第2のリアクトル8の周囲に伝熱材24を充填したので、発熱量の大きい高発熱電気部品をさらに高効率で冷却することができる。
【0055】
さらに、第1の対向部21aにスイッチング素子5を実装したので、発熱密度が高い高発熱電気部品をさらに高効率で冷却することができる。
【0056】
さらにまた、スイッチング素子5、第1のリアクトル6、トランス7及び第2のリアクトル8が高さを揃えて第1及び第2の対向部21a,21bに実装されており、かつ共通の基板9に接続されているので、回路構成が単純になり、かつ部品レイアウトが容易になり、電力変換装置の小型化、低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【0057】
また、筐体本体2に熱仕切壁26を設けたので、高発熱部品と低発熱部品との間の熱の伝達が抑制され、低発熱部品の温度が高発熱部品の温度の影響を受けにくくなる。これにより、低発熱電気部品の寿命低下を防ぐことができる。また、低発熱電気部品として許容温度の低い安価な部品を選定することができ、低コスト化を図ることができる。
【0058】
さらに、部屋仕切壁25の端面に基板9を接合したので、第1ないし第3の部屋21d,21e,21f間の熱の伝達を抑制することができる。
さらにまた、熱仕切壁26の端面に基板9を接合したので、高発熱部品と低発熱部品との間の熱の伝達をさらに抑制することができる。
【0059】
また、第1及び第3の部屋21d,21fに、第1及び第2のリアクトル6,8の形状に合わせて凹部23a及び凸部23bを形成したので、第1及び第2のリアクトル6,8の熱伝達経路を短縮させるとともに、放熱性及び実装性を向上させることができる。
【0060】
さらに、各部屋21d,21e,21f,21g,21h,21iの間隙を、それぞれ必要な絶縁距離及び実装距離を確保した最低限の距離としたので、電力変換装置の小型化、低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【0061】
さらにまた、電気部品5,6,7,8,10,11,12の高さが揃うように冷媒流路溝27、及び部屋21d,21e,21f,21g,21h,21iを形成しているため、電気部品5,6,7,8,10,11,12と基板9との間の無駄な空間を削減し、電力変換装置の小型化を図ることができる。
【0062】
また、電気部品5,6,7,8の高さが揃っているので、端子5a,6a,7a,8aを基板9の孔に直接挿入することができ、電気部品5,6,7,8と基板9との接続に追加部品を設ける必要がなくなり、電力変換装置の小型化、低コスト化及び軽量化を図ることができる。
【0063】
さらに、第1及び第2のパイプ29,30の筐体本体2側の端部は、パイプ孔内に留まっており、導入部分27c及び導出部分27dの冷媒流れに直交する断面積は、第1及び第2のパイプ29,30の冷媒流れに直交する断面積よりもそれぞれ大きいので、パイプ突出による圧力損失の増加を防ぐことができ、また、冷媒流量の偏流を抑制し均等化することができ、冷却性能の偏りを起こさずに高効率な冷却を行うことができる。
【0064】
さらにまた、第1及び第2の流路部分27a,27bを直列に接続し、かつ互いに平行に配置し、断面積変化の大きい部分を導入部分27c及び導出部分27dのみとしたので、流路断面積の変化を低減させ、冷媒流量の偏流を抑制し均等化することができ、冷却性能の偏りを起こさずに高効率な冷却を行うことができる。
【0065】
また、第1の流路部分27aと第2の流路部分27bとの間の冷媒仕切壁34にもねじ穴32を設けて、溝カバー4を固定するねじを配置することで、第1の流路部分27aから第2の流路部分27bに冷媒が直接流れることをより確実に防止し、冷媒の偏流の発生を防止することができる。また、冷媒の圧力による溝カバー4の変形を防止することができる。
【0066】
さらに、電気部品6,7,8,10,11,12を部屋21d,21e,21f,21g,21h,21iに収容したので、互いの発生するノイズによる影響を低減することができる。
【0067】
さらにまた、冷媒流路溝27の形状に沿って溝カバー4に絞り加工部4a,4bを設けることで、冷媒を整流することができる。また、冷媒流路断面積の変化を抑制することができ、冷媒の渦、淀みなどの偏流を抑制することができ、冷媒の圧力損失を低減することができる。
【0068】
なお、上記のシール材としては、例えばOリングシール又はガスケットが挙げられる。
また、筐体本体2は金属製の一体成形品に限定されず、例えば、熱伝導性の高い樹脂からなる樹脂成形品、又は一部に金属がインサートされた樹脂成形品であってもよい。
さらに、溝カバー4の材料は鋼板に限定されず、例えば、一部に金属がインサートされた樹脂成形品であってもよい。
さらにまた、筐体本体2及び溝カバー4は、鍛造又は押し出し加工により製造してもよい。
また、第1及び第2のパイプ29,30は金属管に限定されず、例えば、一部に金属がインサートされた樹脂成形品であってもよい。
さらに、第1及び第2のパイプ29,30の筐体本体2への接続方法は圧入に限定されず、例えば、摩擦撹拌接合、溶接、ろう付け、かしめ、又はねじ固定でもよい。
さらにまた、上記の例では、第1及び第2のパイプ29,30の固定部を筐体本体2に設けたが、溝カバー4に設けてもよい。即ち、第1及び第2のパイプ29,30を溝カバー4に固定してもよい。
【0069】
また、冷却フィン28又は整流フィン31を冷媒流路溝27の全域に設けてもよい。
さらに、冷却フィン28は、冷媒流れ方向に連続して設けても、前縁効果を持たせるために冷媒流れ方向に途切れさせて断続的に設けてもよい。
さらにまた、冷却フィン28及び整流フィン31は、溝カバー4に形成してもよい。
また、冷却フィン28及び整流フィン31は、筐体本体2又は溝カバー4に一体に形成しても、別部品として筐体本体2又は溝カバー4に取り付けてもよい。
さらに、冷却フィン28は、ピンフィン又はオフセットフィンであってもよい。
さらにまた、上記の例では、冷媒流路を1本のみ示したが、筐体本体2に複数の冷媒流路を形成したり、1本の冷媒流路を途中で複数の流路に分岐させたりしてもよい。
【0070】
また、上記の例では、第2の側壁2bに第1のパイプ29を配置し、第3の側壁2cに第2のパイプ30を配置したが、第1及び第2のパイプ29,30は、第1ないし第4の側壁2a〜2dのどこに配置してもよい。
例えば、図5は、図4の第2のパイプ30を第2の側壁2bに配置した変形例である。また、図6は、図4の第1のパイプ29を第4の側壁2dに配置し第2のパイプ30を第2の側壁2bに配置した変形例である。さらに、図7は、図4の第1のパイプ29を第4の側壁2dに配置した変形例である。
【0071】
さらに、上記の例では、蓋3が上に位置するように筐体1が設置されるが、筐体1の向きはこれに限定されない。
さらにまた、部品実装面に実装される電気部品は上記の組み合わせに限定されない。
また、この発明の電力変換装置の用途は、電動車両に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】