(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年4月26日
【発行日】2019年8月22日
(54)【発明の名称】滑り軸受
(51)【国際特許分類】
F16C 35/02 20060101AFI20190726BHJP
F16F 9/54 20060101ALI20190726BHJP
F16C 17/10 20060101ALI20190726BHJP
F16C 33/20 20060101ALI20190726BHJP
B60G 11/16 20060101ALI20190726BHJP
【FI】
F16C35/02 Z
F16F9/54
F16C17/10 Z
F16C33/20 Z
B60G11/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
【出願番号】特願2018-546246(P2018-546246)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年10月5日
(31)【優先権主張番号】特願2016-204695(P2016-204695)
(32)【優先日】2016年10月18日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000103644
【氏名又は名称】オイレス工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513023044
【氏名又は名称】オイレス ドイチェラント ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 講平
(72)【発明者】
【氏名】永島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ハムロディ ロバート
(72)【発明者】
【氏名】関根 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 勝紀
【テーマコード(参考)】
3D301
3J011
3J069
3J117
【Fターム(参考)】
3D301AA75
3D301AA89
3D301CA09
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3D301DB17
3J011AA01
3J011AA06
3J011AA20
3J011BA06
3J011CA05
3J011DA01
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3J011JA02
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3J011PA03
3J011QA05
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3J011SE05
3J069CC36
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3J069DD48
3J117AA01
3J117BA10
3J117CA01
3J117DA02
3J117DB10
(57)【要約】
組立作業が容易な回り止め機構を備えた滑り軸受を提供する。滑り軸受(1A)において、センタープレート(4A)のロワーケース(3A)に対する回動を防止する回り止め機構として、複数の楔形凹部(44)と、楔形凹部(44)と同数以下の楔形凸部(39)と、を設けている。楔形凹部(44)は、センタープレート(4A)のスラスト軸受部(40)の下面(402)において、円周方向に連なって複数形成されている。楔形凸部(39)は、ロワーケース(3A)の環状突部(33)の環状上面(331)において、複数の楔形凹部(44)が配置された円周と同径の円周上に形成されている。楔形凸部(39)の各々がいずれかの楔形凹部(44)に案内されて嵌合することにより、センタープレート(4A)のロワーケース(3A)に対する回動を防止する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象の荷重を支持する滑り軸受であって、
環状のセンタープレートと、
前記センタープレートの上面と対面する環状下面を有するアッパーケースと、
前記センタープレートの下面と対面する環状上面を有し、前記センタープレートを介して前記アッパーケースに回動自在に組み合わされたロワーケースと、
前記センタープレートの前記ロワーケースあるいは前記アッパーケースに対する回動を防止する回り止め機構と、を備え、
前記回り止め機構は、
円周方向に連なって配置された複数の凹部と、
前記複数の凹部が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの前記凹部と嵌合する、前記凹部と同数以下の凸部と、を有する
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項2】
請求項1に記載の滑り軸受であって、
前記凹部および前記凸部は、楔形状である
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項3】
請求項1または2に記載の滑り軸受であって、
前記凸部は、前記支持対象の荷重が前記滑り軸受に加わった場合に、いずれかの前記凹部と嵌合する
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記回り止め機構は、
前記センタープレートの前記ロワーケースに対する回動を防止するものであり、
前記凹部は、
前記センタープレートの前記下面および前記ロワーケースの前記環状上面の一方に設けられ、
前記凸部は、
前記センタープレートの前記下面および前記ロワーケースの前記環状上面の他方に設けられている
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記回り止め機構は、
前記センタープレートの前記アッパーケースに対する回動を防止するものであり、
前記凹部は、
前記センタープレートの前記上面および前記アッパーケースの前記環状下面の一方に設けられ、
前記凸部は、
前記センタープレートの前記上面および前記アッパーケースの前記環状下面の他方に設けられている
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記センタープレートは、
前記センタープレートの前記下面に設けられた筒部を有し、
前記ロワーケースは、
前記センタープレートの前記筒部の外周面と対面する内周面をさらに有し、
前記回り止め機構は、
前記センタープレートの前記ロワーケースに対する回動を防止するものであり、
前記凹部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記外周面および前記ロワーケースの前記内周面の一方に設けられ、
前記凸部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記外周面および前記ロワーケースの前記内周面の他方に設けられている
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項7】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記センタープレートは、
前記センタープレートの前記下面に設けられた筒部を有し、
前記アッパーケースは、
前記センタープレートの前記筒部の内周面と対面する外周面をさらに有し、
前記回り止め機構は、
前記センタープレートの前記アッパーケースに対する回動を防止するものであり、
前記凹部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記内周面および前記アッパーケースの前記外周面の一方に設けられ、
前記凸部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記内周面および前記アッパーケースの前記外周面の他方に設けられている
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項8】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記センタープレートは、
前記センタープレートの前記上面に設けられた筒部を有し、
前記アッパーケースは、
前記センタープレートの前記筒部の外周面と対面する内周面をさらに有し、
前記回り止め機構は、
前記センタープレートの前記アッパーケースに対する回動を防止するものであり、
前記凹部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記外周面および前記アッパーケースの前記内周面の一方に設けられ、
前記凸部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記外周面および前記アッパーケースの前記内周面の他方に設けられている
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記センタープレートは、
前記センタープレートの前記上面に設けられた筒部を有し、
前記ロワーケースは、
前記センタープレートの前記筒部の内周面と対面する外周面をさらに有し、
前記回り止め機構は、
前記センタープレートの前記ロワーケースに対する回動を防止するものであり、
前記凹部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記内周面および前記ロワーケースの前記外周面の一方に設けられ、
前記凸部は、
前記センタープレートの前記筒部の前記内周面および前記ロワーケースの前記外周面の他方に設けられている
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項10】
請求項4、6または9に記載の滑り軸受であって、
前記センタープレートの前記上面と前記アッパーケースの前記環状下面との間に配された環状の潤滑シートをさらに有する
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項11】
請求項6または9に記載の滑り軸受であって、
前記アッパーケースは、
前記センタープレートの前記筒部との対向面をさらに有し、
前記滑り軸受は、
前記センタープレートの前記上面と前記アッパーケースの前記環状下面との間に配された環状の潤滑シートと、
前記センタープレートの前記筒部と前記アッパーケースの前記対向面との間に配置された筒状の潤滑シートと、をさらに有する
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項12】
請求項5、7または8に記載の滑り軸受であって、
前記センタープレートの前記下面と前記ロワーケースの前記環状上面との間に配された環状の潤滑シートをさらに有する
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項13】
請求項7または8に記載の滑り軸受であって、
前記ロワーケースは、
前記センタープレートの前記筒部との対向面をさらに有し、
前記滑り軸受は、
前記センタープレートの前記下面と前記ロワーケースの前記環状上面との間に配された環状の潤滑シートと、
前記センタープレートの前記筒部と前記ロワーケースの前記対向面との間に配置された筒状の潤滑シートと、をさらに有する
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項14】
請求項11または13に記載の滑り軸受であって、
前記環状の潤滑シートおよび前記筒状の潤滑シートは、一体的に形成されている
ことを特徴とする滑り軸受。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか一項に記載の滑り軸受であって、
前記滑り軸受は、
ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリの回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持するものであり、
前記アッパーケースは、
前記ストラットアッセンブリが挿入された状態で当該ストラットアッセンブリの前記車体への取付機構に取り付けられ、
前記ロワーケースは、
前記ストラットアッセンブリが挿入された状態で前記ストラットアッセンブリに組み合わせられたコイルスプリングの上端部のばね座に取り付けられる
ことを特徴とする滑り軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持対象の荷重を支持する滑り軸受に関し、特に、ストラット式サスペンション(マクファーソンストラット)に加わる車体の荷重を支持する滑り軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の前輪に用いられるストラット式サスペンションは、ピストンロッドおよび油圧式ショックアブソーバを備えたストラットアッセンブリに、コイルスプリングを組み合わせた構造を有しており、ステアリング操作によってストラットアッセンブリがコイルスプリングと共に回動する。このため、ストラットアッセンブリの円滑な回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる荷重を支持するべく、通常、車体へのストラットアッセンブリの取付機構であるアッパーマウントとコイルスプリングの上端部のばね座であるアッパースプリングシートとの間に、軸受が配置されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ストラット式サスペンション用の軸受として、合成樹脂製の滑り軸受が開示されている。この滑り軸受は、環状下面を有し、アッパーマウント側に取り付けられるアッパーケースと、アッパーケースの環状下面と対面する環状上面を有し、アッパーケースに回動自在に組み合わされた状態でアッパースプリングシート側に取り付けられるロワーケースと、アッパーケースおよびロワーケース間を円滑に回動させるための環状のセンタープレートと、を備えている。ここで、センタープレートは、ロワーケースの環状上面に配置され、その上面(軸受面)がアッパーケースの環状下面と摺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−172814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、合成樹脂製の滑り軸受において、車体の荷重を支えるロワーケースの素材には、ガラス入りポリアミド樹脂等の圧縮強度の高い熱可塑性樹脂が用いられ、アッパーケースおよびロワーケース間を円滑に回動させるためのセンタープレートの素材には、ポリエチレン等の摺動性能に優れた合成樹脂が用いられる。このため、ロワーケースの素材とセンタープレートの素材との組合せによっては、車体の荷重が加わった状態でセンタープレートがロワーケースに対して摺動することにより、センタープレートが激しく摩耗する可能性がある。
【0006】
このため、合成樹脂製の滑り軸受には、センタープレートがロワーケースに対して回動するのを防止するための回り止め機構が採用されている。特許文献1に記載の合成樹脂製の滑り軸受では、回り止め機構として、ロワーケースの環状上面の外縁部に、円周方向に等間隔で配置された複数の突起部を設けるとともに、センタープレートの外周面に、これら複数の突起部と同数が円周方向に等間隔に配され、隣接する突起部と突起部との隙間に対して僅かに短い円周方向の幅を有して径方向外方に突出した径方向突部を設けている。そして、センタープレートの外周面に設けられた径方向突部各々が、ロワーケースの環状上面の外縁部に設けられた隣接する突起部と突起部との隙間に位置するように、センタープレートをロワーケースの環状上面に配置することにより、センタープレートのロワーケースに対する回動を防止している。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の合成樹脂製の滑り軸受の回り止め機構では、センタープレートの外周面に設けられた径方向突部各々が、ロワーケースの環状上面の外縁部に設けられた隣接する突起部と突起部との隙間に位置するように、センタープレートをロワーケースに対して位置合わせしなければならない。このため、滑り軸受の組立作業、特にロボットによる組立作業の自動化が困難であるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、組立作業が容易な回り止め機構を備えた滑り軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の滑り軸受では、センタープレートのロワーケースあるいはアッパーケースに対する回動を防止する回り止め機構として、円周方向に連なって配置された複数の凹部と、これら複数の凹部が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの凹部と嵌合する、凹部と同数以下の凸部と、を設けた。ここで、凹部および凸部のそれぞれが楔形状であってもよい。また、凸部は、支持対象の荷重が滑り軸受に加わった場合に、いずれかの凹部と嵌合するものでもよい。
【0010】
例えば、本発明は、
支持対象の荷重を支持する滑り軸受であって、
環状のセンタープレートと、
前記センタープレートの上面と対面する環状下面を有するアッパーケースと、
前記センタープレートの下面と対面する環状上面を有し、前記センタープレートを介して前記アッパーケースに回動自在に組み合わされたロワーケースと、
前記センタープレートの前記ロワーケースあるいは前記アッパーケースに対する回動を防止する回り止め機構と、を備え、
前記回り止め機構は、
円周方向に連なって配置された複数の凹部と、
前記複数の凹部が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの前記凹部と嵌合する、前記凹部と同数以下の凸部と、を有する。
【0011】
ここで、前記滑り軸受は、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリの回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持するものであり、
前記アッパーケースは、前記ストラットアッセンブリが挿入された状態で当該ストラットアッセンブリの前記車体への取付機構に取り付けられ、
前記ロワーケースは、前記ストラットアッセンブリが挿入された状態で前記ストラットアッセンブリに組み合わせられたコイルスプリングの上端部のばね座に取り付けられるものでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、センタープレートのロワーケースあるいはアッパーケースに対する回動を防止する回り止め機構として、円周方向に連なって配置された複数の凹部と、これら複数の凹部が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの凹部と嵌合する、凹部と同数以下の凸部と、を設けているので、センタープレートをロワーケースあるいはアッパーケースに対して位置合わせしなくても、センタープレートをロワーケース上に載置して、センタープレートを介してアッパーケースおよびロワーケースを回動自在に組み合わせることにより、各凸部がいずれかの凹部に案内されて嵌合し、センタープレートのロワーケースあるいはアッパーケースに対する回動が防止される。このため、組立作業が容易な回り止め機構を備えた滑り軸受を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1(A)、
図1(B)および
図1(C)は、本発明の第1実施の形態に係る滑り軸受1Aの平面図、底面図および正面図であり、
図1(D)は、
図1(A)に示す滑り軸受1AのA−A断面図である。
【
図2】
図2(A)は、
図1(D)に示す滑り軸受1AのA部拡大図であり、
図2(B)は、
図1(D)に示す滑り軸受1AのB部拡大図である。
【
図3】
図3(A)、
図3(B)および
図3(C)は、アッパーケース2の平面図、底面図および正面図であり、
図3(D)は、
図3(A)に示すアッパーケース2のB−B断面図である。
【
図4】
図4(A)、
図4(B)および
図4(C)は、ロワーケース3Aの平面図、底面図および正面図であり、
図4(D)は、
図4(A)に示すロワーケース3AのC−C断面図である。
【
図5】
図5(A)は、
図4(A)に示すロワーケース3AのC部拡大図であり、
図5(B)は、
図4(D)に示すロワーケース3AのD部拡大図である。
【
図6】
図6(A)、
図6(B)および
図6(C)は、センタープレート4Aの平面図、底面図および正面図であり、
図6(D)は、
図6(A)に示すセンタープレート4AのD−D断面図である。
【
図7】
図7(A)は、
図6(D)に示すセンタープレート4AのE部拡大図であり、
図7(B)は、
図6(B)に示すセンタープレート4AのF部拡大図であり、
図7(C)は、
図6(C)に示すセンタープレート4AのG部拡大図である。
【
図8】
図8(A)、
図8(B)および
図8(C)は、本発明の第2実施の形態に係る滑り軸受1Bの平面図、底面図および正面図であり、
図8(D)は、
図8(A)に示す滑り軸受1BのE−E断面図である。
【
図9】
図9(A)は、
図8(D)に示す滑り軸受1BのH部拡大図であり、
図9(B)は、
図8(D)に示す滑り軸受1AのI部拡大図である。
【
図10】
図10(A)、
図10(B)および
図10(C)は、ロワーケース3Bの平面図、底面図および正面図であり、
図10(D)は、
図10(A)に示すロワーケース3BのF−F断面図である。
【
図11】
図11(A)は、
図10(A)に示すロワーケース3BのJ部拡大図であり、
図11(B)は、
図10(D)に示すロワーケース3BのK部拡大図である。
【
図12】
図12(A)、
図12(B)および
図12(C)は、センタープレート4Bの平面図、底面図および正面図であり、
図12(D)は、
図12(A)に示すセンタープレート4BのG−G断面図である。
【
図13】
図13(A)は、
図12(D)に示すセンタープレート4BのL部拡大図であり、
図13(B)は、
図12(B)に示すセンタープレート4BのM部拡大図であり、
図13(C)は、
図12(C)に示すセンタープレート4BのN部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
[第1実施の形態]
まず、本発明の第1実施の形態について説明する。
【0016】
図1(A)、
図1(B)および
図1(C)は、本実施の形態に係る滑り軸受1Aの平面図、底面図および正面図であり、
図1(D)は、
図1(A)に示す滑り軸受1AのA−A断面図である。また、
図2(A)は、
図1(D)に示す滑り軸受1AのA部拡大図であり、
図2(B)は、
図1(D)に示す滑り軸受1AのB部拡大図である。
【0017】
本実施の形態に係る滑り軸受1Aは、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリ(不図示)を収容するための収容孔10を備えており、この収容孔10に収容されたストラットアッセンブリの回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持する。図示するように、滑り軸受1Aは、アッパーケース2と、アッパーケース2と回動自在に組み合わされて、アッパーケース2との間に環状空間5を形成するロワーケース3Aと、この環状空間5に配置されたセンタープレート4Aと、図示していないが、環状空間5に充填された潤滑グリースと、を備えている。
【0018】
アッパーケース2は、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリアセタール樹脂等の滑り特性に優れた熱可塑性樹脂で形成され、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリが挿入された状態でこのストラットアッセンブリの車体への取付機構であるアッパーサポート(不図示)に取り付けられる。
【0019】
図3(A)、
図3(B)および
図3(C)は、アッパーケース2の平面図、底面図および正面図であり、
図3(D)は、
図3(A)に示すアッパーケース2のB−B断面図である。
【0020】
図示するように、アッパーケース2は、ストラットアッセンブリを挿入するための挿入孔20を備えた環状のアッパーケース本体21と、アッパーケース本体21の上面22に形成され、アッパーサポートに取り付けるための取付面23と、ロワーケース3Aに対向するアッパーケース本体21の下面24に形成され、ロワーケース3Aと回動自在に組み合わされることにより環状空間5を形成する環状溝25と、環状溝25の溝底26に形成され、センタープレート4Aの後述するスラスト軸受部40の上面(スラスト軸受面)401(
図6参照)と対面する環状下面27と、アッパーケース2をロワーケース3Aに取り付けるためのスナップフィット部29と、を備えている。
【0021】
スナップフィット部29は、環状溝25の外周面250に設けられ、径方向内方に張り出してロワーケース3Aの被係止部38(
図2参照)と係止する。
【0022】
環状溝25の溝底26において、環状下面27の外周側には、溝底26から軸方向下方に突出した環状の防壁28が形成されている。この防壁28は、環状空間5に配置されたセンタープレート4Aのスラスト軸受部40の上面401の外周側を囲んでおり、ストラット式サスペンションに荷重が加わった場合に、環状空間5に充填された潤滑グリースがセンタープレート4Aのスラスト軸受部40の上面401上から径方向外方へ押し出されるのを阻止する。
【0023】
ロワーケース3Aは、ガラス入りポリアミド樹脂等の圧縮強度の高い熱可塑性樹脂を用いた樹脂成形体であり、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリが挿入された状態でストラット式サスペンションのコイルスプリング(不図示)上端部のばね座であるアッパースプリングシート(不図示)に取り付けられる。
【0024】
図4(A)、
図4(B)および
図4(C)は、ロワーケース3Aの平面図、底面図および正面図であり、
図4(D)は、
図4(A)に示すロワーケース3AのC−C断面図である。また、
図5(A)は、
図4(A)に示すロワーケース3AのC部拡大図であり、
図5(B)は、
図4(D)に示すロワーケース3AのD部拡大図である。
【0025】
図示するように、ロワーケース3Aは、ストラットアッセンブリを挿入するための挿入孔30を備えた筒状のロワーケース本体31と、アッパーケース2に対面するロワーケース本体31の上面32に形成され、ロワーケース3Aがアッパーケース2と回動自在に組み合わされた場合に、アッパーケース2のアッパーケース本体21の下面24に形成された環状溝25に挿入されて環状空間5を形成する環状突部33と、ロワーケース本体31の上面32側において、ロワーケース本体31の外周面34から径方向外方に張り出したフランジ35と、を備えている。
【0026】
環状突部33の上面330には、センタープレート4Aのスラスト軸受部40の下面402(
図6、
図7参照)と対面する環状上面331が形成され、さらに、この環状上面331の外周縁部332には、複数の楔形凸部39が円周方向に等間隔で形成されている。
【0027】
複数の楔形凸部39は、センタープレート4Aの後述する複数の楔形凹部44(
図6、
図7参照)とともに、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動を防止する回り止め機構を構成する。この楔形凸部39は、その頂部390に近づくに従って面積が小さくなる三角形の径方向断面形状を有しており、センタープレート4Aをロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Aを介してアッパーケース2およびロワーケース3Aを回動自在に組み合わせることにより、楔形凸部39のそれぞれがセンタープレート4Aのいずれかの楔形凹部44に案内されて嵌合する。なお、ここででは、4個の楔形凸部39を円周方向に等間隔で設けているが、楔形凸部39は、センタープレート4Aの楔形凹部44と同数以下であればよい。
【0028】
フランジ35は、ロワーケース3Aがアッパーケース2と回動自在に組み合わされた場合に、環状突部33とともに、アッパーケース2のアッパーケース本体21の下面24に形成された環状溝25に挿入される。フランジ35の外周面37には、アッパーケース2のスナップフィット部29と係止する被係止部38が形成されている。この被係止部38は、アッパーケース2のスナップフィット部29とともにラビリンス6を形成して、塵埃等の異物が外部から環状空間5に侵入するのを防止する。また、フランジ35の下面36には、アッパースプリングシートが取り付けられる。
【0029】
センタープレート4Aは、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリエチレン等の摺動特性に優れた合成樹脂で形成され、アッパーケース2およびロワーケース3A間の自在な回動を許容しつつ、アッパーケース2に伝達されたストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持する。
【0030】
図6(A)、
図6(B)および
図6(C)は、センタープレート4Aの平面図、底面図および正面図であり、
図6(D)は、
図6(A)に示すセンタープレート4AのD−D断面図である。また、
図7(A)は、
図6(D)に示すセンタープレート4AのE部拡大図であり、
図7(B)は、
図6(B)に示すセンタープレート4AのF部拡大図であり、
図7(C)は、
図6(C)に示すセンタープレート4AのG部拡大図である。
【0031】
図示するように、センタープレート4Aは、円環状のスラスト軸受部40と、スラスト軸受部40の内周縁から軸方向下方に張り出してスラスト軸受部40と一体的に形成された円筒状のラジアル軸受部41と、を備えている。
【0032】
スラスト軸受部40は、上面401に形成されたスラスト軸受面42を備える。スラスト軸受部40の下面402とロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331とが接触するようにして、センタープレート4Aがロワーケース3A上に載置された場合に、スラスト軸受面42がアッパーケース2の環状溝25の環状下面27と摺動する。このスラスト軸受面42には、円周方向に複数配置された凹状のグリース溜め43が形成されている。
【0033】
スラスト軸受部40の下面402の外周縁部403には、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部44が形成されている。複数の楔形凹部44は、ロワーケース3Aの環状突部33の上面330に形成された複数の楔形凸部39が位置する円周と同径の円周上に配置され、これらの楔形凸部39とともに、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動を防止する回り止め機構を構成する。この楔形凹部44は、その底部440に近づくに従って面積が小さくなる三角形の径方向断面形状を有しており、センタープレート4Aをロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Aを介してアッパーケース2およびロワーケース3Aを回動自在に組み合わせることにより、ロワーケース3Aの楔形凸部39のそれぞれがいずれかの楔形凹部44に案内されて嵌合する。
【0034】
ラジアル軸受部41は、内周面410に形成されたラジアル軸受面45を備える。スラスト軸受部40の下面402とロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331とが接触するようにして、センタープレート4Aがロワーケース3A上に載置された場合に、ラジアル軸受部41は、この環状突部33の内側に挿入されて、ラジアル軸受面45がアッパーケース本体21の環状溝25の内周面(アッパーケース2の外周面)251と摺動する。
【0035】
上記構成を有する本実施の形態に係る滑り軸受1Aにおいて、センタープレート4Aをロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Aを介してアッパーケース2およびロワーケース3Aを回動自在に組み合わせることにより、ロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331に形成された楔形凸部39のそれぞれが、この環状上面331に載置されたセンタープレート4Aのスラスト軸受部40の下面402に形成されたいずれかの楔形凹部44に案内されて嵌合する。そして、回り止め機構として、楔形の凸形状を有する楔形凸部39および楔形の凹形状を有する楔形凹部44を用いているので、車体の荷重が滑り軸受1Aに加わることにより、両者はさらに強固に嵌合する。これにより、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動が阻止される。この状態でセンタープレート4Aのスラスト軸受部40の上面401に形成されたスラスト軸受面42が、環状空間5に充填された潤滑グリースを介して、アッパーケース2の環状溝25の環状下面27と摺動する。また、センタープレート4Aのラジアル軸受部41がロワーケース3Aの環状突部33の内側に挿入され、ラジアル軸受部41のラジアル軸受面45がアッパーケース2の環状溝25の内周面251と摺動する。このため、滑り軸受1Aは、ロワーケース3Aのフランジ35の下面36に取り付けられたアッパースプリングシートおよびストラット式サスペンションのコイルスプリングによって支持され、アッパーケース2およびロワーケース3A間の回動を許容しつつ、アッパーケース2に伝達されたストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持する。
【0036】
以上、本発明の第1実施の形態について説明した。
【0037】
本実施の形態では、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動を防止する回り止め機構として、センタープレート4Aのスラスト軸受部40の下面402に形成され、円周方向に連なる複数の楔形凹部44と、ロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331に形成され、複数の楔形凹部44が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部44と嵌合する、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39と、を設けている。このため、センタープレート4Aをロワーケース3Aに対して位置合わせしなくても、センタープレート4Aをロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Aを介してアッパーケース2およびロワーケース3Aを回動自在に組み合わせることにより、各楔形凸部39がいずれかの楔形凹部44に案内されて嵌合し、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動が防止される。このため、本実施の形態によれば、組立作業が容易な回り止め機構を備えた滑り軸受1Aを提供することができる。
【0038】
また、本実施の形態では、回り止め機構として、楔形の凸形状を有する楔形凸部39および楔形の凹形状を有する楔形凹部44を用いているので、車体の荷重が滑り軸受1Aに加わることにより、両者はさらに強固に嵌合する。したがって、本実施の形態によれば、車体の荷重が滑り軸受1Aに加わった場合に、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動をより確実に防止することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、センタープレート4Aに、スラスト軸受部40の内周縁から軸方向下方に張り出してスラスト軸受部40と一体的に形成された円筒状のラジアル軸受部41を設けて、ラジアル軸受面45をアッパーケース2の環状溝25の内周面251と摺動させている。このため、本実施の形態によれば、ストラット式サスペンションに加わる車体のスラスト方向の荷重に加えてラジアル方向の荷重についても、アッパーケース2およびロワーケース3A間の回動を許容しつつ支持することができる。
【0040】
また、本実施の形態では、センタープレート4Aのスラスト軸受部40のスラスト軸受面42にグリース溜め43を形成しているので、スラスト軸受面42上により多くの潤滑グリースを保持することができる。このため、本実施の形態によれば、スラスト軸受面42を潤滑グリース膜で覆うことができ、より長期に亘り、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリの円滑な回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、アッパーケース2の環状溝25の溝底26に、アッパーケース2およびロワーケース3Aを組み合わせることにより形成される環状空間5に配置されたセンタープレート4Aのスラスト軸受部40の外周側を囲む環状の防壁28を設けている。この防壁28により、ストラット式サスペンションに荷重が加わった場合に環状空間5に充填された潤滑グリースがスラスト軸受部40のスラスト軸受面42上から径方向外方に押し出されるのを防止して、スラスト軸受面42をより確実に潤滑グリース膜で覆うことができる。したがって、本実施の形態によれば、より長期に亘り、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリの円滑な回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持することができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動を防止する回り止め機構として、センタープレート4Aのスラスト軸受部40の下面402に複数の楔形凹部44を形成するとともに、ロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331に、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39を形成している。しかし、本発明はこれに限定されない。ロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331に円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部44を形成するとともに、センタープレート4Aのスラスト軸受部40の下面402に、複数の楔形凹部44が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部44と嵌合する、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39を形成することにより、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0043】
また、本実施の形態では、センタープレート4Aのロワーケース3Aに対する回動を防止する回り止め機構を設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、アッパーケース2にガラス入りポリアミド樹脂等の圧縮強度の高い熱可塑性樹脂を用い、ロワーケース3Aに必要に応じて潤滑油が含浸されたポリアセタール樹脂等の滑り特性に優れた熱可塑性樹脂を用い、センタープレート4Aのアッパーケース2に対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0044】
この場合、センタープレート4Aのスラスト軸受部40の下面402にスラスト軸受面42を形成するとともに、ラジアル軸受部41の外周面411にラジアル軸受面45を形成する。そして、スラスト軸受部40の上面401に、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部44を形成するとともに、アッパーケース2の環状溝25の環状下面27に、複数の楔形凹部44が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部44と嵌合する、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39を形成する。
【0045】
あるいは、アッパーケース2の環状溝25の環状下面27に、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部44を形成するとともに、スラスト軸受部40の上面401に、複数の楔形凹部44が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部44と嵌合する、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39を形成する。
【0046】
このようにすることにより、センタープレート4Aをアッパーケース2に対して位置合わせしなくても、センタープレート4Aをロワーケース3Aの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Aを介してアッパーケース2およびロワーケース3Aを回動自在に組み合わせることにより、各楔形凸部39がいずれかの楔形凹部44に案内されて嵌合し、センタープレート4Aのアッパーケース2に対する回動が防止される。
【0047】
[第2実施の形態]
つぎに、本発明の第2実施の形態について説明する。
【0048】
図8(A)、
図8(B)および
図8(C)は、本実施の形態に係る滑り軸受1Bの平面図、底面図および正面図であり、
図8(D)は、
図8(A)に示す滑り軸受1BのE−E断面図である。また、
図9(A)は、
図8(D)に示す滑り軸受1BのH部拡大図であり、
図9(B)は、
図8(D)に示す滑り軸受1AのI部拡大図である。
【0049】
なお、本実施の形態に係る滑り軸受1Bにおいて、本発明の第1実施の形態に係る滑り軸受1Aと同じ機能を有するものには、同じ符号を付している。
【0050】
本実施の形態に係る滑り軸受1Bは、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリ(不図示)を収容するための収容孔10を備えており、この収容孔10に収容されたストラットアッセンブリの回動を許容しつつ、ストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持する。図示するように、滑り軸受1Bは、アッパーケース2と、アッパーケース2と回動自在に組み合わされて、アッパーケース2との間に環状空間5を形成するロワーケース3Bと、この環状空間5に配置されたセンタープレート4Bと、図示していないが、環状空間5に充填された潤滑グリースと、を備えている。
【0051】
アッパーケース2は、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリアセタール樹脂等の滑り特性に優れた熱可塑性樹脂で形成され、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリが挿入された状態でこのストラットアッセンブリの車体への取付機構であるアッパーサポート(不図示)に取り付けられる。このアッパーケース2は、本発明の第1実施の形態に係る滑り軸受1Aに用いたものと同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0052】
ロワーケース3Bは、ガラス入りポリアミド樹脂等の圧縮強度の高い熱可塑性樹脂を用いた樹脂成形体であり、ストラット式サスペンションのストラットアッセンブリが挿入された状態でストラット式サスペンションのコイルスプリング(不図示)上端部のばね座であるアッパースプリングシート(不図示)に取り付けられる。
【0053】
図10(A)、
図10(B)および
図10(C)は、ロワーケース3Bの平面図、底面図および正面図であり、
図10(D)は、
図10(A)に示すロワーケース3BのF−F断面図である。また、
図11(A)は、
図10(A)に示すロワーケース3BのJ部拡大図であり、
図11(B)は、
図10(D)に示すロワーケース3BのK部拡大図である。
【0054】
図示するように、ロワーケース3Bは、ストラットアッセンブリを挿入するための挿入孔30を備えた筒状のロワーケース本体31と、アッパーケース2に対面するロワーケース本体31の上面32に形成され、ロワーケース3Bがアッパーケース2と回動自在に組み合わされた場合に、アッパーケース2のアッパーケース本体21の下面24に形成された環状溝25に挿入されて環状空間5を形成する環状突部33と、ロワーケース本体31の上面32側において、ロワーケース本体31の外周面34から径方向外方に張り出したフランジ35と、を備えている。
【0055】
環状突部33の上面330には、センタープレート4Bのスラスト軸受部40の下面402(
図12、
図13参照)と対面する環状上面331が形成され、さらに、環状突部33の内周面335には、複数の楔形凸部60が円周方向に等間隔で形成されている。
【0056】
複数の楔形凸部60は、センタープレート4Bの後述する複数の楔形凹部46(
図12、
図13参照)とともに、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動を防止する回り止め機構を構成する。この楔形凸部60は、三角形の径方向断面形状を有しており、環状上面331側の端部600において、その面積が環状上面331に近づくに従って小さくなっている。そして、センタープレート4Bをロワーケース3Bの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Bを介してアッパーケース2およびロワーケース3Bを回動自在に組み合わせることにより、楔形凸部60のそれぞれがセンタープレート4Bのいずれかの楔形凹部46に案内されて嵌合する。なお、ここででは、4個の楔形凸部60を円周方向に等間隔で設けているが、楔形凸部60は、センタープレート4Bの楔形凹部46と同数以下であればよい。
【0057】
フランジ35は、ロワーケース3Bがアッパーケース2と回動自在に組み合わされた場合に、環状突部33とともに、アッパーケース2のアッパーケース本体21の下面24に形成された環状溝25に挿入される。フランジ35の外周面37には、アッパーケース2のスナップフィット部29と係止する被係止部38が形成されている。この被係止部38は、アッパーケース2のスナップフィット部29とともにラビリンス6を形成して、塵埃等の異物が外部から環状空間5に侵入するのを防止する。また、フランジ35の下面36には、アッパースプリングシートが取り付けられる。
【0058】
センタープレート4Bは、必要に応じて潤滑油が含浸されたポリエチレン等の摺動特性に優れた合成樹脂で形成され、アッパーケース2およびロワーケース3B間の自在な回動を許容しつつ、アッパーケース2に伝達されたストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持する。
【0059】
図12(A)、
図12(B)および
図12(C)は、センタープレート4Bの平面図、底面図および正面図であり、
図12(D)は、
図12(A)に示すセンタープレート4BのG−G断面図である。また、
図13(A)は、
図12(D)に示すセンタープレート4BのL部拡大図であり、
図13(B)は、
図12(B)に示すセンタープレート4BのM部拡大図であり、
図13(C)は、
図12(C)に示すセンタープレート4BのN部拡大図である。
【0060】
図示するように、センタープレート4Bは、円環状のスラスト軸受部40と、スラスト軸受部40の内周縁から軸方向下方に張り出してスラスト軸受部40と一体的に形成された円筒状のラジアル軸受部41と、を備えている。
【0061】
スラスト軸受部40は、上面401に形成されたスラスト軸受面42を備える。スラスト軸受部40の下面402とロワーケース3Bの環状突部33の環状上面331とが接触するようにして、センタープレート4Bがロワーケース3B上に載置された場合に、スラスト軸受面42がアッパーケース2の環状溝25の環状下面27と摺動する。このスラスト軸受面42には、円周方向に複数配置された凹状のグリース溜め43が形成されている。
【0062】
ラジアル軸受部41は、内周面410に形成されたラジアル軸受面45を備える。スラスト軸受部40の下面402とロワーケース3Bの環状突部33の環状上面331とが接触するようにして、センタープレート4Bがロワーケース3B上に載置された場合に、ラジアル軸受部41は、この環状突部33の内側に挿入されて、ラジアル軸受面45がアッパーケース2の環状溝25の内周面251と摺動する。
【0063】
ラジアル軸受部41の外周面411の下端部412には、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部46が形成されている。複数の楔形凹部46は、ロワーケース3Bの環状突部33の内周面335に形成された複数の楔形凸部60が位置する円周と同径の円周上に配置され、これらの楔形凸部60とともに、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動を防止する回り止め機構を構成する。この楔形凹部46は、その底部460に近づくに従って面積が小さくなる三角形の径方向断面形状を有しており、センタープレート4Bをロワーケース3Bの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Bを介してアッパーケース2およびロワーケース3Bを回動自在に組み合わせることにより、ロワーケース3Bの楔形凸部60のそれぞれがいずれかの楔形凹部46に案内されて嵌合する。
【0064】
上記構成を有する本実施の形態に係る滑り軸受1Bにおいて、センタープレート4Bをロワーケース3Bの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Bを介してアッパーケース2およびロワーケース3Bを回動自在に組み合わせることにより、ロワーケース3Bの環状突部33の内周面335に形成された楔形凸部60のそれぞれが、この環状上面331に載置されたセンタープレート4Bのラジアル軸受部41の外周面411に形成されたいずれかの楔形凹部46に案内されて嵌合する。そして、回り止め機構として、楔形の凸形状を有する楔形凸部60および楔形の凹形状を有する楔形凹部46を用いているので、車体の荷重が滑り軸受1Bに加わることにより、両者はさらに強固に嵌合する。これにより、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動が阻止される。この状態でセンタープレート4Bのスラスト軸受部40の上面401に形成されたスラスト軸受面42が、環状空間5に充填された潤滑グリースを介して、アッパーケース2の環状溝25の環状下面27と摺動する。また、センタープレート4Bのラジアル軸受部41がロワーケース3Bの環状突部33の内側に挿入され、ラジアル軸受部41のラジアル軸受面45がアッパーケース2の環状溝25の内周面251と摺動する。このため、滑り軸受1Bは、ロワーケース3Bのフランジ35の下面36に取り付けられたアッパースプリングシートおよびストラット式サスペンションのコイルスプリングによって支持され、アッパーケース2およびロワーケース3B間の回動を許容しつつ、アッパーケース2に伝達されたストラット式サスペンションに加わる車体の荷重を支持する。
【0065】
以上、本発明の第2実施の形態について説明した。
【0066】
本実施の形態に係る滑り軸受1Bは、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動を防止する回り止め機構として、センタープレート4Bのラジアル軸受部41の外周面411の下端部412に形成され、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部46と、ロワーケース3Aの環状突部33の内周面335に形成され、複数の楔形凹部46が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部46と嵌合する、楔形凹部46と同数以下の楔形凸部60と、を設けている。このため、センタープレート4Bをロワーケース3Bに対して位置合わせしなくても、センタープレート4Bをロワーケース3Bの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Bを介してアッパーケース2およびロワーケース3Bを回動自在に組み合わせることにより、各楔形凸部60がいずれかの楔形凹部46に案内されて嵌合し、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動が防止される。このため、本実施の形態においても、本発明の第1実施の形態に係る滑り軸受1Aと同様、組立作業が容易な回り止め機構を備えた滑り軸受1Bを提供することができる。その他の効果は、本発明の第1実施の形態に係る滑り軸受1Aと同様である。
【0067】
なお、本実施の形態では、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動を防止する回り止め機構として、センタープレート4Bのラジアル軸受部41の外周面411に複数の楔形凹部46を形成するとともに、ロワーケース3Bの環状突部33の内周面335に、楔形凹部46と同数以下の楔形凸部60を形成している。しかし、本発明はこれに限定されない。ロワーケース3Bの環状突部33の内周面335に円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部46を形成するとともに、センタープレート4Aのラジアル軸受部41の外周面411に、複数の楔形凹部46が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部46と嵌合する、楔形凹部46と同数以下の楔形凸部60を形成することにより、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0068】
また、本実施の形態では、センタープレート4Bのロワーケース3Bに対する回動を防止する回り止め機構を設けているが、本発明はこれに限定されない。例えば、アッパーケース2にガラス入りポリアミド樹脂等の圧縮強度の高い熱可塑性樹脂を用い、ロワーケース3Bに必要に応じて潤滑油が含浸されたポリアセタール樹脂等の滑り特性に優れた熱可塑性樹脂を用い、センタープレート4Bのアッパーケース2に対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0069】
この場合、センタープレート4Bのスラスト軸受部40の下面402にスラスト軸受面42を形成するとともに、ラジアル軸受部41の外周面411にラジアル軸受面45を形成する。そして、ラジアル軸受部40の内周面410に、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部46を形成するとともに、アッパーケース2の環状溝25の内周面251に、複数の楔形凹部46が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部46と嵌合する、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部60を形成する。
【0070】
あるいは、アッパーケース2の環状溝25の内周面251に、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部46を形成するとともに、ラジアル軸受部40の内周面410に、複数の楔形凹部46が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部46と嵌合する、楔形凹部46と同数以下の楔形凸部60を形成する。
【0071】
このようにすることにより、センタープレート4Bをアッパーケース2に対して位置合わせしなくても、センタープレート4Bをロワーケース3Bの環状突部33の環状上面331上に載置して、センタープレート4Bを介してアッパーケース2およびロワーケース3Bを回動自在に組み合わせることにより、各楔形凸部60がいずれかの楔形凹部46に案内されて嵌合し、センタープレート4Bのアッパーケース2に対する回動が防止される。
【0072】
本発明は、上記の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0073】
例えば、上記の各実施の形態では、センタープレート4A、4Bの円筒状のラジアル軸受部41を、円環状のスラスト軸受部40の内周縁から軸方向下方に張り出してスラスト軸受部40と一体的に形成している。しかし、本発明は、これに限定されない。ラジアル軸受部41を、スラスト軸受部40の内周縁から軸方向上方に張り出してスラスト軸受部40と一体的に形成してもよい。
【0074】
図14は、滑り軸受1A、1Bの変形例1Cを示す図であり、
図14(A)は、
図2(A)、
図9(A)に相当する図、
図14(B)は、
図2(B)、
図9(B)に相当する図である。ここで、滑り軸受1A、1Bと同じ機能を有するものには、同じ符号を付している。
【0075】
図示するように、滑り軸受1Cは、アッパーケース2Cと、アッパーケース2Cと回動自在に組み合わされて、アッパーケース2Cとの間に環状空間5を形成するロワーケース3Cと、この環状空間5に配置されたセンタープレート4Cと、図示していないが、環状空間5に充填された潤滑グリースと、を備えている。
【0076】
センタープレート4Cは、円環状のスラスト軸受部40と、スラスト軸受部40の内周縁から軸方向上方に張り出してスラスト軸受部40と一体的に形成されたラジアル軸受部41と、を備えている。
【0077】
スラスト軸受部40は、上面に形成されたスラスト軸受面42を備える。スラスト軸受部40の下面とロワーケース3Cの環状上面331とが接触するようにして、センタープレート4Cがロワーケース3C上に載置された場合に、スラスト軸受面42がアッパーケース2Cの環状下面27と摺動する。このスラスト軸受面42には、円周方向に複数配置された凹状のグリース溜め43が形成されている。
【0078】
スラスト軸受部40の下面の外周縁部には、円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部44が形成されている。複数の楔形凹部44は、ロワーケース3Cの環状上面331の外周側に形成された複数の楔形凸部39が位置する円周と同径の円周上に配置され、これらの楔形凸部39とともに、センタープレート4Cのロワーケース3Cに対する回動を防止する回り止め機構を構成する。
【0079】
ラジアル軸受部41は、外周面411に形成されたラジアル軸受面45を備える。スラスト軸受部40の下面とロワーケース3Cの環状上面331とが接触するようにして、センタープレート4Cがロワーケース3C上に載置された場合に、ラジアル軸受部41は、アッパーケース2Cの環状下面27の内径側に形成された段差部270と、ロワーケース3Cの環状上面331の内周側に形成された筒部337とにより形成される環状溝7に挿入されて、ラジアル軸受面45がこの段差部270の側壁面271と摺動する。
【0080】
滑り軸受1Cでは、センタープレート4Cのロワーケース3Cに対する回動を防止する回り止め機構として、センタープレート4Cのスラスト軸受部40の下面の外周縁部に複数の楔形凹部44を形成するとともに、ロワーケース3Cの環状上面331の外周側に、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39を形成している。しかし、本発明はこれに限定されない。ロワーケース3Cの環状上面331の外周側に円周方向に連なって配置された複数の楔形凹部44を形成するとともに、センタープレート4Cのスラスト軸受部40の下面の外周縁部に、複数の楔形凹部44が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部44と嵌合する、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39を形成することにより、センタープレート4Cのロワーケース3Cに対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0081】
あるいは、センタープレート4Cのラジアル軸受部41の内周面410、および、この内周面410と対面し、ロワーケース3Cの環状上面331の内径側に形成された筒部337の外周面338のいずれか一方に、周方向に連なって配置された複数の楔形凹部46を形成し、他方に、複数の楔形凹部46が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部46と嵌合する、楔形凹部46と同数以下の楔形凸部60を形成することにより(
図9(A)、(B)参照)、センタープレート4Cのロワーケース3Cに対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0082】
また、滑り軸受1Cでは、センタープレート4Cのロワーケース3Cに対する回動を防止する回り止め機構を設けているが、センタープレート4Cのアッパーケース2Cに対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0083】
この場合、センタープレート4Cのスラスト軸受部40の下面にスラスト軸受面42を形成するとともに、ラジアル軸受部41の内周面410にラジアル軸受面45を形成する。そして、スラスト軸受部40の上面およびアッパーケース2Cの環状下面27のいずれか一方に、周方向に連なって配置された複数の楔形凹部44を形成し、他方に、複数の楔形凹部44が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部44と嵌合する、楔形凹部44と同数以下の楔形凸部39を形成することにより、センタープレート4Cのアッパーケース2Cに対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0084】
あるいは、ラジアル軸受部40の外周面411およびアッパーケース2Cの段差部270の側壁面271のいずれか一方に、周方向に連なって配置された複数の楔形凹部46を形成し、他方に、複数の楔形凹部46が配置された円周と同径の円周上に配置され、各々がいずれかの楔形凹部46と嵌合する、楔形凹部46と同数以下の楔形凸部60を形成することにより(
図9(A)、(B)参照)、センタープレート4Cのアッパーケース2Cに対する回動を防止する回り止め機構を設けてもよい。
【0085】
また、上記の各実施の形態およびその変形例に係る滑り軸受1A〜1Cにおいて、スラスト軸受面42がスラスト軸受部40の上面401に形成され、センタープレート4A〜4Cのロワーケース3A〜3Cに対する回動を防止する回り止め機構が設けられている場合、スラスト軸受面42とアッパーケース本体21の環状下面27との間に潤滑シートを配置して、スラスト軸受面42とアッパーケース本体21の環状下面27との摺動特性を向上させてもよい。
【0086】
また、スラスト軸受面42がスラスト軸受部40の下面402に形成され、センタープレート4A〜4Cのアッパーケース2、2Cに対する回動を防止する回り止め機構が設けられている場合、スラスト軸受面42とロワーケース本体31の環状上面331との間に潤滑シートを配置して、スラスト軸受面42とロワーケース本体31の環状上面331との摺動特性を向上させてもよい。
【0087】
図15は、滑り軸受1Aの変形例1Dを示す図であり、
図15(A)は、
図2(A)に相当する図、
図15(B)は、
図2(B)に相当する図である。ここで、滑り軸受1Aと同じ機能を有するものには、同じ符号を付している。
【0088】
図示するように、滑り軸受1Dは、アッパーケース2と、アッパーケース2と回動自在に組み合わされて、アッパーケース2との間に環状空間5を形成するロワーケース3Aと、この環状空間5に配置されたセンタープレート4Aおよび潤滑シート8Aと、図示していないが、環状空間5に充填された潤滑グリースと、を備えている。
【0089】
潤滑シート8Aは、PTFE、TFE(テトラフルオロエチレン)に他原料(コモノマー)を微量共重合させた変性PTFE等のフッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の摺動特性に優れた熱可塑性プラスチックで形成され、必要に応じてPTFE(ただし、熱可塑性プラスチックがPTFE、変性PTFEの場合を除く)、潤滑油、シリコーン、黒鉛等の潤滑剤、および/またはアラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の補強材が添加される。潤滑シート8Aは、円環状部材であり、センタープレート4Aのスラスト軸受部40の上面401に形成されたスラスト軸受面42と、スラスト軸受面42と対面するアッパーケース2のアッパーケース本体21の環状下面27との間に配置される。これにより、スラスト軸受面42は、潤滑シート8Aを介して、アッパーケース本体21の環状下面27と相対的に回動する。
【0090】
なお、潤滑シート8Aの厚さは、使用する材質によって異なるが、例えば0.1mm〜1mm、好ましくは0.2mm〜0.7mmである。また、潤滑シート8Aは、表面、裏面ともに平坦であることが好ましい。
【0091】
また、上記の各実施の形態およびその変形例に係る滑り軸受1A〜1Cにおいて、スラスト軸受面42がスラスト軸受部40の上面401に形成され、ラジアル軸受面45がラジアル軸受部41の内周面410に形成され、センタープレート4A〜4Cのロワーケース3A〜3Cに対する回動を防止する回り止め機構が設けられている場合、スラスト軸受面42とアッパーケース本体21の環状下面27との間、およびラジアル軸受面45とアッパーケース2のラジアル軸受面45との対向面(アッパーケース本体21の環状溝25の内周面251との間(滑り軸受1A、1Bの場合)、あるいはアッパーケース本体21の環状下面27の内径側に形成された段差部270の側壁面271との間(滑り軸受1Cの場合))に潤滑シートを配置して、スラスト軸受面42とアッパーケース本体21の環状下面27との摺動特性、およびラジアル軸受面45とアッパーケース2のラジアル軸受面45との対向面との摺動特性を向上させてもよい。
【0092】
また、スラスト軸受面42がスラスト軸受部40の下面402に形成され、ラジアル軸受面45がラジアル軸受部41の外周面411に形成され、センタープレート4A〜4Cのアッパーケース2、2Cに対する回動を防止する回り止め機構が設けられている場合、スラスト軸受面42とロワーケース本体31の環状上面331との間、およびラジアル軸受面45とロワーケース3のラジアル軸受面45との対向面(ロワーケース本体31の環状突部33の内周面335との間(滑り軸受1A、1Bの場合)、あるいはロワーケース本体31の環状上面331の内径側に形成された筒部337の外周面338との間(滑り軸受1Cの場合))に潤滑シートを配置して、スラスト軸受面42とロワーケース本体31の環状上面331との摺動特性、およびラジアル軸受面45とロワーケース3のラジアル軸受面45との対向面との摺動特性を向上させてもよい。
【0093】
図16は、滑り軸受1Aの変形例1Eを示す図であり、
図16(A)は、
図2(A)に相当する図、
図16(B)は、
図2(B)に相当する図である。ここで、滑り軸受1Aと同じ機能を有するものには、同じ符号を付している。
【0094】
図示するように、滑り軸受1Eは、アッパーケース2と、アッパーケース2と回動自在に組み合わされて、アッパーケース2との間に環状空間5を形成するロワーケース3Aと、この環状空間5に配置されたセンタープレート4Aおよび潤滑シート8Bと、図示していないが、環状空間5に充填された潤滑グリースと、を備えている。
【0095】
潤滑シート8Bは、センタープレート4Aのスラスト軸受部40の上面401に形成されたスラスト軸受面42と、スラスト軸受面42と対面するアッパーケース2のアッパーケース本体21の環状下面27との間に配置された円環状のスラストシート部80と、センタープレート4Aのラジアル軸受部41の内周面410に形成されたラジアル軸受面45と、ラジアル軸受面45と対面するアッパーケース本体21の環状溝25の内周面251との間に配置された円筒状のラジアルシート部81と、を有する。ここで、潤滑シート8Bの材料、およびスラストシート部80、ラジアルシート部81の厚みは、
図15に示す変形例1Dの潤滑シート8Aと同様である。
【0096】
なお、
図16に示す変形例1Eでは、円環状のスラストシート部80と、円筒状のラジアルシート部81とを一体的に形成して潤滑シート8Bを構成しているが、円環状のスラストシート部80および円筒状のラジアルシート部81は、それぞれ別体の部品であってもよい。
【0097】
また、本発明の滑り軸受は、ストラット式サスペンションを含む様々な機構において、軸部材の回動を許容しつつ、この軸部材に加わる荷重を支持する滑り軸受に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1A、1B、1C、1D、1E:滑り軸受、 2、2C:アッパーケース、 3A、3B、3C:ロワーケース、 4A、4B、4C:センタープレート、 5:環状空間、 6:ラビリンス、 7:環状溝、 8A、8B:潤滑シート、 10:滑り軸受1A、1Bの収容孔、 20:アッパーケース2の挿入孔、 21:アッパーケース本体、 22:アッパーケース本体21の上面、 23:アッパーケース本体21の取付面、 24:アッパーケース本体21の下面、 25:アッパーケース本体21の環状溝、 26:環状溝25の溝底、 27:アッパーケース本体21の環状下面、 28:アッパーケース本体21の防壁、 29:スナップフィット部、 30:ロワーケース3A、3Bの挿入孔、 31:ロワーケース本体、 32:ロワーケース本体31の上面、 33:ロワーケース本体31の環状突部、 34:ロワーケース本体31の外周面、 35:フランジ、 36:フランジ35の下面、 37:フランジ35の外周面、 38:ロワーケース本体31の被係止部、 39、60:楔形凸部、 40:スラスト軸受部、 41:ラジアル軸受部、 42:スラスト軸受面、 43:グリース溜め、 44、46:楔形凹部、 80:スラストシート部、 81:ラジアルシート部、 250:環状溝25の外周面、 251:環状溝25の内周面、 270:段差部、 271:段差部270の側壁面、 330:環状突部33の上面、 331:環状上面、 332:環状上面331の外周縁部、 335:環状突部33の内周面、 337:筒部、 338:筒部337の外周面、 390:楔形凸部39の頂部、 401:スラスト軸受部40の上面、 402:スラスト軸受部の下面、 403:下面402の外周縁部、 410:ラジアル軸受部41の内周面、 411:ラジアル軸受部41の外周面、 412:外周面411の下端部、 440:楔形凹部44の底部、 460:楔形凹部46の底部、 600:楔形凸部60の端部
【国際調査報告】