特表-18087829IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年5月17日
【発行日】2018年11月15日
(54)【発明の名称】動力伝達装置及び水力発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03B 11/00 20060101AFI20181019BHJP
   F16H 37/02 20060101ALI20181019BHJP
   F16H 49/00 20060101ALI20181019BHJP
【FI】
   F03B11/00 Z
   F16H37/02 Z
   F16H49/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
【出願番号】特願2017-511353(P2017-511353)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年11月9日
(11)【特許番号】特許第6184643号(P6184643)
(45)【特許公報発行日】2017年8月23日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002059
【氏名又は名称】シンフォニアテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】大内 優
(72)【発明者】
【氏名】谷川 博昭
(72)【発明者】
【氏名】榊 茂之
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 昌二
(72)【発明者】
【氏名】中野 克好
【テーマコード(参考)】
3H072
3J062
【Fターム(参考)】
3H072AA02
3H072AA27
3H072BB02
3H072BB07
3H072CC08
3H072CC10
3H072CC31
3H072CC99
3J062AA60
3J062AB06
3J062AB37
3J062AC01
3J062BA12
3J062CG03
3J062CG13
(57)【要約】
水力発電において、タービンと発電機との間に配置され、小型化及び低コスト化が可能な、磁気カップリング装置を用いた動力伝達装置及びそれを用いた水力発電装置を提供する。
タービン10によって水力から変換された回転力を発電機11に伝達する動力伝達装置1であって、前記タービン10により回転された第1部材12の回転を、前記第1部材12の回転より高速な第2部材21の回転に変換する増速機20と、前記第2部材21の回転を、前記第2部材21と非接触で、前記発電機11に連結される第3部材14に伝達する磁気カップリング装置30とを備える。本実施形態によると、水流で回転されたタービン10の回転力はトルクが大きいが、磁気カップリング装置30で動力が伝達される前に、増速機20で増速される。増速機20で増速される際、トルクは小さくなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンによって水力から変換された回転力を発電機に伝達する動力伝達装置であって、
前記タービンにより回転された第1部材の回転を、前記第1部材の回転より高速な第2部材の回転に変換する増速機と、
前記第2部材の回転を、前記第2部材と非接触で、前記発電機に連結される第3部材に伝達する磁気カップリング装置とを備える動力伝達装置。
【請求項2】
前記第2部材及び前記増速機を覆う筐体を備える請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記筐体の内部を加圧する加圧装置を備える請求項1または2に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記増速機は、遊星歯車構造を有する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
【請求項5】
タービンと、
発電機と、
前記タービンによって水力から変換された回転力を発電機に伝達する動力伝達装置と、を備え、
前記動力伝達装置は、
前記タービンにより回転された第1部材の回転を、前記第1部材の回転より高速な第2部材の回転に変換する増速機と、
前記第2部材の回転を、前記第2部材と非接触で、前記発電機に連結される第3部材に伝達する磁気カップリング装置とを備える水力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力伝達装置及び水力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水力発電において、タービンと、増速機と、発電機とが連結された水力発電装置がある。タービンは、羽根やスクリューを、水流を利用して回転させることにより回転力を発生させ、その回転力を、増速機によって増速した後、発電機に伝達する。ここで、タービンは水中に配置される。しかし、タービンに連結されている発電機や増速機は、内部へ水が浸入すると故障等の原因となる。このため、タービンと増速機の間において、非接触で動力伝達が可能な磁気カップリング装置が用いられた動力伝達装置が設けられている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−138540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、水流によって発生されたタービンの回転トルクが大きい。このような大きなトルクを、磁気カップリング装置で伝達する場合、大きな磁石が必要となり、装置が大型化するとともに製造コストが高くなる。また、大きな磁力が発生するため、製作、組立面でも大掛な組立治具、装置が必要となる。
【0005】
本発明は、水力発電において、タービンと発電機との間に配置され、小型化及び低コスト化が可能な、磁気カップリング装置を用いた動力伝達装置及びそれを用いた水力発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の動力伝達装置は、タービンによって水力から変換された回転力を発電機に伝達する動力伝達装置であって、前記タービンにより回転された第1部材の回転を、前記第1部材の回転より高速な第2部材の回転に変換する増速機と、前記第2部材の回転を、前記第2部材と非接触で、前記発電機に連結される第3部材に伝達する磁気カップリング装置とを備える。
【0007】
前記第2部材及び前記増速機を覆う筐体を備えることが好ましい。
【0008】
前記筐体の内部を加圧する加圧装置を備えることが好ましい。
【0009】
前記増速機は、遊星歯車構造を有していることが好ましい。
【0010】
本発明の水力発電装置は、タービンと、発電機と、前記タービンによって水力から変換された回転力を発電機に伝達する動力伝達装置と、を備え、前記動力伝達装置は、前記タービンにより回転された第1部材の回転を、前記第1部材の回転より高速な第2部材の回転に変換する増速機と、前記第2部材の回転を、前記第2部材と非接触で、前記発電機に連結される第3部材に伝達する磁気カップリング装置とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水力発電において、タービンと発電機との間に配置され、小型化及び低コスト化が可能な、磁気カップリング装置を用いた動力伝達装置及びそれを用いた水力発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態の動力伝達装置を含む水力発電装置の概念図である。
図2】実施形態の動力伝達装置の断面図である。
図3】比較形態の水力発電装置である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の実施形態の動力伝達装置1を含む水力発電装置100の概念図である。図2は、動力伝達装置1の断面図である。図示するように、水力発電装置100は、タービン10と、動力伝達装置1と、発電機11とを備える。
【0014】
(タービン10)
タービン10は、河川等の水中に配置されている。タービン10は、例えばタービン軸(第1部材)12と、そのタービン軸12の周囲に配置された羽根部材(図示せず)を備える。水流によって羽根部材が回転され、これによってタービン軸12が回転する。タービン軸12は、上方(水上方向)へ延びている。
【0015】
(発電機11)
発電機11は、タービン10によって発生され、本実施形態の動力伝達装置1を介して伝達された回転力を用いて発電を行う。発電機11は、図示しないが、例えば中心軸(第3部材)に連結されたロータと、ロータの外周に配置されたコイルとを備える。ロータ表面には、極性の異なる磁石が交互に取り付けられ、ロータの回転によってコイルに電力が発生する。
【0016】
(動力伝達装置1)
タービン10と発電機11との間には、本実施形態の動力伝達装置1が配置されている。動力伝達装置1は、増速機20と磁気カップリング装置30とを備える。本実施形態において増速機20はタービン10側に配置され、磁気カップリング装置30は発電機11側に配置されている。
【0017】
(増速機20)
増速機20は、遊星歯車機構を用いた増速機20である。図2に示すように増速機20は、中心に配置されたサンギア(第2部材)21と、サンギア21の外周を取り囲むように設けられたリングギア22と、サンギア21とリングギア22の間に配置され、サンギア21の外歯とリングギア22の内歯の両方に噛み合う複数個のプラネタリギア23と、プラネタリギア23同士を連結する上下のプラネタリキャリア24(24a,24b)とを備える。
【0018】
下部のプラネタリキャリア24aは、タービン10のタービン軸12に連結され、タービン軸12とともに回転する。プラネタリキャリア24aには、プラネタリギア23の数に対応して凹部25が設けられ、その凹部25には、プラネタリギア23が回転(自転)可能に配置されている。
【0019】
リングギア22の下端には、プラネタリキャリア24の外周を覆う下部筐体40が水密状態で連結されている。下部筐体40は、タービン軸12の上端の外周も覆っている。タービン軸12は、下部筐体40に対して相対回転可能となっている。
【0020】
タービン10のタービン軸12が回転すると、プラネタリキャリア24aが回転する。プラネタリキャリア24aが回転すると、プラネタリギア23もリングギア22の内周に沿って回転(公転)する。
その際、リングギア22の内歯と、プラネタリギア23の外歯とが噛み合い、プラネタリギア23は自転する。そのプラネタリギア23の自転によって、プラネタリギア23と噛み合っているサンギア21が回転する。
ここで、プラネタリギア23がサンギア21の周りを公転すると、サンギア21は、サンギア21の歯数に対するリングギア22の歯数分だけ増速されて回転する。
【0021】
(磁気カップリング装置30)
磁気カップリング装置30は、互いに非接触な上部カップリング31と下部カップリング32とを有し、永久磁石の吸引力を利用して下部カップリング32から上部カップリング31へと、トルクの伝達を行なう。上部カップリング31と下部カップリング32とは非接触であるので、トルク伝達を行う際に磨耗による発塵が発生せず、また静音化が可能である。
【0022】
下部カップリング32は、サンギア21の上端に連結されて、サンギア21と共に回転する下部マグネットプレート33を有する。下部マグネットプレート33の上面及び側部は、非磁性体で製造された上部筐体35で覆われている。
上部筐体35は、有底円筒形状の底部を上にして、下部マグネットプレート33の上部より被せたような形状である。上部筐体35の上面(底部)と下部マグネットプレート33とは非接触である。
上部筐体35の側部は、円筒形状であり、その円筒形状の下端は、リングギア22の上端に水密状態で連結されている。
【0023】
上部カップリング31は、下部マグネットプレート33と対向する上部マグネットプレート36を有する。上部マグネットプレート36は、発電機11へと続く中心軸14(第3部材)に連結され、共に回転する。
【0024】
増速機20で増速されたサンギア21が回転すると、下部マグネットプレート33も回転する。下部マグネットプレート33の回転に伴い、上部マグネットプレート36は下部マグネットプレート33に対して非接触で回転し、上部マグネットプレート36の回転と共に、中心軸14も回転する。中心軸14は、発電機11に連結され、発電機11において発電が行われる。
【0025】
ここで、上述のように、磁気カップリング装置30の下部マグネットプレート33の上面及び側部は、上部筐体35で覆われている。そして、上部筐体35の下端は、リングギア22の上端に水密状態で連結されている。また、リングギア22の下端には、プラネタリキャリア24の外周を覆う下部筐体40が水密状態で連結されている。下部筐体40は、プラネタリキャリア24に連結されているタービン軸12の上端の外周も覆っている。タービン軸12は下部筐体40の内部において、下部筐体40に対して相対回転可能な状態で、メカニカルシール55を介して保持されている。
【0026】
すなわち、増速機20及び磁気カップリング装置30の下部カップリング32は、上部筐体35、リングギア22、下部筐体40によって構成される筐体50によって、水密状態で覆われている。
また、筐体50の上部筐体35には、開口51が設けられ、その開口51から延びる筒部材52の先端にはポンプ53が連結されている。ポンプ53より筐体50の内部に空気が送られ、筐体50の内部は、水圧とほぼ同等に保たれている。これにより、筐体50においてメカニカルシール55を介してタービン軸12が挿入されている部分からの筐体50内部への水の侵入が防止される。
【0027】
(1)本実施形態によると、トルク伝達の流れを、水中のタービン10、増速機20、磁気カップリング装置30、発電機11としている。本実施形態の効果の説明を容易にするために、まず比較形態について説明する。図3は、比較形態の水力発電装置100Aである。比較形態においてはタービン10A、磁気カップリング装置30A、増速機20A、発電機11Aの順で配置されている。この場合、タービン10Aと増速機20Aとの間に、磁気カップリング装置30Aが配置され、非接触でトルクが伝達される。
【0028】
しかし、水流で回転されたタービン10Aの回転トルクが大きい。このようなトルクが大きな力を磁気カップリング装置30Aを用いて伝達する場合、大きな磁石が必要となり、磁気カップリング装置30Aが大型化するとともに製造コストが高くなる。また、大きな磁力が発生するため、製作、組立面でも大掛な組立治具、装置が必要となる。
【0029】
これに対して実施形態によると、磁気カップリング装置30、増速機20、発電機11の順で配置されている。したがって、水流で回転されたタービン10の回転力はトルクが大きいが、磁気カップリング装置30で動力が伝達される前に、増速機20で増速される。増速機20で増速される際、トルクは小さくなる。したがって、大きな力を伝達する場合と比べて、磁気カップリング装置30において伝達されるトルクが小さい。ゆえに、用いる磁石が小さくて良く、装置が小型化するとともに製造コストが安くなる。また、発生する磁力も小さいため、製作、組立面でも大掛な組立治具、装置が不要となる。
【0030】
(2)増速機20は、磁気カップリング装置30による非接触部分よりもタービン10側に配置される。しかし、圧縮空気が内部に送付されるため、増速機20の内部に海水等が浸入することがなく、腐食等の被害を防止することができる。
【0031】
(3)増速機20内部の圧力は、水圧に近い圧力が水圧よりわずかに小さい。したがって、メカニカルシール55のシール性を阻害することがない。
【符号の説明】
【0032】
1 動力伝達装置
10 タービン
11 発電機
12 タービン軸
14 中心軸
20 増速機
21 サンギア
22 リングギア
23 プラネタリギア
24 プラネタリキャリア
30 磁気カップリング装置
31 上部カップリング
32 下部カップリング
33 下部マグネットプレート
35 上部筐体
36 上部マグネットプレート
40 下部筐体
50 筐体
51 開口
52 筒部材
53 ポンプ
55 メカニカルシール
100 水力発電装置
図1
図2
図3

【手続補正書】
【提出日】2017年6月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンによって水力から変換された回転力を発電機に伝達する動力伝達装置であって、
前記タービンにより回転された第1部材の回転を、前記第1部材の回転より高速な第2部材の回転に変換する増速機と、
前記第2部材の回転を、前記第2部材と非接触で、前記発電機に連結される第3部材に伝達する磁気カップリング装置とを備える動力伝達装置。
【請求項2】
前記第2部材及び前記増速機を覆う筐体を備える請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記筐体の内部を加圧する加圧装置を備える請求項2に記載の動力伝達装置。
【請求項4】
前記増速機は、遊星歯車構造を有する請求項1から3のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
【請求項5】
タービンと、
発電機と、
前記タービンによって水力から変換された回転力を発電機に伝達する動力伝達装置と、を備え、
前記動力伝達装置は、
前記タービンにより回転された第1部材の回転を、前記第1部材の回転より高速な第2部材の回転に変換する増速機と、
前記第2部材の回転を、前記第2部材と非接触で、前記発電機に連結される第3部材に伝達する磁気カップリング装置とを備える水力発電装置。
【国際調査報告】