特表-18088087IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オリンパス株式会社の特許一覧
<>
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000003
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000004
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000005
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000006
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000007
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000008
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000009
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000010
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000011
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000012
  • 再表WO2018088087-内視鏡 図000013
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年5月17日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】内視鏡
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/018 20060101AFI20181130BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   A61B1/018 511
   G02B23/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】24
【出願番号】特願2018-549581(P2018-549581)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年10月6日
(31)【優先権主張番号】特願2016-218983(P2016-218983)
(32)【優先日】2016年11月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】苅込 典史
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 厚
【テーマコード(参考)】
2H040
4C161
【Fターム(参考)】
2H040DA17
2H040DA57
4C161DD03
4C161FF21
4C161FF43
4C161GG08
4C161JJ03
4C161JJ06
(57)【要約】
内視鏡は、長手方向に延出する可撓管と、前記可撓管の末端側に接続された剛体部と、前記剛体部内に設けられた口金と、中間部と、前記口金の外周に被さって前記口金に接続された端部と、を有し、前記可撓管内に挿通されたチューブと、を有し、前記チューブは、長手方向の全長にわたり、充実構造の樹脂で形成された内層と、少なくとも前記口金の接続部の一部に対応するとともに多孔質構造の樹脂で形成された第1の部分と、前記第1の部分の前記端部から離隔する側に位置して充実構造の樹脂で形成された第2の部分と、を有し、前記内層の外側に配置される外層と、を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延出する可撓管と、
前記可撓管の末端側に接続された剛体部と、
前記剛体部内に設けられた口金と、
前記口金の外周に被さって前記口金に接続された端部を有し、前記可撓管内に挿通されたチューブと、
を有し、
前記チューブは、
長手方向の全長にわたり、充実構造の樹脂で形成された内層と、
少なくとも前記口金の接続部の一部に対応するとともに多孔質構造の樹脂で形成された第1の部分と、前記第1の部分の前記端部から離隔する側に位置して充実構造の樹脂で形成された第2の部分と、を有し、前記内層の外側に配置される外層と、
を有することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記外層は、前記第2の部分よりも前記長手方向の前記端部から離隔する側に、多孔質構造の樹脂で形成された第3の部分を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記剛体部の内部に前記第1の部分及び前記第2の部分が配置され、前記可撓管の内部に前記第3の部分が配置されたことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記剛体部と前記可撓管との境界には、前記可撓管の可撓性を徐々に変化させるための折れ止め部が設けられ、
前記チューブにおける前記第2の部分と前記第3の部分との境界は、前記折れ止め部の内部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記外層は、前記第2の部分と前記第3の部分との間に位置する遷移部を有し、前記遷移部は、多孔質構造の樹脂で形成され、前記遷移部の空孔率は、前記第3の部分の空孔率よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記剛体部と前記可撓管との間の位置には、前記可撓管の可撓性を徐々に変化させるための折れ止め部が設けられ、
前記遷移部は、前記折れ止め部の内部に配置されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記第1の部分は、前記口金の前記接続部の全体に対応することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記第1の部分は、前記口金の前記接続部の先端よりも前記接続部の基端側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記チューブの外周側には、前記口金との間で前記チューブを圧縮して前記口金に前記チューブを固定する圧縮部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記チューブの外周側には、前記口金との間で前記チューブを圧縮する管を有するチューブ固定部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記第1の部分は、前記チューブ固定部の端部よりも前記接続部の基端側に設けられることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡。
【請求項12】
前記内層と前記外層とは、ともにフッ素樹脂を含んで一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可撓管内に挿通されたチューブを有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許第3184387号公報(特許文献1)には、内層を充実構造のPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成し、外層を多孔質構造で形成した可撓性チューブが開示される。
【0003】
例えば特開2001−46314号公報(特許文献2)には、流体を通すことが可能な可撓性チューブを有する内視鏡が開示される。この可撓性チューブでは、内層は充実構造のPTFEで形成される。外層は、充実構造部、充実構造部から徐々に多孔質構造に変化する遷移部、および多孔質構造の軟質部、で形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3184387号公報
【特許文献2】特開2001−46314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の可撓性チューブは、内層が非常に薄い為、繰り返し洗浄を行うと、洗浄ブラシによって内層が削られる可能性があり、その場合多孔質構造の外層が内面に露出し、気密が保てなくなる可能性が考えられるため、耐久性に関して改善の余地があった。特許文献2では、可撓性チューブ端部が充実構造化されている為、変形しにくいことから、口金等に固定する際の作業性に関して改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一態様に係る内視鏡は、長手方向に延出する可撓管と、前記可撓管の末端側に接続された剛体部と、前記剛体部内に設けられた口金と、口金の外周に被さって前記口金に接続された端部を有し、前記可撓管内に挿通されたチューブと、を有し、前記チューブは、長手方向の全長にわたり、充実構造の樹脂で形成された内層と、少なくとも前記口金の接続部の一部に対応するとともに多孔質構造の樹脂で形成された第1の部分と、前記第1の部分の前記端部から離隔する側に位置して充実構造の樹脂で形成された第2の部分と、を有し、前記内層の外側に配置される外層と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る内視鏡システムおよび内視鏡を示す概略図である。
図2図2は、図1に示す内視鏡を拡大して示す断面図である。
図3図3は、図2に示す内視鏡の操作部、第1折れ止め部、および挿入部を示す断面図である。
図4図4は、図3に示す第2口金周りを拡大して示した断面図である。
図5図5は、図4に示す第2口金の第2口金本体に第1吸引チューブ、押し付けリング、およびナット部を固定する工程を示した断面図である。
図6図6は、図2に示す第1口金周りを拡大して示した断面図である。
図7図7は、図2に示す第2吸引管路の先端部周りを拡大して示す断面図である。
図8図8は、実施形態に係る内視鏡システムの第1変形例に係る内視鏡システムの第2口金周りを拡大して示す断面図である。
図9図9は、実施形態に係る内視鏡システムの第2変形例に係る第2口金周りを拡大して示した断面図である。
図10図10は、実施形態に係る内視鏡システムの第2変形例に係る第1口金周りを拡大して示した断面図である。
図11図11は、実施形態に係る内視鏡システムの第3変形例に係る第1折れ止め部周りを拡大して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
実施形態の内視鏡システムについて、図1から図7を用いて説明する。図1図2に示すように、内視鏡システム11は、内視鏡12と、内視鏡12によって撮像された被写体像に基づいて画像処理をする内視鏡コントローラ13(制御部)と、内視鏡コントローラ13での画像処理によって生成された映像を映し出す表示部14(モニタ)と、内視鏡12内に形成された吸引経路15に接続され吸引経路15内の流体(空気、液体)を吸引する吸引部16(真空ポンプ)と、後述する照明光学系に照明光を供給するための光源17と、を備えている。
【0009】
図1図2に示すように、内視鏡12は、被検体の管腔などの管路に対し長手方向L(中心軸C)に沿って挿入される挿入部21と、挿入部21の基端側に設けられ操作者に把持される操作部22と、挿入部21の根元側で操作部22と隣接する位置に設けられる第1折れ止め部23と、操作部22の挿入部21側に位置に突出するように設けられた処置具導入部24と、操作部22から内視鏡コントローラ13側に延出されたユニバーサルコード25と、ユニバーサルコード25の根元側で操作部22と隣接する位置に設けられる第2折れ止め部26と、ユニバーサルコード25の先端部に設けられ内視鏡コントローラ13との連結部を構成するコネクタ27と、ユニバーサルコード25の先端側でコネクタ27と隣接する位置に設けられる第3折れ止め部28と、挿入部21の先端から操作部22およびユニバーサルコード25を経由してコネクタ27にまで至るように形成される吸引経路15と、を有する。操作部22は、その外殻を構成する操作部ケース31を有する。操作部22は、可撓管の末端側に接続された剛体部の一例である。
【0010】
第1折れ止め部23は、可撓性を有する樹脂材料等によって、中空の円錐台形状に形成される。第1折れ止め部23の内部には、吸引経路15の第1吸引チューブ32等の各種の配管・配線を通すための貫通穴が形成される。第1折れ止め部23の厚みは、操作部22に近づくにつれて大きくなるようになっており、操作部22に近づくにつれて剛性が大きく(可撓性が小さく)なっている。第1折れ止め部23は、挿入部21の管部33の湾曲に倣うように先端構成部34に近い位置(先端側)で大きく変形することができる。このため、第1折れ止め部23は、操作者が内視鏡12を把持して管部33を湾曲させた際に、第1折れ止め部23の先端側が大きく撓んで管部33にかかる力を受けることができる。これによって、第1折れ止め部23は、挿入部21の管部33の根元側に集中してかかる力を長手方向Lの先端側に分散させることができる。また、第1折れ止め部23は、管部33(可撓管)の折れを防止するとともに、管部33(可撓管)の可撓性を長手方向Lに沿って徐々に変化させることができる。
【0011】
図2に示すように、コネクタ27は、コネクタケース35と、コネクタケース35から外側に突出するように設けられた連結部36と、内視鏡コントローラ13との間で光源部との接続をとるための端子18と、コネクタケース35の内部で吸引経路15と連結部36との間に介在されるように設けられた第4口金37と、を有する。連結部36は、吸引経路15に接続されている。コネクタ27は、可撓管の末端側に接続された剛体部の一例である。
【0012】
図1に示すように、挿入部21は、その先端から基端に向かって順に、先端構成部34、湾曲部38、および管部33を有する。管部33はいわゆる軟性鏡と称される可撓性を有するものであっても良い。湾曲部38は牽引用のワイヤ39(図6参照)等を用いた公知の機構により、操作部22に設けられた図示しない回転ノブにより2方向又は4方向など、複数の方向に湾曲させることができる。湾曲部38、管部33、およびユニバーサルコード25は、操作部22から長手方向Lに延出する可撓管の一例である。湾曲部38および管部33は、内部構造を覆って保護するための筒状の外皮41を有する。外皮41は、合成樹脂材料等によって形成され、先端構成部34から操作部22の端部に設けられた接続用口金42まで連続的に設けられている。外皮41の内側に、外皮41と一体的に設けられた金属製の補強部材(らせん管)を有していてもよい。
【0013】
図1図2に示すように、内視鏡12は、被検体内を照明するための照明光学系と、撮像ユニット、対物レンズ等を含む対物光学系と、を有する。
【0014】
その他、内視鏡は、図示しないが、被検体内の被検部位に向けて流体を供給する送気/送水機構を有する。送気/送水機構は、先端構成部34に形成された送気送水チャンネルを有する。送気/送水機構は、操作部の第1ボタン43で操作される。吸引部16は、吸引経路15に連通され、操作部22の第2ボタン44で操作される。
【0015】
照明光学系及び対物光学系は、内視鏡12の挿入部21の先端構成部34、湾曲部38、管部33、操作部22、およびユニバーサルコード25に挿通されている。照明光学系は、湾曲部38およびユニバーサルコード25の内側に挿通されるライトガイドファイバ束と、ライトガイドファイバ束の先端に接続された照明用レンズと、を有する。
【0016】
図6に示すように、先端構成部34は、先端構成部本体45と、先端構成部本体45から湾曲部38側に向かって延びる外筒部46と、を有する。先端構成部34(先端構成部本体45、外筒部46)は、剛体部の一例である。
【0017】
図2図3に示すように、吸引経路15は、先端構成部本体45に形成された貫通孔45Aと、貫通孔45Aと連続するように形成された筒状の第1口金47と、操作部22内に「Y」字状に分岐した内部流路を有する分岐部48と、分岐部48の挿入部21側の出口に設けられた筒状の第2口金51と、分岐部48のユニバーサルコード25側の出口に設けられた筒状の第3口金52と、コネクタ27内に設けられた筒状の上記第4口金37と、操作部22内に設けられ第2ボタン44とその側面に接続された第1吸引管路53と、操作部22内に設けられ第2ボタン44の底部に接続された第2吸引管路54と、挿入部21内に挿通され第1口金47と第2口金51とを接続した第1吸引チューブ32(処置具挿通チャンネル)と、第3口金52と第1吸引管路53の先端部53Aとを接続するように操作部22内に設けられた第2吸引チューブ55と、第2吸引管路54の先端部54Aとコネクタ27の第4口金37とを接続するようにユニバーサルコード25の内部に挿通された第3吸引チューブ56と、を有する。第1吸引管路53および第2吸引管路54は、例えば金属製のパイプによって形成される。第2口金51は、剛体部内に設けられた口金の一例である。
【0018】
操作者が第2ボタン44を押圧操作すると、吸引部16の負圧が先端構成部34の貫通孔45Aにまで影響を及ぼす。これによって、吸引物が吸引経路、すなわち挿入部21の先端から操作部22およびユニバーサルコード25を経由してコネクタ27にまで至る経路を介して吸引部16側に吸引される。
【0019】
吸引経路15には、内部を洗浄する際に洗浄用のブラシ57を通すための2種類の経路がある。洗浄用のブラシ57は、一例として図3に示す構造のものが使用される。この洗浄用のブラシ57は、金属素線をコイル状に巻いて構成された可撓性のある軸部57Aと、軸部57Aの先端部に設けられて複数の洗浄用の毛を有するブラシ部57Bと、を有する。
【0020】
図2に示すように、第1の経路15Aは、第2ボタン44から第1吸引管路53側にブラシ57を通す経路であり、この第1の経路15Aにブラシ57を通すことで、第1吸引管路53、第2吸引チューブ55、第3口金52、分岐部48、第2口金51、第1吸引チューブ32、第1口金47、および貫通孔45Aの内部を洗浄できる。第2の経路15Bは、第2ボタン44から第2吸引管路54側にブラシ57を通す経路であり、この第2の経路15Bにブラシ57を通すことで、第2吸引管路54、第3吸引チューブ56、第4口金37、および連結部36の内部を洗浄できる。
【0021】
内視鏡12は、筒状の処置具導入用口金58を有し、処置具導入用口金58は、分岐部48の処置具導入部24側の出口に接続されている。処置具導入用口金58に対して、鉗子栓61と呼ばれる開閉可能な部材を装着することができる。処置具導入用口金58に処置具が挿入されない状態では、処置具導入用口金58は鉗子栓61によって密封される。
【0022】
図3図4に示すように、第2口金51は、第2口金本体62と、第2口金本体62に係合できるナット部63と、第2口金本体62とナット部63との間に設けられる環状の押し付けリング64と、を有する。第2口金本体62は、分岐部48に半田等で接続された分岐側固定部65と、第1吸引チューブ32が被せられる接続部66と、接続部66と分岐側固定部65との間に設けられナット部63が係合される第2ねじ部67と、を有する。接続部66は、先端付近に設けられたテーパ形状のテーパ部66Aを有する。
【0023】
押し付けリング64は、テーパ部66Aの形状に倣うように接続部66の基部66Bに向けて拡開した内周面64Aを有する。第2口金51は、テーパ部66Aと内周面64Aとの間に第1吸引チューブ32を挟んで締め付ける(固定する)ことができる。この固定状態において、押し付けリング64は、第1吸引チューブ32の端部71の外周面の略全体を押し潰している。
【0024】
図3から図5に示すように、第1吸引チューブ32は、例えば、内径が1〜6mmで形成され、肉厚が0.2〜1.0mmで形成される。第1吸引チューブ32は、内層72と、内層72の外側に設けられ内層72と一体的に接合された外層73と、を有する2層構造で構成される。内層72及び外層73は、少なくとも一部にフッ素樹脂(PTFE)を含んだ樹脂で構成されるが、フッ素樹脂(PTFE)のみから形成されていてもよい。
【0025】
第1吸引チューブ32の外層73は、フッ素樹脂以外の樹脂、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等のある熱可塑性樹脂で構成されてもよい。内層72と外層73の接合には、接着剤を用いてもよい。
【0026】
図3から図6に示すように、第1吸引チューブ32は、一対の端部71(先端および基端)と、端部71同士の間に位置した中間部74と、を有する。中間部74は、第1吸引チューブ32の端部71以外の中間部分に位置する領域を意味する。端部71の一方は、第1口金47の外周に被さって第1口金47に接続され、端部71の他方は、接続部66の外周に被さって第2口金51に接続される。内層72は、長手方向Lの全長にわたって、すべての部分が充実構造の樹脂(例えばPTFE等)で構成される。
【0027】
外層73は、端部71付近に設けられ多孔質構造の樹脂で構成された一対の第1の部分73Aと、第1の部分73Aよりも端部71から長手方向Lに沿って離隔する側に位置して充実構造の樹脂で構成された第2の部分73Bと、長手方向Lに沿って第2の部分73Bよりもさらに端部71から離隔する側に位置して多孔質構造の樹脂で構成された第3の部分73Cと、を有する。第1の部分73A及び第2の部分73Bは、操作部22(剛体部)の内部に配置される。なお、第2の部分73Bの一部は、後述するように第1折れ止め部23内に配置しているが、第1折れ止め部23の操作部22側の部分は剛体部とみなすことができる。
【0028】
ここで、第2口金51付近を例に、第1吸引チューブ32の構造についてさらに説明する。図3図4に示すように、第1の部分73Aは、第2口金51の接続部66の全体に対応するように設けられる。第1の部分73Aは、接続部66の先端66Cよりも接続部66の基端66B側に設けられる。第3の部分73Cは、中間部74の少なくとも一部を構成する。第3の部分73Cは、湾曲部38および管部33(可撓管)の内部に配置される。
【0029】
多孔質構造で構成される第1の部分73Aおよび第3の部分73Cの空孔率は、例えば、20〜70%であり、より好ましくは30〜60%である。空孔率は、基材となる樹脂の全体積に対する気孔部分(空洞部分)の体積の割合で定義される。
【0030】
図4に示すように、第1吸引チューブ32の端部71は、第2口金51の接続部66の周囲を覆うように接続部66に固定される。第1吸引チューブ32の端部71は、押し広げられた状態で接続部66の外側に固定されている。第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aと第2の部分73Bとの境界線B−Bは、第2口金51の接続部66の先端66Cに合致するように設けられる。
【0031】
図3図4に示すように、第2の部分73Bは、第2口金51の接続部66の先端66Cから第1折れ止め部23の途中の位置に対応する位置に設けられる。第3の部分73Cは、第1折れ止め部23の途中の位置から端部71に対して長手方向Lに沿って離隔する側に形成される。第2の部分73Bと第3の部分73Cとの境界は、第1折れ止め部23の内部に配置される。
【0032】
図4に示すように、第2口金本体62にナット部63が係合(固定)された状態において、第2口金本体62の接続部66と押し付けリング64との間で第1吸引チューブ32が圧縮される。これによって、第2口金本体62に対して第1吸引チューブ32が水密的に固定される。ナット部63および押し付けリング64は、第2口金51との間で第1吸引チューブ32を圧縮して第2口金51に固定する圧縮部の一例である。また、ナット部63および押し付けリング64は、第2口金51との間で第1吸引チューブ32を圧縮する管を有するチューブ固定部の一例である。
【0033】
この構造では、第1吸引チューブ32が容易に取り外し可能な為、第1吸引チューブが単体で修理が行える。さらに、第2口金51の接続部66の先端66Cから第1折れ止め部23の途中の位置に対応する位置に充実構造の第2の部分73Bが設けられる。このため、第1吸引チューブ32内に洗浄用ブラシ57を通して洗浄する場合或いは第1吸引チューブ32内に処置具を繰り返し挿通する場合に内層72が削られても、内層72の外側に第2の部分73Bが存在し、第2の部分73Bによって気密が確保される。したがって、第2口金51の接続部66の先端から第1折れ止め部23の途中の位置に対応する位置で、第1吸引チューブ32に破損を生じることを防止できる。
【0034】
なお、第2口金51の接続部66の先端から第1折れ止め部23の途中の位置に対応する位置は、一部が操作部22内にあり、それ以外の部分が第1折れ止め部23内に位置する。このため、操作者によって挿入部21(管部33)に対して曲げ荷重が加えられる場合でも、第2口金51の接続部66の先端から第1折れ止め部23の途中の位置に対応する位置においては第1吸引チューブ32に対して曲げが加えられることがほとんどないか、或いは小さな角度の曲げが加えられるだけに留まる。このため、この充実構造の第2の部分73Bでは、多孔質構造で構成される他の部分よりも可撓性が低下することになるが、それによって問題を生じることはない。第3の部分73Cは、多孔質構造で構成されて十分な可撓性を有するために、湾曲部38および管部33において繰り返し湾曲される場合でも、この部分で第1吸引チューブ32が破損してしまうことがない。
【0035】
図5を参照して、第2口金51に対して第1吸引チューブ32を固定する方法について簡単に説明する。治具等を用いて第1吸引チューブ32の端部を拡径した状態で、これに第2口金本体62の接続部66を装着することで、接続部66に対して第1吸引チューブ32が隙間なく被さった状態となる。この状態で、第2口金本体62に押し付けリング64およびナット部63を締結することで、押し付けリング64と接続部66との間に第1吸引チューブ32が圧縮された状態となる。このとき、押し付けリング64と接続部66との間の位置には、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73A(多孔質構造)が配置されるために、この部分で第1吸引チューブ32の変形が起こりやすく、この部分にある第1吸引チューブ32の圧縮を比較的小さな力で行うことができる。
【0036】
続いて、第2口金51とは反対側に位置する第1口金47の周囲の第1吸引チューブ32の構造について説明する。図6に示すように、第1口金47は、先端構成部34と一体的に形成された第1口金本体75と、第1口金本体75に設けられた接続部75Aと、第1吸引チューブ32を第1口金本体75に固定するための糸巻部76と、を有する。第1口金本体75は、先端構成部本体45から操作部22側に向けて突出している。第1口金47の接続部75Aに対して第1吸引チューブ32の端部71が外側から被さっている。第1口金本体75(接続部75A)は、例えば3〜10mmの長さを有する。図6に示すように、第1吸引チューブ32の端部71(操作部22側の端部71とは反対側の端部)は、第1口金47の接続部75Aの周囲を覆うように接続部75Aに固定される。第1吸引チューブ32の端部71は、押し広げられた状態で接続部75Aの外側に固定されている。
【0037】
糸巻部76は、第1吸引チューブ32の端部71の外周部に設けられる。糸巻部76は、第1吸引チューブ32の外側に巻き回された糸76Aと、糸76Aの表面を覆った糸76Aを密封した接着剤77と、を有する。糸巻部76は、第1吸引チューブ32の端部71を第1口金本体75に対して水密的に固定することができる。糸巻部76は、第1口金47との間で第1吸引チューブ32を圧縮して第1口金47に固定する圧縮部の一例である。この固定状態において、糸巻部76は、第1吸引チューブ32の端部71の外周面の一部のみを押し潰している。
【0038】
第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aは、第1口金47の接続部75Aの全体に対応する部分に設けられる。外層73の第2の部分73Bは、第1口金47の先端75AAから湾曲部38に内蔵された湾曲駒78の第1回動ピン78A(最も先端構成部に近い位置のピン)に至るまでの位置に設けられる。この第1口金47の先端75AAから第1回動ピン78Aに至るまでの位置は、先端構成部34に対応する部分で第1口金47の先端75AAよりも第1吸引チューブ32の端部71から長手方向Lに沿って離隔する側の位置と言い換えることができる。第1の部分73A及び第2の部分73Bは、先端構成部本体45および外筒部46で構成される先端構成部34(剛体部)の内部に配置される。
【0039】
第1回動ピン78Aを含む複数のピンは、湾曲駒78を所定の方向に回動させることで、湾曲部38を湾曲させるための関節を構成する。第1回動ピン78Aを含む複数のピンは、例えばリベットで構成される。外層73の第3の部分73Cは、第1回動ピン78Aよりも長手方向Lに沿って第1吸引チューブ32の端部71から離隔する側の位置に対応するように設けられる。第3の部分73Cは、湾曲部38(可撓管)の内部に配置される。
【0040】
この構造では、先端構成部34に対応する部分で第1口金47の先端75AAよりも、第1吸引チューブ32の端部71から長手方向Lに沿って離隔する側の位置に充実構造の第2の部分73Bが設けられる。このため、第1吸引チューブ32内に洗浄用ブラシ57を通して洗浄する場合或いは第1吸引チューブ32内に処置具を繰り返し挿通する場合に、仮に内層72が削られても、内層72の外側に第2の部分73Bが存在し、第2の部分73Bによって気密性が確保される。したがって、先端構成部34に対応する部分で第1口金47の先端75AAよりも第1吸引チューブ32の端部71から長手方向Lに沿って離隔する側の位置で第1吸引チューブ32に破損を生じることを防止できる。
【0041】
なお、先端構成部34に対応する部分で第1口金47の先端75AAよりも第1吸引チューブ32の端部71から長手方向Lに沿って離隔する側の部分は、湾曲部38が湾曲する場合でも、この位置にある第1吸引チューブ32に対して曲げが加えられることがほとんどない。このため、この充実構造の第2の部分73Bでは、多孔質構造で構成される他の部分よりも可撓性が低下することになるが、それによって問題を生じることはない。
【0042】
また、第1口金47の周辺部では、糸巻部76と第1口金47との間の位置には、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73A(多孔質構造)が配置されるために、この部分で第1吸引チューブ32の変形が起こりやすい。このため、糸76Aによってこの部分にある第1吸引チューブ32の圧縮する際に、比較的小さな力で作業を行うことができる。また、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aを潰して締付を行う構造である為、糸巻部76の外径を小さくすることができる。その為、先端構成部34の外径も小さくすることができる。第2吸引チューブ55は、第1吸引チューブ32と略同一の構造を有し且つ第1吸引チューブ32と同一の材料で形成される。
【0043】
続いて、第4口金37の周囲の第3吸引チューブ56について説明する。第3吸引チューブ56は、第1吸引チューブ32と略同一の構造を有し且つ第1吸引チューブ32と同一の材料で形成される。このため、第3吸引チューブ56の各部の名称および符号を第1吸引チューブ32と同一とする。図2に示すコネクタ27内に位置する第4口金37は、第2口金51と略同一の構造を有するため、各部の名称および符号は第2口金51と同一とし、その詳細な図示を省略している。
【0044】
第3吸引チューブ56の外層73の第1の部分73Aは、第4口金37の接続部66に対応するように設けられる。第3吸引チューブ56の外層73の第2の部分73Bは、第4口金37の接続部66の先端66Cから第3折れ止め部28の途中の位置に対応する位置に設けられる。このため、コネクタ27(剛体部)の内部に第3吸引チューブ56の外層73の第1の部分73A及び第2の部分73Bが配置される。
【0045】
第2の部分73Bの一部は、第3折れ止め部28内に配置しているが、第3折れ止め部28のコネクタ27側の部分は剛体部とみなすことができる。第3吸引チューブ56の第2の部分73Bの長さは、例えば3〜10mmの範囲で適宜に設定できる。
【0046】
第3吸引チューブ56の外層73の第3の部分73Cは、第3折れ止め部28の途中の位置から長手方向Lに沿ってチューブの端部71から離隔する側に形成される。このため、ユニバーサルコード25(可撓管)の内部に第3吸引チューブ56の外層73の第3の部分73Cが配置される。第3折れ止め部28は、第1折れ止め部23と略同一の構造を有する。
【0047】
第3折れ止め部28は、コネクタ27に近づくにつれて剛性が大きく(可撓性が小さく)なっている。第3折れ止め部28は、ユニバーサルコード25(可撓管)の折れを防止するとともに、可撓性を長手方向に沿って徐々に変化させることができる。第4口金37の周囲の第3吸引チューブ56は、第2口金51の周囲の第1吸引チューブ32と同一の方法で第4口金37に固定でき、かつ第2口金51の周囲の第1吸引チューブ32と同一の作用を発揮できる。
【0048】
図7を参照して、第2吸引管路54の先端部54A付近の第3吸引チューブ56について説明する。第3吸引チューブ56の外層73は、端部71に設けられた多孔質構造の第1の部分73Aと、第1の部分73Aよりも端部71から長手方向Lに沿って離隔する側に設けられた充実構造の第2の部分73Bと、長手方向Lに沿って第2の部分73Bよりもさらに端部71から離隔する側に設けられた多孔質構造の第3の部分73Cと、を有する。第3の部分73Cは、中間部74の少なくとも一部を構成する。
【0049】
第3吸引チューブ56の端部71は、第2吸引管路54の先端部54Aの周囲を覆うように先端部54Aに固定される。第3吸引チューブ56の端部71は、押し広げられた状態で第2吸引管路54の先端部54Aの外側に固定されている。第2吸引管路54の先端部54Aと第3吸引チューブ56との間には、接着剤81が介在され、接着剤81によって第2吸引管路54と第3吸引チューブ56とが水密的に固定される。
【0050】
第2吸引管路54と第3吸引チューブ56とが連結された連結部の外側には、熱収縮チューブ82が配置される。熱収縮チューブ82は、熱収縮性のある樹脂材料で形成され、当該連結部の周囲を密封できる。加熱処理で収縮された熱収縮チューブ82は、当該連結部を被覆して保護することができる。熱収縮チューブ82は、第3吸引チューブ56の外周側に設けられ、第4口金37との間で第3吸引チューブ56を圧縮する管を有するチューブ固定部の一例である。
【0051】
第2吸引管路54の側面と、第3吸引チューブ56の端面と、熱収縮チューブ82とで囲まれる領域内には、接着剤溜まり83が設けられる。接着剤溜まり83は、当該連結部において流体が漏れ出すことを防止するとともに、第2吸引管路54と第3吸引チューブ56とを強固に固定する。
【0052】
第3吸引チューブ56の外層73のうち多孔質構造で構成される第1の部分73Aは、第2吸引管路54の先端部54A(接続部)に対応するように設けられる。外層73のうち充実構造で構成される第2の部分73Bは、第2吸引管路54の先端部54Aの先端54AAから第2折れ止め部26の途中の位置に対応する位置に設けられる。このため、操作部22(剛体部)の内部に第3吸引チューブ56の外層73の第1の部分73A及び第2の部分73Bが配置される。第2の部分73Bの一部は、第3折れ止め部28内に配置しているが、第3折れ止め部28の操作部22側の部分は剛体部とみなすことができる。
【0053】
外層73のうち多孔質構造で構成される第3の部分73Cは、第2折れ止め部26の途中の位置から、長手方向Lに沿ってチューブの端部71から離隔する側に形成される。このため、ユニバーサルコード25(可撓管)の内部に第3吸引チューブ56の外層73の第3の部分73Cが配置される。第2の部分73Bと第3の部分73Cとの境界は、第2折れ止め部26の内部に配置される。第2折れ止め部26は、第1折れ止め部23と略同一の構造を有する。第2折れ止め部26は、操作部22に近づくにつれて剛性が大きく(可撓性が小さく)なっている。
【0054】
この構造では、第2吸引管路54の先端部54A(接続部)の先端54AAよりも、第3吸引チューブ56の端部71から長手方向Lに沿って離隔する側に充実構造で構成される第2の部分73Bが設けられる。このため、第3吸引チューブ56内に洗浄用ブラシ57を通して洗浄する場合に内層72が仮に削られても、内層72の外側に第2の部分73Bが存在し、第2の部分73Bによって気密性が確保される。したがって、第2吸引管路54の先端部54Aの先端54AAよりも第3吸引チューブ56の端部71から長手方向Lに沿って離隔した位置で第3吸引チューブ56に破損を生じることを防止できる。
【0055】
なお、ユニバーサルコード25が湾曲する場合でも、外層73の第2の部分73Bに対応する位置で第2吸引チューブ55に対して曲げが加えられることがほとんどない。このため、この充実構造の第2の部分73Bでは、多孔質構造で構成される他の部分よりも可撓性が低下することになるが、それによって問題を生じることはない。
【0056】
実施形態によれば、以下のことがいえる。内視鏡12は、長手方向Lに延出する可撓管と、前記可撓管の末端側に接続された剛体部と、前記剛体部内に設けられた口金と、前記口金の外周に被さって前記口金に接続された端部71を有し、前記可撓管内に挿通されたチューブと、を有し、前記チューブは、長手方向Lの全長にわたり、充実構造の樹脂で形成された内層72と、少なくとも前記口金の接続部66の一部に対応するとともに多孔質構造の樹脂で形成された第1の部分73Aと、第1の部分73Aの端部71から離隔する側に位置して充実構造の樹脂で形成された第2の部分73Bと、を有し、内層72の外側に配置される外層73と、を有する。
【0057】
例えばチューブ内に洗浄用ブラシ57を通して繰り返し洗浄を行うと、洗浄用ブラシ57の繰り返しの摺動によって内層72が削り取られることがあり、その場合には、多孔質構造の外層73のみによってはチューブの気密性および液密性を十分に確保することが難しかった。上記の構成によれば、充実構造で構成された外層73の第2の部分73Bを洗浄用のブラシ57が接触しやすい部分(口金の接続部66よりも端部71から長手方向Lに沿って離隔する側の位置)に配置できるため、当該部分において十分な耐久性、気密性、液密性を担保することができる。これによって、ブラシ57等によってチューブ内を繰り返し洗浄する場合でも、チューブの破損を防止することができ、チューブの長寿命化を図ることができる。
【0058】
また、多孔質構造で構成された外層73の第1の部分73Aを口金の接続部66の一部に対応するように設けているために、チューブの端部71で弾力性が向上する。このため、口金の接続部66にチューブの端部71を固定する際に、端部71を容易に変形させることができ、組立時の作業性を大きく向上できる。
【0059】
外層73は、長手方向Lに沿ってチューブの端部71から第2の部分73Bよりも離隔する側に、多孔質構造の樹脂で形成された第3の部分73Cを有する。チューブの中間部74は、可撓管に対応する部分であり、繰り返し曲げ応力が加えられる箇所である。この構成によれば、第3の部分73Cによってチューブの可撓性・弾力性を向上することができ、可撓管における繰り返しの曲げ操作によってチューブが折れ曲がって破損してしまうことを防止できる。
【0060】
前記剛体部の内部に第1の部分73A及び第2の部分73Bが配置され、前記可撓管の内部に第3の部分73Cが配置される。この構成によれば、可撓性が低い充実構造の第2の部分73Bを剛体部の内部に配置できるため、この第2の部分73Bに繰り返しの曲げ応力が加えられることを防止できる。このため、第2の部分73Bでチューブに破損を生じる危険性を低減して、チューブの長寿命化を図ることができる。
【0061】
前記剛体部と前記可撓管との境界には、前記可撓管の可撓性を徐々に変化させる(前記可撓管の折れを防止する)ための折れ止め部が設けられ、前記チューブにおける第2の部分73Bと第3の部分73Cとの境界は、前記折れ止め部の内部に配置される。この構成によれば、折れ止め部の作用によって、充実構造で構成される第2の部分73Bに対して繰り返しの大きな曲げ応力がかかることを防止できる。これによって、第2の部分73Bにおいてチューブに破損を生じることがなく、チューブの長寿命化を図ることができる。
【0062】
第1の部分73Aは、前記口金の接続部66の全体に対応する。この構成によれば、接続部66の全体に対応して多孔質構造の第1の部分73Aが配置されるために、チューブの端部71の弾力性がさらに向上し、組立時の作業性をより一層向上できる。
【0063】
第1の部分73Aは、前記口金の接続部66、75Aの先端66C、75AAよりも接続部66の基端66B側に設けられる。この構成によれば、接続部66、75Aの先端66C、75AAよりも長手方向Lに沿ってチューブの端部71から離隔する側に第2の部分73Bを配置することができる。これにより、多孔質構造の第1の部分73Aによってチューブの端部71に弾力性を持たせて組立時の作業性を向上できるとともに、ブラシ57で洗浄する際に最も削られやすい位置に充実構造で丈夫な第2の部分73Bを配置することができる。これによって、組立時の作業性の向上とチューブの長寿命化との両立を図ることができる。
【0064】
前記チューブの外周側には、前記口金との間で前記チューブを圧縮して前記口金に前記チューブを固定する圧縮部が設けられる。この構成によれば、圧縮部で圧縮される箇所に多孔質構造の第1の部分73Aを配置することができる。このため、チューブを押しつぶして圧縮部で固定する際に、大きな力を必要とせず組立時に作業者にかかる負担を低減できる。
【0065】
前記チューブの外周側には、前記口金との間で前記チューブを圧縮する管を有するチューブ固定部が設けられる。この構成によれば、チューブ固定部で圧縮される箇所に多孔質構造の第1の部分73Aを配置することができる。このため、チューブ固定部によってチューブを圧縮する際に、大きな力を必要とせず組立時に作業者にかかる負担を低減できる。
【0066】
内層72と外層73とは、ともにフッ素樹脂を含んで一体的に形成される。この構成によれば、チューブ内をブラシ57等で洗浄する際に、フッ素樹脂の滑り性によってブラシ57等の移動を円滑にできる。これによって、洗浄時の作業性を向上できるとともにブラシ57等とチューブとの間で発生する摩擦を低減できる。また、フッ素樹脂製のチューブは、柔軟性や可撓性に劣るため、可撓管を大きな曲率で湾曲させると可撓管の内部でフッ素樹脂製のチューブが折れる可能性があった。上記構成によれば、内層72および外層73にフッ素樹脂を含む場合でも、チューブの折れ曲がりによる破損を有効に防止できる。
【0067】
次に、上記実施形態を一部変形した変形例のそれぞれについて説明する。以下の変形例では、主として上記実施形態と異なる部分について説明し、上記実施形態と共通する部分については説明または図示を省略する。
【0068】
[第1変形例]
図8を参照して、上記実施形態の一部を変形した第1変形例について説明する。第1変形例では、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aと第2の部分73Bの境界の位置および第3吸引チューブ56の第1の部分73Aと第2の部分73Bの境界の位置が上記実施形態と異なっているが、他の部分は共通している。
【0069】
第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aは、第2口金51のナット部63(チューブ固定部)の端部63Aよりも接続部66の基端66B側に設けられる。第1吸引チューブ32の外層73の第2の部分73Bは、端部63Aよりも、第1吸引チューブ32の端部71から長手方向Lに沿って離隔する側に設けられる。
【0070】
第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aと第2の部分73Bとの境界線B−Bは、ナット部63(チューブ固定部)の端部63Aに合致するように設けられる。この構造は、第3吸引チューブ56と第4口金37との接続部66においても同様の構造を有する。
【0071】
本変形例によれば、第1の部分73Aは、前記チューブ固定部の端部63Aよりも接続部66の基端66B側に設けられる。この構成によれば、チューブ固定部を固定する部分に多孔質構造の第1の部分73Aを配置することができる。これによって、チューブ固定部でチューブを圧縮する際にチューブを小さな力で容易に押しつぶすことができ、組立時に作業者にかかる負担を低減できる。
【0072】
[第2変形例]
図9図10を参照して、上記実施形態の一部を変形した第2変形例について説明する。第2変形例では、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aと第2の部分73Bの境界の位置および第3吸引チューブ56の第1の部分73Aと第2の部分73Bの境界の位置が上記実施形態と異なっているが、他の部分は共通している。
【0073】
図9に示すように、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aと第2の部分73Bとの境界線B−Bは、第2口金51の接続部66の先端66Cよりも接続部66の基端66B側に設けられる。したがって、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aは、第2口金51の接続部66の一部に対応しており、第2口金51の接続部66の先端66Cよりも接続部66の基端66B側に設けられる。
【0074】
なお、第3吸引チューブ56と第4口金37との接続部66においては、図9に示す構造と同様の構造を有する。このため、第3吸引チューブ56の外層73の第1の部分73Aは、第4口金37の接続部66の一部に対応して設けられ、第4口金37の接続部66の先端66Cよりも接続部66の基端66B側に設けられる。
【0075】
図10に示すように、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aと第2の部分73Bとの境界線B´−B´は、第1口金47の接続部75Aの先端部75AAよりも接続部75Aの基端75AB側に設けられる。したがって、第1吸引チューブ32の外層73の第1の部分73Aは、第1口金47の接続部75Aの一部に対応しており、第1口金47の接続部75Aの先端部75AAよりも接続部75Aの基端75AB側に設けられる。
【0076】
本変形例によれば、口金(第1口金47、第2口金51)の接続部66、75Aの一部に対応するように、すなわち、圧縮部(糸巻部76)またはチューブ固定部(ナット部63)がチューブ(第1吸引チューブ32)に当接する位置から接続部66、75Aの基端66B、75ABの位置にまたがるように多孔質構造の第1の部分73Aが設けられる。このため、チューブの端部71を変形しやすくすることができ、チューブを口金の接続部66、75Aに固定する際に作業性を向上できる。
【0077】
また、図9に示すようにチューブ固定部(ナット部63)が固定される位置や、図10に示すように圧縮部(糸巻部76)が固定される位置に第1の部分73Aが配置されるために、組立時における作業者の作業性を向上できる。
【0078】
また、洗浄時にブラシ57等が当接する位置には、第2の部分73Bを配置することができ、チューブに十分な耐久性を持たせることができ、チューブの長寿命化を図ることができる。
【0079】
[第3変形例]
図11を参照して、上記実施形態の一部を変形した第3変形例について説明する。第3変形例では、第1折れ止め部23に対応する位置に、第1吸引チューブ32が多孔質構造と充実構造との中間的な性質を有する遷移部91を有する点、および第3折れ止め部28に対応する位置に、第3吸引チューブ56が多孔質構造と充実構造との中間的な性質を有する遷移部91を有する点で、上記実施形態とは異なっているが、他の部分は共通している。
【0080】
第1吸引チューブ32は、内層72と、内層72の外側に設けられ内層72と一体的に接着された外層73と、を有する2層構造で構成される。第1吸引チューブ32は、一対の端部71と、端部71同士の間に位置した中間部74と、を有する。中間部74は、第1吸引チューブ32の端部71以外の中間部分に位置する領域を意味する。内層72は、すべての部分が充実構造の樹脂、例えばPTFE等で構成される。外層73は、端部71付近に設けられ多孔質構造の樹脂で構成された一対の第1の部分73A(図3図6参照)と、第1の部分73Aよりも長手方向Lに沿ってチューブの端部71から離隔する側に設けられ充実構造の樹脂で構成された一対の第2の部分73B(図3図6参照)と、長手方向Lに沿って第2の部分73Bよりもさらにチューブの端部71から離隔する側に設けられ多孔質構造の樹脂で構成された第3の部分73Cと、第1折れ止め部23の内部で第2の部分73Bと第3の部分73Cとの間に介在された遷移部91と、を有する。第3の部分73Cは、中間部74の少なくとも一部を構成する。
【0081】
遷移部91は、多孔質構造の第1の部分73Aと、充実構造の第2の部分73Bと、の中間的な性質を有する。遷移部91は、多孔質構造を有しているが、遷移部91に含まれる気泡量は、例えば、第1の部分73Aおよび第3の部分73Cの気泡量の1/3から2/3程度である。すなわち、遷移部91の空孔率は、例えば、6〜42%であり、好ましくは9〜36%であり、より好ましくは15〜30%である。このため、遷移部91は、適度な可撓性を有する。
【0082】
第3吸引チューブ56は、第1吸引チューブ32と同様に、第2折れ止め部26に対応する位置で第2の部分73Bと第3の部分73Cとの間に介在された遷移部91を有する。第3吸引チューブ56は、第3折れ止め部28に対応する位置で第2の部分73Bと第3の部分73Cとの間に介在された遷移部91を有する。これらの遷移部91の構造は、第1吸引チューブ32に設けられた遷移部91と同じである。
【0083】
本変形例によれば、外層73は、第2の部分73Bと第3の部分73Cとの間に位置する遷移部91を有し、遷移部91は、多孔質構造の樹脂で形成され、遷移部91の空孔率は、第3の部分73Cの空孔率よりも小さい。この構成によれば、第2の部分73Bと第3の部分73Cとの間に中間的性質の遷移部91を設けることができるため、第1の部分73Aと第2の部分73Bとの間で急激に剛性が変化することがない。このため、組み立て時にチューブを口金に取り付ける際や、医療機関での使用時に可撓管を折り曲げて使用される際に、第2の部分73Bと第3の部分73Cの境界位置でチューブに折り曲げないし座屈を生じてしまうことを防止できる。
【0084】
本変形例によれば、前記剛体部と前記可撓管との間の位置には、前記可撓管の可撓性を徐々に変化させる(可撓管の折れを防止する)ための折れ止め部が設けられ、遷移部91は、前記折れ止め部の内部に配置される。この構成によれば、最も大きい曲げ応力が加えられる位置である可撓管に対応する部分には、最も可撓性が良好な第3の部分73Cが配置され、比較的に小さい曲げ応力が加えられる位置である折れ止め部に対応する部分には、中程度の可撓性を有する遷移部91が配置される。このため、この折れ止め部に対応する位置において、繰り返し行われる洗浄に対する耐久性・耐摩耗性と、可撓性と、のバランスがとれたチューブを実現できる。
【0085】
これまで、幾つかの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記した実施形態、第1〜第3変形例中の構成要素を適宜に組み合わせて一つの内視鏡を実現することができる。
【0086】
尚、上記各実施形態では、吸引チューブでの使用を説明したが、送気チューブ、送水チューブ、前方送水チューブなどの内視鏡内に挿通される他のチューブにも適用することができる。
【符号の説明】
【0087】
11…内視鏡システム、12…内視鏡、23…第1折れ止め部、25…ユニバーサルコード、26…第2折れ止め部、28…第3折れ止め部、32…第1吸引チューブ、33…管部、37…第4口金、38…湾曲部、47…第1口金、51…第2口金、52…第3口金、56…第3吸引チューブ、63…ナット部、64…押し付けリング、66…接続部、66B…基端、66C…先端、71…端部、72…内層、73…外層、73A…第1の部分、73B…第2の部分、73C…第3の部分、74…中間部、75A…接続部、75AB…基端、76…糸巻部、82…熱収縮チューブ、91…遷移部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11

【手続補正書】
【提出日】2018年9月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延出する可撓管と、
前記可撓管の末端側に接続された剛体部と、
前記剛体部内に設けられた口金と、
前記口金の外周に被さって前記口金に接続された端部を有し、前記可撓管内に挿通されたチューブと、
を有し、
前記チューブは、
長手方向の全長にわたり、充実構造の樹脂で形成された内層と、
少なくとも前記口金の接続部の一部に対応するとともに多孔質構造の樹脂で形成された第1の部分と、前記第1の部分の前記端部から離隔する側に位置して充実構造の樹脂で形成された第2の部分と、を有し、前記内層の外側に配置される外層と、
を有することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記外層は、前記第2の部分よりも前記長手方向の前記端部から離隔する側に、多孔質構造の樹脂で形成された第3の部分を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記剛体部の内部に前記第1の部分及び前記第2の部分が配置され、前記可撓管の内部に前記第3の部分が配置されたことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記剛体部と前記可撓管との境界には、前記可撓管の可撓性を徐々に変化させるための折れ止め部が設けられ、
前記チューブにおける前記第2の部分と前記第3の部分との境界は、前記折れ止め部の内部に配置されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記外層は、前記第2の部分と前記第3の部分との間に位置する遷移部を有し、前記遷移部は、多孔質構造の樹脂で形成され、前記遷移部の空孔率は、前記第3の部分の空孔率よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記剛体部と前記可撓管との間の位置には、前記可撓管の可撓性を徐々に変化させるための折れ止め部が設けられ、
前記遷移部は、前記折れ止め部の内部に配置されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記第1の部分は、前記口金の前記接続部の全体に対応することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記第1の部分は、前記口金の前記接続部の先端よりも前記接続部の基端側に設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記チューブの外周側には、前記口金との間で前記チューブを圧縮して前記口金に前記チューブを固定する圧縮部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記チューブの外周側には、前記口金との間で前記チューブを圧縮する管を有するチューブ固定部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記第1の部分は、前記チューブ固定部の端部よりも前記接続部の基端側に設けられることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡。
【請求項12】
前記内層と前記外層とは、ともにフッ素樹脂を含んで一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項13】
長手方向に延出する可撓管と、
前記可撓管の末端側に接続された剛体部と、
前記剛体部内に設けられた口金と、
前記口金の外周に被さって前記口金に接続された端部を有し、前記可撓管内に挿通されたチューブと、
を有し、
前記チューブは、
充実構造の樹脂で形成された内層と、前記内層より外側に配置され多孔質構造の樹脂で形成された第1の部分とを有する、少なくとも前記口金の接続部の一部に対応する部分と、
内側から外側にわたり充実構造の樹脂で形成され、前記第1の部分の前記端部から離隔する側に位置する第2の部分と、
を有することを特徴とする内視鏡。
【国際調査報告】