特表-18092576IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年5月24日
【発行日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】冷却装置、温調装置および印刷機
(51)【国際特許分類】
   F25B 21/02 20060101AFI20190920BHJP
   H01L 35/28 20060101ALI20190920BHJP
   B41F 23/04 20060101ALI20190920BHJP
   B41F 13/08 20060101ALI20190920BHJP
【FI】
   F25B21/02 T
   H01L35/28 Z
   B41F23/04 Z
   B41F13/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
【出願番号】特願2018-551560(P2018-551560)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年10月31日
(31)【優先権主張番号】特願2016-224859(P2016-224859)
(32)【優先日】2016年11月18日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100115554
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 幸一
(72)【発明者】
【氏名】新開 隆史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 閲男
(72)【発明者】
【氏名】西尾 哲也
(72)【発明者】
【氏名】奥薗 英治
【テーマコード(参考)】
2C020
【Fターム(参考)】
2C020CA06
2C020CA10
(57)【要約】
冷却装置は、熱伝導性である筒体と、筒体の周方向に並び、筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、複数の熱電変換器のうちの筒体の周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線とを備える。回路ごとに、個別に、電圧が印加されて、各回路の熱電変換器が駆動される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を冷却するための冷却装置であって、
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、を備え、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記対象物が前記筒体に接触したときに前記軸方向における前記対象物の幅の範囲内に配置される熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記対象物の幅の範囲外に配置される熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも高く設定する、
冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記対象物の幅の範囲外に配置される前記熱電変換器の前記組に対する給電を停止する、
冷却装置。
【請求項3】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記対象物の幅の範囲外に配置される前記熱電変換器の前記組に対して供給する電圧を、前記対象物の幅の範囲内に配置される前記熱電変換器の前記組から前記筒体の軸方向の端部に向かって、段階的に低く設定する、
冷却装置。
【請求項4】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記複数の熱電変換器の組のうちの前記軸方向の中央に対して互いに対称に配置された2つの熱電変換器の組にそれぞれ対応する2つの前記回路を組み合わせる2次回路が構成されている、
冷却装置。
【請求項5】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記軸方向に沿って前記筒体内に流れる冷却風の下流側に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記冷却風の上流側に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも、高く設定する、
冷却装置。
【請求項6】
対象物の温度を調整するための温調装置であって、
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、
前記回路に対する給電極性を電気的に変更する極性切替回路と、を備える、
温調装置。
【請求項7】
請求項1に記載の冷却装置と、
前記対象物であるシート状の被印刷物に印刷を行う印刷部と、
前記被印刷物を前記印刷部から前記冷却装置へと搬送する搬送部と、を備える、
印刷機。
【請求項8】
請求項6に記載の温調装置と、
前記対象物であるシート状の被印刷物に印刷を行う印刷部と、
前記被印刷物を前記印刷部から前記冷却装置へと搬送する搬送部と、を備える、
印刷機。
【請求項9】
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、を備え、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの冷却対象物が前記筒体に接触したときに前記軸方向において前記冷却対象物に対応する熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記冷却対象物が前記筒体に接触したときに前記軸方向において前記冷却対象物に対応しない熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも高く設定する、
冷却装置。
【請求項10】
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、を備え、
前記筒体は、前記軸方向に第1領域と、前記第1領域の両端に位置する第2領域とを有し、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記第1領域に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記第2領域に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも高く設定する、
冷却装置。
【請求項11】
請求項10に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記第2領域に位置する前記熱電変換器の前記組に対する給電を停止する、
冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却装置、温調装置およびそれを備えた印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷機により紙に印刷を行う場合、インクの乾燥動作等によって紙の温度が顕著に上昇する。このため、印刷機には、熱を帯びた紙を冷却するための冷却装置が配備されている。いわゆる両面印刷を行う場合、印刷機は、紙の片面に印刷を行った後、冷却装置に紙を供給して紙の温度を低下させ、その後、他方の面に対する印刷を実行する。たとえば、大型の印刷機には、水冷式の冷却装置が配備され得る。この他、ペルチェ素子等が集積化された熱電変換モジュールを用いた冷却装置が、印刷機に配備され得る。
【0003】
特許文献1には、熱電変換モジュールを用いた冷却装置およびそれを備えた印刷機が開示されている。印刷機は、ロール紙から繰り出される帯状の印刷用紙が搬送される搬送路において、上流側から順番に、表面印刷装置と、インクを加熱乾燥させるためのドライヤと、裏面印刷におけるインク塗布に適した温度まで印刷用紙を冷却するための冷却装置と、裏面印刷装置とを、備えている。冷却装置において、印刷用紙は、円筒状の筒体の外周面に接触する。筒体の内周面には、複数の熱電変換モジュールが、筒体の軸方向に並ぶように設置されている。これら熱電変換モジュールによる冷却作用によって、印刷用紙の熱が除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−107616号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様は、対象物を冷却するための冷却装置に関する。第1の態様に係る冷却装置は、熱伝導性である筒体と、筒体の周方向に並び、筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、複数の熱電変換器のうちの周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、を備える。
【0006】
本態様に係る冷却装置によれば、周方向に並ぶ熱電変換器の組ごとに給電制御が可能であるため、筒体の軸方向において、冷却装置の冷却能力を変化させることができる。これにより、たとえば、対象物の幅が変化した場合も、対象物を効率的に冷却でき、あるいは、筒体の軸方向に流れる冷却風に温度変化が生じても、対象物を略均等に冷却できる。よって、効率的かつ安定的に対象物を冷却することができる。
【0007】
本開示の第2の態様は、対象物を冷却するための冷却装置に関する。第2の態様に係る冷却装置は、熱伝導性である筒体と、筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、を備える。ここで、軸方向に沿って流される冷却風の下流側には、上流側よりも軸方向に密となるように、熱電変換器が配置されている。
【0008】
本態様に係る冷却装置によれば、冷却風の下流側が上流側に比べて冷却作用が高くなるため、熱電変換器からの排熱により冷却風の温度が下流側において上昇し、これにより下流側の熱電変換器の冷却能力が上流側に比べて低下したとしても、筒体の軸方向において、筒体に付与される冷却作用を略均等に近づけることができる。よって、対象物を略均等に冷却することができる。
【0009】
本開示の第3の態様は、対象物の温度を調整するための温調装置に関する。第3の態様に係る温調装置は、熱伝導性である筒体と、筒体の周方向に並び、筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、複数の熱電変換器のうちの周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、給電線を介して複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、回路に対する給電極性を電気的に変更する極性切替回路と、を備える。
【0010】
本態様に係る温調装置によれば、極性切替回路により給電極性を変更することにより、筒体に冷却作用と加熱作用の両方を付与できる。筒体に冷却作用が付与される場合は、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。また、筒体に加熱作用が付与される場合は、筒体の軸方向において、温調装置の加熱能力を変化させることができる。これにより、たとえば、対象物の幅が変化した場合も、対象物を効率的に加熱でき、あるいは、筒体の軸方向に流れる冷却風に温度変化が生じても、対象物を略均等に加熱できる。よって、効率的かつ安定的に対象物を加熱することができる。さらに、電源投入時に筒体が所定温度以上に達していないような場合に、筒体を加熱して適正温度まで急速に近づけることができる。
【0011】
本開示の第4の態様は、印刷機に関する。第4の態様に係る印刷機は、第1の態様または第2の態様に係る冷却装置と、対象物であるシート状の被印刷物に印刷を行う印刷部と、被印刷物を印刷部から冷却装置へと搬送する搬送部と、を備える。
【0012】
第4の態様に係る印刷機によれば、第1の態様または第2の態様に係る冷却装置を備えているため、対象物であるシート状の被印刷物を効率的かつ安定的に冷却することができる。
【0013】
本開示の第5の態様は、印刷機に関する。第5の態様に係る印刷機は、第3の態様に係る温調装置と、対象物であるシート状の被印刷物に印刷を行う印刷部と、前記被印刷物を前記印刷部から前記冷却装置へと搬送する搬送部と、を備える。
【0014】
第5の態様に係る印刷機によれば、第3の態様に係る温調装置を備えているため、対象物であるシート状の被印刷物を効率的かつ安定的に冷却および加熱することができる。
【0015】
以上のとおり、本開示によれば、効率的かつ安定的に対象物を冷却することが可能な冷却装置、および当該冷却装置を備えた印刷機を提供できる。
【0016】
本開示の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本開示を実施化する際の一つの例示であって、本開示は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施の形態に係る印刷機の構成を模式的に示す図である。
図2A図2Aは、実施の形態に係る冷却ユニットの構成を模式的に示す平面図である。
図2B図2Bは、実施の形態に係る冷却ユニットにおける印刷用紙の搬送過程を模式的に示す平面図である。
図2C図2Cは、実施の形態に係る冷却ユニットにおける印刷用紙の搬送過程を模式的に示す平面図である。
図3A図3Aは、実施の形態に係る冷却ユニットを冷却風の入口側から見た状態を模式的に示す図である。
図3B図3Bは、実施の形態に係る冷却ユニットに設置される1つの構造体の構成を模式的に示す分解斜視図である。
図4A図4Aは、実施の形態に係る熱電変換器の構成を模式的に示す分解斜視図である。
図4B図4Bは、実施の形態に係る熱電変換器の組立完了状態の構成を模式的に示す斜視図である。
図5A図5Aは、比較例に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図5B図5Bは、比較例に係る冷却ユニットを用いた場合の冷却能力を模式的に示すグラフである。
図5C図5Cは、比較例に係る冷却ユニットにおける印刷用紙の搬送過程を模式的に示す平面図である。
図6A図6Aは、実施の形態に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図6B図6Bは、実施の形態に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図7A図7Aは、実施の形態に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図7B図7Bは、実施の形態に係る冷却ユニットを用いた場合の冷却能力を模式的に示すグラフである。
図7C図7Cは、実施の形態に係る冷却ユニットを用いた場合の冷却能力を模式的に示すグラフである。
図8A図8Aは、実施の形態に係る印刷機の構成を示すブロック図である。
図8B図8Bは、実施の形態に係る印刷機における冷却ユニットの制御を示すフローチャートである。
図9A図9Aは、第1変更例に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図9B図9Bは、第2変更例に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図10A図10Aは、第3変更例に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図10B図10Bは、第4変更例に係る冷却ユニットにおける給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図11A図11Aは、第5変更例に係る冷却ユニットにおける印加電圧の設定方法およびその場合の冷却能力を模式的に示すグラフである。
図11B図11Bは、第6変更例に係る温調装置の構成および給電線の接続形態を模式的に示す図である。
図12A図12Aは、第6変更例に係る冷却ユニットにおける印刷用紙の搬送過程を模式的に示す平面図である。
図12B図12Bは、第2変更例に係る冷却ユニットにおける印刷用紙の搬送過程を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施の形態の説明に先立ち、従来技術における問題点を簡単に説明する。一般に、上記構成の冷却装置では、筒体の軸方向に並ぶ熱電変換モジュールが直列に接続されて、各熱電変換モジュールに対する駆動制御が行われる。
【0019】
しかし、このような接続形態では、たとえば、印刷用紙の幅が筒体の幅よりも数段小さい場合、印刷用紙が接触しない領域(非摺接領域)に対しても冷却作用が付与されることになる。この場合、非接触領域に対する冷却によって電力が無駄に消費される。また、非接触領域が過冷却となるため、この領域に結露が生じる場合もある。結露が印刷用紙に付着すると、印刷の滲みや印刷用紙の損傷等に繋がり兼ねない。
【0020】
この他、筒体の内部に空気を送り込んで熱電変換モジュールに対する廃熱を行う場合、筒体内部を移動する空気の温度が徐々に上昇する。このため、空気の流れの下流側に位置する熱電変換モジュールは、上流側の熱電変換モジュールに比べて、冷却能力が低下する。このため、冷却後の印刷用紙において、幅方向に温度ムラが生じてしまう。
【0021】
なお、印刷機を寒冷地域で使用する場合、印刷機の電源投入時に冷却装置が所定温度以上に達していないことも起こり得る。この場合、筒体を加熱して適正温度まで急速に近づけ得ることが好ましい。その結果、印刷機の電源投入後から印刷開始までの時間を短縮することができる。この場合、筒体を冷却する機能のみならず筒体を加熱する機能をも備えた温調装置が、冷却装置に代えて、印刷機に搭載され得る。この温調装置においても、上記冷却装置と同様、無駄な電力消費の問題と、温度ムラの問題が起こり得る。
【0022】
かかる課題に鑑み、本開示は、効率的かつ安定的に対象物を冷却することが可能な冷却装置、効率的かつ安定的に対象物を冷却および加熱することが可能な温調装置および当該冷却装置または温調装置を備えた印刷機を提供する。
【0023】
以下、本開示の実施の形態について図を参照して説明する。便宜上、各図には、互いに直交するX、Y、Z軸が付記されている。
【0024】
図1は、印刷機1の構成を模式的に示す図である。図1には、産業用の印刷機1の構成例が示されている。印刷機1は、産業用の印刷機に限らず、民生用の印刷機であってもよい。
【0025】
印刷機1は、ロール紙2から繰り出される帯状の印刷用紙P1が搬送される搬送路上に、表面印刷ユニット3と、ドライヤ4と、裏面印刷ユニット5と、を備える。表面印刷ユニット3は、印刷用紙P1の表面に印刷を行う。ドライヤ4は、表面印刷ユニット3によって印刷用紙P1に転写されたインクを加熱乾燥させる。裏面印刷ユニット5は、印刷用紙P1の裏面に印刷を行う。印刷が施された印刷用紙P1は、巻き取りユニット6によって巻き取られる。また、印刷用紙P1は、ローラ7によって、各部に案内される。
【0026】
なお、印刷が施される対象物は、必ずしも、紙でなくともよく、布等、他のシート状の被印刷物であってもよい。また、後述のように、印刷機1には、印刷用紙P1よりもX軸方向の幅が小さい印刷用紙P2が供給され得る。
【0027】
さらに、印刷機1は、ドライヤ4と裏面印刷ユニット5との間に、冷却ユニット10を備えている。冷却ユニット10は、ドライヤ4によって加熱された印刷用紙P1を、裏面印刷におけるインクの塗布に適した温度まで冷却する。冷却ユニット10は、筒状の形状を有する。冷却ユニット10は、外周面に印刷用紙P1が接触した状態で、X軸に平行な軸の周りに回転する。印刷用紙P1は、冷却ユニット10の外周面に接触することにより冷やされる。
【0028】
図2Aは、冷却ユニット10の構成を模式的に示す平面図である。便宜上、図2Aでは、筒体11をX軸に平行な軸の周りに回転させるための機構部の構成が省略されている。
【0029】
冷却ユニット10は、筒体11と、複数の熱電変換器12とを備えている。筒体11は、X軸正側とX軸負側が開放された円筒形状である。筒体11は、銅やアルミニウム、鉄等の熱伝導特性に優れた材料からなっている。筒体11の内周面に複数の熱電変換器12が設置されている。
【0030】
熱電変換器12は、筒体11の周方向に並び、且つ、筒体11の軸方向(X軸方向)に分散するように配置されている。本実施の形態では、熱電変換器12が、X軸方向にも並ぶように配置されている。図2Aには、8つの熱電変換器12がX軸方向に並ぶ構成が示されているが、X軸方向に並ぶ熱電変換器12の数はこれに限られるものではない。
【0031】
本実施の形態では、X軸方向に並ぶ熱電変換器12の組が、筒体11の周方向に均等に配置されている。筒体11の周方向に配置される熱電変換器12の組の数は、たとえば6つであるが、これに限られるものではない。また、必ずしも、X軸方向に並ぶ熱電変換器12の組が、筒体11の内周面の全周に亘って配置されていなくてもよく、さらには、X軸方向に並ぶ熱電変換器12の組の周方向の間隔が均等でなくてもよい。
【0032】
個々の熱電変換器12は、互いに同一の構成および機能を備えている。熱電変換器12は、電圧が印加されることにより、筒体11の内周面を冷却する。したがって、印刷用紙P1が筒体11の外周面に接触すると、印刷用紙P1の熱が筒体11の外周面から内周面へと移動し、さらに、熱電変換器12へと移動する。これにより、印刷用紙P1が冷やされる。
【0033】
なお、図2Aにおいて、W1は、印刷用紙P1が冷却ユニット10に供給された場合に印刷用紙P1が筒体11に接触する幅を示しており、W2は、後述する印刷用紙P2が冷却ユニット10に供給された場合に印刷用紙P2が筒体11に接触する幅を示している。
【0034】
図2B図2Cは、それぞれ、冷却ユニット10における印刷用紙P1の搬送過程を模式的に示す平面図である。便宜上、図2Bには、印刷用紙P1のY軸負側の部分が透視された状態が示されている。
【0035】
印刷用紙P1は、Y軸正側から筒体11の外周面に巻き付いて、Z軸負方向に搬送される。搬送過程において、筒体11は、印刷用紙P1の搬送に伴い、X軸方向に平行な軸の周りを回転する。これにより、筒体11の外周面が順次、印刷用紙P1に接触する。印刷用紙P1は、筒体11の外周面に巻き付いる間に、熱電変換器12によって冷却される。このとき、印刷用紙P1の搬送方向をZ軸負方向に続きY軸正方向に向かうように印刷用紙P1の搬送方法を変更すること、すなわち印刷用紙P1が筒体11の外周面に巻き付く距離を長くすることで、熱電変換器12による冷却効率を高めることができる。
【0036】
なお、印刷用紙P1から熱電変換器12へと移動した熱は、筒体11の内部に流入する冷却風によって排熱される。冷却風は、図示しない送風機によって筒体11の内部に供給される。冷却風は、筒体11のX軸正側の開口(入口)から流入し、筒体11のX軸負側の開口(出口)から流出する。
【0037】
図3Aは、冷却ユニット10を冷却風の入口側から見た状態を模式的に示す図である。図3Bは、冷却ユニット10に設置される1つの構造体C1の構成を模式的に示す分解斜視図である。
【0038】
図3Aに示すように、筒体11の内周面には、6つの構造体C1が均等に設置されている。そして、1つの構造体C1とそれに隣接する構造体C1の間の空間を埋めるようにスペーサ15が配置されている。このように構成することで、より多くの冷却風をヒートシンク14に向かうようにできる。
【0039】
図3Bに示すように、構造体C1は、熱電変換器12と、押え板13と、ヒートシンク14と、を備えている。押え板13の上面は、筒体11の内周面に沿うように、円弧形状となっている。ヒートシンク14の上面と押え板13の下面との間に熱電変換器12が挟まれるようにして、押え板13が、ネジ16でヒートシンク14に固定される。押え板13には、ネジ16が挿入される孔13aが形成され、ヒートシンク14には、ネジ16が螺着されるネジ穴14bが形成されている。孔13aを介して、ネジ16が、ネジ穴14bに螺着される。こうして、熱電変換器12がヒートシンク14の上面に設置される。
【0040】
なお、図3Bには、ヒートシンク14の前側の端部付近が図示されているため、3つの熱電変換器12のみが図示されている。ヒートシンク14は、さらに後方へと延びた形状となっている。ヒートシンク14の上面には、図3Bと同様の構成によって、合計8つの熱電変換器12が設置される。
【0041】
ヒートシンク14および押え板13は、銅やアルミニウム等の熱伝導特性に優れた材料からなっている。押え板13は、薄板状の部材である。ヒートシンク14は、所定の厚みを有し、長方形の輪郭の板状の部材である。ヒートシンク14の下面には、板状の複数のフィン14aが互いに平行となるように設けられている。さらに、ヒートシンク14の前端と後端には、上下に貫通するネジ孔14cが設けられている。
【0042】
図3Aに示すように、6つの構造体C1を筒体11の内周面に配置した状態で、筒体11の外周面側から、ヒートシンク14のネジ孔14cにネジ(図示せず)が留められる。筒体11にもネジ孔14cにネジを留めるための孔(図示せず)が設けられている。こうして、図3Aに示すように、6つの構造体C1が、筒体11の内周面に、周方向に均等に設置される。
【0043】
筒体11に流入した冷却風は、フィン14aの間の隙間を通って筒体11から排出される。これにより、熱電変換器12からフィン14aへと移動した熱が取り除かれる。こうして、熱電変換器12の放熱面に熱が溜まることが抑止され、熱電変換器12における冷却作用が維持される。
【0044】
図4Aは、熱電変換器12の構成を模式的に示す分解斜視図、図4Bは、熱電変換器12の組立完了状態の構成を模式的に示す斜視図である。
【0045】
図4Aに示すように、熱電変換器12は、第1の基板12aと、第2の基板12bと、熱電変換素子12cと、を備える。
【0046】
第1の基板12aおよび第2の基板12bは、平面視において略長方形の形状を有し、熱伝導率が高い金属材料からなっている。図4Aに示すように第2の基板12bの上面に熱電変換素子12cが配置された状態で、熱電変換素子12cの上面に第1の基板12aが重ねられる。熱電変換素子12cは、一定のピッチでX軸方向およびY軸方向に並べられる。熱電変換素子12cは、印加された電圧に基づいて熱を移動させて冷却するための素子であって、たとえば、ペルチェ素子からなっている。
【0047】
なお、第1の基板12aの下面と第2の基板12bの上面には、それぞれ、熱電変換素子12cの上側の電極と下側の電極とに接合される接続電極(図示せず)が形成されている。これらの接続電極を介して、熱電変換素子12cに電圧が印加される。第1の基板12aに形成された接続電極と、第2の基板12bに形成された接続電極は、図4Bのように組み立てられた熱電変換器12に対して図示しない端子から電圧が印加されると、全ての熱電変換素子12cに一律に電圧が印加されるように設定されている。
【0048】
組立時には、第2の基板12bの上面の接続電極に半田が塗布された状態で、図4Aのように、熱電変換素子12cが配置される。さらに、第1の基板12aの下面の接続電極に半田が塗布された状態で、図4Bのように、第1の基板12aが熱電変換素子12cの上面に重ねられる。この状態で、半田を溶着させるためのリフロー処理が行われる。これにより各接続電極が熱電変換素子12cに接合され、第1の基板12aおよび第2の基板12bが固定される。こうして、図4Bに示す熱電変換器12が構成される。熱電変換器12に対して電圧が印加されると、熱電変換器12の冷却面(第1の基板12aの上面)の熱が、熱電変換器12の発熱面(第2の基板12bの下面)へと移動する。
【0049】
次に、本実施の形態における冷却ユニット10における給電線の接続形態について、比較例を参照しながら説明する。
【0050】
図5Aは、比較例に係る冷却ユニット10における給電線の接続形態を模式的に示す図である。
【0051】
図5Aに示すように、比較例では、筒体11の軸方向(X軸方向)に並ぶ8つの熱電変換器12が給電線21によって直列に接続されている。すなわち、図3Bに示す1つの構造体C1に含まれる8つの熱電変換器12が直列に接続されている。直列に接続された8つの熱電変換器12の組が、周方向に6つ構成されている。ドライバ31は、直列に接続された6つの熱電変換器12の組に対して、それぞれ、個別に、電圧を印加する。6つの熱電変換器12の組に対して、並列に、ドライバ31から電圧が印加されてもよい。ドライバ31と給電線21は、たとえば、筒体11の回転軸に配置されたブラシを介して接続されている。
【0052】
比較例における接続形態では、筒体11の軸方向(X軸方向)に並ぶ8つの熱電変換器12に同一の電流が流れる。このため、筒体11の軸方向(X軸方向)の位置ごとに、熱電変換器12の駆動を制御することができない。比較例では、筒体11の軸方向(X軸方向)に並ぶ8つの熱電変換器12を組とした制御が行われる。このため、比較例では、以下のとおり、筒体11において、軸方向(X軸方向)に温度勾配が生じてしまう。
【0053】
図5Bは、比較例に係る冷却ユニット10を用いた場合の冷却能力を模式的に示すグラフである。
【0054】
図5Aに示すように、筒体11のX軸正側の開口(入口)から冷却風が導入されると、冷却風は、筒体11の内部を通るに伴い、フィン14aから熱を吸収する。このため、冷却風の温度は、図5Bの黒丸のプロットに示すように、軸方向の位置がX軸負方向に移動するに伴い上昇する。冷却風の温度が上昇すると、フィン14aから冷却風に移動する熱量が減少する。このため、熱電変換器12の発熱面(図4Bに示す第2の基板12bの下面)の温度が上昇し、熱電変換器12の冷却能力が低下する。したがって、熱電変換器12の冷却能力は、図5Bの黒菱形のプロットに示すように、軸方向の位置がX軸負方向に移動するに伴い低下する。
【0055】
このように、比較例の接続形態では、筒体11の軸方向(X軸方向)に並ぶ8つの熱電変換器12の冷却能力が不均一となるため、筒体11においても、図5Bの黒菱形のグラフと同様の傾向で、冷却ムラが生じる。これに伴い、筒体11に温度勾配が生じ、筒体11に接触する印刷用紙P1においても、幅方向(X軸方向)に温度勾配が生じる。印刷用紙P1における温度勾配は、図1に示す裏面印刷ユニット5における印刷に支障を与えかねない。
【0056】
また、比較例に係る冷却ユニット10において、印刷用紙P1よりも幅が小さい印刷用紙P2が供給された場合には、結露や電力ロスの問題も生じ得る。
【0057】
図5Cは、比較例に係る冷却ユニット10における印刷用紙P2の搬送過程を模式的に示す平面図である。なお、印刷用紙P2が透視された状態が示されている。
【0058】
幅が狭い印刷用紙P2が冷却ユニット10に供給された場合、印刷用紙P2の両側の領域W3には印刷用紙P2が接触しない。しかし、比較例では、軸方向(X軸方向)に並ぶ8つの熱電変換器12が直列に接続されているため、領域W3(非接触領域)に含まれる熱電変換器12も、中央の熱電変換器12と同様に電流が流されて、筒体11に冷却作用を付与する。このため、筒体11は領域W3(非接触領域)において過冷却となり、その結果、領域W3の筒体11の外周面に結露が起こり得る。結露が印刷用紙に付着すると、印刷の滲みや印刷用紙の損傷等に繋がり兼ねない。さらに、領域W3に対する冷却によって電力が無駄に消費される。
【0059】
以上のように、比較例の接続形態では、印刷用紙P1、P2に対する冷却において、種々の問題が起こり得る。これに対し、本実施の形態では、比較例に比べて、冷却ユニット10における給電線の接続形態が異なっている。
【0060】
図6A図6Bは、実施の形態に係る冷却ユニット10における給電線22の接続形態を模式的に示す図である。図6Aは、冷却ユニット10をZ軸正側から見た図、図6Bは、冷却ユニット10をX軸正側から見た図である。便宜上、図6Bでは、熱電変換器12よりも筒体11の中心軸側の構成の図示が省略されている。
【0061】
図6A図6Bに示すように、実施の形態では、筒体11の周方向(X軸周りの方向)に並ぶ6つの熱電変換器12が給電線22によって直列に接続されている。すなわち、筒体11の周方向(X軸周りの方向)に並ぶ6つの熱電変換器12が直列に接続されて、1つの回路を構成している。直列に接続された6つの熱電変換器12からなる回路が、軸方向(X軸方向)に8つ構成されている。ドライバ32は、各回路に対して、それぞれ、個別に、電圧を印加する。ドライバ32と給電線22は、たとえば、筒体11の回転軸に配置されたブラシを介して接続されている。
【0062】
図7Aは、実施の形態に係る冷却ユニット10における給電線の接続形態を模式的に示す図である。
【0063】
実施の形態における接続形態では、筒体11の周方向(X軸周りの方向)に並ぶ6つの熱電変換器12からなる回路に同一の電流が流れるが、回路間では、印加電圧を変化させることができる。このため、筒体11の軸方向(X軸方向)の位置ごとに、熱電変換器12の駆動を制御できる。これにより、実施の形態では、以下のとおり、筒体11において、軸方向(X軸方向)の温度勾配を抑制できる。
【0064】
図7B図7Cは、実施の形態に係る冷却ユニット10を用いた場合の冷却能力を模式的に示すグラフである。
【0065】
図5Bを参照して説明したとおり、筒体11内における冷却風の温度上昇のため、熱電変換器12の冷却能力は、軸方向の位置がX軸負方向に移動するに伴って低下する。そこで、本実施の形態では、図7Bの白丸のプロットに示すように、周方向に並ぶ6つの熱電変換器12からなる各回路に対する印加電圧を変化させる。すなわち、ドライバ32は、冷却風の下流側(X軸負側)に向かうほど、回路に対する印加電圧を増加させて、熱電変換器12の冷却能力を高める。これにより、図7Bの黒菱形のプロットに示すように、熱電変換器12の冷却能力が、筒体11の軸方向(X軸方向)において略均一になる。こうして、本実施の形態では、冷却ユニット10における冷却ムラが抑制される。
【0066】
また、図5Cを参照して説明したとおり、幅が小さい印刷用紙P2が冷却ユニット10に供給された場合、印刷用紙P2の両側の領域W3においては、印刷用紙P2が筒体11の外周面に接触しない。そこで、実施の形態では、図7Cに示すように、領域W3に含まれる熱電変換器12に印加する電圧を、印刷用紙P2が接触する中央領域に含まれる熱電変換器12に印加する電圧に比べて、低下させる。たとえば、ドライバ32は、領域W3に含まれる熱電変換器12に対する電圧の印加を停止させる(印加電圧=0)。あるいは、ドライバ32は、領域W3に含まれる熱電変換器12に対する印加電圧をゼロ付近に低下させる。これにより、冷却ユニット10が領域W3において過冷却となって結露が発生することが抑止される。また、領域W3における無駄な電力消費が回避され得る。
【0067】
なお、本実施形態において、印刷用紙P2が接触する中央領域に含まれる熱電変換器12としては、熱電変換器12の一部が中央領域に配置されるものも含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0068】
図8Aは、印刷機1の構成を示すブロック図である。
【0069】
印刷機1は、冷却装置101と、給紙搬送部102と、印刷部103と、加熱乾燥部104と、操作部105と、表示部106と、検出部107と、制御部108と、を備える。
【0070】
冷却装置101は、図2A図4Bおよび図6A図7Aに示した冷却ユニット10、給電線22およびドライバ32を備える。給紙搬送部102は、図1に示したロール紙2、巻き取りユニット6およびローラ7と駆動源となるモータとを備える。印刷部103は、図1に示す表面印刷ユニット3および裏面印刷ユニット5を備える。加熱乾燥部104は、図1に示すドライヤ4を備える。操作部105は、タッチパネルやキーボード等の入力手段を備える。表示部106は、液晶モニタ等の表示手段を備える。検出部107は、印刷用紙の幅を検出するためのセンサや、印刷用紙の搬送位置を検出するためのセンサ、筒体11の温度や印刷用紙P1,P2の温度を測定する温度センサ等の各種センサを備える。
【0071】
制御部108は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理回路や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等の記憶媒体を備える。制御部108は、記憶媒体に記憶されたプログラムに従って各部を制御する。
【0072】
図8Bは、冷却装置101の制御を示すフローチャートである。
【0073】
制御部108は、検出部107からの検出信号に基づき、印刷機1にセットされた印刷対象用紙が、印刷用紙P1、P2の何れであるかを判別する(S11)。印刷対象用紙が印刷用紙P1である場合(S11:YES)、制御部108は、冷却ユニット10に設置された全ての熱電変換器12を駆動するようドライバ32を制御する(S12)。この場合、ドライバ32は、図6Aに示す各回路に対する印加電圧を、図7Bのように調整する(S13)。
【0074】
一方、印刷対象用紙が印刷用紙P2である場合(S11:NO)、制御部108は、冷却ユニット10に設置された熱電変換器12のうち、図5Cに示す領域W3を除いた中央領域に含まれる熱電変換器12のみを駆動するようドライバ32を制御する(S14)。この場合、ドライバ32は、図6Aに示す各回路に対する印加電圧を、図7Cのように調整する(S15)。図7Cの制御では、領域W3を除いた中央領域において、X軸負側に向かうほど、回路に対する印加電圧が高められている。
【0075】
なお、本実施の形態では、印刷対象用紙の幅が2種類であることが想定されているが、印刷対象用紙の幅が3種類以上である場合は、各幅に応じて、駆動される熱電変換器12の範囲が設定される。すなわち、各幅の範囲に含まれる熱電変換器12が駆動され、幅の範囲に含まれない熱電変換器12は駆動されないように停止される。この場合も、幅の範囲に含まれない熱電変換器12を、印加電圧が0付近で駆動するようにしてもよい。
【0076】
<実施形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、以下の効果が奏される。
【0077】
周方向に並ぶ熱電変換器12ごとに給電制御が可能であるため、筒体11の軸方向において、冷却ユニット10の冷却能力を変化させることができる。これにより、たとえば、印刷対象物の幅が変化した場合も、印刷対象物を効率的に冷却でき、あるいは、筒体11の軸方向に流れる冷却風に温度変化が生じても、印刷対象物を略均等に冷却できる。よって、効率的かつ安定的に印刷対象物を冷却することができる。
【0078】
図7Bに示すように、ドライバ32は、筒体11の軸方向(X軸方向)に沿って流される冷却風の下流側に位置する熱電変換器12に対して供給する電圧を、冷却風の上流側に位置する熱電変換器12よりも、高く設定する。これにより、冷却風が筒体11の内部を流れる間に冷却風の温度が上昇しても、各熱電変換器12における冷却能力を略均一にすることができる。よって、筒体11において、軸方向に温度勾配が生じることを抑制できる。
【0079】
図7Cに示すように、ドライバ32は、筒体11の軸方向(X軸方向)における印刷用紙P2の幅の範囲内にある熱電変換器12に対して供給する電圧を、印刷用紙P2の幅の範囲外にある熱電変換器12よりも、高く設定する。たとえば、ドライバ32は、印刷用紙P2の幅の範囲外にある熱電変換器12に対する給電を停止する。これにより、印刷用紙P2が接触しない領域W3において、冷却ユニット10が過冷却となって、筒体11の外周面に結露が発生することを抑止できる。また、領域W3における無駄な電力消費を回避することができる。
【0080】
<第1変更例>
以上、本開示の実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に何らの制限を受けるものではない。
【0081】
たとえば、上記実施の形態では、図7Aに示すように、周方向に並ぶ6つの熱電変換器12が直列に接続されて回路が構成され、回路ごとに、個別に、ドライバ32から電圧が印加されたが、図9Aの第1変更例に示すように、筒体11の軸方向の端から2つずつ回路を組として、2次回路が構成され、2次回路ごとに、個別に、ドライバ32から電圧が印加されてもよい。図9Aの構成では、周方向に並ぶ6つの熱電変換器12が給電線22により直列に接続されて1次回路が構成され、さらに、隣り合う1次回路が給電線23により直列に接続されて2次回路が構成される。つまり、合計12の熱電変換器12が直列に接続されて2次回路が構成され、2次回路ごとに、個別に、ドライバ32から電圧が印加される。
【0082】
第1変更例の構成によっても、周方向に並ぶ6つの熱電変換器12と、これら熱電変換器12に対してX軸方向に隣り合う6つの熱電変換器12とからなる組ごとに給電制御が可能であるため、筒体11の軸方向において、冷却ユニット10の冷却能力を変化させることができる。ただし、2つの1次回路を纏めて制御が行われるため、冷却能力を変化させることが可能なX軸方向の幅が、上記実施の形態に比べて大きくなる。第1変更例の構成によれば、上記実施の形態に比べて、筒体11からドライバ32に引き出される給電線の数を少なくすることができる。
【0083】
なお、図9Aに示す構成では、隣り合う2つの1次回路が直列に接続されて2次回路が構成されたが、隣り合う2つの1次回路が並列に接続されて2次回路が構成されてもよい。また、3つ以上の1次回路が直列または並列に接続されて2次回路が構成されてもよい。
【0084】
<第2変更例>
図9Bに示す第2変更例のように、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対象に配置された2つの1次回路を組として、2次回路が構成されてもよい。図9Bの構成では、周方向に並ぶ6つの熱電変換器12が給電線22により直列に接続されて1次回路が構成され、さらに、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対象に配置された2つの1次回路が給電線24により直列に接続されて2次回路が構成される。つまり、合計12の熱電変換器12が直列に接続されて2次回路が構成され、2次回路ごとに、個別に、ドライバ32から電圧が印加される。
【0085】
第2変更例の構成によれば、筒体11の軸方向の中心に対して対称な位置にある熱電変換器12の組ごとに、給電制御が可能となる。よって、たとえば、印刷対象用紙の幅の範囲に含まれる熱電変換器12を動作させ、印刷対象用紙の幅の範囲に含まれない熱電変換器12を動作させないといった制御を円滑に行うことができる。また、第2変更例の構成によれば、上記実施の形態に比べて、筒体11からドライバ32に引き出される給電線の数を少なくすることができる。
【0086】
なお、図9Bに示す構成では、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対象に配置された2つの1次回路が直列に接続されて2次回路が構成されたが、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対象に配置された2つの1次回路が並列に接続されて2次回路が構成されてもよい。また、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対象に配置された複数組の1次回路が直列または並列に接続されて2次回路が構成されてもよい。
【0087】
また、第2変更例では、2つの1次回路を直列に接続して2次回路を構成する場合、すなわち1次回路が偶数個の場合を示したが、1次回路を奇数個とする場合には、2次回路を形成できない単独の1次回路を筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に配置してもよく、あるいは、筒体11の軸方向(X軸方向)の排気側に配置してもよい。単独の1次回路を筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に配置する場合には、吸熱量を最も多く必要とする筒体11の中央部の冷却能力を向上させることができる。また、単独の1次回路を筒体11の軸方向(X軸方向)の排気側に配置する場合には、筒体11の内部を通過する冷却風の温度が最も高くなる位置に配置することになるので、冷却ユニット10の冷却効率を高めることができる。
【0088】
<第3変更例>
図10Aに示すように、第3変更例では、上記実施の形態に比べて、筒体11の軸方向における熱電変換器12の配置方法が相違している。具体的には、第3変更例では、筒体11の軸方向(X軸方向)に沿って流される冷却風の下流側には、上流側よりも軸方向(X軸方向)に密となるように、熱電変換器12が配置されている。第3変更例においても、熱電変換器12は、周方向に並び、且つ、軸方向に並ぶように配置されている。
【0089】
熱電変換器12をこのように配置することにより、冷却風の下流側が上流側に比べて筒体11に対する冷却作用が高くなる。このため、熱電変換器12からの排熱により冷却風の温度が下流側において上昇し、これにより下流側の熱電変換器12の冷却能力が上流側に比べて低下したとしても、筒体11の軸方向において、筒体11に付与される冷却作用を略均等に近づけることができる。よって、印刷対象物を略均等に冷却することができる。
【0090】
なお、第3変更例では、このように、熱電変換器12の配置によって、筒体11における温度勾配が抑制されるため、図7Bに示すように熱電変換器12に印加する電圧の値を調整せずともよい。また、第3変更例においても、給電線の接続形態を、図9A図9Bに示す接続形態に変更してもよい。軸方向における熱電変換器12の粗密の形態は、図10Aに示す形態に限られるものではない。冷却風の下流側には、上流側よりも軸方向(X軸方向)に密となるように、熱電変換器12が配置されればよい。
【0091】
<第4変更例4>
なお、熱電変換器12を図10Aに示すように配置する場合は、図10Bに示す第4変更例のように、筒体11の軸方向(X軸方向)に並ぶ8つの熱電変換器12を給電線21で直列に接続する構成を用いることができる。この接続形態は、図5Aに示した比較例の接続形態と同じである。この接続形態によっても、第3変更例と同様、熱電変換器12からの排熱により冷却風の温度が下流側において上昇し、これにより下流側の熱電変換器12の冷却能力が上流側に比べて低下したとしても、筒体11の軸方向において、筒体11に付与される冷却作用を略均等に近づけることができる。
【0092】
ただし、第4変更例の接続形態によれば、図5Cを参照して説明した過冷却による結露の問題や電力ロスの問題が残ることになる。よって、これらの問題を解消するためには、第3変更例のように、周方向に並ぶ熱電変換器12を直列に接続する接続形態を用いることが好ましい。
【0093】
<第5変更例>
また、ドライバ32は、図11Aに示すように、筒体11の軸方向(X軸方向)における印刷用紙P2の幅の範囲外にある熱電変換器12に対して供給する電圧を、印刷用紙P2の幅の範囲内にある熱電変換器12から筒体11の軸方向の端部に向かって、段階的に低く設定してもよい。これにより、印刷機1に冷却ユニット10を取付けるための取付け機構が筒体11の端部に備えられ、かつ、その取付け機構から伝わる熱を熱電変換器12が吸熱する場合であっても、その吸熱分を相殺できる程度に、印刷用紙P2の幅の範囲外にある熱電変換器12を機能させることで、一定の冷却効率を保ちつつ電力消費を抑制することができる。
【0094】
<第6変更例>
上記実施の形態では、冷却装置としての構成について説明したが、たとえば、図6Bにおけるドライバ32の電圧供給端子の極性を入れ替えることで、加熱装置としても使用可能である。この加熱装置を加熱ローラとして印刷機1に搭載することで、筒体11の加熱も可能となる。
【0095】
印刷機1を寒冷地域で使用する場合、印刷機1の電源投入時に冷却ユニット10が所定温度以上に達していないこともある。このような場合に、冷却ユニット10を加熱ローラとして使用することにより、筒体11を適正温度まで急速に近づけることができる。その結果、印刷機1の電源投入後から印刷開始までの時間を短縮することができる。
【0096】
また、図11Bに示すように、ドライバ32の電圧供給端子の極性を電気的に変更する極性切替回路32aを配置することにより、筒体11を冷却および加熱することが可能な温調装置201を構成することもできる。温調装置201は、ドライバ32が極性切替回路32aを含むことを除いて、図7Aの構成と同様である。この場合、筒体11、熱電変換器12および給電線22によって、温調ユニット40が構成される。温調装置201は、温調ユニット40と、ドライバ32とを備える。ドライバ32は、筒体11の周方向に並ぶ6つの熱電変換器12を給電線22で接続した各回路に電圧を供給する。ドライバ32は、内部に極性切替回路32aを備える。極性切替回路32aは、ドライバ32の電圧供給端子の極性を電気的に変更することにより、上記各回路に供給する電圧の極性を反転させる。各回路の熱電変換器12は、各回路に供給される電圧の極性に応じて、筒体11に対し、冷却作用または加熱作用を付与する。
【0097】
この場合、印刷機1には、図8Aの冷却装置101に代えて、温調装置201が搭載される。極性切替回路32aは、制御部108からの制御信号に応じて、温調ユニット40の各回路に供給される電圧の極性を設定する。
【0098】
なお、図11Bの構成では、極性切替回路32aがドライバ32に含まれているが、極性切替回路32aは、必ずしも、ドライバ32に含まれなくてもよく、上記各回路に印加される電圧の極性を電気的に変更可能に構成されていればよい。また、図11Bに示す温調ユニット40は、図9A図10Aに示した第1〜第3変更例と同様に、構成が変更されてもよい。
【0099】
<その他の変更例>
冷却ユニット10、給電線22〜24およびドライバ32からなる冷却装置101は、必ずしも、印刷機1に用いられなくてもよく、冷却を要する他の機器に用いられてもよい。この場合、X軸方向に見たときの筒体11の形状は、必ずしも、円形でなくてもよく、角が丸められた四角形等、冷却装置101が用いられる装置側の要求に応じて適宜変更可能である。
【0100】
また、熱電変換器12は、必ずしも、筒体11の内周面に設置されなくてもよく、筒体11の外周面等、冷却装置101が用いられる装置側の要求に応じて適宜変更可能である。同様に、熱電変換器12の配置レイアウトや配置数等も適宜変更可能である。筒体11に対する熱電変換器12の設置構造も、図3A図3Bに示した設置構造に限らず、種々の変更が可能である。冷却対象物も、印刷に用いる紙や布の他に、種々変更可能である。
【0101】
図12Aは、第6変更例に係る冷却ユニットにおける印刷用紙の搬送過程を模式的に示す平面図である。また、図12Bは、第2変更例に係る冷却ユニットにおける印刷用紙の搬送過程を模式的に示す平面図である。なお、印刷用紙P2が透視された状態が示されている。
【0102】
図8Bに示すフローチャートにおいて、冷却ユニット10に幅が狭い印刷用紙P2が供給されたと判別された場合、制御部108は、冷却ユニット10に設置された熱電変換器12のうち、領域W3を除いた中央領域に含まれる熱電変換器12のみ駆動するようドライバ32を制御する。図12A図12Bに示す冷却ユニット10の場合、筒体11の軸方向(X軸方向)において、筒体11の中央領域に位置する4列の熱電変換器12のみを駆動する。もしくは、制御部108は、冷却ユニット10に設置された熱電変換器12のうち、領域W4を除いた中央領域に含まれる熱電変換器12のみ駆動するようドライバ32を制御する。
【0103】
すなわち、ドライバ32は、筒体11の軸方向(X軸方向)における印刷用紙P2に対応する熱電変換器12に対して供給する電圧を、印刷用紙P2に対応しない熱電変換器12よりも高く設定する。もしくは、ドライバ32は、筒体11の軸方向(X軸方向)における第1領域に位置する熱電変換器12に対して供給する電圧を、第2領域に位置する熱電変換器よりも高く設定する。これにより、効率的かつ安定的に対象物を冷却することができる。
【0104】
このとき、領域W3を除いた中央領域に含まれる熱電変換器12が、第1領域に位置する熱電変換器に相当し、領域W3の領域に含まれる熱電変換器12が、第2領域に位置する熱電変換器に相当する。もしくは、領域W4を除いた中央領域に含まれる熱電変換器12が、第1領域に位置する熱電変換器に相当し、領域W4の領域に含まれる熱電変換器12が、第2領域に位置する熱電変換器に相当する。このように、筒体11は第1領域と第2領域を有し、第2領域は第1領域の両端に位置する。
【0105】
例えば、印刷機1を温暖地域で使用し、印刷機1が設置された場所の温度が所定温度に達している場合には、筒体11の中央領域に位置する4列の熱電変換器12のみを駆動する。これにより、筒体11における結露の発生を抑止しつつ、印刷対象用紙を効率的に冷却できる。
【0106】
また、印刷機1を寒冷地域で使用し、印刷機1が設置された場所の温度が所定温度に達していない場合には、筒体11の中央領域に位置する2列の熱電変換器12のみを駆動する。これにより、筒体11における結露の発生を抑止しつつ、無駄な電力消費を回避できる。
【0107】
ここで、制御部108は、検出部107からの検出信号に基づき、印刷機1にセットされた印刷対象用紙が、印刷用紙P1、P2の何れであるかを判別する機能を有する。制御部108が印刷対象用紙を自動判別する場合には、印刷用紙の幅を検知するセンサを印刷機1に設置し、そのセンサを検出部107として利用する。また、制御部108が印刷対象用紙を自動判別しない場合には、印刷機1のオペレータが印刷対象用紙のサイズを入力できる入力端末を印刷機1に設置し、その入力端末を検出部107として利用する。
【0108】
本開示の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0109】
1 … 印刷機
10 … 冷却ユニット
11 … 筒体
12 … 熱電変換器
22〜24 … 給電線
31,32 … ドライバ
32a … 極性切替回路
40 … 温調ユニット
101 … 冷却装置
102 … 給紙搬送部(搬送部)
103 … 印刷部
201 … 温調装置
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B

【手続補正書】
【提出日】2019年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を冷却するための冷却装置であって、
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、を備え、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記対象物が前記筒体に接触したときに前記軸方向における前記対象物の幅の範囲内に配置される熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記対象物の幅の範囲外に配置される熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも高く設定する、
冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記対象物の幅の範囲外に配置される前記熱電変換器の前記組に対する給電を停止する、
冷却装置。
【請求項3】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記対象物の幅の範囲外に配置される前記熱電変換器の前記組に対して供給する電圧を、前記対象物の幅の範囲内に配置される前記熱電変換器の前記組から前記筒体の軸方向の端部に向かって、段階的に低く設定する、
冷却装置。
【請求項4】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記複数の熱電変換器の組のうちの前記軸方向の中央に対して互いに対称に配置された2つの熱電変換器の組にそれぞれ対応する2つの前記回路を組み合わせる2次回路が構成されている、
冷却装置。
【請求項5】
請求項1に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記軸方向に沿って前記筒体内に流れる冷却風の下流側に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記冷却風の上流側に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも、高く設定する、
冷却装置。
【請求項6】
対象物の温度を調整するための温調装置であって、
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、
前記回路に対する給電極性を電気的に変更する極性切替回路と、を備える、
温調装置。
【請求項7】
請求項1に記載の冷却装置と、
前記対象物であるシート状の被印刷物に印刷を行う印刷部と、
前記被印刷物を前記印刷部から前記冷却装置へと搬送する搬送部と、を備える、
印刷機。
【請求項8】
請求項6に記載の温調装置と、
前記対象物であるシート状の被印刷物に印刷を行う印刷部と、
前記被印刷物を前記印刷部から前記温調装置へと搬送する搬送部と、を備える、
印刷機。
【請求項9】
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、を備え、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの冷却対象物が前記筒体に接触したときに前記軸方向において前記冷却対象物に対応する熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記冷却対象物が前記筒体に接触したときに前記軸方向において前記冷却対象物に対応しない熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも高く設定する、
冷却装置。
【請求項10】
熱伝導性である筒体と、
前記筒体の周方向に並び、前記筒体の軸方向に分散して配置された複数の熱電変換器と、
前記複数の熱電変換器のうちの前記周方向に並ぶ熱電変換器を直列に接続して複数の熱電変換器の組を構成し、前記複数の熱電変換器の組ごとに給電のための回路を構成する給電線と、
前記給電線を介して前記複数の熱電変換器に給電を行うドライバと、を備え、
前記筒体は、前記軸方向に第1領域と、前記第1領域の両端に位置する第2領域とを有し、
前記ドライバは、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記第1領域に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧を、前記複数の熱電変換器の組のうちの前記第2領域に位置する熱電変換器の組に対して供給する電圧よりも高く設定する、
冷却装置。
【請求項11】
請求項10に記載の冷却装置において、
前記ドライバは、前記第2領域に位置する前記熱電変換器の前記組に対する給電を停止する、
冷却装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
しかし、このような接続形態では、たとえば、印刷用紙の幅が筒体の幅よりも数段小さい場合、印刷用紙が接触しない領域(非接触領域)に対しても冷却作用が付与されることになる。この場合、非接触領域に対する冷却によって電力が無駄に消費される。また、非接触領域が過冷却となるため、この領域に結露が生じる場合もある。結露が印刷用紙に付着すると、印刷の滲みや印刷用紙の損傷等に繋がり兼ねない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
<第2変更例>
図9Bに示す第2変更例のように、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対に配置された2つの1次回路を組として、2次回路が構成されてもよい。図9Bの構成では、周方向に並ぶ6つの熱電変換器12が給電線22により直列に接続されて1次回路が構成され、さらに、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対に配置された2つの1次回路が給電線24により直列に接続されて2次回路が構成される。つまり、合計12の熱電変換器12が直列に接続されて2次回路が構成され、2次回路ごとに、個別に、ドライバ32から電圧が印加される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0086
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0086】
なお、図9Bに示す構成では、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対に配置された2つの1次回路が直列に接続されて2次回路が構成されたが、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対に配置された2つの1次回路が並列に接続されて2次回路が構成されてもよい。また、筒体11の軸方向(X軸方向)の中央に対して互いに対に配置された複数組の1次回路が直列または並列に接続されて2次回路が構成されてもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0091
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0091】
<第4変更例>
なお、熱電変換器12を図10Aに示すように配置する場合は、図10Bに示す第4変更例のように、筒体11の軸方向(X軸方向)に並ぶ8つの熱電変換器12を給電線21で直列に接続する構成を用いることができる。この接続形態は、図5Aに示した比較例の接続形態と同じである。この接続形態によっても、第3変更例と同様、熱電変換器12からの排熱により冷却風の温度が下流側において上昇し、これにより下流側の熱電変換器12の冷却能力が上流側に比べて低下したとしても、筒体11の軸方向において、筒体11に付与される冷却作用を略均等に近づけることができる。
【国際調査報告】