特表-18092649IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年5月24日
【発行日】2019年10月17日
(54)【発明の名称】アクチュエータ及びカメラ装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/00 20060101AFI20190920BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20190920BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20190920BHJP
【FI】
   H02K33/00 B
   G03B17/56 B
   G03B15/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
【出願番号】特願2018-551585(P2018-551585)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年11月8日
(31)【優先権主張番号】特願2016-223286(P2016-223286)
(32)【優先日】2016年11月16日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市橋 弘英
(72)【発明者】
【氏名】小林 昌一
(72)【発明者】
【氏名】亀山 泰明
(72)【発明者】
【氏名】下村 勉
(72)【発明者】
【氏名】星野 翼
【テーマコード(参考)】
2H105
5H633
【Fターム(参考)】
2H105AA03
2H105AA06
2H105AA11
5H633BB03
5H633BB15
5H633BB16
5H633GG02
5H633GG06
5H633GG07
5H633GG12
5H633GG15
5H633GG21
5H633GG23
5H633HH03
5H633HH05
5H633HH08
5H633HH13
5H633HH16
5H633HH22
5H633HH25
5H633JB04
5H633JB05
(57)【要約】
可動ユニットをローリング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができ、かつ駆動磁石と磁気ヨークとの間の磁力を弱めることができるアクチュエータ及びカメラ装置を提供する。アクチュエータ(2)は、複数の駆動磁石(第1駆動磁石620、第2駆動磁石621)と、複数のバックヨーク(第1磁気バックヨーク610、第2磁気バックヨーク611)とを備える。複数のバックヨークは、複数の駆動磁石に一対一に対応し、対応する駆動磁石を取り付ける。複数のバックヨークのうち光軸(1a)を中心に対向する少なくとも一対のバックヨークは、基体と、ヨーク突起とを有する。基体は、複数の駆動磁石のうち対応する駆動磁石を取り付ける。ヨーク突起は、可動ユニット(10)のローリング方向における対応する駆動磁石の両端のうち少なくとも一端に配置され、基体に連結している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動対象を保持する可動ユニットと、
所定の第1軸の周りに回転可能に前記可動ユニットを保持する固定ユニットと、
前記固定ユニットに設けられており、前記第1軸を中心にして互いに対向するように配置されて前記可動ユニットを前記第1軸の周りに回転させる複数の駆動コイルユニットと、
前記可動ユニットに設けられており、同一の第1磁極を有する第1面が前記複数の駆動コイルユニットの各々に対向するように、前記第1軸と前記複数の駆動コイルユニットのうち対向する駆動コイルユニットとの間に配置された複数の駆動磁石と、
前記複数の駆動磁石に一対一に対応し、前記複数の駆動磁石のうち対応する駆動磁石における前記第1磁極とは反対の磁極である第2磁極を有する第2面に対向するように前記駆動磁石を取り付ける複数のバックヨークとを備え、
前記複数の駆動コイルユニットは、磁性材料を含むヨークと、前記第1軸と直交する第2軸に沿った方向を巻方向として前記ヨークに導線が巻回されて形成されたコイルとを有し、
前記複数のバックヨークのうち前記第1軸を中心に対向する少なくとも一対のバックヨークは、前記複数の駆動磁石のうち対応する駆動磁石を取り付ける基体と、前記可動ユニットの回転方向における前記対応する駆動磁石の両端のうち少なくとも一端に配置され、前記基体に連結しているヨーク突起とを有している
ことを特徴とするアクチュエータ。
【請求項2】
前記ヨーク突起は、前記対応する駆動磁石の両端に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記ヨーク突起は、前記複数のバックヨークのすべてに設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記ヨーク突起は、
前記ヨーク突起と、前記複数の駆動磁石のうち前記ヨーク突起を有する前記バックヨークに取り付けられた駆動磁石との前記回転方向における隙間が前記第1軸から遠方に向うにつれて広がるように、前記基体に連結されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記ヨーク突起の先端は、
前記複数の駆動磁石のうち前記ヨーク突起を有する前記バックヨークに取り付けられた駆動磁石において、前記第1磁極を有する前記第1面よりも前記第1軸に近い位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記複数の駆動コイルユニットの各々が有するヨークと、前記複数の駆動磁石のうち前記ヨークを有する駆動コイルユニットに対向する駆動磁石とが対向するそれぞれの面は、前記第1軸に沿った方向から見て平行になるように形成されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記複数の駆動コイルユニットは、前記第1軸に沿った方向を巻方向として前記ヨークに導線が巻回されて形成され、かつ前記コイルとしての第1コイルとは異なる第2コイルを、さらに有し、
前記可動ユニットは、前記複数の駆動コイルユニットの各々が有する前記第2コイルと前記複数の駆動磁石とにより、前記第2軸の周りに回転する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記複数の駆動コイルユニットの各々が有するヨークと、前記複数の駆動磁石のうち前記ヨークを有する駆動コイルユニットに対向する駆動磁石とが対向するそれぞれの面は、前記第1軸及び前記第2軸の周りに回転する際の中心点を中心とする円弧状の曲面である
ことを特徴とする請求項7に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記ヨーク突起の先端の面は、前記第1軸に沿った方向における両端から中央に向うにつれて前記第1軸から遠ざかるように湾曲した曲面である
ことを特徴とする請求項7または8に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記ヨーク突起は、前記複数の駆動磁石のうち前記ヨーク突起と連結する前記基体に取り付けられた駆動磁石に対向する面に貫通孔を有している
ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記複数のバックヨークと同一の材料で成形され、前記複数のバックヨークを連結する連結体を、さらに備える
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のアクチュエータと、
前記駆動対象としてのカメラモジュールとを備える
ことを特徴とするカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ及びカメラ装置に関し、より詳細には可動対象がローリング方向に回転するアクチュエータ及びカメラ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、可動ユニットに搭載された操作部が3方向(ローリング方向、パンニング方向及びチルティング方向)に回転するアクチュエータ及びアクチュエータを有する入出力操作装置が存在する(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、アクチュエータは、操作部をX軸を中心に回転させる(パンニング方向に回転させる)第1の駆動部と、Y軸を中心に回転させる(チルティング方向に回転させる)第2の駆動部と、Z軸を中心に回転させる(ローリング方向に回転させる)第3の駆動部とを有している。
【0004】
第1の駆動部は、Z軸に対して対称に可動ユニットに配置された一対の第1の駆動磁石と、一対の第1の駆動磁石に対向するよう固定ユニットにそれぞれ配置された一対の第1の磁気ヨークとを含む。第1の駆動部は、一対の第1の磁気ヨークにそれぞれ巻回された一対の第1の駆動コイルを含む。
【0005】
第2の駆動部は、Z軸に対して対称に可動ユニットに配置された一対の第2の駆動磁石と、一対の第2の駆動磁石に対向するよう固定ユニットにそれぞれ配置された一対の第2の磁気ヨークとを含む。第2の駆動部は、一対の第2の磁気ヨークにそれぞれ巻回された一対の第2の駆動コイルを含む。
【0006】
第3の駆動部は、一対の第1の磁気ヨーク及び一対の第2の磁気ヨークにそれぞれ巻回された第3の駆動コイルを含み、一対の第1の駆動磁石および一対の第2の駆動磁石を第3の駆動磁石として用いる。
【0007】
一対の第1の駆動磁石及び一対の第2の駆動磁石は、略直方体形状の磁気バックヨークに接着される。磁気バックヨークが可動ユニットに連結されることで、一対の第1の駆動磁石及び一対の第2の駆動磁石は、可動ユニットに固定される。
【0008】
特許文献1に記載された第1の駆動磁石と第1の磁気ヨークとの間で発生する吸着力、及び第2の駆動磁石と第2の磁気ヨークとの間で発生する吸着力が大きいと、操作部(可動ユニット)がローリング方向に回転するトルクが不足する可能性がある。そうすると、操作部(可動ユニット)のローリング方向における回転角度が小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015−215730号公報
【発明の概要】
【0010】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされ、可動ユニットをローリング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができ、かつ駆動磁石と磁気ヨークとの間の磁力を弱めることができるアクチュエータ及びカメラ装置を提供することを目的とする。
【0011】
本発明に係る一態様のアクチュエータは、可動ユニットと、固定ユニットと、複数の駆動コイルユニットと、複数の駆動磁石と、複数のバックヨークとを備える。前記可動ユニットは、駆動対象を保持する。前記固定ユニットは、所定の第1軸の周りに回転可能に前記可動ユニットを保持する。前記複数の駆動コイルユニットは、前記固定ユニットに設けられており、前記第1軸を中心にして互いに対向するように、配置されて前記可動ユニットを前記第1軸の周りに回転させる。前記複数の駆動磁石は、前記可動ユニットに設けられており、同一の第1磁極を有する第1面が前記複数の駆動コイルユニットの各々に対向するように前記第1軸と前記複数の駆動コイルユニットのうち対向する駆動コイルユニットとの間に配置されている。前記複数のバックヨークは、前記複数の駆動磁石に一対一に対応し、前記複数の駆動磁石のうち対応する駆動磁石における前記第1磁極とは反対の磁極である第2磁極を有する第2面に対向するように前記駆動磁石を取り付ける。前記複数の駆動コイルユニットは、磁性材料を含むヨークと、前記第1軸と直交する第2軸に沿った方向を巻方向として前記ヨークに導線が巻回されて形成されたコイルとを有している。前記複数のバックヨークのうち前記第1軸を中心に対向する少なくとも一対のバックヨークは、基体と、ヨーク突起とを有している。前記基体は、前記複数の駆動磁石のうち対応する駆動磁石を取り付ける。前記ヨーク突起は、前記可動ユニットの回転方向における前記対応する駆動磁石の両端のうち少なくとも一端に配置され、前記基体に連結している。
【0012】
本発明に係る一態様のカメラ装置は、前記アクチュエータと、前記駆動対象としてのカメラモジュールとを備える。
【0013】
本発明によると、可動ユニットをローリング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができ、かつ駆動磁石と磁気ヨークとの間の磁力を弱めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1Aは、本発明に係る一実施形態のアクチュエータを有するカメラ装置の斜視図である。図1Bは、同上のカメラ装置の光軸及びZ軸に直交する軸とZ軸とで定まる平面に対する断面図である。
図2図2は、同上のカメラ装置のX(Y)軸と光軸とで定まる平面に対する断面図である。
図3図3は、同上のカメラ装置の分解斜視図である。
図4図4は、同上のアクチュエータが備える可動ユニットの分解斜視図である。
図5図5Aは、同上のカメラ装置における第1磁気バックヨーク(第2磁気バックヨーク)及び第1駆動磁石(第2駆動磁石)のZ−Z断面図である。図5Bは、第1駆動磁石(第2駆動磁石)と第1磁気ヨーク(第2磁気ヨーク)との間の磁束を説明するための断面図である。
図6図6Aは、同上の第1磁気バックヨーク(第2軸バックヨーク)における角度θと、ローリング方向のトルクとの関係を示す図である。図6Bは、同上の第1磁気バックヨーク(第2軸バックヨーク)における長さL1と、ローリング方向のトルクとの関係を示す図である。
図7図7は、パンニング方向(チルティング方向)における回転角度と、トルクとの関係を示す図である。
図8図8A及び図8Bは、第1磁気バックヨーク(第2磁気バックヨーク)の形状の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する実施形態及び変形例は、本発明の一例に過ぎず、本発明は、実施形態及び変形例に限定されることなく、この実施形態及び変形例以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0016】
(実施形態1)
本実施形態のカメラ装置1について、図1A図7を用いて説明する。
【0017】
カメラ装置1は、例えば可搬型のカメラであり、図1A図2図3に示すように、アクチュエータ2とカメラモジュール3とを備える。カメラモジュール3は、後述するチルティング方向、パンニング方向及びローリング方向に回転可能である。アクチュエータ2は、駆動対象としてのカメラモジュール3を所望の回転方向に駆動させ、カメラモジュール3の不要な揺れを抑えるスタビライザーとして機能する。
【0018】
カメラモジュール3は、撮像素子3aと、撮像素子3aの撮像面に被写体像を結像させるレンズ3bと、レンズ3bを保持するレンズ鏡筒3cとを含む。カメラモジュール3は、撮像素子3aの撮像面に形成された映像を電気信号に変換する。レンズ鏡筒3cは、カメラモジュール3の光軸1aの方向に突出している。光軸1aに垂直なレンズ鏡筒3cの断面は、円形状である。またカメラモジュール3には、撮像素子3aが生成した電気信号を外部に設けられた画像処理回路(外部回路)に送信するための複数のケーブルがコネクタを介して電気的に接続されている。なお、本実施形態では、複数のケーブルは長さが同一である細線の同軸ケーブルであり、その本数は40本である。複数のケーブル(40本のケーブル)は、10本ずつの4つのケーブル束11に分けられている。なお、ケーブルの本数(40本)は一例であって、この本数に限定する趣旨ではない。
【0019】
アクチュエータ2は、図1A図3に示すように、アッパーリング4、可動ユニット10、固定ユニット20、駆動部30、脱落防止部80、第1プリント基板90及び第2プリント基板91を備える。
【0020】
可動ユニット10は、カメラホルダ40と、可動ベース部41とを有している(図3参照)。また、固定ユニット20は、可動ユニット10との間に隙間を設けて可動ユニット10を嵌め合せる。可動ユニット10は、固定ユニット20に対して、カメラモジュール3のレンズの光軸1aを中心に回転(ローリング)する。また、可動ユニット10は、固定ユニット20に対して、軸1b及び軸1cのそれぞれを中心に回転する。ここで、軸1b及び軸1cは、可動ユニット10が回転していない状態において可動ユニット10を固定ユニット20に嵌め合せる嵌合方向に直交している。さらに、軸1b及び軸1cは、互いに直交している。なお、可動ユニット10の詳細な構成については後述する。カメラモジュール3は、カメラホルダ40に取り付けられている。なお、可動ベース部41の構成については、後述する。可動ユニット10が回転することでカメラモジュール3を回転させることができる。なお、本実施形態では、光軸1aが軸1b及び軸1cの双方と直交している場合に、可動ユニット10(カメラモジュール3)は中立状態であると定義する。また、軸1bを中心として可動ユニット10(カメラモジュール3)が回転する方向をチルティング方向と、軸1cを中心として可動ユニット10(カメラモジュール3)が回転する方向をパンニング方向と、それぞれ定義する。さらに、光軸1aを中心として可動ユニット10(カメラモジュール3)が回転(ローリング)する方向をローリング方向と定義する。光軸1a、軸1b,1cは、仮想的な軸である。
【0021】
固定ユニット20は、連結部50と本体部51とを含んでいる(図3参照)。
【0022】
連結部50は、中央部位から4つの連結棒50aが延びて設けられている。4つの連結棒50aのそれぞれは、互いに隣り合う連結棒50aと略直交している。また、4つの連結棒50aのそれぞれは、先端部位が、中央部位よりも下方となるように湾曲している。連結部50は、本体部51との間に可動ベース部41を挟み込み、本体部51にねじ止めされる。具体的には、4つの連結棒50aの先端部が本体部51にねじ止めされる。
【0023】
固定ユニット20は、可動ユニット10を電磁駆動で回転可能とするために、一対の第1コイルユニット52と、一対の第2コイルユニット53とを有している(図3参照)。一対の第1コイルユニット52及び一対の第2コイルユニット53のそれぞれが駆動コイルユニットに相当している。
【0024】
一対の第1コイルユニット52は、中立状態の光軸1aを中心にして互いに対向しており、軸1bを中心として可動ユニット10を回転させる。一対の第2コイルユニット53は、中立状態の光軸1aを中心にして互いに対向しており、軸1cを中心として可動ユニット10を回転させる。
【0025】
各第1コイルユニット52は、磁性材料を含む第1磁気ヨーク710と、駆動コイル720,730と、磁気ヨークホルダ740,750とを有している(図3参照)。各第1磁気ヨーク710は、回転の中心点510を中心とする円弧形状である(図2参照)。後述する一対の第1駆動磁石620がローリング方向に回転駆動するように各第1磁気ヨーク710に、軸1bを巻方向として導線が巻き付けられて駆動コイル730(第1コイル)が形成されている。各第1磁気ヨーク710に駆動コイル730が設けられた後、各第1磁気ヨーク710の軸1bの方向の両側に磁気ヨークホルダ740、750を、ねじで固定する。その後、可動ユニット10が中立状態である場合の光軸1aを巻方向として一対の第1駆動磁石620がチルティング方向に回転駆動するように各第1磁気ヨーク710に導線が巻き付けられて駆動コイル720(第2コイル)が形成されている。そして、各第1コイルユニット52を、カメラモジュール3側から見て軸1cに沿って対向するように、ねじでアッパーリング4と本体部51とに固定する(図1A図3参照)。駆動コイル720(730)の巻方向とは駆動コイル720(730)の一端から他端に向う方向をいう。
【0026】
各第2コイルユニット53は、磁性材料を含む第2磁気ヨーク711と、駆動コイル721,731と、磁気ヨークホルダ741,751とを有している(図3参照)。各第2磁気ヨーク711は、回転の中心点510を中心とする円弧形状である(図2参照)。後述する第2駆動磁石621がローリング方向に回転駆動するように各第2磁気ヨーク711に導線が軸1cを巻方向として巻き付けられて駆動コイル731(第1コイル)が形成されている。各第2磁気ヨーク711に駆動コイル731が設けられた後、各第2磁気ヨーク711の軸1cの方向の両側に磁気ヨークホルダ741、751を、ねじで固定する。その後、可動ユニット10が中立状態である場合の光軸1aを巻方向として一対の第2駆動磁石621がパンニング方向に回転駆動するように各第2磁気ヨーク711に導線が巻き付けられて駆動コイル721(第2コイル)が形成されている。そして、各第2コイルユニット53を、カメラモジュール3側から見て軸1bに沿って対向するように、ねじでアッパーリング4と本体部51とに固定する(図1A図3参照)。駆動コイル721(731)の巻方向とは駆動コイル721(731)の一端から他端に向う方向をいう。
【0027】
カメラホルダ40に取り付けられたカメラモジュール3は、可動ベース部41との間に連結部50を挟み込み、可動ユニット10に固定される。アッパーリング4は、本体部51との間に可動ユニット10に固定されたカメラモジュール3を挟み込み、ねじで本体部51に固定される(図3参照)。
【0028】
脱落防止部80は、非磁性である。可動ユニット10の落下を防止するために、脱落防止部80は、本体部51の開口部706を塞ぐように本体部51に対して連結部50が取り付けられる面とは反対の面にねじで固定される。
【0029】
第1プリント基板90は、カメラモジュール3のチルティング方向及びパンニング方向における回転位置を検出するための複数の磁気センサ92(ここでは4個)を有している。ここで、磁気センサ92は、例えばホール素子である。第1プリント基板90は、さらに駆動コイル720,721,730,731に流す電流を制御するための回路等が搭載されている。
【0030】
第2プリント基板91には、マイコン(マイクロコントローラ)93等が搭載されている(図2図3参照)。マイコン93は、プログラムを実行することにより、チルティング方向、パンニング方向及びローリング方向に可動ユニット10(カメラモジュール3)を回転させる機能、及び可動ユニット10の不要な揺れを抑えるスタビライザー機能を実現する。プログラムは、ここではコンピュータのメモリに予め記録されている。なお、プログラムは、インターネット等の電気通信回線を通じて、あるいはメモリカード等の記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0031】
次に、可動ベース部41の詳細な構成について説明する。
【0032】
可動ベース部41は、遊嵌空間を有し、カメラモジュール3を支持する。可動ベース部41は、連結体601と、第1遊嵌部材602とを有している(図4参照)。可動ベース部41は、一対の第1磁気バックヨーク610(バックヨーク)と、一対の第2磁気バックヨーク611(バックヨーク)と、一対の第1駆動磁石620(駆動磁石)と、一対の第2駆動磁石621(駆動磁石)とを有している(図4参照)。可動ベース部41は、さらにボトムプレート640と、位置検出磁石650とを有している(図4参照)。
【0033】
連結体601は、円板部分と、円板部分の外周部からカメラモジュール3側(上側)に突出する4つの固定部(アーム)603とを有している。4つの固定部603のうち2つの固定部603は、軸1bにおいて対向し、他の2つの固定部603は、軸1cにおいて対向している。4つの固定部603は、略L字の形状である。4つの固定部603は、一対の第1コイルユニット52及び一対の第2コイルユニット53と1対1に対向している。カメラホルダ40は、固定部603の上部の先端にねじで固定される。これにより、カメラホルダ40が可動ベース部41で支持される。
【0034】
第1遊嵌部材602は、テーパー形状の貫通孔を有している。第1遊嵌部材602は、テーパー形状の貫通孔の内周面を第1遊嵌面670として有している(図2図4参照)。第1遊嵌部材602は、第1遊嵌面670が遊嵌空間に露出するように連結体601の円板部分にねじで固定される。
【0035】
一対の第1磁気バックヨーク610は、軟鉄で成形されており、4つの固定部603のうち一対の第1コイルユニット52と対向する2つの固定部603に、1対1に設けられている。一対の第1磁気バックヨーク610は、一対の第1コイルユニット52と対向する2つのL字固定部にねじで固定される。一対の第2磁気バックヨーク611は、軟鉄で成形されており、4つの固定部603のうち一対の第2コイルユニット53と対向する2つの固定部603に、1対1に設けられている。一対の第2磁気バックヨーク611は、一対の第2コイルユニット53と対向する2つのL字固定部にねじで固定される。
【0036】
一対の第1駆動磁石620は、一対の第1磁気バックヨーク610に1対1に設けられ、一対の第2駆動磁石621は、一対の第2磁気バックヨーク611に1対1に設けられている。これにより、一対の第1駆動磁石620は、一対の第1コイルユニット52と対向し、一対の第2駆動磁石621は、一対の第2コイルユニット53と対向している。このとき、各第1駆動磁石620において第1コイルユニット52と対向する面625(第1面)の磁極と、各第2駆動磁石621において第2コイルユニット53と対向する面626(第1面)の磁極とは同じ第1磁極(例えば、N極)である。
【0037】
一対の第1駆動磁石620において一対の第1コイルユニット52と対向する面625は、回転の中心点510を中心とする円弧形状の曲面であり、面625の曲面の円弧の中心は第1磁気ヨーク710の曲面の円弧の中心と同じである(図2参照)。一対の第2駆動磁石621において一対の第2コイルユニット53と対向する面626は、回転の中心点510を中心とする円弧形状の曲面であり、面626の曲面の円弧の中心は第2磁気ヨーク711の曲面の円弧の中心と同じである(図2参照)。
【0038】
また、図1B及び図5A,5Bに示すように、第1磁気ヨーク710において第1駆動磁石620と対向する面と、第1駆動磁石620において第1磁気ヨーク710と対向する面625とは、光軸1aに沿った方向から見て平行になるように形成されている。同様に、第2磁気ヨーク711において第2駆動磁石621と対向する面と、第2駆動磁石621において第2磁気ヨーク711と対向する面626とは、光軸1aに沿った方向から見て平行になるように形成されている。
【0039】
各第1磁気バックヨーク610は、図5Aに示すように、基体610aと、一対のヨーク突起610bとを有している。
【0040】
基体610aには、対応する第1駆動磁石620が取り付けられる。具体的には、基体610aと、面625とは反対の面、つまり面625が有する第1磁極とは反対の第2磁極(例えばS極)を有する面627(第2面)とが対向するように第1駆動磁石620が取り付けられている。例えば、第1駆動磁石620は、基体610aに接着される。
【0041】
一対のヨーク突起610bのうち一方のヨーク突起610bは、ローリング方向における第1駆動磁石620の両端のうち一端に配置され、ローリング方向における基体610aの両端のうち一端に連結している。一対のヨーク突起610bのうち他方のヨーク突起610bは、ローリング方向における第1駆動磁石620の両端のうち他端に配置され、ローリング方向における基体610aの両端のうち他端に連結している。ここで、ローリング方向における第1駆動磁石620の両端とは、後述する長さL2を規定する方向に直交する方向における第1駆動磁石620の両端に相当する。
【0042】
各ヨーク突起610bは、第1駆動磁石620とのローリング方向における隙間612が光軸1aから遠方に向うにつれて広がるように、基体610aに連結されている。つまり、可動ユニット10が中立状態である場合において、各ヨーク突起610bと光軸1a及び軸1cを含む平面との角度がθとなっている。また、ヨーク突起610bの先端から基体610aに垂直な方向における長さL1は、第1駆動磁石620の厚み方向の長さL2よりも短い。つまり、ヨーク突起610bの先端は、第1駆動磁石620において第1磁極を有する面625よりも中心点510に近い位置に配置されている。また、ヨーク突起610bの先端面の形状は、平面である。
【0043】
各第2磁気バックヨーク611は、図5Aに示すように、基体611aと、一対のヨーク突起611bとを有している。
【0044】
基体611aには、対応する第2駆動磁石621が取り付けられる。具体的には、基体611aと、面626とは反対の面、つまり面626が有する第1磁極とは反対の第2磁極(例えばS極)を有する面628(第2面)とが対向するように第1駆動磁石620が取り付けられている。例えば、第1駆動磁石620は、基体610aに接着される。
【0045】
一対のヨーク突起611bのうち一方のヨーク突起611bは、ローリング方向における第2駆動磁石621の両端のうち一端に配置され、ローリング方向における基体611aの両端のうち一端に連結している。一対のヨーク突起611bのうち他方のヨーク突起611bは、ローリング方向における第2駆動磁石621の両端のうち他端に配置され、ローリング方向における基体611aの両端のうち他端に連結している。ここで、ローリング方向における第2駆動磁石621の両端とは、長さL2を規定する方向に直交する方向における第2駆動磁石621の両端に相当する。
【0046】
各ヨーク突起611bは、第2駆動磁石621とのローリング方向における隙間612が光軸1aから遠方に向うにつれて広がるように、基体611aに連結されている。つまり、可動ユニット10が中立状態である場合において、各ヨーク突起611bと光軸1a及び軸1bを含む平面との角度がθとなっている。また、ヨーク突起611bの先端から基体611aに垂直な方向における長さL1は、第2駆動磁石621の厚み方向の長さL2よりも短い。つまり、ヨーク突起611bの先端は、第2駆動磁石621において第1磁極を有する面626よりも中心点510に近い位置に配置されている。また、ヨーク突起610bの先端面の形状は、平面である。
【0047】
ボトムプレート640は、非磁性であり、例えば真鍮で形成されている。ボトムプレート640は、連結体601において第1遊嵌部材602が設けられた面とは反対側の面に設けられ、可動ユニット10(可動ベース部41)の底部を形成する。ボトムプレート640は、ねじで連結体601に固定される。ボトムプレート640は、カウンタウエイトとして機能する。ボトムプレート640をカウンタウエイトとして機能させることで、回転の中心点510と、可動ユニット10の重心とを一致させることができる。そのため、可動ユニット10の全体に外力が加わった場合、可動ユニット10が軸1bを中心に回転するモーメント及び軸1cを中心に回転するモーメントは小さくなる。これにより、小さな駆動力で可動ユニット10(カメラモジュール3)を中立状態に維持したり、軸1b及び軸1cを中心に回転させたりすることができる。
【0048】
位置検出磁石650は、ボトムプレート640の露出面のうち中央部位に設けられている。
【0049】
第1プリント基板90に設けられた4つの磁気センサ92は、可動ユニット10が回転すると、可動ユニット10の回転に応じて位置検出磁石650の位置が変化することで、4つの磁気センサ92に作用する磁力が変化する。4つの磁気センサ92は、位置検出磁石650の回転により作用する磁力変化を検出し、軸1b、軸1cに対する2次元の回転角度を算出する。これにより、4つの磁気センサ92は、チルティング方向及びパンニング方向のそれぞれにおける回転位置を検出することができる。また、カメラ装置1は、4つの磁気センサ92とは別の磁気センサであって光軸1aを中心とした可動ユニット10(カメラモジュール3)の回転を検出する磁気センサを有している。なお、光軸1aを中心とした回転を検出するセンサは、磁気センサに限らない。光軸1aを中心とした回転を検出するセンサは、ジャイロであってもよい。
【0050】
連結部50は、連結部50の中央部分(4つの連結棒が湾曲していることにより形成された凹部)に球体の第2遊嵌部材501を有している(図2図4参照)。第2遊嵌部材501は、凸状球面を有する第2遊嵌面502を含んでいる(図2参照)。球体の第2遊嵌部材501は、連結部50の中央部分(凹部)に接着剤で固定されている。
【0051】
連結部50と第1遊嵌部材602とが結合する。具体的には、第1遊嵌部材602の第1遊嵌面670は、第2遊嵌部材501の第2遊嵌面502と僅かな隙間を介して嵌め合せるように(遊嵌するように)点または線接触する。これにより、連結部50は、可動ユニット10が回転可能となるように可動ユニット10をピボット支持することができる。このとき、球体の第2遊嵌部材501の中心が、回転の中心点510となる。
【0052】
脱落防止部80は、凹部が設けられており、この凹部に位置検出磁石650の下部が入り込むように本体部51に固定される。脱落防止部80の凹部の内周面は、ボトムプレート640の底部との間に隙間が設けられている。脱落防止部80の凹部の内周面及びボトムプレート640の底部の外周面は、互いに対向する曲面を有している。このとき、脱落防止部80の凹部の内周面と、位置検出磁石650との間にも隙間が設けられている。この隙間は、ボトムプレート640や位置検出磁石650が脱落防止部80と接触した場合であっても、第1駆動磁石620及び第2駆動磁石621の各々の磁気により第1駆動磁石620及び第2駆動磁石621の各々が元の位置に戻ることができる距離である。これにより、カメラモジュール3が第1プリント基板90に近づく方向に押し込まれた場合であっても、脱落を防止するとともに、一対の第1駆動磁石620及び一対の第2駆動磁石621を元の位置に戻すことができる。
【0053】
なお、位置検出磁石650は、ボトムプレート640の底部の外周よりボトムプレート640の内側に配設されることが好ましい。
【0054】
ここで、一対の第1駆動磁石620は、吸着用磁石として機能し、対向する第1磁気ヨーク710との間に第1磁気吸引力が発生する。また、一対の第2駆動磁石621は、吸着用磁石として機能し、対向する第2磁気ヨーク711との間にも第2磁気吸引力が発生する。ここで、第1磁気吸引力のベクトルの向きは、回転の中心点510、第1磁気ヨーク710の中心位置及び第1駆動磁石620の中心位置を結ぶ中心線と平行になっている。第2磁気吸引力のベクトルの向きは、回転の中心点510、第2磁気ヨーク711の中心位置及び第2駆動磁石621の中心位置を結ぶ中心線と平行になっている。
【0055】
また、第1磁気吸引力及び第2磁気吸引力は、固定ユニット20の第2遊嵌部材501の第1遊嵌部材602に対する垂直抗力となる。また、可動ユニット10が中立状態である場合には、可動ユニット10における磁気吸引力は、第1磁気吸引力のベクトル及び第2磁気吸引力のベクトルの光軸1a方向における合成ベクトルとなる。第1磁気吸引力、第2磁気吸引力及び合成ベクトルにおける力のバランスは、ヤジロベエの力学構成に似ており、可動ユニット10は安定して3軸方向に回転することができる。
【0056】
本実施形態のカメラ装置1は、一対の駆動コイル720と一対の駆動コイル721とに通電することで、可動ユニット10を2次元的に回転(パンニング、チルティング)させることができる。また、カメラ装置1は、一対の駆動コイル730と一対の駆動コイル731に通電することで、可動ユニット10を光軸1aを中心に回転(ローリング)させることもできる。
【0057】
本実施形態において、第1磁気バックヨーク610は一対のヨーク突起610bを有することで、第1駆動磁石620の磁束W1の一部である磁力線W10は、ヨーク突起610b、基体610aの順に通り、再度、第1駆動磁石620に戻る(図5B参照)。つまり、磁束W1の一部である磁力線W10は、第1磁気ヨーク710を通ることなく第1駆動磁石620に戻る。同様に、第2磁気バックヨーク611は一対のヨーク突起611bを有することで、第2駆動磁石621の磁束W1の一部である磁力線W10は、ヨーク突起611b、基体611aの順に通り、再度、第2駆動磁石621に戻る(図5B参照)。つまり、磁束W1の一部である磁力線W10は、第2磁気ヨーク711を通ることなく第2駆動磁石621に戻る。
【0058】
一方、ヨーク突起が設けられていないバックヨーク(比較例のバックヨーク)に取り付けられた比較例の駆動磁石から出た磁力線は、比較例の駆動磁石に対向する比較例の磁気ヨーク、比較例のバックヨークの順に通り、再度、比較例の駆動磁石に戻る。
【0059】
そのため、第1駆動磁石620と第1磁気ヨーク710との間で発生する吸着力は、比較例の駆動磁石と比較例の磁気ヨークとの間で発生する吸着力よりも弱くなる。これにより、可動ユニット10(カメラモジュール3)のローリング方向における回転角度を大きくすることができる。
【0060】
ここで、ローリング方向における回転角度を大きくするために、第1駆動磁石620自体の磁力を小さくすることが考えられる。この場合、第1駆動磁石620の磁束(磁力線)は減少する。そのため、ローリング方向及びチルティング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができなくなり、ローリング方向及びチルティング方向に可動ユニット10を回転させるという本来の目的を達成できない可能性がある。そこで、本実施形態のように第1磁気バックヨーク610にヨーク突起610bを設けることで、第1駆動磁石620自体の磁力を変えることなく、第1駆動磁石620と第1磁気ヨーク710との間の吸着力を変化(小さく)させることができる。これにより、本実施形態のアクチュエータ2は、ローリング方向及びチルティング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができ、かつ第1駆動磁石620と第1磁気ヨーク710とが磁力により固定される力を弱めることができる。
【0061】
上述した比較例のバックヨークを有する比較例の可動ユニットがローリング方向に回転すると、比較例の駆動磁石において比較例の磁気ヨークと対向する面には、比較例の磁気ヨークに近づく第1領域と、離れる第2領域とが存在することになる。このとき、比較例の駆動磁石の磁束は、第1領域で密になり、第2領域で疎になる。そのため、第1領域と比較例の磁気ヨークとが引き合う力が、第2領域と比較例の磁気ヨークとが引き合う力よりも大きくなる。その結果、比較例の可動ユニットには回転前の状態に戻ろうとする力(復元力)が発生する。
【0062】
一方、本実施形態において、可動ユニット10がローリング方向に回転しても、上述したように第1駆動磁石620の磁束W1の一部である磁力線W10はヨーク突起610bを通る。そのため、面625において第1磁気ヨーク710に近い領域における密な磁力線の一部は、ヨーク突起610bを通る。したがって、面625において第1磁気ヨーク710に近い領域と第1磁気ヨーク710とが引き合う力は、第1領域と比較例の磁気ヨークとが引き合う力よりも弱くなる。つまり、可動ユニット10に発生する復元力は、比較例の可動ユニットで発生する復元力よりも弱くなる。
【0063】
よって、第1磁気バックヨーク610に一対のヨーク突起610bを設けることで、復元力に寄与する第1駆動磁石620と第1磁気ヨーク710との間の磁束(磁力線)を減らすことができるので、復元力を小さくすることができる。
【0064】
同様に、第2磁気バックヨーク611に一対のヨーク突起611bを設けることで、第2駆動磁石621自体の磁力を変えることなく、第2駆動磁石621と第2磁気ヨーク711との間の吸着力を変化(小さく)させることができる。これにより、本実施形態のアクチュエータ2は、ローリング方向及びパンニング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができ、かつ第2駆動磁石621と第2磁気ヨーク711とが磁力により固定される力を弱めることができる。さらに、第2磁気バックヨーク611に一対のヨーク突起611bを設けることで、復元力に寄与する第2駆動磁石621と第2磁気ヨーク711との間の磁束(磁力線)を減らすことができるので、復元力を小さくすることができる。
【0065】
本実施形態の第1磁気バックヨーク610及び第2磁気バックヨーク611を成形するに当たり、上述した角度θ及び長さL1を設定(決定)する必要がある。
【0066】
図6Aは、可動ユニット10(カメラモジュール3)をローリング方向に5[deg]だけ回転させた状態で駆動コイル730,731に流れる電流を0にした場合のローリング方向のトルクと、角度θとの関係を表すグラフG1を示す図である。図6Aに示すように、角度θの値が大きくなると、ローリング方向のトルクも大きくなる。このとき、トルクが極端に小さい(トルクの負の値が大きくなる)と、ローリング方向の回転角度が小さくなり、トルクが極端に大きい(トルクの正の値が大きくなる)と、ローリング方向にさらに自然回転する、といった不具合が生じる可能性がある。そこで、ローリング方向のトルクと、角度θとの関係が図6Aに示すグラフG1のうち実線の範囲となることが好ましい。つまり、角度θとして30±20[deg]を適用することが好ましい。特に、角度θは、30[deg]が好ましい。なお、角度θが30[deg]を超えるとトルクは正の値となっている。これは、可動ユニット10が回転方向にさらに回転しようとしている状態を表している。角度θが大きくなるほど、第1駆動磁石620(第2駆動磁石621)と第1磁気ヨーク710(第2磁気ヨーク711)との間の磁気抵抗は小さくなる。角度θが30[deg]を超えている場合に、可動ユニット10(カメラモジュール3)がローリング方向に回転すると、磁気抵抗がより小さくなるように、可動ユニット10が回転方向にさらに回転するようになる。つまり多くの磁力線がヨーク突起610b(611b)に入るように、可動ユニット10が回転方向にさらに回転するようになる。トルクが正の値の場合にその値が大きいほど、可動ユニット10が回転方向にさらに回転するようになるので、ローリング方向に回転する前の状態に自然復帰することが困難になる。そこで、角度θが30[deg]を超える場合には、電磁駆動等による制御にてローリング方向に回転する前の状態に戻す必要がある。
【0067】
また角度θが増大すると、各駆動コイル730,731に電流を流した場合もローリング方向のトルクは増大する。角度θが増大すると、駆動コイル730,731に電流が流れていない場合及び電流が流れている場合の双方において、パンニング方向及びチルティング方向においてのトルクについてもローリング方向のトルクと同様に増大する。
【0068】
図6Bは、駆動コイル730,731に電流が流れている状態での可動ユニット10(カメラモジュール3)のローリング方向のトルクと、長さL2に対する長さL1の比(磁石厚比)との関係を表すグラフG2を示す図である。図6Bに示すように、磁石厚比の値が大きくなると、ローリング方向のトルクも大きくなる。このとき、第1磁気バックヨーク610(第2磁気バックヨーク611)は、磁石厚比が80[%]より大きくなると第1コイルユニット52(第2コイルユニット53)と干渉する可能性がある。また、磁石厚比が40[%]より小さくなると、ヨーク突起610b(611b)を設けたことによる効果が小さくなり、ローリング方向の回転角度は小さくなる。図6Bによると、長さL1が長くなる(磁石厚比が大きくなる)と、第1駆動磁石620(第2駆動磁石621)から出た磁力線はヨーク突起610b(611b)に入りやすくなり、ローリング方向の回転のトルクが大きくなる。チルティング方向(パンニング方向)に回転する場合には、第1駆動磁石620(第2駆動磁石621)と、駆動コイル720(721)との間でトルクが発生する。このとき、ヨーク突起610b(611b)の長さL1が増大すると、駆動コイル720(721)で発生した磁力線のうちヨーク突起610b(611b)に入る磁力線が多くなる。そのため、第1駆動磁石620(第2駆動磁石621)と、駆動コイル720(721)との間で発生するトルクが小さくなる。つまり、ローリング方向の回転のトルクを大きくしようとして、ヨーク突起610b(611b)の長さL1を長くすると、パンニング方向及びチルティング方向の回転のトルクが小さくなる可能性がある。要するに、ローリング方向の回転のトルクの大きさと、パンニング方向及びチルティング方向の回転のトルクの大きさとは、トレードオフの関係にある。そこで、長さL1は、磁石厚比が60±20[%]となる範囲内で設定されることが好ましい。特に、長さL1は、磁石厚比が60[%]であることが好ましい。
【0069】
図7は、駆動コイル730(731)に電流が流れていない状態での可動ユニット10(カメラモジュール3)のチルティング方向(パンニング方向)の回転角度に応じたトルクの変化を示す図である。実線G11は、ヨーク突起610b(611b)を設けた第1磁気バックヨーク610(第2磁気バックヨーク611)を用いた場合におけるチルティング方向(パンニング方向)のトルクの変化を表している。破線G12は、ヨーク突起610b(611b)を設けないバックヨーク(上述した比較例のバックヨーク)を用いた場合におけるチルティング方向(パンニング方向)のトルクの変化を表している。
【0070】
破線G12では、回転角度がθ1前後でトルクの値が0より大きい(0を超えている)。そのため、比較例のバックヨークを用いると、回転角度がθ1前後でコギングが発生する。一方、実線G11では、どの回転角度においてもトルクの値が0より大きくなることはない(0を超えてない)。つまり、ヨーク突起610b(611b)を設けた第1磁気バックヨーク610(第2磁気バックヨーク611)を用いた場合では、コギングは発生しない。したがって、ヨーク突起610b(611b)を設けた第1磁気バックヨーク610(第2磁気バックヨーク611)を用いることで、チルティング方向(パンニング方向)におけるコギングの発生を抑止することができる。
【0071】
(変形例)
以下に、変形例について列記する。なお、以下に説明する変形例は、上記実施形態と適宜組み合わせて適用可能である。
【0072】
上記実施形態において、ヨーク突起610b,611bにおける角度θの値は、0であってもよい。つまり、ヨーク突起610b(611b)は、第1駆動磁石620とのローリング方向における隙間612が一定であってもよい。
【0073】
上記実施形態において、光軸1aに沿った方向におけるヨーク突起610b(611b)の先端の形状は、直線形状である構成としたが、この構成に限定されない。光軸1aに沿った方向におけるヨーク突起610b(611b)の先端610c(611c)の面は、曲面であってもよい(図8A参照)。具体的には、ヨーク突起610b(611b)の先端の面は、光軸1aに沿った方向における両端から中央に向うにつれて光軸1aから遠ざかるように湾曲した曲面である。この場合、光軸1aに沿った方向におけるヨーク突起610b(611b)の両端の先端がなめらかになるようにフィレット加工を施すことで、上述した円弧形状の面を形成することができる。このとき、光軸1aに沿った方向におけるヨーク突起610b(611b)の先端の形状が直線形状である場合と比較して、磁気抵抗が大きくなるのでヨーク突起610b(611b)を通る磁力線が少なくなる。つまり、ローリング方向のトルクが減少する。しかしながら、上述したように、ローリング方向の回転のトルクの大きさと、パンニング方向及びチルティング方向の回転のトルクの大きさとはトレードオフの関係にあるので、パンニング方向及びチルティング方向の回転のトルクは大きくなる。
【0074】
または、図8Bに示すように、ヨーク突起610b(611b)は、基体610a(611a)に取り付けられた第1駆動磁石620(第2駆動磁石621)に対向する面に1つまたは複数の貫通孔610d(611d)を有してもよい。この場合、貫通孔610d(611d)を設けることで空気が通るため、貫通孔610d(611d)を設けない場合と比較して磁気抵抗が大きくなる。つまり、ローリング方向のトルクが減少する。ローリング方向のトルクが減少するため、パンニング方向及びチルティング方向の回転のトルクは大きくなる。なお、第1磁気バックヨーク610(第2磁気バックヨーク611)は、図8Aに示すヨーク突起610b(611b)に1つまたは複数の貫通孔610d(611d)を設けてもよい。また、貫通孔610d(611d)の形状は、図8Bに示すような円形状に限らず、楕円形、長方形等の多角形状であってもよい。また、ヨーク突起610b(611b)には、貫通孔610d(611d)の代わりに、凹部または溝が設けられてもよい。
【0075】
上記実施形態において、一対の第1磁気バックヨーク610及び一対の第2磁気バックヨーク611の双方がヨーク突起を有する構成としたが、この構成に限定されない。一対の第1磁気バックヨーク610及び一対の第2磁気バックヨーク611のうち少なくとも一方の一対の磁気バックヨークがヨーク突起を有していればよい。
【0076】
上記実施形態において、第1磁気バックヨーク610の基体610aの両端にヨーク突起610bを設ける構成としたが、この構成に限定されない。第1磁気バックヨーク610の基体610aの両端のうち一端にヨーク突起610bが設けられた構成であってもよい。つまり、第1磁気バックヨーク610の基体610aの両端のうち少なくとも一端にヨーク突起610bが設けられていればよい。同様に、第2磁気バックヨーク611の基体611aの両端のうち少なくとも一端にヨーク突起611bが設けられていればよい。
【0077】
上記実施形態において、アクチュエータ2は、3方向(ローリング方向、パンニング方向及びチルティング方向)に可動ユニット10を回転可能な構成としたが、この構成に限定されない。アクチュエータ2は、少なくともローリング方向に可動ユニット10を回転可能であればよい。
【0078】
上記実施形態において、第1磁気バックヨーク610及び第2磁気バックヨーク611は、可動ユニット10における可動ベース部41の連結体601とは別の構成とし、例えば、ネジや接着材の部材や嵌合により連結体601に固定される構成とした。しかしながら、この構成に限定されない。第1磁気バックヨーク610及び第2磁気バックヨーク611と連結体601とは、一体化された構成であればよい。例えば、一枚の板状の部材をプレス加工することにより、一対の第1磁気バックヨーク610及び一対の第2磁気バックヨーク611と連結体601とが、連続した部材となるように構成してもよい。この場合、上述した連結体601は、第1磁気バックヨーク610及び第2磁気バックヨーク611と同一の材料(例えば、軟鉄)で構成されている。
【0079】
上記実施形態のアクチュエータ2は、カメラ装置1に適用した構成としたが、この構成に限定されない。アクチュエータ2は、レーザポインタ、照明器具等に適用してもよい。例えば、アクチュエータ2をレーザポインタに用いる場合には、レーザ光を発するモジュールが可動ユニット10に設けられる。アクチュエータ2を照明器具に用いる場合には、光源が可動ユニット10に設けられる。
【0080】
(まとめ)
以上説明したように第1の態様のアクチュエータ(2)は、可動ユニット(10)と、固定ユニット(20)と、複数の駆動コイルユニット(第1コイルユニット52、第2コイルユニット53)とを備える。アクチュエータ(2)は、複数の駆動磁石(第1駆動磁石620、第2駆動磁石621)と、複数のバックヨーク(第1磁気バックヨーク610、第2磁気バックヨーク611)とを備える。可動ユニット(10)は、駆動対象を保持する。固定ユニット(20)は、所定の第1軸の周りに回転可能に可動ユニット(10)を保持する。複数の駆動コイルユニットは、固定ユニット(20)に設けられており、第1軸(光軸1a)を中心にして互いに対向するように、配置されて可動ユニット(10)を第1軸の周りに回転させる。複数の駆動磁石は、可動ユニット(10)に設けられており、同一の第1磁極を有する第1面(面625,626)が複数の駆動コイルユニットの各々に対向するように第1軸と、複数の駆動コイルユニットのうち対向する駆動コイルユニットとの間に配置されている。複数のバックヨークは、複数の駆動磁石に一対一に対応し、複数の駆動磁石のうち対応する駆動磁石における第1磁極とは反対の磁極である第2磁極を有する第2面に対向するように駆動磁石を取り付ける。複数の駆動コイルユニットは、磁性材料を含むヨーク(第1磁気ヨーク710、第2磁気ヨーク711)と、第1軸と直交する第2軸(例えば軸1b又は軸1c)に沿った方向を巻方向としてヨークに導線が巻回されて形成されたコイル(駆動コイル730,731)とを有している。複数のバックヨークのうち第1軸を中心に対向する少なくとも一対のバックヨークは、基体(基体610a,611a)と、ヨーク突起(ヨーク突起610b,611b)とを有している。基体は、複数の駆動磁石のうち対応する駆動磁石を取り付ける。ヨーク突起は、可動ユニット(10)の回転方向における対応する駆動磁石の両端のうち少なくとも一端に配置され、基体に連結している。
【0081】
この構成によると、複数のバックヨークのうち一対のバックヨークは、ヨーク突起を有している。そのため、当該一対のバックヨークにそれぞれ取り付けられた磁気磁石からの磁束(磁力線)の一部はヨーク突起に入るので、ヨーク突起を有するバックヨークに取り付けられた駆動磁石と対向するヨークとの間で発生する吸着力は、弱くなる。この結果、アクチュエータ2は、可動ユニット10をローリング方向における回転角度を大きくすることができる。したがって、アクチュエータ2は、ローリング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができ、かつ駆動磁石とヨークとが磁力により固定される力を弱めることができる。
【0082】
第2の態様のアクチュエータ(2)では、第1の態様において、ヨーク突起は、対応する駆動磁石の両端に配置されている。この構成によると、磁気磁石からより多くの磁力線がヨーク突起に入るので、ヨーク突起を有するバックヨークに取り付けられた駆動磁石と対向するヨークとの間で発生する吸着力は、より弱くすることができる。
【0083】
第3の態様のアクチュエータ(2)では、第1または第2の態様において、ヨーク突起は、複数のバックヨークのすべてに設けられている。この構成によると、アクチュエータ2は、ローリング方向に回転させるために必要なトルクを確実に得ることができ、かつ駆動磁石とヨークとが磁力により固定される力を弱めることができる。
【0084】
第4の態様のアクチュエータ(2)では、第1〜第3のいずれかの態様において、ヨーク突起は、ヨーク突起と、複数の駆動磁石のうちヨーク突起を有するバックヨークに取り付けられた駆動磁石との回転方向(ローリング方向)における隙間(612)が第1軸から遠方に向うにつれて広がるように、基体に連結されている。この構成によると、ヨーク突起に入る磁力線を多くすることができるので、ヨーク突起を有するバックヨークに取り付けられた駆動磁石と対向するヨークとの間で発生する吸着力は、より弱くすることができる。
【0085】
第5の態様のアクチュエータ(2)では、第1〜第4のいずれかの態様において、ヨーク突起の先端は、複数の駆動磁石のうちヨーク突起を有するバックヨークに取り付けられた駆動磁石において、第1磁極を有する第1面よりも第1軸に近い位置に配置されている。この構成によると、第1軸を中心として可動ユニット10が回転する(ローリング方向に回転する)際に、駆動磁石とヨークとが干渉する可能性を低くすることができる。
【0086】
第6の態様のアクチュエータ(2)では、第1〜第5のいずれかの態様において、複数の駆動コイルユニットの各々が有するヨークと、複数の駆動磁石のうちヨークを有する駆動コイルユニットに対向する駆動磁石とが対向するそれぞれの面は、第1軸に沿った方向から見て平行になるように形成されている。この構成によると、駆動磁石からの磁力線は当該面に垂直に出ている。そのため、ヨーク突起を設けることで、磁力線の一部をヨーク突起に入れることができる。
【0087】
第7の態様のアクチュエータ(2)では、第1〜第6のいずれかの態様において、複数の駆動コイルユニットは、第1軸に沿った方向を巻方向としてヨークに導線が巻回されて形成され、かつコイルとしての第1コイルとは異なる第2コイル(駆動コイル720,721)を、さらに有している。可動ユニット(10)は、複数の駆動コイルユニットの各々が有する第2コイルと複数の駆動磁石とにより、第2軸の周りに回転する。この構成によると、アクチュエータ2は、可動ユニット10を少なくとも2方向に回転させることができる。
【0088】
第8の態様のアクチュエータ(2)では、第7の態様において、複数の駆動コイルユニットの各々が有するヨークと、複数の駆動磁石のうちヨークを有する駆動コイルユニットに対向する駆動磁石とが対向するそれぞれの面は、第1軸及び第2軸の周りに回転する際の中心点(510)を中心とする円弧状の曲面である。この構成によると、第2軸を中心として可動ユニット10が回転する(パンニング方向またはチルティング方向に回転する)際に、駆動磁石とヨークとが干渉する可能性を低くすることができる。
【0089】
第9の態様のアクチュエータ(2)では、第7または第8の態様において、ヨーク突起の先端の面は、第1軸に沿った方向における両端から中央に向うにつれて第1軸から遠ざかるように湾曲した曲面である。この構成によると、可動ユニット10が第1軸を中心に回転する際のトルクは減少するが、第2軸を中心に回転する際のトルクを大きくすることができる。
【0090】
第10の態様のアクチュエータ(2)では、第7〜第9のいずれかの態様において、ヨーク突起は、複数の駆動磁石のうちヨーク突起と連結する基体に取り付けられた駆動磁石に対向する面に貫通孔(610d又は611d)を有している。この構成によると、可動ユニット10が第1軸を中心に回転する際のトルクは減少するが、第2軸を中心に回転する際のトルクを大きくすることができる。
【0091】
第11の態様のアクチュエータ(2)は、第1〜第10のいずれかの態様において、複数のバックヨークと同一の材料で成形され、複数のバックヨークを連結する連結体(601)を、さらに備える。この構成によると、バックヨークは、駆動磁石からの磁力線をより吸収することができる。
【0092】
第12の態様のカメラ装置(1)は、第1〜第11のいずれかの態様のアクチュエータ(2)と、駆動対象としてのカメラモジュール(3)とを備える。この構成によると、カメラ装置(1)は、可動ユニット(10)、つまりカメラモジュール(3)をローリング方向に回転させるために必要なトルクを得ることができ、かつ駆動磁石とヨークとが磁力により固定される力を弱めることができる。
【符号の説明】
【0093】
1 カメラ装置
1a 光軸(第1軸)
1b 軸(第2軸)
1c 軸(第2軸)
2 アクチュエータ
3 カメラモジュール
10 可動ユニット
20 固定ユニット
52 第1コイルユニット(駆動コイルユニット)
53 第2コイルユニット(駆動コイルユニット)
510 中心点
601 連結体
610 第1磁気バックヨーク(バックヨーク)
611 第2磁気バックヨーク(バックヨーク)
610a,611a 基体
610b,611b ヨーク突起
610d,611d 貫通孔
620 第1駆動磁石(駆動磁石)
621 第2駆動磁石(駆動磁石)
625,626 面(第1面)
627,628 面(第2面)
710 第1磁気ヨーク(ヨーク)
711 第2磁気ヨーク(ヨーク)
720,721 駆動コイル(第2コイル)
730,731 駆動コイル(コイル、第1コイル)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】