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再表2019-123677保温ブロック、および保温ブロックの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年6月27日
【発行日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】保温ブロック、および保温ブロックの製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 59/02 20060101AFI20201113BHJP
【FI】
   F16L59/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】特願2019-560014(P2019-560014)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年5月11日
(31)【優先権主張番号】特願2017-244225(P2017-244225)
(32)【優先日】2017年12月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】517162552
【氏名又は名称】株式会社Thermal Power Plant Engineering
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】中尾 猛
(72)【発明者】
【氏名】井手 啓介
(72)【発明者】
【氏名】古賀 理
【テーマコード(参考)】
3H036
【Fターム(参考)】
3H036AA09
3H036AB02
3H036AB13
3H036AB15
3H036AB24
3H036AC01
(57)【要約】
保温ブロック(1)は、内側袋体(23)と外側袋体(24)の間に金属箔材(25)が介装され一体化された袋体(2)と、内側袋体(23)の内部に袋体(2)の設置面部(21)から表面部(22)に向けて断熱材(31)、および金属板材(32)の順序で積層された積層体(3)が充填されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置対象物の一面側に設置される設置面部、該設置面部とは反対側の面に表面部を有し、内側袋体と外側袋体の二重構造からなる袋体と、
該袋体の前記内側袋体と前記外側袋体の間に介装された金属箔材と、
前記袋体の前記内側袋体の内部には、前記設置面部から前記表面部に向けて無機繊維材からなる断熱材、および金属板材の順序で積層された積層体と、
を備える保温ブロック。
【請求項2】
前記金属箔材は、ステンレス箔であり、
前記金属板材は、多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルである請求項1に記載の保温ブロック。
【請求項3】
前記袋体はガラス繊維を織製してなるガラスクロスである請求項1または請求項2に記載の保温ブロック。
【請求項4】
前記袋体の前記表面部には、シリコンコーティングが施されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載の保温ブロック。
【請求項5】
前記断熱材は、生体溶解性繊維、ロックウール、ガラス繊維、セラミック繊維から選択される請求項1から請求項4の何れか一項に記載の保温ブロック。
【請求項6】
前記袋体の前記表面部の外周端縁は、周縁方向に沿って前記袋体の内側に向けて谷折り状に折り込まれた状態で縫着して形成された二重縁部を有する請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の保温ブロック。
【請求項7】
一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体、該第1の袋体の前記第1の内側袋体と前記第1の外側袋体の間に介挿された第1の金属箔材、前記第1の袋体の前記第1の内側袋体の内部に無機繊維材からなる第1の断熱材を有する第1の保温ブロックと、
一面側に前記第1の袋体の前記第1の表面部に載置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体、該第2の袋体の前記第2の内側袋体と前記第2の外側袋体の間に介挿された第2の金属箔材、該第2の袋体の前記第2の内側袋体の内部であって前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて無機繊維材からなる第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層された積層体を有する第2の保温ブロックと、
前記第1の袋体の前記第1の表面部と前記第2の袋体の前記第2の設置面部の間に介装された第2の金属板材と、を備える保温ブロック。
【請求項8】
前記第1の金属箔材、および前記第2の金属箔材はステンレス箔であり、
前記第1の金属板材、および前記第2の金属板材は多数の貫通穴が形成されたエキスパンドメタルである請求項7に記載の保温ブロック。
【請求項9】
前記第1の断熱材は、生体溶解性繊維であり、
前記第2の断熱材は、ロックウールである請求項7または請求項8に記載の保温ブロック。
【請求項10】
内側袋体生地と外側袋体生地の間に金属箔を介装して袋体生地を生成する工程と、
前記袋体生地から設置対象物の一面側に設置される設置面部、該設置面部とは反対側の面に配置された表面部を有し、内側袋体と外側袋体の二重構造からなる袋体を形成する工程と、
前記内側袋体の内部に、前記設置面部から前記表面部に向けて断熱材、および金属板材の順序で積層する工程と、
を備える保温ブロックの製造方法。
【請求項11】
前記袋体生地を生成する工程は、前記内側袋体生地、前記金属箔、および前記外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含む請求項10に記載の保温ブロックの製造方法。
【請求項12】
第1の内側袋体生地と第1の外側袋体生地の間に第1の金属箔を介装して第1の袋体生地を生成する工程、前記第1の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体を形成する工程、前記第1の内側袋体の内部に、第1の断熱材を充填する工程を有する第1の保温ブロックを製造する工程と、
第2の内側袋体生地と第2の外側袋体生地の間に第2の金属箔を介装して第2の袋体生地を生成する工程、前記第2の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体を形成する工程、前記第2の内側袋体の内部に、前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層する工程を有する第2の保温ブロックを製造する工程と、
前記第1の袋体の前記第1の表面部に、前記第2の袋体の前記第2の設置面部を載置して前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程と、を備える保温ブロックの製造方法。
【請求項13】
前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程は、
前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックの間に第2の金属板材を介装する工程を含む請求項12に記載の保温ブロックの製造方法。
【請求項14】
前記第1の袋体生地を生成する工程は、
前記第1の内側袋体生地、前記第1の金属箔、および前記第1の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含み、
前記第2の袋体生地を生成する工程は、
前記第2の内側袋体生地、前記第2の金属箔、および前記第2の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含む請求項12または請求項13に記載の保温ブロックの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保温ブロック、および保温ブロックの製造方法に関する。
本願は、2017年12月20日に、日本に出願された特願2017−244225号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発電所や化学プラント等で使用される蒸気タービン、およびガスタービン(以下、総称して「タービン発電機」という。)のタービンケーシングは、ロータ等の回転部の中心軸を境に上下に2分割して構成されており、断面略半円状の上部ケーシングと下部ケーシングとがそれぞれのフランジ部でボルトによって締結された構造となっている。
また、タービンケーシングの内面には、静翼等の静止部分が設けられている。タービンケーシング内には、静止部分と同心となるように、動翼を取りつけたロータ等の回転部が水平に貫装されている。回転部は、回転可能に支承されている。
【0003】
ここで、タービン等の運転時には、タービンケーシングの内部に高温、高圧のガス等の流体が流れる。このとき、静止系と回転系のクリアランスが狭ければ狭いほど洩れる流体が減少し、より多くのエネルギーを回転系に伝えることができる。
一方、内部を流れる排気ガス温度が非常に高いため、通常、熱放散防止のためにタービン発電機のタービンケーシングの外面は、耐熱性断熱材からなる保温ブロックで被覆されている。
【0004】
このような保温ブロックのタービンケーシングへの設置構造として、例えば図5(A)に示すようなものが知られている。
具体的には、タービンケーシング101の表面部に、綿状の断熱材102、および保温ブロック103が交互に複数積層され、所定の間隔をあけて複数本のスタッドボルト104が断熱材102、および保温ブロック103に形成された挿通孔105に挿通され、タービンケーシング101に対して固定されている。
【0005】
ところで、タービン発電機は、定期的な点検作業の際にケーシングが開放される。そのため、その都度、保温ブロックをタービンケーシングから着脱する必要があることから、保温ブロックのタービンケーシングへの設置構造は、着脱作業が容易に行える構造であることが望ましい。
しかしながら、図5(A)に開示の保温ブロックのタービンケーシングへの固定構造では、断熱材102と保温ブロック103を複数層に積層する必要があるため、作業工程が多くなり多大な設置工数を要するものとなっている。
【0006】
このような問題に対して、本発明者らは、簡易かつ迅速に施工することができ、施工期間の短縮化、およびメンテナンス費用の低減を図ることの可能なタービンケーシング用保温構造を提案している(特許文献1)。
【0007】
具体的には、図5(B)に示すように、タービンケーシングの表面を覆うようにして配置される保温ブロック201と、保温ブロック201を厚み方向に貫通するようにして設けられた貫通穴202に挿通されるとともに、網状部材203に係止されるフック204が一端に設けられたベルト205と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5836155号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1において、各保温ブロックは、それぞれがタービンケーシングの表面に対して専用の取付金具により固定されている。このため、各保温ブロックがタービンケーシングからズレ落ちたりすることを防止するとともに、各保温ブロックのタービンケーシングに対する密着性を維持し、保温性能を高めることが可能である。
【0010】
ところで、タービン発電機は、内部の潤滑油系統や制御油系統、さらには軸受け部分等を含む内部構造について損傷や腐食等が発生していないかを確認するために、作業者による定期的なメンテナンス作業が行われている。
このようなメンテナンス作業においては、作業者が保温ブロック上を移動したり、保温ブロック上で作業したりする場合があるが、その際に作業者の荷重が保温ブロックの厚み方向にかかるため、保温ブロックが厚み方向に変形してしまう虞がある。
【0011】
このように保温ブロックが厚み方向に変形してしまった場合、隣接する各保温ブロックの間に隙間が生じる。また、各保温ブロックの高さの均一性が保たれないことにより、タービンケーシング全体において均一な保温効果を得ることができず、タービン発電機の運転効率の悪化を招くことが懸念される。
【0012】
また、作業者が保温ブロック上を移動することにより、保温ブロックを構成する袋体が損傷して袋体の内部に充填されている断熱材が外部に露出してしまい、保温ブロックの保温効果が低減してしまうことも懸念される。
【0013】
そこで、本発明は、保温ブロック全体の強度を確保することで、保温ブロックに外力が加わっても型崩れや損傷の発生を抑制し、長期間において保温性能を保持することの可能な保温ブロック、および保温ブロックの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の一態様の保温ブロックは、設置対象物の一面側に設置される設置面部、該設置面部とは反対側の面に表面部を有し、内側袋体と外側袋体の二重構造からなる袋体と、該袋体の前記内側袋体と前記外側袋体の間に介装された金属箔材と、前記袋体の前記内側袋体の内部には、前記設置面部から前記表面部に向けて無機繊維材からなる断熱材、および金属板材の順序で積層された積層体とを備える。
【0015】
ここで、保温ブロックの袋体が内側袋体と外側袋体の二重構造であることから、袋体全体の強度を保つことが可能となるので、使用期間の経過に伴う袋体の劣化や損傷を防止することができる。
【0016】
また、袋体が設置対象物の一面側に設置される設置面部、設置面部とは反対側の面に表面部を有することにより、袋体を設置対象物に対して安定的に設置することができる。さらに袋体が無機繊維材から構成されていることにより、袋体も一定程度の保温性を備えることができる。
【0017】
また、袋体は内側袋体と外側袋体の間に介装された金属箔材を有することにより、袋体が内側袋体、金属箔材、および外側袋体の積層構造とすることが可能となるため、袋体全体の強度を保つことができるとともに、袋体に対して外力が加わった場合に、この外力による荷重を金属箔材で分散させることができる。これにより、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
【0018】
また、袋体の内側袋体の内部には、袋体の設置面部から表面部に向けて断熱材、および金属板材の順序で積層された積層体を備えることにより、まず、保温ブロックの設置対象となるタービンケーシングに近接する側に断熱材が配置されることから、保温効果をより一層高めることができる。
さらに、金属板材が袋体の表面部側に配置されることから、保温ブロックに対して上からの荷重が作用した際に、当該荷重を金属板材で分散し断熱材への伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
【0019】
また、金属箔材がステンレス箔である場合には、薄厚でありながらも一定の強度を確保することができるとともに、耐熱性能にも優れるため、長期間使用しても温度変化にともなう形状の変形を防止することができる。
【0020】
また、金属板材が多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルである場合には、軽量でありながら、一定の強度を確保したうえで荷重の分散を効率的に行うことができる。さらに、耐熱性にも優れているため、温度変化にともなう形状の変形を防止することができる。
【0021】
また、袋体がガラス繊維を織製してなるガラスクロスである場合には、熱の外部への放出を抑制できるため保温性を有するとともに、軽量でありながら一定の強度を確保することができるため経年劣化を防止することができる。
【0022】
また、袋体の表面部はシリコンコーティングが施されている場合には、保温ブロック全体の防水機能を高めることができるとともに、袋体の表面部への埃等の汚れが付き難くなるため、外観上の見栄えも良好なものとなる。
【0023】
また、断熱材は、生体溶解性繊維、ロックウールから選択される場合には、保温ブロックを設置する場所に応じて断熱材の材質を適宜変更して使用することが可能となる。
例えば、設置対象としてのタービンケーシング表面に保温ブロックを設置する場合においては、熱源に近い部分に設置する保温ブロックに使用する断熱材としては、断熱効果の高い生体溶解性繊維を使用する。一方で、熱源から離れた位置に設置する保温ブロックに使用する断熱材としては、断熱効果は劣るもののコスト的に優位なロックウールを使用することができる。
【0024】
また、袋体の表面部の外周端縁は、周縁方向に沿って袋体の内側に向けて谷折り状に折り込まれた状態で縫着して形成された二重縁部を有する場合には、損傷が起こりやすい袋体の表面部の外周端縁の強度をより強くすることが可能となるため、袋体の表面部に荷重が加わったとしても保温ブロックの型崩れや損傷を防止することができる。
【0025】
前記の目的を達成するために本発明の一態様の保温ブロックは、一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体、該第1の袋体の前記第1の内側袋体と前記第1の外側袋体の間に介挿された第1の金属箔材、前記第1の袋体の前記第1の内側袋体の内部に無機繊維材からなる第1の断熱材を有する第1の保温ブロックと、一面側に前記第1の袋体の前記第1の表面部に載置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体、該第2の袋体の前記第2の内側袋体と前記第2の外側袋体の間に介挿された第2の金属箔材、該第2の袋体の前記第2の内側袋体の内部であって前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて無機繊維材からなる第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層された積層体を有する第2の保温ブロックと、前記第1の袋体の前記第1の表面部と前記第2の袋体の前記第2の設置面部の間に介装された第2の金属板材とを備える。
【0026】
ここで、第1の保温ブロックの第1の袋体が、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造であることから、第1の袋体の全体の強度を保つことができるため、使用期間の経過に伴う袋体の劣化や損傷を防止することができる。
【0027】
また、第1の袋体が、一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を有する第1の袋体を有することにより、第1の袋体を設置対象物に対して安定的に設置することができる。
さらに第1の袋体が無機繊維材から構成されていることにより、第1の袋体も一定程度の保温性を備えることができる。
【0028】
また、第1の袋体は第1の内側袋体と第1の外側袋体の間に介装された第1の金属箔材を有することにより、第1の袋体を第1の内側袋体、第1の金属箔材、および第1の外側袋体の積層構造とすることが可能となるため、第1の袋体の全体の強度を保つことができる。
また、第1の袋体に対して外力が加わった場合に、この外力による荷重を第1の金属箔材で分散させることが可能となるため、第1の保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
【0029】
また、第1の袋体の第1の内側袋体の内部に第1の断熱材を有する場合には、第1の断熱材により第1の保温ブロックの設置対象物として、例えばタービンケーシングから発せられる熱が外部に発散されることを防止することができるため、設置対象物の保温性を高めることができる。
【0030】
また、第2の保温ブロックの第2の袋体が第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造であることから、第2の袋体の全体の強度を保つことが可能となるため、使用期間の経過に伴う袋体の劣化や損傷を防止することができる。
【0031】
また、第2の保温ブロックが、一面側に設置対象物に設置される第2の設置面部、第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を有する第2の袋体を有することにより、第2の袋体を設置対象物に対して安定的に設置することができる。
さらに第2の袋体が無機繊維材から構成されていることにより、第2の袋体も一定程度の保温性を備えることができる。
【0032】
また、第2の袋体は、第2の内側袋体と第2の外側袋体の間に介装された第2の金属箔材を有することにより、第2の袋体の全体の強度を保つことができる。また、第2の袋体に対して外力が加わった場合に、この外力による荷重を第2の金属箔材で分散させることが可能となるため、第2の保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
【0033】
また、第2の袋体の第2の設置面部から第2の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層されているため、まず、第2の保温ブロックの設置対象となるタービンケーシングに近接する側に第2の断熱材が配置されることから、保温効果をより一層高めることができる。
さらに、第1の金属板材が第2の袋体の第2の表面部側に配置されることから、第2の保温ブロックに対して上からの荷重が作用した際に、当該荷重を第1の金属板材で分散し第2の断熱材や第1の保温ブロックへの伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
【0034】
また、保温ブロックが、第1の袋体の第1の表面部と第2の袋体の第2の設置面部の間に介装された第2の金属板材を備えることにより、第2の保温ブロックの第2の袋体の第2の表面部側から厚み方向に荷重が加わったとしても、この荷重を第2の金属板材で分散させることができる。
従って、第2の保温ブロックから第1の保温ブロックへの荷重の伝播を遮断することが可能となるため、第1の保温ブロック、および第2の保温ブロックの型崩れや損傷を防止し、保温ブロック全体としての保温性を保持することができる。
【0035】
また、第1の金属箔材、および前記第2の金属箔材がステンレス箔である場合には、薄厚でありながらも一定の強度を確保することができる。また、耐熱性能にも優れるため、温度変化にともなう形状の変形を防止することができる。
【0036】
また、第1の金属板材、および第2の金属板材は多数の貫通穴が形成されたエキスパンドメタルである場合には、軽量でありながら、一定の強度を確保したうえで荷重の分散を効率的に行うことができる。
さらに、耐熱性にも優れているため、温度変化にともなう形状の変形を防止することができる。
【0037】
また、第1の断熱材は生体溶解性繊維であり、第2の断熱材はロックウールである場合には、保温ブロックの設置対象としてのタービンケーシング表面の熱源に近い部分に設置する第1の保温ブロックに使用する断熱材としては、断熱効果の高い生体溶解性繊維を使用することで、断熱効果を最大限に発揮させることができる。
一方で、熱源から離れた位置に設置する第2の保温ブロックに使用する断熱材としては、断熱効果は劣るもののコスト的に優位なロックウールを使用することで、安価でありながら一定の断熱効果をえることができる。
【0038】
前記の目的を達成するために本発明の保温ブロックの製造方法は、内側袋体生地と外側袋体生地の間に金属箔を介装して袋体生地を生成する工程と、前記袋体生地から設置対象物の一面側に設置される設置面部、該設置面部とは反対側の面に配置された表面部を有し、内側袋体と外側袋体の二重構造からなる袋体を形成する工程と、前記内側袋体の内部に、前記設置面部から前記表面部に向けて断熱材、および金属板材の順序で積層する工程と、を備える。
【0039】
ここで、内側袋体生地と外側袋体生地の間に金属箔材を介装して袋体生地を生成する工程を備えることにより、袋体を内側袋体生地、金属箔材、および外側袋体生地から構成される積層構造とするが可能となるため、袋体全体の強度を一定に保つことができる。また、保温ブロックに外力が加わった場合でも、外力による荷重を金属箔材で分散させることができるため、袋体の損傷を防止することができる。
【0040】
また、袋体生地から、設置対象物の一面側に設置される設置面部、設置面部とは反対側の面に表面部を有する袋体を形成する工程を備えることにより、袋体生地を袋体形状にすることで、後述する断熱材、および金属板材からなる積層体を袋体内に充填させたうえで保温ブロックの設置対象物としてタービンケーシング表面に設置することができる。
【0041】
また、袋体の内側袋体の内部に、設置面部から表面部に向けて断熱材、および金属板材の順序で積層する工程を備えることにより、袋体内部に断熱材、および金属板材を充填して保温ブロックを生成することができる。
このとき、袋体の設置面部から表面部に向けて断熱材、および金属板材の順序で積層されるため、保温ブロックの設置対象となるタービンケーシングに近接する側に断熱材が配置されることから、保温効果をより一層高めることができる。
さらに、金属板材が袋体の表面部側に配置されることから、保温ブロックの表面部側から保温ブロックの厚み方向に荷重が作用した際に、当該荷重を金属板材で分散し断熱材への伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
【0042】
また、袋体生地を生成する工程は、内側袋体生地、金属箔材、および外側袋体生地を一体的に縫着して袋体生地を生成する工程を有することにより、内側袋体生地、金属箔材、および外側袋体生地を一体的な積層体として構成することができるため、袋体の強度をより高めることができる。
【0043】
前記の目的を達成するために本発明の保温ブロックの製造方法は、第1の内側袋体生地と第1の外側袋体生地の間に第1の金属箔を介装して第1の袋体生地を生成する工程、前記第1の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体を形成する工程、前記第1の内側袋体の内部に、第1の断熱材を充填する工程を有する第1の保温ブロックを製造する工程と、第2の内側袋体生地と第2の外側袋体生地の間に第2の金属箔を介装して第2の袋体生地を生成する工程、前記第2の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体を形成する工程、前記第2の内側袋体の内部に、前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層する工程を有する第2の保温ブロックを製造する工程と、前記第1の袋体の前記第1の表面部に、前記第2の袋体の前記第2の設置面部を載置して前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程と、を備える。
【0044】
ここで、第1の保温ブロックの製造方法として、第1の内側袋体生地と第1の外側袋体生地の間に第1の金属箔材を介装して第1の袋体生地を生成する工程を有することにより、第1の袋体を第1の内側袋体生地、第1の金属箔材、および第1の外側袋体生地から構成される積層構造とするが可能となるため、第1の袋体全体の強度を一定に保つことができる。
また、第1の保温ブロックに外力が加わった場合でも、外力による荷重を第1の金属箔材で分散させることが可能となるため、第1の袋体の損傷を防止することができる。
【0045】
また、第1の保温ブロックの製造方法として、第1の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含む第1の袋体を形成する工程を有することにより、第1の袋体生地を袋体形状にすることで、後述する第1の断熱材を第1の袋体内に充填させたうえで第1の保温ブロックの設置対象物としてタービンケーシング表面に設置することができる。
【0046】
また、第1の保温ブロックの製造方法として、第1の袋体の第1の内側袋体の内部に、第1の断熱材を充填する工程を有することにより、第1の袋体内部に断熱材を充填して第1の保温ブロックを生成することができる。
【0047】
また、第2の保温ブロックの製造方法として、第2の内側袋体生地と第2の外側袋体生地の間に第2の金属箔材を介装して第2の袋体生地を生成する工程を有することにより、第2の袋体を第2の内側袋体生地、第2の金属箔材、および第2の外側袋体生地から構成される積層構造とするが可能となるため、第2の袋体全体の強度を一定に保つことができる。
また、第2の保温ブロックに外力が加わった場合でも、外力による荷重を第2の金属箔材で分散させることが可能となるため、第2の袋体の損傷を防止することができる。
【0048】
また、第2の保温ブロックの製造方法として、第2の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第2の設置面部、第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含む第2の袋体を形成する工程を有することにより、第2の袋体生地を袋体形状にすることで、後述する第2の断熱材、および第1の金属板材を第2の袋体内に充填させたうえで第2の保温ブロックを設置する前記した第1の保温ブロックの第1の表面部に設置することができる。
【0049】
また、第2の保温ブロックの製造方法として、第2の袋体の第2の内側袋体の内部に、第2の設置面部から第2の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層する工程を有することにより、第2の袋体内部に第2の断熱材、および第1の金属板材を充填して第2の保温ブロックを生成することができる。
このとき、第2の袋体の第2の設置面部から第1の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層されるため、第2の保温ブロックを第1の保温ブロックに設置した際にタービンケーシングに近接する側に第2の断熱材が配置されることから、保温効果をより一層高めることができる。
さらに、第1の金属板材が第2の袋体の第2の表面部側に配置されることから、第2の保温ブロックの第2の表面部側から厚み方向に荷重が作用した際に、当該荷重を第1の金属板材で分散し第2の断熱材、および第1の保温ブロックへの伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
【0050】
また、第1の保温ブロックと第2の保温ブロックを一体化する工程は、第1の保温ブロックと第2の保温ブロックの間に第2の金属板材を介装する工程を含む場合には、第1の保温ブロックと第1の保温ブロックの間に補強材としての第2の金属板材を介装することが可能となるため、第2の保温ブロックの第2の袋体の第2の表面部側から厚み方向に荷重が加わったとしても、この荷重を第2の金属板材で分散させることができる。
従って、第2の保温ブロックから第1の保温ブロックへの荷重の伝播を遮断することが可能となるため、第1の保温ブロック、および第2の保温ブロックの型崩れや損傷を防止し、保温ブロック全体としての保温性を保持することができる。
【0051】
また、第1の袋体生地を生成する工程は、第1の内側袋体生地、第1の金属箔、および第1の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含み、第2の袋体生地を生成する工程は、第2の内側袋体生地、第2の金属箔、および第2の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含む場合には、第1の内側袋体生地、第1の金属箔材、第1の外側袋体生地、および第2の内側袋体生地、第2の金属箔材、第2の外側袋体生地をそれぞれ一体的な積層体として構成することが可能となるため、第1の袋体と第2の袋体の強度をより高めることができる。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、保温ブロック全体の強度を確保することで、保温ブロックに外力が加わっても型崩れをおこしにくく、長期間において保温性能を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1A】本発明の第1の実施形態に係る保温ブロックの分解斜視図である。
図1B】本発明の第1の実施形態に係る保温ブロックの分側面図である。
図2図1Bに示す保温ブロックのX−X断面図である。
図3A】本発明の第2の実施形態に係る保温ブロックの分解斜視図である。
図3B】本発明の第2の実施形態に係る保温ブロックの側面図である。
図4図3(B)に示す保温ブロックのY−Y断面図である。
図5A】従来技術である保温ブロックのタービンケーシングへの固定構造の断面図である。
図5B】従来技術である保温ブロックのタービンケーシングへの固定構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、保温ブロック、および保温ブロックの製造方法に関する本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
なお、各図においては、説明の便宜上、保温ブロックを設置対象物に設置した状態において、保温ブロックの表面部から設置面部に向かう方向を厚み方向、厚み方向と垂直な方向を水平方向と定義する。
【0055】
<実施例1>
まず、本発明の第1の実施形態に係る保温ブロックの全体構成について図1(A)、図1(B)、および図2を用いて説明する。
保温ブロック1は、設置対象物として例えば発電所等で使用されるタービン発電機のタービンケーシング表面5を被覆して保温するものであり、略立方体形状の袋体2内に断熱材31と金属板材32が積層された積層体3が充填されている。
【0056】
ここで、必ずしも、保温ブロック1の形状として立方体形状である必要はない。直方体形状や円柱形状等、一定の体積を有する形状であればどのような形状であってもよい。
【0057】
袋体2は、無機繊維材としてのガラス繊維を織製してなるガラスクロス素材であり、保温ブロック1の設置対象物としてのタービンケーシング表面5に設置される設置面部21と、設置面部21とは反対側の面である表面部22を有するとともに、内側袋体23、及び内側袋体23の外側に配置された外側袋体24からなるに二重構造となっている。
この内側袋体23と外側袋体24の間には薄厚のステンレス材からなる金属箔材25が介装され、内側袋体23、金属箔材25、および外側袋体24が縫着加工されて一体化されている。
【0058】
ここで、必ずしも、袋体2はガラス繊維を織製してなるガラスクロス素材である必要はない。例えば炭素繊維等の無機繊維材から適宜選択をすることができる。
但し、袋体2は一定程度の強度が求められるため、強度とコストの費用対効果が最も高いガラスクロス素材であることが好ましい。
【0059】
また、必ずしも、金属箔材25はステンレス材である必要はない。銅箔材、アルミ箔材、ニッケル箔材等の他の金属箔材から適宜選択することができる。
但し、保温ブロック1の設置対象としてのタービン発電機は比較的高温であるため、耐熱性能という観点では耐熱効果の高いステンレス材を採用することが好ましい。
【0060】
また、必ずしも、内側袋体23、金属箔材25、および外側袋体24が縫着加工されて一体化されている必要ない。
金属箔材25が内側袋体23、および外側袋体24の間に介装されているだけでも良い。但し、内側袋体23、金属箔材25、および外側袋体24が縫着加工により一体化されて袋体生地が生成されることにより、金属箔材25が内側袋体23、および外側袋体24に対して移動することがなく、袋体2全体としての強度も高めることができるため、内側袋体23、金属箔材25、および外側袋体24が縫着加工により一体化されていることが好ましい。
【0061】
袋体2の表面部22の外周端縁26は、図2の拡大図に示すように、周縁方向に沿って袋体2の内側に向けて谷折り状に折り込まれた状態で糸材27により縫着された二重縁部28を形成している。
【0062】
ここで、必ずしも、二重縁部28は袋体2の表面部22の外周端縁26にのみ形成されている必要はない。
例えば、設置面部21の外周端縁等、その他の端縁についても二重縁部28が形成されるように構成してもよい。
但し、保温ブロック1の表面部22から厚み方向の荷重が作用する際には、表面部22の外周端縁26が最も大きな負荷が作用しやすいため、少なくとも表面部22の外周端縁26にのみ二重縁部28が形成されていればよい。
【0063】
積層体3は、袋体2の設置面部21から表面部22に向けて断熱材31、および金属板材32の順序で内側袋体23内に積層されている。断熱材31は、例えば、生体溶解性繊維、ロックウール、ガラス繊維、セラミック繊維の中から適宜選択することが可能である。
また、金属板材32は、多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルである。
【0064】
ここで、必ずしも、断熱材31として生体溶解性繊維、ロックウール、ガラス繊維、セラミック繊維から選択される必要はない。
例えば、ポリスチレン樹脂や炭化水素系からなる発砲プラスチック素材、セルロースファイバーや羊毛素材等からなる天然素材であってもよい。
但し、保温ブロック1の設置対象であるタービン発電機は高温であることから、断熱材31としては保温性能に優れる無機繊維材から構成されていることが好ましい。特に、生体溶解性繊維はロックウールに比較して断熱効果が高いため、生体溶解性繊維を採用することがより好ましい。
【0065】
また、必ずしも、金属板材32は多数の貫通穴が形成されたエキスパンドメタルである必要はない。
例えば、貫通穴が形成されていない金属板材であってもよい。
但し、金属板材32がエキスパンドメタルである場合には、保温ブロック1の表面部22から厚み方向に荷重が作用した際に、荷重の分散を効率的に行うことができるため、金属板材32はエキスパンドメタルであることが好ましい。
【0066】
また、必ずしも、金属板材32はステンレス材である必要はない。
例えば、銅材、アルミ材、ニッケル材等の他の金属板材から適宜選択することができる。
但し、保温ブロック1の設置対象としてのタービン発電機は比較的高温であるため、耐熱性能という観点では耐熱効果の高いステンレス材を採用することが好ましい。
【0067】
袋体2の表面部22は、ガラスクロス素材にシリコンコーティングが施された防水材4により被覆されている。防水材4は、例えば熱溶着等の公知の貼着手段により袋体2の表面部22に貼着されている。
【0068】
ここで、必ずしも、袋体2の表面部22は防水材4で被覆されている必要はない。
但し、袋体2の表面部22が防水材4で被覆されていることにより、保温ブロック1全体としての防水性が高まるとともに、袋体2の表面部22への埃等の汚れが付き難く、かつ外観上の見栄えも良好なものとなるため、袋体2の表面部22は防水材4で被覆されていることが好ましい。
【0069】
また、必ずしも、袋体2の表面部22の防水処理として、別部材としての防水材4で袋体2の表面部22を被覆する必要はない。
例えば、袋体2の表面部22の外側袋体24に対して、シリコンコーティングを施すようにしてもよい。
【0070】
<実施例2>
次に本発明の第2の実施形態に係る保温ブロック1について図3(A)、図3(B)、および図4に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と重複する部分については同一符号を付すとともに、重複する説明については省略する。
【0071】
第2の実施形態に係る保温ブロック1は、保温ブロック1の設置対象となるタービンケーシング表面5を直接的に被覆する第1の保温ブロック1aと、第1の保温ブロック1a上に積層された第2の保温ブロック1bから構成される。
【0072】
第1の保温ブロック1aは、ガラス繊維を織製してなるガラスクロス素材の第1の袋体2a内に、生体溶解性繊維材からなる第1の断熱材31aが充填されている。
また、第2の保温ブロック1bは、ガラス繊維を織製してなるガラスクロス素材の第2の袋体2b内に、ロックウールからなる第2の断熱材31bと第1の金属板材32aが積層された積層体3が充填されている。
【0073】
ここで、必ずしも、第1の断熱材31aとして生体溶解性繊維材、第2の断熱材31bとしてロックウールが選択される必要はない。
例えば、第1の断熱材31aとしてロックウールを、第2の断熱材31bとして生体溶解性繊維材がそれぞれ選択されてもよい。
但し、第1の断熱材31aが充填された第1の保温ブロック1aは、熱源に近いタービンケーシング表面5に設置されるため、第1の断熱材31aとしては、断熱効果の高い生体溶解性繊維を使用することで、断熱効果を最大限に発揮させることができる。
一方で、熱源から離れた位置に設置する第2の保温ブロック1bに使用する第2の断熱材31bとしては、断熱効果は劣るもののコスト的に優位なロックウールを使用することで、安価でありながら一定の断熱効果をえることができる。
【0074】
第1の袋体2aは、第1の保温ブロック1aの設置対象物であるタービンケーシング表面5に設置される第1の設置面部21aと、第1の設置面部21aとは反対側の面である第1の表面部22aを有するとともに、第1の内側袋体23a、及び第1の内側袋体23aの外側に配置された第1の外側袋体24aからなるに二重構造となっている。
この第1の内側袋体23aと第1の外側袋体24aの間には、薄厚のステンレス材からなる第1の金属箔材25aが介装され、第1の内側袋体23a、第1の金属箔材25a、および第1の外側袋体24aが縫着加工されて一体化されている。
【0075】
第2の袋体2bは、第2の保温ブロック1bの設置対象である第1の保温ブロック1aの第1の表面部22aに設置される第2の設置面部21bと、第2の設置面部21bとは反対側の面である第2の表面部22bを有するとともに、第2の内側袋体23b、及び第2の内側袋体23bの外側に配置された第2の外側袋体24bからなるに二重構造となっている。
この第2の内側袋体23bと第2の外側袋体24bの間には薄厚のステンレス材からなる第2の金属箔材25bが介装され、第2の内側袋体23b、第2の金属箔材25b、および第2の外側袋体24bが縫着加工されて一体化されている。
【0076】
第1の袋体2aの第1の表面部22aの第1の外周端縁26a、および第2の袋体2bの第2の表面部22bの第2の外周端縁26bは、第1の実施形態に係る保温ブック1と同様に、図3(A)、図3(B)、および図4に示すように第1の袋体2a、および第2の袋体2bが周縁方向に沿って内側に向けて谷折り状に折り込まれた状態で糸材27により縫着された第1の二重縁部28a、および第2の二重縁部28bを形成している。
【0077】
ここで、第1の保温ブロック1aには外力が直接作用し難いため、第1の二重縁部28aを形成しなくとも、保温ブロック1全体として一定の強度を確保することができる。
従って、少なくとも外力が直接作用しやすい第2の保温ブロック2bに第2の二重縁部28bが形成されていればよく、第1の袋体2aには、必ずしも第1の二重縁部28aが形成されている必要はない。
【0078】
なお、第1の保温ブロック2aの第2の表面部22a、第2の保温ブロック2bの第2の設置面部21bの各外周端縁には、例えば図3(B)に示すようにL字形状をした第3の金属箔材25cを部分的に介装するように構成してもよい。
このように第3の金属箔材25cを部分的に介装することで、第1の二重縁部28aを形成しない場合においても、一定の剛性を確保することができる。
【0079】
積層体3は第2の内側袋体23b内において、かつ第2の袋体2bの第2の設置面部21bから第2の表面部22bに向けて第2の断熱材31b、および第1の金属板材32aの順序で積層されている。
また、第1の金属板材32aは、多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルである。
【0080】
第2の袋体2bの第2の表面部22bは、ガラス素材にシリコンコーティングが施された防水材4により被覆されている。この防水材4は、例えば熱溶着等の公知の貼着手段により第2の袋体2bの第2の表面部22bに縫着されている。
【0081】
第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bの間には、第1の金属板材32aと同じく、多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルからなる第2の金属板材32bが介装されている。
【0082】
ここで、必ずしも、第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bの間には第2の金属板材32bが介装されている必要はない。
但し、第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bの間に第2の金属板材が介装されていることにより、保温ブロック1の厚み方向に対する荷重を分散させることが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止し、保温効果を長期間において持続させることができる。
【0083】
第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bは、第2の保温ブロック1bが第1の保温ブロック1aに対して水平方向に相対的にずれた状態(厚み方向に階段状)となるように積層配置され、第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bの接触面を縫着等の公知の固定手段により固定されて一体化される。
このように構成された保温ブロック1はタービンケーシング表面5の縦横方向に配置され、専用の固定金具により固定される。
【0084】
ここで、必ずしも、保温ブロック1は、第2の保温ブロック1bが第1の保温ブロック1aに対して厚み方向に階段状になるように積層されている必要はない。
例えば、第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bが厚み方向に直線状になるように積層配置されていてもよい。
但し、第2の保温ブロック1bが第1の保温ブロック1aに対して厚み方向に階段状になるように積層されていることにより、タービンケーシング表面5に配列される隣接する保温ブロック1間に形成される隙間を最小限にすることが可能となるため、外部への熱の放散を低減させ、保温性能をさらに高めることができる。
【0085】
以上、本発明に係る保温ブロック、および保温ブロックの製造方法は、保温ブロック全体の強度を確保することで、保温ブロックに外力が加わっても型崩れや損傷の発生を抑制し、長期間において保温性能を保持することができるものとなっている。
【0086】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、保温ブロック、および保温ブロックの製造方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 保温ブロック
1a 第1の保温ブロック
1b 第2の保温ブロック
2 袋体
2a 第1の袋体
2b 第2の袋体
21 設置面部
21a 第1の設置面部
21b 第2の設置面部
22 表面部
22a 第1の表面部
22b 第2の表面部
23 内側袋体
23a 第1の内側袋体
23b 第2の内側袋体
24 外側袋体
24a 第1の外側袋体
24b 第2の外側袋体
25 金属箔材
25a 第1の金属箔材
25b 第2の金属箔材
25c 第3の金属箔材
26 外周端縁
26a 第1の外周端縁
26b 第2の外周端縁
27 糸材
28 二重縁部
28a 第1の二重縁部
28b 第2の二重縁部
3 積層体
31 断熱材
31a 第1の断熱材
31b 第2の断熱材
32 金属板材
32a 第1の金属板材
32b 第2の金属板材
4 防水材
5 タービンケーシング表面
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B

【手続補正書】
【提出日】2020年4月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体、該第1の袋体の前記第1の内側袋体と前記第1の外側袋体の間に介挿された第1の金属箔材、前記第1の袋体の前記第1の内側袋体の内部に無機繊維材からなる第1の断熱材を有する第1の保温ブロックと、
一面側に前記第1の袋体の前記第1の表面部に載置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体、該第2の袋体の前記第2の内側袋体と前記第2の外側袋体の間に介挿された第2の金属箔材、該第2の袋体の前記第2の内側袋体の内部であって前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて無機繊維材からなる第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層された積層体を有する第2の保温ブロックと、
前記第1の袋体の前記第1の表面部と前記第2の袋体の前記第2の設置面部の間に介装された第2の金属板材と、を備える保温ブロック。
【請求項2】
前記第1の金属箔材、および前記第2の金属箔材はステンレス箔であり、
前記第1の金属板材、および前記第2の金属板材は多数の貫通穴が形成されたエキスパンドメタルである請求項に記載の保温ブロック。
【請求項3】
前記第1の断熱材は、生体溶解性繊維であり、
前記第2の断熱材は、ロックウールである請求項または請求項に記載の保温ブロック。
【請求項4】
第1の内側袋体生地と第1の外側袋体生地の間に第1の金属箔を介装して第1の袋体生地を生成する工程、前記第1の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体を形成する工程、前記第1の内側袋体の内部に、第1の断熱材を充填する工程を有する第1の保温ブロックを製造する工程と、
第2の内側袋体生地と第2の外側袋体生地の間に第2の金属箔を介装して第2の袋体生地を生成する工程、前記第2の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体を形成する工程、前記第2の内側袋体の内部に、前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層する工程を有する第2の保温ブロックを製造する工程と、
前記第1の袋体の前記第1の表面部に、前記第2の袋体の前記第2の設置面部を載置して前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程と、を備え
前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程は、
前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックの間に第2の金属板材を介装する工程を含む保温ブロックの製造方法。
【請求項5】
前記第1の袋体生地を生成する工程は、
前記第1の内側袋体生地、前記第1の金属箔、および前記第1の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含み、
前記第2の袋体生地を生成する工程は、
前記第2の内側袋体生地、前記第2の金属箔、および前記第2の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含む請求項に記載の保温ブロックの製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
前記の目的を達成するために本発明の保温ブロックの製造方法は、第1の内側袋体生地と第1の外側袋体生地の間に第1の金属箔を介装して第1の袋体生地を生成する工程、前記第1の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体を形成する工程、前記第1の内側袋体の内部に、第1の断熱材を充填する工程を有する第1の保温ブロックを製造する工程と、第2の内側袋体生地と第2の外側袋体生地の間に第2の金属箔を介装して第2の袋体生地を生成する工程、前記第2の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体を形成する工程、前記第2の内側袋体の内部に、前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層する工程を有する第2の保温ブロックを製造する工程と、前記第1の袋体の前記第1の表面部に、前記第2の袋体の前記第2の設置面部を載置して前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程と、を備え、前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程は、前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックの間に第2の金属板材を介装する工程を含む。
【国際調査報告】