特表-19130972IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年7月4日
【発行日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】表示装置および信号生成装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 7/04 20060101AFI20201127BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20201127BHJP
   H04R 1/26 20060101ALI20201127BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20201127BHJP
   H04R 3/12 20060101ALI20201127BHJP
【FI】
   H04R7/04
   H04R1/02 102Z
   H04R1/26
   H04R3/00 310
   H04R3/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
【出願番号】特願2019-562883(P2019-562883)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年11月29日
(31)【優先権主張番号】特願2017-254119(P2017-254119)
(32)【優先日】2017年12月28日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2018-174059(P2018-174059)
(32)【優先日】2018年9月18日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前芝 洋明
(72)【発明者】
【氏名】山岡 大祐
【テーマコード(参考)】
5D016
5D017
5D018
5D220
【Fターム(参考)】
5D016AA04
5D016AA13
5D016AA17
5D016FA01
5D016FA02
5D016GA01
5D017AE24
5D018AC03
5D220AA14
5D220AB04
(57)【要約】
本開示の一実施形態に係る表示装置は、映像を表示する薄板状の表示セルと、表示セルの裏面側に配置され、表示セルを振動させるM個の加振器と、表示セルおよびM個加振器を駆動する駆動部とを備えている。駆動部は、外部信号から得られた音声信号に基づいてM種類の第1音声信号を生成する。駆動部は、さらに、M種類の第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成する。駆動部は、さらに、M−O種類の第2音声信号と、M種類の第1音声信号のうちの1つである第3音声信号とを、M個の加振器に供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する薄板状の表示セルと、
前記表示セルの裏面側に配置され、前記表示セルを振動させるM個の加振器と、
前記表示セルおよびM個の前記加振器を駆動する駆動部と
を備え、
前記駆動部は、外部信号から得られた音声信号に基づいてM種類の第1音声信号を生成し、M種類の前記第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の前記第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成し、M−O種類の前記第2音声信号と、M種類の前記第1音声信号のうちの1つである第3音声信号とを、M個の前記加振器に供給する
表示装置。
【請求項2】
前記駆動部は、大音量時に、M−O種類の前記第2音声信号と、前記第3音声信号とを、M個の前記加振器に供給する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記駆動部は、小音量時に、M種類の前記第1音声信号を、M個の前記加振器に供給する
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記駆動部は、大音量時に、各前記第2音声信号における所定の低域を減衰させることにより生成したM−O種類の第4音声信号をM−O個の前記加振器に供給し、前記第3音声信号における所定の低域を減衰させることにより生成した第5音声信号を、M個の前記加振器のうち前記第4音声信号が供給されない前記加振器に供給する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
複数の低音域スピーカを更に備え、
M種類の前記加振器および複数の前記低音域スピーカを振動源と総称したときに、互いに隣接する2つの前記振動源の、面内における距離が、互いに等しくなっている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
N個の低音域スピーカを更に備え、
前記駆動部は、M−O種類の前記第2音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるN組のJ種類(2≦J≦N)の前記第2音声信号と、前記第3音声信号とに基づいて、組ごとに第6音声信号を生成し、N種類の前記第6音声信号を、N個の前記低音域スピーカに供給する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
M個の前記加振器には、左加振器、中央加振器および右加振器が含まれ、
M種類の前記第1音声信号には、第1左音声信号、第1中央音声信号および第1右音声信号が含まれ、
M−O種類の前記第2音声信号には、第2左音声信号および第2右音声信号が含まれ、
前記駆動部は、前記音声信号に基づいて前記第1左音声信号、前記第1中央音声信号および前記第1右音声信号を生成し、前記第1左音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2左音声信号を生成し、前記第1右音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2右音声信号を生成し、前記第2左音声信号を前記左加振器に供給し、前記第1中央音声信号を前記中央加振器に供給し、前記第2右音声信号を前記右加振器に供給する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記駆動部は、大音量時に、前記第2左音声信号を前記左加振器に供給し、前記第2右音声信号を前記右加振器に供給する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記駆動部は、小音量時に、前記第1左音声信号を前記左加振器に供給し、前記第1の中央音声信号を前記中央加振器に供給し、前記第1の右音声信号を前記右加振器に供給する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項10】
M個の前記加振器には、第1左上加振器、第1左下加振器、中央加振器、第1右上加振器および第2右下加振器が含まれ、
M種類の前記第1音声信号には、第1左上音声信号、第1左下音声信号、第1中央音声信号、第1右上音声信号および第1右下音声信号が含まれ、
M−1種類の前記第2音声信号には、第2左上音声信号、第2左下音声信号、第2右上音声信号および第2右下音声信号が含まれ、
前記駆動部は、前記音声信号に基づいて前記第1左上音声信号、前記第1左下音声信号、前記第1中央音声信号、前記第1右上音声信号および前記右下音声信号を生成し、前記第1左上音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2左上音声信号を生成し、前記第1左下音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2左下音声信号を生成し、前記第1右上音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2右上音声信号を生成し、前記第1右下音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2右下音声信号を生成し、前記第2左上音声信号を前記左上加振器に供給し、前記第2左下音声信号を前記左下加振器に供給し、前記第1中央音声信号を前記中央加振器に供給し、前記第2右上音声信号を前記右上加振器に供給し、前記第2右下音声信号を前記右下加振器に供給する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記駆動部は、大音量時に、前記第2左上音声信号を前記左上加振器に供給し、前記第2左下音声信号を前記左下加振器に供給し、前記第2右上音声信号を前記右上加振器に供給し、前記第2右下音声信号を前記右下加振器に供給する
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記駆動部は、小音量時に、前記第1左上音声信号を前記左上加振器に供給し、前記第1左下音声信号を前記左下加振器に供給し、前記第1右上音声信号を前記右上加振器に供給し、前記第1右下音声信号を前記右下加振器に供給する
請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
外部信号から得られた音声信号に基づいて、M個の加振器に供給するための信号を生成する信号処理部を備え、
前記信号処理部は、前記音声信号に基づいて、M種類の第1音声信号を生成し、M種類の前記第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の前記第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成し、M−O種類の前記第2音声信号と、M種類の前記第1音声信号のうちの1つである第3音声信号とを、M個の前記加振器に供給する
信号生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置および信号生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイの薄型軽量化が急激な伸長を遂げている。それに伴い、スピーカについても薄型軽量化が進み、コーン型スピーカに代わって、フラットパネルスピーカ(FPS)を用いることが提案されている。さらに、フラットパネルスピーカにおける振動板として、表示パネルを用いることも提案されている。フラットパネルスピーカについては、例えば、特許文献1〜3参照に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−143010号公報
【特許文献2】特開2009−159104号公報
【特許文献3】特表2002−510182号公報
【発明の概要】
【0004】
フラットパネルスピーカの分野では、音質の更なる向上が求められている。従って、音質を更に向上させることの可能な表示装置および信号生成装置を提供することが望ましい。
【0005】
本開示の一実施形態に係る表示装置は、映像を表示する薄板状の表示セルと、表示セルの裏面側に配置され、表示セルを振動させるM個の加振器と、表示セルおよびM個加振器を駆動する駆動部とを備えている。駆動部は、外部信号から得られた音声信号に基づいてM種類の第1音声信号を生成する。駆動部は、さらに、M種類の第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成する。駆動部は、さらに、M−O種類の第2音声信号と、M種類の第1音声信号のうちの1つである第3音声信号とを、M個の加振器に供給する。
【0006】
本開示の一実施形態に係る信号生成装置は、外部信号から得られた音声信号に基づいて、M個の加振器に供給するための信号を生成する信号処理部を備えている。信号処理部は、外部信号から得られた音声信号に基づいてM種類の第1音声信号を生成する。信号処理部は、さらに、M種類の第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成する。信号処理部は、さらに、M−O種類の第2音声信号と、M種類の第1音声信号のうちの1つである第3音声信号とを、M個の加振器に供給する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の側面構成例を表す図である。
図2図1の表示装置の背面構成例を表す図である。
図3図2のリアカバーを取り外したときの、表示装置の背面の構成例を表す図である。
図4図3のA−A線での断面構成例を表す図である。
図5図4の制振部材の平面構成例を表す図である。
図6図1の信号処理部の機能ブロック例を表す図である。
図7図6の音声信号処理回路の機能ブロック例を表す図である。
図8図7のHPFにおけるゲインの一例を表す図である。
図9図1の信号処理部の機能ブロックの一変形例を表す図である。
図10図3のA−A線での断面構成の一変形例を表す図である。
図11図10の制振部材の平面構成例を表す図である。
図12図1の表示装置の側面構成の一変形例を表す図である。
図13図12の表示装置の背面構成例を表す図である。
図14図12の信号処理部の機能ブロック例を表す図である。
図15図14の音声信号処理回路の機能ブロックの一例を表す図である。
図16図12の表示装置における加振器および低音域スピーカの位置の一例を表す図である。
図17図14の音声信号処理回路の機能ブロックの一変形例を表す図である。
図18】各加振器における出力音圧の一例を表す図である。
図19】各加振器における出力音圧の一例を表す図である。
図20】各加振器における出力音圧の一例を表す図である。
図21】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の側面構成例を表す図である。
図22図21の表示装置のリアカバーを取り外したときの、表示装置の背面の構成例を表す図である。
図23図21の表示装置における制振部材の平面構成例を表す図である。
図24図21の信号処理部の機能ブロック例を表す図である。
図25図24の音声信号処理回路の機能ブロックの一例を表す図である。
図26図21の表示装置における加振器および低音域スピーカの位置の一例を表す図である。
図27図25の音声信号処理回路の機能ブロックの一変形例を表す図である。
図28図1の表示装置を用いた音響システムの概略構成の一例を表す図である。
図29図21の表示装置内の音声信号処理回路の機能ブロック例を表す図である。
図30図21の表示装置を用いた音響システムの概略構成の一例を表す図である。
図31図30の表示装置内の音声信号処理回路の機能ブロック例を表す図である。
図32】支持部が省略されたときの表示装置の側面構成例を表す図である。
図33図32の表示装置の背面構成例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。
【0009】
<1.第1の実施の形態>
[構成]
本開示の第1の実施の形態に係る表示装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係る表示装置1の側面構成例を表したものである。図2は、図1の表示装置1の背面構成例を表したものである。表示装置1は、映像表示面10Aに映像を表示するとともに、映像表示面10Aから音声を出力する。言い換えると、表示装置1は、フラットパネルスピーカを映像表示面10Aに内蔵しているとも言える。
【0010】
表示装置1は、例えば、映像を表示するとともに振動板としても機能するパネル部10と、パネル部10の裏面に配置され、パネル部10を振動させる加振部20とを備えている。表示装置1は、さらに、例えば、加振部20を制御する信号処理部30と、パネル部10を、回動部50を介して支持する支持部40とを備えている。回動部50は、支持部40によってパネル部10の裏面を支持するときのパネル部10の傾斜角を調整するためのものであり、例えば、パネル部10および支持部40を回動可能に支持するヒンジによって構成されている。
【0011】
加振部20および信号処理部30は、パネル部10の裏面に配置されている。パネル部10は、パネル部10の裏面側に、パネル部10、加振部20および信号処理部30を保護するリアカバー10Rを有している。リアカバー10Rは、例えば、板状の金属板もしくは樹脂板によって構成されている。リアカバー10Rが、回動部50に連結されている。
【0012】
図3は、リアカバー10Rを取り外したときの、表示装置1の背面の構成例を表したものである。図3には、信号処理部30の一具体例に相当する回路基板30Aが例示されている。図4は、図3のA−A線での断面構成例を表したものである。なお、図4には、後述の加振器21a(アクチュエータ)の断面構成が例示されているが、この断面構成は、他の加振器(例えば加振器21b,21c(アクチュエータ))の断面構成と同様の断面構成となっているものとする。
【0013】
パネル部10は、例えば、映像を表示する薄板状の表示セル11と、空隙15を介して表示セル11と対向配置されたインナープレート12(対向プレート)と、バックシャーシ13とを有している。インナープレート12およびバックシャーシ13が一体化されていてもよい。表示セル11の表面(加振部20とは反対側の表面)が映像表示面10Aとなっている。パネル部10は、さらに、例えば、表示セル11とインナープレート12との間に固定部材14を有している。
【0014】
固定部材14は、表示セル11とインナープレート12とを互いに固定する機能と、空隙15を維持するスペーサとしての機能とを有している。固定部材14は、例えば、表示セル11の外縁に沿って配置されている。固定部材14は、例えば、表示セル11が振動している時に表示セル11の端縁が自由端として振る舞える程度の柔軟性を有していてもよい。固定部材14は、例えば、両面に接着層を有するスポンジによって構成されている。
【0015】
インナープレート12は、加振器21(21a,21b,21c)を支持する基板である。インナープレート12は、例えば、加振器21a,21b,21cを設置する箇所に開口(以下、「加振器用の開口」と称する。)を有している。
【0016】
バックシャーシ13は、インナープレート12よりも高い剛性を有しており、インナープレート12の撓みもしくは振動を抑える役割を有している。バックシャーシ13は、例えば、インナープレート12の開口(例えば、加振器用の開口)と対向する位置に開口を有している。バックシャーシ13に設けられた開口のうち、加振器用の開口と対向する位置に設けられた開口は、加振器21a,21b,21cを挿通することが可能な大きさとなっている。バックシャーシ13は、例えば、ガラス基板によって構成されている。なお、バックシャーシ13の代わりに、バックシャーシ13と同等の剛性を有する金属基板または樹脂基板が設けられていてもよい。
【0017】
加振部20は、例えば、3つの加振器21a,21b,21cを有している。加振器21a,21b,21cは、互いに共通の構成となっている。
【0018】
加振器21aは、表示セル11を裏面から見たときに、左寄りに配置されている。加振器21bは、表示セル11を裏面から見たときに、右寄りに配置されている。加振器21cは、表示セル11を裏面から見たときに、左右方向において中央に配置されている。加振器21a,21b,21cは、例えば、表示セル11の左右方向に並んで配置されている。加振器21a,21b,21cは、例えば、上下方向において中央よりもやや上寄りに配置されている。加振器21a,21b,21cは、それぞれ、例えば、ボイスコイルと、ボイスコイルを巻き付けるボビンと、磁気回路とを有し、振動源となるスピーカ用アクチュエータである。加振器21a,21b,21cは、それぞれ、ボイスコイルに電気信号の音声電流が流れると、電磁作用の原理に従ってボイスコイルに駆動力を発生させる。この駆動力が後述の振動伝達部材24を介して表示セル11に伝達され、表示セル11に音声電流の変化に応じた振動を発生させ、空気が振動して音圧が変化する。
【0019】
加振部20は、さらに、例えば、加振器21a,21b,21cごとに、固定部23および振動伝達部材24を有している。
【0020】
固定部23は、例えば、加振器21a,21b,21cを挿通させた状態で固定する開口23aを有している。固定部23は、さらに、例えば、固定部23を凸部12Aに固定する際に使用するネジを挿通させるための複数のネジ穴23bを有している。各加振器21a,21b,21cは、例えば、固定部23を介して、インナープレート12に固定されている。固定部23は、例えば、加振器21a,21b,21cをインナープレート12に固定する他に、加振器21a,21b,21cから発生した熱を放散させるヒートシンクの機能を有していてもよい。
【0021】
振動伝達部材24は、例えば、表示セル11の裏面と、加振器21a,21b,21cのボビンとに接しており、表示セル11の裏面と、加振器21a,21b,21cのボビンとに固定されている。振動伝達部材24は、少なくとも、音波領域(20Hz以上)では反発する特性を有する部材によって構成されている。振動伝達部材24は、例えば、両面テープ、低反発ウレタン、または、接着剤等によって構成されている。
【0022】
パネル部10は、例えば、図4に示したように、表示セル11とインナープレート12との間に制振部材16を有している。制振部材16は、各加振器21a,21b,21cによって表示セル11に生じる振動が互いに干渉するのを妨げる作用を有する。制振部材16は、例えば、加振器21a,21b,21cによって発生する振動に対する音波領域(20Hz以上)での反射を制御可能な材料を含んで構成されていてもよい。また、制振部材16は、例えば、加振器21a,21b,21cによって発生する振動または残響を吸収可能な材料を含んで構成されていてもよい。制振部材16は、表示セル11とインナープレート12との間隙、つまり、空隙15の中に配置されている。制振部材16は、表示セル11の裏面およびインナープレート12の表面のうち、少なくともに表示セル11の裏面に固定されている。制振部材16は、例えば、インナープレート12の表面に接している。
【0023】
制振部材16は、例えば、接着層(もしくは粘着層)、スポンジ層、基材層、スポンジ層および接着層(もしくは粘着層)が表示セル11側からこの順に積層された積層体となっている。表示セル11側の接着層は、表示セル11の裏面に接しており、制振部材16を表示セル11の裏面に固定している。2つのスポンジ層は、上述の作用をもたらす層である。2つのスポンジ層は、例えば、自立性に乏しい柔軟部材によって構成されている。このとき、制振部材16は、自立性に乏しい柔軟部材としてスポンジを有し、さらに、そのスポンジを表示セル11の裏面に固定する粘着層または接着層とを有している。
【0024】
なお、制振部材16は、上述の作用を有している限りにおいて、上記の構成に限定されるものではない。制振部材16は、例えば、自立性に乏しい柔軟部材として粘着剤または接着剤を有していてもよい。制振部材16は、例えば、振動伝達部材24、または、固定部23と同様の構成となっていてもよい。制振部材16は、例えば、表示セル11に固定されたマグネットシート、または、表示セル11およびインナープレート12に固定された面ファスナーであってもよい。
【0025】
図5は、制振部材16の平面構成例を表したものである。ここで、表示セル11の裏面において、加振器21aと対向する位置を加振点17aとし、加振器21bと対向する位置を加振点17bとし、加振器21cと対向する位置を加振点17cとする。このとき、制振部材16は、表示セル11の裏面を、加振点17aを含む区画領域15aと、加振点17bを含む区画領域15bと、加振点17cを含む区画領域15cとに区画する。制振部材16は、例えば、図5に示したように、区画領域15a,15b,15cを形成する1つの部材によって構成されていてもよい。制振部材16は、例えば、区画領域15a,15b,15cごとに分離して形成された部材によって構成されていてもよい。制振部材16は、例えば、区画領域15a,15b,15cのうち少なくとも1つが他の区画領域を形成する部材とは分離された部材によって構成されていてもよい。
【0026】
制振部材16は、例えば、図5に示したように、加振点17a,17b,17c(または加振器21a,21b,21c)が区画領域15a,15b,15cの中心から外れた位置となるように構成されていてもよい。定在波の抑制の観点からは、加振点17a,17b,17c(または加振器21a,21b,21c)が区画領域15a,15b,15cの中心から外れた位置となっていることが好ましい。「区画領域15a,15b,15cの中心」とは、区画領域15a,15b,15cが図5に示したような方形状となっている場合には、例えば、各区画領域15a,15b,15cにおける、上下左右の中心位置を指している。「区画領域15a,15b,15cの中心」とは、区画領域15a,15b,15cが制振部材16によって囲まれている場合には、例えば、各区画領域15a,15b,15cにおける、上下最短距離の中心線と、左右最短距離の中心線との交点を指している。
【0027】
制振部材16は、例えば、図5に示したように、表示セル11の裏面において各区画領域15a,15b,15cが閉領域となるように形成されていてもよい。制振部材16は、例えば、表示セル11の裏面において各区画領域15a,15b,15cが互いに連通するとともに区画されるように形成されていてもよい。
【0028】
制振部材16は、例えば、図5に示したように、左右両脇の区画領域15a,15bの大きさが中央の区画領域15cの大きさよりも小さくなっていてもよい。左右両脇の区画領域15a,15bの大きさが中央の区画領域15cの大きさよりも小さくなっている場合には、加振器21cの振動によって、表示セル11の中央部分から、低音域が出やすくなり、高音域が出にくくなる。さらに、加振器21a,21bの振動によって、表示セル11の左右両脇の部分から、高音域が出やすくなり、低音域が出にくくなる。
【0029】
制振部材16は、例えば、左右両脇の区画領域15a,15bの大きさが中央の区画領域15cの大きさよりも大きくなっていてもよい。左右両脇の区画領域15a,15bの大きさが中央の区画領域15cの大きさよりも大きくなっている場合には、加振器21cの振動によって、表示セル11の中央部分から、高音域が出やすくなり、低音域が出にくくなる。さらに、加振器21a,21bの振動によって、表示セル11の左右両脇の部分から、低音域が出やすくなり、高音域が出にくくなる。
【0030】
パネル部10は、さらに、例えば、図4に示したように、インナープレート12とバックシャーシ13との間に配置された接着層18もしくは粘着層19を有している。接着層18もしくは粘着層19は、インナープレート12とバックシャーシ13とを互いに固定するための層である。
【0031】
接着層18もしくは粘着層19は、互いに隣接する2つの加振器21a,21bによって表示セル11に生じる振動同士が互いに干渉するのを妨げる作用を有する。接着層18もしくは粘着層19は、さらに、互いに隣接する2つの加振器21b,21cによって表示セル11に生じる振動同士が互いに干渉するのを妨げる作用を有する。
【0032】
接着層18もしくは粘着層19は、例えば、加振器21a,21b,21cによって発生する振動に対する音波領域(20Hz以上)での反射を制御可能な材料を含んで構成されていてもよい。また、接着層18もしくは粘着層19は、例えば、加振器21a,21b,21cによって発生する振動または残響を吸収可能な材料を含んで構成されていてもよい。
【0033】
図6は、信号処理部30の機能ブロック例を表したものである。信号処理部30(回路基板30A)は、例えば、受信回路31を有している。受信回路31は、受信する信号の種類に応じた構成となっている。例えば、受信回路31がテレビ放送信号を受信する場合、受信回路31は、例えば、アンテナ端子、デジタルチューナおよびデマルチプレクサを有している。
【0034】
アンテナ端子は、受信アンテナ(図示せず)で受信されたテレビ放送信号を入力する端子である。デジタルチューナは、例えば、アンテナ端子に入力されたテレビ放送信号を処理して、ユーザの選択チャネルに対応した所定のトランスポートストリームを出力する。デマルチプレクサは、例えば、デジタルチューナで得られたトランスポートストリームから、ユーザの選択チャネルに対応したパーシャルTS(Transport Stream)を抽出し、抽出したパーシャルTSをプロセッサ32に出力する。
【0035】
例えば、受信回路31がインターネット回線を介してIP(Internet Protocol)信号を受信する場合、受信回路31は、インターネット回線を介してIP信号を受信し、受信したIP信号に対して、例えば、IPネットワークでの標準的なプロトコル処理を行う。受信回路31は、さらに、プロトコル処理を行った信号から、ユーザの選択チャネルに対応したパーシャルTSを抽出し、抽出したパーシャルTSをプロセッサ32に出力する。
【0036】
信号処理部30(回路基板30A)は、さらに、例えば、プロセッサ32を有している。プロセッサ32は、表示装置1の各部の動作を制御する。プロセッサ32は、例えば、受信回路31で得られたパーシャルTSをデコーダ33に送信する。信号処理部30(回路基板30A)は、さらに、例えば、デコーダ33、映像信号処理回路34、グラフィックス生成回路35、パネルドライバ36、音声信号処理回路37および音声デバイスドライバ38を有している。
【0037】
デコーダ33は、例えば、受信回路31で得られたパーシャルTSに含まれる映像PES(Packetized Elementary Stream)パケットに対してデコード処理を行うことにより映像データを得る。デコーダ33は、また、例えば、受信回路31で得られたパーシャルTSに含まれる音声PESパケットに対してデコード処理を行うことにより音声データを得る。
【0038】
映像信号処理回路34およびグラフィックス生成回路35は、例えば、デコーダ33で得られた映像データに対して、必要に応じてマルチ画像処理、グラフィックスデータの重畳処理等を行う。映像信号処理回路34は、映像データに対して所定の処理を行い、所定の処理を行った映像データをグラフィックス生成回路35に出力する。グラフィックス生成回路35は、例えば、画面表示の際に使用するUI(User Interface)画面を生成する。パネルドライバ36は、例えば、グラフィックス生成回路35から出力された映像データに基づいてパネル部10を駆動する。
【0039】
音声信号処理回路37は、例えば、デコーダ33で得られた音声データ(外部信号から得られたL信号SL,R信号SR)に対して所定の処理を行うとともに、D/A変換等の処理を行う。音声信号処理回路37は、例えば、加振器21aに供給する信号(例えば、L信号30a)、加振器21bに供給する信号(例えば、R信号30b)、加振器21cに供給する信号(例えば、C信号30c)を生成する。音声デバイスドライバ38は、例えば、音声信号処理回路37から出力された各種音声信号を増幅して、加振部20に供給することにより、加振部20を駆動する。
【0040】
図7は、音声信号処理回路37の機能ブロック例を表したものである。なお、図7では、D/A変換器が省略されている。音声信号処理回路37は、デコーダ33から得られた音声データ(L信号SL,R信号SR)に対してD/A変換を行うことにより、L信号30aおよびR信号30bを生成する。音声信号処理回路37は、さらに、L信号30aおよびR信号30bに基づいて、C信号30cを生成する。
【0041】
音声信号処理回路37は、L信号SLをHPF37Bに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたL信号30aを生成する。HPF37Bは、L信号SLにおける所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりL信号30aを生成する。音声信号処理回路37は、R信号SRをHPF37Cに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたR信号30bを生成する。HPF37Bは、R信号SRにおける所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりR信号30bを生成する。
【0042】
音声信号処理回路37は、L信号SLおよびR信号SRをC信号生成部37Aに通すことにより、L信号SLおよびR信号SRに基づいたC信号30c’を生成する。C信号生成部37Aは、L信号SLおよびR信号SRに基づいて、C信号30c’を生成する。音声信号処理回路37は、C信号30c’をHPF37Dに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたC信号30cを生成する。HPF37Dは、C信号30c’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりC信号30cを生成する。
【0043】
図8は、HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるゲインの一例を表したものである。本変形例では、HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるカットオフ周波数が、小音量時には、f1となっており、大音量時には、f2(>f1)となる。このようにすることにより、大音量時に、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号がカット(または減衰)される。その結果、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号によって表示セル11に画面揺れが生じるのを抑えることができる。
【0044】
HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるカットオフ周波数の変動は、例えば、音声デバイスドライバ38の出力端に、パネル部10の代わりに抵抗器を接続し、その抵抗器に流れる信号をシグナルアナライザ等で解析することにより、特定することが可能である。
【0045】
なお、本変形例において、音声信号処理回路37は、HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるカットオフ周波数を、音量の大きさに応じて変動させてもよい。音声信号処理回路37は、例えば、HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるカットオフ周波数を、音量が大きくなるにつれて大きくしてもよい。このようにすることにより、その結果、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号によって表示セル11に画面揺れが生じるのを効果的に抑えることができる。
【0046】
[効果]
次に、本実施の形態に係る表示装置1の効果について説明する。
【0047】
ディスプレイの薄型軽量化が急激な伸長を遂げている。それに伴い、スピーカについても薄型軽量化が進み、コーン型スピーカに代わって、フラットパネルスピーカ(FPS)を用いることが提案されている。さらに、フラットパネルスピーカにおける振動板として、ディスプレイパネルを用いることも提案されている。フラットパネルスピーカの分野では、音質の更なる向上が求められている。
【0048】
一方、本実施の形態に係る表示装置1では、大音量時に、外部信号から得られた音声信号(L信号SL,R信号SR)における所定の低域を減衰させることにより、L信号30a、R信号30bおよびC信号30cが生成される。これにより、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号によって表示セル11に画面揺れが生じるのを抑えることができる。
【0049】
<2.第1の実施の形態の変形例>
次に、上記第1の実施の形態に係る表示装置1の変形例について説明する。
【0050】
[変形例A]
上記第1の実施の形態に係る表示装置1において、音声信号処理回路37は、さらに、例えば、図9に示したように、LC信号生成部37GおよびRC信号生成部37Hを有していてもよい。
【0051】
音声信号処理回路37は、L信号SLおよびC信号30c’をLC信号生成部37Gに通すことにより、HPF37Bに入力する信号(LC信号30f’)を生成する。LC信号生成部37Gは、L信号SLおよびC信号30c’に基づいて、LC信号30f’を生成する。音声信号処理回路37は、LC信号30f’をHPF37Bに通すことにより、加振器21aに供給する信号(LC信号30f)を生成する。HPF37Bは、LC信号30f’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりLC信号30fを生成する。
【0052】
音声信号処理回路37は、R信号SRおよびC信号30c’をRC信号生成部37Hに通すことにより、HPF37Cに入力する信号(RC信号30g’)を生成する。RC信号生成部37Hは、R信号SRおよびC信号30c’に基づいて、RC信号30g’を生成する。音声信号処理回路37は、RC信号30g’をHPF37Cに通すことにより、加振器21bに供給する信号(RC信号30g)を生成する。HPF37Cは、RC信号30g’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりRC信号30gを生成する。
【0053】
LC信号生成部37Gは、小音量時には、L信号SLを出力し、大音量時には、LC信号30f’を出力する。RC信号生成部37Hは、小音量時には、R信号SRを出力し、大音量時には、RC信号30g’を出力する。このように、本変形例では、小音量時には、L信号30aおよびR信号30bが加振点17a,17bに供給され、大音量時には、C信号30cを用いて補正されたLC信号30fおよびRC信号30gが、加振点17a,17bに供給される。これにより、常にL信号30aおよびR信号30bを加振器21a,21bに供給した場合と比べて、大音量時にも、LCRチャネルの音圧バランスを保つことができる。従って、音声品質を向上させることができる。
【0054】
LC信号生成部37GおよびRC信号生成部37Hにおける、出力信号の切り替えは、例えば、音声デバイスドライバ38の出力端に、パネル部10の代わりに抵抗器を接続し、その抵抗器に流れる信号をシグナルアナライザ等で解析することにより、特定することが可能である。
【0055】
[変形例B]
上記第1の実施の形態およびその変形例に係る表示装置1において、パネル部10は、例えば、図10に示したように、区画領域15a,15b,15cごとに複数個ずつ、加振器21を有していてもよい。本変形例では、パネル部10は、例えば、区画領域15aに複数個(例えば2個)の加振器21aを有していてもよい。同様に、上記実施の形態に係る表示装置1において、パネル部10は、区画領域15bに複数個(例えば2個)の加振器21bを有していてもよい。同様に、上記実施の形態に係る表示装置1において、パネル部10は、区画領域15cに複数個(例えば2個)の加振器21cを有していてもよい。
【0056】
このとき、複数個の加振器21に対応する複数個の加振点17は、例えば、図11に示したように、各区画領域15a,15b,15cにおいて、一列に並んで配置されている。ここで、複数個の加振点17は、例えば、図11に示したように、各区画領域15a,15b,15cにおいて、表示セル11の上下方向に並んで配置されている。複数個の加振点17は、例えば、各区画領域15a,15b,15cにおいて、表示セル11の左右方向に並んで配置されていてもよい。複数個の加振点17は、例えば、各区画領域15a,15bにおいて、表示セル11の上下方向に並んで配置されるとともに、区画領域15cにおいて、表示セル11の左右方向に並んで配置されていてもよい。
【0057】
[変形例C]
上記第1の実施の形態およびその変形例に係る表示装置1は、例えば、図12図13に示したように、低音域スピーカ部60を更に備えていてもよい。図12は、本変形例に係る表示装置1の側面構成例を表したものである。図13は、本変形例に係る表示装置1の背面構成例を表したものである。
【0058】
低音域スピーカ部60は、例えば、支持部40内に設けられている。低音域スピーカ部60は、表示装置1の背面からみたときに相対的に左側に配置された低音域スピーカ61aと、表示装置1の背面からみたときに相対的に右側に配置された低音域スピーカ61bとを有している。
【0059】
図14は、信号処理部30の機能ブロック例を表したものである。図15は、音声信号処理回路37の機能ブロック例を表したものである。なお、図15では、D/A変換器が省略されている。音声信号処理回路37は、例えば、デコーダ33で得られた音声データ(L信号SL,R信号SR)に対して所定の処理を行うとともに、D/A変換等の処理を行う。音声信号処理回路37は、例えば、加振器21aに供給する信号(例えば、L信号30a)、加振器21bに供給する信号(例えば、R信号30b)、加振器21cに供給する信号(例えば、C信号30c)、低音域スピーカ61aに供給する信号(例えば、LW信号30d)、および低音域スピーカ61bに供給する信号(例えば、RW信号30e)を生成する。音声デバイスドライバ38は、例えば、音声信号処理回路37から出力された各種音声信号を増幅して、加振部20および低音域スピーカ部60に供給することにより、加振部20および低音域スピーカ部60を駆動する。
【0060】
音声信号処理回路37は、L信号SLをHPF37Bに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたL信号30aを生成する。HPF37Bは、L信号SLにおける所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりL信号30aを生成する。音声信号処理回路37は、R信号SRをHPF37Cに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたR信号30bを生成する。HPF37Cは、R信号SRにおける所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりR信号30bを生成する。
【0061】
音声信号処理回路37は、L信号SLおよびR信号SRをC信号生成部37Aに通すことにより、L信号SLおよびR信号SRに基づいたC信号30c’を生成する。C信号生成部37Aは、L信号SLおよびR信号SRに基づいて、C信号30c’を生成する。音声信号処理回路37は、C信号30c’をHPF37Dに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたC信号30cを生成する。HPF37Dは、C信号30c’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりC信号30cを生成する。
【0062】
音声信号処理回路37は、L信号SLおよびC信号30cをLW信号生成部37Eに通すことにより、LW信号30dを生成する。LW信号生成部37Eは、L信号SLおよびC信号30cに基づいて、LW信号30dを生成する。音声信号処理回路37は、R信号SRおよびC信号30cをRW信号生成部37Fに通すことにより、RW信号30eを生成する。RW信号生成部37Fは、R信号SRおよびC信号30cに基づいて、RW信号30eを生成する。つまり、本変形例に係る表示装置1は、3.2chの音響システムとなっている。
【0063】
本変形例では、HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるカットオフ周波数が、小音量時には、f1となっており、大音量時には、f2(>f1)となる。このようにすることにより、大音量時に、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号がカット(または減衰)される。その結果、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号によって表示セル11に画面揺れが生じるのを抑えることができる。
【0064】
なお、本変形例において、音声信号処理回路37は、HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるカットオフ周波数を、音量の大きさに応じて変動させてもよい。音声信号処理回路37は、例えば、HPF37B、HPF37CおよびHPF37Dにおけるカットオフ周波数を、音量が大きくなるにつれて大きくしてもよい。このようにすることにより、その結果、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号によって表示セル11に画面揺れが生じるのを効果的に抑えることができる。
【0065】
また、本変形例では、C信号30cを用いて、L信号30aおよびR信号30bを補正することにより得られた信号(LW信号30d,RW信号30e)が、低音域スピーカ部60に供給される。これにより、加振器21a,21b,21cの特性に適したウーハ―特性の音声信号を低音域スピーカ部60に供給することができる。従って、低音域の音声品質を向上させることができる。
【0066】
[変形例D]
上記変形例Cにおいて、加振点17a,17b,17cおよび低音域スピーカ61a,61bの位置は、表示セル11の左右方向において対称(左右対称)となっていることが好ましい。例えば、図16に示したように、加振点17cが表示セル11の左右方向における中心位置に配置されており、かつ、加振点17aと加振点17bとの距離D1と、加振点17bと加振点17cとの距離D2とが互いに等しくなっていることが好ましい。さらに、例えば、図15に示したように、低音域スピーカ61aが、距離D1の中心を通る、表示セル11の上下方向に延在する線CL1上に配置されるとともに、低音域スピーカ61bが、距離D2の中心を通る、表示セル11の上下方向に延在する線CL2上に配置されていることが好ましい。
【0067】
このようにすることにより、加振点17aと、低音域スピーカ61aとの距離と、加振点17cと、低音域スピーカ61aとの距離とを互いに等しくすることができる。さらに、加振点17cと、低音域スピーカ61bとの距離と、加振点17bと、低音域スピーカ61bとの距離とを互いに等しくすることができる。さらに、加振点17a,17b,17cおよび低音域スピーカ61a,61bを振動源と総称したときに、互いに隣接する2つの振動源の、面内における距離を、互いに等しくすることができる。その結果、全ての加振点17a,17b,17cおよび低音域スピーカ61a,61bの位相を合わせることができる。その結果、音声品質を向上させることができる。
【0068】
なお、図16には、1つの加振点17aしか示されていないが、2つの加振点17a、または3つ以上の加振点17aが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図16には、1つの加振点17bしか示されていないが、2つの加振点17b、または3つ以上の加振点17bが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図16には、1つの加振点17cしか示されていないが、2つの加振点17c、または3つ以上の加振点17cが互いに隣接して設けられていてもよい。
【0069】
[変形例E]
上記変形例C,Dにおいて、音声信号処理回路37は、さらに、例えば、図17に示したように、LC信号生成部37GおよびRC信号生成部37Hを有していてもよい。
【0070】
音声信号処理回路37は、L信号SLおよびC信号30c’をLC信号生成部37Gに通すことにより、HPF37Bに入力する信号(LC信号30f’)を生成する。LC信号生成部37Gは、L信号SLおよびC信号30c’に基づいて、LC信号30f’を生成する。音声信号処理回路37は、LC信号30f’をHPF37Bに通すことにより、加振器21aに供給する信号(LC信号30f)を生成する。HPF37Bは、LC信号30f’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりLC信号30fを生成する。
【0071】
音声信号処理回路37は、R信号SRおよびC信号30c’をRC信号生成部37Hに通すことにより、HPF37Cに入力する信号(RC信号30g’)を生成する。RC信号生成部37Hは、R信号SRおよびC信号30c’に基づいて、RC信号30g’を生成する。音声信号処理回路37は、RC信号30g’をHPF37Cに通すことにより、加振器21bに供給する信号(RC信号30g)を生成する。HPF37Cは、RC信号30g’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりRC信号30gを生成する。
【0072】
LC信号生成部37Gは、小音量時には、L信号SLを出力し、大音量時には、LC信号30f’を出力する。RC信号生成部37Hは、小音量時には、R信号SRを出力し、大音量時には、RC信号30g’を出力する。このように、本変形例では、小音量時には、L信号30aおよびR信号30bが加振点17a,17bに供給され、大音量時には、C信号30cを用いて補正されたLC信号30fおよびRC信号30gが、加振点17a,17bに供給される。これにより、常にL信号30aおよびR信号30bを加振器21a,21bに供給した場合と比べて、大音量時にも、LCRチャネルの音圧バランスを保つことができる。従って、音声品質を向上させることができる。
【0073】
LC信号生成部37GおよびRC信号生成部37Hにおける、出力信号の切り替えは、例えば、音声デバイスドライバ38の出力端に、パネル部10の代わりに抵抗器を接続し、その抵抗器に流れる信号をシグナルアナライザ等で解析することにより、特定することが可能である。
【0074】
[変形例F]
上記第1の実施の形態およびその変形例において、音声信号処理回路37は、例えば、図18図19図20に示したように、表示セル11の大きさに応じて、LRチャネルの出力音圧Pa,Pbと、Cチャネルの出力音圧Pcとの大小関係を調整する。
【0075】
音声信号処理回路37は、例えば、図18に示したように、表示セル11のサイズが比較的小さい部類に属する場合には、LRチャネルの出力音圧Pa,Pbを、Cチャネルの出力音圧Pcよりも大きくする。このようにすることにより、表示セル11のサイズが比較的小さい部類に属する場合であっても、音の広がりをユーザに感じさせることができ、しかも、Cチャネルの音の聞き取り易さを最適化することができる。
【0076】
音声信号処理回路37は、例えば、図19に示したように、表示セル11のサイズが中型の部類に属する場合には、LRチャネルの出力音圧Pa,Pbを、Cチャネルの出力音圧Pcと同じか、ほぼ同じにする。このようにすることにより、表示セル11のサイズが中型の部類に属する場合であっても、音の広がりをユーザに感じさせることができ、しかも、Cチャネルの音の聞き取り易さを最適化することができる。
【0077】
音声信号処理回路37は、例えば、図20に示したように、表示セル11のサイズが比較的大きい部類に属する場合には、Cチャネルの出力音圧Pcを、LRチャネルの出力音圧Pa,Pbよりも大きくする。このようにすることにより、表示セル11のサイズが比較的大きい部類に属する場合であっても、音の広がりをユーザに感じさせることができ、しかも、Cチャネルの音の聞き取り易さを最適化することができる。
【0078】
なお、図18図19図20には、1つの加振点17aしか示されていないが、2つの加振点17a、または3つ以上の加振点17aが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図18図19図20には、1つの加振点17bしか示されていないが、2つの加振点17b、または3つ以上の加振点17bが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図18図19図20には、1つの加振点17cしか示されていないが、2つの加振点17c、または3つ以上の加振点17cが互いに隣接して設けられていてもよい。
【0079】
<3.第2の実施の形態>
[構成]
本開示の第2の実施の形態に係る表示装置2について説明する。図21は、本実施の形態に係る表示装置2の側面構成例を表したものである。表示装置2は、上記変形例Cに係る表示装置1において、加振部20の代わりに加振部70が設けられるとともに、信号処理部30の代わりに信号処理部80が設けられた構成となっている。図22は、表示装置2のリアカバー10Rを取り外したときの、表示装置2の背面の構成例を表したものである。図22には、信号処理部80の一具体例に相当する回路基板80Aが例示されている。
【0080】
表示装置2は、例えば、パネル部10と、パネル部10の裏面に配置された加振部70と、加振部70を制御する信号処理部80と、パネル部10を、回動部50を介して支持する支持部40と、低音域スピーカ部60とを備えている。加振部70および信号処理部80は、パネル部10の裏面に配置されている。パネル部10は、パネル部10の裏面側に、パネル部10、加振部70および信号処理部80を保護するリアカバー10Rを有している。本実施の形態において、パネル部10は、図4に記載の断面構成と共通の断面構成を備えている。
【0081】
加振部70は、例えば、5つの加振器21(21a,21b,21c,21d,21e)を有している。加振器21a,21b,21c,21d,21eは、互いに共通の構成となっている。
【0082】
加振器21a,21dは、表示セル11を裏面から見たときに、左寄りに配置されている。加振器21b,21eは、表示セル11を裏面から見たときに、右寄りに配置されている。加振器21cは、表示セル11を裏面から見たときに、左右方向において中央に配置されている。加振器21a,21cは、例えば、上下方向において中央よりもやや上寄りに配置されている。加振器21d,21eは、例えば、上下方向において中央よりもやや下寄りに配置されている。加振器21cは、例えば、上下方向において中央に配置されている。加振器21a,21b,21c,21d,21eは、それぞれ、例えば、ボイスコイルと、ボイスコイルを巻き付けるボビンと、磁気回路とを有し、振動源となるスピーカ用アクチュエータである。加振器21a,21b,21c,21d,21eは、それぞれ、ボイスコイルに電気信号の音声電流が流れると、電磁作用の原理に従ってボイスコイルに駆動力を発生させる。この駆動力が後述の振動伝達部材24を介して表示セル11に伝達され、表示セル11に音声電流の変化に応じた振動を発生させ、空気が振動して音圧が変化する。
【0083】
加振部70は、さらに、例えば、図4に示したように、加振器21a,21b,21c,21d,21eごとに、固定部23および振動伝達部材24を有している。固定部23および振動伝達部材24は、上記第1の実施の形態と同様の構成となっている。
【0084】
パネル部10は、例えば、図4に示したように、表示セル11とインナープレート12との間に制振部材16を有している。制振部材16は、各加振器21a,21b,21c,21d,21eによって表示セル11に生じる振動が互いに干渉するのを妨げる作用を有する。
【0085】
図23は、制振部材16の平面構成例を表したものである。ここで、表示セル11の裏面において、加振器21aと対向する位置を加振点17aとし、加振器21bと対向する位置を加振点17bとし、加振器21cと対向する位置を加振点17cとし、加振器21dと対向する位置を加振点17dとし、加振器21eと対向する位置を加振点17eとする。このとき、制振部材16は、表示セル11の裏面を、加振点17a,17dを含む区画領域15aと、加振点17b,17eを含む区画領域15bと、加振点17cを含む区画領域15cとに区画する。
【0086】
制振部材16は、例えば、図23に示したように、加振点17a,17b,17c,17d,17e(または加振器21a,21b,21c,21d,21e)が区画領域15a,15b,15cの中心から外れた位置となるように構成されていてもよい。定在波の抑制の観点からは、加振点17a,17b,17c,17d,17e(または加振器21a,21b,21c,21d,21e)が区画領域15a,15b,15cの中心から外れた位置となっていることが好ましい。「区画領域15a,15b,15cの中心」とは、区画領域15a,15b,15cが図23に示したような方形状となっている場合には、例えば、各区画領域15a,15b,15cにおける、上下左右の中心位置を指している。「区画領域15a,15b,15cの中心」とは、区画領域15a,15b,15cが制振部材16によって囲まれている場合には、例えば、各区画領域15a,15b,15cにおける、上下最短距離の中心線と、左右最短距離の中心線との交点を指している。
【0087】
図24は、信号処理部80の機能ブロック例を表したものである。図25は、音声信号処理回路87の機能ブロック例を表したものである。なお、図25では、D/A変換器が省略されている。音声信号処理回路87は、例えば、デコーダ33で得られた音声データ(L信号SL,R信号SR)に対して所定の処理を行うとともに、D/A変換等の処理を行う。音声信号処理回路87は、例えば、加振器21aに供給する信号(例えば、L1信号80a)、加振器21dに供給する信号(例えば、L2信号80d)、加振器21bに供給する信号(例えば、R1信号80b)、加振器21eに供給する信号(例えば、R2信号80e)、加振器21cに供給する信号(例えば、C信号80c)、低音域スピーカ61aに供給する信号(例えば、LW信号80f)、および低音域スピーカ61bに供給する信号(例えば、RW信号80g)を生成する。音声デバイスドライバ38は、例えば、音声信号処理回路87から出力された各種音声信号を増幅して、加振部70および低音域スピーカ部60に供給することにより、加振部70および低音域スピーカ部60を駆動する。
【0088】
音声信号処理回路87は、L信号SLをL1L2信号生成部87Aに通すことにより、2つの信号(L1信号80a’,L2信号80d’)を生成する。L1L2信号生成部87Aは、L信号SLに対して所定の処理を行うことにより2つの信号(L1信号80a’,L2信号80d’)を生成する。音声信号処理回路87は、さらに、R信号SRをR1R2信号生成部87Bに通すことにより、2つの信号(R1信号80b’,R2信号80e’)を生成する。R1R2信号生成部87Bは、R信号SRに対して所定の処理を行うことにより2つの信号(R1信号80b’,R2信号80e’)を生成する。
【0089】
音声信号処理回路87は、L1信号80a’をHPF87Dに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたL1信号80aを生成する。HPF87Dは、L1信号80a’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりL1信号80aを生成する。音声信号処理回路87は、L2信号80d’をHPF87Eに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたL2信号80dを生成する。HPF87Eは、L2信号80d’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりL2信号80dを生成する。
【0090】
音声信号処理回路87は、R1信号80b’をHPF87Fに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたR1信号80bを生成する。HPF87Fは、R1信号80b’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりR1信号80bを生成する。音声信号処理回路87は、R2信号80e’をHPF87Gに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたR2信号80eを生成する。HPF87Gは、R2信号80e’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりR2信号80eを生成する。
【0091】
音声信号処理回路87は、L信号SLおよびR信号SRをC信号生成部87Cに通すことにより、L信号SLおよびR信号SRに基づいたC信号80c’を生成する。C信号生成部87Cは、L信号SLおよびR信号SRに基づいて、C信号80c’を生成する。音声信号処理回路87は、C信号80c’をHPF87Hに通すことにより、所定の低域がカット(または減衰)されたC信号80cを生成する。HPF87Hは、C信号80c’における所定の低域をカットする(または減衰させる)ことによりC信号80cを生成する。
【0092】
音声信号処理回路87は、L1信号80a’,L2信号80d’およびC信号80c’をLW信号生成部87Iに通すことにより、LW信号80fを生成する。LW信号生成部87Iは、L1信号80a’,L2信号80d’およびC信号80c’に基づいて、LW信号80fを生成する。音声信号処理回路87は、R1信号80b’,R2信号80e’およびC信号80c’をRW信号生成部87Jに通すことにより、RW信号80gを生成する。RW信号生成部87Jは、R1信号80b’,R2信号80e’およびC信号80c’に基づいて、RW信号80gを生成する。つまり、本実施の形態に係る表示装置2は、5.2chの音響システムとなっている。
【0093】
本実施の形態では、HPF87D,87E,87F,87G,87Hにおけるカットオフ周波数が、小音量時には、f1となっており、大音量時には、f2(>f1)となる。このようにすることにより、大音量時に、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号がカット(または減衰)される。その結果、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号によって表示セル11に画面揺れが生じるのを抑えることができる。
【0094】
なお、本実施の形態において、音声信号処理回路87は、HPF87D,87E,87F,87G,87Hにおけるカットオフ周波数を、音量の大きさに応じて変動させてもよい。音声信号処理回路87は、例えば、HPF87D,87E,87F,87G,87Hにおけるカットオフ周波数を、音量が大きくなるにつれて大きくしてもよい。このようにすることにより、その結果、L信号SLおよびR信号SRに含まれる低音域の信号によって表示セル11に画面揺れが生じるのを効果的に抑えることができる。
【0095】
また、本実施の形態では、C信号80cを用いて、L1信号80a’,L2信号80d’およびR1信号80b’,R2信号80e’を補正することにより得られた信号(LW信号80f,RW信号80g)が、低音域スピーカ部60に供給される。これにより、加振器21a,21b,21c,21d,21eの特性に適したウーハ―特性の音声信号を低音域スピーカ部60に供給することができる。従って、低音域の音声品質を向上させることができる。
【0096】
本実施の形態において、加振点17a,17b,17c,17d,17eおよび低音域スピーカ61a,61bの位置は、表示セル11の左右方向において対称(左右対称)となっていることが好ましい。ここで、加振点17a,17b,17c,17d,17eおよび低音域スピーカ61a,61bを振動源と総称したときに、互いに隣接する2つの振動源の、面内における距離が、互いに等しくなっていることが好ましい。例えば、図26に示したように、加振点17cが表示セル11の左右方向における中心位置に配置されており、かつ、加振点17a,17b,17c,17d,17eおよび低音域スピーカ61a,61bを振動源と総称したときに、互いに隣接する2つの振動源の、面内における距離(Da,Db,Dc,Dd,De,Df,Dg,Dh)が、互いに等しくなっていることが好ましい。
【0097】
なお、距離Daは、加振点17cと低音域スピーカ61aとの、面内における距離である。距離Dbは、低音域スピーカ61aと加振点17aとの、面内における距離である。距離Dcは、低音域スピーカ61aと加振点17dとの、面内における距離である。距離Ddは、加振点17aと加振点17dとの、面内における距離である。距離Deは、加振点17cと低音域スピーカ61bとの、面内における距離である。距離Dfは、低音域スピーカ61bと加振点17bとの、面内における距離である。距離Dgは、低音域スピーカ61bと加振点17eとの、面内における距離である。距離Dhは、加振点17bと加振点17eとの、面内における距離である。
【0098】
このようにすることにより、全ての加振点17a,17b,17c,17d,17eおよび低音域スピーカ61a,61bの位相を合わせることができる。その結果、音声品質を向上させることができる。
【0099】
なお、図26には、1つの加振点17aしか示されていないが、2つの加振点17a、または3つ以上の加振点17aが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図26には、1つの加振点17bしか示されていないが、2つの加振点17b、または3つ以上の加振点17bが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図26には、1つの加振点17cしか示されていないが、2つの加振点17c、または3つ以上の加振点17cが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図26には、1つの加振点17dしか示されていないが、2つの加振点17d、または3つ以上の加振点17dが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図26には、1つの加振点17eしか示されていないが、2つの加振点17e、または3つ以上の加振点17eが互いに隣接して設けられていてもよい。
【0100】
また本実施の形態において、音声信号処理回路87は、さらに、例えば、図27に示したように、L1C信号生成部87K、L2C信号生成部87L、R1C信号生成部87MおよびR2C信号生成部87Nを有していてもよい。
【0101】
音声信号処理回路87は、L1信号80a’およびC信号80c’をL1C信号生成部87Kに通すことにより、HPF87Dに入力する信号(L1C信号80h’)を生成する。L1C信号生成部87Kは、L1信号80a’およびC信号80c’に基づいて、L1C信号80h’を生成する。音声信号処理回路87は、L2信号80d’およびC信号80c’をL2C信号生成部87Lに通すことにより、HPF87Eに入力する信号(L2C信号80i’)を生成する。L2C信号生成部87Lは、L2信号80d’およびC信号80c’に基づいて、L2C信号80i’を生成する。音声信号処理回路87は、R1信号80b’およびC信号80c’をR1C信号生成部87Mに通すことにより、HPF87Fに入力する信号(R1C信号80j’)を生成する。LC信号生成部87Mは、R1信号80b’およびC信号80c’に基づいて、R1C信号80j’を生成する。音声信号処理回路87は、R2信号80e’およびC信号80c’をR2C信号生成部87Nに通すことにより、HPF87Gに入力する信号(R2C信号80k’)を生成する。LC信号生成部87Nは、R2信号80e’およびC信号80c’に基づいて、R2C信号80k’を生成する。
【0102】
L1C信号生成部87Kは、小音量時には、L1信号80a’を出力し、大音量時には、L1C信号80h’を出力する。L2C信号生成部87Lは、小音量時には、L1信号80d’を出力し、大音量時には、L1C信号80i’を出力する。R1C信号生成部87Mは、小音量時には、R1信号80b’を出力し、大音量時には、R1C信号80j’を出力する。R2C信号生成部87Nは、小音量時には、R2信号80e’を出力し、大音量時には、R2C信号80k’を出力する。このように、本変形例では、小音量時には、L1信号80a,L2信号80d、R1信号80bおよびR2信号80eが加振点17a,17b,17d,17eに供給され、大音量時には、C信号30cを用いて補正されたL1C信号80h,L2C信号80i,R1C信号80jおよびR2C信号80kが、加振点17a,17b,17d,17eに供給される。これにより、常にL1信号80a,L2信号80d,R1信号80bおよびR2信号80eを加振器21a,21b,21d,21eに供給した場合と比べて、大音量時にも、LCRチャネルの音圧バランスを保つことができる。従って、音声品質を向上させることができる。
【0103】
L1C信号生成部87K,L2C信号生成部87L,R1C信号生成部87MおよびR2C信号生成部87Nにおける、出力信号の切り替えは、例えば、音声デバイスドライバ38の出力端に、パネル部10の代わりに抵抗器を接続し、その抵抗器に流れる信号をシグナルアナライザ等で解析することにより、特定することが可能である。
【0104】
<4.上記各実施の形態に共通の変形例>
次に、上記各実施の形態およびその変形例に係る表示装置1,2に共通の変形例について説明する。
【0105】
上記第1の実施の形態およびその変形例に係る表示装置1が、5.1chの音響システムにおけるスピーカの1つとして用いることができるように構成されている場合について説明する。上記第1の実施の形態およびその変形例に係る表示装置1が、例えば、図28に示したように、外部のアンプ160からの音声信号の入力ポート1Aを備えている。入力ポート1Aには、例えば、Cチャネルの音声信号が入力される。入力ポート1Aは、例えば、図29に示したように、信号処理部30の音声信号処理回路37に接続されている。音声信号処理回路37は、入力ポート1Aに入力された信号(例えば、Cチャネルの音声信号)を、例えば、加振器21a,21b,21cや、低音域スピーカ61a,61bに出力する。
【0106】
音響システム100は、Rスピーカ110、Lスピーカ120、SRスピーカ130、SLスピーカ140、SWFスピーカ150、上記第1の実施の形態およびその変形例に係る表示装置1、およびアンプ160によって構成されている。音響システム100において、表示装置1は、入力ポート1Aにアンプ160からの音声信号が入力されることにより、例えばCチャネルのスピーカとして機能し得る。
【0107】
なお、図28には、1つの加振器21aしか示されていないが、2つの加振器21a、または3つ以上の加振器21aが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図28には、1つの加振器21bしか示されていないが、2つの加振器21b、または3つ以上の加振器21bが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図28には、1つの加振器21cしか示されていないが、2つの加振器21c、または3つ以上の加振器21cが互いに隣接して設けられていてもよい。
【0108】
次に、上記第2の実施の形態およびその変形例に係る表示装置2が、5.1chの音響システムにおけるスピーカの1つとして用いることができるように構成されている場合について説明する。上記第2の実施の形態およびその変形例に係る表示装置2が、例えば、図30に示したように、外部のアンプ160からの音声信号の入力ポート1Aを備えている。入力ポート1Aには、例えば、Cチャネルの音声信号が入力される。入力ポート1Aは、例えば、図31に示したように、信号処理部80の音声信号処理回路87に接続されている。音声信号処理回路87は、入力ポート1Aに入力された信号(例えば、Cチャネルの音声信号)を、例えば、加振器21a,21b,21c,21d,21eや、低音域スピーカ61a,61bに出力する。
【0109】
音響システム100は、Rスピーカ110、Lスピーカ120、SRスピーカ130、SLスピーカ140、SWFスピーカ150、上記第2の実施の形態およびその変形例に係る表示装置2、およびアンプ160によって構成されている。音響システム100において、表示装置2は、入力ポート1Aにアンプ160からの音声信号が入力されることにより、例えばCチャネルのスピーカとして機能し得る。
【0110】
なお、図30には、1つの加振器21aしか示されていないが、2つの加振器21a、または3つ以上の加振器21aが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図30には、1つの加振器21bしか示されていないが、2つの加振器21b、または3つ以上の加振器21bが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図30には、1つの加振器21cしか示されていないが、2つの加振器21c、または3つ以上の加振器21cが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図30には、1つの加振器21dしか示されていないが、2つの加振器21d、または3つ以上の加振器21dが互いに隣接して設けられていてもよい。同様に、図30には、1つの加振器21eしか示されていないが、2つの加振器21e、または3つ以上の加振器21eが互いに隣接して設けられていてもよい。
【0111】
上記第1および第2の実施の形態およびそれらの変形例において、例えば、図32図33に示したように、支持部40および回動部50が省略されていてもよい。ただし、この場合には、上記第1および第2の実施の形態およびそれらの変形例に係る表示装置1,2を、壁などに設けられたフックに掛けるための凹部30Bがリアカバー10Rに設けられていることが好ましい。なお、テーブルトップスタンドに、上記第1および第2の実施の形態およびそれらの変形例に係る表示装置1,2を置く場合には、上述の凹部30Bがなくてもかまわない。
【0112】
上記第1および第2の実施の形態およびそれらの変形例において、表示装置1,2が、7.3chの音響システムとなっていてもよい。
【0113】
以上、実施の形態およびその変形例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0114】
また、例えば、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)
映像を表示する薄板状の表示セルと、
前記表示セルの裏面側に配置され、前記表示セルを振動させるM個の加振器と、
前記表示セルおよびM個の前記加振器を駆動する駆動部と
を備え、
前記駆動部は、外部信号から得られた音声信号に基づいてM種類の第1音声信号を生成し、M種類の前記第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の前記第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成し、M−O種類の前記第2音声信号と、M種類の前記第1音声信号のうちの1つである第3音声信号とを、M個の前記加振器に供給する
表示装置。
(2)
前記駆動部は、大音量時に、M−O種類の前記第2音声信号と、前記第3音声信号とを、M個の前記加振器に供給する
(1)に記載の表示装置。
(3)
前記駆動部は、小音量時に、M種類の前記第1音声信号を、M個の前記加振器に供給する
(2)に記載の表示装置。
(4)
前記駆動部は、大音量時に、各前記第2音声信号における所定の低域を減衰させることにより生成したM−O種類の第4音声信号をM−O個の前記加振器に供給し、前記第3音声信号における所定の低域を減衰させることにより生成した第5音声信号を、M個の前記加振器のうち前記第4音声信号が供給されない前記加振器に供給する
(1)に記載の表示装置。
(5)
複数の低音域スピーカを更に備え、
M種類の前記加振器および複数の前記低音域スピーカを振動源と総称したときに、互いに隣接する2つの前記振動源の、面内における距離が、互いに等しくなっている
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)
N個の低音域スピーカを更に備え、
前記駆動部は、M−O種類の前記第2音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるN組のJ種類(2≦J≦N)の前記第2音声信号と、前記第3音声信号とに基づいて、組ごとに第6音声信号を生成し、N種類の前記第6音声信号を、N個の前記低音域スピーカに供給する
(1)ないし(5のいずれか1つに記載の表示装置。
(7)
M個の前記加振器には、左加振器、中央加振器および右加振器が含まれ、
M種類の前記第1音声信号には、第1左音声信号、第1中央音声信号および第1右音声信号が含まれ、
M−O種類の前記第2音声信号には、第2左音声信号および第2右音声信号が含まれ、
前記駆動部は、前記音声信号に基づいて前記第1左音声信号、前記第1中央音声信号および前記第1右音声信号を生成し、前記第1左音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2左音声信号を生成し、前記第1右音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2右音声信号を生成し、前記第2左音声信号を前記左加振器に供給し、前記第1中央音声信号を前記中央加振器に供給し、前記第2右音声信号を前記右加振器に供給する
(1)に記載の表示装置。
(8)
前記駆動部は、大音量時に、前記第2左音声信号を前記左加振器に供給し、前記第2右音声信号を前記右加振器に供給する
(7)に記載の表示装置。
(9)
前記駆動部は、小音量時に、前記第1左音声信号を前記左加振器に供給し、前記第1の中央音声信号を前記中央加振器に供給し、前記第1の右音声信号を前記右加振器に供給する
(7)に記載の表示装置。
(10)
M個の前記加振器には、第1左上加振器、第1左下加振器、中央加振器、第1右上加振器および第2右下加振器が含まれ、
M種類の前記第1音声信号には、第1左上音声信号、第1左下音声信号、第1中央音声信号、第1右上音声信号および第1右下音声信号が含まれ、
M−1種類の前記第2音声信号には、第2左上音声信号、第2左下音声信号、第2右上音声信号および第2右下音声信号が含まれ、
前記駆動部は、前記音声信号に基づいて前記第1左上音声信号、前記第1左下音声信号、前記第1中央音声信号、前記第1右上音声信号および前記右下音声信号を生成し、前記第1左上音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2左上音声信号を生成し、前記第1左下音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2左下音声信号を生成し、前記第1右上音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2右上音声信号を生成し、前記第1右下音声信号および前記第1中央音声信号に基づいて前記第2右下音声信号を生成し、前記第2左上音声信号を前記左上加振器に供給し、前記第2左下音声信号を前記左下加振器に供給し、前記第1中央音声信号を前記中央加振器に供給し、前記第2右上音声信号を前記右上加振器に供給し、前記第2右下音声信号を前記右下加振器に供給する
(1)に記載の表示装置。
(11)
前記駆動部は、大音量時に、前記第2左上音声信号を前記左上加振器に供給し、前記第2左下音声信号を前記左下加振器に供給し、前記第2右上音声信号を前記右上加振器に供給し、前記第2右下音声信号を前記右下加振器に供給する
(10)に記載の表示装置。
(12)
前記駆動部は、小音量時に、前記第1左上音声信号を前記左上加振器に供給し、前記第1左下音声信号を前記左下加振器に供給し、前記第1右上音声信号を前記右上加振器に供給し、前記第1右下音声信号を前記右下加振器に供給する
(10)に記載の表示装置。
(13)
外部信号から得られた音声信号に基づいて、M個の加振器に供給するための信号を生成する信号処理部を備え、
前記信号処理部は、前記音声信号に基づいて、M種類の第1音声信号を生成し、M種類の前記第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の前記第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成し、M−O種類の前記第2音声信号と、M種類の前記第1音声信号のうちの1つである第3音声信号とを、M個の前記加振器に供給する
信号生成装置。
【0115】
本開示の一実施形態に係る表示装置および信号生成装置によれば、M種類の第1音声信号から選択される、組み合わせの互いに異なるM−O組のK種類(2≦K<M,1≦O<M−1)の第1音声信号に基づいて、組ごとに第2音声信号を生成するようにしたので、大音量時にも、LCRチャネルの音圧バランスを保つことができる。従って、音質を更に向上させることができる。なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【0116】
本出願は、日本国特許庁において2017年12月28日に出願された日本特許出願番号第2017−254119号および2018年9月18日に出願された日本特許出願番号第2018−174059号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0117】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
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【国際調査報告】