特表-19131489IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年7月4日
【発行日】2021年1月21日
(54)【発明の名称】光学積層体及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/22 20060101AFI20201218BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20201218BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20201218BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20201218BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20201218BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20201218BHJP
   C09B 47/00 20060101ALI20201218BHJP
【FI】
   G02B5/22
   G02B5/30
   H05B33/14 A
   H01L27/32
   H05B33/12 E
   H05B33/02
   G02F1/1335 500
   C09B47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】38
【出願番号】特願2019-561636(P2019-561636)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】特願2017-251802(P2017-251802)
(32)【優先日】2017年12月27日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐▲瀬▼ 光敬
(72)【発明者】
【氏名】大家 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼石 悠
【テーマコード(参考)】
2H148
2H149
2H291
3K107
【Fターム(参考)】
2H148CA01
2H148CA04
2H148CA14
2H148CA19
2H148CA24
2H148CA26
2H149AA02
2H149AA18
2H149AB02
2H149AB12
2H149AB13
2H149BA02
2H149CA02
2H149EA12
2H149FA03W
2H149FA08X
2H149FA08Y
2H149FA12Z
2H149FA51X
2H149FA66
2H149FC08
2H291FA01X
2H291FA01Z
2H291FA94X
2H291FA94Z
2H291FA95X
2H291FA95Z
2H291LA03
2H291LA21
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC07
3K107CC32
3K107CC33
3K107DD03
3K107EE22
3K107EE23
3K107EE26
(57)【要約】
光学積層体は、光学フィルムと接着層とを含み、光学フィルム及び接着層の少なくとも一方に、下記一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物を1種以上含む。

[一般式(1)中、R101a〜R101d及びR102a〜R102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は一般式(X1)〜(X4)で表される基を表し、Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は一般式(Y1)で表される基を表す。]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムと接着層とを含む光学積層体であって、
前記光学フィルム及び前記接着層の少なくとも一方に、下記一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物を1種以上含む、光学積層体。
【化1】

[一般式(1)中、R101a〜R101d及びR102a〜R102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(X1)〜(X4)で表される基を表し、
【化2】

Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(Y1)で表される基を表し、
【化3】

201、R202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
301、R302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
501〜R503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
一般式(X1)〜(X4)及び一般式(Y1)における*は酸素原子との結合部位を表す。]
【請求項2】
前記一般式(1)中、
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は前記一般式(X1)〜(X4)で表される基を表し、
Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は前記一般式(Y1)で表される基を表し、
201、R202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記接着層に前記テトラアザポルフィリン化合物を含む、請求項1又は2に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記接着層は、粘着剤層を含む、請求項3に記載の光学積層体。
【請求項5】
前記光学フィルムに前記テトラアザポルフィリン化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学積層体。
【請求項6】
前記光学フィルムは、保護フィルムである、請求項5に記載の光学積層体。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学積層体と、画像表示素子と、を有する表示装置であって、
前記光学積層体は、前記画像表示素子より視認側に配置される、表示装置。
【請求項8】
液晶表示装置又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学積層体及びそれを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置等の表示装置では、多くの色を表現できるように色域を拡大することが行われている。表示装置における色域を拡大するために、特定の染料を含むフィルム等を用いて色純度を向上することが知られている(特許第4499960号公報(特許文献1)、特開2016−75892号公報(特許文献2)等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4499960号公報
【特許文献2】特開2016−75892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、有機EL表示装置や液晶表示装置等の表示装置に用いた場合にも、光学積層体に入射する光から、特定の波長域に吸収波長を有する光を吸収しつつ、良好な光学耐久性を実現することができる光学積層体及びそれを用いた表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下に示す光学積層体及び表示装置を提供する。
〔1〕 光学フィルムと接着層とを含む光学積層体であって、
前記光学フィルム及び前記接着層の少なくとも一方に、下記一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物を1種以上含む、光学積層体。
【化1】

[一般式(1)中、R101a〜R101d及びR102a〜R102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(X1)〜(X4)で表される基を表し、
【化2】

Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(Y1)で表される基を表し、
【化3】

201、R202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
301、R302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
501〜R503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
一般式(X1)〜(X4)及び一般式(Y1)における*は酸素原子との結合部位を表す。]
〔2〕 前記一般式(1)中、
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は前記一般式(X1)〜(X4)で表される基を表し、
Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は前記一般式(Y1)で表される基を表し、
201、R202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す、請求項1に記載の光学積層体。
〔3〕 前記接着層に前記テトラアザポルフィリン化合物を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の光学積層体。
〔4〕 前記接着層は、粘着剤層を含む、〔3〕に記載の光学積層体。
〔5〕 前記光学フィルムに前記テトラアザポルフィリン化合物を含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光学積層体。
〔6〕 前記光学フィルムは、保護フィルムである、〔5〕に記載の光学積層体。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光学積層体と、画像表示素子と、を有する表示装置であって、
前記光学積層体は、前記画像表示素子より視認側に配置される、表示装置。
〔8〕 液晶表示装置又は有機エレクトロルミネッセンス表示装置である、〔7〕に記載の表示装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明の光学積層体は、有機EL表示装置や液晶表示装置等の表示装置に用いた場合に、光学積層体に入射する光から、特定の波長域に吸収波長を有する光を吸収しつつ、良好な光学耐久性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(a)及び(b)は、光学積層体の一例を示す概略断面図である。
図2】(a)は、有機EL表示装置の一例を示す概略断面図であり、(b)は、液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(光学積層体)
光学積層体は、光学フィルムと接着層とを含む光学積層体であって、光学フィルム及び接着層の少なくとも一方に、後述する一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物(以下、「テトラアザポルフィリン化合物(1)」という場合がある。)を1種以上含む。
【0009】
光学積層体は、光学フィルム及び接着層の少なくともいずれかに、テトラアザポルフィリン化合物(1)を含む。テトラアザポルフィリン化合物(1)は、光学積層体を構成する光学フィルム及び接着層のいずれか1つに含有されていてもよく、2つ以上に含有されていてもよい。光学フィルムや接着層に含有されるテトラアザポルフィリン化合物(1)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。また、光学フィルム及び接着層のうち2以上にテトラアザポルフィリン化合物(1)を含む場合、それぞれに含まれるテトラアザポルフィリン化合物(1)は、互いに同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。
【0010】
光学フィルムにテトラアザポルフィリン化合物(1)を含有させる方法は特に限定されない。例えば、[i]光学フィルムを構成する樹脂と混練してフィルム状に加熱成形する方法、[ii]光学フィルムを構成する樹脂又はこの樹脂の単量体と、テトラアザポルフィリン化合物(1)とを、有機溶剤に分散又は溶解させ、キャスト法等によりフィルム状に成形する方法、を採用することができる。また、[iii]テトラアザポルフィリン化合物(1)をバインダー樹脂や有機溶剤に分散又は溶解させたコーティング液を、樹脂基材フィルムにコーティングしたものを光学フィルムとして用いてもよい。光学フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば1μm〜200μmとすることができる。
【0011】
光学フィルムがテトラアザポルフィリン化合物(1)を含有する場合、その含有量は特に限定されない。例えば、光学フィルムを構成するベースポリマー100質量部に対して、テトラアザポルフィリン化合物(1)を0.001質量部以上とすることができ、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、また、10質量部以下とすることができ、3質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましい。
【0012】
接着層にテトラアザポルフィリン化合物(1)を含有させる方法についても特に限定されず、接着層を構成する接着剤組成物又は粘着剤組成物を調製する際に、テトラアザポルフィリン化合物(1)を添加すればよい。接着層の厚みは特に限定されないが、例えば1μm〜100μmとすることができる。
【0013】
接着層がテトラアザポルフィリン化合物(1)を含有する場合も、その含有量は特に限定されない。例えば、接着層に含まれる接着剤及び/又は粘着剤を構成するベースポリマー100質量部に対して、テトラアザポルフィリン化合物(1)を0.01質量部以上とすることができ、0.1質量部以上であることが好ましく、0.2質量部以上であることがより好ましく、また、10質量部以下とすることができ、5質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以下であることがより好ましい。
【0014】
光学積層体は、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置や液晶表示装置等の表示装置に用いることができ、この表示装置の画像表示素子の視認側に貼合して用いることができる。光学積層体は、光学フィルムと接着層とをそれぞれ1つ以上含むものであれば、その積層構造は特に限定されないが、例えば、図1(a)及び(b)に示す積層構造を有することができる。
【0015】
図1(a)及び(b)は、光学積層体の一例を示す概略断面図である。図1(a)に示す光学積層体10は、有機EL表示装置に用いることができる。光学積層体10は、例えば、画像表示素子用粘着剤層11、位相差フィルム12、粘着剤層13、第1保護フィルム14、偏光フィルム15、第2保護フィルム16をこの順に含むことができる。画像表示素子用粘着剤層11及び粘着剤層13は、いずれも上記した接着層に相当し、位相差フィルム12、第1保護フィルム14、偏光フィルム15、及び第2保護フィルム16は、いずれも上記した光学フィルムに相当する。
【0016】
光学積層体10中の第1保護フィルム14、偏光フィルム15、及び第2保護フィルム16は、偏光板を構成し、第1保護フィルム14及び第2保護フィルム16は、偏光フィルム15との貼合面側に接着層を有していてもよい。画像表示素子用粘着剤層11は、有機EL表示装置の画像表示素子である有機EL素子を含む発光層に貼合するために用いられる。画像表示素子用粘着剤層11の位相差フィルム12とは反対側の面には、図示しないセパレータ(剥離フィルム)が設けられていてもよい。
【0017】
図1(b)に示す光学積層体20は、液晶表示装置に用いることができる。光学積層体20は、例えば、画像表示素子用粘着剤層21、第1保護フィルム24、偏光フィルム25、第2保護フィルム26をこの順に含むことができる。画像表示素子用粘着剤層21は、上記した接着層に相当し、第1保護フィルム24、偏光フィルム25、及び第2保護フィルム26は、いずれも上記した光学フィルムに相当する。
【0018】
光学積層体20中の第1保護フィルム24、偏光フィルム25、及び第2保護フィルム26は、偏光板を構成し、第1保護フィルム24及び第2保護フィルム26は、偏光フィルム25との貼合面側に接着層を有していてもよい。画像表示素子用粘着剤層21は、液晶表示装置の画像表示素子である液晶セルに貼合するために用いられる。画像表示素子用粘着剤層21の第1保護フィルム24とは反対側の面には、図示しないセパレータ(剥離フィルム)が設けられていてもよい。
【0019】
図1(a)及び(b)に示す光学積層体10及び20を構成する光学フィルム及び接着層の少なくともいずれかに、テトラアザポルフィリン化合物(1)を含むことができる。図1(a)に示す光学積層体10では、例えば、画像表示素子用粘着剤層11、粘着剤層13、第1保護フィルム14、第2保護フィルム15のうちの1つ以上に、上記テトラアザポルフィリン化合物を含むことができる。図1(b)に示す光学積層体20では、例えば、画像表示素子用粘着剤層21、第1保護フィルム24、第2保護フィルム25のうちの1つ以上に、テトラアザポルフィリン化合物(1)を含むことができる。
【0020】
図1(a)及び(b)に示す光学積層体10及び20は一例にすぎず、上記以外の積層構造を有するものであってもよい。例えば、第2保護フィルム16,26の偏光フィルム15,25とは反対側の面に、防眩機能付きフィルムや表面反射防止機能付きフィルム等のさらなる層を有していてもよい。また、第1保護フィルム15,25が、位相差フィルムとしての機能を有していてもよく、第2保護フィルム16,26が、防眩機能や表面反射防止機能、位相差フィルムとしての機能等を有していてもよい。
【0021】
上記の光学積層体は、テトラアザポルフィリン化合物(1)を含むため、570〜620nmの波長域に吸収極大波長を有するオレンジ色を示す光を吸収することができる。そのため、上記の光学積層体を、表示装置の画像表示素子の視認側に積層することにより、光学積層体に入射する光から、570〜620nmの波長域に吸収波長を有する光を吸収することができ、光学積層体を透過した光は、光学積層体に入射する光に比較して、緑色の光及び赤色の光の色純度を向上することができる。上記の光学積層体を用いていない従来の表示装置では、緑色の光と赤色の光との分離性が十分ではなかったが、上記の光学積層体を用いた表示装置では、緑色の光と赤色の光との分離性の向上が期待できる。また、上記した光学積層体を表示装置に用いることにより、570〜620nmの波長域に吸収波長を有する光を吸収して色純度を向上しながら、湿熱試験の前後における透過率の変化を小さくすることができるという良好な光学耐久性を実現することができる。
【0022】
以下、光学積層体を構成する各部材について詳述する。
(光学フィルム)
光学フィルムとしては、偏光フィルム;偏光フィルム等の表面を保護するために設けられる保護フィルム;位相差フィルム;位相差フィルム以外の光学補償フィルム;表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止機能付きフィルム;表面に反射機能を有する反射フィルム;反射機能と透過機能とを併せ持つ半透過反射フィルム;光拡散フィルム;ハードコートフィルム等を挙げることができる。光学積層体は、上記した光学フィルムを1種又は2種以上含むことができる。
【0023】
偏光フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂層にヨウ素が配向しているものや、液晶化合物と二色性色素とが配向したもの等を挙げることができる。
【0024】
光学フィルムが、偏光フィルム以外である場合の材料としては、特に限定されないが、透光性を有する(好ましくは光学的に透明な)熱可塑性樹脂であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂として、例えば、鎖状ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等)、環状ポリオレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)等のポリオレフィン系樹脂;トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース及びセルロースアセテートプロピオネート等のセルロースエステル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸メチル等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリビニルアルコール及びポリ酢酸ビニル等のビニルアルコール系樹脂;ポリスチレン系樹脂;これらの混合物、共重合物等を挙げることができる。なお、本明細書において「(メタ)アクリル系」とは、「アクリル系及びメタクリル系の少なくとも1種」を意味する。これらの樹脂は、滑剤、可塑剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、微粒子等の光拡散剤等の添加剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
【0025】
(接着層)
接着層は、光学積層体に含まれる2つの光学フィルムを貼合するものであってもよく、光学積層体を、例えば画像表示素子等の他部材に貼合するためのものであってもよい。接着層は、接着剤で形成された接着剤層、粘着剤で形成された粘着剤層、又は、接着剤及び粘着剤で形成された層とすることができる。
【0026】
接着層に用いることができる接着剤としては、例えば、水系接着剤、活性エネルギー線硬化型接着剤、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。水系接着剤としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤等を挙げることができる。活性エネルギー線硬化型接着剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射することによって硬化する接着剤であり、例えば重合性化合物及び光重合性開始剤を含むもの、光反応性樹脂を含むもの、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含むもの等を挙げることができる。上記重合性化合物としては、光硬化性エポキシ系モノマー、光硬化性(メタ)アクリル系モノマー、光硬化性ウレタン系モノマー等の光重合性モノマーや、これらモノマーに由来するオリゴマー等を挙げることができる。上記光重合開始剤としては、紫外線等の活性エネルギー線を照射して中性ラジカル、アニオンラジカル、カチオンラジカルといった活性種を発生する物質を含むものを挙げることができる。
【0027】
接着層に用いることができる粘着剤としては、従来公知の粘着剤を用いることができる。粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。また、エネルギー線硬化型粘着剤、熱硬化型粘着剤等であってもよい。これらの中でも、透明性、粘着力、信頼性等の観点から、(メタ)アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。
【0028】
アクリル系粘着剤としては、特に限定されるものではないが、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする(50質量%以上含有する)重合体であり、1種類の(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体であってもよく、(メタ)アクリル酸エステルと他の(メタ)アクリル酸エステル等との共重合体であってもよい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル等を挙げることができる。さらに、これらの(メタ)アクリル酸エステルを主体とする重合体には、極性モノマーが共重合されていてもよい。極性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基等の極性官能基を有するモノマーを挙げることができる。アクリル系粘着剤は、重量平均分子量(Mw)が10万以上であるものを用いることができ、60万以上であることが好ましく、通常250万以下である。
【0029】
これらのアクリル系粘着剤は、単独で使用することもできるが、通常、架橋剤と併用される。架橋剤としては、2価又は多価金属イオンであって、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成するもの、ポリアミン化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの、ポリエポキシ化合物やポリオール化合物であって、カルボキシル基との間でエステル結合を形成するもの、ポリイソシアネート化合物であって、カルボキシル基との間でアミド結合を形成するもの等を挙げることができる。中でも、ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
【0030】
接着剤や粘着剤には、さらに各種の添加剤が配合されていてもよい。添加剤としては、シランカップリング剤、帯電防止剤、リワーク剤、粘着性付与樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、腐食剤、微粒子等の光拡散剤等を挙げることができる。
【0031】
(テトラアザポルフィリン化合物)
テトラアザポルフィリン化合物(1)は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
【化4】

[一般式(1)中、R101a〜R101d及びR102a〜R102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(X1)〜(X4)で表される基を表し、
【化5】

Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(Y1)で表される基を表し、
【化6】

201、R202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
301、R302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
501〜R503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
一般式(X1)〜(X4)及び一般式(Y1)における*は酸素原子との結合部位を表す。]
【0032】
上記一般式(1)において、R101a〜R101d及びR102a〜R102dはテトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基である。
101a〜R101dの4つの置換基は同じであることが好ましく、また、R102a〜R102dの4つの置換基は同じであることが好ましい。
すなわち、R101aとR102aとの組み合わせ、R101bとR102bとの組み合わせ、R101cとR102cとの組み合わせ、R101dとR102dとの組み合わせは同じであることが好ましい。
そして、R101aとR102aとの組み合わせ、R101bとR102との組み合わせ、R101cとR102cとの組み合わせ、R101dとR102dとの組み合わせが同じである場合、R101aとR102a、R101bとR102b、R101cとR102c、R101dとR102dの2つの置換基の位置関係が異なる4種類の異性体が存在する。
上記一般式(1)は、4種類の異性体を全て含むことを意味している。また、光学積層体に含まれるテトラアザポルフィリン化合物(1)には、これらの異性体のうち1つのみが含まれていてもよく、複数種類が混合物として含まれていてもよい。
【0033】
101a〜R101d及びR102a〜R102dは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
【0034】
一般式(1)のR101a〜R101d及びR102a〜R102dとしての置換基を有していてもよいアルキル基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。
直鎖、分岐又は環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基等の直鎖状アルキル基;
イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、3−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,5,5−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基、6,6−ジエチルオクチル基、6−メチル−4−ブチルオクチル基、3,5−ジメチルヘプタデシル基、2,6−ジメチルヘプタデシル基、2,4−ジメチルヘプタデシル基、2,2,5,5−テトラメチルヘキシル基等の分岐状アルキル基;
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロペンチル−2,2−ジメチルプロピル基、1−シクロヘキシル−2,2−ジメチルプロピル基等の環状のアルキル基(シクロアルキル基);が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜10の直鎖又は分岐のアルキル基が好ましく、tert−ブチル基がより好ましい。
【0035】
また、置換基を有するアルキル基として、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されているものが挙げられ、その例としては、クロロメチル基、ジクロロメチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。
【0036】
一般式(1)のR101a〜R101d及びR102a〜R102dとしての置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等が挙げられる。
【0037】
また、一般式(1)において、R102a〜R102dが、それぞれ独立に、下記一般式(R1)で表される基であることが好ましい。
【化7】

[一般式(R1)中、R601a〜R601eは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、*はテトラアザポルフィリン骨格との結合部位を表す。]
【0038】
一般式(R1)のR601a〜R601eとしての、置換基を有していてもよいアルキル基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。
一般式(R1)のR601a〜R601eとしての置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
具体的にはフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、カルボキシフェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、ナフチル基、ニトロナフチル基、シアノナフチル基、ヒドロキシナフチル基、メチルナフチル基、フルオロナフチル基、クロロナフチル基、ブロモナフチル基、トリフルオロメチルナフチル基等が挙げられる。
【0039】
一般式(R1)のR601a〜R601eとしての、置換基を有していてもよいアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、iso−ペントキシ基、neo−ペントキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−シクロヘキシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基が挙げられる。
アルコキシ基の水素原子の一部又は全部がハロゲンで置換されているものとして、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ基、1,1,2−トリフルオロエトキシ基、1,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、1−フルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロポキシ基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロポキシ基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブトキシ基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブトキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−1−ヘプチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1−ヘプチルオキシ基、7,7,8,8,8−ペンタフルオロ−1−オクチルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクチルオキシ基、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,10−ノナフルオロ−1−デシルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプタデカフルオロ−1−デシルオキシ基、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ペンタデカフルオロ−1−デシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−トリデカフルオロ−1−ドデシルオキシ基、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,12−ヘニコサフルオロ−1−ドデシルオキシ基、7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,14−ヘプタデカフルオロ−1−テトラデシルオキシ基、1H,1H,2,5−ビス(トリフルオロメチル)−3,6−ジオキサウンデカフルオロ−1−ノニルオキシ基、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)−1−ヘキシルオキシ基、2−(パーフルオロ−1−メチルブチル)−1−エトキシ基、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エトキシ基、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エトキシ基、2H−ヘキサフルオロ−2−プロポキシ基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1−プロポキシ基等が挙げられる。
【0040】
一般式(R1)のR601a〜R601eとしての、置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、例えば、炭素数6〜20のアリールオキシ基が挙げられる。
具体的には、フェノキシ基、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、4−iso−プロピルフェノキシ基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリールオキシ基における置換基は特に限定されず、例えば、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルキル基、炭素数1〜8の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基、アミノ基、モノ−又はジ−アルキルアミノ基(アルキルの炭素数は1〜8)、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0041】
上記を踏まえて、一般式(R1)で表される基の具体例としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基が挙げられる。
【0042】
また、一般式(R1)のR601a〜R601eのうち少なくとも1つは、水素原子以外の置換基であることが好ましい。
【0043】
また、一般式(R1)で表される基として、R601a、R601c及びR601eのうちの少なくとも1つが、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基又は3フッ化メチル基(トリフルオロメチル基)で置換されてなるものが好ましい。
具体的な例としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、3,5−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,4,6−トリトリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラトリフルオロメチルフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロメチルフェニル基、等が挙げられる。
そして、これらの中でも、2−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジトリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジトリフルオロメチルフェニル基が好ましい。
【0044】
テトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基のうち、R101a〜R101dが、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。特に、R101a〜R101dがいずれもtert−ブチル基であることが好ましい。
【0045】
テトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基のうち、R102a〜R102dが、それぞれ独立に、上記一般式(R1)で表される基であることが好ましい。また、R102a〜R102dが、上記一般式(R1)で表される基である場合に、一般式(R1)のR601a〜R601eのうち少なくとも1つは、水素原子以外の置換基であることが好ましい。
特に、R102a〜R102dがいずれも2−フルオロフェニル基であることが好ましい。
【0046】
テトラアザポルフィリン化合物(1)において、中心金属はSiであり、軸配位子としてSiにO(酸素原子)が2つ結合しており、それぞれのOにX又はYが結合した構造を備えている。
以下、軸配位子の構造の一部であるX及びYの好ましい構造の例について説明する。
XとYとは互いに同じ基であってもよく、互いに異なる基であってもよい。
【0047】
Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(X1)〜(X4)で表される基を表す。
一般式(X1)〜(X4)における*は酸素原子との結合部位である。
【化8】

[R201は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
301、R302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、
401は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表し、
501〜R503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
【0048】
Yは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は下記一般式(Y1)で表される基を表す。
一般式(Y1)における*は酸素原子との結合部位である。
【化9】

[R202は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。]
【0049】
X又はYとしての置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
X又はYで表される置換基を有していてもよいアラルキル基としては、4−フルオロベンジル基が挙げられる。
【0050】
一般式(X1)におけるR201、一般式(Y1)におけるR202は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェロセン又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、一般式(R1)のR601a〜R601eとして挙げた置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基が挙げられる。
一般式(X1)におけるR201、一般式(Y1)におけるR202としては、フェニル基、1−エチルペンチル基、3−ニトロフェニル基、4−カルボキシフェニル基、3−カルボキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、フェロセン等が好ましい。
【0051】
一般式(X2)におけるR301、R302は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
【0052】
一般式(X3)におけるR401は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、一般式(R1)のR601a〜R601eとして挙げた置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基が挙げられる。
【0053】
一般式(X4)におけるR501〜R503は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
【0054】
X及びYにおける置換基を有していてもよいアリール基は、下記一般式(2)で表される基であることが好ましい。
【化10】

[一般式(2)におけるR701は、−CO701a、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシ基、含窒素ヘテロ環含有基又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、nは、0〜5の整数を表し、R701aは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。nが2以上の整数である場合、複数のR701はそれぞれ同一であってもよく互いに異なっていてもよい。]
【0055】
また、テトラアザポルフィリン化合物(1)は、一般式(1)において、XとYとのどちらか一方が一般式(2)で表される基であり、もう一方が他の基であってもよい。
【0056】
一般式(2)におけるnは0〜5の整数である。nが0の場合、一般式(2)はフェニル基を表す。
nが2以上の整数の場合、複数のR701は同じであってもよく、異なっていてもよい。
nが1である場合、酸素原子との結合部位*に対するR701の位置は、p−位であることが好ましい。
【0057】
701が置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基である場合、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、一般式(R1)のR601a〜R601eとして挙げた置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基が挙げられる。
【0058】
701が置換基を有していてもよいアルキル基である場合、置換基を有していてもよいアルキル基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基が挙げられる。
【0059】
701が−CO701aである場合、R701aが水素原子であると−CO701aはカルボキシル基を表し、R701aが置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基であるとCO701aはアシルオキシ基を表す。
701aが置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基である場合、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基としては、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。
【0060】
701で表される含窒素ヘテロ環含有基としては、ピペラジル基等が挙げられる。
【0061】
これらの基の中から、一般式(2)で表される基としては、4−カルボキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、3,5−ジヒドロキシフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、4−ピペラジルフェニル基、4−(3,5−ジメチル)ヒドロキシフェニル基、4−(2,3,5−トリメチル)ヒドロキシフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、3−ニトロフェニル基、3−カルボキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、フェニル基が好ましく、3−ニトロフェニル基、4−カルボキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基がより好ましく、4−カルボキシフェニル基又はフェニル基であることがさらに好ましく、4−カルボキシフェニル基であることが特に好ましい。
【0062】
一般式(1)において、X及びYは、少なくともいずれか一方が置換基を有していてもよいアリール基又は式(X1)で表される基(好ましくはR201が置換基を有していてもよいアルキル基)であることが好ましく、両者ともそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基又は式(X1)で表される基(好ましくはR201が置換基を有していてもよいアルキル基)であることがより好ましい。
また、一般式(1)において、X及びYは、少なくともいずれか一方が一般式(2)で表される基であることが好ましく、両者ともそれぞれ独立に、一般式(2)で表される基であることがより好ましい。
一般式(1)において、X及びYは、両者とも3−ニトロフェニル基、4−カルボキシフェニル基、4−シアノフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基又はフェニル基であることが好ましく、4−カルボキシフェニル基又はフェニル基であることがとりわけ好ましく、両者とも4−カルボキシフェニル基であることが特に好ましい。
【0063】
テトラアザポルフィリン化合物(1)は、通常、590nm付近のオレンジ色を示す光を吸収する化合物であるが、その吸収極大波長が570〜620nmであることが好ましい。
テトラアザポルフィリン化合物(1)の吸収極大波長は、テトラアザポルフィリン骨格に結合する置換基を変更することによって変化させることができる。また、吸収極大波長の好ましい上限値は620nmであって、より好ましい上限値は615nmである。また、吸収極大波長の好ましい下限値は570nmであり、より好ましい下限値は575nmである。
吸収極大波長は分光光度計により測定することができる。
【0064】
テトラアザポルフィリン化合物(1)は、一般式(1)において、X及びYの少なくとも一方が一般式(2)で表される基であることが好ましい。
X及びYの少なくとも一方が一般式(2)で表される基であるとテトラアザポルフィリン化合物からの蛍光発光を抑制することができるため、色調に影響を与える余計な光が生じることが防止される。
蛍光強度は、蛍光分光光度計を用いて、吸収極大波長を励起波長として蛍光スペクトルを測定することにより評価することができ、蛍光強度が弱い方が好ましい。
【0065】
(テトラアザポルフィリン化合物の製造方法)
テトラアザポルフィリン化合物(1)は、以下の手順により製造することができる。
まず、下記一般式(4)で示される1,2−ジシアノエチレン化合物のシス体から、下記一般式(5)で示されるジイミノイソピロール誘導体を得る。
一般式(4)で示される1,2−ジシアノエチレン化合物のシス体を得る方法は特開平11−043619号公報に記載の方法を採用することができ、一般式(5)で示されるジイミノイソピロール誘導体を得る方法は特開平02−000665号公報に記載の方法を採用することができる。
【化11】

【化12】

[一般式(4)及び一般式(5)中、R101及びR102は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。具体的には、R101a〜R101d及びR102a〜R102dの例として挙げた置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基が挙げられる。]
【0066】
続いて、一般式(5)で示されるジイミノイソピロール誘導体をSi源(例えばSiCl)と混合して加熱することにより環化反応させ、加水分解することにより、中心金属がSiであるテトラアザポルフィリン化合物を得る。
ここで得られるテトラアザポルフィリン化合物はSiの軸配位子がOH基である化合物(一般式(1)におけるXとYとがいずれもHである化合物)である。
【0067】
上記で得られた化合物に対して、軸配位子を置換したい構造を有する化合物を加えて還流する等の方法により、XとYとを水素原子から他の置換基に置換することができる。
例えば、カルボン酸やフェノール類を加えることによりカルボキシル基又はフェノール性水酸基とSiの軸配位子のOH基との間で脱水縮合を生じさせて、XとYとを水素原子から他の置換基に置換することができる。
【0068】
上記置換に用いるカルボン酸、フェノール類としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、フェノール類、ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
具体的には、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ニトロ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フェノール、エチルヘキサン酸、レゾルシノール、フロログルシノール、3,5−ジフルオロフェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、2,6−ジメチルヒドロキノン、トリメチルヒドロキノン、4−フルオロベンジルアルコール、4−t−ブチルフェノール、3−ニトロフェノール、4−シアノフェノール、4−トリフルオロメチルフェノール等が挙げられる。また、上記置換に用いる化合物としてヒドロキシ基やカルボキシ基を有するフェロセン類を使用してもよい。具体的にはヒドロキシメチルフェロセン、フェロセンカルボン酸等が挙げられる。
【0069】
(表示装置)
上記した光学積層体は、有機EL表示装置、液晶表示装置、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)表示装置、電子放出表示装置等の表示装置に好適に用いることができる。光学積層体を、表示装置の画像表示素子よりも視認側に配置することにより、光学積層体に入射する光のうち、テトラアザポルフィリン化合物(1)が570〜620nmの波長域に吸収極大波長を有するオレンジ色を示す光を吸収することができる。これにより、光学積層体を透過した光は、光学積層体を透過しない場合に比較して、緑色の光及び赤色の光の色純度が高くなるため、表示装置において表現できる色域を拡大することができる。上記光学積層体を用いていない従来の表示装置では、緑色の光と赤色の光との分離性が十分ではなかったが、上記した光学積層体を用いた表示装置では、緑色の光と赤色の光との分離性を向上することが期待できる。また、上記した光学積層体を用いた表示装置では、570〜620nmの波長域に吸収波長を有する光を吸収することによって色域を広げつつ、良好な光学耐久性を実現することができる。
【0070】
図2(a)及び(b)は、光学積層体を備えた表示装置の一例を示す概略断面図である。図2(a)に示す表示装置は、図1(a)に示す光学積層体10と、有機EL素子を含む発光層である画像表示素子1とを含む有機EL表示装置である。光学積層体10は、画像表示素子用粘着剤層11を介して、画像表示素子1の視認側に配置することができる。
【0071】
図2(b)に示す表示装置は、図1(b)に示す光学積層体20と、液晶層を含む液晶セルである画像表示素子2とを含む液晶表示装置である。光学積層体20は、画像表示素子用粘着剤層21を介して、画像表示素子2の視認側に配置することができる。
【実施例】
【0072】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。実施例、比較例中の「%」及び「部」は、特記しない限り、質量%及び質量部である。
【0073】
[重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定]
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法で行った。具体的には、GPC装置にカラムとして、東ソー(株)製の「TSKgel XL」を4本と、及び昭和電工(株)製で昭光通商(株)が販売する「Shodex GPC KF−802」を1本との計5本を直列につないで配置し、溶出液としてテトラヒドロフランを用い、試料濃度5mg/mL、試料導入量100μL、温度40℃、流速1mL/分の条件で、標準ポリスチレン換算により、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。得られた測定値に基づき、多分散度(Mw/Mn)を算出した。
【0074】
[ゲル分率の測定]
実施例及び比較例で得られた粘着剤シートを、得られた直後から23℃で7日間放置した後、下記(i)〜(iv)の手順でゲル分率を測定した。
(i)粘着剤シートを約8cm×約8cmのサイズに裁断し、第2セパレータを剥離して露出した粘着剤層と、約10cm×約10cmのサイズのSUS304からなる金属メッシュとを貼合し、そこから第1セパレータを剥離して貼合物を得る。このとき、金属メッシュの質量をWm[g]とする。
(ii)上記(i)で得られた貼合物を秤量し、貼合物の質量をWs[g]とする。次に、貼合物の粘着剤層を包み込むように4回折りたたんでステープラーで留めて秤量し、ステープラーで留めた貼合物の質量をWb[g]とする。
(iii)ガラス容器に、上記(ii)でステープラーで留めた貼合物を入れ、酢酸エチル60mLを加えて浸漬した後、このガラス容器を室温で3日間保管する。
(iv)上記(iii)での保管後、ガラス容器から、ステープラーで留めた貼合物を取り出し、温度120℃で4時間乾燥した後に秤量し、その質量をWa[g]とする。上記で得た各質量の値から、下記式:
ゲル分率[質量%]=〔{Wa−(Wb−Ws)−Wm}/(Ws−Wm)〕×100に基づいて、ゲル分率を算出する。
【0075】
[粘着力の評価]
(常温粘着力の測定)
実施例及び比較例で得られた粘着剤付き偏光板を、偏光フィルムの吸収軸が長辺となるように、サイズ150mm×25mmに裁断した。裁断した粘着剤付き偏光板から第1セパレータを長さ方向に30mm残して剥がし、露出した粘着剤層を、厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製の「Eagle XG」)の中央部に貼り合わせて試験片を得た。得られた試験片を、オートクレーブ中、温度50℃、圧力5kgf/cm(490.3kPa)で20分間加圧した後、温度23℃、相対湿度55%の環境下に24時間保管し、これを評価用サンプル(常温用)とした。
【0076】
次いで、評価用サンプル(常温用)のガラス基板と粘着剤層との間を、長さ方向に端から30mm剥離し、その剥離部分を万能引張試験機((株)島津製作所製の商品名「AGS−50NX」)のつかみ部で把持した。この状態の評価用サンプル(常温用)について、温度23℃、相対湿度55%の環境下にて、JIS K 6854−2:1999「接着剤−はく離接着強さ試験方法−第2部:180度はく離」に準じて、つかみ移動速度300mm/分で180度はく離試験を行い、つかみ部の30mmを除く120mmの長さにわたる平均剥離力を求めて、これを常温粘着力とした。
【0077】
(加温粘着力の測定)
上記試験片を、オートクレーブ後に50℃の乾燥雰囲気下で48時間放置した後、温度23℃、相対湿度55%の環境下に戻して評価用サンプル(加温用)とし、この評価用サンプル(加温用)を用いて平均剥離力を求め、これを加温粘着力としたこと以外は、上記の常温粘着力の測定と同様の手順で、加温粘着力を求めた。
【0078】
[光学耐久性評価サンプルの作製]
実施例及び比較例で得られた粘着剤層付き偏光板を、30mm×30mmのサイズに裁断し、第1セパレータを剥がし、露出した粘着剤層を、40mm×40mmの無アルカリガラス基板(コーニング社製の「Eagle XG」)に貼着して、光学耐久性評価用サンプルを作製した。
【0079】
[湿熱光学耐久性の評価]
作製した光学耐久性評価用サンプルを、温度50℃、圧力5kgf/cm(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理した後に初期の透過率(Ts)及び最大吸収波長を測定した。その後、初期の透過率(Ts)を測定した光学耐久性評価用サンプルを、温度60℃、相対湿度90%の環境下に240時間投入した後、温度23℃、相対湿度55%の環境下に24時間静置して、湿熱試験後の波長380nm〜780nmにおける透過率(Ta)を測定した。なお、透過率の測定は、いずれも紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)社製「V7100」)を用いて行った。
【0080】
[耐熱光学耐久性の評価]
光学耐久性評価用サンプルを温度80℃の環境下に240時間投入した以外は、湿熱光学耐久性の評価と同一の方法にて耐熱試験後の波長380nm〜780nmにおける透過率(Ta)を測定した。また、耐熱試験の実施前後に得られた透過率データより指定された条件(2°視野、C光源)を用い、色彩計算を実施し、L*a*b*色表系に基づき、耐熱試験前の明度L*(s)、単体色相a*(s)、b*(s)、及び耐熱試験後の明度L*(a)、単体色相a*(a)、b*(a)を得た。この結果から下式を用いて色差(ΔE*)を算出した。なお、透過率の測定は、いずれも紫外可視近赤外分光光度計(日本分光(株)社製「V7100」)を用いて行った。
色差ΔE*=((L*(a)−L*(s))+(a*(a)−a*(s))+(b*(a)−b*(s))))1/2
【0081】
[視感度補正透過率の相対値評価]
[湿熱光学耐久性の評価]で得られた初期の透過率(Ts)の最大吸収波長における透過率が互いに等しい実施例1及び参考例1に関し、参考例1で得た粘着剤付き偏光板4を用いた場合に得られる視感度補正透過率を100として、実施例1で得た粘着剤付き偏光板1を用いた場合に得られる視感度補正透過率の相対値として算出した。
【0082】
[製造例1]
((メタ)アクリル系樹脂の製造)
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、溶媒としての酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル69.5部、アクリル酸メチル20.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、アクリル酸2−(2−フェノキシエトキシ)エチル8.0部、N−ブトキシメチルアクリルアミド0.6部並びにアクリル酸0.9部の混合溶液を仕込み、窒素ガスで反応容器内の空気を置換して酸素不含としながら内温を55℃に上げた。その後、アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.14部を酢酸エチル10部に溶かした溶液を全量添加した。この溶液の添加後1時間、内温を55℃に保持し、次いで内温を55℃に保ちながら酢酸エチルを添加速度17.3部/hrで反応容器内へ連続的に加え、(メタ)アクリル系樹脂の濃度が35%となった時点で酢酸エチルの添加を止めて8時間重合させた。最後に(メタ)アクリル系樹脂の濃度が20%となるように酢酸エチルを加えて、(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られた(メタ)アクリル系樹脂について、重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は143万であり、多分散度(Mw/Mn)は4.5であった。
【0083】
[製造例2]
(式(I)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物の製造)
特開平11−043619に記載の方法と同様にして得た2−tert−ブチル−3−(2−フルオロフェニル)マレオニトリル(式(x)で表される化合物)(11.4g)から、特開平02−000665に記載の方法と同様にして、式(y)で表されるジイミノイソピロール誘導体(8.2g)を得た。
【化13】
【0084】
次いで、冷却管、温度計、攪拌機を取り付けた反応器に、キノリン(20ml)、SiCl(2.38g)を仕込み、120℃でジイミノイソピロール誘導体2.45gを加え、150℃で3時間反応させた。反応液を80℃で希塩酸に投入して析出物を濾別し、メタノールで洗浄して、一般式(1)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物において、R101a〜R101dがいずれもtert−ブチル基であり、R102a〜R102dがいずれも2−フルオロフェニル基であり、X及びYがいずれも水素原子である化合物(a)を0.8g得た。
【0085】
続いて、冷却管、温度計、攪拌機を取り付けた25ml反応器に、化合物(a)(2.0g)、メシチレン(10ml)、4−ヒドロキシ安息香酸(1.5g)を仕込み、2時間還流させた。放冷して反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、式(I)で表される構造のテトラアザポルフィリン化合物を1.2g得た。
【化14】
【0086】
[参考製造例1]
(式(II)で表されるテトラアザポルフィリン化合物の製造)
特開平11−43619号公報に記載の方法で合成した。
【化15】
【0087】
〔実施例1〕
(1)粘着剤組成物1の調製
製造例1で得た(メタ)アクリル系樹脂の固形分100部に対し、架橋剤(東ソー(株)から入手した「コロネートL」(トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液:固形分濃度75質量%))を固形分換算で0.4部、シラン化合物(信越化学工業(株)から入手した「KBM−403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を0.5部、帯電防止剤としてN−ヘキシル−4−メチルピリジニウム6フッ化リンを2.3部、式(I)に示すテトラアザポルフィリン化合物を0.25部混合し、さらに固形分濃度が14%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物1の溶液を調製した。
【0088】
(2)粘着剤シート1の作製
離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなる第1セパレータ(リンテック(株)から入手した「PLR−382190」)の離型処理面に、アプリケータを用いて、粘着剤組成物1を乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて粘着剤層を作製した。この粘着剤層上に、離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなる第2セパレータ(リンテック(株)から入手した「PLR−251130」)の離型処理面を貼り合わせ、粘着剤シート1とした。得られた粘着剤シート1を用いてゲル分率を測定した。その結果を表1に示す。
【0089】
(3)粘着剤層付き偏光板1の作製
一軸延伸ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素が吸着配向された厚み23μmの偏光フィルムの片面に(メタ)アクリル系樹脂からなる厚み60μmの保護フィルムを、他方の面に(メタ)アクリル系樹脂からなる厚み40μmの位相差フィルムを、活性エネルギー線硬化性接着剤を介して貼合することにより偏光板を作製した。
【0090】
離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなる第1セパレータ(リンテック(株)から入手した「PLR−382190」)の離型処理面に、粘着剤シート1と同様にして粘着剤層を作製した。作製した粘着剤層の露出面と、作製した偏光板の位相差フィルムの外面とを、ラミネータにより貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度65%の環境下で7日間養生して、粘着剤層付き偏光板1を得た。得られた粘着剤層付き偏光板1を用いて、粘着力、最大吸収波長及び湿熱光学耐久性を評価した。その結果を表1に示す。また、視感度補正透過率の相対値評価も行った。その結果を表2に示す。
【0091】
〔実施例2〕
(1)粘着剤組成物2の調製
式(I)に示すテトラアザポルフィリン化合物の添加量を0.5部としたこと以外は、実施例1の(1)に記載の手順と同様にして粘着剤組成物2を調製した。
【0092】
(2)粘着剤シート2の作製
粘着剤組成物1に代えて、粘着剤組成物2を用いたこと以外は、実施例1の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤シート2を得た。得られた粘着剤シート2を用いてゲル分率を測定した。その結果を表1に示す。
【0093】
(3)粘着剤層付き偏光板2の作製
粘着剤シート1に代えて、粘着剤シート2を用いたこと以外は、実施例1の(3)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板2を得た。得られた粘着剤層付き偏光板2を用いて、粘着力、最大吸収波長及び湿熱光学耐久性を評価した。その結果を表1に示す。
【0094】
〔比較例1〕
(1)粘着剤組成物3の調製
式(I)に示すテトラアザポルフィリン化合物を添加しないこと以外は、実施例1の(1)に記載の手順と同様にして粘着剤組成物3を調製した。
【0095】
(2)粘着剤シート3の作製
粘着剤組成物1に代えて、粘着剤組成物3を用いたこと以外は、実施例1の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤シート3を得た。得られた粘着剤シート3を用いてゲル分率を測定した。その結果を表1に示す。
【0096】
(3)粘着剤層付き偏光板3の作製
粘着剤シート1に代えて、粘着剤シート3を用いたこと以外は、実施例1の(3)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板3を得た。得られた粘着剤層付き偏光板3を用いて、粘着力及び湿熱光学耐久性を評価した。その結果を表1に示す。
【0097】
〔参考例1〕
(1)粘着剤組成物4の調製
式(I)に示すテトラアザポルフィリン化合物に代えて、式(II)に示すテトラアザポルフィリン化合物の添加量を0.28部としたこと以外は、実施例1の(1)に記載の手順と同様にして粘着剤組成物4を調製した。
【0098】
(2)粘着剤シート4の作製
粘着剤組成物1に代えて、粘着剤組成物4を用いたこと以外は、実施例1の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤シート4を得た。
【0099】
(3)粘着剤層付き偏光板4の作製
粘着剤シート1に代えて、粘着剤シート4を用いたこと以外は、実施例1の(3)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板4を得た。得られた粘着剤層付き偏光板4を用いて、最大吸収波長の測定、及び、視感度補正透過率の相対値評価を行った。その結果を表2に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
表1に示すとおり、実施例1及び2の粘着剤シート1及び2の粘着剤層のゲル分率や粘着力は良好であり、実施例1及び2の粘着剤層付き偏光板1及び2は、比較例1の粘着剤層付き偏光板3に比較して湿熱条件下における光学耐久性が良好であることがわかる。また、表2に示すように、実施例1の粘着剤シート1は595nmに吸収極大波長を有し、粘着剤シート1の粘着剤層を用いた粘着剤層付き偏光板1では、参考例1の粘着剤層付き偏光板4に比較して視感度補正透過率の低下を抑制できることがわかる。
【0103】
[製造例3]
((メタ)アクリル系樹脂Bの製造)
冷却管、窒素導入管、温度計及び攪拌機を備えた反応容器に、溶媒としての酢酸エチル81.8部、単量体としてアクリル酸ブチル69.6部、アクリル酸メチル20.0部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル1.0部、アクリル酸2−フェノキシエチル8.0部、アクリル酸2−メトキシエチル1.0部並びにアクリル酸0.4部の混合溶液を仕込んだこと以外は、製造例1と同一の重合方法により、(メタ)アクリル系樹脂の酢酸エチル溶液を調製した。得られた(メタ)アクリル系樹脂について、重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は135万であり、多分散度(Mw/Mn)は5.1であった。
【0104】
[製造例4]
4−ヒドロキシ安息香酸を、3−ニトロ安息香酸に変更した以外は製造例2と同様にして、下記式で表される化合物を得た。
【化16】
【0105】
[製造例5]
4−ヒドロキシ安息香酸をイソブタル酸に変更し、メシチレンをジメチルアセトアミドに変更した以外は、製造例2と同様にして下記式で表される化合物を得た。
【化17】
【0106】
[製造例6]
冷却管、温度計、撹拌機を取り付けた反応器に、化合物(a)9.0g、トルエン20ml、4−t−ブチルフェノール8.1gを仕込み、100℃で3時間反応させた。シリカゲルカラムで精製して、下記式で表される化合物を得た。
【化18】
【0107】
[製造例7]
4−ヒドロキシ安息香酸をフェノールに変更した以外は、製造例2と同様にして下記式で表される化合物を得た。
【化19】
【0108】
〔実施例3〕
(1)粘着剤組成物5の調製
製造例3で得た(メタ)アクリル系樹脂Bの固形分100部に対し、架橋剤(東ソー(株)から入手した「コロネートHXR」:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体)を0.6部、シラン化合物(信越化学工業(株)から入手した「KBM−403」;3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)を0.5部、帯電防止剤としてN−ヘキシル−4−メチルピリジニウム6フッ化リンを3部、製造例4で合成したテトラアザポルフィリン化合物を0.25部混合し、さらに固形分濃度が14%となるように酢酸エチルを添加して粘着剤組成物5の溶液を調製した。
【0109】
(2)粘着剤層付き偏光板5の作製
離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルムからなる第1セパレータ(リンテック(株)から入手した「PLR−382190」)の離型処理面に、アプリケータを用いて、粘着剤組成物5を乾燥後の厚みが20μmとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて粘着剤層を作製した。作製した粘着剤層の露出面と、実施例1の(3)に記載の手順と同様にして作製した偏光板の位相差フィルムの外面とを、ラミネータにより貼り合わせた後、温度23℃、相対湿度65%の環境下で7日間養生して、粘着剤層付き偏光板5を得た。得られた粘着剤層付き偏光板5を用いて、粘着力、最大吸収波長、湿熱光学耐久性及び耐熱光学耐久性を評価した。その結果を表3に示す。
【0110】
〔実施例4〕
(1)粘着剤組成物6の調製
製造例4で合成したテトラアザポルフィリン化合物に代えて、製造例2で合成したテトラアザポルフィリン化合物を用いたこと以外は、実施例3の(1)と同様にして粘着剤組成物6を調製した。
【0111】
(2)粘着剤層付き偏光板6の作製
粘着剤組成物5に代えて、粘着剤組成物6を用いたこと以外は、実施例3の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板6を得た。得られた粘着剤層付き偏光板6を用いて、粘着力、最大吸収波長、湿熱光学耐久性及び耐熱光学耐久性を評価した。その結果を表3に示す。
【0112】
〔実施例5〕
(1)粘着剤組成物7の調製
製造例4で合成したテトラアザポルフィリン化合物に代えて、製造例5で合成したテトラアザポルフィリン化合物を用いたこと以外は、実施例3の(1)と同様にして粘着剤組成物7を調製した。
【0113】
(2)粘着剤層付き偏光板7の作製
粘着剤組成物5に代えて、粘着剤組成物7を用いたこと以外は、実施例3の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板7を得た。得られた粘着剤層付き偏光板7を用いて、粘着力、最大吸収波長、湿熱光学耐久性及び耐熱光学耐久性を評価した。その結果を表3に示す。
【0114】
〔実施例6〕
(1)粘着剤組成物8の調製
製造例4で合成したテトラアザポルフィリン化合物に代えて、製造例6で合成したテトラアザポルフィリン化合物を用いたこと以外は、実施例3の(1)と同様にして粘着剤組成物8を調製した。
【0115】
(2)粘着剤層付き偏光板8の作製
粘着剤組成物5に代えて、粘着剤組成物8を用いたこと以外は、実施例3の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板8を得た。得られた粘着剤層付き偏光板8を用いて、粘着力、最大吸収波長、湿熱光学耐久性及び耐熱光学耐久性を評価した。その結果を表3に示す。
【0116】
〔実施例7〕
(1)粘着剤組成物9の調製
製造例4で合成したテトラアザポルフィリン化合物に代えて、製造例7で合成したテトラアザポルフィリン化合物を用いたこと以外は、実施例3の(1)と同様にして粘着剤組成物9を調製した。
【0117】
(2)粘着剤層付き偏光板9の作製
粘着剤組成物5に代えて、粘着剤組成物9を用いたこと以外は、実施例3の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板9を得た。得られた粘着剤層付き偏光板9を用いて、粘着力、最大吸収波長、湿熱光学耐久性及び耐熱光学耐久性を評価した。その結果を表3に示す。
【0118】
〔比較例2〕
(1)粘着剤組成物10の調製
製造例4で合成したテトラアザポルフィリン化合物を添加しないこと以外は、実施例3の(1)と同様にして粘着剤組成物10を調製した。
【0119】
(2)粘着剤層付き偏光板10の作製
粘着剤組成物5に代えて、粘着剤組成物10を用いたこと以外は、実施例3の(2)に記載の手順と同様にして粘着剤層付き偏光板10を得た。得られた粘着剤層付き偏光板10を用いて、粘着力、最大吸収波長、湿熱光学耐久性及び耐熱光学耐久性を評価した。その結果を表3に示す。
【0120】
【表3】
【符号の説明】
【0121】
1,2 画像表示素子、10 光学積層体、11 画像表示素子用粘着剤層(接着層)、12 位相差フィルム(光学フィルム)、13 粘着剤層(接着層)、14 第1保護フィルム(光学フィルム)、15 偏光フィルム(光学フィルム)、16 第2保護フィルム(光学フィルム)、20 光学積層体、21 画像表示素子用粘着剤層(接着層)、24 第1保護フィルム(光学フィルム)、25 偏光フィルム(光学フィルム)、26 第2保護フィルム(光学フィルム)。
図1
図2
【国際調査報告】