再表2019-135326IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年7月11日
【発行日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】過給機
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/00 20060101AFI20201113BHJP
   F16C 35/067 20060101ALI20201113BHJP
   F16C 19/16 20060101ALI20201113BHJP
   F16C 33/58 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
   F02B39/00 J
   F16C35/067
   F16C19/16
   F16C33/58
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
【出願番号】特願2019-563939(P2019-563939)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年11月21日
(31)【優先権主張番号】特願2018-127(P2018-127)
(32)【優先日】2018年1月4日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】采浦 寛
(72)【発明者】
【氏名】小島 英之
(72)【発明者】
【氏名】田中 貴大
(72)【発明者】
【氏名】西井 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】望月 寛己
【テーマコード(参考)】
3G005
3J117
3J701
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005EA16
3G005FA12
3G005GB57
3J117AA05
3J117EA01
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA43
3J701AA54
3J701AA62
3J701BA54
3J701BA56
3J701CA07
3J701FA01
3J701FA44
3J701GA29
(57)【要約】
過給機は、シャフト8に内輪20bおよび内輪21bが取り付けられ、外輪20aおよび外輪21aが軸受孔2bに相対回転可能に設けられたボールベアリング7と、外輪20aおよび外輪21aの外周面、および、軸受孔2bの内周面2cのうち外輪20aおよび外輪21aの外周面と対向する対向面の少なくとも一方に設けられたダンパ部25、26と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受孔が形成されたハウジングと、
一端にタービンインペラが設けられ、他端にコンプレッサインペラが設けられたシャフトと、
前記シャフトに内輪が取り付けられ、外輪が前記軸受孔に相対回転可能に設けられたボールベアリングと、
前記外輪の外周面、および、前記軸受孔の内周面のうち前記外周面と対向する対向面の少なくとも一方に設けられたダンパ部と、
を備える過給機。
【請求項2】
前記ボールベアリングは、正面組合せで前記軸受孔に設けられた一対のアンギュラベアリングを含む請求項1に記載の過給機。
【請求項3】
一対の前記アンギュラベアリングのいずれか一方または双方の外輪には、一対の前記アンギュラベアリングが離隔する方向に位置する外側面に、外周面から内周面まで貫通する溝が形成されている請求項2に記載の過給機。
【請求項4】
前記溝は、前記外輪の径方向に対して傾斜している請求項3に記載の過給機。
【請求項5】
前記アンギュラベアリングは、前記外輪と前記内輪との間に設けられる転動体を保持する保持器を備え、
前記外側面に形成される前記溝の底面は、前記保持器よりも、前記溝が形成される前記外側面側に位置する請求項3または4に記載の過給機。
【請求項6】
前記シャフトは、前記内輪が取り付けられる小径部と、前記小径部よりも径が大きく、前記シャフトと一体成形された、もしくは、前記シャフトに取り付けられた別部材で構成される大径部とを有し、
前記大径部は、前記内輪と対向する大径端面を有し、
前記大径部は、前記大径端面に向かって外径が小さくなる傾斜部を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の過給機。
【請求項7】
前記内輪は、前記大径端面と対向する内輪端面を有し、
前記内輪は、前記内輪端面に向かって外径が小さくなる傾斜部を有し、
前記内輪端面の外径は、前記大径端面の外径と等しい請求項6に記載の過給機。
【請求項8】
前記ボールベアリングは、一対のアンギュラベアリングを含み、
前記ダンパ部は、第1の突起と、前記第1の突起よりも、一対の前記アンギュラベアリングが互いに近接する方向に位置し、前記第1の突起よりも幅が大きい第2の突起と、を含む請求項1から7のいずれか1項に記載の過給機。
【請求項9】
前記第1の突起または前記第2の突起は、前記アンギュラベアリングの接触角を示す中心線の延長線上に設けられる請求項8に記載の過給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
過給機に関する。本出願は2018年1月4日に提出された日本特許出願第2018−000127号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その内容は本出願に援用される。
【背景技術】
【0002】
過給機は、軸受孔が形成されたハウジングを備える。特許文献1に記載の過給機は、軸受孔に環状のケース部が配設される。ケース部の内側には、一対のボールベアリングが組み付けられる。ケース部の外周面には、ダンパ部が設けられる。ダンパ部は、軸受孔との間に供給された潤滑油によってシャフトの振動を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−264526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ボールベアリングをケース部に組み付ける構成では、ケース部の加工や組み付け作業に要するコストが高くなってしまう。
【0005】
本開示の目的は、低コスト化を実現可能な過給機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
課題を解決するために、本開示の一態様に係る過給機は、軸受孔が形成されたハウジングと、一端にタービンインペラが設けられ、他端にコンプレッサインペラが設けられたシャフトと、シャフトに内輪が取り付けられ、外輪が軸受孔に相対回転可能に設けられたボールベアリングと、外輪の外周面、および、軸受孔の内周面のうち外周面と対向する対向面の少なくとも一方に設けられたダンパ部と、を備える。
【0007】
ボールベアリングは、正面組合せで軸受孔に設けられた一対のアンギュラベアリングを含んでもよい。
【0008】
一対のアンギュラベアリングのいずれか一方または双方の外輪には、一対のアンギュラベアリングが離隔する方向に位置する外側面に、外周面から内周面まで貫通する溝が形成されていてもよい。
【0009】
溝は、外輪の径方向に対して傾斜していてもよい。
【0010】
アンギュラベアリングは、外輪と内輪との間に設けられる転動体を保持する保持器を備え、外側面に形成される溝の底面は、保持器よりも、溝が形成される外側面側に位置してもよい。
【0011】
シャフトは、内輪が取り付けられる小径部と、小径部よりも径が大きく、シャフトと一体成形された、もしくは、シャフトに取り付けられた別部材で構成される大径部とを有し、大径部は、内輪と対向する大径端面を有し、大径部は、大径端面に向かって外径が小さくなる傾斜部を有してもよい。
【0012】
内輪は、大径端面と対向する内輪端面を有し、内輪は、内輪端面に向かって外径が小さくなる傾斜部を有し、内輪端面の外径は、大径端面の外径と等しくてもよい。
【0013】
ボールベアリングは、一対のアンギュラベアリングを含み、ダンパ部は、第1の突起と、第1の突起よりも、一対のアンギュラベアリングが互いに近接する方向に位置し、第1の突起よりも幅が大きい第2の突起と、を含んでもよい。
【0014】
第1の突起または第2の突起は、アンギュラベアリングの接触角を示す中心線の延長線上に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、過給機の低コスト化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、過給機の概略断面図である。
【図2】図2は、図1の一点鎖線部分を抽出した図である。
【図3】図3は、本実施形態の外輪の溝の形状を説明するための説明図である。
【図4】図4は、第1変形例の外輪の溝の形状を説明するための説明図である。
【図5】図5は、第2変形例の外輪の溝の形状を説明するための説明図である。
【図6】図6は、軸受孔の内周面にダンパ部が形成される例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について説明する。実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0018】
図1は、過給機Cの概略断面図である。以下では、図1に示す矢印L方向を過給機Cの左側とする。図1に示す矢印R方向を過給機Cの右側とする。図1に示すように、過給機Cは、過給機本体1を備えて構成される。過給機本体1は、ベアリングハウジング(ハウジング)2と、タービンハウジング4と、コンプレッサハウジング6と、を含んで構成される。タービンハウジング4は、ベアリングハウジング2の左側に締結機構3によって連結される。コンプレッサハウジング6は、ベアリングハウジング2の右側に締結ボルト5によって連結される。
【0019】
ベアリングハウジング2の外周面には、突起2aが設けられている。突起2aは、タービンハウジング4側に設けられる。突起2aは、ベアリングハウジング2の径方向に突出する。また、タービンハウジング4の外周面には、突起4aが設けられている。突起4aは、ベアリングハウジング2側に設けられる。突起4aは、タービンハウジング4の径方向に突出する。突起2a、4aは、締結機構3によってバンド締結される。締結機構3は、例えば、突起2a、4aを挟持するGカップリングで構成される。
【0020】
ベアリングハウジング2には、軸受孔2bが形成されている。軸受孔2bは、過給機Cの左右方向に貫通する。軸受孔2bは、シャフト8の一部を収容する。シャフト8には、一対のボールベアリング7が設けられる。軸受孔2bには、一対のボールベアリング7が収容される。シャフト8は、一対のボールベアリング7によって、回転自在に軸支されている。シャフト8の左端部(一端)には、タービンインペラ9が設けられている。タービンインペラ9は、タービンハウジング4に回転自在に収容されている。シャフト8の右端部(他端)には、コンプレッサインペラ10が設けられている。コンプレッサインペラ10は、コンプレッサハウジング6に回転自在に収容されている。
【0021】
コンプレッサハウジング6には、吸気口11が形成されている。吸気口11は、過給機Cの右側に開口する。吸気口11は、不図示のエアクリーナに接続される。ベアリングハウジング2とコンプレッサハウジング6の対向面によって、ディフューザ流路12が形成される。ディフューザ流路12は、空気を昇圧する。ディフューザ流路12は、シャフト8の径方向内側から外側に向けて環状に形成される。ディフューザ流路12は、径方向内側において、コンプレッサインペラ10を介して吸気口11に連通している。
【0022】
コンプレッサハウジング6には、コンプレッサスクロール流路13が設けられている。コンプレッサスクロール流路13は、環状である。コンプレッサスクロール流路13は、例えば、ディフューザ流路12よりもシャフト8の径方向外側に位置する。コンプレッサスクロール流路13は、不図示のエンジンの吸気口と、ディフューザ流路12とに連通している。コンプレッサインペラ10が回転すると、吸気口11からコンプレッサハウジング6内に空気が吸気される。吸気された空気は、コンプレッサインペラ10の翼間を流通する過程において加圧加速される。加圧加速された空気は、ディフューザ流路12およびコンプレッサスクロール流路13で昇圧される。昇圧された空気は、エンジンの吸気口に導かれる。
【0023】
タービンハウジング4には、吐出口14が形成されている。吐出口14は、過給機Cの左側に開口する。吐出口14は、不図示の排気ガス浄化装置に接続される。タービンハウジング4には、接続路15およびタービンスクロール流路16が設けられている。タービンスクロール流路16は、環状である。タービンスクロール流路16は、例えば、接続路15よりもタービンインペラ9の径方向外側に位置する。タービンスクロール流路16は、不図示のガス流入口と連通する。ガス流入口には、不図示のエンジンの排気マニホールドから排出される排気ガスが導かれる。接続路15は、タービンスクロール流路16と吐出口14とを接続する。したがって、ガス流入口からタービンスクロール流路16に導かれた排気ガスは、接続路15およびタービンインペラ9を介して吐出口14に導かれる。吐出口14に導かれる排気ガスは、流通過程においてタービンインペラ9を回転させる。
【0024】
タービンインペラ9の回転力は、シャフト8を介してコンプレッサインペラ10に伝達される。コンプレッサインペラ10が回転すると、のとおりに空気が昇圧される。こうして、空気がエンジンの吸気口に導かれる。
【0025】
図2は、図1の一点鎖線部分を抽出した図である。ベアリングハウジング2は、図2に示すように、軸受構造Sを備えている。軸受構造Sは、軸受孔2bと、一対のボールベアリング7と、シャフト8とを含んで構成される。軸受孔2bには、2つ(一対の)ボールベアリング7が配される。2つのボールベアリング7は、シャフト8の軸方向(以下、単に軸方向と称す)に離隔している。
【0026】
以下、2つのボールベアリング7を区別して称するときは、図2中、左側(タービンインペラ9側)のボールベアリング7をタービン側ベアリング20と称する。図2中、右側(コンプレッサインペラ10側)のボールベアリング7をコンプレッサ側ベアリング21と称する。
【0027】
タービン側ベアリング20は、外輪20aと、内輪20bと、転動体20cと、保持器20dとを備える。内輪20bは、シャフト8の外周面に取り付けられる。内輪20bは、シャフト8と一体回転する。外輪20aは、内輪20bの外径側に設けられる。外輪20aは、軸受孔2bの内周面2cと対向して配される。外輪20aの外周面には、後述するダンパ部25が設けられる。外輪20aと内輪20bの間には、複数の転動体20cが配される。保持器20dは、複数の転動体20cを保持する。保持器20dにより、複数の転動体20cの周方向の間隔が所定間隔に維持される。
【0028】
コンプレッサ側ベアリング21は、外輪21aと、内輪21bと、転動体21cと、保持器21dとを備える。内輪21bは、シャフト8の外周面に取り付けられる。内輪21bは、シャフト8と一体回転する。外輪21aは、内輪21bの外径側に設けられる。外輪21aは、軸受孔2bの内周面2cと対向して配される。外輪21aの外周面には、後述するダンパ部26が設けられる。外輪21aと内輪21bの間には、複数の転動体21cが配される。保持器21dは、複数の転動体21cを保持する。保持器21dにより、複数の転動体21cの周方向の間隔が所定間隔に維持される。
【0029】
本実施形態では、一対のボールベアリング7は、一対のアンギュラベアリングである。図2では、アンギュラベアリングの接触角を示す中心線(以下、結線ともいう)を二点鎖線で示す。結線は、シャフト8の軸方向に垂直な線(面)に対して傾斜している(接触角を有する)。結線は、ボールベアリング7の外輪20a、21aが転動体20c、21cと最も接近する位置と、内輪20b、21bが転動体20c、21cと最も接近する位置と、を結ぶ線である。換言すれば、結線は、外輪20a、21aと転動体20c、21cの接点、および、転動体20c、21cと内輪20b、21bの接点を結ぶ線である。一対のアンギュラベアリングは、シャフト8のラジアル荷重に加えてスラスト荷重を受けることができる。一対のアンギュラベアリングは、それぞれスラスト荷重を受ける方向が互いに逆方向となっている。
【0030】
タービン側ベアリング20の結線は、図2中、二点鎖線で示すように、シャフト8の軸方向に垂直な線に対して、シャフト8の径方向(以下、単に径方向と称す)外側ほど、コンプレッサ側ベアリング21から離れる方向に傾斜している。コンプレッサ側ベアリング21の結線は、図2中、二点鎖線で示すように、シャフト8の軸方向に垂直な線に対して、径方向外側ほど、タービン側ベアリング20から離れる方向に傾斜している。本実施形態において、一対のアンギュラベアリングは、いわゆる正面組合せ(接触角が外輪側に開く向き(逆ハの字方向)の組合せ)で軸受孔2bに配される。
【0031】
内輪20bが転動体20cと最も接近する位置は、内輪20bの軸方向の中心よりもコンプレッサインペラ10側に設けられる。外輪20aが転動体20cと最も接近する位置は、外輪20aの軸方向の中心よりもタービンインペラ9側に設けられる。内輪21bが転動体21cと最も接近する位置は、内輪21bの軸方向の中心よりもタービンインペラ9側に設けられる。外輪21aが転動体21cと最も接近する位置は、外輪21aの軸方向の中心よりもコンプレッサインペラ10側に設けられる。
【0032】
外輪20aは、軸方向の両端面で肉厚(シャフト8の径方向の厚さ)が異なる。外輪20aは、タービンインペラ9側の端面(肉厚側端面)20gと、コンプレッサインペラ10側の端面(肉薄側端面)20fとを備える。端面20gは、端面20fよりも肉厚が大きい。換言すれば、端面20fは、端面20gよりも肉厚が小さい。
【0033】
内輪20bは、軸方向の両端面で肉厚(シャフト8の径方向の厚さ)が異なる。内輪20bは、コンプレッサインペラ10側の端面(肉厚側端面)20hと、タービンインペラ9側の端面(肉薄側端面)20iとを備える。端面20hは、端面20iよりも肉厚が大きい。換言すれば、端面20iは、端面20hよりも肉厚が小さい。内輪20bの外径は、タービンインペラ9側からコンプレッサインペラ10側に向かって大きくなる。外輪20aの内径は、タービンインペラ9側からコンプレッサインペラ10側に向かって大きくなる。
【0034】
ただし、上述した軸方向の両端面で肉厚が異なる構成は、外輪20aおよび内輪20bのうちいずれか一方だけであってもよい。例えば、外輪20aは、軸方向の両端面で肉厚が異なり、内輪20bは、軸方向の両端面で肉厚が等しくてもよい。また、内輪20bは、軸方向の両端面で肉厚が異なり、外輪20aは、軸方向の両端面で肉厚が等しくてもよい。
【0035】
外輪21aは、軸方向の両端面で肉厚(シャフト8の径方向の厚さ)が異なる。外輪21aは、コンプレッサインペラ10側の端面(肉厚側端面)21gと、タービンインペラ9側の端面(肉薄側端面)21fとを備える。端面21gは、端面21fよりも肉厚が大きい。換言すれば、端面21fは、端面21gよりも肉厚が小さい。
【0036】
内輪21bは、軸方向の両端面で肉厚(シャフト8の径方向の厚さ)が異なる。内輪21bは、タービンインペラ9側の端面(肉厚側端面)21hと、コンプレッサインペラ10側の端面(肉薄側端面)21iとを備える。端面21hは、端面21iよりも肉厚が大きい。換言すれば、端面21iは、端面21hよりも肉厚が小さい。内輪21bの外径は、コンプレッサインペラ10側からタービンインペラ9側に向かって大きくなる。外輪21aの内径は、コンプレッサインペラ10側からタービンインペラ9側に向かって大きくなる。
【0037】
ただし、上述した軸方向の両端面で肉厚が異なる構成は、外輪21aおよび内輪21bのうちいずれか一方だけであってもよい。例えば、外輪21aは、軸方向の両端面で肉厚が異なり、内輪21bは、軸方向の両端面で肉厚が等しくてもよい。また、内輪21bは、軸方向の両端面で肉厚が異なり、外輪21aは、軸方向の両端面で肉厚が等しくてもよい。
【0038】
外輪20aは、端面(外側面)20gに溝20jが形成される。端面20gは、外輪20aのうち、一対のボールベアリング7が離隔する方向に位置する。溝20jは、外輪20aの外周面から内周面まで貫通する。外輪21aは、端面(外側面)21gに溝21jが形成される。端面21gは、外輪21aのうち、一対のボールベアリング7が離隔する方向に位置する。溝21jは、外輪21aの外周面から内周面まで貫通する。ただし、溝20j、21jは、外輪20a、21aの両方に設けられなくてもよい。例えば、外輪20aは、溝20jを有し、外輪21aは、溝21jを有さなくてもよい。また、外輪20aは、溝20jを有さずに、外輪21aは、溝21jを有してもよい。すなわち、溝20j、21jは、一対のアンギュラベアリングのいずれか一方または双方の外輪20a、21aのうち、一対のアンギュラベアリングが離隔する方向に位置する端面(外側面)20g、21gに形成されるとよい。また、外輪20a、21aには、溝20j、21jが形成されなくともよい。
【0039】
図3は、本実施形態の外輪20aの溝20jの形状を説明するための説明図である。図3は、図2における外輪20aのIII矢視図である。なお、外輪21aの溝21jの形状は、外輪20aの溝20jと同じ形状である。そのため、以下では、外輪20aの溝20jの形状について説明し、外輪21aの溝21jの形状の説明は省略する。
【0040】
溝20jは、図3に示されるように、外輪20a(あるいは、シャフト8)の径方向に沿って延在する。溝20jは、左側面20jaと、右側面20jbと、底面20jcとを備える。左側面20jaおよび右側面20jbは、外輪20a(あるいは、シャフト8)の径方向に沿って延在する。底面20jcは、外輪20a(あるいは、シャフト8)の径方向と平行で、端面20gと平行な平面である。
【0041】
溝20jの周方向の幅(すなわち、左側面20jaと右側面20jbとの間隔)は、径方向の位置にかかわらず一定である。ただし、溝20jの周方向の幅は、径方向の位置に応じて変化してもよい。例えば、溝20jの周方向の幅は、内径側から外径側に向かうにつれ、小さくなるように変化してもよい。また、溝20jの周方向の幅は、内径側から外径側に向かうにつれ、大きくなるように変化してもよい。溝20jは、端面20gの周方向において複数形成される。本実施形態において、溝20jは、端面20gの周方向に90°間隔で4つ配置される。ただし、溝20jの数は、4つに限定されず、1以上あればよい。また、溝20jの周方向の間隔は、等間隔に限定されず、不等間隔であってもよい。
【0042】
図2に戻り、底面20jcは、シャフト8の軸方向において、保持器20dの最もタービンインペラ9側の端面20daよりも、タービンインペラ9側に設けられる。同様に、溝21jの底面21jcは、シャフト8の軸方向において、保持器21dの最もコンプレッサインペラ10側の端面21daよりも、コンプレッサインペラ10側に設けられる。すなわち、底面20jcは、保持器20dよりも、溝20jが形成される端面20g側(外側面側)に位置する。また、底面21jcは、保持器21dよりも、溝21jが形成される端面21g側(外側面側)に位置する。換言すれば、溝20j、21jは、保持器20d、21dと軸方向の位置が重ならない(完全にずれている)。
【0043】
図4は、第1変形例の外輪20aの溝120jの形状を説明するための説明図である。溝120jは、図4に示されるように、外輪20a(あるいは、シャフト8)の径方向に対して傾斜した方向に延在している。溝120jは、左側面120jaと、右側面120jbと、底面120jcとを備える。左側面120jaおよび右側面120jbは、外輪20a(あるいは、シャフト8)の径方向に対して傾斜している。底面120jcは、端面20gと平行な平面である。なお、底面120jcの軸方向の位置は、底面20jcの軸方向の位置と等しい。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。
【0044】
例えば、図4に示されるように、外輪20aが図4の時計回り方向(図4中、第1方向)に回転する場合、溝120jは、端面20gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって第1方向側に傾斜する形状を有する。すなわち、左側面120jaおよび右側面120jbは、端面20gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって第1方向側に傾斜する形状を有する。
【0045】
溝120jの周方向の幅(すなわち、左側面120jaと右側面120jbとの間隔)は、径方向の位置にかかわらず一定である。ただし、溝120jの周方向の幅は、径方向の位置に応じて変化してもよい。例えば、溝120jの周方向の幅は、内径側から外径側に向かうにつれ、小さくなるように変化してもよい。また、溝120jの周方向の幅は、内径側から外径側に向かうにつれ、大きくなるように変化してもよい。溝120jは、端面20gの周方向において複数形成される。第1変形例において、溝120jは、端面20gの周方向に90°間隔で4つ配置される。ただし、溝120jの数は、4つに限定されず、1以上あればよい。また、溝120jの周方向の間隔は、等間隔に限定されず、不等間隔であってもよい。なお、外輪20aの回転方向は、第1方向と反対の第2方向であってもよい。その場合、溝120jは、端面20gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって第2方向側に傾斜する形状を有する。
【0046】
図5は、第2変形例の外輪20aの溝220jの形状を説明するための説明図である。溝220jは、図5に示されるように、略半円形状を有する。溝220jは、左側面220jaと、右側面220jbと、底面220jcとを備える。左側面220jaおよび右側面220jbは湾曲している。
【0047】
具体的に、左側面220jaは、端面20gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって第1方向(図5中、時計回り方向)側に傾斜する形状を有する。右側面220jbは、端面20gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって第2方向(図5中、反時計回り方向)側に傾斜する形状を有する。底面220jcは、端面20gと平行な平面である。なお、底面220jcの軸方向の位置は、底面20jcの軸方向の位置と等しい。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。
【0048】
溝220jの周方向の幅(すなわち、左側面220jaと右側面220jbとの間隔)は、内径側から外径側に向かうにつれ、小さくなる。なお、溝220jの周方向の幅の変化量は、内径側よりも外径側の方が大きい。ただし、溝220jの周方向の幅の変化量は、径方向において一定であってもよい。溝220jは、端面20gの周方向において複数形成される。第2変形例において、溝220jは、端面20gの周方向に90°間隔で4つ配置される。ただし、溝220jの数は、4つに限定されず、1以上あればよい。また、溝220jの周方向の間隔は、等間隔に限定されず、不等間隔であってもよい。なお、図5では、左側面220jaおよび右側面220jbを曲面形状としている。ただし、左側面220jaおよび右側面220jbは平面形状であってもよい。
【0049】
図2に戻り、タービン側ベアリング20(外輪20a)の外周面には、ダンパ部25が設けられる。ダンパ部25は、軸受孔2bの内周面2cとの間に潤滑油が供給されることによって、シャフト8の振動を抑制する。本実施形態では、ダンパ部25は、2つの環状突起20eを含んで構成される。2つの環状突起20eは、外輪20aの外周面に軸方向に離隔して配される。2つの環状突起20eは、シャフト8の径方向に突出する。2つの環状突起20eは、外輪20aの外周面の全周に亘って環状に延在する。
【0050】
コンプレッサ側ベアリング21(外輪21a)の外周面には、ダンパ部26が設けられる。ダンパ部26は、軸受孔2bの内周面2cとの間に潤滑油が供給されることによって、シャフト8の振動を抑制する。本実施形態では、ダンパ部26は、2つの環状突起21eを含んで構成される。2つの環状突起21eは、外輪21aの外周面に軸方向に離隔して配される。2つの環状突起21eは、シャフト8の径方向に突出する。2つの環状突起21eは、外輪21aの外周面の全周に亘って環状に延在する。
【0051】
2つの環状突起20eは、軸受孔2bの内周面2cと離隔している。軸受孔2bの内周面2cのうち、2つの環状突起20eに対向する部位の間には、油孔2dが設けられている。油孔2dは、シャフト8に対して鉛直上側(図2中、上側)に位置する。油孔2dは、ベアリングハウジング2の外部に連通する。不図示のオイルポンプから送出された潤滑油は、油孔2dから軸受孔2bに供給されて一対のボールベアリング7を潤滑する。
【0052】
2つの環状突起21eは、軸受孔2bの内周面2cと離隔している。軸受孔2bの内周面2cのうち、2つの環状突起21eに対向する部位の間には、油孔2dが設けられている。油孔2dは、シャフト8に対して鉛直上側(図2中、上側)に位置する。油孔2dは、ベアリングハウジング2の外部に連通する。不図示のオイルポンプから送出された潤滑油は、油孔2dから軸受孔2bに供給されて一対のボールベアリング7を潤滑する。
【0053】
2つの環状突起20eのうちタービンインペラ9側の環状突起を第1の突起20eaとする。2つの環状突起20eのうちコンプレッサインペラ10側の環状突起を第2の突起20ebとする。つまり、第2の突起20ebは、第1の突起20eaよりも、一対のアンギュラベアリングが互いに近接する方向に位置する。第1の突起20eaの軸方向における幅は、第2の突起20ebの軸方向における幅より小さい。
【0054】
2つの環状突起21eのうちコンプレッサインペラ10側の環状突起を第1の突起21eaとする。2つの環状突起21eのうちタービンインペラ9側の環状突起を第2の突起21ebとする。つまり、第2の突起21ebは、第1の突起21eaよりも、一対のアンギュラベアリングが互いに近接する方向に位置する。第1の突起21eaの軸方向における幅は、第2の突起21ebの軸方向における幅より小さい。
【0055】
ただし、第1の突起21eaの軸方向における幅は、第2の突起21ebの軸方向における幅以上でもよい。また、第1の突起20eaの軸方向における幅は、第2の突起20ebの軸方向における幅以上でもよい。
【0056】
第1の突起20eaは、アンギュラベアリングの接触角を示す中心線(すなわち、結線)の延長線上に設けられる。ただし、第2の突起20ebが、結線の延長線上に設けられてもよい。なお、第1の突起20eaと第2の突起20ebの間の空間が、結線の延長線上に設けられてもよい。換言すれば、ダンパ部25は、結線の延長線上に設けられてもよい。
【0057】
第1の突起21eaは、アンギュラベアリングの接触角を示す中心線(すなわち、結線)の延長線上に設けられる。ただし、第2の突起21ebが、結線の延長線上に設けられてもよい。なお、第1の突起21eaと第2の突起21ebの間の空間が、結線の延長線上に設けられてもよい。換言すれば、ダンパ部26は、結線の延長線上に設けられてもよい。
【0058】
本実施形態では、ダンパ部25、26を外輪20a、21aの外周面に形成する例について説明した。しかし、これに限定されず、ダンパ部25、26は、ベアリングハウジング2の軸受孔2bの内周面2cに形成されてもよい。
【0059】
図6は、軸受孔2bの内周面2cにダンパ部125、126が形成される例を示す図である。図6に示すように、外輪20aの外周面には、2つの環状突起20e(図2参照)が形成されていない。また、外輪21aの外周面には、2つの環状突起21e(図2参照)が形成されていない。外輪20a、21aの外周面は、略円筒形状である。
【0060】
一方、軸受孔2bの内周面2cには、ダンパ部125、126が形成されている。ダンパ部125は、軸受孔2bの内周面2cのうち、外輪20aの外周面と対向する位置(対向面)に形成される。ダンパ部126は、軸受孔2bの内周面2cのうち、外輪21aの外周面と対向する位置に形成される。ダンパ部125、126は、外輪20a、21aとの間に潤滑油が供給されることによって、シャフト8の振動を抑制する。
【0061】
ダンパ部125は、2つの環状突起120eを含んで構成される。2つの環状突起120eは、軸受孔2bの内周面2cに軸方向に離隔して配される。2つの環状突起120eは、シャフト8の径方向に突出する。2つの環状突起120eは、軸受孔2bの内周面2cの全周に亘って環状に延在する。ダンパ部126は、2つの環状突起121eを含んで構成される。2つの環状突起121eは、軸受孔2bの内周面2cに軸方向に離隔して配される。2つの環状突起121eは、シャフト8の径方向に突出する。2つの環状突起121eは、軸受孔2bの内周面2cの全周に亘って環状に延在する。
【0062】
2つの環状突起120eは、外輪20aの外周面と離隔している。油孔2dは、2つの環状突起120eの間に位置する。2つの環状突起121eは、外輪20aの外周面と離隔している。油孔2dは、2つの環状突起121eの間に位置する。
【0063】
2つの環状突起120eのうちタービンインペラ9側の環状突起を第1の突起120eaとする。2つの環状突起120eのうちコンプレッサインペラ10側の環状突起を第2の突起120ebとする。つまり、第2の突起120ebは、第1の突起120eaよりも、一対のアンギュラベアリングが互いに近接する方向に位置する。第1の突起120eaの軸方向における幅は、第2の突起120ebの軸方向における幅より小さい。
【0064】
2つの環状突起121eのうちコンプレッサインペラ10側の環状突起を第1の突起121eaとする。2つの環状突起121eのうちタービンインペラ9側の環状突起を第2の突起121ebとする。つまり、第2の突起121ebは、第1の突起121eaよりも、一対のアンギュラベアリングが互いに近接する方向に位置する。第1の突起121eaの軸方向における幅は、第2の突起121ebの軸方向における幅より小さい。
【0065】
ただし、第1の突起121eaの軸方向における幅は、第2の突起121ebの軸方向における幅以上でもよい。また、第1の突起120eaの軸方向における幅は、第2の突起120ebの軸方向における幅以上でもよい。
【0066】
第1の突起120eaは、アンギュラベアリングの接触角を示す中心線(すなわち、結線)の延長線上に設けられる。ただし、第2の突起120ebが、結線の延長線上に設けられてもよい。なお、第1の突起120eaと第2の突起120ebの間の空間が、結線の延長線上に設けられてもよい。換言すれば、ダンパ部125は、結線の延長線上に設けられてもよい。
【0067】
第1の突起121eaは、アンギュラベアリングの接触角を示す中心線(すなわち、結線)の延長線上に設けられる。ただし、第2の突起121ebが、結線の延長線上に設けられてもよい。なお、第1の突起121eaと第2の突起121ebの間の空間が、結線の延長線上に設けられてもよい。換言すれば、ダンパ部126は、結線の延長線上に設けられてもよい。
【0068】
このように、ダンパ部25、26(125、126)は、外輪20a、21aの外周面、および、軸受孔2bの内周面2cのうち外輪20a、21aの外周面と対向する対向面のいずれかに形成されてもよい。なお、ダンパ部25、26(125、126)は、外輪20a、21aの外周面、および、軸受孔2bの内周面2cのうち外輪20a、21aの外周面と対向する対向面の双方に形成されてもよい。つまり、ダンパ部25、26(125、126)は、外輪20a、21aの外周面、および、軸受孔2bの内周面2cのうち外輪20a、21aの外周面と対向する対向面の少なくとも一方に設けられてもよい。
【0069】
図2に戻り、シャフト8は、小径部8aと、大径部8bと、縮径部8cとを備える。小径部8aは、一定の外径を有する。小径部8aには、一対のボールベアリング7の内輪20b、21bが取り付けられる。大径部8bは、小径部8aよりも径が大きい。大径部8bは、小径部8aと一体成形される。縮径部8cは、小径部8aよりも径が小さい。縮径部8cは、小径部8aと一体成形される。大径部8bは、図2中、小径部8aの左側に位置する。つまり、大径部8bは、小径部8aに対し、タービンインペラ9側に配される。縮径部8cは、図2中、小径部8aの右側に位置する。つまり、縮径部8cは、小径部8aに対し、コンプレッサインペラ10側に配される。大径部8bと縮径部8cは、小径部8aとは別部材で構成されてもよい。大径部8bと縮径部8cは、小径部8aに着脱可能に構成されてもよい。大径部8bの外径は、内輪20bにおける端面20iの外径以上である。内輪20bは、大径部8bによって位置決めされる。
【0070】
大径部8bは、大径端面8baと、傾斜部8bbとを備える。大径端面8baは、軸方向において内輪20bの端面20iと対向する。傾斜部8bbは、大径端面8baに対し、タービンインペラ9側に配される。傾斜部8bbの外径は、大径端面8baの外径以上である。傾斜部8bbは、大径端面8baから離隔するほど外径が大きくなる。ベアリングハウジング2は、軸受孔2bを形成する壁部を有する。ベアリングハウジング2の壁部は、外輪20aと軸方向において対向する位置に側壁部2fを有する。側壁部2fは、溝2faを有する。溝2faは、軸方向と直交する方向において、側壁部2fのうち傾斜部8bbと対向する位置に形成される。溝2faは、外輪20aの溝20jを通過した潤滑油を傾斜部8bbに案内する機能を有する。
【0071】
内輪20bの端面(内輪端面)20iは、軸方向において大径端面8baと対向する。内輪20bは、傾斜部20iaを有する。傾斜部20iaは、端面20iに対し、コンプレッサインペラ10側に配される。傾斜部20iaの外径は、端面20iの外径以上である。傾斜部20iaは、端面20iから離隔するほど外径が大きくなる。端面20iの外径は、大径端面8baの外径と等しい。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。ただし、端面20iの外径は、大径端面8baの外径より小さくてもよい。また、端面20iの外径は、大径端面8baの外径より大きくてもよい。
【0072】
縮径部8cには、油切り部材22が取り付けられる。油切り部材22は、コンプレッサ側ベアリング21を潤滑した後の潤滑油を径方向外側に飛散させる。油切り部材22により、コンプレッサインペラ10側への潤滑油の漏出が抑制される。
【0073】
ベアリングハウジング2には、油切り部材22の外径側にシールプレート24が取り付けられる。シールプレート24は、外輪21aと軸方向において対向する位置に配される。シールプレート24は、軸受孔2bからコンプレッサインペラ10側への潤滑油の漏出を抑制する。
【0074】
油切り部材22は、小径部8aよりも径が大きい大径部22aを有する。すなわち、シャフト8には、シャフト8とは別部材(油切り部材22)で構成され、小径部8aよりも径が大きい大径部22aが取り付けられる。大径部22aの外径は、内輪21bにおける端面21iの外径以上である。内輪21bは、油切り部材22によって位置決めされる。ここで、大径部22aの最大外径は、大径部8bの最大外径と等しい。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。ただし、大径部22aの最大外径は、大径部8bの最大外径と異なっていてもよい。
【0075】
大径部22aは、大径端面22aaと、傾斜部22abとを備える。大径端面22aaは、軸方向において内輪21bの端面21iと対向する。傾斜部22abは、大径端面22aaに対し、コンプレッサインペラ10側に配される。傾斜部22abの外径は、大径端面22aaの外径以上である。傾斜部22abは、大径端面22aaから離隔するほど外径が大きくなる。シールプレート24は、溝24aを有する。溝24aは、軸方向と直交する方向において、シールプレート24のうち傾斜部22abと対向する位置に形成される。溝24aは、外輪21aの溝21jを通過した潤滑油を傾斜部22abに案内する機能を有する。
【0076】
内輪21bの端面(内輪端面)21iは、軸方向において大径端面22aaと対向する。内輪21bは、傾斜部21iaを有する。傾斜部21iaは、端面21iに対し、タービンインペラ9側に配される。傾斜部21iaの外径は、端面21iの外径以上である。傾斜部21iaは、端面21iから離隔するほど外径が大きくなる。端面21iの外径は、大径端面22aaの外径と等しい。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。ただし、端面21iの外径は、大径端面22aaの外径より小さくてもよい。また、端面21iの外径は、大径端面22aaの外径より大きくてもよい。
【0077】
スペーサ23は、環状部材である。スペーサ23には、シャフト8が挿通される。スペーサ23は、内輪20bおよび内輪21bの間に設けられる。スペーサ23の外径は、内輪20bの端面20hの外径より小さい。ただし、スペーサ23の外径は、内輪20bの端面20hの外径以上でもよい。スペーサ23の外径は、内輪21bの端面21hの外径より小さい。ただし、スペーサ23の外径は、内輪21bの端面21hの外径以上でもよい。
【0078】
内輪20bとスペーサ23と内輪21bは、シャフト8のコンプレッサインペラ10側の端部から、内輪20b、スペーサ23、内輪21bの順に挿入される。また、油切り部材22とコンプレッサインペラ10は、シャフト8のコンプレッサインペラ10側の端部から、油切り部材22、コンプレッサインペラ10の順に挿入される。シャフト8のコンプレッサインペラ10側の端部に締結ボルトが締結される。内輪20b、スペーサ23、内輪21bには、軸方向に圧縮応力(軸力)が作用する。内輪20b、スペーサ23、内輪21bは、軸力によって大径部8bと締結ボルトの間に挟まれた状態で、シャフト8と一体回転する。
【0079】
ベアリングハウジング2には、排油孔2eが設けられている。排油孔2eは、軸受孔2bの内壁を、鉛直下側(図2中、下側)まで貫通する。不図示のオイルポンプから送出された潤滑油は、油孔2dから軸受孔2b内に供給される。潤滑油は、軸受孔2bと外輪20aの外周面との間(すなわち、ダンパ部25)に供給される。ダンパ部25は、第1の突起20eaの幅が第2の突起20ebの幅よりも小さい。そのため、潤滑油は、第2の突起20ebと軸受孔2bの内周面2cとの間の空間を流れ難い(抵抗が大きい)。したがって、第1の突起20eaと第2の突起20ebとの間に供給される潤滑油は、第2の突起20eb側よりも第1の突起20ea側から漏出しやすくなる。ダンパ部25でシャフト8の振動抑制に寄与した後の潤滑油は、外輪20aの第1の突起20eaからタービンインペラ9側に漏出する。第1の突起20eaからタービンインペラ9側に漏出した潤滑油は、外輪20aの溝20jを介してタービン側ベアリング20の内部に供給される。タービン側ベアリング20の内部を潤滑した潤滑油は、一対のボールベアリング7の間の空間に排出される。一対のボールベアリング7の間の空間に排出された潤滑油は、排油孔2eを介して軸受孔2bから排出される。
【0080】
また、潤滑油は、軸受孔2bと外輪21aの外周面との間(すなわち、ダンパ部26)に供給される。ダンパ部26は、第1の突起21eaの幅が第2の突起21ebの幅よりも小さい。そのため、潤滑油は、第2の突起21ebと軸受孔2bの内周面2cとの間の空間を流れ難い(抵抗が大きい)。したがって、第1の突起21eaと第2の突起21ebとの間に供給される潤滑油は、第2の突起21eb側よりも第1の突起21ea側から漏出しやすくなる。ダンパ部26でシャフト8の振動抑制に寄与した後の潤滑油は、外輪21aの第1の突起21eaからコンプレッサインペラ10側に漏出する。第1の突起21eaからコンプレッサインペラ10側に漏出した潤滑油は、外輪21aの溝21jを介してコンプレッサ側ベアリング21の内部に供給される。コンプレッサ側ベアリング21の内部を潤滑した潤滑油は、一対のボールベアリング7の間の空間に排出される。一対のボールベアリング7の間の空間に排出された潤滑油は、排油孔2eを介して軸受孔2bから排出される。
【0081】
本実施形態では、外輪20aおよび外輪21aは、ベアリングハウジング2(軸受孔2b)に対しシャフト8の周方向に相対回転可能(回転自在)に配設される。シャフト8が回転すると、内輪20b、21bは、シャフト8と一体回転する。転動体20c、21cは、内輪20b、21bの回転に伴って回転する。また、転動体20c、21cは、内輪20b、21bの周方向に移動する。外輪20a、21aは、転動体20c、21cの回転および移動に伴って、あるいは、潤滑油の流れに伴って、シャフト8の周方向に回転する。このときの外輪20aの回転速度は、内輪20bの回転速度よりも遅い。軸受構造Sは、外輪20a、21aを相対回転可能に配設することで、スクイズフィルムダンパ効果(ばね効果)、および、くさび効果を得ることができる。スクイズフィルムダンパは、振動する物体が固定表面に近接すると、粘性流体の流動および圧縮により物体に対し抵抗力が発生する現象である。このスクイズフィルムダンパ効果、および、くさび効果により、シャフト8の径方向の振動を吸収(抑制)することができる。
【0082】
このように、軸受構造Sは、外輪20a、21aを相対回転可能に配設している。そのため、軸受構造Sは、従来設けられていた回転防止用ピンを軸受孔2bに配置しなくともよい。したがって、本実施形態の軸受構造Sは、部品点数を削減することができる。その結果、軸受構造Sは、過給機Cのコストダウンに寄与することができる。
【0083】
軸受構造Sは、外輪20aの外周面にダンパ部25が設けられている。軸受構造Sは、外輪21aの外周面にダンパ部26が設けられている。そのため、軸受構造Sは、従来設けられていた環状のケース部(いわゆるオイルフィルムダンバー部材)を軸受孔2bに配置しなくともよい。したがって、本実施形態の軸受構造Sは、ケース部の加工や組み付け作業に要するコストを削減することができる。外輪20a、21aがダンパ部25、26を備えているため、装置全体を小型・軽量化することができる。なお、上述したように、ダンパ部125、126は、軸受孔2bの内周面2cのうち外輪20a、21aの外周面と対向する対向面に設けられてもよい。軸受孔2bにダンパ部125、126を設けた場合も、外輪20a、21aの外周面にダンパ部25、26を設けた場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0084】
一対のアンギュラベアリングは、図2に示すように、正面組合せで軸受孔2bに配置されている。ここで、一対のアンギュラベアリングを、いわゆる背面組合せで軸受孔2bに配置した場合、図2中、右側へ作用するスラスト荷重は、主に、タービン側ベアリング20によって受けられる。さらに、タービンインペラ9側のベアリングハウジング2は、コンプレッサインペラ10側のベアリングハウジング2に比べて高温になりやすい。そのため、タービン側ベアリング20は、耐熱性が高い高価な材質を使用する必要がある。ボールベアリング7に耐熱性が高い高価な材質を使用すると、軸受構造Sのコストアップにつながる。
【0085】
一対のアンギュラベアリングを正面組合せで軸受孔2bに配置した場合、図2中、右側へ作用するスラスト荷重を、主に、コンプレッサ側ベアリング21によって受けさせることができる。そのため、本実施形態では、タービン側ベアリング20は、耐熱性が高い高価な材質を使用しなくともよい。したがって、軸受構造Sは、ボールベアリング7自体のコストを抑制することができる。なお、コンプレッサ側ベアリング21は、図2中、右側へ作用するスラスト荷重を受けることになる。しかし、コンプレッサインペラ10側のベアリングハウジング2は、タービンインペラ9側のベアリングハウジング2よりも低温である。そのため、コンプレッサ側ベアリング21は、耐熱性が高い高価な材質を使用しなくともよい。したがって、軸受構造Sは、ボールベアリング7自体のコストを抑制することができる。
【0086】
なお、本実施形態の軸受構造Sにおいて、図2中、右側へ作用するスラスト荷重は、外輪21aの端面21gとシールプレート24で受けられる。また、図2中、左側へ作用するスラスト荷重は、外輪20aの端面20gとベアリングハウジング2の側壁部2fで受けられる。
【0087】
このように、本実施形態の軸受構造Sは、スラスト荷重をベアリングハウジング2あるいはシールプレート24にて受けることができる。したがって、軸受構造Sは、一対のボールベアリング7の外径側に従来設けられていた環状のケース部を設けなくともよい。そのため、軸受構造Sは、部品点数によるガタを小さくすることができる。
【0088】
また、軸受構造Sは、外輪20aと外輪21aとの間に外径側スペーサ(外輪間座)を設けなくともよい。外径側スペーサを設けないことで、部品点数を削減することができる。したがって、本実施形態の軸受構造Sは、過給機Cのコストダウンに寄与することができる。外径側スペーサを設けない場合、外輪20a、21aは、与圧をかけて定位置に保持されない。そのため、外輪20a、21aは、転動面の動きが規制され難くなる。
【0089】
したがって、外輪20a(または内輪20b)と転動体20cとの間に異物が侵入した場合、外輪20a(または内輪20b)と転動体20cとの間から異物が抜けやすい。また、外輪21a(または内輪21b)と転動体21cとの間に異物が侵入した場合、外輪21a(または内輪21b)と転動体21cとの間から異物が抜けやすい。その結果、外輪20a(または内輪20b)と転動体20cとの間、および、外輪21a(または内輪21b)と転動体21cとの間で、異物が噛みこみづらくなる。
【0090】
本実施形態の外輪20aは、外周面にダンパ部25を有する。ダンパ部25は、第1の突起20eaの幅が第2の突起20ebの幅よりも小さい。そのため、第1の突起20eaと第2の突起20ebとの間に供給される潤滑油は、第2の突起20eb側よりも第1の突起20ea側から漏出しやすくなる。したがって、ダンパ部25は、潤滑油を、外輪20aの端面20f側よりも端面20g側(すなわち、ベアリングハウジング2の側壁部2f側)に多く供給することができる。端面20gおよび側壁部2fは、スラスト荷重を受ける場所である。第1の突起20eaの幅を第2の突起20ebの幅よりも小さくすることで、端面20gに必要な油量を十分に供給することができる。
【0091】
本実施形態の外輪21aは、外周面にダンパ部26を有する。ダンパ部26は、第1の突起21eaの幅が第2の突起21ebの幅よりも小さい。そのため、第1の突起21eaと第2の突起21ebとの間に供給される潤滑油は、第2の突起21eb側よりも第1の突起21ea側から漏出しやすくなる。したがって、ダンパ部26は、潤滑油を、外輪21aの端面21f側よりも端面21g側(すなわち、シールプレート24側)に多く供給することができる。端面21gおよびシールプレート24は、スラスト荷重を受ける場所である。第1の突起21eaの幅を第2の突起21ebの幅よりも小さくすることで、端面21gに必要な油量を十分に供給することができる。
【0092】
本実施形態の軸受構造Sは、外輪20a、21aに溝20j、21jを有する。溝20jを設けることで、外輪20aの外周面に供給された潤滑油が、外輪20aの内周面側へ流れやすくなる。軸受孔2bを形成する壁面は、高温になりやすい。そのため、軸受構造Sは、側壁部2fに潤滑油を大量に接触させて、壁面が必要以上に高温になることを抑制する必要がある。潤滑油は、端面20gに形成された溝20jの内部を流れやすくなる。したがって、溝20jは、側壁部2fに潤滑油を大量に接触させることができる。側壁部2fに潤滑油が大量に接触するため、溝20jは、壁面の冷却効果を向上させることができる。また、潤滑油は、溝20jにより外輪20aの内周面側に流れやすいため、転動体20cを潤滑する潤滑油が必要以上に高温になることを抑制することができる。さらに、外輪20aが回転することにより、溝20jは、潤滑油を内側に掻き込む。そのため、外輪20aの外周面に供給された潤滑油が、外輪20aの内周面側へ流れやすくなる。
【0093】
また、溝21jを設けることで、外輪21aの外周面に供給された潤滑油が、外輪21aの内周面側へ流れやすくなる。軸受孔2bを形成する壁面は、高温になりやすい。そのため、軸受構造Sは、シールプレート24に潤滑油を大量に接触させて、壁面が必要以上に高温になることを抑制する必要がある。潤滑油は、端面21gに形成された溝21jの内部を流れやすくなる。したがって、溝21jは、シールプレート24に潤滑油を大量に接触させることができる。シールプレート24に潤滑油が大量に接触するため、溝21jは、壁面の冷却効果を向上させることができる。また、潤滑油は、溝21jにより外輪21aの内周面側に流れやすいため、転動体21cを潤滑する潤滑油が必要以上に高温になることを抑制することができる。さらに、外輪21aが回転することにより、溝21jは、潤滑油を内側に掻き込む。そのため、外輪21aの外周面に供給された潤滑油が、外輪21aの内周面側へ流れやすくなる。
【0094】
さらに、潤滑油は、タービンインペラ9側のベアリングハウジング2から伝わる熱により、温度が高められる。また、潤滑油は、コンプレッサインペラ10側のベアリングハウジング2およびシールプレート24から伝わる熱により、温度が高められる。温度が高められた潤滑油は、転動体20c、21cに供給される。
【0095】
転動体20cは、潤滑油が供給されることにより摩擦係数が低くなる。潤滑油が供給された転動体20cは、内輪20bの回転力の伝達が抑制される。転動体21cは、潤滑油が供給されることにより摩擦係数が低くなる。潤滑油が供給された転動体21cは、内輪21bの回転力の伝達が抑制される。転動体20c、21cの転がり抵抗が抑制されることで、機械損失が低減される。
【0096】
転動体20c、21cに温度が適度に高められた潤滑油が供給される場合、温度が高められずに潤滑油が転動体20cおよび転動体21cへ供給される場合よりも、機械損失が低減する。また、外輪20aの端面20gに溝20jを設けることで、スラスト荷重が作用する端面20gに適度な量の潤滑油を供給することができる。外輪21aの端面21gに溝21jを設けることで、スラスト荷重が作用する端面21gに適度な量の潤滑油を供給することができる。
【0097】
本実施形態の外輪20aは、図3に示されるように、外輪20aの径方向に沿って延在する溝20jを有する。溝20jは、外輪20aの外周面側と内周面側を最短経路で接続する。そのため、潤滑油を外輪20aの外周面側から内周面側に容易に導入することができる。外輪21aは、外輪20aと同じ形状を有している。そのため、潤滑油を外輪21aの外周面側から内周面側に容易に導入することができる。
【0098】
また、第1変形例の外輪20aは、図4に示されるように、外輪20aの径方向に対して傾斜した方向に延在する溝120jを有する。溝120jは、端面20gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって外輪20aの回転方向(第1方向)側に傾斜する形状を有する。溝120jを径方向に対して傾斜させることで、溝120jが延在する方向を外輪20aの回転方向に近づけることができる。溝120jが延在する方向は、径方向に対する傾斜角度を大きくするほど、外輪20aの回転方向に近づけることができる。
【0099】
溝120jが延在する方向を外輪20aの回転方向に近づけるほど、外輪20aの外周面側の潤滑油は、外輪20aが回転した際に、内周面側に導入されやすくなる。したがって、外輪20aが第1方向に回転する場合に、溝120jを第1方向側に傾斜させる。そうすることで、溝120jが径方向に沿って延在する場合よりも、外輪20aの外周面に供給される潤滑油が、外輪20aの内周面側に導入されやすくなる。なお、第1変形例の外輪21aは、第1変形例の外輪20aの回転方向と同方向(端面21gを正面から見て反時計回り方向)に回転する場合、溝120jの傾斜方向を逆にした形状の溝を有する。すなわち、端面21gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって外輪21aの回転方向(反時計回り方向)側に傾斜する形状の溝を有する。また、第1変形例の外輪21aは、第1変形例の外輪20aの回転方向と逆方向(端面21gを正面から見て時計回り方向)に回転する場合、溝120jと同じ形状の溝を有する。すなわち、端面21gの径方向に対し、内径側から外径側に向かって外輪21aの回転方向(時計回り方向)側に傾斜する形状の溝を有する。このように構成することで、潤滑油を外輪21aの外周面側から内周面側に容易に導入することができる。
【0100】
また、第2変形例の外輪20aは、図5に示されるように、略半円形状の溝220jを有する。溝220jを略半円形状としたことにより、外輪20aが第1方向あるいは第2方向に回転する場合にも、同一の部品(外輪20a)で対応することができる。すなわち、外輪20aの回転方向によらず、部品(外輪20a)を兼用することができる。また、溝220jを略半円形状としたとこにより、外輪20aと外輪21aの部品を兼用することができる。また、溝220jを略半円形状としたとこにより、溝220jの形成を容易にすることができる。ここで、外輪20aが図5の第1方向に回転する場合、左側面220jaは、径方向に対して第1方向に近づく方向に延在する。左側面220jaの延在する方向が第1方向に近づくほど、潤滑油は、外輪20aが回転した際に、外輪20aの外周面側から内周面側に導入されやすくなる。したがって、外輪20aが第1方向に回転する場合に、左側面220jaを第1方向側に傾斜させる。そうすることで、左側面220jaが径方向に沿って延在する場合よりも、外輪20aの外周面に供給される潤滑油が、外輪20aの内周面側に導入されやすくなる。
【0101】
また、外輪20aが図5の第2方向に回転する場合、右側面220jbは、径方向に対して第2方向に近づく方向に延在する。右側面220jbの延在する方向が第2方向に近づくほど、潤滑油は、外輪20aが回転した際に、外輪20aの外周面側から内周面側に導入されやすくなる。したがって、外輪20aが第2方向に回転する場合に、右側面220jbを第2方向側に傾斜させる。そうすることで、右側面220jbが径方向に沿って延在する場合よりも、外輪20aの外周面に供給される潤滑油が、外輪20aの内周面側に導入されやすくなる。
【0102】
なお、図5では、左側面220jaおよび右側面220jbを曲面形状としている。これにより、左側面220jaおよび右側面220jbを平面形状とした場合よりも、外輪20aの外周面に供給される潤滑油が、外輪20aの内周面側に導入されやすくなる。第2変形例の外輪20aは、外輪20aが第1方向および第2方向のいずれに回転する場合でも、潤滑油を容易に外輪20aの内周面側に導入させることができる。第2変形例の外輪21aは、第2変形例の外輪20aと同じ形状を有している。そのため、第2変形例の外輪21aは、潤滑油を外輪21aの外周面側から内周面側に容易に導入させることができる。
【0103】
図2に戻り、溝20jの底面20jcは、保持器20dの端面20daよりも、タービンインペラ9側に設けられる。これにより、外輪20aは、溝20jを流れる潤滑油が保持器20dに衝突して飛散することを抑制することができる。また、溝21jの底面21jcは、保持器21dの端面21daよりも、コンプレッサインペラ10側に設けられる。これにより、外輪21aは、溝21jを流れる潤滑油が保持器21dに衝突して飛散することを抑制することができる。
【0104】
また、大径部8bは、軸方向において内輪20bと対向する大径端面8baを有する。また、大径部8bは、大径端面8baに向かって外径が小さくなる傾斜部8bbを有する。また、ベアリングハウジング2の側壁部2fは、軸方向と直交する方向において、傾斜部8bbと対向する部分に溝2faを有する。溝20jを通過した潤滑油の一部は、ベアリングハウジング2の側壁部2fの溝2faに導入される。側壁部2fの溝2faは、溝20jを通過した潤滑油を傾斜部8bbに案内する。
【0105】
側壁部2fは、溝2faを備えることにより、潤滑油を傾斜部8bbに導きやすくさせることができる。傾斜部8bbに導かれた潤滑油は、傾斜部8bbと衝突し、図2中、右側に移動させられる。すなわち、傾斜部8bbは、潤滑油の流れの向きを変更する機能を有する。傾斜部8bbは、溝20jおよび溝2faを通過した潤滑油の一部を、容易に内輪20bの外周面と転動体20cとの間に導入させることができる。
【0106】
また、大径部22aは、軸方向において内輪21bと対向する大径端面22aaを有する。また、大径部22aは、大径端面22aaに向かって外径が小さくなる傾斜部22abを有する。また、シールプレート24は、軸方向と直交する方向において、傾斜部22abと対向する部分に溝24aを有する。溝21jを通過した潤滑油の一部は、シールプレート24の溝24aに導入される。シールプレート24の溝24aは、外輪21aの溝21jを通過した潤滑油を傾斜部22abに案内する。
【0107】
シールプレート24は、溝24aを備えることにより、潤滑油を傾斜部22abに導きやすくさせることができる。傾斜部22abに導かれた潤滑油は、傾斜部22abと衝突し、図2中、左側に移動させられる。すなわち、傾斜部22abは、潤滑油の流れの向きを変更する機能を有する。傾斜部22abは、溝21jおよび溝24aを通過した潤滑油の一部を、容易に内輪21bの外周面と転動体21cとの間に導入させることができる。
【0108】
また、内輪20bは、軸方向において大径端面8baと対向する端面(内輪端面)20iを有する。内輪20bは、端面20iに向かって外径が小さくなる傾斜部20iaを有する。端面20iの外径は、大径端面8baの外径と等しい。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。傾斜部8bbと衝突した潤滑油の一部は、傾斜部8bbから内輪20bに形成された傾斜部20iaに滑らかに移動する。これにより、傾斜部20iaは、傾斜部8bbと衝突した潤滑油の一部を、容易に内輪20bの外周面と転動体20cとの間に導入させることができる。
【0109】
また、内輪21bは、軸方向において大径端面22aaと対向する端面(内輪端面)21iを有する。内輪21bは、端面21iに向かって外径が小さくなる傾斜部21iaを有する。端面21iの外径は、大径端面22aaの外径と等しい。ここで、等しいとは、完全に等しい場合と、許容誤差(加工精度や組付誤差等)の範囲内で完全に等しい場合からずれている場合とを含む意味である。傾斜部22abと衝突した潤滑油の一部は、傾斜部22abから内輪21bに形成された傾斜部21iaに滑らかに移動する。これにより、傾斜部21iaは、傾斜部22abと衝突した潤滑油の一部を、容易に内輪21bの外周面と転動体21cとの間に導入させることができる。
【0110】
上述したように、ダンパ部25は、環状突起20eを含んでいる。環状突起20eの形状を変更することで、シャフト8の振動の抑制効果を変更(調整)することができる。外輪20a全体の形状を変えることなく、シャフト8の振動の抑制効果を変更することができる。したがって、ダンパ部25を備えた外輪20aの設計が容易となる。また、環状突起20eの寸法精度を高くすれば、シャフト8の振動の抑制効果が高精度に調整可能となり得る。環状突起20eの寸法精度を高くする場合、外輪20aの外周面全体の寸法精度を高めなくともよいため、ボールベアリング7の製造コスト上昇を抑制できる。
【0111】
また、ダンパ部26は、環状突起21eを含んでいる。環状突起21eの形状を変更することで、シャフト8の振動の抑制効果を変更(調整)することができる。外輪21a全体の形状を変えることなく、シャフト8の振動の抑制効果を変更することができる。したがって、ダンパ部26を備えた外輪21aの設計が容易となる。また、環状突起21eの寸法精度を高くすれば、シャフト8の振動の抑制効果が高精度に調整可能となり得る。環状突起21eの寸法精度を高くする場合、外輪21aの外周面全体の寸法精度を高めなくともよいため、ボールベアリング7の製造コスト上昇を抑制できる。
【0112】
また、ダンパ部25、26は、結線の延長線上に設けられている。結線の延長線上にダンパ部25、26を設けることで、結線の延長線上にかかる荷重に対する負荷容量を大きくすることができる。
【0113】
上述した実施形態および変形例では、内輪20bおよび内輪21bにシャフト8を挿通する例について説明した。しかし、これに限定されず、内輪20bおよび内輪21bにシャフト8を圧入してもよい。
【0114】
また、上述した実施形態および変形例では、ボールベアリング7としてアンギュラベアリングを用いる例について説明した。しかし、これに限定されず、ボールベアリング7として深溝玉軸受や、自動調心玉軸受を用いてもよい。
【0115】
また、上述した実施形態および変形例では、ボールベアリング7は、軸受孔2bに、軸方向に離隔して2つ設けられる例について説明した。しかし、これに限定されず、ボールベアリング7は、軸受孔2bに、1つまたは3つ以上配されてもよい。例えば、ボールベアリング7は、図2に示す一対のアンギュラベアリングと、一対のアンギュラベアリングの間に配置される単列アンギュラベアリングを含む構成であってもよい。
【0116】
また、上述した実施形態と、第1変形例と、第2変形例とを組み合わせてもよい。例えば、第1変形例の溝120jあるいは第2変形例の溝220jを通過した潤滑油は、ベアリングハウジング2の側壁部2fの溝2faに導入されてもよい。溝120jあるいは溝220jを通過した潤滑油は、傾斜部8bbに導入されてもよい。溝120jあるいは溝220jを通過した潤滑油は、傾斜部8bbから内輪20bに形成された傾斜部20iaに導入されてもよい。また、第1変形例あるいは第2変形例の外輪20aは、第1の突起20eaと、第1の突起20eaの幅よりも大きい第2の突起20ebを有してもよい。第1変形例あるいは第2変形例の外輪20aの第1の突起20eaは、結線の延長線上に設けられてもよい。
【0117】
以上、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0118】
過給機に利用することができる。
【符号の説明】
【0119】
C:過給機 2:ベアリングハウジング 2b:軸受孔 7:ボールベアリング 8:シャフト 9:タービンインペラ 10:コンプレッサインペラ 20a、21a:外輪 20b、21b:内輪 25、125:ダンパ部 26、126:ダンパ部
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【国際調査報告】

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