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再表2019-138569バックアップブロックおよびスクリーン印刷機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年7月18日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】バックアップブロックおよびスクリーン印刷機
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20201120BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   H05K3/34 505D
   B41F15/08 303E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】特願2019-564260(P2019-564260)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年1月15日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100125737
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 昭博
(72)【発明者】
【氏名】近藤 毅
【テーマコード(参考)】
2C035
5E319
【Fターム(参考)】
2C035AA06
2C035FA30
2C035FA32
2C035FB24
2C035FB27
2C035FC08
2C035FD01
5E319AC01
5E319BB05
5E319CD04
5E319CD29
5E319GG15
(57)【要約】
マスクを保持するマスク保持装置と、下方から支持した基板を水平方向に把持する基板保持装置と、基板とマスクとを相対的に位置決めする位置決め装置と、前記マスクに対してクリームはんだを塗り延ばしするスキージ装置と、前記各装置の駆動制御を行う制御装置とを有するスクリーン印刷機であり、前記基板保持装置は、昇降機構によって上下方向の位置決めが可能な昇降テーブルと、基板が載せられる搭載面、前記搭載面と平行な反対側の設置面、前記搭載面と前記設置面との間の厚さ方向に貫通した複数の吸着孔および、前記複数の吸着孔の位置を囲むように前記設置面側に形成されたチャンバ用凹部とを備えたバックアップブロックとを有し、前記昇降テーブル上面に前記バックアップブロックが重ねられることで前記チャンバ用凹部によるエアチャンバが構成されるようにしたもの。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が載せられる搭載面と、
前記搭載面と平行な反対側の設置面と、
前記搭載面と前記設置面との間の厚さ方向に貫通した複数の吸着孔と、
前記複数の吸着孔の位置を囲むように前記設置面側に形成されたチャンバ用凹部とを有するバックアップブロック。
【請求項2】
前記チャンバ用凹部は、前記設置面から前記搭載面側の凹部底面までの深さ寸法が、前記凹部底面から前記搭載面までの厚さ寸法より小さく形成された請求項1に記載のバックアップブロック。
【請求項3】
前記チャンバ用凹部は、前記複数の吸着孔の位置を繋ぐ溝形状である請求項1又は請求項2に記載のバックアップブロック。
【請求項4】
前記設置面側に位置決めピンの挿入が可能な位置決め穴が形成された請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のバックアップブロック。
【請求項5】
マスクを保持するマスク保持装置と、
下方から支持した基板を水平方向に把持する基板保持装置と、
前記基板保持装置で把持された基板と前記マスク保持装置のマスクとを相対的に位置決めする位置決め装置と、
前記マスクに対してクリームはんだを塗り延ばしするスキージ装置と、
前記各装置の駆動制御を行う制御装置とを有し、
前記基板保持装置は、
昇降機構によって上下方向の位置決めが可能な昇降テーブルと、
基板が載せられる搭載面、前記搭載面と平行な反対側の設置面、前記搭載面と前記設置面との間の厚さ方向に貫通した複数の吸着孔および、前記複数の吸着孔の位置を囲むように前記設置面側に形成されたチャンバ用凹部とを備えたバックアップブロックとを有し、
前記昇降テーブル上面に前記バックアップブロックが重ねられてできる前記チャンバ用凹部によるエアチャンバに対し、前記昇降テーブルを貫通して形成された吸込み孔を介して減圧機が接続されたスクリーン印刷機。
【請求項6】
前記吸込み孔が前記減圧機に接続されたエアホースの接続口よりも大きく形成された請求項5に記載のスクリーン印刷機。
【請求項7】
前記昇降テーブルは、その上面に位置決めピンが突出して形成され、前記バックアップブロックは、その設置面側に前記位置決めピンが入る位置決め穴が形成された請求項5または請求項6に記載のスクリーン印刷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を真空吸着するためのバックアップブロックおよび、そのバックアップブロックを備えたスクリーン印刷機に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷機では、印刷パターン孔が形成されたマスクの下に基板が配置され、そのマスク上にクリームはんだが塗り延ばしされる。クリームはんだが印刷パターン孔を通って基板に塗布されることにより、その基板には印刷パターンに従った印刷が行われる。その際、印刷時のマスクと基板との密着度に狂いがあると、印刷パターンに滲みが生じるなどの印刷不良が引き起こされる。そのため、基板とマスクには各々に位置精度が要求されるが、基板によっては撓みが生じているものもあり、要求に応じた精度が得られない場合もある。そこで、スクリーン印刷機では、真空引きによって基板を吸着保持することにより、印刷時の基板の平面度を出すようにしたバックアップブロックが使用される。
【0003】
下記特許文献1には、バックアップブロックに関する技術が開示されている。このバックアップブロックは、上面に基板が載せられる板状のブロック体であり、基板の一次面に実装された部品が当たらないように逃し穴が形成されている。バックアップブロックはベース板の上に重ねられ、そのベース板とはネジ止めによって一体になる。ベース板には上面側に凹部が形成され、バックアップブロックに塞がれることでエアチャンバが構成されるようになっている。また、ベース板には下面側に連結孔があけられ、その連結孔を介して真空ポンプによる真空引きが行われる。そして、バックアップブロックには凹部に重なる位置に複数の吸着孔が形成されているため、その吸着孔を介して基板が真空吸着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−008499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来例によれば、ベース板の凹部内が真空引きされて、バックアップブロックの吸着孔を介して基板が真空吸着されることにより、撓みの生じている基板であってもバックアップブロック上面に倣って平面状に修正される。ところが、従来のバックアップブロックはベース板と一体になって、凹部により真空引きする際のエアチャンバが構成されるものである。つまり、2部品からなるものであって、実際にはベース板が例えば昇降機構の昇降テーブルに固定される。仮に、特許文献1に記載のベース板が昇降テーブルを兼ねたものであるとすれば、生産する基板によってバックアップブロックの変更が必要になる場合、そのベース板も取り換えなければならず段取り替えが大変な作業になってしまう。
【0006】
従来のバックアップブロックは2部品からなる構造であった。そのため、バックアップブロックの高さ精度や、基板を載せる上面の平行度を高い精度で出すことが困難であった。印刷時の基板高さは数十ミクロン単位で調整されるため、バックアップブロックとベース板との寸法公差が重なると、前述したように要求する精度の高さや平面度を得ることが困難であった。前記特許文献1にはエアチャンバを構成する凹部が矩形形状のものも開示されている。しかし、凹部の面積が大きくなると真空引きの際の受圧面積が大きくなり、バックアップブロックに撓みが生じやすく、基板に対する印刷の精度を低下させてしまうことになる。
【0007】
そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、エアチャンバ用の凹部が形成された1部品からなるバックアップブロックおよび、そのバックアップブロックを備えたスクリーン印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様におけるバックアップブロックは、基板が載せられる搭載面と、前記搭載面と平行な反対側の設置面と、前記搭載面と前記設置面との間の厚さ方向に貫通した複数の吸着孔と、前記複数の吸着孔の位置を囲むように前記設置面側に形成されたチャンバ用凹部とを有する。
【0009】
本発明の他の態様におけるスクリーン印刷機は、マスクを保持するマスク保持装置と、下方から支持した基板を水平方向に把持する基板保持装置と、前記基板保持装置で把持された基板と前記マスク保持装置のマスクとを相対的に位置決めする位置決め装置と、前記マスクに対してクリームはんだを塗り延ばしするスキージ装置と、前記各装置の駆動制御を行う制御装置とを有し、前記基板保持装置は、昇降機構によって上下方向の位置決めが可能な昇降テーブルと、基板が載せられる搭載面、前記搭載面と平行な反対側の設置面、前記搭載面と前記設置面との間の厚さ方向に貫通した複数の吸着孔および、前記複数の吸着孔の位置を囲むように前記設置面側に形成されたチャンバ用凹部とを備えたバックアップブロックとを有し、前記昇降テーブル上面に前記バックアップブロックが重ねられてできる前記チャンバ用凹部によるエアチャンバに対し、前記昇降テーブルを貫通して形成された吸込み孔を介して減圧機が接続されたものである。
【発明の効果】
【0010】
前記構成によれば、設置面が接するようにして昇降テーブル上にバックアップブロックが重ねられることにより、設置面側に形成されたチャンバ用凹部によって昇降テーブルとの間にエアチャンバが構成され、バックアップブロックの搭載面に載せられた基板がエアチャンバに対する真空引きにより真空吸着される。このとき、バックアップブロックが1部品で構成されているため、従来の2部品のものとは異なり高さ寸法や搭載面の平行度に関する精度を出すことができ、高い印刷品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】スクリーン印刷機の一実施形態の内部構造を簡易的に示した図である。
図2】バックアップブロックの一実施形態を示した断面図である。
図3】バックアップブロックの一実施形態を示した斜視図である。
図4】バックアップブロックに形成するチャンバ用凹部の例を示した図である。
図5】従来のバックアップブロックを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係るバックアップブロックおよびスクリーン印刷機の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図1は、スクリーン印刷機の内部構造を簡易的に示した図であり、基板の搬送方向である機体幅方向から示したものである。このスクリーン印刷機1は、基板10に対してクリームはんだを印刷するものであり、例えば印刷状態を検査するはんだ検査機や基板に電子部品の装着を行う部品装着機などと共に回路基板生産ラインを構成するものである。
【0013】
スクリーン印刷機1は、内部構造全体が不図示の機体カバーによって覆われている。その機体カバーには機体幅方向の両側面に搬送口が形成され、基板10の搬入および搬出が行われるようになっている。なお、本実施形態では、スクリーン印刷機1の機体前後方向をY軸方向、図面を貫く機体幅方向をX軸方向、そして機体高さ方向をZ軸方向として説明する。
【0014】
スクリーン印刷機1は、機内に設置されたマスク20の下に基板10が搬送され、マスク20の上面側から印刷パターン孔をクリームはんだが通り、下側の基板10に塗布されて印刷パターンが形成される。そこで、スクリーン印刷機1の機内上部側には、機体幅方向に配置された一対のマスクホルダ3に、枠体を介してマスク20が保持される。マスクホルダ3の上方側には、機体前後方向に移動可能なスキージ装置4が組み付けられている。一方、マスクホルダ3の下方側には、基板10を機体幅方向に搬入及び搬出させる基板搬送装置5、基板10を機体前後方向にクランプするためのクランプ装置6、そして基板10をクランプ位置へと上下させるバックアップ装置7などが昇降装置8に組み付けられている。
【0015】
昇降装置8は、垂直なガイドレール11に沿って摺動する昇降台12を備え、その昇降台12がボールネジ機構13を介して昇降用モータ14に連結されている。昇降台12の上には、支持台15を介して基板搬送装置5やクランプ装置6などが搭載されている。支持台15には、機体前後方向(Y軸方向)に一対のマスクサポート21が設けられ、それぞれの上面にマスク20に接触するマスク支持プレート24が固定されている。図面右側のマスクサポート21に設けられたボールネジ機構がサーボモータによって駆動し、図面左側のマスクサポート21との距離の調整が可能となっている。
【0016】
クランプ装置6は、基板10の搬送方向と直行する機体前後方向に一対のサイドフレーム25があり、支持台23上に組み付けられている。図面右側のサイドフレーム25に設けられたボールネジ機構がサーボモータによって駆動し、図面左側のサイドフレーム25との距離の調整が可能となっている。各サイドフレーム25の上端部にはクランプ部27が形成され、クランプ部27同士の距離が縮まることによって基板10が把持できるようになっている。
【0017】
サイドフレーム25の内側には、コンベアベルト28からなる基板搬送装置5が組み付けられ、更に搬送された基板10をクランプ部27に対して正確な位置で把持させるためのバックアップ装置7が設けられている。バックアップ装置7は、バックアップブロック32を搭載した昇降テーブル31がボールネジ機構を介してサーボモータ33により昇降可能な構成となっている。そして、バックアップ装置7を備えるクランプ装置6は、その支持台23がボールネジ機構を介して支持され、サーボモータ34によって昇降するよう構成されている。
【0018】
バックアップ装置7などに保持された基板10は、マスク20に対して昇降装置8の昇降および、マスク20との間の位置調整を行う補正装置によって位置決めが行われるようになっている。昇降台12に対して支持台15がX方向、Y方向およびθ方向に位置調整が可能な構成が設けられており、基板10とマスク20との位置合わせが行われるようになっている。なお、X方向、Y方向およびθ方向の位置調整は、マスク20を保持したマスクホルダ3に補正装置が構成されるようにしたものであってもよい。
【0019】
スキージ装置4は、走行台35に対して一対のスキージが昇降可能な状態で搭載されている。走行台35は、ガイドロッド36に対して摺動可能に組み付けられ、ガイドロッド36と平行なネジ軸37からなるボールネジ機構を介して、サーボモータの駆動により機体前後方向の直線移動が可能となっている。そして、こうしたスクリーン印刷機1には全体の駆動を制御する制御装置9が搭載され、各装置の駆動部に対して駆動制御が行われるようになっている。
【0020】
ところで、基板10の上下方向の位置決めは、バックアップ装置7やクランプ装置6のサーボモータ33,34を駆動制御することによって行われる。しかもその位置決め精度は数十ミクロン単位であるため、基板10自体の撓みが許容できない場合がある。そこで、バックアップ装置7は、基板10を直接支える構成としてバックアップピンの他に、真空吸着を行うためのバックアップブロック32に組み替え可能になっている。そして、バックアップブロック32によって構成されるエアチャンバ内を真空引きするため、昇降テーブル31にはエアホース38が取り付けられ、真空ポンプ40が接続されている。
【0021】
エアチャンバを構成する従来のバックアップブロックは、前記課題でも述べたように2部品によって構成されているため、数十ミクロン単位の精度を出すことが困難であり、加工コストを上げる要因にもなっていた。図5は、本実施形態のバックアップ装置7に組付け可能な従来のバックアップブロックを示した断面図である。昇降テーブル31には厚さ方向に貫通した吸込み孔41が形成され、真空ポンプ40に接続されたエアホース38が下から取り付けられている。そして、吸込み孔41がバックアップブロック100のエアチャンバ103に連通している。
【0022】
バックアップブロック100は、基板10の大きさに応じた面積の板状のブロックであり、上下の厚さ方向に2分割されている。つまり、バックアップブロック100は、器型のベース部材101に蓋状の上面部材102が重ねられ、両者がねじ止めされて一体になり、その内部にエアチャンバ103となる空間が形成される。ベース部材101の底部には接続孔105が形成され、バックアップブロック100は、その接続孔105が昇降テーブル31の吸込み孔41と重なるようにして配置される。一方、上面部材102には、基板10一次面に実装された電子部品を逃がすための逃し穴106や、基板10を真空吸着するための吸着孔107が複数形成されている。
【0023】
バックアップブロック100は、厚さ寸法Aが30mmであって、そのうちベース部材101の厚さ寸法Bが20mm、上面部材102の厚さ寸法Cが10mmの厚さで設計されている。しかし、ベース部材101および上面部材102を加工するにあたって寸法公差が生じるため、各部材が公差範囲内であったとしても、2部品の合計すなわちバックアップブロック100としては許容範囲の誤差を超えてしまうことがある。また、電子部品の正確な実装には、厚さ寸法のほかにも基板10が平行であることが求められるが、バックアップブロック100の搭載面108の平行度を出す場合にも、ベース部材101と上面部材102との重ね合わせが精度を低下させてしまうことになる。
【0024】
これに対して、図2は、本実施形態のバックアップブロック32を示した断面図であり、図3は、同じバックアップブロック32の斜視図である。バックアップブロック32は、1つの部材によって図5に示す従来例と同様に厚さ寸法が30mmで設計されたものである。バックアップブロック32は、対象とする基板10の大きさに応じた面積の板状ブロックである。その上面である搭載面51には、基板10の一次面に実装された電子部品を逃がすための逃し穴52が所定の深さで複数形成され、また、基板10を真空吸着するための吸着孔53が複数形成されている。
【0025】
搭載面51の反対側である裏面は、昇降テーブル31の上面に直接接する設置面54である。搭載面51および設置面54は平行な面であって、バックアップブロック32は一定の厚さで形成されている。そして、本実施形態のバックアップブロック32は、設置面54側にチャンバ用凹部55が形成されている。ここで、図4は、3パターンのチャンバ用凹部を示したバックアップブロック32の設置面54側平面図である。
【0026】
チャンバ用凹部55(551,552,553)は、複数ある吸着孔53の位置を全て囲むように形成されたものである。図4に示したチャンバ用凹部551,552,553は、複数ある吸着孔53の位置が同じものである。ただし、吸着孔53の位置は搭載面51側に形成された逃し穴52の位置や大きさによって異なるため、チャンバ用凹部55の大きさや形状はそれぞれ異なるものになる。その点、設置面54全体に形成するパターンAのチャンバ用凹部551の形状、具体的には複数ある吸着孔53の位置を全て囲んだ矩形形状は一般的な形状である。一方、パターンB,Cのチャンバ用凹部552,553は、複数の吸着孔53の位置全てを繋ぐ溝形状であり、吸着孔53の位置によって変化するものである。
【0027】
バックアップブロック32は、図2に示すように、バックアップブロック32が設置面54を下にして昇降テーブル31の上面に重ねられ、下方に開放したチャンバ用凹部55が塞がれてエアチャンバ58としての空間が形成される。このとき、エアチャンバ58には昇降テーブル31の吸込み孔41が連通し、更にエアホース38を介して真空ポンプ40へと接続される。昇降テーブル31の上面には、バックアップブロック32が定位置に取り付けられるように、位置決め突起42が2箇所に突設されている。一方、バックアップブロック32には、設置面54側に位置決め穴56が2箇所に形成されている。段取り替えの際には、位置決め突起42が位置決め穴56に入るようにして、バックアップブロック32が昇降テーブル31の上面の定位置に配置される。
【0028】
続いて、スクリーン印刷機1の作用について説明する。スクリーン印刷機1では、コンベアベルト28によってサイドフレーム25の間に基板10が搬送され、サーボモータ33の駆動により昇降テーブル31が上昇し、バックアップブロック32によって基板10がコンベアベルト28から持ち上げられる。このとき、真空ポンプ40により昇降テーブル31とバックアップブロック32からなるエアチャンバ58内の空気が吸引される。そのため、吸着孔53が塞がれたエアチャンバ58では、内部の空気が真空ポンプ40により吸い出され、その真空度が高まることにより基板10がバックアップブロック32の搭載面51に吸着保持される。よって、撓みのある基板10であっても搭載面51に倣って全体が水平面になる。
【0029】
次に、基板10は、一対のクランプ部27によってY軸方向に挟み込まれて保持され、クランプ装置6が上昇することにより、基板10がマスク支持プレート24の高さに合わせられる。その後、不図示のカメラにより基板10に付されたマークが撮像され、基板10とマスク20に関してX,Y,θ方向の相対的位置の位置ズレ量が算出され、支持台15に構成されている補正装置によって位置ズレ補正が行われる。そして、昇降用モータ14の駆動により昇降台12が上昇し、基板10が基板移動高さにまで突き上げられ、マスク20に対して基板10が位置決めされる。
【0030】
その基板10にはスキージ装置4によってマスク20が押し付けられ、移動するスキージによりローリングされたクリームはんだがマスク20の印刷パターン孔へと押し込まれる。その後、サーボモータ34の駆動により基板10を所定速度で下降させる版離れが行われ、印刷パターンに従ってクリームはんだが基板10に印刷される。版離れではマスク20から離れる基板10の下降速度の調整が行われるが、本実施形態によれば、真空引きによって基板10の平面状態が保たれているため、正確な版離れが可能であり、印刷パターンに従った精度の高い印刷が行われる。
【0031】
特に、本実施形態のバックアップブロック32は1部品で構成されているため、従来の2部品のものと異なり高さ寸法や搭載面51の平行度に関する精度を出すことができる。そして、1部品であるバックアップブロック32には組み立て作業が必要なく、位置決め突起42に位置決め穴56を合わせて昇降テーブル31の上面に配置するだけでよいため、段取り替えも容易に行うことができる。
【0032】
また、2部品からなる従来のバックアップブロック100は、異なる基板種ごとに上面部材102が用意される。しかし、基板に応じて吸着孔107の位置が異なることになるため、複数の上面部材102についてベース部材101を共通化しようとすると、エアチャンバ103は、ベース部材101全体に形成された一般的な矩形形状にする必要がある。これに対して、1部品であるバックアップブロック32は、吸着孔53とチャンバ用凹部55が一体に形成されるため、エアチャンバ58すなわちチャンバ用凹部55の形状の自由度が高いものとなる。
【0033】
また、昇降テーブル31がエアチャンバ58の底面の役割を果たすため、厚さに制限のあるバックアップブロック32は搭載面51側の肉厚D(図2参照)を厚くすることができる。よって、バックアップブロック32は、エアチャンバ58内が真空引きされた際の負圧に対して、搭載面51を撓ませることなく平面状態を維持するだけの剛性を確保することができる。つまり、バックアップブロック32の厚さ寸法を大きくすれば、それに連動してバックアップ装置7などの高さ方向(Z軸方向)の寸法が大きくなってしまうが、当該厚さ寸法を大きくすることなく真空引きの際の剛性を上げることができる。
【0034】
例えば、本実施形態のバックアップブロック32は厚さ寸法が30mmである。同じ厚さで形成された従来のバックアップブロック100は、上面部材102の厚さ寸法Cが10mmであるため、真空引きの負圧によって撓みが生じてしまうことがあったが、本実施形態のバックアップブロック32は、搭載面51側の肉厚Dは20〜25mmの肉厚で形成することができるため、図4に示すチャンバ用凹部551であっても、エアチャンバ58内の負圧に対して搭載面51を撓ませることなく平面状態を維持することができる。
【0035】
そのチャンバ用凹部551は、他の溝形状のものに比べて吸着孔53の位置に関係なく形成することができるため加工が容易である反面、エアチャンバ58内にかかる負圧の受圧面積が大きくなるため撓みやすくなる。例えば、縦横の受圧面積(250mm×350mm)を共通にし、板厚が10mmと25mmと異なる2枚のアルミ板について、真空ポンプの到達圧力を8kPaとして撓みの比較計算を行った。その結果、アルミ板の最大撓み量が板厚10mmの場合は0.0538mmであるのに対し、板厚が25mmの場合は0.0036mmであった。従来のバックアップブロック100は、寸法公差だけではなく真空引きの大きな撓みも加わり、基板10の版離れで許容できる誤差を超えてしまい、印刷精度を低下させてしまう。これに対して、本実施形態のバックアップブロック32は、寸法公差および真空引きの撓みにおける誤差を極めて小さく抑えることができ、高い精度での印刷を可能にする。
【0036】
よって、バックアップブロック32は、チャンバ用凹部551の場合には搭載面51側の肉厚Dの寸法がより大きいことが好ましく、例えば、少なくともチャンバ用凹部551の底面までの深さ寸法Eが肉厚Dの寸法よりも小さくなるようにする。一方、図4に示したチャンバ用凹部552,553は、溝形状であるためチャンバ用凹部551に比べて受圧面積が極めて小さいため、真空引きにおける撓みの影響を受けにくくすることができる。
【0037】
その他にも、本実施形態のバックアップブロック32は、チャンバ用凹部55が大きく開口した形状であるため、昇降テーブル31の吸込み孔41に対応して接続孔105(図5参照)を形成する必要がない。接続孔105には位置精度が要求されるが、チャンバ用凹部55の場合にはそのような必要がないため、加工コストを抑えることが可能になる。そのチャンバ用凹部55には、図4に示すように、吸込み口41に対する位置に接続部55a,55b,55cが形成されている。この接続部55a,55b,55cの位置に吸込み孔41が重なるようにすればよい。
【0038】
ところで、パターンCのチャンバ用凹部553は、接続部55cが大きく形成されている。昇降テーブル31に対して吸込み孔410が大きく形成され、その大きさに合わせているためである。吸込み孔410は、エアホース38の接続口よりも大きく形成され、チャンバ用凹部553からなるエアチャンバ58内の空気を大きな流路として効率よく排出できるように構成されたものである。よって、エアチャンバ58の排気部分については吸込み孔410を大きくすることで、同じ真空ポンプ40であっても効率よく真空引きすることができ、真空吸着する基板10の吸着効果を上げるほか、基板10を吸着保持した状態が安定するまでの時間も短縮させることが可能になる。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、前記実施形態のバックアップブロック32の構成として示したチャンバ用凹部55(551,552,553)などは一例であって、異なる形状や配置あるいは大きさであってもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…スクリーン印刷機 3…マスクホルダ 4…スキージ装置 5…基板搬送装置 6…クランプ装置 7…バックアップ装置 8…昇降装置 10…基板 20…マスク 31…昇降テーブル 32…バックアップブロック 38…エアホース 40…真空ポンプ 42…位置決め突起 51…搭載面 52…逃し穴 53…吸着孔 54…設置面 55(551,552,553)…チャンバ用凹部 56…位置決め穴 58…エアチャンバ
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】