(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年8月22日
【発行日】2020年12月3日
(54)【発明の名称】タービン
(51)【国際特許分類】
F02B 39/00 20060101AFI20201106BHJP
F02B 39/16 20060101ALI20201106BHJP
F01D 25/32 20060101ALI20201106BHJP
【FI】
F02B39/00 D
F02B39/00 N
F02B39/00 H
F02B39/16 Z
F01D25/32 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2020-500405(P2020-500405)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年2月4日
(31)【優先権主張番号】特願2018-27167(P2018-27167)
(32)【優先日】2018年2月19日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】池谷 信之
【テーマコード(参考)】
3G005
【Fターム(参考)】
3G005EA04
3G005EA16
3G005FA27
3G005GB53
3G005GB65
3G005GB82
3G005GB86
(57)【要約】
タービンは、回転軸と、回転軸に取り付けられたタービンインペラと、タービンインペラを収容するタービンハウジングを含むハウジングと、回転軸を回転可能に支持する軸受と、を備える。タービンハウジングは、軸受が設けられた空間内の気体をタービンハウジング内の排ガス流出口に排出するように構成された第1排出路を含む。第1排出路の底面は、第1入口開口から第1出口開口に向けて下がる傾斜部分からなるか、または、傾斜部分と、傾斜部分に連続して水平に延びる水平部分とからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸に取り付けられたブレードと、
前記ブレードを収容するタービンハウジングを含むハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、を備え、
前記タービンハウジングは、前記軸受が設けられた第1空間内の気体を前記タービンハウジング内の第2空間に排出するように構成された排出路を含み、
前記排出路は、前記第1空間に連通する入口開口と、前記第2空間に開口する出口開口とを含み、
前記排出路の底面は、前記入口開口から前記出口開口に向けて下がる傾斜部分からなるか、または、前記傾斜部分と、前記傾斜部分に連続して水平に延びる水平部分とからなる、タービン。
【請求項2】
前記ハウジングは、内部に前記軸受が設けられ、前記タービンハウジングに連結されるセンターハウジングを含み、
前記センターハウジングは、前記第1空間の出口であって前記排出路の前記入口開口に対面する連絡口を含む、請求項1に記載のタービン。
【請求項3】
前記タービンハウジングと前記センターハウジングとの間に設けられたシールプレートを更に備え、
前記シールプレートの外周部には、前記第1空間と前記連絡口との間に延在する案内路が形成されている、請求項2に記載のタービン。
【請求項4】
前記センターハウジングの前記連絡口の下端、および、前記タービンハウジングの前記排出路の前記入口開口の下端は、いずれも前記回転軸より下に位置する、請求項2に記載のタービン。
【請求項5】
前記センターハウジングの前記連絡口の下端、および、前記タービンハウジングの前記排出路の前記入口開口の下端は、いずれも前記回転軸より下に位置する、請求項3に記載のタービン。
【請求項6】
前記軸受と前記ブレードとの間には、前記回転軸に対してシール部が設けられている、請求項1に記載のタービン。
【請求項7】
前記軸受と前記ブレードとの間には、前記回転軸に対してシール部が設けられている、請求項2に記載のタービン。
【請求項8】
前記軸受と前記ブレードとの間には、前記回転軸に対してシール部が設けられている、請求項3に記載のタービン。
【請求項9】
前記軸受と前記ブレードとの間には、前記回転軸に対してシール部が設けられている、請求項4に記載のタービン。
【請求項10】
前記軸受と前記ブレードとの間には、前記回転軸に対してシール部が設けられている、請求項5に記載のタービン。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0002】
特許文献1および2に記載されるように、タービンとコンプレッサとを備えるターボ機械が知られている。たとえば特許文献1に記載のターボ機械では、回転軸は、センターハウジング内に設けられたジャーナル軸受およびスラスト軸受によって支持される。センターハウジング内には、流路と、この流路に接続された導管とが設けられている。その導管は、タービンケーシングに設けられた流路に接続されている。排気ガスによってタービン羽根車が駆動され、コンプレッサ出口圧力がタービン入口圧力より高い状態になったとき、コンプレッサ羽根車の出口部から、空気がセンターハウジング内に流入し、スラスト軸受およびジャーナル軸受を冷却する。この空気の一部は、センターハウジング内の流路および導管を通り、次いでタービンケーシングの流路を通って、タービンの出口流路へと流れる。
【0003】
特許文献2に記載のターボ機械では、回転軸は、センターハウジング内に設けられたジャーナル軸受と、タービンとセンターハウジングの間に設けられたスラスト軸受とによって支持される。ジャーナル軸受の外周部には、ジャーナル軸受の内部に形成された多数の給気孔に連通する導路が形成される。この導路には、外部の圧縮機から、給気管を介して圧縮空気が供給される。ジャーナル軸受の内周の軸受面には、環状の排気溝が形成されている。ジャーナル軸受とセンターハウジングとを貫通するようにして、その排気溝に接続される導孔が形成されている。スラスト軸受のセンターハウジング側には、導孔に接続された分配溝が円周上に形成されている。さらに、スラスト軸受には、この分配溝に連通してタービン側に開口する吹出孔が設けられている。圧縮機から供給された圧縮空気は、ジャーナル軸受およびスラスト軸受に、回転軸を支持させる。一方、圧縮空気の一部は、ジャーナル軸受の排気溝に流入し、分配溝および吹出孔からタービンの背面側に吹き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60−18233号公報
【特許文献2】特開昭60−173316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タービンを備えるターボ機械において、タービンに、排気としての湿った気体(水蒸気を含む空気)が流入する場合がある。タービンは、そのような湿った気体によって作動させられる。水蒸気が凝縮すると、水がハウジング内に溜まり得る。ここで、軸受が設けられた空間に流入する気体を排出するための流路(排出路)が、タービンハウジングに設けられ得る。もし、溜まった水がその排出路内に流入して残存したら、その水がタービンに悪影響を及ぼし得る。たとえば、温度の低下に応じて水が凍結すると、排出路が閉塞し、ハウジング内の部品(たとえば回転軸等)に不具合が生じ得る。
【0006】
ハウジング内の軸受が設けられた空間に溜まった凝縮水を排出することができるタービンを説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係るタービンは、回転軸と、回転軸に取り付けられたブレードと、ブレードを収容するタービンハウジングを含むハウジングと、ハウジング内に設けられ、回転軸を回転可能に支持する軸受と、を備え、タービンハウジングは、軸受が設けられた第1空間内の気体をタービンハウジング内の第2空間に排出するように構成された排出路を含み、排出路は、第1空間に連通する入口開口と、第2空間に開口する出口開口とを含み、排出路の底面は、入口開口から出口開口に向けて下がる傾斜部分からなるか、または、傾斜部分と、傾斜部分に連続して水平に延びる水平部分とからなる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、ハウジング内の軸受が設けられた空間に溜まった凝縮水を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本開示の一電動過給機(遠心圧縮機)を模式的に示す説明図である。
【図2】図2は、本開示の一電動過給機(遠心圧縮機)の一例を示す断面図である。
【図3】図3は、図2中のタービンハウジング、シール部、および軸受の付近を拡大して示す断面図である。
【図4】図4は、センターハウジングにシールプレートが取り付けられた組立体を示す斜視図である。
【図5】図5は、シールプレートを示す斜視図である。
【図6】図6は、図5のシールプレートを背面側から見て示す斜視図である。
【図7】図7は、回転軸線方向のタービン側から見た、連絡口よりも奥の構造を示す断面図である。
【図8】図8は、回転軸線方向のタービン側から見た、タービンハウジング内に形成された排出路の形状を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係るタービンは、回転軸と、回転軸に取り付けられたブレードと、ブレードを収容するタービンハウジングを含むハウジングと、ハウジング内に設けられ、回転軸を回転可能に支持する軸受と、を備え、タービンハウジングは、軸受が設けられた第1空間内の気体をタービンハウジング内の第2空間に排出するように構成された排出路を含み、排出路は、第1空間に連通する入口開口と、第2空間に開口する出口開口とを含み、排出路の底面は、入口開口から出口開口に向けて下がる傾斜部分からなるか、または、傾斜部分と、傾斜部分に連続して水平に延びる水平部分とからなる。
【0011】
このタービンによれば、軸受が設けられた第1空間内の気体は、排出路を通って、タービンハウジング内の第2空間に排出される。タービンに流入する気体が水蒸気を含み、もしその水蒸気が凝縮して生じる凝縮水がハウジング内に溜まると、第1空間にも凝縮水が溜まり得る。凝縮水の水位が排出路の入口開口に達すると、凝縮水は排出路内に浸入する。排出路の底面は、出口開口に向けて下がる傾斜部分からなるか、または、傾斜部分と水平部分とからなる。言い換えれば、排出路の底面は、出口開口に向けて上がる傾斜部分を有しない。したがって、排出路内に浸入した凝縮水は、うまく第2空間に排出される。このように、一態様に係るタービンは、ハウジング内の軸受が設けられた空間に溜まった凝縮水を排出することを可能とする。排出路は、気体を排出するための通路と、凝縮水を排出するための通路とを兼ねる。形状の排出路には、凝縮水は決して満たされない。タービンの停止中等に、温度の低下に応じて凝縮水が凍結した場合でも、排出路には気体の流路が確保される。
【0012】
いくつかの態様において、ハウジングは、内部に軸受が設けられ、タービンハウジングに連結されるセンターハウジングを含み、センターハウジングは、第1空間の出口であって排出路の入口開口に対面する連絡口を含む。この場合、連絡口から、センターハウジング内の第1空間に存在する凝縮水が排出されやすい。排出された凝縮水は、入口開口を介して排出路に浸入しやすい。
【0013】
いくつかの態様において、タービンは、タービンハウジングとセンターハウジングとの間に設けられたシールプレートを更に備え、シールプレートの外周部には、第1空間と連絡口との間に延在する案内路が形成されている。シールプレートに形成された案内路は、第1空間に存在する凝縮水を連絡口に案内し得る。よって、連絡口を通じての凝縮水の排出がスムーズに行われ得る。
【0014】
いくつかの態様において、センターハウジングの連絡口の下端、および、タービンハウジングの排出路の入口開口の下端は、いずれも回転軸より下に位置する。この場合、凝縮水の水位(レベル)は、決して回転軸に達しない。よって、たとえば温度の低下に応じて凝縮水が凍結した場合でも、回転軸が凝縮水由来の氷に固着してしまうことを防止することができる。回転軸がハウジング内で回転可能であれば、タービンを運転することができる。タービンの運転は温度の上昇をもたらし、その結果として、その氷は融解して水となり、水が排出路から排出され得る。
【0015】
いくつかの態様において、軸受とブレードとの間には、回転軸に対してシール部が設けられている。この場合、たとえば、ブレードの背面からシール部を抜けた気体および軸受を冷却した気体等が、第1空間に集まり、排出路を通って第2空間に排出され得る。
【0016】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。本明細書において、「上下」、「鉛直」、「水平」、「底面」等の用語は、タービンが設置された状態を基準にして用いられる。言い換えれば、本明細書において、「上がる」および「下がる」との用語は、タービンが設置される状態および重力を基準にして用いられる。
【0017】
本電動過給機(遠心圧縮機の一例)1について説明する。電動過給機1は、例えば、図示しない燃料電池システムに適用される。電動過給機1は、燃料電池用空気供給装置である。燃料電池システムの型式は特に限定されない。燃料電池システムは、例えば、固体高分子形燃料電池(PEFC)又はりん酸形燃料電池(PAFC)等であってもよい。
【0018】
図1及び図2に示されるように、電動過給機1は、タービン2と、コンプレッサ3とを備えている。タービン2は、たとえば燃料電池用排気タービンである。タービン2は、回転軸線Xを有する回転軸4を備える。回転軸4の一端にはタービンインペラ(ブレード)21が取り付けられ、回転軸4の他端にはコンプレッサインペラ31が取り付けられる。タービンインペラ21およびコンプレッサインペラ31の間には、回転軸4に回転駆動力を与えるためのモータ5が設置されている。コンプレッサ3によって圧縮された圧縮空気(「圧縮気体」の一例)Gは、酸化剤(酸素)としての燃料電池システムに供給される。燃料電池システム内では、燃料と酸化剤との化学反応によって、発電が行われる。燃料電池システムからは、水蒸気を含む空気が排出され、この空気は、タービン2に供給される。
【0019】
電動過給機1は、燃料電池システムから排出される高温の空気を用いて、タービン2のタービンインペラ21を回転させる。タービンインペラ21が回転することにより、コンプレッサ3のコンプレッサインペラ31が回転し、圧縮空気Gが燃料電池システムに供給される。なお、電動過給機1では、コンプレッサ3の駆動力の大部分が、モータ5によって与えられてもよい。すなわち、電動過給機1は、ほぼモータ駆動の過給機であってもよい。
【0020】
燃料電池システムおよび電動過給機1は、たとえば車両(電気自動車)に搭載され得る。なお、電動過給機1のモータ5には、燃料電池システムで発電された電気が供給されてもよいが、燃料電池システム以外から電気が供給されてもよい。
【0021】
電動過給機1は、タービン2と、コンプレッサ3と、モータ5の回転駆動を制御するインバータ6とを備える。タービン2は、タービンハウジング22と、タービンハウジング22に収容されたタービンインペラ21と、モータハウジング(センターハウジング)7と、モータハウジング7内に配置された回転軸4およびモータ5と、後述する空気軸受構造8とを備える。
【0022】
コンプレッサ3は、コンプレッサハウジング32と、コンプレッサハウジング32に収容されたコンプレッサインペラ31と、を備える。タービンハウジング22とコンプレッサハウジング32との間に、のモータハウジング7が設けられている。回転軸4は、空気軸受構造(気体軸受構造)8によって、モータハウジング7内で回転可能に支持されている。電動過給機1のハウジングHは、タービンハウジング22とコンプレッサハウジング32とモータハウジング7とを備える。これらのうち、タービンハウジング22およびモータハウジング7が、タービン2のハウジングを構成する。
【0023】
タービンハウジング22には、排ガス流入口(不図示)及び排ガス流出口22aが設けられている。燃料電池システムから排出された水蒸気を含む空気は、排ガス流入口を通じてタービンハウジング22内に流入する。流入した空気は、タービンスクロール22bを通過して、タービンインペラ21の入口側に供給される。タービンインペラ21は、例えばラジアルタービンであり、供給された空気の圧力を利用して、回転力を発生させる。その後、空気は、排ガス流出口22aを通じてタービンハウジング22外に流出する。
【0024】
コンプレッサハウジング32には、吸入口32a及び吐出口32bが設けられている。のようにタービンインペラ21が回転すると、回転軸4及びコンプレッサインペラ31が回転する。回転するコンプレッサインペラ31は、吸入口32aを通じて外部の空気を吸入し、圧縮する。コンプレッサインペラ31によって圧縮された圧縮空気Gは、コンプレッサスクロール32cを通過して吐出口32bから排出される。吐出口32bから吐出された圧縮空気Gは、燃料電池システムに供給される。
【0025】
モータ5は、例えばブラシレスの交流モータであり、回転子であるロータ51と、固定子であるステータ52とを備える。ロータ51は、1つ又は複数のマグネットを含む。ロータ51は、回転軸4に固定され、回転軸4と共に軸周りに回転可能となっている。ロータ51は、回転軸4の軸線向における中央部に配置されている。ステータ52は、複数のコイル及び鉄心を備える。ステータ52は、ロータ51を回転軸4の周方向に囲むように配置されている。ステータ52は、回転軸4の周りに磁場を生じさせて、ロータ51との協働により、ロータ51を回転させる。
【0026】
次に、機内で発生する熱を冷却する冷却構造について説明する。冷却構造は、モータハウジング7に取り付けられた熱交換器(冷却器)9と、熱交換器9を通過する冷媒ライン10及び空冷ライン(不図示)とを備えている。冷媒ライン10と空冷ラインとは、熱交換器9内で熱交換可能に接続されている。空冷ラインには、コンプレッサ3で圧縮された圧縮空気Gの一部が通過する。言い換えれば、圧縮空気Gの一部が抽気され、冷却空気Gaとして空冷ラインに流される。冷媒ライン10には、空冷ラインを通過する冷却空気Gaよりも温度が低いクーラントCが通過する。
【0027】
冷媒ライン10は、電動過給機1外に設けられたラジエターに接続された循環ラインの一部である。冷媒ライン10を通過するクーラントCの温度は、たとえば50℃以上、100℃以下である。冷媒ライン10は、ステータ52に沿って配置されたモータ冷却部10aと、インバータ6に沿って配置されたインバータ冷却部10bとを備えている。熱交換器9を通過したクーラントCは、モータ冷却部10aにおいてステータ52の周りを周回しながら流れ、ステータ52を冷却する。その後、クーラントCは、インバータ冷却部10bにおいてインバータ6の制御回路、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、バイポーラトランジスタ、MOSFET、またはGTOなどに沿って、たとえば蛇行しながら流れ、インバータ6を冷却する。クーラントCの流路の構成は、クーラントCが冷却対象の各機器を冷却可能であるように、適宜に変更可能である。
【0028】
電動過給機1では、コンプレッサ3側の圧力が、タービン2側の圧力よりも高くなるように構成されている。この圧力差を利用して、空気軸受構造8が冷却される。コンプレッサ3で圧縮された圧縮空気Gの一部が抽気され、その冷却空気Gaが空気軸受構造8まで誘導され、空気軸受構造8を通過した冷却空気Gaはタービン2に送られる。なお、圧縮空気Gの温度は、たとえば、高い場合でも170℃程度であり、熱交換器9により、70〜80℃程度まで下がる。一方、空気軸受構造8の温度は、無冷却では150℃以上になるため、冷却空気Gaを供給することによって空気軸受構造8が好適に冷却される。なお、図2においては、熱交換器9およびインバータ6の図示が省略されている。
【0029】
モータハウジング7は、ロータ51を囲むステータ52を収容するステータハウジング71と、空気軸受構造8が設けられた軸受ハウジング72とを備えている。ステータハウジング71及び軸受ハウジング72には、回転軸4が貫通する軸空間(ハウジングH内の空間の一部)Aが形成されている。軸空間Aの両端部には、軸空間A内の気密を保持するためのラビリンスシール部33a,23aが設けられている。
【0030】
軸受ハウジング72には、コンプレッサインペラ31を収容するコンプレッサハウジング32が、ボルト等の公知の締結具等により連結および固定されている。コンプレッサハウジング32は、コンプレッサインペラ31を収容するインペラ室34と、インペラ室34と協働してディフューザ36を形成する円板状のディフューザプレート33とを備えている。ディフューザプレート33には、ディフューザ36内に配置される複数のベーン37が固定されている。ディフューザプレート33の中央部(回転軸4の周囲)には、ラビリンスシール部33aが設けられている。ディフューザプレート33には、圧縮空気Gの一部を抽気する、空冷ラインの入口である抽気孔(不図示)が形成されてもよい。
【0031】
ステータハウジング71には、タービンインペラ21を収容するタービンハウジング22が、ボルト等の公知の締結具等により連結および固定されている。図2および図3に示されるように、タービンハウジング22とステータハウジング71(モータハウジング7)との間には、円板状のシールプレート23が設けられている。このシールプレート23は、タービンスクロール22bとタービンインペラ21との間のガス流路を形成する。シールプレート23は、そのガス流路に配置される複数のノズルベーンを含むノズルリングであってもよい。シールプレート23の中央部(回転軸4の周囲)には、ラビリンスシール部23aが設けられている。回転軸4に対して設けられたシール部であるラビリンスシール部23aは、空気軸受構造8のラジアル軸受82が設けられた空間(第1空間)Sの気密を保持する。ラビリンスシール部23aは、燃料電池システムから排出された水蒸気を含む空気が、空間S内に流入するのを阻み得る。
【0032】
続いて、空気軸受構造8について説明する。回転軸4を支持する空気軸受構造8は、一対のラジアル軸受81,82と、スラスト軸受83とを備えている。一対のラジアル軸受81,82は、回転軸4の回転を許容しつつ、回転軸4に直交する方向への移動を規制する。一対のラジアル軸受81,82は、たとえば動圧型の空気軸受(気体軸受)であり、回転軸4の中央部に設けられたロータ51を挟むようにして配置されている。
【0033】
第1のラジアル軸受81は、軸受ハウジング72内に設けられ、ロータ51とコンプレッサインペラ31との間に配置されている。第2のラジアル軸受82は、ステータハウジング71内に設けられ、ロータ51とタービンインペラ21との間に配置されている。言い換えれば、したラビリンスシール部23aは、第2のラジアル軸受82とタービンインペラ21との間に設けられている。第1のラジアル軸受81と第2のラジアル軸受82とは、実質的に同一の構造を備えている。第1のラジアル軸受81は、回転軸4の回転に伴い、周辺の空気を回転軸4と第1のラジアル軸受81との間へ誘い込み(楔効果)、圧力を上昇させて負荷能力を得る。第1のラジアル軸受81は、楔効果で得た負荷能力によって回転軸4を回転自在に支持する。第1のラジアル軸受81として、例えば、フォイル軸受、ティルティングパッド軸受、スパイラル溝軸受などを用いることができる。ラジアル軸受82の構造および機能についての説明は省略される。
【0034】
スラスト軸受83は、軸受ハウジング72内に設けられ、ラジアル軸受81とコンプレッサインペラ31との間に配置されている。スラスト軸受83は、回転軸4の回転を許容しつつ、回転軸4の軸線方向への移動を規制する。スラスト軸受83は、動圧型の空気軸受であり、第1のラジアル軸受81とコンプレッサインペラ31との間に配置されている。スラスト軸受83は、回転軸4の回転に伴い、周辺の空気を回転軸4とスラスト軸受83との間へ誘い込み(楔効果)、圧力を上昇させて負荷能力を得る構造である。スラスト軸受83は、楔効果で得た負荷能力によって回転軸4を回転自在に支持する。スラスト軸受83として、例えば、フォイル軸受、ティルティングパッド軸受、スパイラル溝軸受などを用いることができる。
【0035】
本実施形態では、回転軸4とラジアル軸受81との間、スラスト軸受83の内部、ロータ51とステータ52との間、および、回転軸4とラジアル軸受82との間に隙間が形成される。これらの隙間に冷却空気Gaが通過することにより、空気軸受構造8の各軸受が冷却される。なお、圧縮空気Gの一部が抽気されて冷却空気Gaとして導入される構成とは異なる構成が採用されてもよい。たとえば、電動過給機1から吐出された圧縮空気Gの一部が、外部で冷却された後、冷却空気として電動過給機1内に戻されてもよい。冷却空気は、圧縮空気G以外の別の空気源から導入されてもよい。
【0036】
より詳細には、モータ5およびラジアル軸受82を冷却した冷却空気Gaは、モータハウジング7に形成された第1流路16およびタービンハウジング22に形成された第1排出路18を経て、排ガス流出口(第2空間)22aに導入される。第1排出路18は、ラジアル軸受82が設けられた空間S内の気体を排ガス流出口22aに排出するように構成されている。ラジアル軸受81およびスラスト軸受83を冷却した冷却空気Gaは、モータハウジング7に形成された第2流路15およびタービンハウジング22に形成された第2排出路17を経て、排ガス流出口22aに導入される。第1排出路18および第2排出路17は、いずれも、たとえば断面円形の流路である。
【0037】
以下、タービン2に設けられた気体の流路についてより詳細に説明する。タービン2は、燃料電池システムから排出された湿った空気を受け入れるため、たとえばタービン2の停止時に、モータハウジング7内に凝縮水が溜まり得る。タービンハウジング22に形成された気体の流路は、凝縮水の排出路を兼ねている。タービン2は、凝縮水をタービンインペラ21の下流の空間にうまく排出させる構造を備える。
【0038】
モータハウジング7には、軸空間Aの空間Sとタービンハウジング22とを接続する第1流路16と、軸空間Aとタービンハウジング22とを接続する第2流路15とが設けられている。熱交換器9を経由して軸空間Aに到達した圧縮空気Gは、第2流路15に向かう流れと、第1流路16に向かう流れとに分岐する。第1流路16に向かう流路上には、第2のラジアル軸受82が配置されている。第1流路16に向かう冷却空気Gaは、主として第2のラジアル軸受82を冷却する。第2流路15に向かう流路上には、第1のラジアル軸受81とスラスト軸受83とが配置されている。第2流路15に向かう冷却空気Gaは、主として第1のラジアル軸受81とスラスト軸受83とを冷却する。
【0039】
より詳細には、図3に示されるように、第1流路16は、第2のラジアル軸受82に接続されている。第2のラジアル軸受82の軸受本体は、ステータハウジング71に固定されている。ステータハウジング71には、タービンハウジング22が固定されている。ステータハウジング71とタービンハウジング22との間には、ラビリンスシール部23aが設けられたシールプレート23が配置されている。ラジアル軸受82とシールプレート23との間には、冷却空気Gaが流入可能な空間Sが形成されている。第1流路16の上流側の入口は、この空間Sに連通可能に接続されている。
【0040】
第1流路16は、シールプレート23及びステータハウジング71を通る。第1流路16の出口である第1連絡口16a(図7参照)は、タービンハウジング22に形成された第1排出路18に接続されている。言い換えれば、第1排出路18は、第1流路16を介して空間Sに連通する第1入口開口18aと、タービンハウジング22内の排ガス流出口22aに開口する第1出口開口18bとを含む(図8参照)。ステータハウジング71は、第1排出路18の第1入口開口18aに対面する第1連絡口16a(図4参照)を含む。この第1連絡口16aは、空間Sの出口に相当する。第1連絡口16aと第1入口開口18aとの間には、冷却空気Gaの流量調整のためのオリフィスプレート42が設けられてもよい。
【0041】
一方、図2に示されるように、第2流路15は、スラスト軸受83のある空間に接続されている。スラスト軸受83の軸受本体の外周面と軸受ハウジング72との間には冷却空気Gaが流入可能な隙間が存在する。第2流路15の上流側の入口は、この隙間に連通可能に接続されている。図3に示されるように、第2流路15は、軸受ハウジング72及びステータハウジング71を通る。第2流路15の出口は、タービンハウジング22に形成された第2排出路17に接続されている。言い換えれば、第2排出路17は、第2流路15の出口に対面する第2入口開口17aと、タービンハウジング22内の排ガス流出口22aに開口する第2出口開口17bとを含む(図8参照)。ステータハウジング71は、第2排出路17の第2入口開口17aに対面する第2連絡口15a(図4参照)を含む。第2連絡口15aと第2入口開口17aとの間には、冷却空気Gaの流量調整のためのオリフィスプレート41が設けられてもよい。
【0042】
続いて、図3〜図8を参照して、ラジアル軸受82が設けられた空間Sに存在し得る流体(気体および液体)に関係する構造について詳細に説明する。図3に示されるように、空間Sには、タービンインペラ21の背面21aとシールプレート23との間の隙間を通り、更にラビリンスシール部23aを抜けた、湿った空気が流入し得る(図中の実線矢印参照)。また空間Sには、スラスト軸受83を冷却した冷却空気Gaが流入し得る(図中の実線矢印参照)。空間Sに流入したこれらの空気は、第1流路16および第1排出路18を通って排ガス流出口22aに排出され得る(図中の破線矢印参照)。
【0043】
図3および図5に示されるように、シールプレート23は、内周面にラビリンスシール部23aが形成された円環状の本体部23bと、本体部23bの外周に連接された円環状のフランジ部23cとを含む。本体部23bとフランジ部23cとの間には段差が形成されている。本体部23bの円筒状の突出部23dが、タービンハウジング22に形成された円形の開口に嵌め込まれている。本体部23bとフランジ部23cとの間の段差に相当する突出部23dの外周面23eが、タービンハウジング22の開口の内周面22eに合わさっている。本体部23bには、タービンインペラ21の背面21aに僅かな隙間をもって対面する環状の溝部23fが設けられてもよい。
【0044】
図3および図4に示されるように、ステータハウジング71は、タービンハウジング22に向けて突出する円筒状の嵌合部71aと、嵌合部71aの外周に連接された円環状の外周部71bとを含む。嵌合部71aは、タービンハウジング22に嵌まり込んでいる。一方でシールプレート23のフランジ部23cは、嵌合部71aの内周側に嵌まり込んでいる。このシールプレート23の背面側に、空間Sが形成されており、シールプレート23のフランジ部23cには、第1流路16の一部を構成する流路が形成されている。
【0045】
より具体的には、図4〜図6に示されるように、シールプレート23の外周部であるフランジ部23cには、切欠きである案内路23gが形成されている。案内路23gは、フランジ部23cを半径方向に貫通している。この案内路23gは、空間Sと第1流路16の第1連絡口16aとの間において延在している。案内路23gは、たとえば、空間S内に溜まった凝縮水を第1流路16に案内するように構成されている。
【0046】
図4に示されるように、ステータハウジング71の嵌合部71aの端面には、第1流路16の第1連絡口16aが開口している(図3も参照)。なお、ステータハウジング71の外周部71bの端面には、第2流路15の第2連絡口15aが開口している(図3も参照)。
【0047】
図7は、回転軸線X方向のタービン2側から見た、第1連絡口16aよりも奥の構造を示す断面図である。図8は、回転軸線X方向のタービン2側から見た、タービンハウジング22内に形成された第1排出路18および第2排出路17の形状を示す図である。図7および図8に示されるように、第1流路16の第1連絡口16aおよび第1排出路18の第1入口開口18aは、いずれも円形であり、略等しい大きさを有する。互いに対面する第1連絡口16aおよび第1入口開口18aは、それらの中心軸線を一致させるように配置されている。第1連絡口16aおよび第1入口開口18aの間にオリフィスプレート42が配置される場合、オリフィスプレート42の孔部は、第1連絡口16aおよび第1入口開口18aのそれぞれの直径よりも小さい。第2流路15の第2連絡口15aおよび第2排出路17の第2入口開口17aは、いずれも円形であり、略等しい大きさを有する。互いに対面する第2連絡口15aおよび第2入口開口17aは、それらの中心軸線を一致させるように配置されている。第2連絡口15aおよび第2入口開口17aの間にオリフィスプレート41が配置される場合、オリフィスプレート41の孔部は、第2連絡口15aおよび第2入口開口17aのそれぞれの直径よりも小さい。
【0048】
第1排出路18について詳細に説明すると、第1排出路18は、所望の勾配を有している。図7および図8には、電動過給機1(タービン2)が電気自動車等に組み込まれた状態を基準とする仮想鉛直面P1および仮想水平面P2が示されている。図8に示されるように、第1排出路18の底面18cは、水平に延びる(すなわち仮想水平面P2に平行に延びる)水平部分と、第1入口開口18aから第1出口開口18bに向けて下がる傾斜部分とからなる。水平部分の下流側に、傾斜部分が連続する。第1排出路18におけるこのような下り勾配によって、凝縮水の排ガス流出口22aへの排出が容易になっている。
【0049】
一方、図7に示されるように、ステータハウジング71内の第1流路16は、空間Sから第1連絡口16aに向けて上がっている。そのため、第1流路16の一部をなすシールプレート23の案内路23gは、仮想水平面P2に対して角度をなしている。しかも、タービン2では、第1連絡口16aの高さが考慮されている。第1流路16の下端16ab、および、オリフィスプレート42の下端42aは、いずれも、回転軸4より下に位置する。より詳細には、第1流路16の下端16ab、および、オリフィスプレート42の下端42aは、いずれも、回転軸4の下端4bより下に位置する。そして第1入口開口18aの下端18ab(図8参照)もまた同様に、回転軸4より下に位置する。
【0050】
そのため、オリフィスプレート42が設けられる場合には、オリフィスプレート42の下端42aに対応する第2レベルL2付近まで、凝縮水が溜まり得る。オリフィスプレート42が設けられない場合には、第1連絡口16aの下端16abに対応する第1レベルL1付近まで、凝縮水が溜まり得る。いずれのレベルであっても、凝縮水は、回転軸4の下端4bには達しない。
【0051】
なお、図8に示されるように、第2排出路17は、主として、第2入口開口17aから第2出口開口17bに向けて上がる傾斜部分からなる。第2流路15および第2排出路17を通るコンプレッサ3からの空気は、比較的乾いているため、凝縮水の問題が生じない。そのため、第2排出路17の形状は、水等の液体の排出を考慮せずに決められ得る。
【0052】
第1排出路18と第2排出路17との位置関係について説明すると、図3に示されるように、第1排出路18および第2排出路17は、いずれも仮想鉛直面P1を基準として一方の側に形成されている。また、第1排出路18および第2排出路17は、いずれも仮想水平面P2を基準として下側に形成されている。第1排出路18の第1出口開口18bの方が、第2排出路17の第2出口開口17bよりも、回転軸線X方向においてタービンインペラ21から遠くに位置する。これは、第1排出路18の下り勾配を容易に確保するための配置である。
【0053】
本実施形態のタービン2によれば、ラジアル軸受82が設けられた空間S内の気体は、第1排出路18を通って、タービンハウジング22内の排ガス流出口22aに排出される。タービン2に流入する気体が水蒸気を含み、もしその水蒸気が凝縮して生じる凝縮水がモータハウジング7内に溜まると、空間Sにも凝縮水が溜まり得る。凝縮水の水位が第1排出路18の第1入口開口18aに達すると、凝縮水は第1排出路18内に浸入する。第1排出路18の底面18cは、第1出口開口18bに向けて下がる傾斜部分からなるか、または、傾斜部分と水平部分とからなる。言い換えれば、第1排出路18の底面18cは、第1出口開口18bに向けて上がる傾斜部分を有しない。したがって、第1排出路18内に浸入した凝縮水は、うまく排ガス流出口22aに排出される。このように、タービン2は、モータハウジング7内のラジアル軸受82が設けられた空間Sに溜まった凝縮水を排出することを可能とする。第1排出路18は、気体を排出するための通路と、凝縮水を排出するための通路とを兼ねている。形状の第1排出路18には、凝縮水は決して満たされない。たとえばタービン2の停止中等に、温度の低下に応じて凝縮水が凍結した場合でも、第1排出路18には気体の流路が確保されるようになっている。
【0054】
モータハウジング7が、第1排出路18の第1入口開口18aに対面する第1連絡口16aを含むので、この第1連絡口16aから、モータハウジング7内の空間Sに存在する凝縮水が排出されやすい。排出された凝縮水は、第1入口開口18aを介して第1排出路18に浸入しやすい。
【0055】
シールプレート23のフランジ部23cに案内路23gが形成されているので、この案内路23gは、空間Sに存在する凝縮水を第1連絡口16aに案内し得る。よって、第1連絡口16aを通じての凝縮水の排出がスムーズに行われ得る。
【0056】
第1連絡口16aの下端16abおよび第1入口開口18aの下端18abが、いずれも回転軸4より下に位置するので、凝縮水の水位(レベル)は、決して回転軸4に達しない。よって、たとえば温度の低下に応じて凝縮水が凍結した場合でも、回転軸4が凝縮水由来の氷に固着してしまうことを防止することができる。回転軸4がモータハウジング7内で回転可能であれば、タービン2を運転することができる。タービン2の運転は温度の上昇をもたらし、その結果として、その氷は融解して水となり、水が第1排出路18から排出され得る。
【0057】
ラジアル軸受82とタービンインペラ21との間にラビリンスシール部23aが設けられている。タービンインペラ21の背面21aからラビリンスシール部23aを抜けた気体およびラジアル軸受82を冷却した冷却空気Ga等が、空間Sに集まり、第1排出路18を通って排ガス流出口22aに排出され得る。
【0058】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本発明は実施形態に限られない。たとえば、本開示の第1排出路18と同様の構造の排出路が、軸流タービンに設けられてもよい。軸流タービンに排出路が適用される場合、ケーシングとブレードの下流とを、排出路が接続されてもよい。多段の軸流タービンに排出路が適用される場合、排出路が、ある段と別の段との中間の位置に接続されてもよい。
【0059】
軸空間A内を気密に保持するためのシール部は、ラビリンスシール部33a,23aである場合に限られず、他の型式の公知のシール部であってもよい。
【0060】
第1排出路18の底面18cは、第1入口開口18aから第1出口開口18bに向けて下がる傾斜部分のみからなってもよい。
【0061】
モータを備えない過給機に、本開示の排出路の構造が適用されてもよい。遠心圧縮機によって圧縮される気体は、空気以外の気体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本開示のいくつかの態様によれば、ハウジング内の軸受が設けられた空間に溜まった凝縮水を排出することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 電動過給機(遠心圧縮機)
2 タービン
3 コンプレッサ
4 回転軸
7 モータハウジング(センターハウジング)
8 空気軸受構造(気体軸受構造)
15 第2流路
16 第1流路
16a 第1連絡口
16ab 下端
17 第2排出路
18 第1排出路
18a 第1入口開口
18ab 下端
18b 第1出口開口
18c 底面
21 タービンインペラ(ブレード)
22 タービンハウジング
22a 排ガス流出口(第2空間)
23 シールプレート
23a ラビリンスシール部(シール部)
23c フランジ部(外周部)
23g 案内路
31 コンプレッサインペラ
41 オリフィスプレート
42 オリフィスプレート
32 コンプレッサハウジング
71 ステータハウジング
72 軸受ハウジング
82 ラジアル軸受(気体軸受)
A 軸空間
H ハウジング
S 空間(第1空間)
X 回転軸線
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】