特表-19016935IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年1月24日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】紙幣取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/14 20190101AFI20191129BHJP
【FI】
   G07D11/14 151Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2019-530323(P2019-530323)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年7月21日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】玉橋 知之
(72)【発明者】
【氏名】原井 大樹
【テーマコード(参考)】
3E040
【Fターム(参考)】
3E040AA01
3E040BA06
3E040FF01
3E040FL01
(57)【要約】
紙幣取扱装置(1)は、紙幣を出金するための出金部(10)を備え、この出金部(10)は、紙幣の少なくとも前方側の一部が載置される底部(11)と、この底部(11)の左右両端に位置する一対の側壁(12,13)と、底部(11)の前端に位置する前壁(14)と、底部(11)の上方に位置するカバー(15)と、を有し、出金部(10)の前端には、少なくとも底部(11)及び前壁(14)に亘って切り欠き(11a,14a)が設けられ、カバー(15)は、回動して前端側から開くように開閉可能に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙幣を出金するための出金部を備える紙幣取扱装置であって、
前記出金部は、
前記紙幣の少なくとも前方側の一部が載置される底部と、
前記底部の左右両端に位置する一対の側壁と、
前記底部の前端に位置する前壁と、
前記底部の上方に位置するカバーと、を有し、
前記出金部の前端には、少なくとも前記底部及び前記前壁に亘って切り欠きが設けられ、
前記カバーは、回動して前端側から開くように開閉可能に配置されている、
ことを特徴とする紙幣取扱装置。
【請求項2】
前記底部の上面のうち少なくとも前記切り欠きを挟んだ左右両側は、前記切り欠きに近づくほど高さが低くなっていることを特徴とする請求項1記載の紙幣取扱装置。
【請求項3】
前記切り欠きは、前記底部、前記前壁、及び前記カバーに亘って設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の紙幣取扱装置。
【請求項4】
前記カバーの前記切り欠き内の後面及び側面のうち少なくとも一方は、下方にいくほど平面視における開口面積が狭まるように傾斜又は湾曲していることを特徴とする請求項3記載の紙幣取扱装置。
【請求項5】
前記出金部における前記紙幣の出金位置よりも上方の入金位置から前記紙幣が入金される入金部を更に備え、
前記入金部は、前記紙幣の底面をガイドするガイド面を含む底面ガイドを有し、
前記カバーの少なくとも一部は、前記底面ガイドの前方に位置する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の紙幣取扱装置。
【請求項6】
前記カバーの上面は、前記底面ガイドの前記ガイド面と連続するように形成されていることを特徴とする請求項5記載の紙幣取扱装置。
【請求項7】
前記底面ガイドは、前記底部の上面に向けて光を照射する光照射部を更に含み、
前記カバーは、前記光照射部によって照射され前記底部又は当該底部に載置された前記紙幣において反射した光を透過する、
ことを特徴とする請求項5又は6記載の紙幣取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙幣を出金するための出金部を備える紙幣取扱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が出金部に出金された紙幣をつまんで取り出しやすくするために、顧客の指を挿入するための切り欠きが出金部に設けられた紙幣取扱装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−267178号公報
【特許文献2】特許第5335877号公報
【特許文献3】特許第4849394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、出金部に出金される紙幣は、特にカールが生じている場合に、所望の出金位置に正確に出金されないことがある。このように、所望の出金位置に紙幣が出金されないと、上述のように紙幣を指でつまむための切り欠きが設けられた出金部であっても、顧客が紙幣を取り出するのが困難になる。
【0005】
本発明の目的は、このような点に鑑みてなされたものであり、出金部に出金された紙幣を顧客が取り出しやすくすることができる紙幣取扱装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、紙幣取扱装置は、紙幣を出金するための出金部を備える紙幣取扱装置であって、前記出金部は、前記紙幣の少なくとも前方側の一部が載置される底部と、前記底部の左右両端に位置する一対の側壁と、前記底部の前端に位置する前壁と、前記底部の上方に位置するカバーと、を有し、前記出金部の前端には、少なくとも前記底部及び前記前壁に亘って切り欠きが設けられ、前記カバーは、回動して前端側から開くように開閉可能に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
前記態様によれば、出金部に出金された紙幣を顧客が取り出しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】紙幣取扱装置を示す左側面図である。
図2A】トップモジュール及び取り込み兼リサイクルモジュールの内部構造を示す斜視図(その1)である。
図2B】トップモジュール及び取り込み兼リサイクルモジュールの内部構造を示す斜視図(その2)である。
図3A】カバーが閉じた状態の出金部及び入金部を示す斜視図である。
図3B】カバーが開いた状態の出金部及び入金部を示す斜視図である。
図4】出金部及び入金部を示す平面図である。
図5図4のV−V断面図である。
図6図4のVI−VI断面図である。
図7図4のVII−VII断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態に係る紙幣取扱装置について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、紙幣取扱装置1を示す左側面図である。
図2A及び図2Bは、紙幣取扱装置1のトップモジュールM1及び取り込み兼リサイクルモジュールM2の内部構造を示す斜視図である。
【0011】
なお、図1図2B、並びに、後述する図3A図7には、説明の便宜上、前後方向、左右方向、及び上下方向を図示する。一例ではあるが、前後左右の方向は水平方向であり、上下の方向は鉛直方向である。
【0012】
図1に示すように、紙幣取扱装置1は、上から順に、トップモジュールM1、取り込み兼リサイクルモジュールM2、リサイクルモジュールM3,M4、補充モジュールM5、及び回収モジュールM6を備える。
【0013】
トップモジュールM1には、図2Aに示す入金位置P1における紙幣Bを入金するための入金部20と、図2Bに示す出金位置P2における紙幣Bを出金するための出金部10とが前方に突出するように前端に設けられている。また、トップモジュールM1には、出金位置P2における紙幣Bの後方側の一部が載置されるステージ40を介して出金部10に紙幣Bを搬送する出金搬送部50などの搬送部、及び紙幣Bを鑑別する鑑別部が配置されている。
【0014】
取り込み兼リサイクルモジュールM2には、取り込み収容部M2aと、この取り込み収容部M2aに紙幣Bを搬送する取り込み搬送部60と、が配置されている。この取り込み搬送部60は、顧客が出金部10に出金された紙幣Bを取り忘れて、この紙幣Bの残留が検知された場合に、この残留する紙幣Bを取り込み収容部M2aに搬送する。
【0015】
また、図2Aに示すように、取り込み兼リサイクルモジュールM2には、ステージ40における紙幣Bの取り込み収容部M2aへの搬送経路を遮断する遮断位置と、この遮断位置から退避した退避位置とに移動するゲート70が配置されている。また、図2Bに示すように、ステージ40の上方には、取り込み搬送部60によって搬送される紙幣Bを上方から押圧して保持する押圧部80が配置されている。
【0016】
取り込み兼リサイクルモジュールM2の取り込み収容部M2aの後方、並びに、リサイクルモジュールM3,M4の前部及び後部のそれぞれには、例えば紙幣をフィルムで挟んで巻き付けて収容する図示しないリサイクル紙幣収容部が配置されている。
【0017】
補充モジュールM5は、出金用に利用される紙幣Bを収容する。回収モジュールM6は、入金された紙幣Bのうちリサイクルされない紙幣Bを収容する。
【0018】
図3Aは、カバー15が閉じた状態の出金部10及び入金部20を示す斜視図である。図3Bは、カバー15が開いた状態の出金部10及び入金部20を示す斜視図である。
【0019】
図4は、出金部10及び入金部20を示す平面図である。
図5図6、及び図7は、図4のV−V断面図、VI−VI断面図、及びVII−VII断面図である。
【0020】
図3A及び図3Bに示すように、出金部10は、底部11と、一対の側壁12,13と、前壁14と、カバー15と、回動軸部16,17と、を有する。底部11、一対の側壁12,13、前壁14、及びカバー15は、紙幣Bの前方側の一部(図2B参照)を収容する集積部として機能する。なお、出金部10のうち、底部11、一対の側壁12,13、前壁14、及び回動軸部16,17は、一体に形成されている。
【0021】
出金部10の前端には、底部11、前壁14、及びカバー15に亘って切り欠き11a,14a,15aが設けられている。例えば、切り欠き11a,14a,15aは、底部11、前壁14、及びカバー15の左右方向の中央に設けられている。
【0022】
切り欠き11a,14a,15aの左右方向の幅は、図5に示すように紙幣Bを上下から指Fでつまむことができるように、例えば2cm以上で且つ紙幣Bの幅よりも狭く形成されているとよい。なお、カバー15に切り欠き15aが設けられずに、底部11及び前壁14のみに切り欠き11a,14aが設けられていてもよい。
【0023】
底部11には、紙幣Bの少なくとも前方側の一部が載置される。図3B及び図6に示すように、底部11の上面11bは、切り欠き11aを挟んだ左右両側が切り欠き11aに近づくほど高さが低くなっている。例えば、上面11bのうち切り欠き11aの左側は、全体に亘って、右側にかけて高さが低くなっており、上面11bのうち切り欠き11aの右側は、全体に亘って、左側にかけて高さが低くなっている。また、図3B図6、及び図7に示すように、底部11の上面11bは、切り欠き11aの左右両側では、前方にいくほど高さが低くなっている。
【0024】
そのため、図3Bに示すように、硬貨C等の異物は、上面11bのうち切り欠き11aを挟んだ左右両側のどちらかに落下するか又は載置されると、切り欠き11aに向けてガイドされ、切り欠き11aから出金部10の下方に落下する。
【0025】
なお、図3B及び図5に示すように、底部11の上面11bは、切り欠き11aの後端よりも後側では、後方にいくほど高さが低くなっている。底部11の上面11bには、切り欠き11aの後端よりも後側において、上方にわずかに突出し、前後方向に延びるガイド突起11b−1が例えば7本、互いに間隔を隔てて配置されている。
【0026】
一対の側壁12,13のうち左側の側壁12は、底部11の左端に位置し、右側の側壁13は、底部11の右端に位置する。また、前壁14は、底部11の前端に位置する。
【0027】
カバー15は、底部11の上方に位置する。図3A及び図4図7に示すように、カバー15の切り欠き15a内の後面15a−1及び左右の側面15a−2,15a−3は、下方にいくほど平面視(図4参照)における開口面積が狭まるように傾斜又は湾曲している。また、図5に示すように、底部11の切り欠き11aは、カバー15の切り欠き15aの下端よりも後方に亘って設けられている。
【0028】
そのため、上述の硬貨C等の異物は、カバー15上に落下するか又は載置されると、カバー15の切り欠き15aを通って底部11の切り欠き11aから出金部10の下方に落下する。
【0029】
また、図5図7に示すように、カバー15の切り欠き15aの後面15a−1は、下方にいくほど左右方向の中心が左右両側よりも下方に窪むように湾曲している。
【0030】
なお、カバー15の切り欠き15aの後面15a−1と左右の側面15a−2,15a−3とのうち両方ではなく一方のみが、下方にいくほど平面視における開口面積が狭まるように傾斜又は湾曲していてもよい。或いは、カバー15の切り欠き15aは、上下方向の位置に関わらず平面視における開口面積が同一となっていてもよい。
【0031】
図4に示すように、カバー15の切り欠き15aの下端は、底部11の切り欠き11aよりも左右方向の幅がわずかに広い。但し、これらの幅は同一であっても底部11の切り欠き11aの方が広くともよいが、硬貨C等の異物がカバー15の上面15dに落下するか又は載置された場合でも、上述のように、カバー15の切り欠き15aを通って及び底部11の切り欠き11aから出金部10の下方に落下するように切り欠き15a,11aが形成されていることが望ましい。
【0032】
図3A及び図4に示すように、カバー15には、左右両端から後方に延びるアーム部15b,15cが設けられている。左側のアーム部15bには、左側に突出する回動軸部16が例えば一体に設けられている。また、右側のアーム部15cには、右側に突出する回動軸部17が例えば一体に設けられている。
【0033】
左側の回動軸部16は、左側の側壁12に回動自在に挿入され、右側の回動軸部17は、右側の側壁13に回動自在に挿入される。これにより、図3Bに示すように、カバー15は、回動軸部16,17を回動中心として回動して前端側から開くように開閉可能に配置されている。そのため、図5に示すように、顧客は、出金位置P2における紙幣Bを上下から指Fでつまんで、つまんだ紙幣Bによってカバー15の前端側を持ち上げることで、カバー15を回動させて開かせ、紙幣Bを取り出すことができる。
【0034】
なお、カバー15は、図3Aに示す閉じた状態では、底部11、一対の側壁12,13、及び前壁14とともに、切り欠き11a,14a,15aを除く部分で出金部10の内部空間を覆っていることが望ましい。これにより、図5に示すように、紙幣B−1の前方への飛び出しを前壁14が規制したり、或いは、上下方向にカールが生じた紙幣B−2の上方への飛び出しをカバー15が規制したりすることができる。
【0035】
入金部20には、出金部10における紙幣Bの出金位置P2(図2B参照)よりも上方の入金位置P1(図2A参照)から紙幣Bが入金される。図3A図5に示すように、入金部20は、底面ガイド21を有する。この底面ガイド21の上面は、紙幣Bの底面をガイドするガイド面21aである。
【0036】
また、入金部20は、紙幣Bの左右側面をガイドする側面ガイド22,23を有する。この側面ガイド22,23は、底面ガイド21の左端及び右端に位置する。また、側面ガイド22,23は、図1図2Bに示すトップモジュールM1に出金部10及び入金部20を取り付けるための枠部材30から前方に突出する。側面ガイド22,23は、枠部材30と一体に設けられているとよい。
【0037】
なお、出金部10(又は入金部20)が入金部20(又は出金部10)や枠部材30やトップモジュールM1とは別体である場合、紙幣取扱装置1のデザインを変更するために、或いは、国ごとに異なる紙幣Bのサイズの違いに対応するために、出金部10(又は入金部20)を、形状が異なるものに容易に交換することができる。
【0038】
一例に過ぎないが、図4図6、及び図7に示すように、出金部10及び入金部20の左右方向の中心は、枠部材30の左右方向の中心よりも右側にシフトしている。
【0039】
カバー15は、アーム部15b,15cを除く部分において底面ガイド21の前方に位置する。また、カバー15の上面15dは、底面ガイド21のガイド面21aと連続するように形成されている。例えば、図5に示すように、底面ガイド21のガイド面21aは水平であり、カバー15の上面15dは、ガイド面21aの前端と連続する部分では水平であり、カバー15の前端にかけて下方に湾曲している。また、カバー15の切り欠き15aの後面15a−1は、上端がガイド面21aの前端と同一位置にある。但し、カバー15の切り欠き15aは、ガイド面21aの前端よりも前方に設けられていてもよい。
【0040】
図3A図4に示すように、底面ガイド21のガイド面21aには、紙幣Bの入金位置P1(図2A参照)を顧客に報知するためのランプである点灯部21a−1が設けられている。この点灯部21a−1は、ガイド面21aの左右方向の中心において前後方向のほぼ全体に亘る矩形部分、及びこの矩形部分を挟んだ左右両側において左右方向に延びる3本ずつの線状部分である。また、ガイド面21aには、上方にわずかに突出し、前後方向に延びるガイド突起21a−2が例えば6本、互いに間隔を隔てて配置されている。
【0041】
図5に示すように、底面ガイド21の内部には、出金部10の底部11の上面11bに向けて照射光L1を照射する例えばLED光源である光照射部21bが配置されている。この光照射部21bは、例えば、紙幣Bの出金位置P2(図2B参照)を顧客に放置するために照射光L1を照射する。光照射部21bによって照射された照射光L1は、底部11の上面11b又はこの上面11bに載置された紙幣Bにおいて反射する(反射光L2)。この反射光L2は、少なくともカバー15の切り欠き15aの後面15a−1を透過するとよい。そのため、カバー15は、少なくとも一部が光透過性を有するとよい。
【0042】
なお、カバー15の切り欠き15a内の後面15a−1は、上述のように下方にいくほど、平面視における開口面積が狭まるように、すなわち前方に、傾斜又は湾曲している。そのため、顧客は、この後面15a−1が反射光L2によって光ることで反射光L2を認識しやすくなる。なお、上述のように、カバー15の切り欠き15aの後面15a−1が、下方にいくほど左右方向の中心で左右両側よりも下方に窪むように湾曲しているため、後面15a−1に反射光L2が集光することで顧客が反射光L2を認識しやすくなり得る。また、カバー15のうち少なくとも一部(切り欠き15aよりも後方の部分)が半透明であると、透明である場合よりも、顧客が反射光L2を認識しやすくなり得る。
【0043】
なお、出金部10は、紙幣Bを出金するとき以外にカバー15を閉じた状態にロックするロック機構を有してもよい。例えば、上述のように図2A及び図2Bに示す取り込み搬送部60が出金部10に残留する紙幣Bを搬送するときには、出金部10内の紙幣Bが顧客によって取り出されないように、或いは異物が進入しないように、カバー15を閉じた状態にロックするとよい。
【0044】
以上説明した本実施の形態では、紙幣取扱装置1は、紙幣Bを出金するための出金部10を備える紙幣取扱装置1であって、出金部10は、紙幣Bの少なくとも前方側の一部が載置される底部11と、この底部11の左右両端に位置する一対の側壁12,13と、底部11の前端に位置する前壁14と、底部11の上方に位置するカバー15と、を有する。出金部10の前端には、少なくとも底部11及び前壁14に亘って切り欠き11a,14aが設けられ、カバー15は、回動して前端側から開くように開閉可能に配置されている。
【0045】
そのため、出金部10に出金される紙幣Bは、底部11、一対の側壁12,13、前壁14、及びカバー15によって位置を規制される。これにより、図5に示すように前方に飛び出す紙幣B−1やカールが生じている紙幣B−2の出金部10からの飛び出しや出金部10における詰まりを防ぐことができる。そのため、紙幣Bを所望の出金位置P2に出金しやすくすることができる。また、少なくとも底部11及び前壁14に切り欠き11a,14aが設けられていることで、顧客が指Fでつまんで紙幣Bを取り出すのが容易になる。
【0046】
よって、本実施の形態によれば、出金部10に出金された紙幣Bを顧客が取り出しやすくすることができる。
【0047】
また、本実施の形態では、底部11の上面11bのうち少なくとも切り欠き11aを挟んだ左右両側は、切り欠き11aに近づくほど高さが低くなっている。そのため、図3Bに示す硬貨C等の異物を、切り欠き11aに向けてガイドし、切り欠き11aから出金部10の下方に落下させることができる。
【0048】
また、本実施の形態では、切り欠き11a,14a,15aは、底部11、前壁14、及びカバー15に亘って設けられている。そのため、顧客は、カバー15の上方及び底部11の下方のそれぞれから指Fを切り欠き11a,14a,15aに挿入することができるため、紙幣Bをつまみやすくなる。したがって、顧客が紙幣Bをより一層取り出しやすくすることができる。
【0049】
また、本実施の形態では、カバー15の切り欠き15a内の後面15a−1及び側面15a−2,15a−3のうち少なくとも一方は、下方にいくほど平面視における開口面積が狭まるように傾斜又は湾曲している。そのため、硬貨C等の異物を、カバー15の切り欠き15aを通して底部11の切り欠き11aから出金部10の下方に落下させることができる。更には、カバー15が入金部20の底面ガイド21の前方に位置する場合には、顧客が入金部20へ紙幣Bを挿入するのを容易にすることもできる。
【0050】
また、本実施の形態では、紙幣取扱装置1は、出金部10における紙幣Bの出金位置P2よりも上方の入金位置P1から紙幣Bが入金される入金部20を更に備える。この入金部20は、紙幣Bの底面をガイドするガイド面21aを含む底面ガイド21を有し、カバー15のうちアーム部15b,15cを除く部分(カバー15の少なくとも一部の一例)は、底面ガイド21の前方に位置する。これにより、カバー15が上面15d又は切り欠き15aにおいて、入金部20へ挿入される紙幣Bをガイドすることができるため、顧客が入金部20へ紙幣Bを挿入するのを容易にすることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、カバー15の上面15dは、底面ガイド21のガイド面21aと連続するように形成されている。これにより、カバー15の上面15dが、入金部20へ挿入される紙幣Bをガイドしやくなり、顧客が入金部20へ紙幣Bを挿入するのをより一層容易にすることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、図5に示すように、底面ガイド21は、底部11の上面11bに向けて光(照射光L1)を照射する光照射部21bを更に含み、カバー15は、光照射部21bによって照射され底部11又はこの底部11に載置された紙幣Bにおいて反射した光(反射光L2)を透過する。これにより、顧客は、紙幣Bの出金位置P2を光照射部21bに照射される照射光L1の反射光L2によって報知されたことを認識しやすくなる。そのため、顧客が紙幣Bをより一層取り出しやすくすることができる。
【0053】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 紙幣取扱装置
10 出金部
11 底部
11a 切り欠き
11b 上面
11b−1 ガイド突起
12,13 側壁
14 前壁
14a 切り欠き
15 カバー
15a 切り欠き
15a−1 後面
15a−2,15a−3 側面
15b,15c アーム部
15d 上面
16,17 回動軸部
20 入金部
21 底面ガイド
21a ガイド面
21a−1 点灯部
21a−2 ガイド突起
21b 光照射部
22,23 側面ガイド
30 枠部材
40 ステージ
50 出金搬送部
60 取り込み搬送部
70 ゲート
80 押圧部
B 紙幣
C 硬貨
F 指
L1 照射光
L2 反射光
M1 トップモジュール
M2 取り込み兼リサイクルモジュール
M2a 取り込み収容部
M3 リサイクルモジュール
M4 リサイクルモジュール
M5 補充モジュール
M6 回収モジュール
P1 紙幣Bの入金位置
P2 紙幣Bの出金位置
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】