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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年10月31日
【発行日】2021年1月7日
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両のエアバッグ装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 27/20 20200101AFI20201204BHJP
【FI】
   B62J27/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
【出願番号】特願2020-515440(P2020-515440)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年4月27日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒木 一義
(72)【発明者】
【氏名】宮川 太
(72)【発明者】
【氏名】小林 祐樹
(57)【要約】
上方へ展開するエアバッグを備える鞍乗り型車両のエアバッグ装置をコンパクトに配置できるようにする。
インフレーター53と、インフレーター53が放出するガスによって膨張するエアバッグ52と、エアバッグ52を収納するリテーナー51とを備え、リテーナー51の開口51eからエアバッグ52が上方に展開する鞍乗り型車両のエアバッグ装置において、操舵用のハンドル23を支持するヘッドパイプ14の前方にリテーナー51が配置され、リテーナー51の上方にウインドスクリーン32が配置され、ウインドスクリーン32は、リテーナー51の開口51eを開閉可能に覆う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インフレーター(53)と、前記インフレーター(53)が放出するガスによって膨張するエアバッグ(52)と、前記エアバッグ(52)を収納するリテーナー(51)とを備え、前記リテーナー(51)の開口(51e)から前記エアバッグ(52)が上方に展開する鞍乗り型車両のエアバッグ装置において、
操舵用のハンドル(23)を支持するヘッドパイプ(14)の前方に前記リテーナー(51)が配置され、前記リテーナー(51)の上方にウインドスクリーン(32)が配置され、
前記ウインドスクリーン(32)は、前記リテーナー(51)の前記開口(51e)を開閉可能に覆うことを特徴とする鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
【請求項2】
前記ヘッドパイプ(14)の前方に配置されるヘッドライト(33)と、前記ハンドル(23)の前方に配置されるメーター(36)とが設けられ、
前記リテーナー(51)は、車両側面視で、前記ヘッドライト(33)と前記メーター(36)との間に配置されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
【請求項3】
前記リテーナー(51)は、車両正面視で、前記ヘッドパイプ(33)に重なることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
【請求項4】
前記開口(51e)は、前上方に向けて開口するとともに、車両側面視で後上がりに配置され、
前記ウインドスクリーン(32)は、車両側面視で後上がりに配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
【請求項5】
前記ウインドスクリーン(32)は、前記ウインドスクリーン(32)の下部に設けられるヒンジ部(41)を介して前後に揺動可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
【請求項6】
前記リテーナー(51)の前記開口(51e)を覆う蓋部材(54)が設けられ、
前記蓋部材(54)は、前記ウインドスクリーン(32)に向かって延びる延出部(54c)を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鞍乗り型車両のエアバッグ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両のエアバッグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鞍乗り型車両のエアバッグ装置において、鞍乗り型車両の外側に展開するエアバッグが、衝撃対象物と鞍乗り型車両との間に展開するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のエアバッグ装置では、エアバッグが衝撃対象物と鞍乗り型車両との間に展開するため、エアバッグが大型になり易い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−183913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、鞍乗り型車両のエアバッグ装置では、乗員の前方で上方へ展開するエアバッグによって乗員を保護することが考えられる。このようなエアバッグ装置は、鞍乗り型車両にコンパクトに配置されることが望まれる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、上方へ展開するエアバッグを備える鞍乗り型車両のエアバッグ装置をコンパクトに配置できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、インフレーター(53)と、前記インフレーター(53)が放出するガスによって膨張するエアバッグ(52)と、前記エアバッグ(52)を収納するリテーナー(51)とを備え、前記リテーナー(51)の開口(51e)から前記エアバッグ(52)が上方に展開する鞍乗り型車両のエアバッグ装置において、操舵用のハンドル(23)を支持するヘッドパイプ(14)の前方に前記リテーナー(51)が配置され、前記リテーナー(51)の上方にウインドスクリーン(32)が配置され、前記ウインドスクリーン(32)は、前記リテーナー(51)の前記開口(51e)を開閉可能に覆うことを特徴とする。
【0006】
また、上記発明において、前記ヘッドパイプ(14)の前方に配置されるヘッドライト(33)と、前記ハンドル(23)の前方に配置されるメーター(36)とが設けられ、前記リテーナー(51)は、車両側面視で、前記ヘッドライト(33)と前記メーター(36)との間に配置されても良い。
また、上記発明において、前記リテーナー(51)は、車両正面視で、前記ヘッドパイプ(33)に重なっても良い。
【0007】
さらに、上記発明において、前記開口(51e)は、前上方に向けて開口するとともに、車両側面視で後上がりに配置され、前記ウインドスクリーン(32)は、車両側面視で後上がりに配置されても良い。
また、上記発明において、前記ウインドスクリーン(32)は、前記ウインドスクリーン(32)の下部に設けられるヒンジ(41c)を介して前後に揺動可能であっても良い。
【0008】
また、上記発明において、前記リテーナー(51)の前記開口(51e)を覆う蓋部材(54)が設けられ、前記蓋部材(54)は、前記ウインドスクリーン(32)に向かって延びる延出部(54c)を備えても良い。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る鞍乗り型車両のエアバッグ装置によれば、鞍乗り型車両のエアバッグ装置は、インフレーターと、インフレーターが放出するガスによって膨張するエアバッグと、エアバッグを収納するリテーナーとを備え、リテーナーの開口からエアバッグが上方に展開し、操舵用のハンドルを支持するヘッドパイプの前方にリテーナーが配置され、リテーナーの上方にウインドスクリーンが配置され、ウインドスクリーンは、リテーナーの開口を開閉可能に覆う。
この構成によれば、ウインドスクリーンは、リテーナーの開口を開閉可能に覆い、開口が開いた状態では開口からエアバッグが上方に展開可能である。このため、ウインドスクリーンで覆われる空間を利用して、自動二輪車の前部にエアバッグ装置をコンパクトに配置できる。
【0010】
また、上記発明において、ヘッドパイプの前方に配置されるヘッドライトと、ハンドルの前方に配置されるメーターとが設けられ、リテーナーは、車両側面視で、ヘッドライトとメーターとの間に配置されても良い。この構成によれば、ヘッドライトとメーターとの間を利用して、エアバッグ装置をコンパクトに配置できる。
また、上記発明において、リテーナーは、車両正面視で、ヘッドパイプに重なっても良い。この構成によれば、ヘッドパイプの前方且つ車両正面視でヘッドパイプに重なる位置にリテーナーをコンパクトに配置できる。
【0011】
さらに、上記発明において、開口は、前上方に向けて開口するとともに、車両側面視で後上がりに配置され、ウインドスクリーンは、車両側面視で後上がりに配置されても良い。この構成によれば、エアバッグを開口から上方に展開できるとともに、車両側面視で後上がりの開口を車両側面視で後上がりに配置されるウインドスクリーンによって良好に塞ぐことができる。
また、上記発明において、ウインドスクリーンは、ウインドスクリーンの下部に設けられるヒンジ部を介して前後に揺動可能であっても良い。この構成によれば、ウインドスクリーンの下部のヒンジ部を介してウインドスクリーンが揺動することで、リテーナーの開口を効率良く上方に開口させることができ、エアバッグを良好に上方へ展開できる。
【0012】
また、上記発明において、リテーナーの開口を覆う蓋部材が設けられ、蓋部材は、ウインドスクリーンに向かって延びる延出部を備えても良い。この構成によれば、蓋部材の延出部によってウインドスクリーンを押圧してウインドスクリーンを迅速に揺動させることができ、エアバッグを迅速に展開できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車1の左側面図である。
図2図2は、自動二輪車の前部を前方側から見た斜視図である。
図3図3は、図2のIII−III断面図である。
図4図4は、ウインドスクリーンが前方に揺動した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態に係る自動二輪車1の左側面図である。なお、図1では、左右一対で設けられるものは、符号を含め左側のものだけが図示されている。
自動二輪車1は、車体フレーム10と、前輪2を操舵可能に支持する操舵系11と、車体フレーム10の後部に支持されるパワーユニット12と、後輪3と、乗員が跨るようにして着座するシート13とを備えるスクーター型の鞍乗り型車両である。
【0016】
車体フレーム10は、車体フレーム10の前端に設けられるヘッドパイプ14と、ヘッドパイプ14から後下方に延びるメインフレーム15と、メインフレーム15の下端部から後方に延びる左右一対のロアフレーム16,16と、ロアフレーム16,16から後上がりに後方へ延びる左右一対のリアフレーム17,17とを備える。ヘッドパイプ14は、前輪2と同様に車幅の中央に配置される。
【0017】
操舵系11は、ヘッドパイプ14に軸支されるステアリングシャフト20と、前輪2の左右の両側に配置されて前輪2を支持する左右一対のフロントフォーク21,21と、ステアリングシャフト20の下端に固定され左右のフロントフォーク21,21の上部を連結するブリッジ部材22と、ステアリングシャフト20の上端に固定されるハンドル23とを備える。操舵用のハンドル23は、ステアリングシャフト20の上端に固定されるハンドルポスト23aを介してステアリングシャフト20に接続される。
車両側面視において、ヘッドパイプ14は、自動二輪車1に設定される所定のキャスター角の分だけ鉛直方向に対し後傾している。ステアリングシャフト20は、ヘッドパイプ14に挿通されて軸支され、車両側面視で後傾して配置される。
【0018】
パワーユニット12は、後輪3の駆動源としてのエンジンと後輪3を支持するスイングアームとの機能を備えたユニットスイングエンジンである。パワーユニット12は、パワーユニット12の前端部に設けられるリンク部材24を介して揺動自在に車体フレーム10に軸支される。
シート13は、リアフレーム17の上方に設けられる。シート13は、運転者が着座する前側シート13aと、同乗者が着座する後側シート13bとを一体に備える。
運転者が左右の足を置くステップフロア25,25は、前側シート13aの前下方に左右一対で設けられる。
【0019】
自動二輪車1は、車体フレーム10等の車体を覆う車体カバー26を備える。
車体カバー26は、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を前方及び左右側方から覆うフロントカバー27と、フロントカバー27の後縁に連続し、ヘッドパイプ14及び操舵系11の上部を後方から覆うインナーカバー28とを備える。
また、車体カバー26は、前側シート13aの前下方に位置するセンターカバー29と、ステップフロア25,25の下方で車体を下方から覆うアンダーカバー30と、シート13の下方でリアフレーム17,17を側方から覆うリアサイドカバー31とを備える。
【0020】
車両側面視で後上がりに傾斜するウインドスクリーン32は、フロントカバー27の上部に取り付けられる。ヘッドライト33は、フロントカバー27の前面に設けられる。
自動二輪車1は、フロントフェンダー34及びリアフェンダー35を備える。
車速等の自動二輪車1に関する情報を表示するメーター36は、ハンドル23の前方に配置される。バックミラー37,37は、ハンドル23に取り付けられる。
【0021】
センターカバー29の前部は、インナーカバー28の下部に連続する。センターカバー29は、前側シート13aからステップフロア25,25に伸ばされる運転者の左右の脚の内側に位置する。
車両側面視では、インナーカバー28、センターカバー29及び前側シート13aの前面によって、下方に窪む跨ぎ空間38が区画される。乗員は、自動二輪車1に乗降する際に、跨ぎ空間38を介して自動二輪車1を跨ぐことができる。
【0022】
自動二輪車1は、乗員を衝撃から保護するエアバッグ装置50を前部に備える。エアバッグ装置50は、車両側面視で、操舵系11とウインドスクリーン32との間に配置され、ハンドル23及びヘッドパイプ14の前方に位置する。
【0023】
図2は、自動二輪車1の前部を前方側から見た斜視図である。図3は、図2のIII−III断面図である。図2では後述のエアバッグ52は不図示である。
図2及び図3を参照し、メーター36は、車速等を表示する表示面36aを上面に備える。メーター36は、平たい箱状に形成され、板厚方向が上下方向に指向するように配置される。
メーター36は、ヘッドパイプ14の上方且つハンドルポスト23aの前方で、車幅の中央に配置される。メーター36は、後上方の運転者がメーター36を見易いように、上面の表示面36aが後下がりに傾斜するように配置される。
メーター36は車体に固定されるため、ハンドル23が左右に操舵されても左右に回動しない。
【0024】
図3の断面図のように、車両側面視では、フロントカバー27の前面部の下部にはヘッドライト33が設けられる。ヘッドライト33は、メーター36の前下方に位置する。フロントカバー27の前面部の上部27aは、車両側面視で後上がりに設けられ、上部27aにはウインドスクリーン32が取り付けられる。
フロントカバー27の上部27aには、上部27aを貫通するカバー開口部27bが設けられる。カバー開口部27bは、略矩形であり、ウインドスクリーン32によって前方から覆われる。
フロントカバー27は、メーター36を前上方から覆うバイザー39を備える。バイザー39は、メーター36の前方で後上がりに延びる庇状の壁部である。バイザー39は、フロントカバー27の前面部の上部27aがメーター36よりも上方に延出したものである。
車体フレーム10は、ヘッドパイプ14から前方に延びるステー14a(図3)を備える。ヘッドライト33及びフロントカバー27は、ステー14aに支持される。
【0025】
ウインドスクリーン32は、バイザー39、エアバッグ装置50、及びメーター36を前方から覆う板部材である。ウインドスクリーン32の上端32bは、バイザー39よりも上方に位置する。
ウインドスクリーン32は、乗員がウインドスクリーン32を通して前方を視認できるように、透光性を有する素材で形成される。バイザー39は、前上方からメーター36の上面に届く光を遮るように設けられる。バイザー39は、非透明であり、ウインドスクリーン32よりも透光性が低い。
【0026】
ウインドスクリーン32は、車両前後方向に揺動可能に設けられる。
図4は、ウインドスクリーン32が前方に揺動した状態を示す断面図である。
図2図4を参照し、ウインドスクリーン32は、車両側面視で後上がりに延びる板状の風防部40と、風防部40の下端部に設けられるヒンジ部41とを備える。
【0027】
風防部40は、車幅方向の中央部が上下方向の全体に亘って前端部となるように湾曲する板部材であり、前方へ凸の湾曲形状に形成される。
風防部40は、車幅方向(左右方向)の両側縁部40a,40a(図2)がフロントカバー27の前面部に当接または近接するように設けられる。
風防部40は前方側に湾曲しているため、風防部40の左右の両側縁部40a,40aの内側では、風防部40の後面とフロントカバー27の前面部の上部27aとの間には空間が形成される。
【0028】
ウインドスクリーン32は、ヒンジ部41を介し、揺動可能に車体に支持される。ヒンジ部41の回動軸線は車幅方向に水平に延びる。ウインドスクリーン32は、ヒンジ部41を中心に車両前後方向に揺動可能である。
ここで、ヒンジ部41は、車幅方向に延びるヒンジ軸であり、例えば、車体フレーム10から延びる支持部、または、フロントカバー27に設けられる支持部等を介して車体に支持される。
【0029】
エアバッグ装置50は、車両側面視では、ヘッドパイプ14の前上方で、メーター36の下方に配置される。
エアバッグ装置50は、箱状のリテーナー51と、リテーナー51に収納されるエアバッグ52と、エアバッグ52内にガスを放出するインフレーター53と、リテーナー51に取り付けられる蓋部材54とを備える。
【0030】
リテーナー51は、ウインドスクリーン32及びメーター36の下方に配置され、車両側面視で、メーター36とヘッドライト33との間に配置される。リテーナー51は、ヘッドパイプ14の前上方で車幅の中央に配置される。リテーナー51は、車両正面視では、ヘッドパイプ14の上部に前方から重なる。リテーナー51は、車両前後方向で、ヘッドパイプ14とフロントカバー27の前面部の上部27aとの間に配置される。リテーナー51は、ステー14aに支持される。
【0031】
リテーナー51は、前面の全体が前上方に向けて開口する箱状である。
詳細には、リテーナー51は、略矩形の後壁51aと、後壁51aの下縁から前方に延びる底壁51bと、後壁51aの上縁から前方に延びる上壁51cと、後壁51aの左右の側縁から前方に延びる側壁51d,51dと、前面の開口51eとを備える。
車両側面視では、後壁51aと開口51eとは略平行である。リテーナー51は、車両側面視で、開口51eがウインドスクリーン32の風防部40に沿って後上がりの姿勢となるように、傾斜して配置される。
車両側面視では、上壁51c及び底壁51bは略平行であり、後下がりに傾斜する。
左右の側壁51d,51dは、互いに対向し、車両前後方向に真っ直ぐに延びる。
リテーナー51の内部空間は、エアバッグ52を収納するエアバッグ収納空間Sである。
【0032】
インフレーター53は、リテーナー51の後壁51aに設けられ、後壁51aの車幅方向の中央部に配置される。
インフレーター53は、円筒状のハウジング53aを備える。ハウジング53aの内部には、ガス発生剤、及び、このガス発生剤にガスを発生する反応を開始させるイニシエータが設けられる。イニシエータは点火装置を備える。
インフレーター53は、車両正面視でヘッドパイプ14の上部に重なるとともに、平面視では、メーター36に下方から重なる。このため、ヘッドパイプ14の前方でメーター36の下方の空間を利用して、インフレーター53をコンパクトに配置できる。
【0033】
図3に示すように、エアバッグ52は、リテーナー51のエアバッグ収納空間Sに収納され、メーター36の下方に配置される。詳細には、エアバッグ52は、上方からの平面視で、メーター36及びウインドスクリーン32に下方から重なる。このため、メーター36及びウインドスクリーン32の下方の空間を利用してエアバッグ52をコンパクトに配置できる。エアバッグ52は、折り畳まれた状態でリテーナー51に収納される。エアバッグ52は、下端部がインフレーター53に接続される。
【0034】
自動二輪車1は、自動二輪車1に作用する衝撃を検知する加速度センサ(不図示)を備える。この加速度センサは自動二輪車1の制御部(不図示)に電気的に接続され、制御部はインフレーター53に電気的に接続される。制御部は、検知された加速度に基づいてエアバッグ装置50の作動及び非作動を判断する。制御部は、エアバッグ装置50を作動させる場合、インフレーター53を作動させてエアバッグ52内にガスを放出する。エアバッグ52は、ガスの圧力で膨張し、上方に展開する。
【0035】
リテーナー51の開口51eは、フロントカバー27の前面部の上部27aのカバー開口部27bから前方に露出する。カバー開口部27bは、開口51eの全体を露出させる大きさを有する。蓋部材54はカバー開口部27b内に設けられる。
カバー開口部27bから前上方に露出する開口51eは、ウインドスクリーン32によって前方から覆われて塞がれる。
蓋部材54は、開口51eを前上方から覆う蓋上面部54aと、開口51eの周縁部に嵌合する蓋周壁部54bとを一体に備える。また、蓋部材54は、蓋上面部54aから前上方のウインドスクリーン32の後面に向かって延出する延出部54cを備える。
蓋部材54は、蓋周壁部54bの内周面が開口51eの周縁部の外周面に嵌合することでリテーナー51に取り付けられる。
【0036】
詳細には、図3に示すように、ウインドスクリーン32が後上がりにセットされる通常状態(閉状態)では、開口51eは、蓋部材54によって塞がれているとともに、ウインドスクリーン32によって前上方から覆われて閉じられる。また、図3のように、エアバッグ52が展開する前の状態では、蓋部材54の延出部54cは、ウインドスクリーン32の後面に当接している。なお、延出部54cは、ウインドスクリーン32の後面に当接せずに近接していても良い。
図4に示すように、ウインドスクリーン32がヒンジ部41を中心に前方へ揺動した開状態では、ウインドスクリーン32は、開口51eに対し前方へ離れる。
【0037】
図4を参照し、インフレーター53からガスが放出されると、上方に展開するエアバッグ52によって蓋部材54が前上方側へ開裂され、エアバッグ52は、リテーナー51の開口51e及びカバー開口部27bを通って前上方に膨張する。蓋部材54は、開裂する際、延出部54cを介してウインドスクリーン32を前方へ押圧し、ヒンジ部41を中心にウインドスクリーン32を前方側へ揺動させる。これにより、リテーナー51の開口51eが開かれる。
エアバッグ52は、開口51eから前上方に出て、ウインドスクリーン32の後面に沿うように上方に展開する。
本実施の形態では、ウインドスクリーン32を揺動させてリテーナー51の開口51eを開くため、ウインドスクリーン32の後方にリテーナー51の開口51eを配置できる。このため、ウインドスクリーン32によって覆われるスペースを使用してリテーナー51をコンパクトに配置できる。
リテーナー51は、ヘッドパイプ14の前上方に設けられ、上下方向において乗員の頭部から胸にかけての上半身部に近くなる。このため、展開状態のエアバッグ52の上下の長さを小さくしても乗員を適切に保護でき、エアバッグ装置50を小型化できる。
【0038】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、自動二輪車1のエアバッグ装置50は、インフレーター53と、インフレーター53が放出するガスによって膨張するエアバッグ52と、エアバッグ52を収納するリテーナー51とを備え、リテーナー51の開口51eからエアバッグ52が上方に展開し、操舵用のハンドル23を支持するヘッドパイプ14の前方にリテーナー51が配置され、リテーナー51の上方にウインドスクリーン32が配置され、ウインドスクリーン32は、リテーナー51の開口51eを開閉可能に覆う。
この構成によれば、ウインドスクリーン32は、リテーナー51の開口51eを開閉可能に覆い、開口51eが開いた状態では開口51eからエアバッグ52が上方に展開可能である。このため、ウインドスクリーン32で覆われる空間を利用して、自動二輪車1の前部にエアバッグ装置50をコンパクトに配置できる。
【0039】
また、ヘッドパイプ14の前方に配置されるヘッドライト33と、ハンドル23の前方に配置されるメーター36とが設けられ、リテーナー51は、車両側面視で、ヘッドライト33とメーター36との間に配置される。この構成によれば、ヘッドライト33とメーター36との間を利用して、エアバッグ装置50をコンパクトに配置できる。
また、リテーナー51は、車両正面視で、ヘッドパイプ14に重なる。この構成によれば、ヘッドパイプ14の前方且つ車両正面視でヘッドパイプ14に重なる位置にリテーナー51をコンパクトに配置できる。
【0040】
さらに、開口51eは、前上方に向けて開口するとともに、車両側面視で後上がりに配置され、ウインドスクリーン32は、車両側面視で後上がりに配置される。この構成によれば、エアバッグ52を開口から上方に展開できるとともに、車両側面視で後上がりの開口51eを車両側面視で後上がりに配置されるウインドスクリーン32によって良好に塞ぐことができる。
また、ウインドスクリーン32は、ウインドスクリーン32の下部に設けられるヒンジ41cを介して前後に揺動可能である。この構成によれば、ウインドスクリーン32の下部のヒンジ41cを介してウインドスクリーン32が揺動することで、リテーナー51の開口51eを効率良く上方に開口させることができ、エアバッグ52を良好に上方へ展開できる。
【0041】
また、リテーナー51の開口51eを覆う蓋部材54が設けられ、蓋部材54は、ウインドスクリーン32に向かって延びる延出部54cを備える。この構成によれば、蓋部材54の延出部54cによってウインドスクリーン32を押圧してウインドスクリーン32を迅速に揺動させることができ、エアバッグ52を迅速に展開できる。
【0042】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、リテーナー51の開口51eは、フロントカバー27の前面部の上部27aのカバー開口部27bから前方に露出し、ウインドスクリーン32によって覆われるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上部27a及びカバー開口部27bを備えない構成とし、ウインドスクリーン32がリテーナー51の開口51eを直接覆っても良い。
また、上記実施の形態では、ウインドスクリーンについて、バイザー39の前方に設けられるウインドスクリーン32を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ウインドスクリーンは、リテーナー51の前方に立設される壁状部材であれば良く、例えば、ウインドスクリーン32を備えていない場合、バイザー39(メーターバイザー)を含むフロントカバー27の上部27aをヒンジで車体に支持し、ヒンジを中心に前後に揺動する上部27aによって開口51eを開閉可能に覆っても良い。この場合、バイザー39を含む上部27aがウインドスクリーンであり、上部27aは風防としても機能する。また、ウインドスクリーンは、透光性を有していなくても良い。
また、上記実施の形態では鞍乗り型車両として自動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両、及び4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
14 ヘッドパイプ
23 ハンドル
32 ウインドスクリーン
33 ヘッドライト
36 メーター
41 ヒンジ部
50 エアバッグ装置
51 リテーナー
51e 開口
52 エアバッグ
53 インフレーター
54 蓋部材
54c 延出部
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】