(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年11月28日
【発行日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】遠心圧縮機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/08 20060101AFI20201113BHJP
F04D 29/44 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
F04D29/08 E
F04D29/44 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】特願2020-521068(P2020-521068)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年4月1日
(31)【優先権主張番号】特願2018-100294(P2018-100294)
(32)【優先日】2018年5月25日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170818
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 秀輝
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】ビョン 眞熹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 毅彦
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB07
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC14
3H130BA53A
3H130BA53F
3H130CA05
3H130CA07
3H130CA21
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3H130EA01A
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3H130EA07A
3H130EA07C
3H130EA07F
3H130EB01A
3H130EB01C
3H130EB01F
3H130EB03A
3H130EB03C
3H130EB03F
(57)【要約】
遠心圧縮機は、軸線方向において互いに反対側を向いている正面及び背面と、正面及び背面に接続された側面と、を含む本体部を有する翼車と、正面に対面し、正面と共に作動流体が流れる流路を形成する第1壁面を含む第1壁部と、背面及び第1壁面に対面し、背面と共に第1隙間を形成する第2壁面を含む第2壁部と、翼車の側面よりも径方向の外側において、第2壁面から第1壁面側に突出するように設けられた突出壁部と、を備え、突出壁部は、第2壁面から軸線方向に延びて翼車の側面に対面する第3壁面を含み、第3壁面は、正面と側面との接続部よりも軸線方向において第1壁面側に延びており、流路と第1隙間とを連通する第2隙間を側面と共に形成している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向において互いに反対側を向いている正面及び背面と、前記正面及び前記背面に接続された側面と、を含む本体部を有する翼車と、
前記正面に対面し、前記正面と共に作動流体が流れる流路を形成する第1壁面を含む第1壁部と、
前記背面及び前記第1壁面に対面し、前記背面と共に第1隙間を形成する第2壁面を含む第2壁部と、
前記翼車の前記側面よりも径方向の外側において、前記第2壁面から前記第1壁面側に突出するように設けられた突出壁部と、を備え、
前記突出壁部は、前記第2壁面から前記軸線方向に延びて前記翼車の前記側面に対面する第3壁面を含み、
前記第3壁面は、前記正面と前記側面との接続部よりも前記軸線方向において前記第1壁面側に延びており、前記流路と前記第1隙間とを連通する第2隙間を前記側面と共に形成している、遠心圧縮機。
【請求項2】
前記第3壁面は、1つの内周面によって形成されている、請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項3】
前記第3壁面は、2つ以上の内周面と、前記内周面の間に形成された段差部と、を含む、請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項4】
前記流路に連通するディフューザ及びスクロールを備え、
前記突出壁部は、前記第3壁面の前記第2壁面とは反対側に接続されて前記第1壁面に対面する第4壁面を含み、
前記第4壁面は、前記径方向に延びて前記第1壁面と共に前記ディフューザを形成し、前記スクロールを形成する内壁面に滑らかに連続する、請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
前記流路に連通するディフューザ及びスクロールを備え、
前記突出壁部は、前記第3壁面の前記第2壁面とは反対側に接続されて前記第1壁面に対面する第4壁面を含み、
前記第4壁面は、前記径方向に延びて前記第1壁面と共に前記ディフューザを形成し、前記スクロールを形成する内壁面に滑らかに連続する、請求項2に記載の遠心圧縮機。
【請求項6】
前記流路に連通するディフューザ及びスクロールを備え、
前記突出壁部は、前記第3壁面の前記第2壁面とは反対側に接続されて前記第1壁面に対面する第4壁面を含み、
前記第4壁面は、前記径方向に延びて前記第1壁面と共に前記ディフューザを形成し、前記スクロールを形成する内壁面に滑らかに連続する、請求項3に記載の遠心圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転軸、回転軸の一端に固定されたコンプレッサ翼車、及びコンプレッサ翼車を収容するコンプレッサハウジングを備える遠心過給機が記載されている。このような遠心過給機では、コンプレッサ翼車が回転すると、作動流体がコンプレッサハウジング内の流路に吸入されて圧縮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/129039号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような遠心過給機では、コンプレッサ翼車が回転するとコンプレッサ翼車の背面側の隙間内が負圧となる場合があり、例えば回転軸側のオイルが当該負圧によって吸引されて、隙間に漏れてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、オイル漏れが抑制された遠心圧縮機を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機は、軸線方向において互いに反対側を向いている正面及び背面と、正面及び背面に接続された側面と、を含む本体部を有する翼車と、正面に対面し、正面と共に作動流体が流れる流路を形成する第1壁面を含む第1壁部と、背面及び第1壁面に対面し、背面と共に第1隙間を形成する第2壁面を含む第2壁部と、翼車の側面よりも径方向の外側において、第2壁面から第1壁面側に突出するように設けられた突出壁部と、を備え、突出壁部は、第2壁面から軸線方向に延びて翼車の側面に対面する第3壁面を含み、第3壁面は、正面と側面との接続部よりも軸線方向において第1壁面側に延びており、流路と第1隙間とを連通する第2隙間を側面と共に形成している。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、オイル漏れが抑制された遠心圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本開示の一遠心圧縮機を示す断面図である。
【図2】図2は、図1の部分拡大図である。
【図3】図3は、変形例の遠心圧縮機の第3壁面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の一態様に係る遠心圧縮機は、軸線方向において互いに反対側を向いている正面及び背面と、正面及び背面に接続された側面と、を含む本体部を有する翼車と、正面に対面し、正面と共に作動流体が流れる流路を形成する第1壁面を含む第1壁部と、背面及び第1壁面に対面し、背面と共に第1隙間を形成する第2壁面を含む第2壁部と、翼車の側面よりも径方向の外側において、第2壁面から第1壁面側に突出するように設けられた突出壁部と、を備え、突出壁部は、第2壁面から軸線方向に延びて翼車の側面に対面する第3壁面を含み、第3壁面は、正面と側面との接続部よりも軸線方向において第1壁面側に延びており、流路と第1隙間とを連通する第2隙間を側面と共に形成している。
【0010】
この遠心圧縮機では、翼車が軸線を中心として回転すると、作動流体が流路内を流れて圧縮される。遠心圧縮機は、翼車の側面よりも径方向の外側において、第2壁面から第1壁面側に突出するように設けられた突出壁部を備えている。突出壁部は、第2壁面から軸線方向に延びて翼車の側面に対面する第3壁面を含んでいる。第3壁面は、正面と側面との接続部よりも軸線方向において第1壁面側に延びており、流路と第1隙間とを連通する第2隙間を側面と共に形成している。このため、正面に沿って流路内を流れる作動流体の一部は、第3壁面に当たった後第2隙間を介して第1隙間に流れる。これにより、翼車の背面側の第1隙間が負圧となることが抑制され、当該負圧によってオイルが第1隙間に吸引されることが抑制される。よって、この遠心圧縮機によれば、オイル漏れが抑制される。
【0011】
いくつかの態様において、第3壁面は、1つの内周面によって形成されている。この場合、第3壁面が1つの内周面によって形成されているため、正面に沿って流路内を流れる作動流体の一部は、第3壁面に当たった後、第2隙間を介してスムーズに第1隙間に流れる。これにより、第1隙間が負圧となることが確実に抑制される。
【0012】
いくつかの態様において、第3壁面は、2つ以上の内周面と、内周面の間に形成された段差部と、を含む。この場合、突出壁部の設計の自由度が向上する。
【0013】
いくつかの態様において、遠心圧縮機は、流路に連通するディフューザ及びスクロールを備え、突出壁部は、第3壁面の第2壁面とは反対側に接続されて第1壁面に対面する第4壁面を含み、第4壁面は、径方向に延びて第1壁面と共にディフューザを形成し、スクロールを形成する内壁面に滑らかに連続する。この場合、突出壁部を備えた遠心圧縮機においても、圧縮効率を低下させることなく、所望の圧縮効率を得ることができる。
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、本明細書において、「径方向」および「周方向」は、後述する回転軸線Xを基準とする。
【0015】
図1を参照して、本開示の一過給機について説明する。図1に示される過給機(遠心圧縮機)1は、例えば自動車用の内燃機関に搭載される。過給機1は、回転軸線Xに沿って延びて回転軸線Xを中心に回転可能なシャフト2と、シャフト2の第1端2aに設けられたタービンインペラ3と、シャフト2の第2端2bに設けられたコンプレッサインペラ(翼車)4と、を備えている。また、過給機1は、タービンインペラ3を収容するタービンハウジング5と、コンプレッサインペラ4を収容するコンプレッサハウジング(第1壁部)6と、タービンハウジング5とコンプレッサハウジング6との間に配置され、シャフト2を収容するベアリングハウジング7と、を備えている。
【0016】
タービンインペラ3は、本体部31と複数の羽根部32とを有している。本体部31は、回転軸線Xに沿った軸線方向において互いに反対側を向いている正面31a及び背面31bと、正面31a及び背面31bに接続された側面31cと、を含んでいる。正面31aは、その外径が背面31bから正面31aに向く方向において漸減するように形成された曲面である。複数の羽根部32は、正面31aに設けられている。羽根部32は、本体部31と一体的に形成されている。タービンインペラ3は、背面31bがシャフト2に対面するようにシャフト2の第1端2aに固定されている。タービンハウジング5には、入口(不図示)、入口に連通するスクロール5a、及びスクロール5aに連通する出口5bが形成されている。タービンインペラ3とタービンハウジング5とは、タービン30を構成する。
【0017】
コンプレッサインペラ4は、本体部41と複数の羽根部42とを有している。本体部41は、回転軸線Xに沿った軸線方向において互いに反対側を向いている正面41a及び背面41bと、正面41a及び背面41bに接続された側面41cと、を含んでいる。正面41aは、その外径が背面41bから正面41aに向く方向において漸減するように形成された曲面である。複数の羽根部42は、正面41aに設けられている。羽根部42は、本体部41と一体的に形成されている。コンプレッサインペラ4は、背面41bがシャフト2に対面するようにシャフト2の第2端2bに固定されている。コンプレッサハウジング6には、入口6a、入口6aに連通するスクロール6b、及びスクロール6bに連通する出口(不図示)が形成されている。コンプレッサインペラ4とコンプレッサハウジング6とは、コンプレッサ40を構成する。
【0018】
ベアリングハウジング7は、タービンハウジング5及びコンプレッサハウジング6に接合されている。タービンハウジング5は、ベアリングハウジング7の軸線方向の第1端に接合されている。コンプレッサハウジング6は、ベアリングハウジング7の軸線方向の第2端に接合されている。ベアリングハウジング7は、シャフト2及びシャフト2に取り付けられたベアリング21を収容している。シャフト2は、ベアリング21を介してベアリングハウジング7に回転可能に支持されている。
【0019】
過給機1は、ベアリングハウジング7の第2端の内壁面に設けられた円盤状のシールプレート(第2壁部)8を更に備えている。シールプレート8は、例えばベアリングハウジング7の第2端の内壁面に嵌め込まれている。シールプレート8は、コンプレッサインペラ4の本体部41の背面41bに対面して設けられている。シールプレート8には、シャフト2が挿入される貫通穴が形成されている。シールプレート8は、シャフト2の外周面に固定されたカラー22を介してシャフト2を周方向において包囲している。シールプレート8のコンプレッサインペラ4とは反対側には、オイル(潤滑油)が循環される空間Sが形成されている。なお、カラー22とシールプレート8との間には、リング部材(不図示)が設けられている。コンプレッサハウジング6とベアリングハウジング7とシールプレート8とによって、コンプレッサインペラ4を収容する空間及び後述する作動流体Fの流路が形成されている。
【0020】
図2に示されるように、コンプレッサハウジング6は、第1壁面6cを含んでいる。第1壁面6cは、コンプレッサインペラ4の本体部41の正面41aに対面している。第1壁面6cは、入口6aから軸線方向に延びた後、スクロール6bに向かって径方向に延びている。正面41aと第1壁面6cとの間には複数の羽根部42が位置する。第1壁面6cは、羽根部42のチップ42aとの間に僅かなクリアランスをもって羽根部42に対面している。
【0021】
シールプレート8は、コンプレッサインペラ4の本体部41の背面41bに対面し、背面41bに沿って形成された第2壁面8aを含んでいる。シールプレート8の外径は、本体部41の外径よりも大きい。第2壁面8aは、本体部41の側面41cよりも径方向の外側まで延びている。第2壁面8aは、側面41cよりも径方向の外側(外周縁)において第1壁面6cに対面している。第2壁面8aは、背面41bと共に第1隙間C1を形成する。
【0022】
ベアリングハウジング7は、コンプレッサインペラ4の本体部41の側面41cよりも径方向の外側において、第2壁面8aから第1壁面6c側に突出するように設けられた突出壁部71を含んでいる。突出壁部71は、例えばベアリングハウジング7の一部である。突出壁部71は、第3壁面71aと、第3壁面71aに接続された第4壁面71bと、を含んでいる。
【0023】
第3壁面71aは、シールプレート8が設けられたベアリングハウジング7の内周面の一部である。第3壁面71aは、第2壁面8aから軸線方向に延びて側面41cに対面している。第3壁面71aは、側面41cの全周に亘って側面41cに対面している。第3壁面71aは、1つの内周面によって形成されている。つまり、第3壁面71aは、第2壁面8aから軸線方向に滑らかに延びている。第3壁面71aは、正面41aと側面41cとの接続部41dよりも軸線方向において第1壁面6c側に延びている。つまり、第3壁面71aは、径方向において本体部41の側面41c及び羽根部42の後縁(トレーリングエッジ)42bに対面している。第3壁面71aは、側面41cと共に第2隙間C2を形成する。
【0024】
第4壁面71bは、第3壁面71aの第2壁面8aとは反対側に接続されている。第4壁面71bは、径方向に延びている。第4壁面71bは、第1壁面6cに対面している。第4壁面71bは、スクロール6bを形成するコンプレッサハウジング6の内壁面に滑らかに連続している(図1参照)。つまり、第4壁面71bとスクロール6bを形成する内壁面との接続部は面一となっている。なお、第3壁面71aと第4壁面71bとの接続部には、面取り又はバリ取り等が施されていてもよい。
【0025】
第4壁面71bと接続部41dとの軸線方向の距離(ステップ量)、つまり、接続部41dに対する第3壁面71aの軸線方向の高さ(接続部41dよりも第1壁面6c側に延びている部分の高さ)は、例えば、羽根部42のトレーリングエッジ42bの長さの20分の1以上である。ステップ量は、好ましくは、羽根部42のトレーリングエッジ42bの長さの10分の1程度である。ステップ量は、過給機1の仕様及び需要によって自由に設定することができる。
【0026】
以上のように、コンプレッサハウジング6の第1壁面6c、本体部41の正面41a、シールプレート8の第2壁面8a、及び突出壁部71の第4壁面71bによって、作動流体(例えば空気)Fが流れる流路が形成される。すなわち、第1壁面6cは、作動流体Fが流れる吸入流路(流路)P1を本体部41の正面41aと共に形成する。第1壁面6cは、作動流体Fの流れ方向で吸入流路P1の下流側に連通する中間流路P2をシールプレート8の第2壁面8aと共に形成する。第1壁面6cは、作動流体Fの流れ方向で中間流路P2の下流側に連通するディフューザP3を突出壁部71の第4壁面71bと共に形成する。
【0027】
作動流体Fの流れ方向でディフューザP3の下流側には、スクロール6bが接続されている。換言すれば、過給機1は、吸入流路P1に連通するディフューザP3及びスクロール6bを備えている。なお、中間流路P2は、上述した第2隙間C2を含んでいる。また、吸入流路P1と第1隙間C1とは、第2隙間C2を含む中間流路P2によって接続されている。換言すれば、第2隙間C2は、吸入流路P1と第1隙間C1とを連通する。
【0028】
コンプレッサハウジング6は、円環状のオーバーハング壁部61を含んでいる。ディフューザP3は、オーバーハング壁部61の表面(第1壁面6cの径方向に延びる部分)と第4壁面71bとの間に形成された流路である。オーバーハング壁部61の表面及び第4壁面71bは、それぞれ、径方向および周方向に延びており、回転軸線Xに略直交する。ディフューザP3は、コンプレッサインペラ4の周囲(すなわち下流側)に形成されており、径方向および周方向に延びている。ディフューザP3の始端(入口)は、第3壁面71aである。ディフューザP3の終端(出口)は、オーバーハング壁部61の先端である。
【0029】
以上のように構成された過給機1では、以下のように作動流体Fが圧縮される。内燃機関から排出された排気ガスは、タービン30の入口からスクロール5aに流入し、タービンインペラ3を回転させた後、出口5bから外部に流出する。タービンインペラ3及びシャフト2の回転と共に、コンプレッサインペラ4が回転すると、作動流体Fは、コンプレッサ40の入口6aからコンプレッサハウジング6内に吸入され、吸入流路P1、中間流路P2、ディフューザP3、及びスクロール6bを順に通過して圧縮される。圧縮された作動流体Fは、内燃機関の吸気側に供給される。
【0030】
以上説明したように、過給機1では、コンプレッサインペラ4が回転軸線Xを中心として回転すると、作動流体Fが吸入流路P1内を流れて圧縮される。このとき、第1隙間C1が負圧となる場合がある。これにより、空間Sにおいて循環されるオイルは、当該負圧による吸引力によって、シールプレート8とカラー22との間の隙間から第1隙間C1に漏れて、いわゆるオイルリークが生じる場合がある。過給機1は、コンプレッサインペラ4の側面41cよりも径方向の外側において、第2壁面8aから第1壁面6c側に突出するように設けられた突出壁部71を備えている。突出壁部71は、第2壁面8aから軸線方向に延びてコンプレッサインペラ4の側面41cに対面する第3壁面71aを含んでいる。第3壁面71aは、正面41aと側面41cとの接続部41dよりも軸線方向において第1壁面6c側に延びており、吸入流路P1と第1隙間C1とを連通する第2隙間C2を側面21cと共に形成している。このため、正面41aに沿って吸入流路P1内を流れて中間流路P2を通過する作動流体Fの一部は、第3壁面71aに当たった後、第2隙間C2を介して第1隙間C1に流れる。これにより、コンプレッサインペラ4の背面41b側の第1隙間C1が負圧となることが抑制され、当該負圧によってオイルが第1隙間C1に吸引されることが抑制される。よって、過給機1によれば、オイル漏れが抑制される。
【0031】
第3壁面71aは、1つの内周面によって形成されている。この構成によれば、第3壁面71aが1つの内周面によって形成されているため、正面41aに沿って吸入流路P1内を流れて中間流路P2を通過する作動流体Fの一部は、第3壁面71aに当たった後、第2隙間C2を介してスムーズに第1隙間C1に流れる。これにより、第1隙間C1が負圧となることが確実に抑制される。
【0032】
過給機1は、吸入流路P1に連通するディフューザP3及びスクロール6bを備えている。突出壁部71は、第3壁面71aの第2壁面8aとは反対側に接続されて第1壁面6cに対面する第4壁面71bを含んでいる。第4壁面71bは、径方向に延びて第1壁面6cと共にディフューザP3を形成し、スクロール6bを形成する内壁面に滑らかに連続する。この構成によれば、突出壁部71を備えた過給機1においても、圧縮効率を低下させることなく、所望の圧縮効率を得ることができる。
【0033】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0034】
第3壁面71aの内径は、軸線方向において一定であってもよいし、変化していてもよい。例えば、第3壁面71aと第4壁面71bとの接続部に面取り又はバリ取りが施されている場合には、第3壁面71aの内径が変化し得る。
【0035】
突出壁部71がベアリングハウジング7の一部である例を示したが、突出壁部71は、ベアリングハウジング7と別体に設けられていてもよい。突出壁部71は、例えば環状のプレートであり、ベアリングハウジング7に接合されていてもよい。また、突出壁部71は、シールプレート8と一体的に形成されていてもよい。つまり、突出壁部71は、シールプレート8の一部であってもよい。
【0036】
図3に示されるように、第3壁面71aは、2つ以上の内周面と、当該内周面の間に形成された段差部と、を含んでいてもよい。具体的には、第3壁面71aは、例えば第2壁面8aから第1壁面6c側に延びる第1内周面71cと、第1内周面71cの第2壁面8aとは反対側に接続されて径方向に延びる段差部71dと、段差部71dの第1内周面71cとは反対側に接続され第1壁面6c側に延びる第2内周面71eと、を含んでいてもよい。第2内周面71eの内径は、第1内周面71cの内径よりも大きい。つまり、第3壁面71aは、段差を有していてもよい。この構成によれば、突出壁部71の設計の自由度が向上する。
【0037】
第4壁面71bがスクロール6bを形成する内壁面に滑らかに連続している例を示したが、第4壁面71bは、スクロール6bを形成する内壁面に滑らかに連続していなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本開示によれば、オイル漏れが抑制された遠心圧縮機を提供することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 過給機(遠心圧縮機)
4 コンプレッサインペラ(翼車)
6 コンプレッサハウジング(第1壁部)
6b スクロール
6c 第1壁面
8 シールプレート(第2壁部)
8a 第2壁面
41 本体部
41a 正面
41b 背面
41c 側面
41d 接続部
71 突出壁部
71a 第3壁面
71b 第4壁面
C1 第1隙間
C2 第2隙間
F 作動流体
P1 吸入流路(流路)
P3 ディフューザ
X 回転軸線(軸線)
【手続補正書】
【提出日】2019年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線方向において互いに反対側を向いている正面及び背面と、前記正面及び前記背面に接続された側面と、を含む本体部を有する翼車と、
前記正面に対面し、前記正面と共に作動流体が流れる流路を形成する第1壁面を含む第1壁部と、
前記背面及び前記第1壁面に対面し、前記背面と共に第1隙間を形成する第2壁面を含む第2壁部と、
前記翼車の前記側面よりも径方向の外側において、前記第2壁面から前記第1壁面側に突出するように設けられた突出壁部と、を備え、
前記突出壁部は、前記第2壁面から前記軸線方向に延びて前記翼車の前記側面に対面する第3壁面を含み、
前記第3壁面は、前記正面と前記側面との接続部よりも前記軸線方向において前記第1壁面側に延びており、前記流路と前記第1隙間とを連通する第2隙間を前記側面と共に形成しており、
前記第3壁面は、2つ以上の内周面と、前記内周面の間に形成された段差部と、を含む、遠心圧縮機。
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
(削除)
【請求項4】
前記流路に連通するディフューザ及びスクロールを備え、
前記突出壁部は、前記第3壁面の前記第2壁面とは反対側に接続されて前記第1壁面に対面する第4壁面を含み、
前記第4壁面は、前記径方向に延びて前記第1壁面と共に前記ディフューザを形成し、前記スクロールを形成する内壁面に滑らかに連続する、請求項1に記載の遠心圧縮機。
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
(削除)
【国際調査報告】