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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年12月12日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】成膜装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/46 20060101AFI20201120BHJP
【FI】
   C23C16/46
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
【出願番号】特願2020-523957(P2020-523957)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年6月8日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】織田 容征
【テーマコード(参考)】
4K030
【Fターム(参考)】
4K030CA17
4K030EA01
4K030EA04
4K030FA08
4K030GA02
4K030GA12
4K030KA02
4K030KA10
(57)【要約】
本発明は、成膜品質や成膜速度を落とすことなく、低コストで基板上に薄膜を成膜することができる成膜装置を提供することを目的とする。そして、本発明において、赤外光照射器(2)は下部容器(62)内のコンベア(53)から離れた位置に配置される。赤外光照射器(2)は、複数の赤外光ランプ(22)から上方に向けて赤外光を照射してベルト52の上面に載置した複数の基板10に対する加熱処理を実行する。成膜室(6A)内において、赤外光照射器2の赤外光照射による加熱処理と、薄膜形成ノズル(1)によるミスト噴射処理とを同時に実行することにより、ベルト(52)の上面に載置された基板(10)上に薄膜を成膜する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(10)を載置する基板載置部(53)と、
前記基板載置部と離れて設けられ、赤外光ランプ(22)を有し、前記赤外光ランプから赤外光を照射して前記基板を加熱する加熱処理を実行する加熱機構(2)と、
原料溶液をミスト化して得られる原料ミスト(MT)を前記基板の表面に噴射するミスト噴射処理を実行するミスト噴射部(1)とを備え、
前記加熱機構による前記加熱処理と前記ミスト噴射部による前記ミスト噴射処理とを同時に実行することにより、前記基板の表面に薄膜を成膜することを特徴とする、
成膜装置。
【請求項2】
請求項1記載の成膜装置であって、
前記基板、前記加熱機構及び前記ミスト噴射部を内部に収容する成膜室(6A)をさらに備える、
成膜装置。
【請求項3】
請求項1記載の成膜装置であって、
前記基板及び前記ミスト噴射部を内部に収容する成膜室(6B)をさらに備え、
前記加熱機構は前記成膜室外に配置され、前記成膜室を介して前記加熱処理を実行し、
前記成膜室は、前記加熱機構の前記赤外光ランプから照射される赤外光に対し、透過性に優れた赤外光透過材料を構成材料とする、
成膜装置。
【請求項4】
請求項3記載の成膜装置であって、
前記赤外光透過材料は石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、及びフッ化リチウムのうち、少なくとも一つを含む、
成膜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、太陽電池などの電子デバイスの製造に用いられ、基板上に薄膜を成膜する成膜装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板上に膜を成膜する方法として、化学気相成長(CVD(Chemical Vapor Deposition))法がある。しかしながら、化学気相成長法では真空下での成膜が必要な場合が多くなり、真空ポンプなどに加えて、大型の真空容器を用いる必要がある。さらに、化学気相成長法では、コスト等の観点から、成膜される基板として大面積のものを採用することが困難である、という問題があった。そこで、大気圧下における成膜処理が可能なミスト法が、注目されている。
【0003】
ミスト法を利用した成膜装置に関する従来技術として、例えば特許文献1に係る技術が存在している。
【0004】
特許文献1に係る技術では、ミスト噴射用ノズル等を含むミスト噴射ヘッド部の底面に設けられる原料溶液噴出口及び反応材料噴出口から、大気中に配置されている基板に対してミスト化された原料溶液及び反応材料が噴射されている。当該噴射により、基板上には膜が成膜される。なお、反応材料は原料溶液との反応に寄与する材料を意味する。
【0005】
図3は従来の成膜装置の概略構成を示す説明図である。同図に示すように、基板載置部である基板積載ステージ30は上面に複数の基板10を載置している。
【0006】
基板積載ステージ30は真空吸着による吸着機構31を有し、この吸着機構31により、載置した複数の基板10それぞれの裏面全体を、基板積載ステージ30の上面上に吸着することができる。さらに、基板積載ステージ30は吸着機構31の下方に加熱機構32が設けられており、この加熱機構32により、基板積載ステージ30の上面に載置した複数の基板10に対する加熱処理を実行することができる。
【0007】
薄膜形成ノズル1(ミスト噴射部)は噴射面1Sに設けられた噴射口から下方に原料ミストMTを噴射するミスト噴射処理を実行する。なお、原料ミストMTは原料溶液をミスト化して得られるミストであり、薄膜形成ノズル1によって原料ミストMTを大気中に噴射することができる。
【0008】
薄膜形成ノズル1、基板積載ステージ30、基板積載ステージ30の上面に載置された複数の基板10は全て成膜室60に収納される。成膜室60は上部容器68、下部容器69及び扉67により構成される。成膜室60は、成膜処理を行う際、扉67を閉状態にして上部容器68,下部容器69間の開口部を塞ぐことにより、薄膜形成ノズル1、基板積載ステージ30及び複数の基板10を外部から遮断することができる。
【0009】
したがって、成膜室60の扉67を閉状態にし、加熱機構32の加熱処理中に、薄膜形成ノズル1によりミスト噴射処理を実行することにより、基板積載ステージ30の上面に載置された基板10上に薄膜を成膜することができる。
【0010】
このように、従来の成膜装置は、薄膜形成ノズル1によるミスト噴射処理と加熱機構32による加熱処理とを同時に実行することにより薄膜を基板10上に成膜している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2017/068625号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上述したように、従来の成膜装置は、成膜対象物となる基材である基板10を上面上に載置する基板積載ステージ30の内部に加熱機構32を設け、基板積載ステージ30を平面型加熱手段として用いるのが一般的であった。
【0013】
基板積載ステージ30のような平面型加熱手段を用いる場合、基板積載ステージ30の上面と基板10の裏面とを接触させ、基板積載ステージ30,基板10間を伝熱させて基板10の加熱処理を実行することになる。
【0014】
しかし、基板10が平板形状ではなく、その下面が湾曲したものや、下面に凹凸がある構造を呈する場合、平面型加熱手段では、基板積載ステージ30の上面と基板10の裏面との接触が局所的になる。このため、加熱機構32による加熱処理の実行時に基板10の加熱が不均一になったり、基板10に反りが発生して変形したりする等の問題点があった。
【0015】
本発明では、上記のような問題点を解決し、成膜品質や成膜速度を落とすことなく、低コストで基板上に薄膜を成膜することができる成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明に係る成膜装置は、基板を載置する基板載置部と、前記基板載置部と離れて設けられ、赤外光ランプを有し、前記赤外光ランプから赤外光を照射して前記基板を加熱する加熱処理を実行する加熱機構と、原料溶液をミスト化して得られる原料ミストを前記基板の表面に噴射するミスト噴射処理を実行するミスト噴射部とを備え、前記加熱機構による前記加熱処理と前記ミスト噴射部による前記ミスト噴射処理とを同時に実行することにより、前記基板の表面に薄膜を成膜することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の本願発明の成膜装置は、基板載置部から離れて設けられ、赤外光ランプから赤外光を照射することにより基板を加熱する加熱処理を実行する加熱機構を備えている。
【0018】
したがって、請求項1記載の本願発明は、基板と接触関係をもたせることなく、加熱機構によって基板を直接加熱することができるため、基板の形状に関わらず均一な加熱を基板を変形させることなく行うことができる。
【0019】
その結果、請求項1記載の本願発明の成膜装置は、成膜品質や成膜速度を落とすことなく、低コストで基板上に薄膜を成膜することができる。
【0020】
この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】この発明の実施の形態1である成膜装置の概略構成を示す説明図である。
図2】この発明の実施の形態2である成膜装置の概略構成を示す説明図である。
図3】従来の成膜装置の概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施の形態1>
図1はこの発明の実施の形態1である成膜装置の概略構成を示す説明図である。図1にXYZ直交座標系を記す。
【0023】
図1に示すように、実施の形態1の成膜装置11は、成膜室6A、薄膜形成ノズル1、赤外光照射器2及びコンベア53を主要構成要素として含んでいる。
【0024】
基板載置部であるコンベア53はベルト52の上面に複数の基板10を載置している。コンベア53は左右(−X方向,+X方向)両端に設けられた搬送用の一対のローラ51と、一対のローラ51に架け渡された無端状の搬送用のベルト52とを備えている。
【0025】
コンベア53は、一対のローラ51の回転駆動によって、上方側(+Z方向側)のベルト52を搬送方向(X方向)に沿って移動させることができる。
【0026】
コンベア53の一対のローラ51は成膜室6A外に設けられ、ベルト52は中央部が成膜室6A内に設けられ、成膜室6Aの左右(−X方向,+X方向)側面の一部に設けられる一対の開口部63を介して成膜室6Aの内部と外部との間を移動することができる。
【0027】
薄膜形成ノズル1、コンベア53の一部、コンベア53のベルト52の上面に載置された複数の基板10及び赤外光照射器2は成膜室6A内に収納される。
【0028】
成膜室6Aは上部容器61、下部容器62及び一対の開口部63により構成される。Z方向である高さ方向において上部容器61と下部容器62との間に一対の開口部63が位置する。したがって、成膜室6A内の開口部63,63間に設けられるコンベア53は下部容器62より高く、上部容器61より低い位置に配置される。
【0029】
加熱機構である赤外光照射器2は下部容器62内のコンベア53から離れた位置に、図示しない固定手段より固定される。
【0030】
なお、赤外光照射器2は、成膜室6A内のベルト52の上面と平面視して重複する位置に配置される。
【0031】
赤外光照射器2はランプ載置台21及び複数の赤外光ランプ22から構成され、ランプ載置台21の上部に複数の赤外光ランプ22が取り付けられる。したがって、赤外光照射器2は複数の赤外光ランプ22から上方(+Z方向)に向けて赤外光を照射することができる。赤外光照射器2による上述した赤外光照射によってベルト52の上面に載置した複数の基板10に対する加熱処理を実行することができる。
【0032】
ミスト噴射部である薄膜形成ノズル1は上部容器61内に図示しない固定手段により固定配置される。この際、薄膜形成ノズル1は、噴射面1Sとベルト52の上面とが対向する位置関係で配置される。
【0033】
薄膜形成ノズル1は噴射面1Sに設けられた噴射口から下方(−Z方向)に原料ミストMTを噴射するミスト噴射処理を実行する。なお、原料ミストMTは原料溶液をミスト化して得られるミストであり、薄膜形成ノズル1によって原料ミストMTを大気中に噴射することができる。
【0034】
成膜室6Aは、成膜処理を行う際、エアカーテン7により上部容器61,下部容器62間の開口部63を塞ぐことにより、薄膜形成ノズル1、ベルト52上に載置された複数の基板10及び赤外光照射器2を外部から遮断することができる。
【0035】
したがって、実施の形態1の成膜装置11は、エアカーテン7によって成膜室6Aの一対の開口部63を閉状態にし、コンベア53のベルト52を搬送方向(X方向)に沿って移動させて成膜環境を設定することができる。
【0036】
そして、成膜装置11は、上記成膜環境下で、赤外光照射器2の赤外光照射による加熱処理と、薄膜形成ノズル1によるミスト噴射処理とを同時に実行することにより、成膜室6A内においてベルト52の上面に載置された基板10上に薄膜を成膜している。
【0037】
このように、実施の形態1の成膜装置11は、基板載置部であるコンベア53から離れて設けられ、赤外光ランプ22から赤外光を照射して複数の基板10を直接加熱する加熱処理を実行する赤外光照射器2を加熱機構として備えている。
【0038】
したがって、実施の形態1の成膜装置11は、基板10と接触関係をもたせることなく、赤外光照射器2によって基板10を直接加熱することができるため、基板10の形状に関わらず均一な加熱を、基板10を変形させることなく行うことができる。
【0039】
その結果、実施の形態1の成膜装置11は、成膜品質や成膜速度を落とすことなく、低コストで基板10上に薄膜を成膜することができる。
【0040】
さらに、実施の形態1の成膜装置11は、加熱機構である赤外光照射器2を成膜室6A内に設けることにより、成膜室6Aを介することなく、赤外光を基板10に照射することができる分、赤外光の照射効率を高めることができる。
【0041】
なお、コンベア53の下方(−Z方向)に位置する赤外光照射器2からの赤外光の照射は、上方(+Z方向)に向けて行われているため、赤外光はコンベア53のベルト52(上方側及び下方側)を介して複数の基板10に照射されることになる。
【0042】
この点を考慮して、ベルト52を一対の線状のコンベアチェーンの組合せにより構成し、赤外光通過用の開口部分が存在する構造にする第1の対応と、赤外光を吸収することなく、赤外光の透過性に優れた赤外光透過材料をベルト52の構成材料とする第2の対応が考えられる。
【0043】
したがって、ベルト52に関し、上記第1及び第2の対応のうち少なくとも一つの対応を採用することにより、ベルト52による赤外光の吸収度合を必要最小限に抑えることができる。
【0044】
第2の対応の具体例を以下に述べる。赤外光透過材料として、例えば、ゲルマニウム、シリコン、硫化亜鉛、セレン化亜鉛などが考えられる。ただし、ベルト52として使用するための強度を満足する必要がある。
【0045】
また、赤外光照射器2から照射される赤外光の波長は、原料ミストMTの吸収波長域を避けて設定する第1の変形例を採用することが望ましい。第1の変形例を実現する具体的設定として、赤外光照射器2から照射される赤外光の波長を700〜900nmの範囲に設定することが考えられる。上記具体的設定により、想定される溶媒を用いた原料ミストMTの吸収波長域を避けることができるからである。
【0046】
上記具体的設定の通り、赤外光照射器2から照射される赤外光の波長を700〜900nmの範囲に設定すれば、成膜原料溶液の溶媒が水あるいはトルエンの場合、原料ミストMTの吸収波長域以外になることは既知の事実として確認されている。
【0047】
成膜装置11は上記第1の変形例を採用することにより、原料ミストMTが赤外光照射器2から照射される赤外光を吸収し、原料ミストMTが加熱されて蒸発するという、原料ミスト蒸発現象の発生を回避することができるという効果を奏する。
【0048】
特に、第1の変形例として赤外光の波長を700〜900nmに設定するという上記具体的設定を採用することにより、想定される全ての原料の原料ミストMTに対して上記原料ミスト蒸発現象の発生を回避することができる効果を奏する。
【0049】
<実施の形態2>
図2はこの発明の実施の形態2である成膜装置の概略構成を示す説明図である。図2にXYZ直交座標系を記す。
【0050】
図2に示すように、実施の形態2の成膜装置12は、成膜室6B、薄膜形成ノズル1、赤外光照射器2及びコンベア53を主要構成要素として含んでいる。
【0051】
以下、実施の形態1の成膜装置11と共通する構成部は、同一符号を付して説明を適宜省略し、実施の形態2の成膜装置12の特徴箇所を中心に説明する。
【0052】
薄膜形成ノズル1、コンベア53の一部、及びコンベア53のベルト52の上面に載置された複数の基板10は成膜室6Bに収納される。成膜室6Bは上部容器61、下部容器62B及び一対の開口部63により構成され、一対の開口部63は成膜室6Bの左右側面の一部に設けられる。なお、Z方向である高さ方向において上部容器61と下部容器62Bとの間に一対の開口部63が位置する。
【0053】
成膜室6Bは赤外光照射器2から照射される赤外光を吸収することなく、透過性に優れた赤外光透過材料を構成材料としている。具体的には、成膜室6Bは構成材料として石英ガラスを採用している。
【0054】
加熱機構である赤外光照射器2は下部容器62B外の下方(−Z方向)に、コンベア53から離れた位置に、図示しない固定手段より固定される。
【0055】
なお、赤外光照射器2は、成膜室6B内のベルト52の上面と平面視して重複する位置に配置される。
【0056】
赤外光照射器2は複数の赤外光ランプ22から赤外光を上方にむけて照射することによって、下部容器62B及びベルト52を介してベルト52の上面に載置した複数の基板10に対する加熱処理を実行することができる。
【0057】
成膜室6Bは、成膜処理を行う際、エアカーテン7により上部容器61,下部容器62B間の開口部63を塞ぐことにより、薄膜形成ノズル1、及びベルト52上に載置された複数の基板10を外部から遮断することができる。
【0058】
したがって、実施の形態2の成膜装置12は、エアカーテン7によって成膜室6Bの一対の開口部63を閉状態にし、コンベア53のベルト52を搬送方向(X方向)に移動させることにより、成膜環境を設定することができる。
【0059】
そして、成膜装置12は、上記成膜環境下で、赤外光照射器2の赤外光照射による加熱処理と、薄膜形成ノズル1によるミスト噴射処理とを同時に実行することにより、成膜室6B内においてベルト52の上面に載置された基板10上に薄膜を成膜している。
【0060】
このように、実施の形態2の成膜装置12は、基板載置部であるベルト52から離れて設けられ、赤外光ランプ22から赤外光を照射して複数の基板10を加熱する加熱処理を実行する赤外光照射器2を加熱機構として備えている。
【0061】
したがって、実施の形態2の成膜装置12は、実施の形態1と同様、基板10と接触関係をもたせることなく、赤外光照射器2によって基板10を加熱することができるため、基板10の形状に関わらず均一な加熱を、基板10を変形させることなく行うことができる。
【0062】
その結果、実施の形態2の成膜装置12は、実施の形態1と同様、成膜品質や成膜速度を落とすことなく、低コストで基板10上に薄膜を成膜することができる。
【0063】
さらに、実施の形態2の成膜装置12は、赤外光照射器2を成膜室6B外に設けることにより、赤外光ランプ22の取り換え等、赤外光照射器2のメンテナンスの簡略化を図ることができる。
【0064】
加えて、実施の形態2の成膜装置12の成膜室6Bは、赤外光ランプ22から照射される赤外光の透過性に優れた赤外光透過材料である石英ガラスを構成材料としているため、成膜室6Bの下部容器62の底面を介して基板10を加熱する際の下部容器62の底面による赤外光の吸収度合を必要最小限に抑えることができる効果を奏する。
【0065】
なお、成膜室6Bのうち、少なくとも下部容器62Bの底面の構成材料を赤外光透過材料である石英ガラスにすれば上記効果を発揮することができる。
【0066】
また、赤外光透過材料として、石英ガラス以外に例えば以下の材料が考えられる。ホウケイ酸ガラス、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、フッ化リチウムなどが近赤外光に対する透過率が高いため、石英ガラス以外の赤外光透過材料として考えられる。すなわち、成膜室6Bの構成材料は、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、サファイア、フッ化カルシウム、フッ化バリウム、フッ化マグネシウム、及びフッ化リチウムのうち、少なくとも一つを含めば良い。
【0067】
なお、実施の形態2の成膜装置12においても、実施の形態1と同様、ベルト52による赤外光吸収に関する上記第1及び第2の対応のうち少なくとも一つの対応を採用しても良い。
【0068】
さらに、実施の形態2の成膜装置12において、実施の形態1と同様、赤外光照射器2から照射する赤外光の波長に関し、上記第1の変形例(実施の形態1で述べた具体的設定を含む)を採用しても良い。
【0069】
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【0070】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0071】
1 薄膜形成ノズル
2 赤外光照射器
11,12 成膜装置
21 ランプ載置台
22 赤外光ランプ
6A,6B 成膜室
51 ローラ
52 ベルト
53 コンベア
61 上部容器
62,62B 下部容器
63 開口部
図1
図2
図3
【国際調査報告】