(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年12月26日
【発行日】2021年6月24日
(54)【発明の名称】搬送車
(51)【国際特許分類】
B65G 47/52 20060101AFI20210528BHJP
【FI】
B65G47/52 101A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2020-525399(P2020-525399)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年5月24日
(31)【優先権主張番号】特願2018-116461(P2018-116461)
(32)【優先日】2018年6月19日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000107147
【氏名又は名称】日本電産シンポ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118496
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 耕三
(72)【発明者】
【氏名】則座 真史
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊太
【テーマコード(参考)】
3F044
【Fターム(参考)】
3F044CD01
3F044CE07
3F044CE16
3F044CE37
3F044CE38
(57)【要約】
搬送車100は、床面を走行する。搬送車100は、車体1と、第1コンベア機構3と、第2コンベア機構5とを備える。第1コンベア機構3は、車体1に搭載され、第1方向D1に沿って物体を移動する。第2コンベア機構5は、車体1に搭載され、第2方向D2に沿って物体を移動する。第1方向D1と第2方向D2とは交差する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面を走行する搬送車であって、
車体と、
前記車体に搭載され、第1方向に沿って物体を移動する第1コンベア機構と、
前記車体に搭載され、第2方向に沿って前記物体を移動する第2コンベア機構と
を備え、
前記第1方向と前記第2方向とは交差する、搬送車。
【請求項2】
前記車体に搭載される第1リフトと、
前記車体に搭載される第2リフトと
をさらに備え、
前記第2リフトには、前記第2コンベア機構が設置され、
前記第2リフトは、前記第2コンベア機構を上昇又は下降し、
前記第1リフトには、前記第1コンベア機構及び前記第2リフトが設置され、
前記第1リフトは、前記第1コンベア機構及び前記第2リフトを上昇又は下降する、請求項1に記載の搬送車。
【請求項3】
前記第1コンベア機構が第1ホームポジションに位置するとともに、前記第2コンベア機構が第2ホームポジションに位置する場合、前記第1コンベア機構の高さは、前記第2コンベア機構の高さよりも高く、
前記第1コンベア機構の高さは、前記床面に対する前記第1コンベア機構の高さを示し、
前記第2コンベア機構の高さは、前記床面に対する前記第2コンベア機構の高さを示し、
前記第1ホームポジションは、前記第1コンベア機構の最下位置を示し、
前記第2ホームポジションは、前記第2コンベア機構の最下位置を示し、
前記第2コンベア機構の高さが前記第1コンベア機構の高さよりも高くなるように前記第2リフトが前記第2コンベア機構を上昇した後に、前記第2コンベア機構が前記物体を移動する、請求項2に記載の搬送車。
【請求項4】
前記第1コンベア機構が前記物体を移動する場合、
前記第1リフトが前記第1コンベア機構及び前記第2リフトを上昇して前記第1コンベア機構の高さが所定高さに設定された後に、前記第1コンベア機構が前記物体を移動し、
前記第1コンベア機構が前記物体を移動した後に前記第2コンベア機構が前記物体を移動する場合、
前記第2コンベア機構の高さが前記第1コンベア機構の高さよりも高くなるように前記第2リフトが前記第2コンベア機構を上昇するとともに、前記第1リフトが前記第1コンベア機構及び前記第2リフトを下降して前記第2コンベア機構の高さが前記所定高さに設定された後に、前記第2コンベア機構が前記物体を移動する、請求項3に記載の搬送車。
【請求項5】
前記第2コンベア機構が前記物体を移動する場合、
前記第2コンベア機構の高さが前記第1コンベア機構の高さよりも高くなるように前記第2リフトが前記第2コンベア機構を上昇するとともに、前記第1リフトが前記第1コンベア機構及び前記第2リフトを上昇して前記第2コンベア機構の高さが所定高さに設定された後に、前記第2コンベア機構が前記物体を移動し、
前記第2コンベア機構が前記物体を移動した後に前記第1コンベア機構が前記物体を移動する場合、
前記第2リフトが前記第2コンベア機構を下降するとともに、前記第1リフトが前記第1コンベア機構及び前記第2リフトを上昇して前記第1コンベア機構の高さが前記所定高さに設定された後に、前記第1コンベア機構が前記物体を移動する、請求項3に記載の搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の積込み・積出し装置は、基本的に自力走行の可能な自走台車を基本構造としている。
【0003】
自走台車における架台フレームの上方には、水平にコンベアフレームが配設され、コンベアフレームに第1コンベアが、台車走行方向に沿って走行自在に配設されている。第1コンベアは、コンベアフレームの内部に設けたモータにより駆動されて、前方または後方の何れかに選択的に水平に走行して物品の搬送を行ない得るようになっている。
【0004】
自走台車の前方部分には横移動スライダが取付けられ、該スライダに垂直に設けた直立支柱が左右に移動可能となっている。直立支柱は、一対の昇降フォークを昇降自在に支持している。昇降フォークには、その長手方向に対し交差する方向に円柱状のローラが多数配設され、これらのローラ群により第2コンベアを構成している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−69599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の積込み・積出し装置では、第1コンベアの搬送方向と第2コンベアの搬送方向とが平行である。つまり、第1コンベア及び第2コンベアは、同一方向に物品を搬送する。
【0007】
従って、第1コンベア及び第2コンベアの搬送方向が物品の積出し元又は積込み先に対して直交するように、積込み・積出し装置が積出し元又は積込み先に近接することが常に要求される。つまり、積込み・積出し装置が物品(物体)の積出し元(搬送元)又は積込み先(搬送先)に近接するときの積込み・積出し装置の移動方向が一方向に限定される。
【0008】
本発明の目的は、物体の搬送元又は搬送先に近接するときの搬送車の移動方向が一方向に限定されることを抑制できる搬送車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な搬送車は、床面を走行する。搬送車は、車体と、第1コンベア機構と、第2コンベア機構とを備える。第1コンベア機構は、前記車体に搭載され、第1方向に沿って物体を移動する。第2コンベア機構は、前記車体に搭載され、第2方向に沿って前記物体を移動する。前記第1方向と前記第2方向とは交差する。
【発明の効果】
【0010】
例示的な本発明によれば、物体の搬送元又は搬送先に近接するときの搬送車の移動方向が一方向に限定されることを抑制できる搬送車を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る搬送車を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る搬送車を示す側面図である。
【
図3】
図3は、本実施形態に係る搬送車を示す平面図である。
【
図4A】
図4Aは、本実施形態に係る搬送車が第1固定コンベアに近接している状態を示す模式的平面図である。
【
図4B】
図4Bは、本実施形態に係る搬送車が第2固定コンベアに近接している状態を示す模式的平面図である。
【
図5A】
図5Aは、本実施形態に係る搬送車の待機状態を示す模式的側面図である。
【
図5B】
図5Bは、本実施形態に係る搬送車の第1コンベア機構が物体を移動するときの状態を示す模式的側面図である。
【
図6A】
図6Aは、本実施形態に係る搬送車の第2コンベア機構が物体を支持した状態を示す模式的側面図である。
【
図6B】
図6Bは、本実施形態に係る搬送車の第2コンベア機構が物体を移動するときの状態を示す模式的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、図中、理解の容易のため、三次元直交座標系のX軸、Y軸、およびZ軸を適宜記載している。X軸及びY軸は水平方向に平行である。Z軸は鉛直方向に平行である。
【0013】
まず、
図1〜
図3を参照して、本発明の実施形態に係る搬送車100を説明する。
図1は、搬送車100を示す斜視図である。
図2は、搬送車100を示す側面図である。
図3は、搬送車100を示す平面図である。
【0014】
図1〜
図3に示すように、搬送車100は床面FLを走行する。搬送車100は物体を搬送する。物体は例えば物品である。本明細書において、床面FLは、搬送車100が走行可能な面であれば、特に限定されない。床面FLは、例えば、屋内の床面であってもよいし、屋外の路面又は地面であってもよい。また、床面FLは、人工的に整備された床面であってもよいし、人工的に整備されていない床面であってもよい。人工的に整備された床面は、例えば、床材を使用して形成された床面、舗装された面に塗料を塗布した床面、舗装された路面、又は、舗装された地面である。人工的に整備されていない床面は、例えば、建設現場等における未舗装の路面又は地面である。例えば、搬送車100は床面FLを自由に走行してもよい。又は、例えば、搬送車100は予め定められた軌道上に配置されるガイド部材に沿って走行してもよい。
【0015】
本実施形態では、搬送車100は無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)である。そして、例えば、搬送車100は、予め定められたルートに従って走行してもよい。又は、例えば、搬送車100は、通信を介したユーザーの遠隔操作に従って走行してもよい。
【0016】
搬送車100は、車体1と、第1コンベア機構3と、第2コンベア機構5とを備える。車体1は略直方体形状を有する。車体1は、複数の車輪10と、駆動機構(不図示)とを有する。複数の車輪10は床面FLに接触している。そして、複数の車輪10は、駆動機構によって直接又は間接的に駆動されて回転する。その結果、車体1が走行する。駆動機構は、例えば、単数又は複数のモータを含む。車体1の上面は、略正方形状又は略矩形状の平面である。
【0017】
第1コンベア機構3は車体1に搭載される。第1コンベア機構3は、第1方向D1に沿って物体を移動する。具体的には、第1コンベア機構3は、第1正転方向DP1に物体を移動することもできるし、第1逆転方向DN1に物体を移動することもできる。第1正転方向DP1と第1逆転方向DN1とは、互いに反対を向いており、第1方向D1に平行である。
図1〜
図3では、第1方向D1は、Y軸に略平行である。ただし、第1方向D1は、搬送車100を基準としたローカル座標系における方向を示している。
【0018】
具体的には、第1コンベア機構3は、一対の第1コンベア30と、一対の駆動機構(不図示)とを含む。一対の第1コンベア30は、互いに略平行であり、第2方向D2に第1所定間隔をあけて配置される。一対の第1コンベア30は、第2方向D2に互いに対向する。
図1〜
図3では、第2方向D2はX軸に略平行である。ただし、第2方向D2は、搬送車100を基準としたローカル座標系における方向を示している。一対の第1コンベア30は、それぞれ、一対の駆動機構によって駆動されて回転する。一対の駆動機構の各々は、例えば、モータを含む。なお、第1コンベア機構3は駆動機構を有していなくてもよい。
【0019】
第1コンベア30は、第1方向D1に沿って延びている。第1コンベア30は、第1方向D1に沿って回転して、第1方向D1に沿って物体を移動する。具体的には、第1コンベア30は、第1正転方向DP1に回転して、第1正転方向DP1に物体を移動することができる。一方、第1コンベア30は、第1逆転方向DN1に回転して、第1逆転方向DN1に物体を移動することもできる。本実施形態では、第1コンベア30はチェーンコンベアである。なお、第1コンベア30は、物体を移動できる限りにおいては、チェーンコンベアに限定されず、ベルトコンベア又はローラコンベアであってもよい。
【0020】
第2コンベア機構5は車体1に搭載される。第2コンベア機構5は、第2方向D2に沿って物体を移動する。具体的には、第2コンベア機構5は、第2正転方向DP2に物体を移動することもできるし、第2逆転方向DN2に物体を移動することもできる。第2正転方向DP2と第2逆転方向DN2とは、互いに反対を向いており、第2方向D2に平行である。
【0021】
具体的には、第2コンベア機構5は、一対の第2コンベア50と、一対の駆動機構(不図示)とを含む。一対の第2コンベア50は、互いに略平行であり、第1方向D1に第2所定間隔をあけて配置される。一対の第2コンベア50は、第1方向D1に互いに対向する。一対の第2コンベア50は、それぞれ、一対の駆動機構によって駆動されて回転する。一対の駆動機構の各々は、例えば、モータを含む。なお、第2コンベア機構5は駆動機構を有していなくてもよい。また、第2コンベア機構5は1つのコンベアを有していてもよい。
【0022】
第2コンベア50は、第2方向D2に沿って延びている。第2コンベア50は、第2方向D2に沿って回転して、第2方向D2に沿って物体を移動する。具体的には、第2コンベア50は、第2正転方向DP2に回転して、第2正転方向DP2に物体を移動することができる。一方、第2コンベア50は、第2逆転方向DN2に回転して、第2逆転方向DN2に物体を移動することもできる。本実施形態では、第2コンベア50はチェーンコンベアである。なお、第2コンベア50は、物体を移動できる限りにおいては、チェーンコンベアに限定されず、ベルトコンベア又はローラコンベアであってもよい。
【0023】
第1コンベア機構3の一対の第1コンベア30と第2コンベア機構5の一対の第2コンベア50とは、平面視において、略正方形状又は略矩形状を形成する。第2コンベア機構5は、一対の第1コンベア30の間に配置される。そして、第1コンベア機構3による物体の移動方向を示す第1方向D1と、第2コンベア機構5による物体の移動方向を示す第2方向D2とは交差する。
【0024】
従って、搬送車100は、搬送元から物体を受け取る場合に、第1方向D1に沿って搬送元に近接することもできるし、第2方向D2に沿って搬送元に近接することもできる。また、搬送車100は、物体を搬送して、搬送先に物体を引き渡す場合に、第1方向D1に沿って搬送先に近接することもできるし、第2方向D2に沿って搬送先に近接することもできる。
【0025】
従って、本実施形態によれば、搬送車100が物体の搬送元又は搬送先に近接するときの搬送車100の移動方向は、二方向のうちのいずれかの方向であればよい。つまり、物体の搬送元又は搬送先に近接するときの搬送車100の移動方向が一方向に限定されることを抑制できる。
【0026】
その結果、搬送元から搬送先までの搬送車100の搬送経路の選択又は設定の自由度が向上する。例えば、最適な搬送経路を選択又は設定することで、物体の搬送時間を短縮できる。また、搬送車100の方向転換のための時間を抑制できるため、物体の搬送時間を更に短縮できる。さらに、搬送元及び搬送先の配置の自由度を向上できる。搬送元及び搬送先は、例えば、互いに異なる位置に設置されているコンベアである。
【0027】
特に、本実施形態では、第1方向D1と第2方向D2とは略直交する。従って、第1方向D1と第2方向D2とが互いに対して傾斜している場合と比較して、搬送車100が搬送元及び搬送先に近接するときの搬送車100の移動方向の制御が容易である。また、搬送車100を小型化できる。
【0028】
次に、
図4A及び
図4Bを参照して、搬送車100による物体PLの搬送動作の一例を説明する。
図4Aは、搬送車100が第1固定コンベアCV1に近接している状態を示す模式的平面図である。
図4Bは、搬送車100が第2固定コンベアCV2に近接している状態を示す模式的平面図である。
【0029】
図4A及び
図4Bに示すように、第1固定コンベアCV1及び第2固定コンベアCV2は、例えば、建造物内の床面に設置される。建造物は例えば工場である。第1固定コンベアCV1は、第3方向D3に回転して、第3方向D3に物体PLを搬送する。第1固定コンベアCV1は、第3方向D3に沿って延びている。第2固定コンベアCV2は、第4方向D4に回転して、第4方向D4に物体PLを搬送する。第2固定コンベアCV2は、第4方向D4に沿って延びている。例えば、第4方向D4は、第3方向D3に対して略直交している。
【0030】
第1固定コンベアCV1及び第2固定コンベアCV2の各々は、例えば、チェーンコンベア、ベルトコンベア、又はローラコンベアである。例えば、第1固定コンベアCV1は物体PLの移送元に相当し、第2固定コンベアCV2は物体PLの移送先に相当する。
【0031】
搬送車100が物体PLを第1固定コンベアCV1から第2固定コンベアCV2に搬送する場合、
図4Aに示すように、搬送車100は、第1方向D1に沿って第1固定コンベアCV1に近接する。一方、第1固定コンベアCV1は、物体PLを第3方向D3に搬送する。そして、搬送車100の第1コンベア機構3は、第1正転方向DP1に駆動して、第1正転方向DP1に物体PLを移動する。その結果、物体PLが、第1固定コンベアCV1から搬送車100に移送される。
【0032】
第1固定コンベアCV1から搬送車100への物体PLの移送が完了すると、搬送車100は、物体PLを乗せたまま、第2固定コンベアCV2に向かって走行する。
【0033】
そして、
図4Bに示すように、搬送車100は、第2方向D2に沿って第2固定コンベアCV2に近接する。さらに、搬送車100の第2コンベア機構5は、第2正転方向DP2に駆動して、第2正転方向DP2に物体PLを移動する。その結果、物体PLが、搬送車100から第2固定コンベアCV2に移送される。そして、第2固定コンベアCV2は、第4方向D4に物体PLを搬送する。
【0034】
以上、
図4A及び
図4Bの例では、搬送車100は、第1方向D1に沿って搬送元(第1固定コンベアCV1)に近接できるし、第1方向D1と異なる第2方向D2に沿って搬送先(第2固定コンベアCV2)に近接できる。同様に、搬送車100は、第2方向D2に沿って搬送先に近接できるし、第1方向D1に沿って搬送元に近接できる。
【0035】
次に、
図1及び
図2を参照して、搬送車100の詳細を説明する。搬送車100は、第1リフト7と、第2リフト9とをさらに備える。
【0036】
第1リフト7及び第2リフト9の各々は車体1に搭載される。第1リフト7には、第1コンベア機構3及び第2リフト9が設置される。第1リフト7は、第1コンベア機構3及び第2リフト9を上昇又は下降する。加えて、第2リフト9には、第2コンベア機構5が設置される。第2リフト9は、第2コンベア機構5を上昇又は下降する。
【0037】
すなわち、本実施形態によれば、第1リフト7は、床面FLに対する第1コンベア機構3及び第2コンベア機構5の高さを調節する。加えて、第2リフト9は、第1コンベア機構3に対する第2コンベア機構5の高さを調節する。
【0038】
従って、床面FLに対する搬送元及び搬送先の高さに応じて、床面FLに対する第1コンベア機構3及び第2コンベア機構5の高さを容易に調節できる。その結果、第1コンベア機構3及び第2コンベア機構5のいずれからでも、搬送元から物体PLを移送できるし、搬送先へ物体PLを移送できる。なお、例えば、搬送元のコンベア及び搬送先のコンベアの高さに応じて、第1コンベア機構3及び第2コンベア機構5の高さを容易に調節できる。
【0039】
加えて、第1コンベア機構3の使用と第2コンベア機構5の使用とを容易に切り替えることができる。つまり、第1コンベア機構3によって物体PLを移動する場合には、第2リフト9によって第2コンベア機構5を第1コンベア機構3よりも下側に配置し、第2コンベア機構5によって物体PLを移動する場合には、第2リフト9によって第2コンベア機構5を第1コンベア機構3よりも上側に配置することができる。
【0040】
引き続き
図1及び
図2を参照して、第1リフト7及び第2リフト9を詳細に説明する。第1リフト7は、第1支持体7aと、複数の支持部材7bとを含む。第1支持体7aは、車体1の上面に配置される。第1支持体7aは、略平板状であり、略正方形状又は略矩形状を有する。そして、第1支持体7aは、複数の支持部材7bを介して第1コンベア機構3を支持する。
【0041】
具体的には、複数の支持部材7bが第1支持体7aに固定される。複数の支持部材7bの各々は略柱状である。複数の支持部材7bのうちの一部の支持部材7bは、一対の第1コンベア30のうちの一方の第1コンベア30が駆動可能なように、一方の第1コンベア30を支持する。複数の支持部材7bのうちの他の一部の支持部材7bは、一対の第1コンベア30のうちの他方の第1コンベア30が駆動可能なように、他方の第1コンベア30を支持する。
【0042】
また、第1支持体7aは第2リフト9を支持する。具体的には、第1支持体7aは、第2リフト9が昇降動作可能なように、第2リフト9を支持する。
【0043】
第2リフト9は、本体9aと、第2支持体9bとを含む。本体9aは第1支持体7aの上面に固定される。第2支持体9bは第2コンベア機構5を支持する。具体的には、第2支持体9bは、一対の第2コンベア50が駆動可能なように、一対の第2コンベア50を支持する。
【0044】
引き続き
図2を参照して、第1コンベア機構3及び第2コンベア機構5のポジションを説明する。
【0045】
図2に示すように、第1コンベア機構3の第1ホームポジションHM1は、床面FLを基準としたときの第1コンベア機構3の最下位置を示す。つまり、第1ホームポジションHM1は、第1リフト7が第1コンベア機構3を上昇させていないときの第1コンベア機構3の位置を示す。具体的には、第1ホームポジションHM1は、床面FLを基準としたときの第1コンベア30の上端面の最下位置を示す。
【0046】
第2コンベア機構5の第2ホームポジションHM2は、床面FLを基準としたときの第2コンベア機構5の最下位置を示す。つまり、第2ホームポジションHM2は、第1リフト7及び第2リフト9が第2コンベア機構5を上昇させていないときの第2コンベア機構5の位置を示す。具体的には、第2ホームポジションHM2は、床面FLを基準としたときの第2コンベア50の上端面の最下位置を示す。
【0047】
第2コンベア機構5の第3ホームポジションHM3は、第1リフト7を基準としたときの第2コンベア機構5の最下位置を示す。つまり、第3ホームポジションHM3は、第2リフト9が第2コンベア機構5を上昇させていないときの第2コンベア機構5の位置を示す。具体的には、第3ホームポジションHM3は、第1リフト7を基準としたときの第2コンベア50の上端面の最下位置を示す。第3ホームポジションHM3の基準は、具体的には、第1リフト7の第1支持体7aの上面である。
【0048】
図2に示すように、第1コンベア機構3が第1ホームポジションHM1に位置するとともに、第2コンベア機構5が第2ホームポジションHM2に位置する場合、第1コンベア機構3の高さH1は、第2コンベア機構5の高さH2よりも高い。
【0049】
そこで、第2コンベア機構5が物体PLを移動する場合、第2コンベア機構5が第1コンベア機構3に対して上側に突き出るように、第2リフト9が第2コンベア機構5を上昇した後に、第2コンベア機構5が物体PLを移動する。つまり、第2コンベア機構5の高さH2が第1コンベア機構3の高さH1よりも高くなるように第2リフト9が第2コンベア機構5を上昇した後に、第2コンベア機構5が物体PLを移動する。
【0050】
本実施形態によれば、第2リフト9によって第2コンベア機構5の高さH2を調節することで、第2リフト9の使用と第1リフト7の使用とを容易に切り替えることができる。
【0051】
第1コンベア機構3の高さH1は、床面FLに対する第1コンベア機構3の高さを示す。具体的には、高さH1は、床面FLに対する第1コンベア30の上端面の高さを示す。第2コンベア機構5の高さH2は、床面FLに対する第2コンベア機構5の高さを示す。具体的には、高さH2は、床面FLに対する第2コンベア50の上端面の高さを示す。高さH1及び高さH2は、第1リフト7の昇降動作によって調節される。なお、参照符号「H1」及び「H2」はそれぞれ第1コンベア機構3の高さ及び第2コンベア機構5の高さの総称として使用される。
【0052】
第2コンベア機構5の相対高さH3は、第1リフト7に対する第2コンベア機構5の高さを示す。具体的には、相対高さH3は、第1リフト7に対する第2コンベア50の上端面の高さを示す。更に具体的には、相対高さH3は、第1リフト7の第1支持体7aの上面に対する第2コンベア50の上端面の高さを示す。相対高さH3は、第2リフト9の昇降動作によって調節される。なお、参照符号「H3」は第2コンベア機構5の相対高さの総称として使用される。
【0053】
次に、
図4A〜
図6Bを参照して、搬送車100が第1固定コンベアCV1から第2固定コンベアCV2まで物体PLを搬送する場合の第1リフト7及び第2リフト9の動作の一例を説明する。
図5Aは、搬送車100の待機状態を示す模式的側面図である。
図5Bは、搬送車100の第1コンベア機構3が物体PLを移動するときの状態を示す模式的側面図である。
図6Aは、搬送車100の第2コンベア機構5が物体PLを支持した状態を示す模式的側面図である。
図6Bは、第2コンベア機構5が物体PLを移動するときの状態を示す模式的側面図である。
【0054】
図5Aに示すように、搬送車100は、例えば、建造物内の所定位置で待機している。建造物は例えば工場である。搬送車100が待機しているときは、搬送車100の第1リフト7は第1ホームポジションHM1に位置し、第2リフト9は第2ホームポジションHM2に位置している。
【0055】
図4A及び
図5Bに示すように、第1コンベア機構3が物体PLを移動する場合、第1リフト7が第1コンベア機構3及び第2リフト9を上昇して第1コンベア機構3の高さH1が所定高さHaに設定された後に、第1コンベア機構3が物体PLを移動する。所定高さHaは、床面FLに対する第1固定コンベアCV1の高さ(以下、「高さHC1」と記載する。)と略同一である。つまり、所定高さHaは搬送元の高さと略同一である。
【0056】
従って、本実施形態によれば、第1リフト7によって、第1コンベア機構3の高さH1を、搬送元である第1固定コンベアCV1の高さHC1に容易に揃えることができる。なお、
図5Bでは、図面の簡略化のため、第1固定コンベアCV1の図示を省略している。
図5Bにおいては、第1固定コンベアCV1は、搬送車100よりも紙面奥側に位置するからである。
【0057】
具体的には、
図5Bに示すように、第1リフト7は、単数又は複数のアクチュエータ7cと、駆動源(不図示)とをさらに含む。アクチュエータ7cは、駆動源によって駆動されて、車体1に対して第1支持体7aを上昇又は下降する。従って、第1支持体7aに支持された第1コンベア機構3及び第2リフト9は、車体1に対して上昇又は下降する。その結果、第1コンベア機構3と、第2リフト9に設置された第2コンベア機構5とは、互いの位置関係を維持しつつ、上昇又は下降する。なお、駆動源は車体1に配置される。
【0058】
図5Bの例では、第1リフト7のアクチュエータ7cは、車体1に対して距離L1だけ第1支持体7aを上昇する。つまり、第1リフト7は、第1ホームポジションHM1に対して距離L1だけ第1コンベア機構3を上昇する。その結果、第1コンベア機構3の高さH1が所定高さHaに設定される。そして、第1コンベア機構3は、第1正転方向DP1に駆動して、物体PLを第1固定コンベアCV1から搬送車100に移送する。
【0059】
図4B及び
図6Aに示すように、第1コンベア機構3が物体PLを移動した後に第2コンベア機構5が物体PLを移動する場合、第2コンベア機構5の高さH2が第1コンベア機構3の高さH1よりも高くなるように第2リフト9が第2コンベア機構5を上昇する。加えて、
図6Bに示すように、第1リフト7が第1コンベア機構3及び第2リフト9を下降して第2コンベア機構5の高さH2が所定高さHaに設定された後に、第2コンベア機構5が物体PLを移動する。所定高さHaは、床面FLに対する第2固定コンベアCV2の高さ(以下、「高さHC2」と記載する。)と略同一である。つまり、所定高さHaは搬送先の高さと略同一である。
【0060】
従って、本実施形態によれば、第1リフト7によって、第2コンベア機構5の高さH2を、搬送先である第2固定コンベアCV2の高さHC2に容易に揃えることができる。加えて、第2リフト9によって、第2コンベア機構5上に物体PLを容易に載置できる。
【0061】
具体的には、
図6A及び
図6Bに示すように、第2リフト9は、単数又は複数のアクチュエータ9cをさらに含む。また、第2リフト9の本体9aは駆動源(不図示)を含む。アクチュエータ9cは、駆動源によって駆動されて、本体9aに対して第2支持体9bを上昇又は下降する。従って、第2支持体9bに支持された第2コンベア機構5は、本体9aに対して上昇又は下降する。換言すれば、第2コンベア機構5は、第1コンベア機構3に対して上昇又は下降する。
【0062】
図6Aの例では、第2リフト9のアクチュエータ9cは、本体9aに対して距離L2だけ第2支持体9bを上昇する。つまり、第2リフト9は、第3ホームポジションHM3に対して距離L2だけ第2コンベア機構5を上昇する。その結果、第2コンベア機構5が第1コンベア機構3に対して上側に突き出て、第2コンベア機構5の高さH2が高さHbに設定される。高さHbは、第2固定コンベアCV2の高さHC2及び所定高さHaの各々よりも高い。
【0063】
更に
図6Bに示すように、第1リフト7のアクチュエータ7cは、第1支持体7aと車体1との間の距離が距離L3になるように、第1支持体7aを下降する。つまり、第1リフト7は、第1コンベア機構3と第2コンベア機構5との相対的位置関係を維持しつつ、第1コンベア機構3及び第2コンベア機構5を下降する。その結果、第2コンベア機構5の高さH2が所定高さHaに設定される。そして、第2コンベア機構5は、第2正転方向DP2に駆動して、物体PLを搬送車100から第2固定コンベアCV2に移送する。なお、距離L3は距離L2よりも小さい。
【0064】
なお、第1リフト7のアクチュエータ7c及び第2リフト9のアクチュエータ9cは、例えば、油圧アクチュエータであり、略円筒形状を有する。また、アクチュエータ7c及びアクチュエータ9cの駆動方式は、第1支持体7a及び第2支持体9bを上昇及び下降できる限りにおいては、特に限定されない。例えば、アクチュエータ7c及びアクチュエータ9cは、空圧アクチュエータ又は電動アクチュエータであってもよい。例えば、アクチュエータ7c及びアクチュエータ9cは、アームを有し、アームを駆動源によって駆動することによって、アームを上方向又は下方向に駆動してもよい。
【0065】
また、
図6Aに示す第2リフト9の動作が、
図6Bに示す第1リフト7の動作の後に実行されてもよい。
【0066】
引き続き
図5B〜
図6Bを参照して、第1リフト7及び第2リフト9の動作の他の例を説明する。本例では、
図4Aの第2固定コンベアCV2が搬送元に相当し、第1固定コンベアCV1が搬送先に相当する。
【0067】
図6Aに示すように、第2コンベア機構5が物体PLを移動する場合、第2コンベア機構5の高さH2が第1コンベア機構3の高さH1よりも高くなるように第2リフト9が第2コンベア機構5を上昇する。加えて、
図6Bに示すように、第1リフト7が第1コンベア機構3及び第2リフト9を上昇して第2コンベア機構5の高さH2が所定高さHaに設定された後に、第2コンベア機構5が物体PLを移動する。
【0068】
本実施形態によれば、第2コンベア機構5が物体PLを移動する場合、第2リフト9によって、第2コンベア機構5上に物体PLを容易に載置できる。加えて、第1リフト7によって、第2コンベア機構5の高さH2を、搬送元である第2固定コンベアCV2の高さHC2に容易に揃えることができる。
【0069】
なお、
図6Aに示す第2リフト9の動作と
図6Bに示す第1リフト7の動作との順番は、特に限定されず、任意であってよい。
【0070】
さらに、第2コンベア機構5が物体PLを移動した後に第1コンベア機構3が物体PLを移動する場合、
図5Bに示すように、第2リフト9が第2コンベア機構5を下降する。加えて、第1リフト7が第1コンベア機構3及び第2リフト9を上昇して第1コンベア機構3の高さH1が所定高さHaに設定された後に、第1コンベア機構3が物体PLを移動する。
【0071】
本実施形態によれば、第2コンベア機構5が物体PLを移動した後に第1コンベア機構3が物体PLを移動する場合、第2リフト9によって、第1コンベア機構3上に物体PLを容易に載置できる。加えて、第1リフト7によって、第1コンベア機構3の高さH1を、搬送先である第1固定コンベアCV1の高さHC1に容易に揃えることができる。
【0072】
なお、
図1〜
図6Bを参照して説明した本実施形態において、搬送元の高さと搬送先の高さとが異なっていてもよい。この場合でも、第1リフト7及び/又は第2リフト9によって、第1コンベア機構3の高さH1及び第2コンベア機構5の高さH2を、搬送元の高さ及び搬送先の高さに容易に揃えることができる。また、第1コンベア機構3を第1ホームポジションHM1に位置させたまま、第2リフト9だけを駆動して、第2コンベア機構5の高さH2を、搬送元の高さ又は搬送先の高さに揃えてもよい。
【0073】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。例えば、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、例えば、搬送車に利用できる。
【0075】
本出願は、2018年6月19日に出願された日本出願である特願2018−116461号に基づく優先権を主張し、当該日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【符号の説明】
【0076】
1 車体
3 第1コンベア機構
5 第2コンベア機構
7 第1リフト
9 第2リフト
100 搬送車
【国際調査報告】