特表-19030982IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年2月14日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】振動装置の駆動方法及び振動装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20191129BHJP
   G03B 17/08 20060101ALI20191129BHJP
   G03B 17/56 20060101ALI20191129BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20191129BHJP
【FI】
   H04N5/225 430
   G03B17/08
   G03B17/56 H
   G03B17/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2019-535587(P2019-535587)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年4月11日
(31)【優先権主張番号】特願2017-154334(P2017-154334)
(32)【優先日】2017年8月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 克己
(72)【発明者】
【氏名】堀口 睦弘
(72)【発明者】
【氏名】倉谷 康浩
(72)【発明者】
【氏名】市原 聡
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 清介
【テーマコード(参考)】
2H100
2H101
2H105
5C122
【Fターム(参考)】
2H100EE06
2H101CC52
2H105EE06
5C122EA36
5C122GE07
5C122GE11
5C122HA83
5C122HB01
5C122HB02
5C122HB06
(57)【要約】
透光体に付着した液滴の除去に際し、液膜の拡がりによる視野の阻害が生じ難い、振動装置の駆動方法を提供する。
透光体2と、透光体2を振動させるように透光体2に連結された圧電素子4とを有する振動装置において、透光体2に付着した液滴を霧化により、除去するための振動装置の駆動方法であって、透光体2に液滴が付着していない場合の透光体2の共振周波数と、液滴が付着している場合の透光体2の共振周波数の双方の共振周波数を含む周波数範囲で圧電素子の振動の周波数を掃引するように、圧電素子を振動させるための駆動電圧を、1Hz以上、50Hz以下の掃引速度で掃引する、振動装置の駆動方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光体と、前記透光体を振動させるように前記透光体に連結された圧電素子とを有する振動装置において、前記透光体に付着した液滴を霧化により除去するための振動装置の駆動方法であって、
前記透光体に液滴が付着していない場合の透光体の共振周波数と、前記液滴が付着している場合の透光体の共振周波数との双方の共振周波数を含む周波数範囲で前記圧電素子の振動の周波数を掃引するように、前記圧電素子を振動させるための駆動電圧を、1Hz以上、50Hz以下の掃引速度で掃引する、振動装置の駆動方法。
【請求項2】
前記周波数範囲で掃引する工程が、掃引電圧を上昇させる工程と、掃引電圧を上昇させた工程の後に、掃引電圧を低下させる工程とを有し、前記掃引電圧の上昇及び降下が連続的に行われる、請求項1に記載の振動装置の駆動方法。
【請求項3】
前記周波数範囲の掃引により、
前記透光体に付着している液滴を霧化させるように、前記圧電素子を駆動する第1の工程と、
前記第1の工程時よりも、前記透光体の振動が弱くなるように前記透光体を振動させる、もしくは振動を停止させる、第2の工程と、
前記第2の工程後に、前記透光体に付着している液滴を霧化するための第3の工程とが実施される、請求項1または2に記載の振動装置の駆動方法。
【請求項4】
透光体と、
前記透光体に連結されており、前記透光体を振動させる圧電素子と、
前記圧電素子に電気的に接続されており、前記圧電素子に前記透光体の共振周波数と、液滴が付着している場合の前記透光体の共振周波数を含む周波数範囲で、前記圧電素子の振動の周波数を掃引するように、前記圧電素子を振動させるための駆動電圧を1Hz以上、50Hz以下の速度で掃引する制御回路とを備える、振動装置。
【請求項5】
前記透光体と前記圧電素子とを連結している筒状体をさらに備え、前記圧電素子がリング状の形状を有し、前記筒状体の一端側に前記リング状の圧電素子が固定されており、前記筒状体の他端側に前記透光体が固定されている、請求項4に記載の振動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水滴等液滴除去機能を有する振動装置の駆動方法及び振動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1において、雨滴除去機能付きカメラが開示されている。ここでは、カメラ本体の前方に透光性を有するドーム型カバーが配置されている。ドーム型カバーに円筒体が連結されており、該円筒体に圧電セラミック振動子が固定されている。ドーム型カバーに雨滴等の水滴が付着した場合、圧電振動子により、円筒体及びドーム型カバーを振動させる。それによって、水滴を霧化し、除去する。水滴の除去に際しては、ドーム型カバーの共振周波数付近で振動させることにより、水滴を効果的に除去することができる。
【0003】
特許文献1では、駆動に際し、交流電圧の周波数を最高周波数まで高め、しかるのち、共振周波数付近を、周波数が低くなるように掃引する。この場合、特許文献1では、ノコギリ波形状のパターンAで掃引する方法と、最高周波数まで周波数を高めたのち、複数の共振周波数付近を、周波数が高い順に周波数が低くなるように掃引するパターンBとが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−138768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の駆動方法において、周波数を掃引する掃引範囲には限界が存在する。下限の周波数においても、振幅の極小点が存在すると、水滴等が残存するおそれがある。そのため、パターンAでは、ノコギリ波の形状となるように掃引を繰り返し、パターンBでは、複数の共振点を用いることにより掃引範囲を拡げている。
【0006】
しかしながら、ドーム型カバーを振動させて水滴を除去する工程の途中で、水滴が液膜状に拡がり、カメラの視野を損なうことがあった。
【0007】
本発明の目的は、透光体に付着した液滴の除去に際し、液膜の拡がりによる視野の阻害が生じ難い、振動装置の駆動方法及び振動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、透光体と、前記透光体を振動させるように前記透光体に連結された圧電素子とを有する振動装置において、前記透光体に付着した液滴を霧化により除去するための振動装置の駆動方法であって、前記透光体に液滴が付着していない場合の透光体の共振周波数と、前記液滴が付着している場合の透光体の共振周波数との双方の共振周波数を含む周波数範囲で前記圧電素子の振動の周波数を掃引するように、前記圧電素子を振動させるための駆動電圧を、1Hz以上、50Hz以下の掃引速度で掃引する。
【0009】
本発明に係る振動装置の駆動方法のある特定の局面では、前記周波数範囲で掃引する工程が、掃引電圧を上昇させる工程と、掃引電圧を上昇させた工程の後に、掃引電圧を低下させる工程とを有し、前記掃引電圧の上昇及び降下が連続的に行われる。
【0010】
本発明に係る振動装置の駆動方法の他の特定の局面では、前記周波数範囲の掃引により、前記透光体に付着している液滴を霧化させるように、前記圧電素子を駆動する第1の工程と、前記第1の工程時よりも、前記透光体の振動が弱くなるように前記透光体を振動させる、もしくは振動を停止させる、第2の工程と、前記第2の工程後に、前記透光体に付着している液滴を霧化するための第3の工程とが実施される。
【0011】
本発明に係る振動装置は、透光体と、前記透光体に連結されており、前記透光体を振動させる圧電素子と、前記圧電素子に電気的に接続されており、前記圧電素子に前記透光体の共振周波数と、液滴が付着している場合の前記透光体の共振周波数を含む周波数範囲で、前記圧電素子の振動の周波数を掃引するように、前記圧電素子を振動させるための駆動電圧を1Hz以上、50Hz以下の速度で掃引する制御回路とを備える。
【0012】
本発明に係る振動装置のある特定の局面では、前記透光体と前記圧電素子とを連結している筒状体をさらに備え、前記圧電素子がリング状の形状を有し、前記筒状体の一端側に前記リング状の圧電素子が固定されており、前記筒状体の他端側に前記透光体が固定されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る振動装置の駆動方法及び振動装置によれば、透光体に付着した液滴を霧化することにより除去するにあたり、透光体表面における液膜の拡がりが生じ難い。従って、カメラのカバー等に透光体を用いた場合、視野が妨げられ難い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る振動装置の略図的正面断面図である。
図2図2は、本発明に係る振動装置の振動部分を示す分解斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る振動装置に用いられている圧電素子を説明するための斜視図である。
図4図4(a)〜図4(c)は、従来技術における水滴除去工程を説明するための模式的正面断面図である。
図5図5(a)〜図5(d)は、本発明の一実施形態に係る振動装置の駆動方法において、液滴が霧化される工程を説明するための模式的正面断面図である。
図6図6(a)及び図6(b)は、掃引速度が1Hz、及び5Hzである場合の透光体の変位量の変化を示す図である。
図7図7(a)及び図7(b)は、掃引速度が10Hz、及び20Hzである場合の透光体の変位量の変化を示す図である。
図8図8は、掃引速度が100Hzである場合の透光体の変位量の変化を示す図である。
図9図9は、透光体に液滴が付着している場合と、付着していない場合の共振特性を示す図である。
図10図10は、掃引周波数と、霧化に要する必要時間との関係を示す図である。
図11図11は、本発明の第1の実施形態に係る振動装置の駆動回路を示す回路図である。
図12図12は、VCOに入力する駆動電圧波形及び圧電素子に印加されている磁力電流波形とを示す図である。
図13図13は、本発明の第2の実施形態に係る振動装置の駆動回路を説明するためのブロック図である。
図14図14は、制御装置を用いて駆動電圧を制御する方法を示すフローチャートである。
図15図15は、図14に示したフローチャートのうち、初期設定工程におけるフローチャートの詳細を示す図である。
図16図16は、図14に示したフローチャートのうち、電流最大値検索工程を示すフローチャートである。
図17図17は、図14に示したフローチャートにおける掃引工程のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0016】
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る振動装置を説明するための略図的正面断面図であり、図2は、該振動装置の振動部分を示す分解斜視図である。
【0018】
振動装置1は、透光性を有する透光体2と、筒状体3と、圧電素子4とを有する。筒状体3は、略円筒状の形状を有している。筒状体3の一端開口を閉じるように、板状の透光体2が筒状体3に固定されている。透光体2は、透光性を有する樹脂やガラスなどからなる。透光体2は、好ましくは、透明である。
【0019】
透光体2は、接合剤層5を介し筒状体3に固定されている。
【0020】
圧電素子4は、リング状の形状を有する。圧電素子4は、リング状の圧電体6を有する。リング状の圧電体6は、圧電セラミックスからなり、厚み方向に分極処理されている。また、リング状の圧電体6の一方面に第1の電極7が設けられており、他方面に第2の電極8が設けられている。
【0021】
図3に示すように、第1の電極7には切欠き部7a,7bが設けられている。切欠き部7a,7bは、リング状の圧電体6の一方面において、内周縁に向かって開いている。切欠き部7a内には、第1の電極7とは独立している電極10aが設けられている。電極10aは、振動時に圧電作用で発生する電圧をモニターする帰還電極として機能する。切欠き部7b内には、電極10bが設けられている。電極10bは、リング状の圧電体6の内周の一部を通して第2の電極8に導通している。電極部7cは第1の電極7の一部であり、電極10bと、電極部7cとの間に交流電圧を印加することで振動を励起する。後述の電流計測回路が必要ではない場合には、帰還電極としての電極10aは設けられずともよい。
【0022】
第1,第2の電極7,8間に交流電圧を印可することにより、圧電素子4が振動する。この圧電素子4の振動が筒状体3に伝わり、筒状体3と共に、透光体2が振動する。
【0023】
透光体2に水滴等の液滴が付着すると、その振動により水滴を移動させること、及び霧化により除去することができる。
【0024】
図4(a)〜図4(c)は、特許文献1に記載のような従来の振動装置を用いた場合の水滴除去工程を説明するための模式的正面断面図である。
【0025】
図4(a)は、透光体1001上に液滴1002が付着した状態を示す。この状態で、従来振動装置において透光体1001を振動させる場合、共振周波数付近で振動させる。それによって、図4(b)に示すように、液滴1002から霧滴1002a,1002a,1002aが分散霧化し、液滴1002の一部が除去される。この場合、振動が与えられているため、液滴1002は透光体1001の表面において、表面張力が低下し液膜状に拡がる。そして、霧化に必要な振動を与え続けると、図4(c)に示すように、液膜状に液滴1002が拡がる。さらに振動を与えることにより、霧化により液滴1002を除去することができる。もっとも、図4(c)に示すように、霧化工程の途中において、液滴1002が液膜状に張り付き、拡がっている。そのため、カメラの視野が妨げられるという問題があった。
【0026】
本発明の第1の実施形態の駆動方法では、後述の駆動電圧を掃引するため、以下の第1の工程、第2の工程及び第3の工程が実施されることになる。
【0027】
図5(a)〜図5(d)は、本発明の第1の実施形態の駆動方法により液滴が除去される工程を示す模式的正面断面図である。
【0028】
図5(a)に示すように、透光体2上に液滴11が付着する。次に、第1の工程として、振動装置を駆動する。第1の工程において、図5(b)に示すように、液滴11が拡がると共に、霧滴11a,11a,11aとなって一部が除去される。
【0029】
本実施形態では、霧化により液滴を除去するため駆動方法は、透光体2に液滴が付着していない場合の透光体の共振周波数と、付着している場合の透光体の共振周波数との双方の共振周波数を含む周波数範囲で、1Hz以上、50Hz以下の掃引速度で駆動電圧を掃引する。このように、掃引することにより、第1の工程後に、第1の工程よりも透光体2が弱く振動する第2の工程が実施される。この第2の工程では、図5(c)に示すように、一部が霧化されて体積が少なくなった液滴11が、透光体2の表面において再度厚みを有するように表面張力により球状に復元する。この第2の工程で、透光体2が第1の工程よりも弱く振動させるとは、透光体2の振幅や振動の強度が弱くなるように振動させることをいう。または、第2の工程で透光体2の振動を停止させてもよい。
【0030】
次に、第3の工程において、第2の工程よりも強い振動で透光体2を振動させる。すなわち、さらに掃引を続けることにより、図5(d)に示すように、霧化が進行する。よって、最終的に液滴11が除去されることになる。
【0031】
従って、図5(c)に示すように、本実施形態の振動装置の駆動方法によれば、霧化させる工程において、透光体2上に、液滴11が液膜状に付着し難い。よって、カメラの視野が妨げられ難い。
【0032】
上記のように、本実施形態の振動装置の駆動方法では、上記周波数範囲を掃引するにあたり、掃引速度が1Hz以上、50Hz以下であることが特徴である。これを図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)及び図8を参照して説明する。
【0033】
図6(a)、図6(b)、図7(a)、図7(b)及び図8では、それぞれ、掃引速度1Hz、5Hz、10Hz、20Hzまたは100Hzにした場合の透光体2の変位量すなわち変位信号の時間的変化を示す図である。
【0034】
図6図8に示すように、掃引速度1Hz、5Hzでは、十分な変位量を得ることができ、かつ変位量のピークも明確である。
【0035】
これに対し、掃引速度が速くなるにつれ、変位量が小さくなり、図8に示すように、100Hzの場合には、最大振幅となる周波数が変動し、液滴の形状が回復する前に次の共振が現れてしまうことがわかる。
【0036】
上記図6図8と同様にして、掃引速度を変化させ、霧化に必要な時間を求めた。図10の横軸は掃引速度である周波数を示し、縦軸は、液滴としての5μlの水滴を除去するのに必要な必要時間である。
【0037】
図10から明らかなように、掃引速度すなわち掃引周波数が50Hzを超えると、霧化に必要な時間が急激に長くなる。また、図10より、1Hz以上、50Hz以下の範囲であれば、霧化に必要な時間が10秒以下と短く、従って、水滴を効果的に霧化し得ることがわかる。
【0038】
図9は、透光体2に液滴が付着している状態及び付着していない状態の共振特性を示す図である。図9に示すように、液滴が付着している場合と付着していない場合とで、共振周波数は異なる。
【0039】
そこで、本実施形態では、上記圧電素子4を振動させるために、透光体2に液滴が付着していない場合の透光体2の共振周波数と、液滴が付着している場合の透光体2の共振周波数との双方の共振周波数とを含む周波数範囲で、上記のとおり、1Hz以上、50Hz以下の掃引速度で掃引する。それによって、上記のように、液滴をすみやかに霧化することができる。
【0040】
上記のようにして駆動することにより、霧化工程が、透光体に付着している液滴を霧化させるように圧電素子を駆動させる第1の工程と、第1の工程時よりも、透光体2の振動が弱くなるように、振動させる、または振動を停止させる第2の工程と、第2の工程後に、第2の工程よりも強く振動させて、透光体2に付着している液滴を再度霧化するための第3の工程とが実施されることになる。従って、前述した図5(c)に示したように、第2の工程において、液滴が透光体2の表面において液膜状に拡がり難いため、カメラの視野等も妨げられ難い。
【0041】
上記駆動方法を実現するために、図1に示した振動装置1は、駆動回路21を備える。
【0042】
図11は、駆動回路21の一例を示す回路図である。駆動回路21は、VCO22と、ドライバ回路部23と、電流計測回路24とを有する。VCO22の制御端子22aに印加される制御電圧を変化させることにより、所定の電圧信号がVCO22からドライバ回路部23に送信される。
【0043】
ドライバ回路部23は、圧電素子4に、前述した掃引速度で、かつ所定の周波数範囲を掃引するように圧電素子4を駆動する。電流計測回路24は、圧電素子4に流れている電流を計測し、該電流値に応じた電圧を出力する。
【0044】
図12の上方のグラフ部分は、VCO22に入力される電圧波形を示す。また、図12の下方のグラフ部分は、電流計測回路24により計測された電流の変化を示す図である。
【0045】
電流計測回路では、電流値が測定されるが、この電流値は、図12の下方部分では電圧に変換されて示されている。
【0046】
図12に示すように、駆動電圧は、例えば、1.85Vから、1.90Vまで連続的に高め、次に1.90Vから、1.85Vまで連続的に低下させる。これを繰り返すことにより、掃引が繰り返される。
【0047】
図12に示すように、本発明においては、好ましくは、掃引周波数の範囲の下限の周波数から上限の周波数まで掃引する工程が、掃引電圧を上昇させる工程と、掃引電圧を上昇させた工程の後に、掃引電圧を低下させる工程とを有し、掃引電圧の上昇及び降下が階段状ではなく、連続的に行われる。この場合には、電圧の変化が穏やかであるため、リンキングが生じ難い。そのため、霧化に必要な振動の効率を高めることができる。すなわち、図12の上方に示したように、三角波的なスロープとなるようVCOへの入力電圧を制御し、FM変調させて圧電素子4を駆動することが望ましい。
【0048】
上記三角波の波高は、VCO22の周波数変化幅を規定し、上記三角波の中心電圧はCVO22の中心周波数を規定する。これらに加えて、上記三角波の周期をパラメータとして他励振回路が構成されている。
【0049】
また、電流計測回路24により、圧電素子4における電流をモニターすることが望ましい。霧化が可能な最大変位点付近に電流の最大値が来るため、この電流信号を利用することにより、上記他励振回路の固定パラメータを設定することができる。よって、液滴の量や数に応じて最適なパラメータで、液滴の移動及び霧化を果たすことができる。
【0050】
なお、本発明の振動装置の駆動方法に用いられる回路は、図1に示したように限定されるものではない。
【0051】
図13は、本発明の第2の実施形態に係る振動装置の駆動回路を説明するためのブロック図である。駆動回路31は、制御装置32を有する。制御装置32は、VCO33及び電流計測回路34に接続されている。VCO33は、図11に示した回路の場合と同様に、Hブリッジドライバ35に接続されている。Hブリッジドライバ35は、圧電素子4を駆動する。電流計測回路34により、圧電素子4に流れている電流を検出することができる。検出された電流値が、制御装置32に与えられる。
【0052】
制御装置32は、DAコンバータ及びADコンバータを有する。DAコンバータにより、VCO33をコントロールするための電圧が与えられる。ADコンバータにより、電流計測回路34から検出される電流をデジタル化する。このように、制御装置32を有する駆動回路31を用いてもよい。
【0053】
このような制御装置32を用いた場合、複数のパラメータを調整する方法を用いて制御することができる。例えば、1)大きな周波数範囲を掃引し、電流ピークを検出する、2)電流ピークの周波数を中心周波数として、より狭い帯域の周波数で複数回駆動する、3)再度1)に戻り中心周波数を補正することができる。上記を繰り返すことにより、液滴を確実に霧化することができる。
【0054】
本実施形態の振動装置1では、上記他励振回路で霧化が果たされる。よって、自励振回路を用いた場合の液膜による視野阻害が抑制される。
【0055】
なお、電流計測回路24により、電流を計測してもよく、また帰還電極を用いて、電圧をモニターしてもよい。
【0056】
本発明の振動装置の駆動方法において、制御回路を用いて制御する場合の制御方法の一例を図14図17を参照して説明する。
【0057】
図14は、第3の実施形態の駆動方法の全体を示すフローチャートである。まず、ステップS1において、初期設定を行う。
【0058】
初期設定を行うステップS1の詳細なフローチャートを図15に示す。図15に示すように、ステップS11Aにおいて、内蔵メモリーからパラメータを読み出す。ステップS12Aにおいて、内蔵メモリーのパラメータが適切か否かを判断する。適切である場合には、パラメータの初期値を内蔵メモリーに記録されている値とする。内蔵メモリーが適切でない場合には、パラメータの初期値として予め定められたデフォルト値を採用する。それによって、初期設定を終了する。
【0059】
次に、図14に示すように、ステップS2において、パラメータの変更要求があるか否かを判断する。変更要求がある場合には、ステップS4において、パラメータを変更する。次に、ステップS5において、ステータスを電流最大値検索状態とする。次に、ステップS6において、変更後のパラメータを内蔵メモリーに書き込む。ステップS6の次に、再度ステップS2に戻る。
【0060】
ステップS2において、パラメータ変更要求がない場合には、ステップS7の現在のステータスにおいて、電流最大値検索状態または掃引状態を実行する。ステップS8は、電流最大値検索状態の処理を実行する。
【0061】
電流最大値検索状態の処理のフローチャートを、図16に示す。まず、ステップS21〜S24において、順次、状態をランニングに変更し、検索電圧の刻み幅を計算し、adc_max=0ctタイマーを開始する。また、ステップS7において、ランニング状態となった場合には、ステップS25において、タイマーが満了しているか否かを判断する。満了している場合には、ステップS26において、検索電圧を出力し、ステップS27において、出力された電圧を読み取り、ステップS28において、読み取った電圧がadc_maxよりも大きいか否かを判断する。小さい場合には、ステップS29において検索電圧を上げる。ステップS30において、検索電圧が最大値か否かを判断する。最大値の場合には、ステップS31において、終了状態に変更する。検索電圧が最大値でない場合には、ステップS7に戻る。
【0062】
他方、ステップS28において、読み取られた電圧がadc_maxよりも大きい場合には、ステップS32において、adc_maxを読み取られた電圧値とする。そして、ステップS33において、現在の検索電圧を記録する。
【0063】
図14に戻り、ステップS9において、電流最大値の検索が終了したか否かを判断する。終了している場合には、ステップS10において、ステータスを掃引状態とする。ステップS9において、電流最大値の検索が終了していない場合には、ステップS2に戻る。
【0064】
また、ステップS7において、現在のステータスが掃引状態である場合には、ステップS11において、掃引状態の処理を実行する。この掃引状態の処理のフローチャートを図17に示す。
【0065】
図17に示すように、ステップS41において、現在の状態が初期状態である場合、ステップS42〜S44において、状態をランニング状態に変更し、掃引電圧変更タイマーの駆動を開始し、掃引終了タイマーを開始する。ステップS45において、電流最大値から掃引周波数範囲を計算する。ステップS46において、掃引電圧値を掃引周波数範囲の最小の値にセットする。より具体的には、掃引電圧値を、掃引周波数範囲の最小の値に対応する値にセットする。
【0066】
ステップS41において、ランニング状態である場合には、ステップS47において、掃引電圧変更タイマーが満了しているか否かを判断する。満了している場合には、ステップS48において、掃引電圧値を出力し、ステップS49において、次の掃引電圧の向きを判断する。掃引電圧の向きが電圧値を下げる方向である場合にはステップS50において、掃引電圧値を下げる。次に、ステップS51において、掃引電圧値が掃引周波数範囲の最小値であるか否かを判断する。最小値である場合には、ステップS52において、掃引電圧値の向きを上方向に変更する。
【0067】
ステップS49において、掃引電圧の向きが上方向である場合には、ステップS53において、掃引電圧を高める。次に、ステップS54において、掃引電圧値が、掃引周波数範囲の最大値であるか否かを判断する。最大値である場合には、ステップS55において、掃引電圧の向きを下方に変更する。最大値でない場合には、終了する。
【0068】
ステップS47において、掃引電圧変更タイマーが満了していない場合には、ステップS56において、掃引終了タイマーが満了しているか否かを判断する。満了している場合には、ステップS57において、状態をフィニッシュと変更し、終了する。ステップS56において、掃引終了タイマーが満了していない場合には、ステップS41に戻る。
【0069】
ステップS41において、フィニッシュの状態である場合には、ステップS58,S59において、掃引電圧変更タイマーを終了し、状態を初期状態に変更し、終了する。
【0070】
図14に戻り、ステップS11において、掃引状態の処理を実行したのち、ステップS12において、掃引終了か否かを判断し、終了している場合には、ステップS13において、ステータスを電流最大値検索状態とする。掃引終了していない場合には、ステップS2に戻る。
【0071】
なお、図14図17を参照して示した制御方法は、本発明の駆動方法において、制御装置を用いた制御方法の一例にすぎない。
【符号の説明】
【0072】
1…振動装置
2…透光体
3…筒状体
4…圧電素子
5…接合剤層
6…圧電体
7,8…第1、第2の電極
7a,7b…切欠き部
7c…電極部
9…端子電極
10a…帰還電極
10b…第2の電極からの取り出し用の電極
11…液滴
11a…霧滴
21…駆動回路
22,33…VCO
22a…制御端子
23…ドライバ回路部
24,34…電流計測回路
31…駆動回路
32…制御装置
35…Hブリッジドライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】