特表-19003332IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年1月3日
【発行日】2019年12月12日
(54)【発明の名称】無停電電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 9/06 20060101AFI20191115BHJP
【FI】
   H02J9/06 120
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
【出願番号】特願2019-526453(P2019-526453)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年6月28日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 翔一
【テーマコード(参考)】
5G015
【Fターム(参考)】
5G015FA05
5G015GA05
5G015GA09
5G015HA15
5G015JA05
5G015JA09
5G015JA11
5G015JA21
5G015JA33
5G015JA34
5G015JA35
5G015JA52
5G015KA03
(57)【要約】
並列接続されたn台の無停電電源装置(10,20)の各々は、入力端子と出力端子との間に並列接続された、m台の無停電電源モジュールを備える。各無停電電源モジュールにおいて、制御部は、インバータから負荷に供給される交流電力の電流値が第1の指令値に一致するように、インバータを制御する。n×m個の制御部は互いに結合されて総合制御部を構成する。総合制御部は、n台の無停電電源装置のいずれか1台の無停電電源装置において、m台の無停電電源モジュールのうちの1台の無停電電源モジュールの故障が検知された場合には、故障の無停電電源モジュールを解列し、かつ、残りの正常な無停電電源モジュール間でインバータから出力される交流電力の電流値が互いに均衡するように、第1の指令値を第2の指令値に変更する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列接続されたn台(nは2以上の整数)の無停電電源装置を備えた無停電電源システムであって、
各無停電電源装置は、
交流電源からの第1の交流電力を受ける入力端子と、
負荷に接続される出力端子と、
前記入力端子と前記出力端子との間に並列接続された、m台(mは2以上の整数)の無停電電源モジュールと、
前記入力端子および前記出力端子の間に、前記m台の無停電電源モジュールとそれぞれ直列に接続されるm個のスイッチとを備え、
各無停電電源モジュールは、
前記交流電源から供給される前記第1の交流電力を直流電力に変換するコンバータと、
前記直流電力を第2の交流電力に変換し、前記第2の交流電力を前記出力端子に供給するインバータと、
前記インバータから前記出力端子に供給される前記第2の交流電力の電流値が第1の指令値に一致するように、前記インバータを制御する制御部とを含み、
n×m個の前記制御部は、互いに結合されて総合制御部を構成し、
前記総合制御部は、
前記n台の無停電電源装置のいずれか1台の無停電電源装置において、前記m台の無停電電源モジュールのうちの1台の無停電電源モジュールの故障が検知された場合には、故障の前記無停電電源モジュールに接続される前記スイッチを開放し、かつ、
残りの正常な前記無停電電源モジュール間で前記第2の交流電力の電流値が互いに均衡するように、前記第1の指令値を第2の指令値に変更する、無停電電源システム。
【請求項2】
前記総合制御部は、
前記第2の交流電力の電圧値が目標電圧になるように電流指令値を生成し、
前記電流指令値をn×mで除算することにより、前記第1の指令値を生成し、
前記n台の無停電電源装置のいずれか1台の無停電電源装置において、前記m台の無停電電源モジュールのうちの1台の無停電電源モジュールの故障が検知された場合には、前記電流指令値をn×m−1で除算することにより、前記第2の指令値を生成する、請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項3】
前記総合制御部は、
前記第2の交流電力の電圧値が目標電圧になるように電流指令値を生成し、
前記電流指令値をn×mで除算することにより、前記第1の指令値を生成し、
前記n台の無停電電源装置のいずれか1台の無停電電源装置において、前記m台の無停電電源モジュールのうちの1台の無停電電源モジュールの故障が検知された場合には、さらに、残りのn−1台の無停電電源装置の各々において、前記m台の無停電電源モジュールのうちの1台の無停電電源モジュールに接続される前記スイッチを開放し、かつ、
前記電流指令値をn×(m−1)で除算することにより、前記第2の指令値を生成する、請求項1に記載の無停電電源システム。
【請求項4】
前記n台の無停電電源装置の各々は、前記入力端子と前記出力端子との間に前記m台の無停電電源モジュールと並列に接続されるバイパス盤をさらに含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の無停電電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無停電電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステム等の重要負荷に交流電力を安定的に供給するための電源装置として、無停電電源装置が広く用いられている。たとえば、国際公開第2010/119564号明細書(特許文献1)には、並列接続された複数の無停電電源装置を備えた無停電電源システムが開示されている。この無停電電源システムでは、1台の無停電電源装置が故障しても残りの無停電電源装置によって負荷に交流電力を供給することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/119564号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記無停電電源システムには、複数の無停電電源装置の各々を、並列接続された複数の無停電電源モジュールで構成したものがある。このような無停電電源システムでは、複数の無停電電源装置のうちのいずれか1台の無停電電源装置において、複数の無停電電源モジュールのうちの1台の無停電電源モジュールが故障した場合には、故障の無停電電源モジュールを含む無停電電源装置を無停電電源システムから解列し、残りの無停電電源装置によって負荷に交流電力を供給する。したがって、無停電電源モジュールが故障しても、負荷に交流電力を供給することができる。
【0005】
しかしながら、上記無停電電源システムでは、故障の無停電電源モジュールを有する無停電電源装置において、他の無停電電源モジュールは正常であるにもかかわらず、強制的に使用不能な状態とされる。これにより、残りの無停電電源装置では、故障発生後に各無停電電源モジュールが出力すべき交流電力が増えるため、発生する電力損失が増加する。その結果、無停電電源システム全体の電力損失が増加してしまい、無停電電源システムの運転効率が低くなる可能性がある。
【0006】
また、残りの無停電源装置の各々において出力電流を増やすための制御が実行される際に、残りの無停電電源装置の間で出力電圧にばらつきが生じる場合がある。このような場合、残りの無停電電源装置の出力端子間に横流が流れるという問題が起こり得る。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、並列接続された複数の無停電電源モジュールを有する無停電電源装置を複数台並列接続して構成された無停電電源システムにおいて、高い効率で安定的に負荷に電力を供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面によれば、無停電電源システムは、並列接続されたn台(nは2以上の整数)の無停電電源装置を備える。各無停電電源装置は、交流電源からの第1の交流電力を受ける入力端子と、負荷に接続される出力端子と、入力端子と出力端子との間に並列接続された、m台(mは2以上の整数)の無停電電源モジュールと、入力端子および出力端子の間に、m台の無停電電源モジュールとそれぞれ直列に接続されるm個のスイッチとを備える。各無停電電源モジュールは、コンバータ、インバータおよび制御部を含む。コンバータは、交流電源から供給される第1の交流電力を直流電力に変換する。インバータは、直流電力を第2の交流電力に変換し、第2の交流電力を負荷に供給する。制御部は、インバータから負荷に供給される第2の交流電力の電流値が第1の指令値に一致するように、インバータを制御する。n×m個の制御部は、互いに結合されて総合制御部を構成する。総合制御部は、n台の無停電電源装置のいずれか1台の無停電電源装置において、m台の無停電電源モジュールのうちの1台の無停電電源モジュールの故障が検知された場合には、故障の無停電電源モジュールに接続されるスイッチを開放する。総合制御部は、残りの正常な無停電電源モジュール間で第2の交流電力の電流値が互いに均衡するように、第1の指令値を第2の指令値に変更する。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、高い効率で直流負荷に電力を供給でき、かつ、直流負荷で発生した回生電力を回収することができる無停電電源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】発明の実施の形態1による無停電電源システムの構成を示す回路ブロック図である。
図2】各UPSモジュールの構成を示す回路ブロック図である。
図3】各UPSモジュールの制御部の構成を示すブロック図である。
図4】無停電電源システムの制御に関連する部分を示すブロック図である。
図5】1台のUPSモジュールの故障が生じた場合における、実施の形態1による無停電電源システムの動作を説明する図である。
図6】1台のUPSモジュールの故障が生じた場合における、第1の比較例による無停電電源システムの動作を説明する図である。
図7】1台のUPSモジュールの故障が生じた場合における、第2の比較例による無停電電源システムの動作を説明する図である。
図8】実施の形態1による無停電電源システムの各UPSモジュールにおける制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図9】発明の実施の形態1による無停電電源システムの他の構成を示す回路ブロック図である。
図10】1台のUPSモジュールの故障が生じた場合における、実施の形態1による無停電電源システムの動作を説明する図である。
図11】1台のUPSモジュールの故障が生じた場合における、実施の形態2による無停電電源システムの動作を説明する図である。
図12】実施の形態2による無停電電源システムの各UPSモジュールにおける制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図13】1台のUPSモジュールの故障が生じた場合における、発明の実施の形態2による無停電電源システムの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、同一または相当する部分には同一の参照符号を付して、その説明を繰返さない。
【0012】
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による無停電電源システム100の構成を示す回路ブロック図である。図1を参照して、実施の形態1による無停電電源システム100は、交流電源1および負荷2の間に接続されており、負荷2に交流電力を供給するように構成されている。
【0013】
交流電源1は、たとえば商用交流電源であって、商用周波数の交流電力(第1の交流電力)を無停電電源システム100に供給する。無停電電源システム100は、実際には、交流電源1から三相交流電力を受けるが、図面および説明の簡単化のため、図1では一相分の回路のみが示されている。
【0014】
負荷2は、交流電力によって駆動される電気機器などである。負荷2は、無停電電源システム100から供給される交流電力(第2の交流電力)によって駆動される。
【0015】
無停電電源システム100は、入力端子T1および出力端子T2を備える。入力端子T1は、交流電源1から供給される交流電力を受ける。出力端子T2は負荷2に接続される。負荷2は、無停電電源システム100から供給される交流電力によって運転することができる。
【0016】
無停電電源システム100は、さらに、n台(nは2以上の整数)の無停電電源装置10,20と、遮断器B1,B2,B11,B12とを備える。図1では、無停電電源システム100は、2台の無停電電源装置10,20を備える(n=2)。2台の無停電電源装置10,20は、入力端子T1および出力端子T2の間に並列に接続される。
【0017】
遮断器B1は、入力端子T1と無停電電源装置10の入力端子T8との間に接続される。遮断器B11は、無停電電源装置10の出力端子T9と出力端子T2との間に接続される。遮断器B2は、入力端子T1と無停電電源装置20の入力端子T8との間に接続される。遮断器B12は、無停電電源装置20の出力端子T9と出力端子T2との間に接続される。
【0018】
無停電電源装置10は、入力端子T8、出力端子T9、m台の無停電電源モジュール11〜13、バイパス盤14、スイッチS1a,S1b,S1c,S11a,S11b,S11c、およびm個のバッテリBを含む。図1では、無停電電源装置10は、3台の無停電電源モジュール11〜13と、3個のバッテリBとを含む(m=3)。無停電電源モジュール11〜13およびバイパス盤14は、入力端子T8および出力端子T9の間に並列に接続される。以下の説明では、無停電電源モジュールを「UPSモジュール」と称する。
【0019】
図2は、図1に示した無停電電源システムにおける各UPSモジュールの構成を示す回路ブロック図である。図2に示されるように、UPSモジュール11は、入力端子T3、バッテリ端子T4、出力端子T5、コンバータ3、インバータ4、チョッパ5、および制御部6を含む。コンバータ3は、交流電源1から入力端子T3を介して供給される交流電力(第1の交流電力)を直流電力に変換する。コンバータ3で生成された直流電力は、インバータ4およびチョッパ5に供給される。
【0020】
インバータ4は、直流電力を商用周波数の交流電力(第2の交流電力)に変換する。チョッパ5は、通常動作時、コンバータ3で生成された直流電力をバッテリ端子T4を介してバッテリBの正電極に供給する。チョッパ5は、交流電源1の停電時、バッテリBの直流電力をインバータ4に供給する。UPSモジュール12,13も、UPSモジュール11と同じ構成である。
【0021】
コンバータ3およびインバータ4は、半導体スイッチング素子により構成される。半導体スイッチング素子としては、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が適用される。半導体スイッチング素子の制御方式として、PWM(Pulse Width Modulation)制御を適用することができる。
【0022】
スイッチS1a,S1b,S1cの一方端子はともに入力端子T8に接続され、それらの他方端子はUPSモジュール11,12,13の入力端子T3にそれぞれ接続される。スイッチS1a,S1b,S1cは「m個のスイッチ」の一実施例に対応する。
【0023】
スイッチS11a,S11b,S11cの一方端子はともに出力端子T9に接続され、それらの他方端子はUPSモジュール11,12,13の出力端子T5にそれぞれ接続される。スイッチS11a,S11b,S11cは「m個のスイッチ」の一実施例に対応する。図1の例では、UPSモジュールの入力端子T8および出力端子T9の両方にスイッチを接続する構成としたが、入力端子T8および出力端子T9のいずれか一方のみにスイッチを接続する構成としてもよい。すなわち、スイッチは、入力端子T8および出力端子T9の間に、UPSモジュールと電気的に直列に接続されていればよい。
【0024】
バイパス盤14は、入力端子T6、出力端子T7、スイッチ7およびサイリスタスイッチ8を含む。入力端子T6は入力端子T8に接続され、出力端子T7は出力端子T9に接続される。スイッチ7およびサイリスタスイッチ8は、入力端子T6および出力端子T7の間に並列接続される。
【0025】
無停電電源装置10は、交流電源1から入力端子T8を介して供給される交流電力をスイッチ7および出力端子T7を介して出力端子T9に出力するバイパス給電モードと、USPモジュール11〜13のインバータ4で生成された交流電力をスイッチS11a,S11b,S11cをそれぞれ介して出力端子T9に出力するインバータ給電モードとを有する。バイパス給電モードではスイッチ7がオンされ、インバータ給電モードではスイッチS11a,S11b,S11cがオンされる。バイパス給電モードとインバータ給電モードとの切換期間ではスイッチS7およびS11a,S11b,S11cの両方がオンされる。サイリスタスイッチ8はインバータ給電モード中にUPSモジュール11〜13の全てのインバータ4が故障した場合にオンし、交流電源1からの交流電力を出力端子T9に瞬時に与える。
【0026】
無停電電源装置20は、無停電電源装置10と基本的構成が同じである。具体的には、無停電電源装置20は、入力端子T8、出力端子T9、m台のUPSモジュール21〜23、バイパス盤24、およびスイッチS2a,S2b,S2c,S12a,S12b,S12cを含む。図1では、無停電電源装置20は、3台のUPSモジュール21〜23を含む(m=3)。
【0027】
UPSモジュール21〜23およびバイパス盤24は、入力端子T8および出力端子T9の間に並列に接続される。UPSモジュール21〜23は、UPSモジュール11と同じ構成である。バイパス盤24は、バイパス盤14と同じ構成である。
【0028】
スイッチS2a,S2b,S2cの一方端子はともに入力端子T8に接続され、それらの他方端子はUPSモジュール21,22,23の入力端子T3にそれぞれ接続される。スイッチS2a,S2b,S2cは「m個ののスイッチ」の一実施例に対応する。
【0029】
スイッチS12a,S12b,S12cの一方端子はともに出力端子T9に接続され、それらの他方端子はUPSモジュール21,22,23の出力端子T5にそれぞれ接続される。スイッチS12a,S12b,S12cは「m個のスイッチ」の一実施例に対応する。
【0030】
無停電電源装置20も、無停電電源装置10と同様、交流電源1から入力端子T8を介して供給される交流電力をスイッチ7および出力端子T7を介して出力端子T9に出力するバイパス給電モードと、UPSモジュール21〜23のインバータ4で生成された交流電力をスイッチS12a,S12b,S12cをそれぞれ介して出力端子T9に出力するインバータ給電モードとを有する。
【0031】
無停電電源システム100は、並列接続されたn台(図1ではn=2)の無停電電源装置10,20を備えたものである。各無停電電源装置は、並列接続されたm台(図1ではm=3)のUPSモジュールおよびバイパス盤を有するものである。すなわち、無停電電源システム100は、n×m台のUPSモジュールを有するものである。
【0032】
無停電電源システム100の通常運転時は、遮断器B1,B2,B11,B12が閉成(オン)され、無停電電源装置10,20から負荷2に商用周波数の交流電力が供給される。
【0033】
無停電電源装置10,20の各々は、(m−1)台のUPSモジュールで負荷2を駆動することが可能となっている。したがって、図1および図2では、2台の無停電電源装置10,20のうちの1台の無停電電源装置(たとえば無停電電源装置10)において、3台のUPSモジュール11〜13のうちの1台のUPSモジュール(たとえばUPSモジュール13)が故障しても、残りの2台のUPSモジュール(この場合はUPSモジュール11,12)、および無停電電源装置20の3台のUPSモジュール21〜23で負荷2を駆動することが可能である。すなわち、5台のUPSモジュール11,12,21〜23から負荷2に商用周波数の交流電力を供給しながら、スイッチS1c,S11cをオフすることにより故障したUPSモジュール13を解列してメンテナンスすることができる。
【0034】
無停電電源装置10,20の各々は、出力端子T2に出力される電圧VOが予め定められた目標電圧VO*となるように、出力電流が制御される。目標電圧VO*は、たとえば交流電源1から供給される交流電力の定格電圧に設定されている。
【0035】
無停電電源システム100の出力端子T2は、遮断器B11,B12およびスイッチS11a〜S11c,S21a〜S21cによってUPSモジュール11〜13,21〜23の各々の出力端子T5と電気的に接続されている。したがって、各UPSモジュールにおいては、出力端子T5の電圧(インバータ4の出力電圧)が目標電圧VO*となるように、出力電流が制御されることとなる。
【0036】
以下、無停電電源システム100における出力電流の制御について詳細に説明する。
図3は、各UPSモジュールの制御部6の構成を示すブロック図である。図3では、UPSモジュール11の制御部6を代表的に示す。UPSモジュール12,13,21〜23の制御部6も、UPSモジュール11の制御部6と同じ構成である。後述するように、各UPSモジュールの制御部6は互いに連結されている(図4参照)。
【0037】
図3を参照して、UPSモジュール11において、制御部6は、減算器60,63、電圧制御部61、並列制御部62、電流制御部64、PWM制御部65、および判定部66を含む。
【0038】
UPSモジュール11は、電流センサ67および電圧センサ68をさらに含む。電流センサ67は、インバータ4の出力電流I11を検出し、検出電流Illを示す信号を制御部6に出力する。電圧センサ68は、インバータ4の出力電圧VOを検出し、検出電圧VOを示す信号を制御部6に出力する。
【0039】
判定部66は、電流センサ67の検出電流I11および電圧センサ68の検出電圧VOに基づいて、UPSモジュール11が故障しているか否かを判定する。具体的には、電圧センサ68の検出電圧VOが目標電圧VO*よりも高い上限電圧を超えている場合、もしくは電流センサ67の検出電流I11が上限電流を超えている場合、判定部66は、UPSモジュール11が故障していると判定する。
【0040】
判定部66は、判定結果を示す信号(以下、判定信号とも称する)DT11を並列制御部62に出力する。判定部66は、さらに、判定信号DT11を、無停電電源モジュール12,13,21〜23の各々の制御部6に対して出力する。
【0041】
減算器60は、目標電圧VO*と電圧センサ68の検出電圧VOとの偏差VO*−VOを演算し、演算した偏差VO*−VOを電圧制御部61に出力する。
【0042】
電圧制御部61は、偏差VO*−VOを零にするための制御演算を行なうことにより、電流指令値IL*を生成する。電圧制御部61は、たとえば比例積分(PI)演算によって電流指令値IL*を生成する。
【0043】
並列制御部62は、判定部66から判定信号DT11を受ける。並列制御部62は、判定信号DT11に基づいて、UPSモジュール11が正常であるか故障中であるかを判断する。並列制御部62は、さらに、UPSモジュール12,13,21〜23からそれぞれ送信される判定信号DT12,DT13,DT21〜DT23を受ける。並列制御部62は、これらの判定信号DT11〜DT13,DT21〜DT23に基づいて、正常なUPSモジュールの台数xを検出する。
【0044】
本願明細書において、「正常なUPSモジュールの台数x」は、無停電電源システム100全体での正常なUPSモジュールの台数を意味しており、無停電電源装置10での正常なUPSモジュールの台数と無停電電源装置20での正常なUPSモジュールの台数との合計値に相当する。すなわち、xとn,mとの間には、0≦x≦n×mの関係が成り立っている。図1ではxは0≦x≦6となる。
【0045】
並列制御部62は、電流指令値IL*および検出した台数xに基づいて、各UPSモジュールにおけるインバータ4の出力電流の目標値である電流指令値I♯を生成する。具体的には、並列制御部62は、電流指令値IL*を正常なUPSモジュールの台数xで除算することにより、電流指令値I♯を生成する(I♯=IL*/x)。図3に示されるUPSモジュール11においては、UPSモジュール11が正常である場合、UPSモジュール11の電流指令値I11♯は、I11♯=IL*/xとなる。
【0046】
減算器63は、電流指令値I11♯と電流センサ67の検出値I11との偏差I11♯−I11を演算し、演算した偏差I11♯−I11を電流制御部64に出力する。
【0047】
電流制御部64は、偏差I11♯−I11を零にするための制御演算を行なうことにより、電圧指令値を生成する。電流制御部64は、たとえばPI演算によって電圧指令値を生成する。
【0048】
PWM制御部65は、電流制御部64からの電圧指令値に応じた値の電圧がUPSモジュール11から出力されるようにインバータ4を制御する。これにより、インバータ4からは、電流指令値I11♯に等しい電流が出力される。
【0049】
これに対して、UPSモジュール11が故障している場合、判定部66は、スイッチS1a,S11aを開放(オフ)するための制御信号C11を生成する。判定部66は、制御信号C11をスイッチS1a,S11aに出力することにより、無停電電源装置10からUPSモジュール11を解列させる。並列制御部62は、判定信号DT11に基づいてUPSモジュール11が故障していると判断すると、インバータ4の各半導体スイッチング素子をゲート遮断するためのゲート遮断信号GBをインバータ4に出力する。これにより、UPSモジュール11のインバータ4を停止状態とする。
【0050】
なお、図示は省略するが、制御部6は、上述したインバータ4およびスイッチ1a,11aの制御に加えて、コンバータ3およびチョッパ5を制御する。インバータ給電モード時、制御部6は、交流電源1から交流電力が供給される通常時は、コンバータ3を制御して直流電力を生成させ、交流電源1からの交流電力の供給が停止された停電時は、チョッパ5を制御して直流電力を生成させる。
【0051】
図4は、無停電電源システム100の制御に関連する部分を示すブロック図である。図4を参照して、UPSモジュール11〜13,21〜23の各々の制御部6は、相互に通信することができる。たとえば、各制御部6は通信ケーブルによって互いに接続されている。UPSモジュール11〜13,21〜23の制御部6は1つの総合制御部600を構成している。
【0052】
総合制御部600において、各制御部6は、判定部66で生成された判定信号DTを、他の5台の制御部6に送信する。各制御部6には、他の5台の制御部6の各々から判定信号DTが与えられる。これにより、総合制御部600では、各UPSモジュールの判定信号DTが6台の制御部6の間で共有される。
【0053】
各制御部6において、判定部66は、判定信号DTに基づいて、自己のUPSモジュールを解列するための制御信号Cを生成する。並列制御部62は、他の5台の制御部6から与えられた判定信号DTと、判定部66から与えられた判定信号DTとに基づいて、正常なUPSモジュールの台数xを検出する。並列制御部62は、上述したように、判定信号DTおよび台数xに基づいて、自己のUPSモジュールの電流指令値I♯またはゲート遮断信号GBを生成する。
【0054】
次に、図5を参照して、1台のUPSモジュールの故障が生じた場合における無停電電源システム100の動作を説明する。
【0055】
図5(A)を参照して、無停電電源装置10,20がともに正常である場合、正常なUPSモジュールの台数xはx=6となる。この場合、各UPSモジュールの電流指令値I♯はIL*/6(第1の指令値)に設定され、この電流指令値I♯に従って各UPSモジュールのインバータ4が制御される。これにより、無停電電源システム100の出力電流をILとすると、各UPSモジュールの出力電流はIL/6に制御される。
【0056】
ここで、無停電電源装置20のUPSモジュール23に故障が生じた場合には、図5(B)に示すように、UPSモジュール23の制御部6はスイッチS2c,S12cを開放してUPSモジュール23を解列するとともに、インバータ4を停止させる。
【0057】
正常なUPSモジュールの台数はx=5になるため、総合制御部600は、各UPSモジュールの電流指令値I♯はIL*/5(第2の指令値)に変更する。UPSモジュール11〜13,21,22の各々においては、変更された電流指令値I♯に従ってインバータ4が制御されるため、出力電流はIL/5に増加する。
【0058】
このように、実施の形態1による無停電電源システム100では、2台の無停電電源装置のうちのいずれか1台の無停電電源装置において、3台のUPSモジュールのうちのいずれか1台のUPSモジュールに故障が生じた場合、総合制御部600は、残りの5台の正常なUPSモジュールの電流指令値I♯を互いに均衡するように変更する。これにより、残りの5台の正常なUPSモジュールの間で電流指令値I♯は常に互いに等しくなる。
【0059】
次に、比較例を参照しながら、実施の形態1による無停電電源システム100の作用効果について説明する。
【0060】
図6に、第1の比較例による無停電電源システムの動作を示す。図6(A)を参照して、第1の比較例による無停電電源システムの回路構成は、図5に示した無停電電源システム100の回路構成と同じである。
【0061】
第1の比較例では、無停電電源装置20のUPSモジュール23に故障が生じた場合、図6(B)に示すように、遮断器B2,B12を開放して無停電電源装置20を解列させる。すなわち、故障のUPSモジュールを有する無停電電源装置を解列させる。よって、無停電電源装置20に含まれる正常なUPSモジュール21,23も解列されて、使用不能な状態となる。
【0062】
無停電電源装置20が解列されたことにより、正常なUPSモジュールの台数はx=3となるため、各UPSモジュールの電流指令値IL♯はIL*/3に変更される。UPSモジュール11〜13の各々では、変更された電流指令値IL♯に従ってインバータ4が制御されることにより、出力電流はIL/3に増加する。
【0063】
このように、第1の比較例による無停電電源システムにおいても、実施の形態1による無停電電源システム100(図5(B)参照)と同様に、1台のUPSモジュールに故障が生じた場合であっても、故障が発生する前と同じ電流ILを負荷に供給し続けることができる。
【0064】
しかしながら、無停電電源装置20では、UPSモジュール21,22が正常であるにもかかわらず強制的に使用不能な状態とされるため、正常なUPSモジュールを有効に使用することができないという問題がある。
【0065】
また、無停電電源装置20を解列したことによって、無停電電源装置10では、UPSモジュール11〜13の各々のインバータ4に流れる電流が増加するため、無停電電源システム全体の電力損失が増加し、運転効率が低下する可能性がある。
【0066】
これに対して、実施の形態1による無停電電源システム100によれば、図5(B)で説明したように、故障が生じたUPSモジュールのみを解列させるため、残りの正常なUPSモジュールを全て使用して負荷2に電力を供給することができる。よって、故障したUPSモジュールを解列したことによる各UPSモジュールのインバータ4に流れる電流の増加を小さくすることができるため、無停電電源システム100の損失の増加を抑えることができる。
【0067】
図7に、第2の比較例による無停電電源システムの動作を示す。図7(A)を参照して、第2の比較例による無停電電源システムの構成は、図5に示した無停電電源システム100の構成と同じである。
【0068】
第2の比較例では、無停電電源装置20のUPSモジュール23に故障が生じた場合、図7(B)に示すように、スイッチS2c,S12cを開放して、UPSモジュール23を解列させる。したがって、残り5台の正常なUPSモジュール11〜13,21,22を使用して負荷に電流ILを供給することができる。
【0069】
ここで、第2の比較例では、無停電電源装置20において、UPSモジュール23を解列した後、正常なUPSモジュール21,22の出力電流をIL/6からIL/4に変更する。これにより、UPSモジュール23を解列した後も無停電電源装置20の出力電流はIL/2に保たれる。一方、無停電電源装置10においては、各UPSモジュールの出力電流はIL/6のままである。
【0070】
第2の比較例による無停電電源システムにおいても、実施の形態1による無停電電源システム100(図5(B)参照)と同様に、1台のUPSモジュールに故障が生じた場合であっても、故障が発生する前と同じ電流ILを負荷に供給することができる。
【0071】
しかしながら、第2の比較例では、無停電電源装置20の出力電流をIL/2に保つように、UPSモジュール21,22の出力電流をIL/4に増やす一方で、無停電電源装置10のUPSモジュール11〜13の出力電流はIL/6のままである。これによると、UPSモジュール21,22と、UPSモジュール11〜13との間において、インバータ4の電流制御にばらつきが生じることが起こり得る。
【0072】
詳細には、UPSモジュール21では、電流指令値I22♯がIL*/6からIL*/4に変更されるため、電流指令値I22♯と検出電流値I22との偏差I22♯−I22が大きくなる。そのため、この増加した偏差を零にするための電圧指令値が生成され、この電圧指令値に従ってインバータ4が制御されることとなる。UPSモジュール22においても、UPSモジュール21と同様の制御が行なわれる。
【0073】
一方で、UPSモジュール11〜13では、電流指令値I♯がIL/6*のままであるため、電流指令値I♯と検出電流値との偏差が増加することがない。
【0074】
この結果、電流指令値I♯が変更されるタイミングにおいては、UPSモジュール21,22で電流制御が不安定となり、無停電電源装置20の出力電圧VOが電圧指令値VO*を下回ってしまう場合が起こり得る。この場合、無停電電源装置20の出力電圧と無停電電源装置10の出力電圧との間に電圧差が生じるため、無停電電源装置10と無停電電源装置20との間に横流電流が流れる可能性がある。
【0075】
これに対して、実施の形態1による無停電電源システム100によれば、図5(B)に示したように、UPSモジュール11〜13,21,22の電流指令値I♯が互いに均衡するように変更されるため、UPSモジュールの故障発生後においても、正常な複数台のUPSモジュールの各々では、常に互いに等しい電流指令値I♯に従ってインバータ4が制御されることとなる。よって、該複数台のUPSモジュール間で電流制御のばらつきが生じることを回避でき、結果的に出力電圧のばらつきを低減することができる。これにより、UPSモジュールの故障が発生した場合であっても、無停電電源システム100は、横流電流の発生を抑制して、負荷2に対して安定して電力を供給することができる。
【0076】
図8は、実施の形態1による無停電電源システム100の各UPSモジュールにおける制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。図8以降のフローチャートの処理は、一定時間ごとまたは所定の条件が成立するごとにメインルーチンから呼び出されて、各UPSモジュールの制御部6(総合制御部600)により実行される。
【0077】
図8を参照して、制御部6は、ステップS01により、自己のUPSモジュールが運転中であるか否かを判定する。インバータ4の半導体スイッチング素子がゲート遮断状態である場合、制御部6は、自己のUPSモジュールが停止状態であると判定して(S01にてNO)、処理を終了する。
【0078】
一方、自己のUPSモジュールが運転中であると判定された場合(S01にてYES)、制御部6は、ステップS02により、電流センサ67の検出電流および電圧センサ68の検出電圧に基づいてUPSモジュールが故障しているか否かを判定する。制御部6は、ステップS03により、判定結果を示す判定信号を他のUPSモジュールの制御部6に送信する。
【0079】
制御部6は、ステップS04により、判定信号に基づいて、自己のUPSモジュールが正常であるか否かを判定する。自己のUPSモジュールが正常でない、すなわち自己のUPSモジュールに故障が生じている場合(S04にてNO)、制御部6は、ステップS10に進み、自己のUPSモジュールを停止させる。制御部6は、さらに、ステップS11により、自己のUPSモジュールを解列させる。
【0080】
これに対して、自己のUPSモジュールが正常である場合(S04にてYES)、制御部6は、ステップS05により、他のUPSモジュールからの判定信号を受信すると、ステップS06に進み、受信した判定信号に基づいて、正常なUPSモジュールの台数xを検出する。
【0081】
制御部6は、ステップS07により、電流指令値IL*を生成する。制御部6は、さらに、ステップS08により、電流指令値IL*を正常なUPSモジュールの台数xで除算することにより、正常なUPSモジュールの各々の電流指令値I♯を生成する(I♯=IL*/x)。
【0082】
制御部6は、ステップS09により、出力電流が電流指令値I♯となるようにインバータ4を制御する。
【0083】
以上説明したように、実施の形態1による無停電電源システムによれば、並列接続されたn台の無停電電源装置のいずれか1台の無停電電源装置において、並列接続されたm台のUPSモジュールのうちの1台のUPSモジュールが故障した場合には、残りの正常なUPSモジュールの電流指令値I♯を互いに均衡するように変更する。このようにすると、故障が発生した後においても、残りの正常なUPSモジュールをすべて使用して、効率的に負荷に電力を供給することができる。また、残りの正常なUPSモジュール間で出力電流制御のばらつきをなくすことができるため、出力電圧差による横流の発生を抑制して、安定的に負荷に電力を供給することができる。
【0084】
なお、実施の形態1による無停電電源システムにおいて、無停電電源装置の台数nおよびUPSモジュールの台数mはともに2以上であればよい。すなわち、実施の形態1による無停電電源システムは、図9に示される構成に一般化することができる。
【0085】
具体的には、図9を参照して、無停電電源システム100は、入力端子T1および出力端子T2の間に並列接続されるn台の無停電電源装置10〜n0を備える。n台の無停電電源装置10〜n0の各々は、並列接続されるm台のUPSモジュールと、バイパス盤とを含む。
【0086】
図10(A)に示されるように、n×m台ののUPSモジュールのすべてが正常である場合、各UPSモジュールにおけるインバータ4の出力電流はIL/(n×m)に制御される。各UPSモジュールの電流指令値I♯=IL/(n×m)は、本願発明における「第1の指令値」に対応する。
【0087】
一方、図10(B)に示すように、n台の無停電電源装置のうちの1台の無停電電源装置(たとえば、無停電電源装置n)においてm台のUPSモジュールのうちの1台のUPSモジュール(たとえばUPSモジュールnm)に故障が生じた場合には、UPSモジュールnmが解列されるとともに、残りの(n×m−1)台の正常なUPSモジュールの出力電流は、IL/(n×m−1)に制御されることとなる。各UPSモジュールの電流指令値I♯=IL/(n×m−1)は、本願発明における「第2の指令値」に対応する。
【0088】
[実施の形態2]
実施の形態2では、実施の形態1による無停電電源システム100の動作の変形例について説明する。実施の形態2による無停電電源システムの構成は、図1に示した無停電電源システム100の構成と同じである。
【0089】
図11を参照して、1台のUPSモジュールに故障が生じた場合における、実施の形態2による無停電電源システムの動作について説明する。
【0090】
図11(A)は、図5(A)に示した構成と同じである。すなわち、無停電電源装置10,20がともに正常である場合、無停電電源システムの出力電流をILとすると、各UPSモジュールの出力電流はIL/6に制御される。
【0091】
無停電電源装置20のUPSモジュール23に故障が生じた場合には、図11(B)に示すように、UPSモジュール23の制御部6は、スイッチS2c,S12cを開放してUPSモジュール23を解列するとともに、インバータ4を停止させる。
【0092】
実施の形態2による無停電電源システムでは、さらに、無停電電源装置10の3台のUPSモジュール11〜13のうちの1台のUPSモジュール(たとえばUPSモジュール13)の制御部6は、スイッチS1c,S11cを開放して、UPSモジュール13を解列する。すなわち、無停電電源装置20において1台のUPSモジュール23に故障が生じた場合、該UPSモジュール23を解列するとともに、無停電電源装置10においても1台のUPSモジュール13を解列する。
【0093】
図11(B)では、故障したUPSモジュールの解列を「1次解列」と表記し、この1次解列に起因するUPSモジュールの解列を「2次解列」と表記している。実施の形態2では、無停電電源装置10,20のいずれか一方の無停電電源装置でUPSモジュールが1次解列された場合、他方の無停電電源装置において、1次解列されたUPSモジュールの台数と同じ台数のUPSモジュールが2次解列される。これにより、1次解列および2次解列が行なわれた後の無停電電源システムにおいて、無停電電源装置10における正常なUPSモジュールの台数と、無停電電源装置20における正常なUPSモジュールの台数とは互いに等しくなる。
【0094】
このようにすると、UPSモジュール23に故障が生じた後、正常なUPSモジュールの台数xはx=4となる。したがって、各UPSモジュールの電流指令値I♯はIL*/4(第2の指令値)に変更され、この変更された電流指令値I♯に従ってUPSモジュール11,12,21,22の各々のインバータ4が制御される。これにより、無停電電源システム100の出力電流をILとすると、UPSモジュール11,12,21,22の各々の出力電流はIL/4に制御される。
【0095】
実施の形態2による無停電電源システムによれば、実施の形態1による無停電電源システムと同様に、1台のUPSモジュールに故障が生じた場合、1次解列および2次解列を経て、残りの正常なUPSモジュールの電流指令値I♯は互いに均衡するように変更される。これにより、実施の形態1による効果と同様の効果を得ることができる。
【0096】
実施の形態2による無停電電源システムでは、さらに、1台のUPSモジュールに故障が生じた場合、1次解列および2次解列によって、無停電電源装置10,20の間でUPSモジュールの台数が互いに等しくなるため、無停電電源装置10,20の各々の出力電流はIL/2に保たれることとなる。すなわち、各無停電電源装置の出力電流は常にIL/2に制御される。
【0097】
図12は、実施の形態2による無停電電源システムの各UPSモジュールにおける制御の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【0098】
図12を参照して、制御部6は、図8と同様のステップS01〜S05を実行して、自己のUPSモジュールの故障を判定するとともに、他のUPSモジュールからの判定信号DTを受信する。
【0099】
制御部6は、ステップS051により、受信した判定信号DTに基づいて、UPSモジュール11〜13,21〜23の中に故障が生じたUPSモジュールがあるか否かを判定する。故障が生じたUPSモジュールがある場合(S051にてYES)、制御部6は、ステップS052に進み、2次解列させるUSPモジュールを決定する。ステップS052では、故障が生じたUPSモジュールを有する無停電電源装置とは別の無停電電源装置において、予め設定された条件に従って、解列させるUPSモジュールが決定される。たとえば、バイパス盤24から数えて3番目のUPSモジュール23に故障が生じた場合(図9B参照)、無停電電源装置10では、バイパス盤14から数えて3番目のUPSモジュール13を2次解列させるUPSモジュールに決定する。
【0100】
制御部6は、ステップS052により、自己のUPSモジュールが2次解列させるUPSモジュールに該当するか否かを判定する。自己のUPSモジュールが2次解列させるUPSモジュールに該当する場合(S053にてYES)、制御部6は、ステップS10に進み、自己のUPSモジュールを停止させる。制御部6は、さらに、ステップS11により、自己のUPSモジュールを解列させる。
【0101】
これに対して、自己のUPSモジュールが2次解列させるUPSモジュールに該当しない場合(S053にてNO)、制御部6は、図8と同様のステップS06〜S11を実行して、電流指令値I♯に応じた値の電流がUPSモジュールから出力されるようにインバータ4を制御する。
【0102】
以上説明したように、実施の形態2による無停電電源システムによれば、実施の形態1による無停電電源システムと同様、並列接続されたn台の無停電電源装置のいずれか1台の無停電電源装置において、並列接続されたm台のUPSモジュールのうちの1台のUPSモジュールが故障した場合には、残りの正常なUPSモジュールの電流指令値I♯を互いに均衡するように変更する。これにより、故障が発生した後においても、残りの正常なUPSモジュールを使用して、効率的に負荷に電力を供給することができる。また、残りの正常なUPSモジュール間で出力電流制御のばらつきをなくすことができるため、安定的に負荷に電力を供給することができる。
【0103】
なお、実施の形態2による無停電電源システムにおいて、無停電電源装置の台数nおよびUPSモジュールの台数mはともに2以上であればよい。すなわち、実施の形態2による無停電電源システムは、図13に示される構成に一般化することができる。
【0104】
図13(A)では、n台の無停電電源装置の各々は、並列接続されたm台のUPSモジュールを有している。n×m台のUPSモジュールのすべてが正常である場合、各UPSモジュールにおけるインバータ4の出力電流はIL/(n×m)に制御される。各UPSモジュールの電流指令値I♯=IL/(n×m)は、本願発明における「第1の指令値」に対応する。
【0105】
図13(B)に示すように、n台の無停電電源装置のうちの1台の無停電電源装置(たとえば、無停電電源装置n)においてm台のUPSモジュールのうちの1台のUPSモジュール(たとえばUPSモジュールnm)に故障が生じた場合には、UPSモジュールnmが1次解列されるとともに、残りの(n−1)台の無停電電源装置の各々において、1台のUPSモジュールが2次解列される。したがって、残りのn×(m−1)台の正常なUPSモジュールの出力電流は、IL/{n×(m−1)}に制御されることとなる。各UPSモジュールの電流指令値I♯=IL/{n×(m−1)}は、本願発明における「第2の指令値」に対応する。
【0106】
なお、図13(A),(B)から分かるように、実施の形態2による無停電電源システムでは、UPSモジュールの故障の有無によらず、各無停電電源装置の出力電流はIL/nに保たれる。これによれば、各無停電電源装置は、無停電電源システム全体での正常なUPSモジュールの台数xを把握することなく、各UPSモジュールの出力電流指令値I♯を生成することが可能となる。たとえば、n台の無停電電源装置のうちの1台の無停電電源装置において1台のUPSモジュールに故障が生じた場合には、各無停電電源装置は、自己の出力電流IL/nを(m−1)で除算することで、容易に出力電流指令値I♯を生成することができる。
【0107】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0108】
1 交流電源、2 負荷2 コンバータ、4 インバータ、5 チョッパ、6 制御部、8 サイリスタスイッチ、10,20,n0 無停電電源装置、11〜13,1m,21〜23,nm UPSモジュール、14,24,n4 バイパス盤、60,63 減算器、61 電圧制御部、62 並列制御部、64 電流制御部、65 PWM制御部、66 判定部、100 無停電電源システム、600 総合制御部、B1,B2,B11,B12,Bn,B1n 遮断器、7,S1a〜S1c,S1m,S2a〜S2c,S11a〜S11c,S11m,S12a〜S12c,Sna〜Snm,S1na〜S1nm スイッチ、T1,T3,T8 入力端子、T2,T5,T7,T9 出力端子、T4 バッテリ端子、B バッテリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】