特表-19066042IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年4月4日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】ガラス構成体
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20191018BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20191018BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20191018BHJP
   G02F 1/15 20190101ALI20191018BHJP
   C08L 23/26 20060101ALI20191018BHJP
   C08L 29/14 20060101ALI20191018BHJP
   C08K 5/3475 20060101ALI20191018BHJP
   C08K 5/3417 20060101ALI20191018BHJP
   C08K 5/1545 20060101ALI20191018BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20191018BHJP
   B32B 17/06 20060101ALI20191018BHJP
   B32B 17/10 20060101ALI20191018BHJP
   B32B 9/00 20060101ALI20191018BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20191018BHJP
   B32B 27/18 20060101ALI20191018BHJP
【FI】
   C03C27/12 N
   C03C27/12 C
   C03C27/12 E
   G02F1/13 505
   G02F1/1333 500
   G02F1/15 502
   C08L23/26
   C08L29/14
   C08K5/3475
   C08K5/3417
   C08K5/1545
   B32B7/02 103
   B32B17/06
   B32B17/10
   B32B9/00 Z
   B32B27/30 Z
   B32B27/18 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】35
【出願番号】特願2018-563745(P2018-563745)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年9月28日
(31)【優先権主張番号】特願2017-192251(P2017-192251)
(32)【優先日】2017年9月29日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-222819(P2017-222819)
(32)【優先日】2017年11月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207756
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 昌浩
(74)【代理人】
【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎
(72)【発明者】
【氏名】松扉 初
(72)【発明者】
【氏名】吉田 章吾
【テーマコード(参考)】
2H088
2H190
2K101
4F100
4G061
4J002
【Fターム(参考)】
2H088EA34
2H088GA10
2H088HA01
2H088HA02
2H088HA11
2H088JA04
2H088JA05
2H088JA13
2H190JB02
2H190JD03
2H190KA05
2H190KA08
2H190KA11
2H190LA01
2K101AA22
2K101DA01
2K101DB01
2K101DC43
2K101DC44
2K101DC46
2K101EA01
2K101EB01
2K101EE02
2K101EG01
2K101EG26
2K101EG52
2K101EH02
2K101EH04
2K101EK05
4F100AG00A
4F100AG00D
4F100AK23C
4F100AK23E
4F100AK69C
4F100AK69E
4F100AR00B
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100CA04E
4F100CA07C
4F100EC032
4F100EJ172
4F100EJ422
4F100GB07
4F100GB31
4F100JB16E
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4F100JL09
4F100JL12E
4F100JN01
4F100JN08B
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4G061AA26
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4G061CA05
4G061CB16
4G061CB18
4G061CD02
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4G061CD18
4G061DA38
4J002BB061
4J002BB231
4J002BE061
4J002EH050
4J002EH058
4J002EJ026
4J002EJ027
4J002EL096
4J002EU026
4J002EU176
4J002EU177
4J002FD028
4J002FD056
4J002FD057
4J002FD070
4J002GJ00
4J002GJ02
4J002GP00
(57)【要約】
ガラス構成体10は、一対のガラス板11、12と、一対のガラス板11、12の間に配置される調光体13と、調光体13と一方のガラス板11の間に配置される紫外線吸収層14とを備える。紫外線吸収層14は、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下で、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上であり、かつ、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上である。


【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のガラス板と、前記一対のガラス板の間に配置される調光体と、前記調光体と一方のガラス板の間に配置される紫外線吸収層とを備え、
前記紫外線吸収層が、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下で、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上であり、かつ、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上であるガラス構成体。
【請求項2】
前記紫外線吸収層の厚さに対する前記調光体の厚さの比が0.5〜10.5である請求項1に記載のガラス構成体。
【請求項3】
前記紫外線吸収層が、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、及びアイオノマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む請求項1又は2に記載のガラス構成体。
【請求項4】
前記紫外線吸収層が、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【請求項5】
前記調光体が、液晶層及びエレクトロクロミック層のいずれかを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【請求項6】
前記紫外線吸収層が、紫外線吸収剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【請求項7】
前記紫外線吸収剤が、インドール系化合物、ベンゾトリアゾール化合物、及びクマリン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項6に記載のガラス構成体。
【請求項8】
前記インドール系化合物が以下の式(1)で表される化合物である、
請求項7に記載のガラス構成体。
【化1】

(式(1)において、Rは、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、Rは、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、又は、炭素数が7〜10のアラルキル基を表す。)
【請求項9】
前記ベンゾトリアゾール化合物が以下の式(2)で表される化合物である、請求項7又は8に記載のガラス構成体。
【化2】

(式(2)において、R11は、炭素数が1〜10のアルキル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、又は、炭素数が7〜12のアラルキル基を表す。)
【請求項10】
更に、330〜380nmの波長領域に最大吸収極大を有する化合物を含有する、請求項7〜9のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【請求項11】
前記330〜380nmの波長領域に最大吸収極大を有する化合物が以下の式(3)で表される化合物である、請求項10に記載のガラス構成体。
【化3】


(式(3)において、Rは、水素原子、炭素数が1〜8のアルキル基、又は炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜8のアルキル基を表す。Xは塩素原子又は水素原子である。)
【請求項12】
前記調光体と他方のガラスの間に配置される接着層をさらに備える請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【請求項13】
前記接着層が、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、及びアイオノマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む請求項12に記載のガラス構成体。
【請求項14】
前記接着層が、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含む請求項12又は13に記載のガラス構成体。
【請求項15】
前記接着層の厚さに対する前記調光体の厚さの比が0.5〜10.5である請求項12〜14のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【請求項16】
室外窓に使用される請求項1〜15のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光体を備えるガラス構成体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電圧を印加することで光の透過率が変化する調光体が広く知られている。調光体としては、液晶材料、エレクトロクロミック材料などを電極によって挟み込んだものがある。これら調光体を使用すると、電圧印加により透明及び不透明が切り替えられるため、内部の温度制御、プライバシー確保などの観点から、近年、自動車用ガラス、建築物の外窓用ガラスなどへの適用が検討されつつある。
これらガラスに調光体を適用する場合には、例えば特許文献1に開示されるように、2枚のガラス板の間に、調光体を挟み込んだガラス構成体が知られている。また、接着性を確保する観点などから、ガラス板と調光体の間に接着層を配置することなども検討されている。
【0003】
なお、自動車用ガラスとしては、2枚のガラス板の間に、中間膜を介在させ一体化させた合わせガラスも広く知られている。このような合わせガラスにおいては、中間膜が、ポリビニルアセタールなどの熱可塑性樹脂により形成される。また、乗員の目や皮膚への負担を軽減させるために、中間膜に紫外線吸収剤が配合されることがある(例えば、特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−145856号公報
【特許文献2】特開平10−17337号公報
【特許文献3】国際公開2012/023616号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、液晶材料、エレクトロクロミック材料などにより構成される調光体は、太陽光に暴露されると急速に劣化することがある。一方で、調光体が適用されたガラス構成体は、高い視認性を確保するため、透明に切り替えられたときに可視光領域において高い光透過性が要求される。したがって、ガラス板や、ガラス板と調光体を接着させるための接着層にも高い透明性が要求され、ガラス板、接着層などにより太陽光を遮光することは難しい。
【0006】
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、ガラス構成体の透明性を確保しつつ、調光体が太陽光により劣化することを防止するガラス構成体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、鋭意検討の結果、液晶材料、エレクトロクロミック材料などにより構成される調光体は、太陽光の中でも長波長紫外線により顕著に劣化することを見出した。そして、ガラス板と調光体の間に、特定の波長領域の透過率を所定の範囲に設計した紫外線吸収層を設けることで、上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[16]を提供するものである。
[1]一対のガラス板と、前記一対のガラス板の間に配置される調光体と、前記調光体と一方のガラス板の間に配置される紫外線吸収層とを備え、
前記紫外線吸収層が、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下で、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上であり、かつ、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上であるガラス構成体。
[2]前記紫外線吸収層の厚さに対する前記調光体の厚さの比が0.5〜10.5である上記[1]に記載のガラス構成体。
[3]前記紫外線吸収層が、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、及びアイオノマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む上記[1]又は[2]に記載のガラス構成体。
[4]前記紫外線吸収層が、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とを含む上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のガラス構成体。
[5]前記調光体が、液晶層及びエレクトロクロミック層のいずれかを含む上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のガラス構成体。
[6]前記紫外線吸収層が、紫外線吸収剤を含む上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のガラス構成体。
[7]前記紫外線吸収剤が、インドール系化合物、ベンゾトリアゾール化合物、及びクマリン系化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含む上記[6]に記載のガラス構成体。
[8]前記インドール系化合物が以下の式(1)で表される化合物である、上記[7]に記載のガラス構成体。
【化1】

(式(1)において、Rは、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、Rは、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、又は、炭素数が7〜10のアラルキル基を表す。)
[9]前記ベンゾトリアゾール化合物が以下の式(2)で表される化合物である、上記[7]又は[8]に記載のガラス構成体。
【化2】

(式(2)において、R11は、炭素数が1〜10のアルキル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、又は、炭素数が7〜12のアラルキル基を表す。)
[10]更に、330〜380nmの波長領域に最大吸収極大を有する化合物を含有する、上記[7]〜[9]のいずれか1項に記載のガラス構成体。
[11]前記330〜380nmの波長領域に最大吸収極大を有する化合物が以下の式(3)で表される化合物である、上記[10]に記載のガラス構成体。
【化3】


(式(3)において、Rは、水素原子、炭素数が1〜8のアルキル基、又は炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜8のアルキル基を表す。Xは塩素原子又は水素原子である。)
[12]前記調光体と他方のガラスの間に配置される接着層をさらに備える上記[1]〜[11]のいずれか1項に記載のガラス構成体。
[13]前記接着層が、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、及びアイオノマー樹脂からなる群から選択される少なくとも1つの熱可塑性樹脂を含む上記[12]に記載のガラス構成体。
[14]前記接着層が、ポリビニルアセタールと可塑剤とを含む上記[12]又は[13]に記載のガラス構成体。
[15]前記接着層の厚さに対する前記調光体の厚さの比が0.5〜10.5である上記[12]〜[14]のいずれか1項に記載のガラス構成体。
[16]室外窓に使用される上記[1]〜[15]のいずれか1項に記載のガラス構成体。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、ガラス構成体の透明性を確保しつつ、調光体が太陽光により劣化することを防止するガラス構成体を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るガラス構成体を示す模式的な断面図である。
図2】本発明の別の実施形態に係るガラス構成体を示す模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のガラス構成体を実施形態を用いて詳細に説明する。
本発明のガラス構成体10は、図1、2に示すように、一対のガラス板(それぞれ「第1及び第2のガラス板」ということがある)11、12と、これらガラス板11、12の間に配置される調光体13と、調光体13と第1のガラス板11の間に配置される紫外線吸収層14とを備えるものである。
【0012】
紫外線吸収層14は、後述するように、熱可塑性樹脂を含有して接着層(「第1の接着層」ともいう)としての機能を有し、第1のガラス11と調光体13を接着させることが好ましい。また、ガラス構成体10は、図2に示すように、調光体13が第2のガラス板12に直接接着されてもよいが、図1に示すように、調光体13と第2のガラス板12の間に接着層(「第2の接着層」ともいう)15が設けられ、調光体13は、第2の接着層15により第2のガラス板12に接着されることが好ましい。
本発明のガラス構成体10は、ガラス板11、12、調光体13、及び紫外線吸収層14、又は、ガラス板11、12、調光体13、紫外線吸収層14、及び第2の接着層15からなるものでもよいが、これら以外の層を有してもよい。例えば、ガラス板11と紫外線吸収層14の間、又は調光体13(若しくは第2の接着層15)とガラス板12の間などに赤外線吸収層などが設けられてもよい。
【0013】
以下、ガラス構成体の各部材について詳細に説明する。
[紫外線吸収層及び第2の接着層]
本発明の紫外線吸収層は、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下となるとともに、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上となるものである。また、紫外線吸収層は、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上となるものである。
【0014】
本発明のガラス構成体は、例えば、第1のガラス板が屋外側に配置され、その第1のガラス板側から太陽光が入射されるように使用されるが、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%を超えると、多くの量の長波長紫外線が紫外線吸収層を透過して調光体に照射されることになる。そのため、調光体の劣化を十分に防ぐことができなくなる。また、400nmより大きく420nm以下の最大透過率が50%より低くなったり、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12未満となったりすると、紫外領域に近い可視光が必要以上に紫外線吸収層に吸収されて透明性が低くなる。また、太陽光が照射されるとガラス構成体が着色されるように見えることがある。
【0015】
調光体の太陽光による劣化をより有効に防ぐために、紫外線吸収層は、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が7%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。また、紫外線吸収層の370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率は、調光体の劣化を防止する観点から低ければ低いほどよいが、黄色味を抑制するためには0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましい。
【0016】
紫外線吸収層は、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が60%以上であることが好ましく、65%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。このように、400nmより大きく420nm以下の波長領域の最大透過率を高くすることで、ガラス構成体の透明性が紫外吸収層によって低下させられることを防ぎ、さらには、ガラス構成体が着色されたように見えたりすることも適切に防止する。400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率は、高ければ高いほうがよく、その上限値は100%である。
紫外線吸収層は、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が15以上であることが好ましく、17以上であることがより好ましい。このように透過率の比を高くすることで、調光体の太陽光による劣化をより有効に防止しつつ、調光体の高い透明性を確保しやすく、黄色味を抑制しやすくなる。透過率の比は、高ければ高いほどよいが、調光フィルムの劣化を抑制する観点からは400以下が好ましく、200以下がより好ましく、50以下が更に好ましい。
【0017】
また、紫外線吸収層の可視光線透過率は、高いほうがよく、具体的には70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。紫外線吸収層の可視光線透過率を高くすることで、ガラス構成体の透明性を十分に確保しやすくなる。なお、可視光線透過率とは、可視光領域全体の透過率を意味し、JIS R3106(1998)に準拠して測定されたものである。
【0018】
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収層は、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。また、紫外線吸収層は、熱可塑性樹脂を含有し、その熱可塑性樹脂中に紫外線吸収剤が配合されることがより好ましい。
本発明では、紫外線吸収剤はインドール系化合物を含むことが好ましい。また、本発明では、紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系化合物又はクマリン系化合物のいずれかを含むことも好ましい。これら化合物の少なくとも1つを使用することで、紫外線吸収層は、可視光領域の透過率を低くすることなく、長波長紫外領域における透過率を低くすることが可能になる。そのため、上記した最大透過率、及び透過率の比を所望の範囲に調整しやすくなる。
【0019】
インドール系化合物は、インドール骨格を有するものであるが、好ましくは以下の式(1)で表される化合物が挙げられる。
【化4】


(式(1)において、Rは、炭素数が1〜3のアルキル基を表し、Rは、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、又は、炭素数が7〜10のアラルキル基を表す。)
【0020】
及びRのアルキル基はそれぞれ、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。上記式(1)におけるRとしては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基等が挙げられ、中でも、Rは、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが好ましく、耐光性の観点からは、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。
式(1)におけるRは、炭素数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、炭素数が1〜8のアルキル基であることがより好ましい。炭素数が1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。また、炭素数が7〜10のアラルキル基として、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
【0021】
上記ベンゾトリアゾール化合物としては、好ましくは以下の式(2)で表される化合物が挙げられる。
【化5】


(式(2)において、R11は、炭素数が1〜10のアルキル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、又は、炭素数が7〜12のアラルキル基を表す。)
【0022】
式(2)において、R11、R12及びR13におけるアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよいし、分岐構造を有するものであってもよい。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル等が挙げられる。また、炭素数が7〜12のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等が挙げられる。R11、R12及びR13におけるアルキル基は、炭素数4〜10が好ましい。また、式(2)において、好ましくはR12がアラルキル基、R13がアルキル基である。
このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には、6−ブチル−2−[2−ヒドロキシ−3−(1−メチルー1−フェニルエチル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−ピロロ[3,4−f][ベンゾトリアゾール−5,7(2H,6H)−ジオン]などが挙げられる。また、市販品としては、TINUVINCarboProtect(商品名.BASF社製)が挙げられる。
クマリン系化合物としては、紫外線吸収剤として使用される公知のものが使用でき、例えば、Eusorb UV−1990(商品名.ユーテックケミカル社製)などが挙げられる。
【0023】
紫外線吸収層は、上記したインドール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及びクマリン系化合物のいずれかから選択される1種以上の紫外線吸収剤を含有することが好ましいが、その紫外線吸収剤の含有量は、例えば、紫外線吸収層全量基準で0.001〜0.4質量%である。また、上記各種の紫外線吸収剤の含有量の好適値は、化合物の種類によって異なる。
【0024】
例えば、インドール系化合物の含有量は、紫外線吸収層全量基準で0.001〜0.1質量%であることが好ましい。本発明では、インドール系化合物の含有量を0.001質量%以上とすることで、370nm以上400nm以下の波長領域での最大透過率を10%以下に調整しやすくなる。このような観点から、インドール系化合物の含有量は、0.002質量%以上がより好ましく、0.005質量%以上がさらに好ましい。
また、含有量を0.1質量%以下とすることで、紫外線吸収剤による着色によって可視光領域における透過率が低下したりすることを防止できる。このような観点からインドール系化合物の含有量は、0.05質量%以下がより好ましく、0.03質量%以下がさらに好ましい。また、クマリン系化合物の含有量の好適値は、上記したインドール系化合物の含有量の好適値と同様である。
上記したベンゾトリアゾール系化合物の含有量は、上記と同様の観点から、紫外線吸収層全量基準で0.005〜0.4質量%が好ましい。また、この含有量は、より好ましくは0.01質量%以上、さらに好ましくは0.02質量%以上である。また、より好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以下、特に好ましくは0.06質量%以下である。
【0025】
紫外線吸収剤としては、互いに異なる化合物である少なくとも2種の紫外線吸収剤(第1及び第2の紫外線吸収剤)を併用することが好ましい。
具体的には、上記したインドール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、及びクマリン系化合物のいずれかから選択される1種以上の化合物(以下、「第1の紫外線吸収剤」ともいう)と、その化合物とは異なる化合物(以下、「第2の紫外線吸収剤」ともいう)を使用することが好ましい。
例えば、紫外線吸収剤として、上記したインドール系化合物と、インドール系化合物以外の紫外線吸収剤(第2の紫外線吸収剤)とを併用することが好ましい。
【0026】
また、第1の紫外線吸収剤は、最大吸収極大の波長が、第2の紫外線吸収剤の最大吸収極大の波長よりも大きく、具体的には、最大吸収極大が375nm以上400nm未満の波長領域にあることが好ましく、380〜395nmの波長領域にあることがより好ましい。
第1の紫外線吸収剤の含有量は、特定波長における最大透過率、及び透過率の比が所定の範囲となるように調整されればよいが、紫外線吸収層全量基準で例えば0.001〜0.4質量%である。また、紫外線吸収剤に使用する化合物の種類に応じて含有量の好適値は異なり、その具体的な値は上記したとおりである。
なお、最大吸収極大の波長は、以下の手順に従って測定することができる。最大吸収極大を測定する紫外線吸収剤をアセトンと混合し、測定サンプルを得る。その際の濃度は、後の分光光度計による最大吸収極大の波長の測定に於いて、最大吸収極大の波長における透過率が40〜50%となるように適宜調整する。得られた測定サンプルを1cm角の石英セルに入れ、分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、20℃の条件で波長300〜400nmにおける透過率を測定する。波長300〜400nmの範囲で、最も透過率が低かった波長を、その紫外線吸収剤の最大吸収極大の波長とする。
【0027】
また、第2の紫外線吸収剤としては、例えば330〜380nm、好ましくは330〜370nm、より好ましくは347.5〜360nmの波長領域に最大吸収極大を有する化合物などが挙げられる。好ましい具体例としては、トリアジン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などが挙げられ、より好ましくはベンゾトリアゾール系化合物である。
【0028】
第2の紫外線吸収剤の含有量は、特定波長における最大透過率、及び透過率の比が所定の範囲となるように調整されればよく、紫外線吸収層全量基準で例えば5質量%以下であるが、好ましくは0.1〜1.5質量%である。含有量を0.1質量%以上とすると、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率を低くしやすくなる。また、1.5質量%以下とすることで、紫外線吸収剤によって紫外線吸収層が着色したりすることを防止し、さらに中間膜から紫外線吸収剤がブルーム(表面に粉がふきでる)することを防止し、また可視光領域における透過率の低下を防ぐことができる。
第2の紫外線吸収剤の含有量は、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上であり、特に好ましくは0.5質量%以上である。また、含有量は、より好ましくは1.2質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以下、よりさらに好ましくは0.8質量%以下である。
【0029】
第2の紫外線吸収剤に使用するベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば以下の式(3)で示される化合物が挙げられる。
【化6】


(式(3)において、Rは、水素原子、炭素数が1〜8のアルキル基、又は炭素数4〜20のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1〜8のアルキル基を表す。Xは塩素原子又は水素原子である。)
【0030】
式(3)において、R、Rのアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。アルコキシカルボニルアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。R、Rとして、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。Rは、これらに加えて、メトキシカルボニルプロピル基、オクチルオキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。なかでも、Rは、水素原子又はアルキル基、特に、水素原子、メチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、オクチル基であることが好ましい。RとRとは同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、式(3)で示される化合物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、3−[3−tert−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクチル、3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオン酸メチル、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0031】
さらに、第2の紫外線吸収剤に使用するベンゾトリアゾール系化合物は市販品を用いてもよく、例えば、TINUVIN 326、TINUVIN327(商品名.チバスペシャリティ・ケミカルズ社製)、Eversorb 109、Eversorb 88(商品名.Everlight Chemical社製)などが挙げられる。
【0032】
また、トリアジン系化合物としては、トリアジン骨格を有し、紫外線吸収剤として使用される公知の化合物が挙げられる。
トリアジン系化合物の具体例としては、TINUVIN460、TINUVIN477(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカル社製)で代表されるヒドロキシフェニルトリアジン系化合物などが挙げられる。
【0033】
紫外線吸収層は、上記したように、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。紫外線吸収層は、熱可塑性樹脂を含有することで、接着層としての機能を果たしやすくなり、調光体をガラスに容易に接着させることが可能になる。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、及びアイオノマー樹脂などが挙げられる。これら樹脂を使用することで、ガラス板との接着性を確保しやすくなる。紫外線吸収層において熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中では、可塑剤と併用した場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮する点から、ポリビニルアセタール樹脂が好適である。
【0034】
本発明のガラス構成体は、上記したように、第2のガラス板と、調光体の間に接着層(第2の接着層)が設けられ、調光体が第2の接着層を介して第2のガラス板に接着されることが好ましい。第2の接着層は、熱可塑性樹脂を含有する層であり、熱可塑性樹脂により第2のガラス板と調光体とを容易に接着させることが可能になる。
第2の接着層に使用される熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、及びアイオノマー樹脂などが挙げられる。これら樹脂を使用することで、ガラス板との接着性を確保しやすくなる。第2の接着層において、熱可塑性樹脂は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、第2の接着層に使用される熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
また、第2の接着層に使用される熱可塑性樹脂は、紫外線吸収層(第1の接着層)に使用される熱可塑性樹脂と異なるものであってもよいし、同一のものであってもよい。
【0035】
第2の接着層は、紫外線吸収層と同様に、可視光線透過率が高いほうがよく、具体的には、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。
【0036】
(ポリビニルアセタール樹脂)
紫外線吸収層及び第2の接着層に使用されるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されないが、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。
上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
【0037】
上記ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量の好ましい下限は15モル%、好ましい上限は35モル%である。水酸基量を15モル%以上とすることで、ガラス板と紫外線吸収層又は第2の接着層との接着性が良好になりやすくなり、ガラス構成体の耐貫通性なども良好になりやすくなる。また、水酸基量を35モル%以下とすることで、ガラス構成体が硬くなり過ぎたりすることを防止する。上記水酸基量のより好ましい下限は25モル%、より好ましい上限は33モル%である。
ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用いる場合も、同様の観点から、水酸基量の好ましい下限は15モル%、好ましい上限は35モル%であり、より好ましい下限は25モル%、より好ましい上限は33モル%である。
なお、上記アセタール化度及び上記水酸基量は、例えば、JIS K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定することができる。
【0038】
ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度80〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。
ポリビニルアセタール樹脂の重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。重合度を500以上することで、ガラス構成体の耐貫通性が良好になる。また、重合度を4000以下とすることで、ガラス構成体の成形がしやすくなる。重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
【0039】
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。なかでも、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒドがより好ましい。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】
(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂)
紫外線吸収層及び第2の接着層に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン−酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン−酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
【0041】
紫外線吸収層及び第2の接着層それぞれにおいて、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10〜50質量%、より好ましくは20〜40質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、紫外線吸収層又は第2の接着層とガラスとの接着性、及びガラス構成体の耐貫通性が良好になりやすくなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、紫外線吸収層又は第2の接着層の破断強度が高くなり、ガラス構成体の耐衝撃性が良好になる。
【0042】
(アイオノマー樹脂)
アイオノマー樹脂としては、特に限定はなく、様々なアイオノマー樹脂を用いることができる。具体的には、エチレン系アイオノマー、スチレン系アイオノマー、パーフルオロカーボン系アイオノマー、テレケリックアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー等が挙げられる。これらの中では、ガラス構成体の機械強度、耐久性、透明性などが良好になる点、ガラスへの接着性に優れる点から、エチレン系アイオノマーが好ましい。
【0043】
エチレン系アイオノマーとしては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが透明性と強靭性に優れるため好適に用いられる。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、少なくともエチレン由来の構成単位および不飽和カルボン酸由来の構成単位を有する共重合体であり、他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。また、他のモノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、1−ブテン等が挙げられる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、該共重合体が有する全構成単位を100モル%とすると、エチレン由来の構成単位を75〜99モル%有することが好ましく、不飽和カルボン酸由来の構成単位を1〜25モル%有することが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和または架橋することにより得られるアイオノマー樹脂であるが、該カルボキシル基の中和度は、通常は1〜90%であり、好ましくは5〜85%である。
【0044】
アイオノマー樹脂におけるイオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の多価金属が挙げられ、ナトリウム、亜鉛が好ましい。
【0045】
アイオノマー樹脂の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の製造方法によって、製造することが可能である。例えばアイオノマー樹脂として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いる場合には、例えば、エチレンと不飽和カルボン酸とを、高温、高圧下でラジカル共重合を行い、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を製造する。そして、そのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体と、上記のイオン源を含む金属化合物とを反応させることにより、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを製造することができる。
【0046】
(可塑剤)
紫外線吸収層は、熱可塑性樹脂を含有する場合、さらに可塑剤を含有してもよい。また、第2の接着層も、熱可塑性樹脂に加えて可塑剤を含有してもよい。紫外線吸収層及び第2の接着層は、可塑剤を含有することにより柔軟となり、その結果、ガラス構成体を柔軟にする。さらには、ガラス板に対する高い接着性を発揮することも可能になる。可塑剤は、紫外線吸収層及び第2の接着層の熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を使用する場合に、その層に含有させると特に効果的である。
【0047】
上記可塑剤は、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステル等が挙げられる。これら可塑剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記可塑剤のなかでも、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)が特に好適に用いられる。
【0048】
紫外線吸収層及び第2の接着層それぞれにおいて、可塑剤の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましい下限は30質量部であり、好ましい上限は70質量部である。可塑剤の含有量を30質量部以上とすると、ガラス構成体が適度に柔軟になり、取り扱い性等が良好になる。また、可塑剤の含有量を70質量部以下とすると、紫外線吸収層から可塑剤が分離することが防止される。可塑剤の含有量のより好ましい下限は35質量部、より好ましい上限は63質量部である。
また、本発明の紫外線吸収層及び第2の接着層それぞれは、熱可塑性樹脂を含有する場合、熱可塑性樹脂、又は熱可塑性樹脂及び可塑剤が主成分となるものであり、熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量が、紫外線吸収層(又は第2の接着層)全量基準で、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。
【0049】
第2の接着層は、紫外線吸収剤を含有してもよい。また、第2の接着層は、紫外線吸収層と同様に、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下で、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上であり、かつ、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上となってもよい。このような光学特性は、第2の接着層に紫外線吸収剤を含有させることで得ることが可能になる。
第2の接着層が、このような光学特性を有することで、第2のガラス板側が屋外側に配置され、第2のガラス板側からガラス構成体に太陽光が入射されても、調光体の劣化を適切に防止することが可能になる。したがって、第1及び第2のガラス板のいずれを屋外側に配置しても本発明の効果が得られることになるため、ガラス構成体を自動車、建築物などに組み込むときの制約が少なくなる。また、第1及び第2のガラス板の両方から太陽光が入射されるような場合でも、調光体の劣化が防止できる。
【0050】
第2の接着層は、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が7%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。また、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率は、低ければ低いほどよいが、実用的には0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましい。
第2の接着層は、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率は、高ければ高いほうがよく、その上限値は100%である。
また、第2の接着層は、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が15以上であることが好ましく、17以上であることがより好ましく、20以上であることが更に好ましい。この透過率の比は、高ければ高いほどよいが、実用的には400以下が好ましく、200以下がより好ましい。さらに好ましくは50以下である。
【0051】
以上のような光学特性を有するための第2の接着層における紫外線吸収剤の詳細及び含有量などは、紫外線吸収層における紫外線吸収剤で説明したとおりであり、その説明は省略する。ただし、ガラス構成体において第2の接着層に使用する紫外線吸収剤は、紫外線吸収層に使用する紫外線吸収剤と異なってもよいし、同一であってもよい。また、第2の接着層の各紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収層における各紫外線吸収剤の含有量と同一であってもよいし、異なっていてもよい。さらに、紫外線吸収層において紫外線吸収剤を少なくとも2種(第1及び第2の紫外線吸収剤)使用する場合には、例えば第1の紫外線吸収剤を配合させずに、第2の紫外線吸収剤のみを配合させてもよい。
【0052】
(その他の添加剤)
紫外線吸収層及び第2の接着層それぞれは、更に赤外線吸収剤を含有してもよい。赤外線吸収剤を含有することにより、高い遮熱性を発揮することができる。赤外線吸収剤は、赤外線を遮蔽する性能を有すれば特に限定されないが、例えば、錫ドープ酸化インジウム粒子が好適である。
また、紫外線吸収層及び第2の接着層それぞれは、更に必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、接着力調整剤、顔料、染料、蛍光増白剤、結晶核剤等の添加剤を含有してもよい。
酸化防止剤は、特に限定されず、例えば、2,2−ビス[[[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]オキシ]メチル]プロパン−1,3−ジオール1,3−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−ジメチル−6,6’−ジ(tert−ブチル)[2,2’−メチレンビス(フェノール)]、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−ブチリデンビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)等が挙げられる。
また、結晶核剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンキシリトール、ジベンジリデンズルシトール、ジベンジリデンマンニトール、カリックスアレーンが挙げられる。結晶核剤は、熱可塑性樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が使用される場合、好適に使用される。
【0053】
[調光体]
本発明の調光体は、光エネルギー、電気エネルギー、熱エネルギーなどの各種エネルギーを付与することで、所定波長における透過率などの光学特性が変化するシート状ないし層状の部材であり、好ましくは電気エネルギーを付与することで光学特性が変化するものである。具体的には、調光体は、液晶層、及びエレクトロクロミック層のいずれかを含むことが好ましい。
【0054】
(液晶層)
液晶層は、液晶を含む層であり、例えばスペーサなどにより液晶を内部に充填するためのスペースが形成され、そのスペース内に液晶を充填しかつ封止したものが挙げられる。液晶としては、どのような方式のものでもよく、TN型であってもよいし、STN型でもよい。また、液晶層は、ポリマー分散型液晶(PDLC)により構成されてもよい。ポリマー分散型液晶としては、液晶層中にポリマーによりネットワーク構造が形成されたネットワーク液晶と呼ばれるものが挙げられる。また、液晶をマイクロカプセル化してバインダー樹脂中に分散させたマイクロカプセル型液晶(PDMLC)でもよい。PDMLCで使用するバインダー樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂が挙げられる。
【0055】
調光体は、例えば一対の透明電極を有し、透明電極間に液晶層が配置されることで液晶セルを構成する。また、液晶の種類によっては、電極と液晶層の間に配向膜などが設けられてもよい。ただし、PDLC、PDMLCなどにおいて配向膜は不要である。液晶層は、透明電極間に電圧が印加されると、液晶が一方向に配向して、調光体の厚さ方向に光が透過される。したがって、調光体が液晶層を有する場合、調光体、及びその調光体を有するガラス構成体は、電圧を印加したときに、光透過率が高くなり透明となる。一方で、電圧が印加されないと、調光体及びその調光体を有するガラス構成体は、光透過率が低くなり、例えば不透明となる。
【0056】
(エレクトロクロミック層)
エレクトロクロミック層は、エレクトロクロミック材料から構成される層である。エレクトロクロミック材料としては、エレクトロクロミック性を有する化合物であれば限定されず、無機化合物、有機化合物、混合原子価錯体のいずれであってもよい。
無機化合物としては、例えば、Mo、Ir、NiO、V、WO、TiO等が挙げられる。有機化合物としては、例えば、ポリピロール化合物、ポリチオフェン化合物、ポリパラフェニレンビニレン化合物、ポリアニリン化合物、ポリアセチレン化合物、ポリエチレンジオキシチオフェン化合物、金属フタロシアニン化合物、ビオロゲン化合物、ビオロゲン塩化合物、フェロセン化合物、テレフタル酸ジメチル化合物、テレフタル酸ジエチル化合物等が挙げられ、なかでも、ポリアセチレン化合物が好ましい。また、混合原子価錯体としては、例えば、プルシアンブルー型錯体(KFe[Fe(CN)]等)が挙げられる。
エレクトロクロミック層は、公知の方法で成膜することが可能であり、スパッタにより成膜してもよいし、エレクトロクロミック材料を希釈した溶液を塗布することで成膜してもよい。
【0057】
調光体は、エレクトロクロミック層を有する場合も、一対の透明電極を有し、その透明電極間にエレクトロクロミック層が配置されるとよい。エレクトロクロミック層は、透明電極間に電圧を印加することで、例えば特定の波長域の透過率が変化し、これにより、調光体は透明から不透明となったり、可視光が照射されたときの色調が変化したりする。したがって、例えば、電圧を印加しないときに無色透明とする一方で、電圧を印加したときに青、黄、緑、赤色などの色調を有するようにすることも可能になる。
【0058】
透明電極と、エレクトロクロミック層の間には、電解質層など、エレクトロクロミック層と併用される各種の層が設けられてもよい。電解質層は、必要に応じて、熱に応じて所定領域の透過率が変化するサーモクロミック性を有する物質などを含有してもよい。調光体は、サーモクロミック性を有する物質を含有することで、加熱、冷却によって特定の波長領域の透過率を変化させることが可能になる。
【0059】
調光体は、一般的に、樹脂フィルムなどからなる、一対の基材を有し、その一対の基材の間に、一対の透明電極、及び、エレクトロクロミック層又は液晶層が配置されるものである。また、調光体は、一方の樹脂フィルムが省略され、第2のガラスの上に一方の透明電極が直接設けられ、第2の接着層が省略されてもよい。
【0060】
本発明において調光体は、上記したように、電圧を印加するなどしてエネルギーを付与し、又は付与しないときに、透過率が高くなり透明となるが、そのように透過率が高くなったときの可視光線透過率が、70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上となる。このように調光体の可視光線透過率を高くすることで、ガラス構成体全体の光透過性も良好にしやすくなる。
【0061】
[ガラス板]
本発明のガラス板(第1及び第2のガラス板)としては、特に限定されず、一般に使用されている透明板ガラスを使用することができる。例えば、クリアガラス、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、赤外線吸収板ガラス、赤外線反射板ガラス、グリーンガラス等が挙げられる。
【0062】
(各層の厚さ)
本発明においては、紫外線吸収層の厚さに対する調光体の厚さの比が0.5〜10.5であることが好ましい。厚さ比を10.5以下とすることで、紫外線吸収剤の含有率を高くしなくても、長波長紫外領域(370〜400nm)における透過率を所望のものとすることが可能になる。また、厚さ比を0.5以上とすることで、紫外線吸収層が必要以上に厚くなることが防止され、ガラス構成体の透明性を高めやすくなる。
さらに、紫外線吸収層が熱可塑性樹脂を含有する場合には、厚さを上記範囲内とすることで、調光体を紫外線吸収層により第1のガラス板に適切に接着させることが可能になり、ガラス構成体の耐貫通性なども向上する。上記厚さの比は、より好ましくは0.6〜5.0である。
【0063】
また、第2の接着層の厚さに対する調光体の厚さの比は、0.5〜10.5が好ましい。厚さ比を上記範囲内とすることで、第2の接着層が必要以上に厚くなることが防止され、ガラス構成体の透明性を高めやすくなる。また、調光体を第2の接着層により第2のガラス板に適切に接着させることが可能になり、ガラス構成体の耐貫通性なども向上させることが可能になる。これら観点から、第2の接着層の厚さに対する調光体の厚さの比は、より好ましくは0.6〜5.0である。
【0064】
紫外線吸収層、第2の接着層、及び調光体の厚さは、厚さ比が上記範囲内となるように適宜調整すればよいが、紫外線吸収層の厚さは、好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1mm、さらに好ましくは0.2〜0.6mmである。また、第2の接着層の厚さは、好ましくは0.05〜1.5mm、より好ましくは0.1〜1mm、さらに好ましくは0.2〜0.6mmである。第2の接着層の厚さは、紫外線吸収層の厚さと同一であってもよいし、異なっていてもよい。
さらに、調光体の厚さは0.1〜4mmが好ましく、0.2〜1.5mmがより好ましく、0.3〜1.5mmがさらに好ましい。
なお、ガラス板の厚さは、特に限定されないが、例えば、0.1〜15mm程度、好ましくは0.5〜5mmである。
【0065】
本発明のガラス構成体は、可視光線透過率が55%以上であることが好ましい。可視光線透過率を55%以上とすると、ガラス構成体は、調光体を有しない合わせガラスと比べても遜色のない透明性を確保することが可能になる。また、ガラス構成体の可視光線透過率は、65%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましい。なお、ガラス構成体の可視光線透過率は、上記した調光体のときと同様に、透過率が高くなったときにこれら範囲内になればよい。
【0066】
[ガラス構成体の用途]
本発明のガラス構成体は、ガラス構成体の一方の面が太陽光が入射される屋外側に配置される用途で使用されることが好ましい。このような用途では、通常、第1のガラス板側が屋外側に配置されるとよいが、第2の接着層が上記した所定の光学特性(最大透過率、及び透過率の比)を有する場合には、第2のガラス板側が屋外側に配置されてもよい。
また、本発明のガラス構成体は、各種分野に使用可能であるが、自動車、電車、船舶などの各種乗り物、ビル、マンション、一戸建て、ホール、体育館などの各種建築物等の室外窓用に使用されることが好ましい。なお、室外窓とは、本明細書では、太陽光が入射される位置に配置される窓を意味する。したがって、室外窓は、通常、建築物の外面、乗り物の外面に配置されるものであるが、二重窓の内窓などでも、太陽光が入射される位置に配置されるならば、本明細書の室外窓に包含される。
また、ガラス構成体は、自動車においては、リアウィンドウ、サイドウィンドウ、ルーフウィンドウに使用することが好ましく、ルーフウィンドウに使用することが特に好まし い。ガラス構成体は、これら用途に使用する場合、電圧が印加されるなどして不透明となっても運転時の視界を阻害することがなく、好適に使用可能である。
【0067】
[ガラス構成体の製造方法]
本発明のガラス構成体は、2枚のガラス板(第1及び第2のガラス板)の間に、少なくとも紫外線吸収層、及び調光体を配置して、これらを圧着などすることで一体化することで製造すればよい。このとき、ガラス構成体は、さらに第2の接着層を有する場合には、2枚のガラス板の間に紫外線吸収層、調光体及び第2の接着層をこの順に配置してこれらを圧着などすることで一体化して製造すればよい。
また、第2の接着層を省略する場合には、第2のガラス板上にまず調光体を形成し、その第2のガラス板と、紫外線吸収層と、第1のガラス板とを重ね合わせて、これらを圧着などすることでガラス構成体を製造してもよい。
また、第1のガラス板上に紫外線吸収層を形成し、その第1のガラス板と、調光体と、第2のガラス板、或いは、その第1のガラス板と、調光体と、第2の接着層と、第2のガラス板とを重ね合わせて、圧着などすることでガラス構成体を製造してもよい。
【0068】
紫外線吸収層及び第2の接着層それぞれは、例えば、熱可塑性樹脂、紫外線吸収剤などのこれら層を構成する材料を混練し、得られた組成物を押出成形、プレス成形などして成形すればよい。このとき、可塑剤を使用する場合には、可塑剤に紫外線吸収剤を溶解させてこれらの混合物を得て、その混合物とポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂とを混練して組成物を作製してもよい。
また、紫外線吸収層が熱可塑性樹脂を含有しない場合などには、紫外線吸収剤などの紫外線吸収層を構成する材料を、第1のガラス板などに塗布して紫外線吸収層を形成してもよい。
【実施例】
【0069】
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0070】
[最大透過率、及び透過率の比]
分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて、下記(4)ガラス構成体の作製において調光体と第2の接着層を省いて、下記(4)ガラス構成体の作製に準じて作成したガラス構成体の透過率を測定し、厚さ2.5mmのクリアガラスによる透過率を差し引いて紫外線吸収層の透過率を算出した。なお、各透過率の測定においてはJIS R3202に準拠したクリアガラスを使用する。透過率は、1nmごとに測定して、370nm以上400nm以下の波長領域、及び400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率を求めた。また、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比も求めた。
[可視光線透過率]
紫外線吸収層、ガラス構成体、及び調光体の可視光線透過率は、JISR3106(1998)に準拠して分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて測定した。
[耐光性]
ガラス構成体に、JIS R 3205(1998)に準拠して、第1のガラス板側から紫外線照射装置を用いて紫外線を5000時間照射し、紫外線照射前後におけるΔE(色差)を測定した。なお、ΔEの測定はJIS K 8781−4(2013)に準拠して、分光光度計(日立ハイテク社製「U−4100」)を用いて測定し、ΔE(色差)を求めた。紫外線照射装置としてスガ試験機社製のSX−70を使用した。紫外線照射条件はブラックパネル温度63℃、槽内温度50℃、槽内湿度50%RHで、放射照度60W/mであり、放射照度測定波長は300から400nmであり、インナーフィルタは石英、アウターフィルターは#275の石英を使用した。
[耐貫通性]
ガラス構成体を、23℃、相対湿度50%の恒温恒湿の暗室にて48時間状態調節した。その後、JIS R 3212(1998)「自動車用安全ガラス試験方法」に準拠して、質量が2260gで直径が82mmの剛球を、5mの高さから合わせガラスに落下させ、衝撃後5秒以内に剛球が貫通するか否かを確認した。貫通しなかった場合をAとし、貫通した場合をBとした。
【0071】
各実施例、比較例の紫外線吸収層に使用した各化合物は、以下のとおりである。
(1)第1の紫外線吸収剤
インドール系化合物:
メタノール120mlに1−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−カルボアルデヒド23.5g(0.10mol)、及び、シアノ酢酸メチル11.9g(0.12mol)を加えた。次いで、ピペリジン2.5g(0.03mol)を加え、還流下6時間反応させ、室温まで冷却した後、析出した結晶を得た。得られた結晶を少量のアルコールで洗浄後、乾燥して、上記式(1)においてRがメチル基、Rがメチル基であるインドール系化合物の淡黄色結晶を30.9g得た。なお、得られたインドール化合物の融点は193.7℃、最大吸収極大が391nmであった。
ベンゾトリアゾール系化合物(1):TINUVIN CarboProtect(商品名.BASF社製)、化合物名「6−ブチル−2−[2−ヒドロキシ−3−(1−メチルー1−フェニルエチル)−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−ピロロ[3,4−f][ベンゾトリアゾール−5,7(2H,6H)−ジオン]」、最大吸収極大380nm
クマリン系化合物:Eusorb UV−1990(商品名.ユーテックケミカル社製) 、最大吸収極大384nm
(2)その他の化合物
ポリビニルブチラール樹脂:アセタール化度69モル%、水酸基量30モル%、アセチル化度1モル%、重合度1700
可塑剤:トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)
酸化防止剤:2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)
ベンゾトリアゾール系化合物(2):式(3)を満たすベンゾトリアゾール系化合物(Xは塩素原子、Rはメチル基、Rはtert−ブチル基)、商品名.Tinuvin 326、チバスペシャリティ・ケミカルズ社製、最大吸収極大353nm
ベンゾトリアゾール系化合物(3):式(3)を満たすベンゾトリアゾール系化合物(Xは塩素原子、Rは−CHCH−COO−C17によって表されるアルコキシカルボニルアルキル基、Rはtert−ブチル基)、商品名.Eversorb 109、Everlight Chemical社製、最大吸収極大350nm
ベンゾトリアゾール系化合物(4):式(3)を満たすベンゾトリアゾール系化合物(Xは塩素原子、Rは−CHCH−COO−CHによって表されるアルコキシカルボニルアルキル基、Rはtert−ブチル基)、商品名.Eversorb 88、Everlight Chemical社製、最大吸収極大352.5nm
ベンゾトリアゾール系化合物(5):2−(4−ブトキシ−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、商品名.DAINSORB T−53、大和化成社製、最大吸収極大345nm
TINUVIN 1600(商品名.BASF社製、最大吸収極大320nm)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂:酢酸ビニル含量28質量%
赤外線吸収剤:錫ドープ酸化インジウム粒子(以下、ITOと省略して記載することがある)
【0072】
[実施例1]
(1)紫外線吸収層の作製
紫外線吸収層中の含有量が、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)71.21質量%、可塑剤27.93質量%、酸化防止剤0.14質量%、第1の紫外線吸収剤としてインドール系化合物0.01質量%、及び第2の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(2)0.73質量%となるようにこれらを混合した。なお、可塑剤の含有量は、PVB100質量部に対して39.2質量部であった。混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚380μmの紫外線吸収層を作製した。なお、各化合物を混合するとき、接着力調整剤としての有機酸マグネシウム水溶液を、紫外線吸収層におけるMg濃度が65ppmとなるようにさらに添加した。
(2)第2の接着層の作製
インドール系化合物0.01質量%を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様にして第2の接着層を作製した。
【0073】
(3)調光体の作製
セパラブルフラスコにて、トルエン100質量部と、液晶(chisso Lixon JC5007LA)10質量部と、重合度が350のポリビニルブチラール10質量部とを均一に混合して液晶−ポリビニルブチラール溶液を調製した。得られた液晶−ポリビニルブチラール溶液を100rpmにて攪拌しながら、エタノール100質量部を1時間かけて滴下して、液晶マイクロカプセルの分散液を得た。
また、セパラブルフラスコにて、トルエン100質量部と、エタノール100質量部と、重合度が350のポリビニルブチラール40質量部と、可塑剤としてのトリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート20質量部とを均一に混合してポリビニルブチラール溶液を調製した。得られたポリビニルブチラール溶液50質量部と、液晶マイクロカプセルの分散液100質量部とを混合して混合溶液を得た。
得られた混合溶液を、離型処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥後の厚みが10μmとなるようにコーターで塗布し、120℃で10分間乾燥後、室温で離型フィルムを剥がし、調光フィルムを得た。
次いで、調光フィルムを、それぞれに透明電極としてITO(錫ドープ酸化インジウム)電極が印刷された2枚のPETフィルム(基材)で挟み込んで加熱圧着して調光体を得た。
【0074】
(4)ガラス構成体の作製
得られた紫外線吸収層及び第2の接着層を、23℃、相対湿度28%の恒温恒湿条件で4時間保持した。その後、透明なクリアガラス板(厚さ2.5mm)を2枚用意して、一方のクリアガラス板の上に、第2の接着層、調光体、紫外線吸収層及び他方のクリアガラス板をこの順に重ねて積層体とした。得られた積層体を、ゴムバッグ内に移し、ゴムバッグを吸引減圧系に接続し、外気加熱温度で加熱すると同時に−600mmHg(絶対圧力160mmHg)の減圧下で10分間保持し、積層体の温度(予備圧着温度)がそれぞれ60℃になるように加熱した後、大気圧に戻して仮圧着を行った。仮圧着された積層体を、オートクレーブ内で、温度140℃、圧力1.3MPaの条件下に10分間保持した後、50℃まで温度を下げ大気圧に戻すことにより本圧着を終了して、ガラス構成体を作製した。
第1のガラス板/紫外線吸収層/調光体/第2の接着層/第2のガラス板の層構成からなるガラス構成体を得た。
調光体及びガラス構成体は、透明電極間に電圧を印加しないと不透明であったが、12Vの電圧を印加すると、透明となった。
【0075】
[実施例2]
調光体として、STN液晶セルを使用した以外は、実施例1と同様に実施した。調光体及びガラス構成体は透明電極間に電圧を印加しないと不透明であったが、12Vの電圧を印加すると、透明となった。
【0076】
[実施例3]
紫外線吸収層中の含有量が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、酢酸ビニル含有量28%)99.0質量%、ジベンジリデンソルビトール0.26質量%、第1の紫外線吸収剤としてインドール系化合物0.01質量%、第2の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(2)0.73質量%となるようにこれらを混合した。混合物を二軸異方押出機により押出成形し、膜厚380μmの紫外線吸収層を作製した。また、インドール系化合物0.01質量%を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様にして第2の接着層を作製した。
【0077】
また、調光体としては、酸化バナジウムをスパッタにより薄膜にしてエレクトロクロミック層としたエレクロフィルムを使用した。エレクロフィルムにおいて、エレクトロクロミック層は、それぞれ透明電極としてのITO電極が印刷された、2枚のPETフィルム間に挟み込まれていた。
さらに、実施例1と同様のクリアガラスを用意し、実施例1と同様の手法により第1のガラス板/紫外線吸収層/調光体/第2の接着層/第2のガラス板の層構成からなるガラス構成体を得た。
調光体及びガラス構成体は、透明電極間に電圧を印加しないと透明であったが、12Vの電圧を印加すると青色となった。
【0078】
[実施例4]
紫外線吸収層及び第2の接着層の作製を以下のように行った以外は、実施例1と同様に実施した。得られた調光体及びガラス構成体は、透明電極間に電圧を印加しないと不透明であったが、12Vの電圧を印加すると、透明となった。
(1)紫外線吸収層の作製
紫外線吸収層中の含有量が、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)71.18質量%、可塑剤27.90質量%、酸化防止剤0.14質量%、第1の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(1)0.043質量%、及び第2の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(2)0.73質量%となるようにこれらを混合した。なお、可塑剤の含有量は、PVB100質量部に対して39.2質量部であった。混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚380μmの紫外線吸収層を作製した。なお、各化合物を混合するとき、接着力調整剤としての有機酸マグネシウム水溶液を、紫外線吸収層におけるMg濃度が65ppmとなるようにさらに添加した。
(2)第2の接着層の作製
ベンゾトリアゾール系化合物(1)0.043質量%を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様にして第2の接着層を作製した。
【0079】
[実施例5]
紫外線吸収層及び第2の接着層の作製を以下のように行った以外は、実施例2と同様に実施した。得られた調光体及びガラス構成体は、透明電極間に電圧を印加しないと不透明であったが、12Vの電圧を印加すると、透明となった。
(1)紫外線吸収層の作製 紫外線吸収層中の含有量が、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)71.2質量%、可塑剤27.91質量%、酸化防止剤0.14質量%、第1の紫外線吸収剤としてクマリン系化合物0.014質量%、及び第2の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(2)0.73質量%となるようにこれらを混合した。なお、可塑剤の含有量は、PVB100質量部に対して39.2質量部であった。混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚380μmの紫外線吸収層を作製した。なお、各化合物を混合するとき、接着力調整剤としての有機酸マグネシウム水溶液を、紫外線吸収層におけるMg濃度が65ppmとなるようにさらに添加した。
(2)第2の接着層の作製
クマリン系化合物0.01質量%を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様にして第2の接着層を作製した。
【0080】
[実施例6]
紫外線吸収層及び第2の接着層の作製を以下のように行った以外は、実施例3と同様に実施した。得られた調光体及びガラス構成体は、透明電極間に電圧を印加しないと透明であったが、12Vの電圧を印加すると青色となった。
(1)紫外線吸収層の作製
紫外線吸収層中の含有量が、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)88.5質量%、ジベンジリデンソルビトール0.26質量%、第1の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(1)0.043質量%、第2の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(2)0.73質量%となるようこれらを混合した。混合物を二軸異方押出機により押出成形し、膜厚380μmの紫外線吸収層を作製した。なお、EVAの酢酸ビニル含有量は28質量%であった。
(2)第2の接着層の作製
ベンゾトリアゾール系化合物(1)0.06質量%を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様にして第2の接着層を作製した。
【0081】
[比較例1]
紫外線吸収層中の含有量が、ポリビニルブチラール樹脂71.4質量%、可塑剤28質量%(PVB100質量部に対して39.2質量部)、酸化防止剤0.1質量%、第2の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(2)0.5質量%となるようにこれらを混合した。得られた混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚380μmの紫外線吸収層を作製した。また、紫外線吸収層と同様に第2の接着層を作製した。
さらに、実施例1と同様の調光体及びクリアガラスを用意し、実施例1と同様の手法により第1のガラス板/紫外線吸収層/調光体/第2の接着層/第2のガラス板の層構成からなるガラス構成体を得た。
調光体及びガラス構成体は、透明電極間に電圧を印加しないと不透明であったが、12Vの電圧を印加すると透明となった。
[比較例2]
紫外線吸収層、第2の接着層における配合を表1に示すように変更した以外は比較例1と同様に実施した。
【0082】
【表1】
【0083】
実施例1〜6では、紫外線吸収層が、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下で、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上であり、かつ、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上であった。そのため、耐光試験後でも色変化が実質的になく、太陽光により劣化しにくいガラス構成体を得ることができた。さらに、実施例1、2、4、5では調光体に電圧を印加したとき、また、実施例3、6では調光体に電圧を印加しないときに、ガラス構成体が無色透明となった。
それに対して、比較例1、2では、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%超で、かつ395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12未満であったため、耐光試験による色変化が見られ、太陽光により劣化しにくいガラス構成体は得られなかった。
【0084】
(実施例7〜19、比較例3〜7)
紫外線吸収層における、樹脂、可塑剤、酸化防止剤、第1の紫外線吸収剤及び第2の紫外線吸収剤の種類及び含有量を表2記載の値としたこと以外は実施例1と同様にして、ガラス構成体を作製した。
ただし、第2の接着層は、紫外線吸収層が第1の紫外線吸収剤を含まない場合には、紫外線吸収層と同様に作製し、紫外線吸収層が第1の紫外線吸収剤を含む場合には、第1の紫外線吸収剤を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様に作製した。
【0085】
【表2】
【0086】
実施例7〜19では、紫外線吸収層が、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下で、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上であり、かつ、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上であった。そのため、耐光試験後でも色変化が実質的になく、太陽光により劣化しにくいガラス構成体を得ることができた。さらに、実施例7〜19では調光体に電圧を印加したとき、ガラス構成体が無色透明となった。
それに対して、比較例3〜7では、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%超であるか、又は、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12未満であったため、耐光試験による色変化が見られ、太陽光により劣化しにくいガラス構成体は得られなかった。
【0087】
(実施例20)
(1)紫外線吸収層の作製
紫外線吸収層中の含有量が、PVB71.21質量%、可塑剤27.3質量%、赤外線吸収剤としてITO0.15質量%、酸化防止剤0.29質量%、第1の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(1)0.022質量%、及び第2の紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系化合物(2)0.58質量%となるようにこれらを混合した。混合物を二軸異方押出機により押出成形して、膜厚380μmの紫外線吸収層を作製した。なお、各化合物を混合するとき、接着力調整剤としての有機酸マグネシウム水溶液を、紫外線吸収層におけるMg濃度が65ppmとなるようにさらに添加した。
(2)第2の接着層の作製
ベンゾトリアゾール系化合物(1)0.022質量%を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様にして第2の接着層を作製した。
以降の手順は実施例1と同様にして、調光体及びガラス構成体を作製した。
【0088】
[実施例21、22]
紫外線吸収層における、樹脂、可塑剤、酸化防止剤、第1の紫外線吸収剤及び第2の紫外線吸収剤の種類及び含有量を表3記載の値に変更し、調光体として、STN液晶セルを使用した以外は、実施例20と同様に実施した。調光体及びガラス構成体は透明電極間に電圧を印加しないと不透明であったが、12Vの電圧を印加すると、透明となった。
【0089】
[実施例23〜30、比較例8〜14]
紫外線吸収層における、樹脂、可塑剤、酸化防止剤、第1の紫外線吸収剤及び第2の紫外線吸収剤の種類及び含有量を表3及び表4記載の値としたこと以外は実施例20と同様にして、ガラス構成体を作製した。
ただし、実施例21〜30、比較例8〜14において、第2の接着層は、紫外線吸収層が第1の紫外線吸収剤を含まない場合には、紫外線吸収層と同様に作製し、紫外線吸収層が第1の紫外線吸収剤を含む場合には、第1の紫外線吸収剤を含まないこと以外は各成分を同じ割合で混合して、紫外線吸収層と同様に作製した。
【0090】
【表3】
【0091】
【表4】
【0092】
実施例20〜30では、紫外線吸収層が、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%以下で、400nmより大きく420nm以下の波長領域における最大透過率が50%以上であり、かつ、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12以上であった。そのため、耐光試験後でも色変化が実質的になく、太陽光により劣化しにくいガラス構成体を得ることができた。さらに、実施例20〜30では調光体に電圧を印加したとき、ガラス構成体が無色透明となった。
それに対して、比較例8〜14では、370nm以上400nm以下の波長領域における最大透過率が10%超であるか、又は、395nmの透過率に対する405nmの透過率の比が12未満であったため、耐光試験による色変化が見られ、太陽光により劣化しにくいガラス構成体は得られなかった。
【符号の説明】
【0093】
10 ガラス構成体
11 第1のガラス板
12 第2のガラス板
13 調光体
14 紫外線吸収層(第1の接着層)
15 第2の接着層
図1
図2
【国際調査報告】