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再表2019-93096移動ロボット、及び、移動ロボットの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年5月16日
【発行日】2019年11月14日
(54)【発明の名称】移動ロボット、及び、移動ロボットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20191018BHJP
【FI】
   A47L9/28 Z
   A47L9/28 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2019-532817(P2019-532817)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年10月19日
(31)【優先権主張番号】特願2017-216922(P2017-216922)
(32)【優先日】2017年11月10日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】林 潔
(72)【発明者】
【氏名】廣田 照人
(72)【発明者】
【氏名】永田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】高岡 勇紀
(72)【発明者】
【氏名】岸 竜弘
(72)【発明者】
【氏名】陽 品駒
【テーマコード(参考)】
3B057
【Fターム(参考)】
3B057DA00
(57)【要約】
自律走行する移動ロボット(1)は、前面2を有する本体(10)と、本体(10)に配置され、本体(10)の走行を駆動する駆動部(15、16)と、バネ(33)を有し、バネ(33)を介して本体(10)と接続される基台(31)と、基台(31)の上部に配置される測距部(12)とを備え、基台(31)は、測距部(12)が本体(10)の内部に位置する第1状態、及び測距部(12)が本体(10)の外部に位置する第2状態に、移動可能に本体(10)に接続されており、バネ(33)は、本体(10)の前面(2)から本体(10)の外側に基台(31)を押す力を発生させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行する移動ロボットであって、
前面を有する本体と、
前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、
バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、
前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、
前記基台は、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態、及び前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態に、移動可能に前記本体に接続されており、
前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させる、
移動ロボット。
【請求項2】
前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに外部の物体が接触したときに、前記第1状態になり、
前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに前記外部の物体が接触していないときに、前記第2状態になる、
請求項1に記載の移動ロボット。
【請求項3】
前記移動ロボットは、
さらに、電源制御回路と電源とを備え、
前記外部の物体が充電器であり、
前記電源制御回路は、前記第1状態のときに、前記充電器を用いて、前記電源を充電する、
請求項2に記載の移動ロボット。
【請求項4】
前記移動ロボットは、
さらに、制御回路を備え、
前記レーザーレンジファインダは、
回転台と、
前記回転台上に配置される発光部と、
前記回転台上に配置される受光部と、
前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第1側面と、
前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第2側面とを有し、
前記発光部は、前記第1側面を介して前記レーザーレンジファインダの外部に光を出力し、
前記受光部は、前記レーザーレンジファインダの外部から前記第1側面を介して入射する光を受光し、
前記制御回路は、
前記第1状態において、前記回転台の回転を停止させ、
前記第2状態において、前記回転台を回転させる、
請求項1に記載の移動ロボット。
【請求項5】
前記本体は、前記前面に開口を有し、
前記レーザーレンジファインダは、さらに、前記回転台の回転角度を検出するセンサを有し、
前記制御回路は、
(a)前記第1状態において、前記センサから前記回転台の回転角度を取得し、
(b)前記第2側面が前記開口から見える位置で、前記回転台の回転を停止させる、
請求項4に記載の移動ロボット。
【請求項6】
自律走行する移動ロボットの制御方法であって、
前記移動ロボットは、
前面を有する本体と、
前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、
バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、
前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、
前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させ、
前記制御方法は、
前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態にするステップと、
前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態にするステップとを含む、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動ロボット、及び、移動ロボットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、清掃面を自律的に走行し、清掃面上に存在するごみを吸引する自律走行型掃除機が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2016/002186号
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、従来の自律走行型掃除機は、移動経路の設定について改善の余地がある。
【0005】
そこで、本開示は、より適切な移動経路を移動し得る移動ロボットを提供する。
【0006】
本開示の一態様に係る移動ロボットは、自律走行する移動ロボットであって、前面を有する本体と、前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、前記基台は、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態、及び前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態に、移動可能に前記本体に接続されており、前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させる。
【0007】
なお、この包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えばCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)などの不揮発性の記録媒体を含む。
【0008】
本開示の移動ロボットは、より適切な移動経路を移動することができる。本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態における掃除機と充電器との外観を模式的に示す上面図
図2図2は、実施の形態における掃除機と充電器との外観を模式的に示す側面図
図3図3は、実施の形態における、測距部が通常状態にある掃除機と、充電器との内部構造を模式的に示す上面図
図4図4は、実施の形態における、測距部が収納状態にある掃除機と、充電器との内部構造を模式的に示す上面図
図5図5は、実施の形態における掃除機の機能ブロックを示すブロック図
図6図6は、実施の形態における測距部の構造を模式的に示す側面図
図7図7は、実施の形態における、通常状態にある測距部の構造を模式的に示す上面図
図8図8は、実施の形態における、収納状態にある測距部の構造を模式的に示す上面図
図9図9は、実施の形態における読取部の構成を模式的に示す斜視図
図10図10は、実施の形態における掃除機の制御方法を示すフローチャート
図11図11は、実施の形態における帰還処理を詳細に示すフローチャート
図12図12は、実施の形態の変形例1における帰還処理を詳細に示すフローチャート
図13図13は、実施の形態の変形例2における掃除機の外観を模式的に示す上面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見)
本発明者は、「背景技術」の欄において記載した自律走行型掃除機に関し、以下の問題が生じることを見出した。
【0011】
従来の自律走行型掃除機は、超音波センサ又は赤外線センサを用いて移動経路の設定を行う。一方、移動体が光の送受信を用いて自己位置推定と地図作成とを同時に行うSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術がある。
【0012】
自律走行型掃除機がSLAM技術を搭載する場合、光の送受信を行うレーザーレンジファインダが汚れたり故障したりすると、SLAM技術が正常に機能せず、その結果、移動経路の設定が正常に実行されないという問題がある。
【0013】
このような問題を解決するために、本開示の一態様に係る移動ロボットは、自律走行する移動ロボットであって、前面を有する本体と、前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、前記基台は、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態、及び前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態に、移動可能に前記本体に接続されており、前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させる。
【0014】
上記態様によれば、移動ロボットは、第2状態においてバネによって本体の前面から押し出された基台に配置されたレーザーレンジファインダによって、周囲の物体との距離を取得できる。レーザーレンジファインダが本体の前面から押し出されていることで、前方向だけでなく、より広く、左右方向に存在する物体との距離を取得することができる。そして、移動ロボットは、このように取得した周囲の物体との距離を用いて、より適切な移動経路を決定できる。一方、移動ロボットは、第1状態においてレーザーレンジファインダが本体の内部に位置することで、周囲の物体との距離の取得を行わないときに、レーザーレンジファインダが周囲の物体と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性を低減できる。その結果、将来の第2状態において周囲の物体との距離の取得をより適切に行うことができる。また、移動ロボットは、レーザーレンジファインダが前面に設けられることによって、仮に上面に設けられる場合に移動ロボットの全高が増してソファなどの家具の下を走行することに支障が生ずることを回避できる。このように、移動ロボットは、より適切な移動経路を移動し得る。
【0015】
例えば、前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに外部の物体が接触したときに、前記第1状態になり、前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに前記外部の物体が接触していないときに、前記第2状態になってもよい。
【0016】
上記態様によれば、移動ロボットは、外部の物体が接触したか否かに応じて、基台が第1状態又は第2状態をとる。よって、移動ロボットは、より具体的な構成に基づいて基台の状態を変えることができ、その結果、より適切な移動経路を移動し得る。
【0017】
例えば、前記移動ロボットは、さらに、電源制御回路と電源とを備え、前記外部の物体が充電器であり、前記電源制御回路は、前記第1状態のときに、前記充電器を用いて、前記電源を充電してもよい。
【0018】
上記態様によれば、移動ロボットは、外部の物体としての充電器に接触して充電されるときに基台が第1状態になる。よって、移動ロボットは、充電されているときにレーザーレンジファインダが充電器と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性を低減できる。
【0019】
例えば、前記移動ロボットは、さらに、制御回路を備え、前記レーザーレンジファインダは、回転台と、前記回転台上に配置される発光部と、前記回転台上に配置される受光部と、前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第1側面と、前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第2側面とを有し、前記発光部は、前記第1側面を介して前記レーザーレンジファインダの外部に光を出力し、前記受光部は、前記レーザーレンジファインダの外部から前記第1側面を介して入射する光を受光し、前記制御回路は、前記第1状態において、前記回転台の回転を停止させ、前記第2状態において、前記回転台を回転させてもよい。
【0020】
上記態様によれば、移動ロボットは、第1状態においてレーザーレンジファインダの回転を停止させる。これにより、周囲の物体との距離の取得を行わないときに、レーザーレンジファインダが周囲の物体と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性をより一層低減できる。
【0021】
例えば、前記本体は、前記前面に開口を有し、前記レーザーレンジファインダは、さらに、前記回転台の回転角度を検出するセンサを有し、前記制御回路は、(a)前記第1状態において、前記センサから前記回転台の回転角度を取得し、(b)前記第2側面が前記開口から見える位置で、前記回転台の回転を停止させてもよい。
【0022】
上記態様によれば、移動ロボットは、レーザーレンジファインダが光を出射するのに使用しない面を前面の開口に向ける向きで、回転台の回転を停止させる。これにより、周囲の物体との距離の取得を行わないときに、レーザーレンジファインダが光を出射するのに使用する面が周囲の物体と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性をより一層低減できる。
【0023】
本開示の一態様に係る移動ロボットの制御方法は、自律走行する移動ロボットの制御方法であって、前記移動ロボットは、前面を有する本体と、前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させ、前記制御方法は、前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態にするステップと、前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態にするステップとを含む。
【0024】
これにより、上記移動ロボットと同様の効果を奏する。
【0025】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0026】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0027】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0028】
(実施の形態)
本実施の形態において、より適切な移動経路を移動し得る移動ロボットとしての掃除機1について説明する。
【0029】
図1及び図2は、それぞれ本実施の形態における掃除機1と充電器5との外観を模式的に示す上面図及び側面図である。図3及び図4は、それぞれ本実施の形態における、測距部12が通常状態及び充電状態にある掃除機1と充電器5との内部構造を模式的に示す上面図である。図5は、本実施の形態における掃除機1の機能ブロックを示すブロック図である。これらの図を参照しながら、掃除機1の動作を説明する。なお、下記説明において、各図面中に示されるXYZ座標軸を用いた説明を行うこともある。またZ軸プラス方向を上方向ともいう。
【0030】
掃除機1は、清掃面9上を自律走行し、清掃面9を清掃する。掃除機1は、自律的に自装置の走行経路を決定し、決定した走行経路に沿って移動しながら清掃面9上に存在するごみ等を吸引する。下面として清掃面9を有する空間を掃除空間ということもある。また、掃除機1は、自律的に充電器5の位置を把握し、充電器5に向かって進行し、充電器5と電気的に接続されることで充電される。充電器5に向かって進行することを帰還という。掃除機1は、清掃及び帰還の際には、原則として矢印Aに示される進行方向に進行する。掃除機1にとって矢印Aの方向を前方向ということもある。掃除機1は、清掃の際の走行経路の決定には、SLAM技術による自己位置推定と地図の作成を利用する。
【0031】
充電器5は、掃除機1を充電する。充電器5は、清掃面9上の所定の箇所に固定的に設置されている。充電器5には、外部の系統電源などから電力が供給され、供給された電力を掃除機1に供給することで充電する。
【0032】
図1図5に示されるように、掃除機1は、本体10と、測距部12とを備える。本体10は、受光部13a及び13bと、端子14と、車輪15a及び15bと、モータ16a及び16bと、吸引部17と、ごみ箱18と、制御回路19と、電源20とを備える。なお、受光部13a及び13bを受光部13ともいい、車輪15a及び15bを車輪15ともいい、モータ16a及び16bをモータ16ともいう。車輪15及びモータ16を駆動部ともいう。なお、駆動部には、車輪15及びモータ16に加えて、公知の駆動機構を含む。公知の駆動機構の一例は、車輪15に固定されるシャフトである。例えば、モータ16の回転により、シャフトを介して、車輪15を回転する動力が加わる。これにより、掃除機1を駆動することができる。また、モータ16により車輪15の角度を変更することができる。これにより、掃除機1の移動方向を変更することができる。
【0033】
本体10は、掃除機1の筐体である。本体10は、掃除機1の外郭を規定する。本体10は、上面視において略三角形の形状を有するが、どのような形状を採用してもよく、例えば、円形、四角形又は五角形等の形状を有してもよい。また、本体10の寸法は、例えば、X軸方向及びY軸方向それぞれにおいて30cm程度、Z軸方向において10cm程度であるが、これに限定されない。本体10の外面のうち、矢印Aに示される進行方向を向いている領域を前面2という。前面2には開口3が設けられている。本体10の筐体は、樹脂等である。本体10は、測距部12が収納され得る空間11を有する。言い換えると、本体10の内部に空間11を有する。
【0034】
測距部12は、掃除機1の周囲の物体と測距部12との離間距離を計測する。測距部12は、例えば光によって周囲の物体との距離を計測するレーザーレンジファインダ又はLiDAR(Light Detection and Ranging)装置により実現され得る。測距部12は、空間11内に配置される。
【0035】
測距部12は、本体10の前面2の開口3から露出して配置される。測距部12は、その上部に配置される発光部及び受光部を備えており、発光部が光を出射してから、その光が外部の物体に反射されて受光部に受光されるまでの時間を計測することで、測距部12から当該物体までの距離を計測する。測距部12が備える発光部及び受光部については、後で詳しく説明する。
【0036】
受光部13a及び13bは、充電器5の発光部53からの赤外線を受光するセンサである。受光部13aは、本体10の前面2における、進行方向に向かって左右中央より左側の所定の位置に、外部に露出するように配置されている。受光部13bは、本体10の前面2における、進行方向に向かって左右中央より右側の所定の位置に、外部に露出するように配置されている。受光部13a及び13bは、赤外線を受光すると、受光した赤外線の強度を示す情報を制御回路19に提供する。赤外線の強度を示す情報は、赤外線の強度値に限らず、受光の有無の情報を含む。受光の有無の情報は、所定の閾値以上の強度を有する赤外線を受光した場合の「受光有り」の情報と、所定の閾値より小さい強度を有する赤外線を受光した場合の「受光無し」の情報を含む。受光部13a及び13bは、掃除機1が充電器5に帰還する際に、掃除機1に対する充電器5の方向又は相対位置を取得するために用いられる。
【0037】
端子14は、充電器5の端子52に電気的に接続され、充電器5から電力を受電する。
【0038】
車輪15a及び15bは、掃除機1を移動させる車輪である。車輪15a及び15bは本体10に固定され、車輪15a及び15bの回転により、本体10が移動させる。車輪15aは、本体10の底面における、進行方向に向かって左右中央より左側の所定の位置に配置されている。車輪15bは、本体10の底面における、進行方向に向かって左右中央より右側の所定の位置に配置されている。車輪15a及び15bの回転は、それぞれモータ16a及び16bにより独立に制御される。車輪15a及び15bの材質は、ゴム又はナイロンなどである。
【0039】
モータ16a及び16bは、それぞれ、車輪15a及び15bの回転を制御する。モータ16aは、制御回路19による制御の下で、車輪15aを回転又は停止させる。モータ16bは、制御回路19による制御の下で、車輪15bを回転又は停止させる。
【0040】
吸引部17は、清掃面9上に存在するごみを吸引する。吸引部17は、本体10の底面に配置される吸引口(不図示)を通じて、ごみを空気とともに吸い込む。また、吸い込んだごみをごみ箱18に排出する。吸引部17の吸引動作は、制御回路19により制御される。
【0041】
ごみ箱18は、吸引部17が空気とともに吸引したごみを、フィルタによって分離して格納する格納スペースである。
【0042】
制御回路19は、掃除機1の各種機能を動作させて、掃除機1による清掃処理及び帰還処理を制御する制御装置である。制御回路19は、プロセッサがプログラムを実行することで実現され得る。
【0043】
制御回路19は、清掃処理の際には、測距部12によって掃除機1の周囲の物体との距離を取得し、SLAM技術に基づいて掃除機1の移動経路を決定してモータ16a及び16bを制御することで、掃除機1を走行させる。また、制御回路19は、帰還処理の際には、受光部13a及び13bによって充電器5の位置を取得し、充電器5に向かって進行する。また、制御回路19は、測距部12、より具体的には図6の回転台38の回転を制御する。
【0044】
電源20は、掃除機1の各構成要素に電力を供給する電源装置である。電源20は、電源20の本体である二次電池、言い換えれば充電可能な蓄電池と、電源20の本体の充放電を制御する電源制御回路20aとを有する。電源20の本体を充電することを、単に、電源20を充電する、ともいう。
【0045】
電源制御回路20aは、制御回路19による制御の下で電源20を充電するか否か、及び、電源20を放電をするか否かを制御する。より具体的には、電源制御回路20aは、基台31が収納状態にあるときに、充電器5を用いて電源20を充電する。電源20の本体である二次電池は、例えばリチウムイオン電池である。
【0046】
また、図1図5に示されるように、充電器5は、筐体51と、端子52と、発光部53とを備える。
【0047】
筐体51は、充電器5の外郭を規定する。筐体51の、充電状態において掃除機1の前面2と対向する面は、前面2に対応する形状を有していてもよい。筐体51の材質は、樹脂等である。
【0048】
端子52は、掃除機1の端子14に電気的に接続され、掃除機1に電力を供給する。端子52には、充電器5が外部から受電した電力が供給され、その電力が端子52を通じて掃除機1の端子14に供給される。
【0049】
発光部53は、赤外線を発光する光源であり、例えば発光ダイオードである。発光部53は、予め定められた点灯パターンで繰り返し点滅する。発光部53が発光した赤外線は、掃除機1の受光部13a及び13bによって受光され、掃除機1が充電器5に向かって進行するときに充電器5の位置を示す目印として利用される。なお、発光部53は、赤外線の代わりに可視光線又は紫外線などの光を用いてもよい。
【0050】
図6は、本実施の形態における測距部12の構造を模式的に示す側面図である。図7及び図8は、本実施の形態における上面視における、通常状態及び充電状態にある測距部12の構造を示す模式図である。
【0051】
図6図8に示されるように、測距部12は、基台31と、軸体32と、バネ33と、発光部34と、受光部35と、側面36及び37と、回転台38と、プーリ39と、モータ40と、磁石42と、ホールIC43とを備える。
【0052】
基台31は、発光部34及び受光部35などが載置される台である。基台31は、バネ33を介して本体10と接続される。基台31は、本体10に対して固定された軸体32を中心として回動可能に支持されている。基台31が軸体32回りに回動することで、測距部12を通常状態にさせたり、収納状態にさせたりする。基台31は上面視において、円形、楕円形又はドロップ形又はしずく形を有するがこれらに限定されない。
【0053】
より具体的には、基台31は、測距部12が本体10の内部に位置する第1状態と、測距部12が本体10の外部に位置する第2状態とに移動可能であり、言い換えれば第1状態と第2状態とを選択的に採り得る。
【0054】
第1の状態の一例は、後述する側面36が本体10の内部の空間11に位置する状態である。第2の状態の一例は、発光部53が180度以上の角度幅で光を出力する状態であって、かつ、その光の光路における、発光部53と掃除空間中に位置する物体との間の位置に、本体10つまり筐体の一部が位置しない状態をいう。例えば、光の角度は、上面視において、発光部53の発光面に対して垂直な方向を0度とし、発光面と平行な方向を90度及び−90度とする。つまり、第2の状態は、発光部53の発光面に対して垂直な方向から発光面に対して平行な方向まで、本体10つまり筐体の一部が位置しない状態である。
【0055】
なお、第1状態は、上面視において測距部12の体積のうちの8割以上が本体10の内部に収容される状態とし、第1状態を収納状態ともいう。また、第2状態は、上面視において測距部12の体積のうちの6割以上が本体10の外部に位置している状態とし、第2状態を通常状態ともいう。
【0056】
基台31は、基台31又は測距部12に外部の物体が接触していないときに通常状態になる。基台31は、バネ33の付勢力による力Fを受ける。基台31は、基台31又は測距部12に外部の物体が接触していないとき、言い換えれば、基台31に対して力Fだけが働く場合には、基台31は、力Fによって本体10における適切な位置に設けられた規制部材(不図示)に当たる位置まで移動して、その位置で停止する。図7は、このように停止した状態を示す。また、図7に示す停止状態を、測距部12の通常状態と表現する。
【0057】
一方、基台31は、基台31又は測距部12に外部の物体が接触したときに収納状態になる。基台31又は測距部12に外部の物体が接触すると、基台31が外部の物体から押されることによって、基台31を本体10内に移動させる力Gが働く。そのまま掃除機1が進行を続けると、基台31がさらに本体10内に移動し、最終的には、基台31のほぼ全部が本体10内に収納された状態に至る。このように収納された状態が図8に示されており、このとき、測距部12が収納状態にある、と表現する。外部の物体の一例は充電器5である。
【0058】
バネ33は、ねじりコイルバネであり、本体10の前面2から本体10の外側に基台31を押す力を発生させる。
【0059】
発光部34は、測距部12による測距のために光を出射する光源である。出射する光の光路を光路Lとして図示している。発光部34は、側面36を介して測距部12の外部に光を出力する。発光部34が出射する光にはレーザ光が用いられ得る。
【0060】
受光部35は、発光部34が出射した光の反射光を受光するセンサである。受光部35は、測距部12の外部から側面36を介して入射する光を受光する。受光部35が受光する反射光は、発光部34が出射した光が掃除機1の周囲の物体に当たって反射され、光路Lに沿って進む光である。
【0061】
なお、図6図8において説明の都合上、発光部34と受光部35とをXY面に沿った方向に並べて記載しているが、発光部34と受光部35との配置はこれに限定されない。また、測距部12は、発光部34が出射した光を光路Lに沿って進行させたり、光路Lに沿って進む反射光を受光部35に進行させたりするための光学系を備えるが、図示を省略している。
【0062】
側面36は、発光部34及び受光部35を囲むように配置される。側面36は、例えば、発光部34が出射する光を透過し、また、その反射光を透過する、透光性を有するカバー部材である。側面36の材質は、光を透過する材料、より具体的には例えばアクリル又はガラスなどである。側面36を第1側面ともいう。
【0063】
側面37は、発光部34及び受光部35を囲むように配置される。側面37は、例えば遮光性を有するカバー部材である。側面37を第2側面ともいう。
【0064】
回転台38は、基台31上に載置され、基台31の上面視における中心部を回転中心としてZ軸回りに、基台31に対して回転可能に支持されている。回転台38は、例えば1秒間に5回転の速度で回転する。回転台38には、発光部34と、受光部35と、側面36及び37とが載置されている。
【0065】
回転台38の回転は、制御回路19により行われる。具体的には、制御回路19は、基台31が通常状態にあるときに回転台38を回転させ、基台31が収納状態にあるときに回転台38の回転を停止させる。さらに、制御回路19は、基台31が収納状態にあるときに、ホールIC43から回転台38の回転角度を取得し、側面37が前面2の開口3から見える位置で、回転台38の回転を停止させる。
【0066】
プーリ39は、回転台38を回転させる。プーリ39は、ベルト41によって機械的に回転台38と接続されている。プーリ39は、上面視においてプーリ39の中心を通る軸体32を軸としてモータ40によって回転され、その回転をベルト41によって回転台38に伝えることによって、回転台38を回転させる。ベルト41の材質は、柔軟性を有し、かつ、伸縮性を有しない材料であり、具体的にはゴムなどである。
【0067】
モータ40は、制御回路19による制御の下で動作し、プーリ39を回転させる。
【0068】
磁石42及びホールIC43は、プーリ39の回転角度に基づいて、測距部12の向きを読み取るための読取部である。図9を参照しながら読取部の構成を説明する。
【0069】
図9は、本実施の形態における、測距部12の向きを読み取る読取部の構成を示す模式図である。ここで、測距部12の向きとは、例えば光路Lの向きにより表現される。
【0070】
磁石42は、周囲に磁場を生成する。磁石42は、プーリ39の上部に固定され、プーリ39と一体となって軸体32回りを回転する。磁石42は上面視において円形を有しており、中心から放射状に延びる4つの線によって4つの領域42a、42b、42c及び42dに区画されている。区画された4つの領域42a〜42dのそれぞれは、N極又はS極の極性を有し、隣接する区画では異なる極性を有するように、各領域が配置されている。磁石42は、プーリ39とともに回転すると、N、S、N、Sというように極性が異なる磁場を周囲に及ぼす。
【0071】
ホールIC43は、磁石42が及ぼす磁場を検出して出力する。ホールIC43は、磁石42が回転することによって及ぼされるN、S、N、Sというように極性が変化する磁場をホール素子43aにより検出し、検出した磁場の強度を示す情報を制御回路19に提供する。制御回路19は、ホールIC43から取得する磁場の極性に基づいて、回転台38の回転角度を取得する。回転台38の回転角度は、例えば、図7及び図8に示される基準方向Sと光路Lとで規定される角の角度θを採用し得る。ここで、基準方向Sは、方向Aと反対向きの方向である。このように、ホールIC43は、回転台38の回転角度を検出するセンサとして機能する。
【0072】
以上のように構成された掃除機1の処理について説明する。
【0073】
図10は、本実施の形態における掃除機1の制御方法を示すフローチャートである。図10に示される処理は、充電器5に接続されている掃除機1が、充電器5を離れて清掃をし、再び充電器5に接続されるまでの処理を示したものである。
【0074】
ステップS101において、制御回路19は、清掃を開始するための条件、つまり清掃開始条件が満たされたか否かを判定する。清掃開始条件は、例えば、予め清掃を開始する時刻としてユーザなどによって定められた時刻が到来したこと、ユーザにより清掃を開始する操作がなされたこと、などである。ステップS101で清掃開始条件が満たされたと判定した場合(ステップS101でYes)にはステップS102に進み、そうでない場合(ステップS101でNo)にはステップS101を再び実行する。つまり、制御回路19は、清掃開始条件が満たされるまで待ち状態をとる。
【0075】
ステップS102において、掃除機1は、清掃処理を行う。清掃処理では、制御回路19は、測距部12の発光部34及び受光部35を回転させることで掃除機1の周囲の物体との距離を計測し、掃除機1の移動経路を決定する。また、制御回路19は、吸引部17によってごみを吸引しながら、決定した移動経路をモータ16a及び16b並びに車輪15a及び15bを用いて走行する。
【0076】
ステップS103において、制御回路19は、清掃を終了するための条件、つまり清掃終了条件が満たされたか否かを判定する。清掃終了条件は、例えば、清掃面9の清掃を終えたこと、ユーザにより清掃を終了する操作がなされたこと、電源20の本体の充電残量が所定値以下になったこと、などである。ステップS103で清掃終了条件が満たされたと判定した場合(ステップS103でYes)にはステップS104に進み、そうでない場合(ステップS103でNo)にはステップS102を再び実行する。つまり、制御回路19は、清掃終了条件が満たされるまで清掃処理を継続して行う。
【0077】
ステップS104において、掃除機1は、帰還処理を行う。帰還処理の詳細については後で詳しく説明する。
【0078】
ステップS105において、掃除機1は、充電を開始する。このとき、制御回路19は、電源制御回路20aを制御することで、充電器5から端子14を通じて受ける電力を電源20の本体に充電させる。
【0079】
このようにして、掃除機1は、充電器5に接続されている状態から、充電器5を離れて清掃をし、再び充電器5に接続される。
【0080】
以降において、帰還処理を詳細に説明する。
【0081】
図11は、本実施の形態における帰還処理を詳細に示すフローチャートである。図11の開始時点において、掃除機1は清掃処理を終了して、これから帰還処理を行うところである。このとき測距部12は回転台38により回転しており、後述するステップS209で停止されるまで回転を継続する。
【0082】
ステップS201において、制御回路19は、掃除機1が所定の速度で進行するように、モータ16a及び16bによって車輪15a及び15bを所定時間駆動する。このとき、モータ16a及び16bの回転速度は同じであり、この回転速度を標準速度という。所定時間は、例えば0.1秒とし、以降でも同様とする。上記所定の速度は、例えば30cm/秒であるがこれに限定されない。標準速度は、掃除機1の所定の速度、車輪15a及び15bの径などを用いて算出可能である。
【0083】
ステップS202において、制御回路19は、受光部13aによる赤外線の受光強度が閾値以上であるか否かを判定する。閾値以上であると判定した場合(ステップS202でYes)には、ステップS203に進み、そうでない場合(ステップS202でNo)には、ステップS204に進む。なお、閾値は、例えば、受光部13aによる赤外線の受光強度の最大値の70%程度とすることができる。なお、受光部13が受光有無を出力する場合は、閾値は100%としても良い。
【0084】
ステップS203において、制御回路19は、所定時間、モータ16aを標準速度の半分の速度で回転させ、モータ16bを標準速度で回転させることで、車輪15a及び15bを駆動する。これにより、掃除機1の進行方向が微小な角度分だけ、進行方向に対して左に向く。なお、標準速度の半分とする代わりに、標準速度より小さな任意の速度としてもよい。以降においても同様とする。
【0085】
ステップS204において、制御回路19は、受光部13bによる赤外線の受光強度が閾値以上であるか否かを判定する。閾値以上であると判定した場合(ステップS204でYes)には、ステップS205に進み、そうでない場合(ステップS204でNo)には、ステップS206に進む。なお、受光部13bの受光強度についての閾値は、受光部13aの受光強度についての閾値と同様である。
【0086】
ステップS205において、制御回路19は、所定時間、モータ16aを標準速度で回転させ、モータ16bを標準速度の半分の速度で回転させることで、車輪15a及び15bを駆動する。これにより、掃除機1の進行方向が微小な角度分だけ、進行方向に対して右に向く。
【0087】
ステップS206において、制御回路19は、端子14が端子52に接続されたか否かを判定する。この判定は、例えば、端子14を通じて電力が供給されているか否かについての電源制御回路20aによる判定に基づいてなされる。端子14が端子52に接続されたと判定した場合(ステップS206でYes)、ステップS207に進み、そうでない場合(ステップS206でNo)、ステップS202を実行する。
【0088】
ステップS207において、制御回路19は、モータ16a及び16bの駆動を停止させる。これによって、掃除機1の移動が停止する。
【0089】
ステップS208において、制御回路19は、回転台38の回転角度を示す情報として図7に示される角度θを取得し、角度θが所定範囲内に含まれているか否かを判定する。ここで所定範囲内とは、側面37が開口3から外部に露出するようになる角度θの範囲をいい、言い換えれば、側面36が開口3から外部に露出しないようになる角度θの範囲をいう。角度θが所定範囲内に含まれる場合(ステップS208でYes)には、ステップS209に進み、そうでない場合(ステップS208でNo)には、ステップS208を再び実行する。ステップS208が再び実行されるときには、本ステップS208が実行されたときと比較して回転台38の回転角度が変化しているので、角度θが所定範囲内に含まれ得る。
【0090】
ステップS209において、制御回路19は、モータ40の回転を停止させることで、回転台38の回転を停止させる。
【0091】
以上の一連の処理により、掃除機1は、充電状態にある掃除機1が清掃をし、再び充電状態に至る。
【0092】
(実施の形態の変形例1)
本変形例では、実施の形態における帰還処理とは異なる方法による帰還処理の例を示す。図12は、本実施の形態の変形例1における帰還処理を詳細に示すフローチャートである。
【0093】
ステップS301において、制御回路19は、掃除機1が所定の速度で進行するように、モータ16a及び16bを標準速度で回転させる。
【0094】
ステップS302において、制御回路19は、受光部13aによる赤外線の受光強度と、受光部13bによる赤外線の受光強度とを比較する。受光部13bによる赤外線の受光強度の方が強い場合(ステップS302で「<」)にはステップS303に進み、受光部13aによる赤外線の受光強度の方が強い場合(ステップS302で「>」)にはステップS304に進み、両者が等しい場合(ステップS302で「=」)にはステップS305に進む。
【0095】
ステップS303において、制御回路19は、所定時間、モータ16aを標準速度で回転させ、モータ16bを標準速度の半分の速度で回転させることで、車輪15a及び15bを駆動する。これにより、掃除機1の進行方向が微小な角度分だけ、進行方向に対して右に向く。
【0096】
ステップS304において、制御回路19は、所定時間、モータ16aを標準速度の半分の速度で回転させ、モータ16bを標準速度で回転させることで、車輪15a及び15bを駆動する。これにより、掃除機1の進行方向が微小な角度分だけ、進行方向に対して左に向く。
【0097】
ステップS305において、制御回路19は、端子14が端子52に接続されたか否かを判定する。この判定は、実施の形態のステップS206の判定と同じである。端子14が端子52に接続されたと判定した場合(ステップS305でYes)、ステップS306に進み、そうでない場合(ステップS305でNo)、ステップS302を実行する。
【0098】
ステップS306〜S308は、それぞれ、実施の形態におけるステップS207〜S209と同じであるので説明を省略する。
【0099】
(実施の形態の変形例2)
本変形例では、実施の形態における掃除機1とは外観形状が異なる掃除機1Aについて説明する。
【0100】
図13は、本変形例における掃除機1Aの外観を模式的に示す上面図である。
【0101】
図13に示されるように、掃除機1Aは、本体10Aを備える。
【0102】
本体10Aは、掃除機1Aの外郭をなす。本体10Aは、上面視において円形状を有する。本体10Aの外面のうち、矢印Aに示される進行方向を向いている領域を前面2Aという。
【0103】
掃除機1Aは、本体10Aが円形状を有する点以外は、実施の形態の掃除機1と同様である。
【0104】
このような形状の掃除機1Aも、実施の形態の掃除機1と同様に、より適切な移動経路を移動し得る。
【0105】
以上のように、上記実施の形態及び変形例に係る掃除機である移動ロボットは、第2状態においてバネによって本体の前面から押し出された基台に配置されたレーザーレンジファインダによって、周囲の物体との距離を取得できる。レーザーレンジファインダが本体の前面から押し出されていることで、前方向だけでなく、より広く、左右方向に存在する物体との距離を取得することができる。そして、移動ロボットは、このように取得した周囲の物体との距離を用いて、より適切な移動経路を決定できる。一方、移動ロボットは、第1状態においてレーザーレンジファインダが本体の内部に位置することで、周囲の物体との距離の取得を行わないときに、レーザーレンジファインダが周囲の物体と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性を低減できる。その結果、将来の第2状態において周囲の物体との距離の取得をより適切に行うことができる。また、移動ロボットは、レーザーレンジファインダが前面に設けられることによって、仮に上面に設けられる場合に移動ロボットの全高が増してソファなどの家具の下を走行することに支障が生ずることを回避できる。このように、移動ロボットは、より適切な移動経路を移動し得る。
【0106】
また、移動ロボットは、外部の物体が接触したか否かに応じて、基台が第1状態又は第2状態をとる。よって、移動ロボットは、より具体的な構成に基づいて基台の状態を変えることができ、その結果、より適切な移動経路を移動し得る。
【0107】
また、移動ロボットは、外部の物体としての充電器に接触して充電されるときに基台が第1状態になる。よって、移動ロボットは、充電されているときにレーザーレンジファインダが充電器と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性を低減できる。
【0108】
また、移動ロボットは、第1状態においてレーザーレンジファインダの回転を停止させる。これにより、周囲の物体との距離の取得を行わないときに、レーザーレンジファインダが周囲の物体と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性をより一層低減できる。
【0109】
また、移動ロボットは、レーザーレンジファインダが光を出射するのに使用しない面を前面の開口に向ける向きで、回転台の回転を停止させる。これにより、周囲の物体との距離の取得を行わないときに、レーザーレンジファインダが光を出射するのに使用する面が周囲の物体と接触するなどして汚れたり故障したりする可能性をより一層低減できる。
【0110】
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0111】
以上、一つまたは複数の態様に係る移動ロボットなどについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示は、より適切な移動経路を移動し得る、自律走行する掃除機に利用可能である。
【符号の説明】
【0113】
1、1A 掃除機
2、2A 前面
3 開口
5 充電器
9 清掃面
10、10A 本体
11 空間
12 測距部
13、13a、13b、35 受光部
14、52 端子
15、15a、15b 車輪
16、16a、16b、40 モータ
17 吸引部
18 ごみ箱
19 制御回路
20 電源
20a 電源制御回路
31 基台
32 軸体
33 バネ
34、53 発光部
36、37 側面
38 回転台
39 プーリ
41 ベルト
42 磁石
42a、42b、42c、42d 領域
43 ホールIC
43a ホール素子
51 筐体
L 光路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13

【手続補正書】
【提出日】2019年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律走行する移動ロボットであって、
前面を有する本体と、
前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、
バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、
前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、
前記基台は、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態、及び前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態に、移動可能に前記本体に接続されており、
前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させ
さらに、制御回路を備え、
前記レーザーレンジファインダは、
回転台と、
前記回転台上に配置される発光部と、
前記回転台上に配置される受光部と、
前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第1側面と、
前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第2側面とを有し、
前記発光部は、前記第1側面を介して前記レーザーレンジファインダの外部に光を出力し、
前記受光部は、前記レーザーレンジファインダの外部から前記第1側面を介して入射する光を受光し、
前記制御回路は、
前記第1状態において、前記回転台の回転を停止させ、
前記第2状態において、前記回転台を回転させる、
移動ロボット。
【請求項2】
前記本体は、前記前面に開口を有し、
前記レーザーレンジファインダは、さらに、前記回転台の回転角度を検出するセンサを有し、
前記制御回路は、
(a)前記第1状態において、前記センサから前記回転台の回転角度を取得し、
(b)前記第2側面が前記開口から見える位置で、前記回転台の回転を停止させる、
請求項に記載の移動ロボット。
【請求項3】
前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに外部の物体が接触したときに、前記第1状態になり、
前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに前記外部の物体が接触していないときに、前記第2状態になる、
請求項1又は2に記載の移動ロボット。
【請求項4】
自律走行する移動ロボットであって、
前面を有する本体と、
前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、
バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、
前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、
前記基台は、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態、及び前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態に、移動可能に前記本体に接続されており、
前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させ、
さらに、電源制御回路と電源とを備え、
外部の物体が充電器であり、
前記電源制御回路は、前記第1状態のときに、前記充電器を用いて、前記電源を充電する、
移動ロボット。
【請求項5】
前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに前記外部の物体が接触したときに、前記第1状態になり、
前記基台は、前記基台又は前記レーザーレンジファインダに前記外部の物体が接触していないときに、前記第2状態になる、
請求項4に記載の移動ロボット。
【請求項6】
自律走行する移動ロボットの制御方法であって、
前記移動ロボットは、
前面を有する本体と、
前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、
バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、
前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダと
制御回路とを備え、
前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させ、
前記レーザーレンジファインダは、
回転台と、
前記回転台上に配置される発光部と、
前記回転台上に配置される受光部と、
前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第1側面と、
前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第2側面とを有し、
前記制御方法は、
前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態にするステップと、
前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態にするステップと
前記発光部によって、前記第1側面を介して前記レーザーレンジファインダの外部に光を出力し、
前記受光部によって、前記レーザーレンジファインダの外部から前記第1側面を介して入射する光を受光し、
前記制御回路によって、
前記第1状態において、前記回転台の回転を停止させ、
前記第2状態において、前記回転台を回転させる、
制御方法。
【請求項7】
前記本体は、前記前面に開口を有し、
前記レーザーレンジファインダは、さらに、前記回転台の回転角度を検出するセンサを有し、
前記制御回路によって、
(a)前記第1状態において、前記センサから前記回転台の回転角度を取得し、
(b)前記第2側面が前記開口から見える位置で、前記回転台の回転を停止させる、
請求項6に記載の制御方法。
【請求項8】
自律走行する移動ロボットの制御方法であって、
前記移動ロボットは、
前面を有する本体と、
前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、
バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、
前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダと、
電源制御回路と、
電源とを備え、
前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させ、
前記制御方法は、
前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態にするステップと、
前記基台を、前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態にするステップとを含み、
外部の物体が充電器であり、
前記電源制御回路によって、前記第1状態のときに、前記充電器を用いて、前記電源を充電する、
制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示の一態様に係る移動ロボットは、自律走行する移動ロボットであって、前面を有する本体と、前記本体に配置され、前記本体の走行を駆動する駆動部と、バネを有し、前記バネを介して前記本体と接続される基台と、前記基台の上部に配置されるレーザーレンジファインダとを備え、前記基台は、前記レーザーレンジファインダが前記本体の内部に位置する第1状態、及び前記レーザーレンジファインダが前記本体の外部に位置する第2状態に、移動可能に前記本体に接続されており、前記バネは、前記本体の前面から前記本体の外側に前記基台を押す力を発生させ、さらに、制御回路を備え、前記レーザーレンジファインダは、回転台と、前記回転台上に配置される発光部と、前記回転台上に配置される受光部と、前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第1側面と、前記回転台上に、前記発光部及び前記受光部を囲むように配置される第2側面とを有し、前記発光部は、前記第1側面を介して前記レーザーレンジファインダの外部に光を出力し、前記受光部は、前記レーザーレンジファインダの外部から前記第1側面を介して入射する光を受光し、前記制御回路は、前記第1状態において、前記回転台の回転を停止させ、前記第2状態において、前記回転台を回転させる
【国際調査報告】