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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年5月23日
【発行日】2020年12月24日
(54)【発明の名称】自走式電子機器の車輪支持構造
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/00 20060101AFI20201127BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20201127BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20201127BHJP
   G05D 1/02 20200101ALN20201127BHJP
【FI】
   B60B33/00 X
   B60B33/00 R
   A47L9/28 E
   A47L9/00 102Z
   G05D1/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2019-553682(P2019-553682)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年2月21日
(31)【優先権主張番号】特願2017-221092(P2017-221092)
(32)【優先日】2017年11月16日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(72)【発明者】
【氏名】矢戸 佑毅
【テーマコード(参考)】
3B006
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B006KA01
3B006KA02
3B006KA06
3B057DE06
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301GG10
5H301LL01
5H301LL07
(57)【要約】
小型化が可能であり、かつ段差乗り越え性能を向上することができる自走式電子機器を提供すること。
筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体内に固定されて前記駆動輪を直線方向に変位可能に支持する支持部と、前記駆動輪を鉛直線に対して傾斜した前記直線方向かつ前記筐体の底部側へ付勢する付勢部材とを備えたことを特徴とする自走式電子機器の車輪支持構造。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体内に固定されて前記駆動輪を直線方向に変位可能に支持する支持部と、前記駆動輪を鉛直線に対して傾斜した前記直線方向かつ前記筐体の底部側へ付勢する付勢部材とを備えたことを特徴とする自走式電子機器の車輪支持構造。
【請求項2】
前記直線方向は、下方へ向かうにつれて前記筐体の進行方向側へ傾斜する方向である請求項1に記載の車輪支持構造。
【請求項3】
前記支持部は、前記筐体の前記底部に固定される固定部と、前記駆動輪を前記直線方向にスライド可能に前記固定部に連結する連結軸部とを有し、
前記固定部は、前記連結軸部を前記直線方向にスライドさせる挿通孔を有し、
前記連結軸部は、前記駆動輪と連結する一端部と、前記固定部の前記挿通孔を挿通した他端部に設けられた抜け止め部とを有し、
前記付勢部材は、前記連結軸部が挿入され、かつ前記支持部の前記固定部と前記駆動輪との間に配置された圧縮バネである請求項1または2に記載の車輪支持構造。
【請求項4】
前記連結軸部が非円形の横断面形状を有する請求項3に記載の車輪支持構造。
【請求項5】
前記連結軸部が、互いに前記直線方向に平行に配置された第1連結軸部および第2連結軸部を有する請求項3に記載の車輪支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式電子機器の車輪支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自走式電子機器として、例えば特許文献1には、前後の車体フレームと、各車体フレームを支持する複数のキャスタ車輪と、前後の車体フレームの間に設けられた左右のフレームと、左右のフレームを支持する一対の駆動輪とを備えた自走式搬送車が開示されている。
【0003】
この自走式搬送車において、各フレームは、前後の車体フレームの一方に左右方向の揺動軸を介して揺動可能に連結されると共に、他方の車体フレームに連結軸を介して上下方向に揺動可能に連結されている。
さらに、各連結軸を挿通させる圧縮バネが各車体フレームと各フレームの間に設けられており、圧縮バネにてフレームを介して駆動輪を下方へ付勢するよう構成されている。
【0004】
この自走式搬送車によれば、床面などの走行に際して、その床面に凹凸が存在した場合は、その凹凸に応じて駆動輪が揺動軸廻りで昇降して、駆動輪が凹凸面に倣って駆動回転するとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−286337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の自走式搬送車は、駆動輪を支持する構造が前後方向に広いスペースを必要とするため、この車輪支持構造では自走式搬送車を小型化するのに不向きであった。
また、駆動輪が支軸を中心に上下方向に揺動するようフレームにて支持された構造であるため、段差を乗り越えることができない場合があった。
つまり、この自走式搬送車が段差を乗り越える際、まず前進側の車体フレームのキャスタ車輪が段差を乗り越え、そして駆動輪が段差に接近して乗り越えようとする。このとき、前方のキャスタ車輪が段差に乗り上がっているためフレームは傾いており、傾いたフレームと床面との間の距離が広がって駆動輪が床面に向けて突出するが、駆動輪が床面に向かってほぼ垂直方向に突出するため、駆動輪が段差に引っ掛かりやすく、段差を乗り越えることができない場合があった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、小型化が可能であり、かつ段差乗り越え性能を向上することができる自走式電子機器の車輪支持構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かくして、本発明によれば、筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体内に固定されて前記駆動輪を直線方向に変位可能に支持する支持部と、前記駆動輪を鉛直線に対して傾斜した前記直線方向かつ前記筐体の底部側へ付勢する付勢部材とを備えた自走式電子機器の車輪支持構造が提供される。
【発明の効果】
【0009】
左右方向の揺動軸を中心に上下方向に揺動可能に駆動輪を支持する従来の車輪支持構造では、揺動軸から駆動輪の中心までの間に前後方向の間隔がある程度必要であるため、筐体内において車輪支持構造を収納する前後方向のスペースを広くする必要があり、それに伴って自走式搬送車の前後方向寸法が長くなってしまう。これに対し、本発明では、従来のように駆動輪を揺動させるのではなく、駆動輪が鉛直線に対して傾斜した直線方向かつ筐体の底部側へ付勢されて変位することができるため、車輪支持構造を収納する前後方向のスペースを小さくすることができ、自走式電子機器の前後方向寸法を短くして小型化することが可能となる。
また、駆動輪を鉛直線に対して傾斜した直線方向に変位させることができるため、段差乗り越え性能を向上させることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る車輪支持構造を備えた自走式電子機器の外観斜視図である。
図2図1に示す自走式電子機器の底面図である。
図3図1に示す自走式電子機器の前後方向に沿った垂直断面図である。
図4】実施形態1の車輪支持構造の説明図であって(A)は床面走行時の状態、(B)は段差乗り越え時の状態を示す。
図5】実施形態1の自走式電子機器の走行状態の説明図であって(A)は段差接近時、(B)は段差接触時を示す。
図6】実施形態1の自走式電子機器の走行状態の説明図であって(A)は段差乗り越え第1段階、(B)は段差乗り越え第2段階を示す。
図7】実施形態2の車輪支持構造の説明図であって(A)は床面走行時の状態、(B)は段差乗り越え時の状態を示す。
図8】実施形態3の自走式電子機器における床面走行時の状態を示す説明図である。
図9】実施形態4の自走式電子機器における床面走行時の状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る自走式電子機器として、図面を用いた以下の実施形態では自走式掃除機の場合を例示するが、本発明の自走式電子機器は自走式掃除機に限定されるものではない。
【0012】
(実施形態1)
図1は本発明に係る車輪支持構造を備えた自走式電子機器の外観斜視図であり、図2図1に示す自走式電子機器の底面図であり、図3図1に示す自走式電子機器の前後方向に沿った垂直断面図である。また、図4は実施形態1の車輪支持構造の説明図であって(A)は床面走行時の状態、(B)は段差乗り越え時の状態を示す。
【0013】
<自走式掃除機の構成>
図1図3に示すように、実施の形態1に係る車輪支持構造を備えた自走式掃除機1は、平盤形の筐体2を備える。なお、実施の形態1の場合、筐体2は円盤形であるが、これに限定されず、例えば平面視の形状が楕円形状あるいは多角形状であってもよい。
筐体2は、円形に形成された天板を含む。天板は、その前部を構成する天板前部2b1と、中間部から後部に亘って構成する蓋部2b2から構成され、蓋部2b2は天板前部2b1との境界側の側部に配置された図示しないヒンジ部を支点にして上方へ開く。天板前部2b1の前端部には、内部に配置された回路基板(不図示)の熱を逃がす複数の空気孔2b11が形成されている。
【0014】
また、筐体2は環状に形成された側板および底板2aを含む。また、図3に示すように筐体2は内部構造壁2dを含む。
底板2aは、その前端部2a1が前方へ向かって上昇する湾曲面または傾斜面となっている(図3図5(A)参照)。
【0015】
側板は、それぞれ円弧形の側板前半部2c1と側板後半部2c2とから構成される。側板前半部2c1はバンパーとして機能するよう、図示しない弾発部材を介して内部構造壁2dに対して移動可能に嵌め合わされている。側板前半部2c1には、側板前半部2c1の衝突を検出する障害物接触センサ(不図示)が内部に設けられている。さらに、側板前半部2c1には、前方および左右斜め前方の3箇所に超音波受信部14Aが配置されると共に、3箇所の超音波受信部14Aの間の2箇所に超音波送信部14Bが配置されている。
さらに、筐体2の前部表面の外部から視認できる位置に誘導信号受信部24および充電用接続部13が設けられている。
【0016】
筐体2は、底部の底板2aに設けられた吸込口31と、後部の斜め上方に設けられた排気口32とを有し、筐体2の内部には集塵部15および電動送風機(不図示)が配置されている。集塵部15は、室内の塵埃を集める部分であり、集塵容器15aと、集塵フィルター15bとを備える。集塵容器15aには、吸込口31と連通する流入路に通じる流入口と、電動送風機(不図示)と連通するダクト部114に通じる排気口とが形成されている。
【0017】
自走式掃除機1の底面の前半部には、吸込口31の奥に配置された回転ブラシ9と、吸込口31の左右斜め前方に配置されたサイドブラシ10と、吸込口31の左右斜め後方位置に配置された駆動輪(左駆動輪22Lおよび右駆動輪22R)を含む駆動輪ユニット(図4参照)とが設けられている。なお、駆動輪の下部は筐体2の底板2aに設けられた左右の孔部2a11を通して外部へ突出している。
【0018】
回転ブラシ9およびサイドブラシ10は、ブラシモータ(不図示)によって駆動され回転する。また、底面の後半部の左右方向における中間位置には回動自在な後輪26が設けられている。後輪26の車輪は回転自在である。なお、図2図3においては、後輪26が前方へ180°回動した状態を二点差線で記している。
【0019】
自走式掃除機1は、筐体2の底部における前後方向の前端部および後端部、並びに左右のサイドブラシ10の軸心位置の合計4カ所にそれぞれ配置された床面検出センサ18を有している。
また、自走式掃除機1の前半部には回路基板11Sが配置され、後半部には充電池12およびイオン発生器120が配置されている。
【0020】
自走式掃除機1は、設置された場所の床面を自走しながら、床面(走行面)上の塵埃を含む空気を吸い込み、塵埃を除去した空気を排気することにより床面上を掃除する。自走式掃除機1は、障害物検出部としての超音波受信部14Aにより検出された障害物を自律的に回避して走行すると共に、床面検知センサ18にて床面より低い段差を検知して段差を自律的に回避して走行する。そして、自走式掃除機1は、掃除が終了すると自律的に図示しない充電台に帰還する機能を有する。
【0021】
<車輪支持構造>
図4は実施形態1の車輪支持構造の説明図であって(A)は床面走行時の状態、(B)は段差乗り越え時の状態を示す。また、図5は実施形態1の自走式電子機器の走行状態の説明図であって(A)は段差接近時、(B)は段差接触時を示す。また、図6は実施形態1の自走式電子機器の走行状態の説明図であって(A)は段差乗り越え第1段階、(B)は段差乗り越え第2段階を示す。なお、図4図6では、左側の駆動輪ユニットを示している。
【0022】
図2図5に示すように、実施形態1の自走式掃除機1は、筐体2内の底板2aに固定されて左右の駆動輪22L、22Rを含む駆動輪ユニット20L(右の駆動輪ユニットは不図示)をそれぞれ直線方向(矢印A方向)に変位可能に支持する左右の支持部30L(右の支持部は不図示)と、左右の駆動輪ユニット20Lをそれぞれ直線方向(矢印A方向)かつ筐体2の底部(底板2a)側へ付勢する左右の付勢部材40(右の付勢部材は不図示)とを含む左右の車輪支持構造を備える。
【0023】
以下、左側の車輪支持構造3Lについて説明するが、左右の車輪支持構造は自走式掃除機1の前後方向の中心線P(図2参照)に対して対称的な構造であるため、右側の車輪支持構造についての説明は省略する。
【0024】
図4(A)と(B)に示すように、支持部30Lは、筐体2の底部に固定される固定部31と、左駆動輪22Lを前記直線方向(矢印A方向)にスライド可能に固定部31に連結する前記連結軸部32とを有する。
固定部31は、外周リブを有する板状部材であり、直立状態を維持するようにその下端部が筐体2の底板2aに固定されている。なお、固定部31の外周リブを筐体2の前記内部構造壁2d(図3参照)に固定してもよい。
【0025】
固定部31において、外周リブの一部は上方へ突出した側面視L形部分を有する連結用リブ31aとして設けられている。
この連結用リブ31aは、固定部31の外周リブの傾斜した端縁部から前記直線方向(矢印A方向)と平行に上方へ突出する第1辺部31a1と、第1辺部21a1に直角に隣接する第2辺部31a2と、第2辺部31a2を垂直に貫通する筒形ガイド部31a3とを有する。この筒形ガイド部31a3は横断面正方形の挿通孔を有しており、筒形ガイド部31a3に支持部30Lの後述する連結軸部32が前記直線方向(矢印A方向)にスライド可能に挿通される。
【0026】
連結軸部32は、横断面正方形の軸であり、その一端部(下端部)が後述の駆動輪ユニット20Lのケーシング21のボス部21b3と連結すると共に、固定部31の筒形ガイド部31a3の挿通孔を挿通した他端部(上端部)にはフランジ形の抜け止め部32aが設けられている。
【0027】
左駆動輪ユニット20Lは、前記左駆動輪22Lと、左駆動輪22Lを左右方向の支軸Cを介して回転可能に保持するケーシング21と、正逆回転可能な出力軸を有するケーシング21に取り付けられた駆動モータ23と、駆動モータ23の出力軸の回転力を左駆動輪22Lに伝達して回転させるケーシング21内に設けられた回転力伝達機構(不図示)とを備える。
【0028】
左駆動輪22Lは、ホイール22L1と、ホイール22L1の中心孔に固定された前記支軸Cと、ホイール22L1の外周部に嵌め込まれたゴムタイヤ22L2とを有する。なお、ゴムタイヤ22L2の外周部には凹凸パターン(図2図3参照)が形成されており、図4図6では凹凸パターンの図示を省略している。
【0029】
ケーシング21は、左駆動輪22Lの支軸Cを支持する一端部(下端部)と、駆動モータ23を支持する他端部(上端部)21aと、一端部と他端部21aとの間の上部傾斜面に上方へ突出して設けられた側面視L形の連結用リブ21bとを備える。
【0030】
連結用リブ21bは、ケーシング21の上部傾斜面から前記直線方向(矢印A方向)に突出する第1辺部21b1と、第1辺部21b1に直角に隣接する第2辺部21b2と、第2辺部21b2の外面に突設されたボス部21b3とを有する。このボス部21b3は横断面正方形の凹部を有しており、ボス部21b3に支持部30Lの前記連結軸部32の下端部が嵌め込まれて抜け止めされている。
【0031】
ケーシング21内に設けられた回転力伝達機構(不図示)は、例えば、ケーシング21内に突出する駆動モータ23の出力軸に固定された出力ギアと、ケーシング21内に突出する左駆動輪22Lの支軸に固定された入力ギアと、ケーシング21内に回転可能に設けられて出力ギアおよび入力ギアと噛合する1つ以上の伝達ギアとを有する構成とされる。あるいは、回転力伝達機構は、ケーシング21内に突出する駆動モータ23の出力軸に固定された第1の溝付きプーリと、ケーシング21内に突出する左駆動輪22Lの支軸に固定された第2の溝付きプーリと、第1と第2の溝付きプーリの間に張架されたタイミングベルトとを有する構成とされる。なお、回転力伝達機構にて駆動モータ23の出力軸の回転速度を減速するように構成してもよく、あるいは駆動モータ23が回転速度を調整できるものであってもよい。
【0032】
付勢部材40は、連結軸部32が挿入され、かつ支持部30Lの固定部31と駆動輪ユニット20Lのケーシング21のボス部21b3との間に配置された圧縮バネである。なお、 付勢部材40は、連結軸部32の抜け止め部32aと固定部31の筒形ガイド部31a3との間に配置され、かつ抜け止め部32aと筒形ガイド部31a3とに両端部が連結された引っ張りバネであってもよい。
【0033】
このように支持部30Lと駆動輪ユニット20Lと付勢部材40とが構成されて組み付けられた車輪支持構造3Lによれば、支持部30Lの連結軸部32は固定部31に対して直線方向(矢印A方向)にスライド可能に駆動輪ユニット20Lと連結し、駆動輪22Lは支軸Cを介して直線方向(矢印A方向)と略平行方向(矢印A1方向)に移動可能となる。
【0034】
図4(A)と(B)に示すように、方筐体2が床面G上に載置された状態において、直線方向(矢印A方向)は、鉛直線Hに対して傾斜した方向であって、下方へ向かうにつれて筐体2の進行方向(矢印F方向、図4(A)参照)側へ傾斜する方向である。このとき、直線方向(矢印A方向)は鉛直線Hに対して15〜45°の傾斜角度θで傾斜しており、この傾斜角度θは好ましく20〜40°であり、本実施形態では特に好ましい30°に設定されている。
【0035】
また、図4(B)に示すように、支持部30Lの連結軸部32にて固定部31に連結された駆動輪ユニット20Lは、付勢部材40によって筐体2の底板2a側へ付勢されているため、床面Gから浮き上がると直線方向(矢印A方向)と略平行方向(矢印A1方向)に駆動輪22Lが底板2aから大きく突出する。このとき、連結軸部32の抜け止め部32aによって駆動輪22Lの底板2aに対する下方への突出が規制される。このときの突出量としては、例えば、駆動輪22Lの支軸Cが筐体2の底板2a付近まで移動できる程度とされる。
【0036】
また、連結軸部32および筒形ガイド部31a3は横断面正方形(非円形)に形成されているため、連結軸部32がその軸心を中心に回動する(捻れる)ことはなく、それによって自走式掃除機1の直進性が確保されている。なお、連結軸部32および筒形ガイド部31a3は横断面円形であってもよく、この場合は駆動輪ユニット20Lのケーシング21を支持部30Lの固定部31の壁面に接触させることにより、連結軸部32がその軸心を中心に回動しないようにすればよい。
【0037】
<自走式掃除機の走行について>
図2図4(A)と図5(A)に示すように、左右の駆動輪22L、22Rおよび後輪26で支持された自走式掃除機1が床面G上を前方(矢印F方向)へ直進するとき、支持部30Lと駆動輪ユニット20Lとの間の付勢部材40は筐体2等の重量によって圧縮され、駆動輪22Lの大部分は筐体2内に収納された状態となっている。そして、自走式掃除機1が、底板2aの高さよりも高くかつ底板2aの前端部2a1に接触可能な高さの段差Sに接近すると、図5(B)に示すように、筐体2の前端部2a1が段差Sの角に当接する。
【0038】
段差Sに当接した自走式掃除機1がさらに前進すると、図6(A)に示すように、筐体2の湾曲または傾斜した前端部2a1が段差Sの角を摺動して段差Sに乗り上がり、筐体2は底板2aを段差Sの角に擦り付けながら前進する。このとき、筐体2の底板2aは前端部2a1側が段差Sから浮き上がってやや傾斜した状態となり、駆動輪22L近傍の底板2aと床面Gとの間の隙間が大きくなる。これにより、図4(B)と図6(A)に示すように、底板2aに対して駆動輪22Lが斜め前方下方へ大きく突出した状態となる。
【0039】
そして、斜め前方下方へ大きく突出した状態で駆動輪22Lが段差Sに接触すると、図4(B)と図6(B)に示すように、駆動輪22Lが段差Sの角を足がかりにして乗り上がり、これによって自走式掃除機1が段差Sを乗り越えて直進する。この際、図4(A)と(B)で説明したように、駆動輪22Lが付勢部材40によって鉛直線Hに対して傾斜する直線方向(矢印A方向)と略平行方向(矢印A1方向)に床面Gに向かって付勢されているため、筐体2の底板2aの前半部側が段差Sに対して逃げる方向(斜め後方上方)に移動するように駆動輪22Lが突出する。これにより、床面Gに向かって垂直方向に付勢されている場合よりも駆動輪22Lが段差Sに引っ掛かることなくスムーズに乗り越えることができる。
【0040】
また、駆動輪22Lを斜め前方下方へ変位させる車輪支持構造3Lにより、駆動輪22Lの前後スペースに従来構造では必要であった駆動輪22Lを上下方向へ揺動させるための揺動軸および揺動軸と駆動輪22Lとを連結する部材が不要となり、駆動輪22Lの前後を省スペース化することができる。この結果、自走式掃除機1の前後方向寸法を短くして小型化することが可能となる。
【0041】
(実施形態2)
図7は実施形態2の車輪支持構造の説明図であって(A)は床面走行時の状態、(B)は段差乗り越え時の状態を示す。なお、図7(A)および(B)において、図4(A)および(B)中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
【0042】
実施形態2の自走式掃除機は、実施形態1の自走式掃除機における車輪支持構造(図4参照)とは構成が異なる車輪支持構造を備えること以外は、実施形態1と同様である。以下、実施形態2における実施形態1とは異なる点を主に説明する。なお、実施形態2でも、左右の車輪支持構造は対称的な構造であるため、以下では左側の車輪支持構造103Lについてのみ説明する。
【0043】
実施形態2において、支持部130Lは、側面から視て実施形態1における支持部30Lの外周リブの輪郭形状に近い形状を有するフレーム状の固定部131と、固定部131の傾斜した上縁部に前記直線方向(矢印A方向)にスライド可能に取り付けられた第1連結軸部132aと、固定部131の傾斜した上縁部に前記直線方向(矢印A方向)と平行方向(矢印A2方向)にスライド可能に取り付けられた第2連結軸部132bとを有する。
【0044】
第1および第2連結軸部132a、132bは、横断面円形の軸であり、それらの端部に抜け止め部132a1、132b1を有している。
固定部131は、第1連結軸132aを挿通させる横断面円形の第1筒形ガイド部131aと、第2連結軸132bを挿通させる横断面円形の第2筒形ガイド部131bとを有する。
【0045】
左駆動輪ユニット120Lは、ケーシング121と駆動モータ23と駆動輪22Lとを備える。
ケーシング121は、実施形態1と同様の連結用リブ121b1と、第1連結軸部132aの下端部を嵌め入れて固定するための連結用リブ121b1に連設された第1ボス部121b2と、第2連結軸部132bの下端部を嵌め入れて固定するためのケーシング121の傾斜した上縁部に設けられた第2ボス部121b3とを有する。
そして、第1連結軸部132aが挿通された状態で第1ボス部121b2と第1筒形ガイド部131aとの間に付勢部材40が設けられている。
【0046】
このように構成された実施形態2の車輪支持構造103Lによれば、第1および第2連結軸部132a、132bは直進方向(矢印A方向)および平行方向(矢印A2方向)にスライド可能であるため、第1および第2連結軸部132a、132bの横断面形状が円形であってもそれらが捻れることはなく、それによって自走式掃除機の直進性が確保される。
【0047】
(実施形態3)
図8は実施形態3の自走式電子機器における床面走行時の状態を示す説明図である。なお、図8において、図5中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態3の自走式掃除機201では、実施形態1の左の車輪支持構造を右の車輪支持構造として使用し、かつ実施形態1の右の車輪支持構造を左の車輪支持構造として使用する。実施形態3において、その他の構成は実施形態1と同様である。
【0048】
実施形態3によれば、図8に示すように、駆動輪222Lは、下方に向かって後方へ傾斜する直線方向(矢印B方向)と略平行方向に変位可能である。
実施形態3の車輪支持構造203Lによれば、自走式掃除機201が段差Sを乗り越える際、床面Gに向かって垂直方向に付勢されている場合よりも駆動輪222Lが段差Sに引っ掛かりにくくなる。
【0049】
(実施形態4)
図9は実施形態4の自走式電子機器における床面走行時の状態を示す説明図である。なお、図9において、図5中の要素と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態4の自走式掃除機301では、実施形態2の左の車輪支持構造を右の車輪支持構造として使用し、かつ実施形態2の右の車輪支持構造を左の車輪支持構造として使用する。実施形態4において、その他の構成は実施形態2と同様である。
【0050】
実施形態4によれば、図9に示すように、駆動輪322Lは、下方に向かって後方へ傾斜する直線方向(矢印B方向)と略平行方向に変位可能である。
実施形態4の車輪支持構造303Lによれば、自走式掃除機301が段差Sを乗り越える際、床面Gに向かって垂直方向に付勢されている場合よりも駆動輪322Lが段差Sに引っ掛かりにくくなる。
【0051】
(他の実施形態)
1.実施形態1では、連結軸部32の横断面形状を正方形とした場合を例示したが、横断面形状を三角形、五角形、六角形、楕円形、長円形、円周の一部に凸条または凹溝が長手方向に沿って設けられた形状等の非円形としてもよい。
【0052】
2.実施形態1の車輪支持構造3Lでは、支持部30Lの連結軸部32(図4参照)を直線方向(矢印A方向)に変位可能に駆動輪ユニット20Lのケーシング21に連結した場合を例示したが、連結軸部32を直接的に駆動輪22Lに連結してもよい。
この場合、例えば、連結軸部32の下端部に左右軸心方向のハブを一体形成し、出力軸をハブの孔部に挿通するようにしてハブの外周部に、回転速度調整および正逆回転が可能な駆動モータを固定し、出力軸の先端部に駆動輪22Lを固定する。
【0053】
(まとめ)
本発明の自走式電子機器の車輪支持構造は、筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体内に固定されて前記駆動輪を直線方向に変位可能に支持する支持部と、前記駆動輪を鉛直線に対して傾斜した前記直線方向かつ前記筐体の底部側へ付勢する付勢部材とを備える。
【0054】
本発明の自走式電子機器の車輪支持構造は、次のように構成されてもよく、それらが適宜組み合わされてもよい。
(1)前記直線方向は、下方へ向かうにつれて前記筐体の進行方向側へ傾斜する方向であってもよい。
この構成によれば、自走式掃除機の段差乗り越え性能を向上させるのに効果的である。
【0055】
(2)前記支持部は、前記筐体の前記底部に固定される固定部と、前記駆動輪を前記直線方向にスライド可能に前記固定部に連結する連結軸部とを有し、
前記固定部は、前記連結軸部を前記直線方向にスライドさせる挿通孔を有し、
前記連結軸部は、前記駆動輪と連結する一端部と、前記固定部の前記挿通孔を挿通した他端部に設けられた抜け止め部とを有し、
前記付勢部材は、前記連結軸部が挿入され、かつ前記支持部の前記固定部と前記駆動輪との間に配置された圧縮バネであってもよい。
この構成によれば、前後方向寸法が小さく構造を簡素化した車輪支持構造を得ることができる。
【0056】
(3)前記連結軸部が非円形の横断面形状を有してもよい。
この構成によれば、連結軸部の軸部廻りの捻れを防止することができるため、車輪支持構造を簡素化しながら自走式掃除機の直進性も確保することができる。
【0057】
(4)前記連結軸部が、互いに前記直線方向に平行に配置された第1連結軸部および第2連結軸部を有してもよい。
この構成によれば、第1および第2連結軸部の軸部廻りの捻れを防止することができるため、車輪支持構造を簡素化しながら自走式掃除機の直進性も確保することができる。
【0058】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の自走式電子機器の車輪支持構造は、前記実施形態で説明した自走式電子機器の他に、例えば、イオンを吹き出しながら走行する自走式イオン発生装置、荷物を搬送する自走式搬送車等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0060】
1、201、301 自走式電子機器
2 筐体
2a 底板(底部)
3L、103L、203L、303L 車輪支持構造
22L、22R 駆動輪
30L、130L 支持部
31、131 固定部
32 連結軸部
32a、132a1 抜け止め部
40 付勢部材
132a 第1連結軸部
132b 第2連結軸部
G 床面
H 鉛直線
θ 傾斜角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】