特表-19098224IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱自動車工業株式会社の特許一覧
<>
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000003
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000004
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000005
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000006
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000007
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000008
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000009
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000010
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000011
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000012
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000013
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000014
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000015
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000016
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000017
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000018
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000019
  • 再表WO2019098224-回転電機の冷却装置 図000020
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2019年5月23日
【発行日】2020年12月10日
(54)【発明の名称】回転電機の冷却装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20201113BHJP
   H02K 9/20 20060101ALI20201113BHJP
   H02K 11/25 20160101ALI20201113BHJP
   B60L 1/00 20060101ALI20201113BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20201113BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20201113BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20201113BHJP
   B60H 1/22 20060101ALI20201113BHJP
【FI】
   H02K9/19 A
   H02K9/20
   H02K11/25
   B60L1/00 L
   B60L9/18 J
   B60L15/20 J
   B60K11/02
   B60H1/22 651A
   B60H1/22 651C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2019-554247(P2019-554247)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年11月14日
(31)【優先権主張番号】特願2017-221917(P2017-221917)
(32)【優先日】2017年11月17日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2017-221918(P2017-221918)
(32)【優先日】2017年11月17日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 英理
【テーマコード(参考)】
3D038
3L211
5H125
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
3D038AA00
3D038AB01
3D038AC23
3L211AA11
3L211BA22
3L211DA26
3L211EA12
3L211EA76
3L211FB06
3L211GA26
3L211GA34
5H125AA01
5H125AC12
5H125BA00
5H125CA01
5H125CD06
5H125CD08
5H125EE05
5H125EE41
5H125EE42
5H125EE51
5H125FF01
5H125FF22
5H125FF23
5H609BB19
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP06
5H609PP08
5H609QQ07
5H609QQ09
5H609RR26
5H609RR33
5H609RR46
5H609RR51
5H609RR67
5H609SS17
5H611AA01
5H611BB01
5H611QQ04
5H611UA02
(57)【要約】
車両に搭載される回転電機の冷却装置は、回転電機のステータ及びロータを収容する筐体の壁内に形成され、筐体の壁内に冷媒を流通可能な冷媒経路と、冷媒経路において冷媒を循環させる回転電機用冷凍サイクルとを備え、回転電機用冷凍サイクルは、回転電機用圧縮機と回転電機用凝縮器と回転電機用膨張弁とを含み、冷媒が回転電機用圧縮機、回転電機用凝縮器、回転電機用膨張弁、冷媒経路を順次流通するように循環可能に構成され、回転電機の筐体を蒸発器として機能させるとともに冷媒経路の冷媒入口部又は冷媒入口部の直前に回転電機用膨張弁を設けたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される回転電機の冷却装置であって、
前記回転電機のステータ及びロータを収容する筐体の壁内に形成され、前記筐体の壁内において冷媒を流通可能な冷媒経路と、
前記冷媒経路に前記冷媒を循環させる回転電機用冷凍サイクルと
を備え、
前記回転電機用冷凍サイクルは、回転電機用圧縮機と回転電機用凝縮器と回転電機用膨張弁とを含み、冷媒が前記回転電機用圧縮機、前記回転電機用凝縮器、前記回転電機用膨張弁、前記冷媒経路を順次流通するように循環可能に構成され、
前記回転電機の前記筐体を蒸発器として機能させるとともに前記冷媒経路の冷媒入口部又は該冷媒入口部の直前に前記回転電機用膨張弁を設けた、回転電機の冷却装置。
【請求項2】
前記冷媒経路は、前記ステータのステータコイルの外側を周方向にわたって囲むように形成されている、請求項1に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項3】
前記冷媒経路は、前記回転電機の出力軸方向の長さにおいて、前記ステータのステータコイルが配置されている範囲よりも長く延びて形成されている、請求項1または2に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項4】
前記冷媒経路の冷媒入口部は、前記冷媒経路の冷媒出口部よりも鉛直方向上方に設けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項5】
前記冷媒入口部の位置と前記冷媒出口部の位置とは、前記回転電機の出力軸方向にずれている、請求項4に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項6】
前記車両には室内空調装置が設けられ、該室内空調装置は、空調用圧縮機と空調用凝縮器と空調用膨張弁と空調用蒸発器とを含む空調用冷凍サイクルを備え、該空調用冷凍サイクルは、前記回転電機用冷凍サイクルを循環する前記冷媒の一部が前記空調用圧縮機、前記空調用凝縮器、前記空調用膨張弁、前記空調用蒸発器を順次流通して再び前記空調用圧縮機に流入するように循環可能に構成され、
前記空調用凝縮器と前記回転電機用凝縮器とは1つの同じ共用凝縮器である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項7】
前記空調用圧縮機と前記回転電機用圧縮機とがさらに1つの同じ共用圧縮機である、請求項6に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項8】
前記回転電機用冷凍サイクルには、前記共用圧縮機と前記回転電機との間に、増設圧縮機が設けられている、請求項7に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項9】
前記空調用膨張弁に流入する冷媒量と、前記回転電機用膨張弁に流入する冷媒量との比率を調整する流量調整弁が設けられている、請求項6〜8のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項10】
前記車両の室内温度を検出する室内温度センサと、
前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、
前記室内温度及び前記ステータコイルの温度に基づいて、前記比率を調整するように前記流量調整弁を制御する流量調整制御部と
を備える、請求項9に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項11】
前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、
前記ステータコイルの温度が予め設定された目標温度以上の時に、前記回転電機用圧縮機の運転を制御する圧縮機制御部と
を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項12】
前記目標温度は、前記ステータコイル及び前記ロータの磁石それぞれの上限温度を超えないように前記回転電機の最大トルクの抑制が開始されるコイル温度以下に設定される、請求項11に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項13】
前記圧縮機制御部は、前記回転電機の要求トルク及び要求回転数に応じて前記回転電機用圧縮機の回転数を制御する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項14】
前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、
前記回転電機用圧縮機を作動させて前記回転電機を冷却する事前冷却スイッチと、
前記事前冷却スイッチがONされたときに前記ステータコイルの温度が予め設定された温度まで冷却する事前冷却制御部と
を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項15】
前記事前冷却制御部は、前記事前冷却スイッチがONされた場合に、前記回転電機用圧縮機を最大回転数で稼働させる最大回転稼働部と、
前記ステータコイルの温度が予め設定された前記温度まで低下したことを判定する温度低下判定部と、
前記ステータコイルの温度が予め設定された前記温度まで低下したことを前記温度低下判定部が判定したとき、前記車両の加速運転の許可を行う加速許可部と
を備える、請求項14に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項16】
前記回転電機用冷凍サイクルには、前記回転電機よりも冷媒流れ方向下流側にインバータを冷却するインバータ冷却部が設けられている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転電機の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電動車両の普及により駆動用モータのような回転電機の冷却の重要性が増し、高出力化が進めば発熱への対応が不可避になる。現在主流のモータ冷却は筐体に水路を設けた「水冷方式」もしくは筐体内部の発熱部に油を直接かける「油冷方式」が行われている。しかし、水冷方式は冷却効果が小さく、また油冷方式はモータ全体を均一に冷やしにくい課題点を持つ。また、水冷方式及び油冷方式以外のものとして、冷凍サイクルを用いて冷却するものもあり、例えば、特許文献1及び特許文献2が知られている。
【0003】
特許文献1には、圧縮機駆動用モータの冷却装置が開示され、モータと圧縮機との共通のハウジング内に導入された冷媒が圧縮機により吸入されて圧縮された後、ハウジング外の流路へと吐出されて、圧縮された圧縮冷媒は、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器を経て再び圧縮機へと吸入される構成が示されている。
【0004】
また、特許文献2には、自動車用ヒートポンプ式空調装置について開示され、特許文献2の図12、13等には、膨張弁15を通過した後の冷媒が、室内側熱交換器16を通過し、その後開閉弁33、34を介して駆動用電動機のケーシング36に導入される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−176359号公報
【特許文献2】特開平6−213531号公報(図12図13
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された発明は、モータと圧縮機との共通のハウジング内に冷媒が導入される構成であり、モータの出力軸がハウジングから突出する構成ではないので、ハウジング内に導入された冷媒が外側へは漏れにくいが、電動車両用の駆動モータでは、モータ出力軸にギヤが連結され又は直接的に車輪に連結される構造であるため、ハウジングを貫通させる部分での冷媒のシール性において問題があり、特許文献1のモータ冷却構造を電動車両用の駆動用モータへ適用することは難しい。さらに、この特許文献1の冷媒回路は、大規模なビルや施設等に設置される大型冷凍機に用いられるものであり、電動車両への適用は難しい。
【0007】
また、特許文献2には、その段落0024に、駆動用電動機35の冷却が必要な場合には膨張弁15を通過した後の冷媒が、室内側熱交換器16を通過し、その後開閉弁33、34を介して駆動用電動機のケーシング36に導入される構成が開示されているが、駆動用電動機に導入される冷媒は、室内側熱交換器16で加熱された冷媒である。そのため、冷凍サイクルにおける膨張弁の通過直後の蒸発気化潜熱を利用しての効果的な冷却が駆動用電動機において期待できない。
【0008】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、冷凍サイクルを用いて冷却効果が高く、均一な冷却が可能な回転電機の冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために発明されたものであって、本発明の少なくとも一つの実施形態は、車両に搭載される回転電機の冷却装置であって、前記回転電機のステータ及びロータを収容する筐体の壁内に形成され、前記筐体の壁内に冷媒を流通可能な冷媒経路と、前記冷媒経路において前記冷媒を循環させる回転電機用冷凍サイクルとを備え、前記回転電機用冷凍サイクルは、回転電機用圧縮機と回転電機用凝縮器と回転電機用膨張弁とを含み、冷媒が前記回転電機用圧縮機、前記回転電機用凝縮器、前記回転電機用膨張弁、前記冷媒経路を順次流通するように循環可能に構成され、前記回転電機の前記筐体を蒸発器として機能させるとともに前記冷媒経路の冷媒入口部又は該冷媒入口部の直前に前記回転電機用膨張弁を設けたことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、回転電機の筐体に回転電機用冷凍サイクルにおける回転電機用蒸発器の機能を有する冷媒経路を形成して、冷媒経路の冷媒入口部又は冷媒入口部の直前の配管に回転電機用膨張弁を設けることにより、回転電機用膨張弁によって減圧された冷媒は、回転電機用膨張弁と冷媒経路との間で加圧も加熱もされずに直接冷媒経路に流入するので、回転電機の筐体内部で冷媒を蒸発させて蒸発潜熱を用いて効率よく吸熱できるようになり、その結果、回転電機を効率よく均一な冷却ができる。また、回転電機の冷却性能の向上によって、回転電機の定格出力の向上や小型化が可能になる。なお、「回転電機」には、例えば駆動用のモータや駆動に必要な発電を担うジェネレータが含まれる。
【0011】
幾つかの実施形態では、前記冷媒経路は、前記ステータのステータコイルの外側を周方向にわたって囲むように形成されてもよい。この構成によれば、ステータコイルの外側を周方向にわたって囲むように冷媒が冷媒経路を流通するので、回転電機の稼働時に発熱するステータコイルを効率的に冷却することができる。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記冷媒経路は、前記回転電機の出力軸方向の長さにおいて、前記ステータのステータコイルが配置されている範囲よりも長く延びて形成されてもよい。この構成によれば、ステータコイル全体を囲むように冷媒が冷媒経路を流通するので、ステータコイルをさらに効率的に冷却することができる。
【0013】
幾つかの実施形態では、前記冷媒経路の冷媒入口部は、前記冷媒経路の冷媒出口部よりも鉛直方向上方に設けられてもよい。この構成によれば、冷媒は冷媒経路を鉛直上方から鉛直下方に向かって流れる。一般に、気体は温度が低いほど密度が大きくなるため、鉛直方向下方へ移動しやすい。回転電機用膨張弁で減圧された冷媒はその一部が気化しているので、気体の冷媒は、冷媒経路を鉛直上方から鉛直下方に向かって移動しやすくなる。このため、液体の冷媒だけでなく気体の冷媒も冷媒経路を鉛直上方から鉛直下方に向かって確実に移動するようになるので、回転電機を効率よく均一に冷却できる。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記冷媒入口部の位置と前記冷媒出口部の位置とは、前記回転電機の出力軸方向にずれてもよい。この構成によれば、冷媒が冷媒経路を鉛直上方から鉛直下方に向かって流れる間、回転電機の出力軸方向にも流れるので、回転電機をより均一に冷却できる。
【0015】
幾つかの実施形態では、前記車両には室内空調装置が設けられ、該室内空調装置は、空調用圧縮機と空調用凝縮器と空調用膨張弁と空調用蒸発器とを含む空調用冷凍サイクルを備え、該空調用冷凍サイクルは、前記回転電機用冷凍サイクルを循環する前記冷媒の一部が前記空調用圧縮機、前記空調用凝縮器、前記空調用膨張弁、前記空調用蒸発器を順次流通して再び前記空調用圧縮機に流入するように循環可能に構成され、前記空調用凝縮器と前記回転電機用凝縮器とは1つの同じ共用凝縮器であってもよい。
【0016】
この構成によれば、回転電機用冷凍サイクルと室内空調装置の空調用冷凍サイクルとが一体化され、これら冷凍サイクルを構成する凝縮器が共用されるので、部品点数の減少及び冷媒の配管の簡素が見込める。その結果、重量及びコスト面において有利になる。また、この構成によれば、回転電機用冷凍サイクルと室内空調装置の空調用冷凍サイクルとのそれぞれに別々に圧縮機を設けることができるので、室内空調装置による室内冷却性能に影響を与えることなく回転電機用冷凍サイクルによる回転電機の冷却能力を得ることができ、これにより、回転電機用冷凍サイクルと空調用冷凍サイクルとの両立が容易となる。
【0017】
幾つかの実施形態では、前記空調用圧縮機と前記回転電機用圧縮機とがさらに1つの同じ共用圧縮機であってもよい。この構成によれば、回転電機用冷凍サイクル及び空調用冷凍サイクルのそれぞれを構成する圧縮機も共用されるので、部品点数のさらなる減少及び冷媒の配管のさらなる簡素化が見込める。その結果、重量及びコスト面においてさらに有利になる。
【0018】
幾つかの実施形態では、前記回転電機用冷凍サイクルには、前記共用圧縮機と前記回転電機との間に、増設圧縮機が設けられてもよい。この構成によれば、回転電機用冷凍サイクルに、増設圧縮機が設けられるので、共有圧縮機の能力を補うことができる。室内空調装置による室内冷却性能に影響を与えることなく回転電機用冷凍サイクルによる回転電機の冷却能力を得ることができ、これにより、回転電機用冷凍サイクルと空調用冷凍サイクルとの両立が容易となる。
【0019】
幾つかの実施形態では、前記空調用膨張弁に流入する冷媒量と、前記回転電機用膨張弁に流入する冷媒量との比率を調整する流量調整弁が設けられてもよい。この構成によれば、流量調整弁によって、空調用膨張弁に流入する冷媒量と、回転電機用膨張弁に流入する冷媒量との比率が調整されるので、回転電機の冷却と室内空調装置の冷却との必要性に応じた冷媒配分が可能になる。
【0020】
幾つかの実施形態では、前記車両の室内温度を検出する室内温度センサと、前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、前記室内温度及び前記ステータコイルの温度に基づいて、前記比率を調整するように前記流量調整弁を制御してもよい。この構成によれば、流量調整制御部によって、室内温度及びステータコイルの温度に基づいて、空調用膨張弁に流入する冷媒量と、回転電機用膨張弁に流入する冷媒量との比率が調整されるので、回転電機の冷却と室内空調装置の冷却との冷媒の配分が適切に行われる。
【0021】
幾つかの実施形態では、前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、前記ステータコイルの温度が予め設定された目標温度以上の時に、前記回転電機用圧縮機の運転を制御する圧縮機制御部とを備えてもよい。この構成によれば、圧縮機制御部によって、ステータコイルの温度が目標温度以上のときに、回転電機用圧縮機が運転されるので、回転電機の発熱状態に対応した適切な冷却が可能になる。
【0022】
幾つかの実施形態では、前記目標温度は、前記ステータコイル及び前記ロータの磁石それぞれの上限温度を超えないように前記回転電機の最大トルクの抑制が開始されるコイル温度以下に設定されてもよい。
【0023】
この構成によれば、ステータコイルの温度の目標温度を、ステータのコイル及びロータの磁石の機能低下が生じる上限温度(Tm)を超えないようにするために、上限温度に達する前に回転電機の最大トルクの抑制が開始される温度(Ts)以下に設定することで、最大トルクの抑制の開始以前に回転電機を回転電機用冷凍サイクルによって冷却するので、ステータコイルの温度が最大トルクの抑制の開始温度および上限温度に到達することを効果的に防止することができる。
【0024】
幾つかの実施形態では、前記圧縮機制御部は、前記回転電機の要求トルク及び要求回転数に応じて前記回転電機用圧縮機の回転数を制御してもよい。この構成によれば、回転電機の要求トルク及び要求回転数に応じて回転電機用圧縮機の回転数を制御することにより、回転電機の発熱量に対応して回転電機用冷凍サイクルによる冷却能力が増減するので、効率よく回転電機を冷却できる。
【0025】
幾つかの実施形態では、前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、前記回転電機用圧縮機を作動させて前記回転電機を冷却する事前冷却スイッチと、前記事前冷却スイッチがONされたときに前記ステータコイルの温度が予め設定された温度まで冷却する事前冷却制御部とを備えてもよい。この構成によれば、事前冷却スイッチのONによって事前冷却制御部は、ステータコイルの温度を予め設定された温度まで冷却するので、運転者の好みのタイミングで回転電機の冷却が可能になる。
【0026】
幾つかの実施形態では、前記事前冷却制御部は、前記事前冷却スイッチがONされた場合に、前記回転電機用圧縮機を最大回転数で稼働させる最大回転稼働部と、前記ステータコイルの温度が予め設定された前記温度まで低下したことを判定する温度低下判定部と、前記ステータコイルの温度が予め設定された前記温度まで低下したことを前記温度低下判定部が判定したとき、前記車両の加速運転の許可を行う加速許可部とを備えてもよい。この構成によれば、回転電機用冷凍サイクルによる冷却によって加速運転前に回転電機が予め設定された温度まで低下され、低下した後に加速許可されるので、その後の加速運転時における最大トルク運転時においても、回転電機の発熱を抑制でき、最大トルク運転時間を延伸することができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、前記回転電機用冷凍サイクルには、前記回転電機よりも冷媒流れ方向下流側にインバータを冷却するインバータ冷却部が設けられてもよい。この構成によれば、回転電機用冷凍サイクルにおいて気化した冷媒がインバータ冷却部に導入されることで、インバータも冷却することが可能になる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、冷凍サイクルを用いて冷却効果が高く、均一な冷却が可能な回転電機の冷却装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の全体構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係る電動車両用モータの変形例の断面図である。
図3】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の圧縮機制御部の制御フローチャートである。
図4】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の圧縮機制御部の制御フローチャートである。
図5】駆動用モータのコイル温度と出力トルクとの関係を示す特性図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の冷却制御部の構成ブロック図である。
図7】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の事前冷却制御部の制御フローチャートである。
図8】駆動用モータの運転開始時のステータコイルの温度と最大トルク運転時間との関係を示す特性図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の全体構成図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の流量調整制御部の制御フローチャートである。
図11】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の流量調整制御部の制御フローチャートである。
図12】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の流量調整却制御部の配分比率を調整する制御フローチャートである。
図13】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の冷却制御部の構成ブロック図である。
図14】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の事前冷却制御部の制御フローチャートである。
図15】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の全体構成図である。
図16】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の全体構成図である。
図17】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の要部構成図である。
図18】本発明の他の実施形態に係る電動車両用モータの冷却装置の要部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいてより詳細に説明する。
ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれらに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0031】
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0032】
本発明の一実施形態に係る回転電機である駆動用モータ3の冷却装置1について、図1を参照して説明する。なお、この回転電機は主に車両に搭載されるものであり、特にハイブリッド車には、駆動用モータで駆動と発電を担う1モータ式と、駆動用と発電用との2つのモータをもつ2モータ式があり、発電用モータも駆動用モータと同様に冷却が必要となる。そのため、以下の説明では回転電機を駆動用モータ3の冷却装置1として説明するが、回転電機が発電用モータであってもよい。
【0033】
図1に示すように、電動車両の駆動用モータ3を、冷凍サイクルを用いて冷却する。この駆動用モータ3を冷却する回転電機用冷凍サイクル5は、回転電機用圧縮機7と、回転電機用凝縮器9と、受液器11と、回転電機用膨張弁13と、冷媒経路15とを、備え、これら機器が配管17によって環状に接続して構成されている。
【0034】
なお、冷媒経路15は、蒸発器の機能を有しており、駆動用モータ3の筐体19の壁内に形成され、ステータコイル21の外側を周方向に囲むように形成されている。冷媒経路15がこのように形成されていることにより、ステータコイル21の外側を周方向にわたって囲むように冷媒が冷媒経路15を流通するので、駆動用モータ3の稼働時に発熱するステータコイル21を効率的に冷却することができる。
【0035】
また、冷媒経路15は、駆動用モータ3の出力軸23方向の長さにおいて、ステータコイル21を均等に偏りなく冷却するために、ステータコイル21が配置されている範囲よりも長く延びて形成されている。冷媒経路15がこのように形成されていることにより、ステータコイル21全体を囲むように冷媒が冷媒経路15を流通するので、ステータコイル21を効率的に冷却することができる。
【0036】
そして、冷媒経路15の冷媒入口部25と冷媒出口部27とは、周方向において互いに反対側に位置して設けられるが、特に限定されるものではない。周方向及び駆動用モータ3の出力軸23方向において任意の位置に設けられてもよい。
【0037】
例えば、図2に示すように、冷媒入口部25は、冷媒出口部27よりも鉛直方向上方に設けてもよい。この構成によれば、冷媒は冷媒経路15を鉛直上方から鉛直下方に向かって流れる。一般に、気体は温度が低いほど密度が大きくなるため、鉛直方向下方へ移動しやすい。回転電機用膨張弁13で減圧された冷媒はその一部が気化しているので、気体の冷媒は、冷媒経路15を鉛直上方から鉛直下方に向かって移動しやすくなる。このため、液体の冷媒だけでなく気体の冷媒も冷媒経路15を鉛直上方から鉛直下方に向かって確実に移動するようになるので、駆動用モータ3を効率よく均一に冷却できる。
【0038】
また、図1に示される構成では、駆動用モータ3の出力軸23方向において、冷媒入口部25の位置と冷媒出口部27の位置とは同じであるが、図2に示すように、冷媒入口部25の位置と冷媒出口部27の位置とを駆動用モータ3の出力軸23方向にずらしてもよい。この構成によれば、冷媒が冷媒経路15を鉛直上方から鉛直下方に向かって流れる間、出力軸23方向にも流れるので、駆動用モータ3をより均一に冷却できる。
【0039】
また、回転電機用膨張弁13は、冷媒経路15の冷媒入口部25、又は冷媒入口部25に接続する配管17であって冷媒入口部25の直前の部分に設けられている。冷媒入口部25に近接することが望ましく、例えば、管径の異なる冷媒の配管17と冷媒経路15の冷媒入口部25の入口ニップルとを接続するコネクタに回転電機用膨張弁13を内蔵させてもよい。また、回転電機用膨張弁13は、配管17やコネクタに設けられずに、駆動用モータ3の筐体19の肉厚内部に埋め込まれても、また、筐体19の表面に取り付けられてもよい。
【0040】
また、駆動用モータ3は、電動車両の走行用のモータであり、ステータ部のステータコイル21の内側には、ロータ部29が設けられ、ロータ部29に出力軸23が設けられている。この出力軸23は、図示しない歯車機構を介して車輪を駆動するアクスルシャフトに、または車輪に直接連結されている。
【0041】
回転電機用冷凍サイクル5による駆動用モータ3の冷却時の作動を説明する。図1において冷媒は矢印の方向に流れる。回転電機用圧縮機7によって高温高圧に圧縮された気体状態の冷媒は、回転電機用凝縮器9によって放熱凝縮して冷却され低温高圧の気液混合状態となり受液器11に導入される。受液器11では、液量変動が吸収されてその後低温高圧の液体状態の冷媒が回転電機用膨張弁13に導入される。回転電機用膨張弁13では、液体状態の冷媒が断熱膨張して蒸発され冷媒経路15に導入される。冷媒経路15では、蒸発した冷媒の蒸発気化潜熱によって周囲から熱を奪い取り筐体19の冷却を行う。気化した低温低圧の気体状態の冷媒は、回転電機用圧縮機7に導入されて再度圧縮される。
【0042】
以上の一実施形態によれば、駆動用モータ3の筐体19の内部に回転電機用冷凍サイクル5における蒸発器の機能を有する冷媒経路15を形成して、冷媒経路15の冷媒入口部25、又は冷媒入口部25の直前の部分に回転電機用膨張弁13を設けることにより、回転電機用膨張弁13によって減圧された冷媒は、回転電機用膨張弁13と冷媒経路15との間で加圧も加熱もされずに直接冷媒経路15に流入するので、駆動用モータ3の筐体19の内部で冷媒を蒸発させて蒸発潜熱を用いて効率よく吸熱できるようになり、その結果、電動車両の駆動用モータ3を効率よく均一に冷却ができる。また、モータ冷却性能の向上によって、駆動用モータ3の定格出力の向上や小型化が可能になる。
【0043】
また、電動車両用の冷却装置1には、回転電機用冷凍サイクル5による駆動用モータ3の冷却を制御する冷却制御部31が設けられてもよい。この冷却制御部31にはステータコイル21の温度に基づいて回転電機用圧縮機7の作動を制御する圧縮機制御部33が設けられている。
【0044】
冷却制御部31は、図示しない信号入力部、信号出力部、記憶部、演算部、等が設けられている。そして、信号入力部には、駆動用モータ3のステータコイル温度センサ35からの信号、さらに、車両側の要求に基づいて駆動用モータ3の運転を制御するモータ運転制御部37からの要求トルク信号や、要求回転数信号が入力される。
【0045】
圧縮機制御部33の制御を図3、4のフローチャートを参照して説明する。図3において、ステップS1では、ステータコイル温度センサ35からステータコイル21の温度を取得する。ステップS2では、取得したステータコイル21の温度が目標温度以上かを判定する。目標温度は、ステータコイル21及びロータ部29の磁石の上限温度を超えないように駆動用モータ3の最大トルクの抑制が開始されるステータコイル21の温度以下の温度である。
【0046】
このように、ステータコイル21の温度の目標温度を、ステータコイル21及びロータ部29の磁石の機能低下が生じる上限温度(Tm)を超えないようにするために、上限温度に達する前に駆動用モータ3の最大トルクの抑制が開始される温度(Ts)以下に設定することで、最大トルクの抑制の開始以前に駆動用モータ3を回転電機用冷凍サイクル5によって冷却するので、駆動用モータ3のトルク抑制およびステータコイル21の温度が上限温度に到達することを効果的に防止することができる(図5参照)。
【0047】
図5は、ステータコイル21の温度と出力トルクとの関係を示す特性図である。横軸にステータコイル21の温度を示し、縦軸に出力トルクを示し100%が最大出力状態を示す。ステータコイル21及びロータ部29の磁石の機能低下が生じる上限温度(Tm)を超えないようにするために、上限温度に達する前に駆動用モータ3の最大トルクの抑制が開始される。目標温度はこの最大トルクの抑制が開始される温度(Ts)以下とする。
【0048】
次に、ステップS2でYesの場合にはS3に進んで、ステップS3では、回転電機用圧縮機7を定常運転する。この定常運転は回転電機用圧縮機7を所定の一定回転数で運転させる状態である。そして、ステップS4では、目標温度未満になったら回転電機用圧縮機7の運転を停止する。
【0049】
また、図4図3のフローチャートの変形例を示す。図4のフローチャートでは、ステップS11、S12は図3のステップS1、S2と同様であり、ステップS13では、モータ要求トルク及びモータ要求回転数の情報をモータ運転制御部37から取得する。
【0050】
そして、ステップS14では、取得したモータ要求トルク及びモータ要求回転数の情報を基に、モータ要求トルク及びモータ要求回転数に対応して回転電機用圧縮機7の回転数を制御する。そして、ステップS15では、目標温度未満になったら回転電機用圧縮機7の運転を停止する。
【0051】
このように、図3のフローチャートによれば、圧縮機制御部33によって、ステータコイル21の温度が目標温度以上のときに、回転電機用圧縮機7が運転されるので、駆動用モータ3の発熱状態に対応して、最大トルクの抑制が開始される温度(Ts)を超えないように適切な冷却が可能になる。
【0052】
また、図4のフローチャートによれば、駆動用モータ3の車両側からの要求トルク及び要求回転数に応じて回転電機用圧縮機7の回転数を制御するので、駆動用モータ3の運転状態に対応して回転電機用冷凍サイクル5による冷却能力を増減することができ、効率よい駆動用モータ3の冷却ができる。
【0053】
また、冷却制御部31によって、ステータコイル21の温度が目標温度以上の場合に、回転電機用圧縮機7が稼働して駆動用モータ3を、回転電機用冷凍サイクル5を用いて冷却することができる。これによって、ステータコイル21の温度が目標温度未満の状態に維持されるように冷却される。従って、水冷や油冷に比べて冷却効果が高い回転電機用冷凍サイクルを用いて駆動用モータ3の効率よい冷却が可能になる。
【0054】
また、上限温度(Tm)に達する前に駆動用モータ3の最大トルクの抑制が開始される温度(Ts)以下に、目標温度を設定することで、最大トルクの抑制の開始以前に駆動用モータ3を回転電機用冷凍サイクル5によって冷却を開始するので、駆動用モータ3のトルク抑制およびステータコイル21の温度が上限温度に到達することを効果的に防止することができる。
【0055】
また、圧縮機制御部33によって、駆動用モータ3の車両側からの要求トルク及び要求回転数に応じて回転電機用圧縮機7の回転数を制御するので、駆動用モータ3の発熱量に対応して回転電機用冷凍サイクル5による冷却能力を増減することができため、効率よい駆動用モータ3の冷却ができる。
【0056】
次に、他の実施形態を図6に示す。図6に示す他の実施形態は、冷却制御部31が、図1の冷却制御部31に対して事前冷却制御部71をさらに有し、事前冷却スイッチ42からの信号が入力されることが相違する。その他の構成は、図1の冷却制御部31と同様である。従って、図1と同様の構成部品については同一符号を付して説明は省略する。
【0057】
事前冷却制御部71は、事前冷却スイッチ42がONされたときに回転電機用冷凍サイクル5を作動させてステータコイル21の温度を所定温度まで冷却制御する。そして、事前冷却制御部71は、事前冷却スイッチ42がON操作されたとき、回転電機用圧縮機7を最大回転によって稼働させる最大回転稼働部46と、ステータコイル21の温度が所定の温度範囲(例えば20℃以下)まで低下したことを判定する温度低下判定部48と、温度低下判定部48によって所定の温度範囲まで低下したと判定したとき、加速運転の許可を行う加速許可部49と、を有している。
【0058】
事前冷却制御部71の制御を図7のフローチャートを参照して説明する。図7において、まず、ステップS61では、事前冷却スイッチ42がONされたかを判定する。ONの場合には、ステップS62において、回転電機用圧縮機7を最大回転数にて回転して駆動用モータ3を冷却する。その後、ステップS63で、ステータコイル21の温度が所定温度範囲、例えば20℃以下に低下したかを判定する。ステップS63でYesの場合には、ステップS64に進み、ステップS64では加速許可灯を点灯する。例えば、加速許可灯は、運転者が視認しやすいメータパネル内に設置されている。
【0059】
その後、ステップS65では、制限なしの加速制御に移る。すなわち、加速時にアクセルペダルの踏込みに対して、制限を設けずに、例えば踏込み量と出力トルクとを比例的に増加する制御に移行する。
【0060】
図6に示す冷却制御部31の実施形態によれば、事前冷却スイッチ42のONによって事前冷却制御部71は、ステータコイル21の温度を所定温度まで冷却するので、運転者の好みのタイミングに駆動用モータ3の冷却が可能になる。
【0061】
また、事前冷却制御部71は、事前冷却スイッチ42がON操作された場合に、回転電機用圧縮機7を最大回転によって稼働させる最大回転稼働部46と、ステータコイル21の温度が所定の温度範囲まで低下したことを判定する温度低下判定部48と、温度低下判定部48によって所定の温度範囲まで低下したことを判定したとき、加速運転の許可を行う加速許可部49と、を備えるので、回転電機用冷凍サイクル5による冷却によって加速運転前に駆動用モータ3を所定の温度範囲まで迅速に低下させて強力な加速が可能になる。さらに、加速運転時における最大トルク運転時においても、駆動用モータ3の発熱を抑制でき、最大トルク運転時間を延伸することができる(図8参照)。
【0062】
図8は、駆動用モータ3の運転開始時のステータコイル21の温度と最大トルク運転時間との関係を示す特性図である。横軸に運転開始時のステータコイル21の温度を示し、縦軸に最大トルク運転時間を示す。冷媒制御温度はゼロ℃として、駆動用モータ3の運転開始前から冷却を開始し、運転開始時のコイル温度による最大トルク運転時間の関係が示される。図8に示されるように、冷媒冷却によって得られる最大トルク運転時間が最大の時点では、水冷冷却による最小の時点に対して、矢印で示すように2倍弱延びることが示される。このように、運転開始のステータコイルの温度が低いほど最大トルク運転時間が長くなることが示される。
【0063】
水冷では運転開始時のステータコイル21の温度の低下に限界があり、ゼロ℃近くまでは冷却できない。それに対して、本実施形態のように回転電機用冷凍サイクル5を用いることでゼロ℃近くまでの冷却が可能となる。それによって最大トルク運転時間を水冷に比べて延伸することが可能になる。
【0064】
次に、他の実施形態を図9に示す。図9に示す他の実施形態は、図1に示す実施形態に対して、電動車両に室内空調装置41が備えられ、回転電機用冷凍サイクル5と室内空調装置41の空調用冷凍サイクル43とが一体化され、これら冷凍サイクルを構成する機器のうち、回転電機用冷凍サイクル5の回転電機用圧縮機7、回転電機用凝縮器9、受液器11がそれぞれ、空調用冷凍サイクル43を構成する圧縮機、凝縮器、受液器と共用され、共用圧縮機、共用凝縮器、共用受液器を構成している。各冷凍サイクルの膨張弁と蒸発器とは別々に設けられている。つまり、空調用冷凍サイクル43には空調用膨張弁45と空調用蒸発器47とが設けられ、回転電機用冷凍サイクル5には回転電機用膨張弁13と冷媒経路(蒸発器)15とが設けられている。
【0065】
空調用冷凍サイクル43は、図9に示すように、回転電機用圧縮機7(共用圧縮機)と、回転電機用凝縮器9(共用凝縮器)と、受液器11(共用受液器)と、空調用膨張弁45と、空調用蒸発器47とを配管49によって環状に接続して構成されている。そして、受液器11から空調用膨張弁45への配管49と、受液器11から回転電機用膨張弁13への配管17との分岐部分に流量調整弁51が設けられていて、空調用膨張弁45に流入する冷媒量と、回転電機用膨張弁13に流入する冷媒量との比率が調整される。
【0066】
このように、図9に示す他の実施形態によれば、流量調整弁51によって、空調用膨張弁45に流入する冷媒量と、回転電機用膨張弁13に流入する冷媒量との比率が調整されるので、駆動用モータ3の冷却と室内空調装置41の冷却との必要性に応じて冷却配分が可能になる。
【0067】
また、図9に示すように、冷却制御部31には、図1に示した圧縮機制御部33に加えて、流量調整制御部55が設けられてもよい。この構成では、冷却制御部31には室内温度センサ57からの信号がさらに入力される。
【0068】
流量調整制御部55は、室内温度センサ57からの室内温度及びステータコイル温度センサ35からのステータコイル21の温度に基づいて、流量調整弁51を制御して空調用膨張弁45に流入する冷媒量と回転電機用膨張弁13に流入する冷媒量との配分率を制御する。
【0069】
流量調整制御部55の制御を図10、11、12のフローチャートを参照して説明する。図10において、ステップS21では、室内空調装置41がONされているかを判定する。ステップS21がYesの場合には、ステップS22に進み流量調整弁51による冷媒配分比を決定する制御を実施し、次に、ステップS23に進み回転電機用圧縮機7の回転数制御(1)を実施する。なお、この回転電機用圧縮機7の回転数制御(1)は、図3に示す回転電機用圧縮機7の回転数制御である。
【0070】
また、ステップS21がNoの場合には、ステップS24に進んで、室内空調装置41がOFFであるので、流量調整弁51によって空調用膨張弁45への冷媒の流れを全閉にして、回転電機用膨張弁13へ冷媒を全て流す。そして、ステップS23に進み回転電機用圧縮機7の回転数制御(1)を実施する。
【0071】
ここで、ステップS22の流量調整弁51による冷媒配分比を決定する制御について、図12のフローチャートを参照して説明する。図12において、まず、ステップS41では、ステータコイル温度センサ35からステータコイル21の温度を取得する。ステップS42では、取得したステータコイル21の温度が目標温度以上かを判定する。目標温度は、既に説明したようにステータコイル21及びロータ部29の磁石の上限温度を超えないように駆動用モータ3の最大トルクの抑制が開始されるステータコイル21の温度以下の温度である。
【0072】
ステップS42でYesと判定した場合には、次に、ステップS43では、取得したステータコイル21の温度と目標温度との偏差を算出する。ステップS44では、室内温度センサ57から室内温度を取得する。ステップS45では、取得した室内温度が要求温度以上かを判定する。要求温度は室内空調装置41に乗員によって設定された温度である。
【0073】
ステップS45でYesと判定した場合には、次に、ステップS46では、取得した室内温度と要求温度との偏差を算出する。次に、ステップS47において、ステップS43及びステップS46において算出したステータコイル21の温度の偏差又は室内温度の偏差のいずれかが増大傾向にあるかを判定する。判定結果が増大の場合には、YesとなってステップS48に進み、ステップS48では、さらに、ステータコイル21の温度の偏差と室内温度の偏差との両方が増大傾向にあるかを判定する。
【0074】
ステップS48においてYesと判定した場合には、ステップS49に進みステップS49では、偏差の増大率が大きい方の配分比率を増大する。また、ステップS48においてNoと判定した場合には、ステップS51に進みステップS51では、偏差が増大傾向にある方の配分比率を増大する。
【0075】
なお、ステップS42でNoと判定した場合、またはステップS45でNoと判定した場合には、ステップS50に進み、ステップS50では、空調用膨張弁45に流入される冷媒量と回転電機用膨張弁13に流入される冷媒量との配分率を一定の比率で配分する。例えば、50:50に設定する。従って、ステップS49、S51の配分率を増大するとは、例えば50%から増大させることをいう。
【0076】
また、図10に示すフローチャートの変形例を図11に示す。図11のフローチャートでは、ステップS31、S32、S34は図10のステップS21、S22、S24と同様であり、ステップS33は回転電機用圧縮機7の回転数制御(2)が、図10のステップS23と相違するだけである。この回転電機用圧縮機7の回転数制御(2)は、図4に示す回転電機用圧縮機7の回転数制御である。
【0077】
このように、図9に示す他の実施形態の流量調整制御部55によれば、室内温度及びステータコイル21の温度に基づいて、空調用膨張弁45に流入する冷媒量と、回転電機用膨張弁13に流入する冷媒量との比率が調整されるので、駆動用モータ3の冷却と室内空調装置41の冷却との冷却の配分が適切に行われる。
【0078】
次に、他の実施形態を図13に示す。図13に示す他の実施形態は、冷却制御部31が、図9の冷却制御部31に対してさらに事前冷却制御部71を有し、事前冷却スイッチ42からの信号が入力されることが相違する。その他の構成は、図9の冷却制御部31と同様である。従って、図9と同様の構成部品については同一符号を付して説明は省略する。
【0079】
事前冷却制御部71は、事前冷却スイッチ42がONされたときに、流量調整弁51の空調用膨張弁45の側を全閉して、冷媒を全て、回転電機用膨張弁13に流して、ステータコイル21の温度を所定温度まで冷却制御する。
【0080】
そして、事前冷却制御部71は、事前冷却スイッチ42がON操作されたとき、回転電機用圧縮機7を最大回転によって稼働させる最大回転稼働部46と、ステータコイル21の温度が所定の温度範囲(例えば20℃以下)まで低下したことを判定する温度低下判定部48と、温度低下判定部48によって所定の温度範囲まで低下したと判定したとき、加速運転の許可を行う加速許可部49と、を有している。
【0081】
事前冷却制御部71の制御を図14のフローチャートを参照して説明する。図14において、まず、ステップS71では、事前冷却スイッチ42がONされたかを判定する。ONされていれば、ステップS72において、室内空調装置41がONされたかを判定する。
【0082】
ステップS72でYesと判定した場合には、ステップS73に進んで、流量調整弁51の空調用膨張弁45の側を全閉して、冷媒を全て、回転電機用膨張弁13に流す。その後、ステップS74に進んで、回転電機用圧縮機7を最大回転数にて回転して駆動用モータ3を冷却する。
【0083】
また、ステップS72でNoと判定した場合には、室内空調装置41がOFFであるので、空調用膨張弁45側へは流れないことを前提に流量調整弁51は制御せずに、ステップS74に進んで、回転電機用圧縮機7を最大回転数にて回転して駆動用モータ3を冷却する。なお、室内空調装置41がOFFの場合でも、流量調整弁51の空調用膨張弁45側を全閉にしてもよい。その後、ステップS74からステップS77は、図6の実施形態で説明した図7のフローチャートのステップS62からS65の事前冷却の制御と同様であるので省略する。
【0084】
図13に示す実施形態によれば、図9に示した実施形態による作用効果と同様の作用効果を有し、さらに、本実施形態によれば、事前冷却スイッチ42がONされたとき、流量調整弁51の空調用膨張弁45側を全閉にして冷媒全てを、回転電機用膨張弁13側に流して、駆動用モータ3のステータコイル21の温度を所定温度まで冷却制御するので、運転者の好みのタイミングで駆動用モータ3の迅速な冷却が可能になる。その結果、加速運転時における最大トルク運転時においても、駆動用モータ3の発熱を抑制でき、最大トルク運転時間を延伸することができる。
【0085】
次に、他の実施形態を図15に示す。図15に示す他の実施形態は、図9に示す実施形態に対して、空調用冷凍サイクル43と回転電機用冷凍サイクル5とには共用圧縮機である回転電機用圧縮機7が設けられ、さらに、回転電機用冷凍サイクル5側には増設圧縮機59が設けられることが相違する。その他の構成は、冷却制御部31も含めて図9の冷却装置1と同様である。なお、冷却制御部31の圧縮機制御部33によって制御される圧縮機は、共用圧縮機である回転電機用圧縮機7であっても、増設圧縮機59でもよい。さらに、両方を制御するようにしてもよい。図15においては、図9と同様の構成部品については同一符号を付して説明は省略する。
【0086】
図15に示す実施形態によれば、図9に示す実施形態と同様の作用効果を有し、さらに、図15の実施形態においては、回転電機用冷凍サイクル5側に、増設圧縮機59が設けられるので、共有圧縮機である回転電機用圧縮機7の能力を補うことが可能になり、冷凍サイクルによって駆動用モータ3の冷却が確保されるようになる。
【0087】
次に、他の実施形態を図16に示す。図16に示す実施形態は、図15の実施形態に対して、空調用冷凍サイクル43に空調用圧縮機61が設けられ、回転電機用冷凍サイクル5に回転電機用圧縮機7が設けられることが相違する。その他の構成は、冷却制御部31も含めて図15の冷却装置1と同様である。なお、冷却制御部31の圧縮機制御部33によって制御される圧縮機は、回転電機用圧縮機7である。図16においては、図15と同様の構成部品については同一符号を付して説明は省略する。
【0088】
図16に示す実施形態によれば、図15に示す実施形態と同様の作用効果を有し、さらに、図16の実施形態においては、空調用冷凍サイクル43側と、回転電機用冷凍サイクル5側とに別々の圧縮機が設けられるので、それぞれの圧縮機の配置及び制御の設計の自由度が得られる。その結果、室内空調装置41による室内冷却性能に影響を与えることなく回転電機用冷凍サイクル5によるモータ冷却能力を得ることができ、これにより、回転電機用冷凍サイクル5と空調用冷凍サイクル43との両立が容易となる。
【0089】
次に、他の実施形態を図17、18に示す。図17、18に示すように、回転電機用冷凍サイクル5の駆動用モータ3の冷媒流れ方向下流側にインバータ65を冷却するインバータ冷却部67が設けられている。インバータ冷却部67は、インバータ用蒸発器がインバータの筐体の内部に設けられている例を示すが、外部の配管に設けられてもよい。
【0090】
図17、18に示す実施形態よれば、回転電機用冷凍サイクル5の回転電機用膨張弁13によって気化して冷媒経路15に導入された気化冷媒が引き続いてインバータ冷却部67にも導入されることで、インバータ65をも冷却することが可能になるので、インバータ65も含めて効率よい冷却ができるようになる。
【0091】
なお、インバータ65を含めた場合の冷却制御部では、図1図9図15に示す圧縮機制御部33及び流量調整制御部55の制御において、「ステータコイル21の温度」を「ステータコイル21の温度」と「インバータ65の温度」とのうち高い方を意味するものとすることで、インバータ65も含めた冷却制御部を構成することができる。
【0092】
また、図18は、駆動用と発電用との2つのモータをもつ2モータ式であり、駆動用モータ3は、駆動用専用として説明し、他に発電用モータとしてジェネレータ69を備える電動車両における適用例を示すものである。回転電機用冷凍サイクル5において駆動用モータ3と並列的にジェネレータ69を配設して、ジェネレータ69に対しても駆動用モータ3と同様に、ジェネレータ用膨張弁72、ジェネレータの筐体の内部に形成されたジェネレータ用冷媒経路73によって冷却が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、冷凍サイクルを用いて冷却効果が高く、均一な冷却が可能な電動車両用モータの冷却ができるので、電動車両用モータの冷却装置への利用に適している。
【符号の説明】
【0094】
1 冷却装置
3 駆動用モータ(回転電機)
5 回転電機用冷凍サイクル
7 回転電機用圧縮機
9 回転電機用凝縮器
11 受液器
13 回転電機用膨張弁
15 冷媒経路(蒸発器)
17、49 配管
19 筐体
21 ステータコイル
25 冷媒入口部
27 冷媒出口部
31 冷却制御部
33 圧縮機制御部
35 ステータコイル温度センサ
37 モータ運転制御部
41 室内空調装置
43 空調用冷凍サイクル
45 空調用膨張弁
47 空調用蒸発器
51 流量調整弁
55 流量調整制御部
57 室内温度センサ
59 増設圧縮機
61 空調用圧縮機
65 インバータ
67 インバータ冷却部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18

【手続補正書】
【提出日】2019年3月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される回転電機の冷却装置であって、
前記回転電機のステータ及びロータを収容する筐体の壁内に形成され、前記筐体の壁内において冷媒を流通可能な冷媒経路と、
前記冷媒経路に前記冷媒を循環させる回転電機用冷凍サイクルと
を備え、
前記回転電機用冷凍サイクルは、回転電機用圧縮機と回転電機用凝縮器と回転電機用膨張弁とこれらの機器を接続する配管とを含み、冷媒が前記回転電機用圧縮機、前記回転電機用凝縮器、前記回転電機用膨張弁、前記冷媒経路を順次流通するように循環可能に構成され、
前記回転電機の前記筐体を蒸発器として機能させるとともに、前記配管と前記冷媒経路との接続部分である冷媒入口部の直前に前記回転電機用膨張弁を設けた、回転電機の冷却装置。
【請求項2】
前記冷媒経路は、前記ステータのステータコイルの外側を周方向にわたって囲むように形成されている、請求項1に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項3】
前記冷媒経路は、前記回転電機の出力軸方向の長さにおいて、前記ステータのステータコイルが配置されている範囲よりも長く延びて形成されている、請求項1または2に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項4】
前記冷媒経路の冷媒入口部は、前記冷媒経路の冷媒出口部よりも鉛直方向上方に設けられる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項5】
前記冷媒入口部の位置と前記冷媒出口部の位置とは、前記回転電機の出力軸方向にずれている、請求項4に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項6】
前記車両には室内空調装置が設けられ、該室内空調装置は、空調用圧縮機と空調用凝縮器と空調用膨張弁と空調用蒸発器とを含む空調用冷凍サイクルを備え、該空調用冷凍サイクルは、前記回転電機用冷凍サイクルを循環する前記冷媒の一部が前記空調用圧縮機、前記空調用凝縮器、前記空調用膨張弁、前記空調用蒸発器を順次流通して再び前記空調用圧縮機に流入するように循環可能に構成され、
前記空調用凝縮器と前記回転電機用凝縮器とは1つの同じ共用凝縮器である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項7】
前期空調用圧縮機と前記回転電気用圧縮機とがさらに1つの同じ共用圧縮機である、請求項6に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項8】
前記回転電機用冷凍サイクルには、前記共用圧縮機と前記回転電機との間に、増設圧縮機が設けられている、請求項7に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項9】
前記空調用膨張弁に流入する冷媒量と、前記回転電機用膨張弁に流入する冷媒量との比率を調整する流量調整弁が設けられている、請求項6〜8のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項10】
前記車両の室内温度を検出する室内温度センサと、
前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、
前記室内温度及び前記ステータコイルの温度に基づいて、前記比率を調整するように前記流量調整弁を制御する流量調整制御部と
を備える、請求項9に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項11】
前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、
前記ステータコイルの温度が予め設定された目標温度以上の時に、前記回転電機用圧縮機の運転を制御する圧縮機制御部と
を備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項12】
前記目標温度は、前記ステータコイル及び前記ロータの磁石それぞれの上限温度を超えないように前記回転電機の最大トルクの抑制が開始されるコイル温度以下に設定される、請求項11に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項13】
前記圧縮機制御部は、前記回転電機の要求トルク及び要求回転数に応じて前記回転電機用圧縮機の回転数を制御する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項14】
前記ステータのステータコイルの温度を検出するステータコイル温度センサと、
前記回転電機用圧縮機を作動させて前記回転電機を冷却する事前冷却スイッチと、
前記事前冷却スイッチがONされたときに前記ステータコイルの温度が予め設定された温度まで冷却する事前冷却制御部と
を備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項15】
前記事前冷却制御部は、前記事前冷却スイッチがONされた場合に、前記回転電機用圧縮機を最大回転数で稼働させる最大回転稼働部と、
前記ステータコイルの温度が予め設定された前記温度まで低下したことを判定する温度低下判定部と、
前記ステータコイルの温度が予め設定された前記温度まで低下したことを前記温度低下判定部が判定したとき、前記車両の加速運転の許可を行う加速許可部と
を備える、請求項14に記載の回転電機の冷却装置。
【請求項16】
前記回転電機用冷凍サイクルには、前記回転電機よりも冷媒流れ方向下流側にインバータを冷却するインバータ冷却部が設けられている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の回転電機の冷却装置。
【国際調査報告】