(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年7月30日
【発行日】2021年11月25日
(54)【発明の名称】表面処理剤、及び、物品
(51)【国際特許分類】
C09D 175/04 20060101AFI20211029BHJP
C09D 7/63 20180101ALI20211029BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20211029BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20211029BHJP
【FI】
C09D175/04
C09D7/63
B32B27/40
C08G18/00 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】特願2020-567401(P2020-567401)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年12月5日
(31)【優先権主張番号】特願2019-7720(P2019-7720)
(32)【優先日】2019年1月21日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】中庄谷 隆典
(72)【発明者】
【氏名】千々和 宏之
(72)【発明者】
【氏名】竹村 潔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 盛緒
(72)【発明者】
【氏名】坂井 美代
【テーマコード(参考)】
4F100
4J034
4J038
【Fターム(参考)】
4F100AH03B
4F100AK51B
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4J038JB26
4J038KA03
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4J038NA03
(57)【要約】
本発明は、ウレタン樹脂(A)と、水(B)と、架橋剤(C)とを含有する表面処理剤であって、前記架橋剤(C)がオキサゾリン化合物(c-1)を含むことを特徴とする表面処理剤を提供するものである。
また、本発明は、前記表面処理剤により形成された層を有することを特徴とする物品を提供するものである。前記架橋剤(C)は、オキサゾリン化合物(c-1)単独、又は、オキサゾリン化合物(c-1)とカルボジイミド化合物(c-2)とを併用したものであることが好ましい。前記物品は、表面処理剤により形成された層を2層有するものであり、その内の少なくとも1層が、前記表面処理剤により形成された層であることが好ましい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウレタン樹脂(A)と、水(B)と、架橋剤(C)とを含有する表面処理剤であって、前記架橋剤(C)がオキサゾリン化合物(c−1)を含むことを特徴とする表面処理剤。
【請求項2】
前記架橋剤(C)が、オキサゾリン化合物(c−1)単独、又は、オキサゾリン化合物(c−1)とカルボジイミド化合物(c−2)とを併用したものである請求項1記載の表面処理剤。
【請求項3】
前記オキサゾリン化合物(c−1)の含有率が、0.01〜20質量%の範囲である請求項1又は2記載の表面処理剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項記載の表面処理剤により形成された層を有することを特徴とする物品。
【請求項5】
表面処理剤により形成された層を2層有するものであり、その内の少なくとも1層が、請求項1〜3のいずれか1項記載の表面処理剤により形成された層であることを特徴とする物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理剤、及び、表面処理剤による層を有する物品
【背景技術】
【0002】
自動車内装レザー用シートの製造工程においては、その表面に耐久性および意匠性付与の観点から、表面処理剤により仕上げがなされている。従来の表面処理剤に用いられる材料は、有機溶剤を含んだ溶剤系樹脂組成物が主流であったが、近年の環境規制の高まりを受け、有機溶剤を実質的に含まない水性表面処理剤の開発が進められている。
【0003】
前記水性表面処理剤としては、例えば、ポリウレタン水分散体と紫外線吸収型ポリマーとを含有するものが開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、係る表面処理剤は、耐光性のレベルが未だ十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−53206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、水を含有する表面処理剤において、耐光性に優れる表面処理剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ウレタン樹脂(A)と、水(B)と、架橋剤(C)とを含有する表面処理剤であって、前記架橋剤(C)がオキサゾリン化合物(c−1)を含むことを特徴とする表面処理剤を提供するものである。
【0007】
また、本発明は、前記表面処理剤により形成された層を有することを特徴とする物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の表面処理剤は、耐光性に優れるものである。また、本発明の表面処理剤は、水を含有するものであり、環境に優しい材料である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の表面処理剤は、ウレタン樹脂(A)と、水(B)と、オキサゾリン化合物(c−1)を含む架橋剤(C)とを含有するものである。
【0010】
前記ウレタン樹脂(A)は、水(B)に分散し得るものであり、例えば、アニオン性基、カチオン性基、ノニオン性基等の親水性基を有するウレタン樹脂;乳化剤で強制的に水(B)中に分散したウレタン樹脂などを用いることができる。これらのウレタン樹脂(A)は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0011】
前記アニオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、カルボキシル基を有する化合物及びスルホニル基を有する化合物からなる群より選ばれる1種以上の化合物を原料として用いる方法が挙げられる。
【0012】
前記カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−吉草酸等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0013】
前記スルホニル基を有する化合物としては、例えば、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、2,6−ジアミノベンゼンスルホン酸、N−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルスルホン酸等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0014】
前記カルボキシル基及びスルホニル基は、樹脂組成物中で、一部又は全部が塩基性化合物に中和されていてもよい。前記塩基性化合物としては、例えば、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミン;モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等のアルカノールアミン;ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム等を含む金属塩基化合物などを用いることができる。
【0015】
前記カチオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、アミノ基を有する化合物の1種又は2種以上を原料として用いる方法が挙げられる。
【0016】
前記アミノ基を有する化合物としては、例えば、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン等の1級及び2級アミノ基を有する化合物;N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン等のN−アルキルジアルカノールアミン、N−メチルジアミノエチルアミン、N−エチルジアミノエチルアミン等のN−アルキルジアミノアルキルアミンなどの3級アミノ基を有する化合物などを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0017】
前記ノニオン性基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、例えば、オキシエチレン構造を有する化合物の1種又は2種以上を原料として用いる方法が挙げられる。
【0018】
前記オキシエチレン構造を有する化合物としては、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール等のオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオールを用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0019】
以上の親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料の使用量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、及び、耐加水分解性が得られる点から、ウレタン樹脂(A)の原料中0.1〜15質量%の範囲であることが好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましく、1.5〜7質量%の範囲が更に好ましい。
【0020】
前記強制的に水(B)中に分散するウレタン樹脂を得る際に用いることができる乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体等のノニオン性乳化剤;オレイン酸ナトリウム等の脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナフタレンスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルカンスルフォネートナトリウム塩、アルキルジフェニルエーテルスルフォン酸ナトリウム塩等のアニオン性乳化剤;アルキルアミン塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等のカチオン性乳化剤などを用いることができる。これらの乳化剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0021】
前記ウレタン樹脂(A)としては、具体的には、例えば、前記した親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、及び、鎖伸長剤(a3)の反応物を用いることができる。これらの反応は公知のウレタン化反応を用いることができる。
【0022】
前記ポリイソシアネート(a1)としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族または脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0023】
前記ポリイソシアネート(a1)としては、より一層優れた耐光性、耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましく、少なくともイソシアネート基の窒素原子がシクロヘキサン環と直接連結した構造を1つ以上有するポリイソシアネートを用いることがより好ましく、イソホロンジイソシアネート及び/又はジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを用いることが更に好ましく、塩化ビニル(PVC)シートとの密着性(以下、「PVC密着性」と略記する。)がより一層向上する点から、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが特に好ましい。また、脂環式ポリイソシアネートの使用量としては、より一層優れた耐光性、耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ポリイソシアネート(a1)中30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
【0024】
前記ポリイソシアネート(a1)の使用量としては、より一層優れた耐光性、耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ウレタン樹脂(A)の原料中5〜50質量%の範囲であることが好ましく、15〜40質量%の範囲がより好ましく、20〜37質量%の範囲が更に好ましい。
【0025】
前記ポリオール(a2)としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリアクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール等を用いることができる。これらのポリオールは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ポリカーボネートポリオールを用いることが好ましい。
【0026】
前記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステル及び/又はホスゲンと、水酸基を2個以上有する化合物との反応物を用いることができる。
【0027】
前記炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0028】
前記水酸基を2個以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,8−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、グリセリン等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチルペンタンジオール、及び、1,10−デカンジオールからなる群から選ばれる1種以上の化合物を用いることが好ましく、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。
【0029】
前記ポリカーボネートポリオールの使用量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ポリオール(a2)中85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上が更に好ましい。
【0030】
前記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量としては、より一層優れた耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、100〜100,000の範囲であることが好ましく、150〜10,000の範囲より好ましく、200〜2,500の範囲が更に好ましい。なお、前記ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
【0031】
前記ポリカーボネートポリオール以外の前記ポリオール(a2)の数平均分子量としては、より一層優れた耐候性が得られる点から、500〜100,000の範囲であることが好ましく、700〜50,000の範囲より好ましく、800〜10,000の範囲が更に好ましい。なお、前記ポリオール(a2)の数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法により測定した値を示す。
【0032】
前記ポリオール(a2)の使用量としては、ウレタン樹脂(A)の原料中30〜80質量%の範囲であることが好ましく、40〜75質量%の範囲がより好ましく、50〜70質量%の範囲が更に好ましい。
【0033】
前記鎖伸長剤(a3)としては、例えば、数平均分子量が50〜450の範囲のもの(前記ポリカーボネートポリオールを除く。)であり、具体的には、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、ヒドラジン等のアミノ基を有する鎖伸長剤;エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、トリメチロールプロパン等の水酸基を有する鎖伸長剤などを用いることができる。これらの鎖伸長剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0034】
前記鎖伸長剤(a3)としては、前記した中でも、より一層優れた耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、アミノ基を有する鎖伸長剤を用いることが好ましく、ピペラジン及び/又はヒドラジンがより好ましく、ピペラジン及びヒドラジンの合計量としては、前記鎖伸長剤(a3)中30質量%以上であることが好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましい。また、前記鎖伸長剤(a3)としては、平均官能基数が3未満であること好ましく、2.5未満がより好ましい。また、
【0035】
前記鎖伸長剤(a3)の使用量としては、より一層優れた耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、ウレタン樹脂(A)の原料中0.5〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.7〜5質量%の範囲がより好ましく、0.9〜2.3の範囲が更に好ましい。
【0036】
前記ウレタン樹脂(A)の製造方法としては、例えば、前記ポリイソシアネート(a1)と前記ポリオール(a2)と前記親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料を反応させることによって、イソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、前記ウレタンプレポリマーと、前記鎖伸長剤(a3)とを反応させることによって製造する方法;前記ポリイソシアネート(a1)、前記ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、及び、前記鎖伸長剤(a3)を一括に仕込み反応させる方法等が挙げられる。これらの反応は、例えば50〜100℃で3〜10時間行うことが挙げられる。
【0037】
前記親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料が有する水酸基、前記ポリオール(a2)が有する水酸基、及び、前記鎖伸長剤(a3)が有する水酸基及びアミノ基の合計と、前記ポリイソシアネート(a1)が有するイソシアネート基とのモル比[(イソシアネート基)/(水酸基及びアミノ基)]としては、0.8〜1.2の範囲であることが好ましく、0.9〜1.1の範囲であることがより好ましい。
【0038】
前記ウレタン樹脂(A)を製造する際には、前記ウレタン樹脂(A)に残存するイソシアネート基を失活させることが好ましい。前記イソシアネート基を失活させる場合には、メタノール等の水酸基を1個有するアルコールを用いることが好ましい。前記アルコールの使用量としては、ウレタン樹脂(A)100質量部に対し、0.001〜10質量部の範囲であることが好ましい。
【0039】
また、前記ウレタン樹脂(A)を製造する際には、有機溶剤を用いてもよい。前記有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物などを用いることができる。これらの有機溶媒は単独で用いても2種以上を併用してもよい。なお、前記有機溶剤は、蒸留法等によって最終的には除去されることが好ましい。
【0040】
前記ウレタン樹脂(A)のウレタン結合の含有量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、980〜4,000mmol/kgの範囲が好ましく、1,000〜3,500mmol/kgの範囲がより好ましく、1,100〜3,000mmol/kgの範囲が更に好ましく、1,150〜2,500mmol/kgの範囲が更に好ましい。なお、前記ウレタン樹脂(A)のウレタン結合の含有量は、前記ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、および、鎖伸長剤(a3)の仕込み量から算出される値を示す。
【0041】
前記ウレタン樹脂(A)のウレア結合の含有量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、315〜850mmol/kgの範囲であることが好ましく、350〜830mmol/kgの範囲がより好ましく、400〜800mmol/kgの範囲が更に好ましく、410〜770mmol/kgの範囲が更に好ましい。なお、なお、前記ウレタン樹脂(A)のウレア結合の含有量は、前記ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、および、鎖伸長剤(a3)の仕込み量から算出される値を示す。
【0042】
前記ウレタン樹脂(A)の脂環構造の含有量としては、より一層優れた耐薬品性、耐摩耗性、及び、耐候性が得られる点から、500〜3,000mmol/kgの範囲であることが好ましく、600〜2,900mmol/kgの範囲がより好ましく、700〜2,700mmol/kgの範囲が更に好ましい。なお、なお、前記ウレタン樹脂(A)の脂環構造の含有量は、前記ポリイソシアネート(a1)、ポリオール(a2)、親水性基を有するウレタン樹脂を製造するために用いる原料、および、鎖伸長剤(a3)の仕込み量から算出される値を示す。
【0043】
前記ウレタン樹脂(A)の含有率としては、塗工性、作業性および保存安定性の点から、ウレタン樹脂組成物中3〜50質量%の範囲であることが好ましく、5〜30質量%の範囲がより好ましい。
【0044】
前記水(B)としては、イオン交換水、蒸留水等を用いることができる。前記水(B)の含有率としては、ウレタン樹脂組成物の塗工性、作業性および保存安定性の点から、ウレタン樹脂組成物中30〜95質量%の範囲であることが好ましく、50〜90質量%の範囲がより好ましい。
【0045】
前記架橋剤(C)は、優れた耐光性を得る上で、オキサゾリン化合物(c−1)を含有することが必須である。
【0046】
前記オキサゾリン化合物(c−1)としては、例えば、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、1,8−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基を有する化合物;オキサゾリン基を有するポリマーなどを用いることができる。これらのオキサゾリン架橋剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、より一層優れた耐光性が得られる点から、オキサゾリン基を有するポリマーを用いることが好ましい。
【0047】
前記オキサゾリン基を有するポリマーとしては、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の重合性オキサゾリン化合物の重合物を用いることができる。
【0048】
前記オキサゾリン基を有するポリマーは、好ましくは、株式会社日本触媒製の「エポクロス」シリーズを市販品として入手することができ、具体的には、水溶性タイプの「エポクロスWS−500」、「エポクロスWS−700」等が挙げられる。
【0049】
前記オキサゾリン化合物(c−1)の含有率としては、より一層優れた耐光性が得られる点から、0.01〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.01〜15質量%の範囲がより好ましい。
【0050】
また、前記ウレタン樹脂(A)(=固形分)100質量部に対する、前記オキサゾリン化合物(c−1)(=固形分)の使用量としては、0.1〜100質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜50質量部の範囲がより好ましい。
【0051】
前記架橋剤(C)には、前記オキサゾリン化合物(c−1)以外にも、必要に応じて、その他の架橋剤を併用してもよい。
【0052】
前記その他の架橋剤としては、例えば、カルボジイミド化合物(c−2)、ポリイソシアネート架橋剤、メラミン架橋剤、エポキシ架橋剤等を用いることができる。これらの架橋剤は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0053】
前記カルボジイミド化合物(c−2)としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミドメチオジド、N−tert−ブチル−N’−エチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメソ−p−トルエンスルホネート、N,N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物;カルボジイミド化触媒の存在下でポリイソシアネートの公知の縮合反応により得られるカルボジイミド化合物;ポリイソシアネート及びポリアルキレンオキサイドを原料とするカルボジイミド化合物などを用いることができる。これらのカルボジイミド化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0054】
前記架橋剤(C)としては、前記した中でも、より一層優れた耐光性が得られる点から、オキサゾリン化合物(c−1)単独、又は、オキサゾリン化合物(c−1)とカルボジイミド化合物(c−2)との併用が好ましい。
【0055】
前記オキサゾリン化合物(c−1)とカルボジイミド化合物(c−2)とを併用する場合の質量比(固形分)[(c−1)/(c−2)]としては、より一層優れた耐光性が得られる点から、10/90〜90/10の範囲であることが好ましく、20/80〜80/20の範囲がより好ましい。
【0056】
本発明のウレタン樹脂組成物は、前記ウレタン樹脂(A)、水(B)、及び、架橋剤(C)を必須成分として含有するが、必要に応じてその他の添加剤を用いてもよい。
【0057】
前記その他の添加剤としては、例えば、フィラー(D)、乳化剤、消泡剤、レベリング剤、増粘剤、粘弾性調整剤、消泡剤、湿潤剤、分散剤、防腐剤、可塑剤、浸透剤、香料、殺菌剤、殺ダニ剤、防かび剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、染料、顔料(例えば、チタン白、ベンガラ、フタロシアニン、カーボンブラック、パーマネントイエロー等)等を用いることができる。これらの添加剤は単独で用いても2種以上を併用しても良い。
【0058】
前記その他の添加剤としては、表面処理剤の塗膜として、マット感が必要な用途において使用される場合には、フィラー(D)を含有することが好ましい。
【0059】
前記フィラー(D)としては、例えば、シリカ粒子、有機ビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、タルク、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、カオリン、雲母、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、アルミナシリケイト等を用いることができる。これらのフィラーは、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0060】
前記シリカ粒子としては、例えば、乾式シリカ、湿式シリカ等を用いることができる。これらの中でも、散乱効果が高く光沢値の調整範囲が広くなることから、乾式シリカが好ましい。これらシリカ粒子の平均粒子径としては、2〜14μmの範囲であることが好ましく、3〜12μmの範囲がより好ましい。なお、前記シリカ粒子の平均粒子径は、粒度分布測定結果の積算粒子量曲線において、その積算量が50%を占めるときの粒子径(粒度分布におけるD50での粒子径)を示す。
【0061】
前記有機ビーズとしては、例えば、アクリルビーズ、ウレタンビーズ、シリコンビーズ、オレフィンビーズ等を用いることができる。
【0062】
前記フィラー(D)を用いる場合の使用量は、付与するマット感に応じて適宜決定することができるが、例えば、ウレタン樹脂(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部の範囲であることが好ましく、1〜10質量部の範囲がより好ましい。
【0063】
以上、本発明の表面処理剤は、耐光性に優れるものである。また、本発明の表面処理剤は、水を含有するものであり、環境に優しい材料である。よって、本発明の表面処理剤は、合成皮革、ポリ塩化ビニル(PVC)レザー、熱可塑性オレフィン樹脂(TPO)レザー、ダッシュボード、インスツルメントパネル等の各種物品の表面処理剤として好適に用いることができ、PVCレザーに特に好適に使用することができる。
【0064】
本発明の物品は、前記表面処理剤により形成された層を有する。
【0065】
前記物品の具体的としては、例えば、合成皮革、人工皮革、天然皮革、ポリ塩化ビニル(PVC)レザーを用いた自動車内装シート、スポーツ靴、衣料、家具、熱可塑性オレフィン(TPO)レザー、ダッシュボード、インスツルメントパネル等が挙げられる。
【0066】
前記表面処理剤による層の厚さとしては、例えば、0.1〜100μmの範囲である。
【0067】
前記物品としては、本発明の表面処理剤により形成された層を有するものであるが、より一層優れた耐光性を得るうえで、表面処理剤により形成された層を2層有することが好ましく、例えば、本発明の表面処理剤により形成された層を2層有するもの;本発明の表面処理剤により形成された層とその他の表面処理剤により形成された層との2層を有するものなどが挙げられる。
【0068】
前記物品の好ましい態様としては、以下のものが挙げられる。
【0069】
(アンダーコート層)/(トップコート層)を形成する表面処理剤が、それぞれ、
・架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)のみを含有する表面処理剤/架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)のみを含有する表面処理剤、
・架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)のみを含有する表面処理剤/架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)及びカルボジイミド化合物(c−2)を含有する表面処理剤、
・架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)のみを含有する表面処理剤/架橋剤(C)としてカルボジイミド化合物(c−2)のみを含有する表面処理剤、
・架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)及びカルボジイミド化合物(c−2)を含有する表面処理剤/架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)のみを含有する表面処理剤、
・架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)及びカルボジイミド化合物(c−2)を含有する表面処理剤/架橋剤(C)としてカルボジイミド化合物(c−2)のみを含有する表面処理剤、
・架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)及びカルボジイミド化合物(c−2)を含有する表面処理剤/架橋剤(C)としてオキサゾリン化合物(c−1)及びカルボジイミド化合物(c−2)を含有する表面処理剤、
等が挙げられる。
【0070】
表面処理剤による2層を形成する場合には、前記フィラー(D)はトップコート層に含有されることが好ましい。
【実施例】
【0071】
以下、実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。
【0072】
[合成例1]ウレタン樹脂(A−1)水分散体の調製
攪拌機、温度計、および窒素還流管を備えた四つ口フラスコに、メチルエチルケトン250質量部、及びオクチル酸第一錫0.001質量部を入れ、次いで、ポリカーボネートポリオール−3(1,6−ヘキサンジオールを原料とするもの、数平均分子量:2,000)を220質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸12質量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート70質量部を入れ、70℃で1時間反応させ、ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
次いで、このウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液に、ピペラジン4.5質量部、トリエチルアミン9質量部を混合させた後に、イオン交換水880質量部を加えてウレタン樹脂(A−1)が水に分散した乳化液を得た。
次いで、前記乳化液からメチルエチルケトンを留去し、更にイオン交換水を加えることで、不揮発分32質量%のウレタン樹脂(A−1)水分散体を得た。
得られたウレタン樹脂(A−1)のウレタン結合の含有量は1,278mmol/kg、ウレア結合の含有量は435mmol/kg、脂環構造の含有量は1,713mmol/kgであった。
【0073】
[合成例2]ウレタン樹脂(A−2)水分散体の調製
攪拌機、温度計、および窒素還流管を備えた四つ口フラスコに、メチルエチルケトン250質量部、及びオクチル酸第一錫0.001質量部を入れ、次いで、ポリカーボネートポリオール−4(1,6−ヘキサンジオールを原料とするもの、数平均分子量:2,000)を138質量部、ポリカーボネートポリオール−5(1,6−ヘキサンジオールを原料とするもの、数平均分子量:500)を55質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸13質量部、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート100質量部を入れ、70℃で1時間反応させ、ウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液を得た。
次いで、このウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液に、ピペラジン5.6質量部、トリエチルアミン10質量部を混合させた後に、イオン交換水880質量部を加えてウレタン樹脂(A−2)が水に分散した乳化液を得た。
次いで、前記乳化液からメチルエチルケトンを留去し、更にイオン交換水を加えることで、不揮発分30質量%のウレタン樹脂(A−2)水分散体を得た。
得られたウレタン樹脂(A−2)のウレタン結合の含有量は1,747mmol/kg、ウレア結合の含有量は576mmol/kg、脂環構造の含有量は2,341mmol/kgであった。
【0074】
[実施例1]
(アンダーコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体50質量部、水45質量部、オキサゾリン化合物(株式会社日本触媒製「エポクロスWS−500」、以下「OXZ」と略記する。)15質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、アンダーコート層用表面処理剤(AC−1)を得た。
(トップコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体30質量部、乾式法で製造されたシリカ粒子、平均粒子径:10μm、以下、「シリカ」と略記する。」)2質量部、水63質量部、OXZ8質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、トップコート層用表面処理剤(TC−1)を得た。
【0075】
[実施例2]
(アンダーコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体50質量部、水45質量部、OXZ8質量部、カルボジイミド化合物(日清紡ケミカル株式会社製「カルボジライトV−02−L2」不揮発分;40質量%、以下「NCN」と略記する。)4質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、アンダーコート層用表面処理剤(AC−2)を得た。
(トップコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体30質量部、シリカ2質量部、水63質量部、OXZ4質量部、NCN3質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、トップコート層用表面処理剤(TC−2)を得た。
【0076】
[実施例3]
(アンダーコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体50質量部、水45質量部、OXZ2質量部、NCN7質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、アンダーコート層用表面処理剤(AC−3)を得た。
(トップコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体30質量部、シリカ2質量部、水63質量部、OXZ5質量部、NCN2質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、トップコート層用表面処理剤(TC−3)を得た。
【0077】
[実施例4]
(アンダーコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体50質量部、水45質量部、NCN9質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、アンダーコート層用表面処理剤(AC−4)を得た。
(トップコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体30質量部、シリカ2質量部、水63質量部、OXZ4質量部、NCN3質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、トップコート層用表面処理剤(TC−4)を得た。
【0078】
[実施例5]
(アンダーコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−2)水分散体50質量部、水45質量部、OXZ15質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、アンダーコート層用表面処理剤(AC−5)を得た。
(トップコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−2)水分散体30質量部、シリカ2質量部、水63質量部、OXZ8質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、トップコート層用表面処理剤(TC−5)を得た。
【0079】
[比較例1]
(アンダーコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体50質量部、水45質量部、NCN9質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、アンダーコート層用表面処理剤(ACR−1)を得た。
(トップコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体30質量部、シリカ2質量部、水63質量部、NCN6質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、トップコート層用表面処理剤(TCR−1)を得た。
【0080】
[比較例2]
(アンダーコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体50質量部、水45質量部、NCN9質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、アンダーコート層用表面処理剤(ACR−2)を得た。
(トップコート層用表面処理剤)
合成例1で得られたウレタン樹脂(A−1)水分散体30質量部、シリカ2質量部、水63質量部、NCN6質量部、ヒンダードアミン系耐光安定剤(株式会社ADEKA製「アデカスタブLA−52」)0.3質量部、その他添加剤(増粘剤、消泡剤、レべリング剤)5質量部を混合することで、トップコート層用表面処理剤(TCR−2)を得た。
【0081】
[数平均分子量の測定方法]
合成例等で用いたポリオールの数平均分子量は、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定し得られた値を示す。
【0082】
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
【0083】
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
【0084】
[耐光性の評価方法]
バーコーターを使用して、PVCレザー上に、実施例及び比較例で得られたアンダーコート層用表面処理剤、及び、アンダーコート層用表面処理剤をこの順にそれぞれ1コート塗工し、120℃で2分間乾燥して評価用サンプルを得た。
この評価用サンプルを、キセノンウェザーメーター(ATLAS社製「Ci4000」)を使用して、ISO105−B06:1998に準拠して、以下の条件により耐光性試験を実施し、(i)外観での目視評価、(ii)グレースケールによる級判定、(iii)折り曲げ試験を行った。
この結果、(i)外観での変化がなく、(ii)4級以上、(iii)折り曲げた際に白化が確認されなかったものを「○」、それ以外を「×」と評価した。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
本発明の表面処理剤は、優れた耐光性を有することがわかった。
【0088】
一方、比較例1及び2は、表面処理剤にオキサゾリン化合物(c−1)を用いない態様であるが、耐光性が不良であった。
【国際調査報告】