特表-20021677IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年1月30日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】電力変換システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20201120BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20201120BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20201120BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20201120BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   H02M7/48 N
   H02J7/35 K
   H02J7/00 302D
   H02J3/32
   H02J3/38 130
   H02J3/38 180
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2020-532089(P2020-532089)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2018年7月26日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(72)【発明者】
【氏名】山邉 健太
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H770
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA01
5G066JB03
5G066KA06
5G503AA01
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA04
5G503DA13
5G503EA05
5G503EA06
5H770BA11
5H770BA15
5H770CA05
5H770CA06
5H770DA22
5H770FA06
5H770FA11
5H770GA19
5H770HA01W
5H770HA03W
5H770HA19W
5H770LA03Z
5H770LB09
(57)【要約】
電力変換システムは、蓄電池と、電力系統と系統連系するように構築され、蓄電池の電力を変換して負荷機器と電力系統との間の接続点に出力することで、負荷機器に電力を供給する第一電力変換装置と、電力系統が第一電力変換装置から切り離された自立運転時において、蓄電池の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、第一電力変換装置ではない他の装置に対して負荷機器に供給される電力を低減するための信号を送信する制御手段と、を備える。負荷機器は、負荷本体と、指令値に従って負荷本体を制御する負荷制御部と、を含んでもよい。負荷機器制御部が、上記の他の装置であり、信号は、負荷本体の消費電力を低下させる運転を負荷制御部が行うように負荷制御部に対して送信する負荷調整信号を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と接続され、電力系統と系統連系するように構築され、前記蓄電池の電力を変換して負荷機器と前記電力系統との間の接続点に出力することで前記負荷機器に電力を供給する第一電力変換装置と、
前記電力系統が前記第一電力変換装置から切り離された自立運転時において、前記蓄電池の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、前記負荷機器の負荷制御部に対して前記負荷機器に供給される電力を低減するための負荷調整信号を送信する制御手段と、
を備える電力変換システム。
【請求項2】
蓄電池と接続され、電力系統と系統連系するように構築され、前記蓄電池の電力を変換して負荷機器と前記電力系統との間の接続点に出力することで、前記負荷機器に電力を供給する第一電力変換装置と、
太陽電池パネルと接続され、前記太陽電池パネルで発電した電力を変換して前記負荷機器と前記電力系統との前記接続点に供給する第二電力変換装置と、
前記電力系統が前記第一電力変換装置から切り離された自立運転時において、前記蓄電池の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、前記第一電力変換装置の運転停止と前記第二電力変換装置の運転停止とを協調させて行うための協調停止信号を前記第二電力変換装置に送信する制御手段と、
を備える電力変換システム。
【請求項3】
前記蓄電池の残電力量に基づいて前記第一電力変換装置が電力を出力可能な残運転時間を算出する手段と、前記蓄電池の蓄電容量の経時変化を取得する手段と、のうち少なくとも一つを含む請求項1または2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記蓄電池の状態が前記残電力不足条件に合致した場合に、前記第一電力変換装置の出力電力が予め定めた低下率で徐々に減少するように前記第一電力変換装置を制御する請求項1または2に記載の電力変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置および電力変換システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば日本特開2017−112762号公報に記載されているように、蓄電装置が遮断されたときに電力変換装置の停止処理を実行する電力変換システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開2017−112762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術では、蓄電池の側に何らかの異常が検出されたときに、蓄電池と接続された電力変換装置の出力電力を急峻に低下させている。電力変換装置の急停止が突然に発生すると、このような急停止は電力変換装置以外の他の装置にとって予期しない停止動作となる可能性が高い。
【0005】
系統連系システムの自立運転中には電力系統からの電力供給を受けられないので、上記のような予期しない停止動作が起きると種々の問題が発生する。例えば負荷機器にとっては、供給電力が突然に遮断されてしまう。例えば蓄電池以外の電源と接続する他の電力変換装置にとっては、自立運転の安定性が突然に低下してしまう。これらの事態により、システム全体としての制御安定性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、自立運転時において蓄電池の残電力量が低下したときにシステムの制御が不安定になることを抑制するように改良された電力変換装置および電力変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の実施形態の一つにかかる第一の電力変換システムは、
蓄電池と接続され、電力系統と系統連系するように構築され、前記蓄電池の電力を変換して負荷機器と前記電力系統との間の接続点に出力することで前記負荷機器に電力を供給する第一電力変換装置と、
前記電力系統が前記第一電力変換装置から切り離された自立運転時において、前記蓄電池の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、前記負荷機器の負荷制御部に対して前記負荷機器に供給される電力を低減するための負荷調整信号を送信する制御手段と、
を備える。
【0008】
本出願の実施形態の一つにかかる第二の電力変換システムは、
蓄電池と接続され、電力系統と系統連系するように構築され、前記蓄電池の電力を変換して負荷機器と前記電力系統との間の接続点に出力することで、前記負荷機器に電力を供給する第一電力変換装置と、
太陽電池パネルと接続され、前記太陽電池パネルで発電した電力を変換して前記負荷機器と前記電力系統との前記接続点に供給する第二電力変換装置と、
前記電力系統が前記第一電力変換装置から切り離された自立運転時において、前記蓄電池の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、前記第一電力変換装置の運転停止と前記第二電力変換装置の運転停止とを協調させて行うための協調停止信号を前記第二電力変換装置に送信する制御手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
上記第一の電力変換システムによれば、蓄電池の残電力量が低下した場合に、負荷機器に供給される電力を低減するための制御指示を発することができる。これにより、電力変換システム全体として不安定な電力制御が行われることを防止できる。
【0010】
上記第二の電力変換システムによれば、蓄電池の残電力量が低下した場合に、協調停止を行うことにより電力変換システム全体として不安定な電力制御が行われることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態にかかる電力変換システムを示す図である。
図2】実施の形態にかかる電力変換システムの停止動作を示す図である。
図3】実施の形態にかかる電力変換システムで実行されるルーチンのフローチャートである。
図4】実施の形態にかかる電力変換システムで実行されるルーチンのフローチャートである。
図5】実施の形態にかかる電力変換システムの蓄電池状態の一例を示す図である。
図6】実施の形態にかかる電力変換システムの蓄電池状態の一例を示す図である。
図7】実施の形態の変形例にかかる電力変換装置および電力変換システムを示す図である。
図8】比較例にかかる電力変換装置および電力変換システムを示す図である。
図9】比較例にかかる電力変換装置および電力変換システムの停止動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、実施の形態にかかる電力変換システム20を示す図である。電力変換システム20は、蓄電池2と、複数の太陽電池パネルを含む太陽電池アレイ3と、負荷機器4と、上位監視装置であるMSC(メインサイトコントローラ)5と、遮断器6と、第一電力変換装置1aと、第二電力変換装置1bと、を備える。
【0013】
第一電力変換装置1aは、第一電力変換回路10aと、第一制御装置11aとを備えている。第一電力変換回路10aは、直流交流変換を行うインバータ回路であり、半導体スイッチング素子などで構成されている。第一制御装置11aは、第一電力変換回路10aを構成する半導体スイッチング素子のスイッチング制御等を行う。
【0014】
第一電力変換装置1aは、蓄電池2と接続されている。第一電力変換装置1aは、電力系統7と系統連系するように構築されている。第一制御装置11aが第一電力変換回路10aを制御することで、蓄電池2の電力が変換されて負荷機器4と電力系統7との間の接続点に供給されている。これにより、第一電力変換装置1aは、負荷機器4に電力を供給する。
【0015】
第一制御装置11aは、蓄電池充電モードで第一電力変換回路10aを駆動してもよい。蓄電池充電モードとは、電力系統7の系統電圧を変換することで蓄電池2を充電する運転モードのことである。
【0016】
第二電力変換装置1bは、第二電力変換回路10bと、第二制御装置11bとを備えている。第二電力変換回路10bは、直流交流変換を行うインバータ回路であり、半導体スイッチング素子などで構成されている。第二制御装置11bは、第二電力変換回路10bを構成する半導体スイッチング素子のスイッチング制御等を行う。
【0017】
第二電力変換装置1bは、太陽電池アレイ3と接続されている。第二電力変換回路10bの出力端は、負荷機器4と第一電力変換装置1aの間の接続点に接続されており、この接続点を介して電力系統7とも接続している。
【0018】
第二電力変換装置1bは、電力系統7と系統連系するように構築されている。第二制御装置11bが第二電力変換回路10bを制御することで、太陽電池アレイ3で発電された電力が変換されて負荷機器4と第一電力変換装置1aの間の接続点に供給される。これにより、第二電力変換装置1bは、負荷機器4に電力を供給する。
【0019】
負荷機器4は、負荷本体4bと、指令値に従って負荷本体4bを制御する負荷制御部4aと、を含んでいる。負荷本体4bは、誘導負荷または抵抗負荷であるものとする。
【0020】
遮断器6の一端は電力系統7に接続されている。遮断器6の他端は、負荷機器4、第一電力変換装置1aおよび第二電力変換装置1bが互いに接続された配線部に接続している。遮断器6がターンオフされると、負荷機器4、第一電力変換装置1aおよび第二電力変換装置1bが、電力系統7が切り離される。電力系統7が切り離された後は、第一電力変換装置1aおよび第二電力変換装置1bが「自立運転モード」で発電を継続する。
【0021】
MSC5は、第一電力変換回路10a、第二電力変換回路10b、負荷制御部4a、および遮断器6それぞれと、無線または有線で通信可能に接続されている。
【0022】
MSC5は、上記の自立運転モードでの運転時において、蓄電池2の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、負荷制御部4aに対して負荷調整信号S3を送信する。負荷調整信号S3は、負荷本体4bの消費電力を低下させる運転を負荷制御部4aに行わせるために負荷制御部4aに対して送信される信号である。
【0023】
なお、「残電力不足条件」には、蓄電池2の残電力量が予め定めた下限値に達したことが含まれてもよく、蓄電池2の残電力量に基づいて第一電力変換装置1aが電力を出力可能な残運転時間Topが予め定めた下限時間以下となったことが含まれてもよい。
【0024】
負荷調整信号S3によって負荷機器4の側の要求電力が低減されることで突然の負荷電力遮断を抑制できるので、電力変換システム20全体として不安定な電力制御が行われることを防止できる。逆起電力および突入電流の発生を防止でき、安全に負荷機器4を停止することもできる。徐々に低下させる場合の変化率は、例えばランプ(ramp:傾斜路)状であってもよい。
【0025】
また、MSC5は、上記の自立運転モードでの運転時において、蓄電池2の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、協調停止信号S2を第二電力変換装置1bに送信する。協調停止信号S2は、第一電力変換装置1aの運転停止時期に合わせて第二電力変換装置1bの運転停止を行うための信号である。
【0026】
協調停止信号S2の送受信に伴うシステム協調停止の具体的な方式は、様々な方式が想定される。協調停止信号S2が送受信された後に、第一電力変換装置1aが先に停止してそのあとに第二電力変換装置1bが停止してもよい。協調停止信号S2が送受信された後に、第二電力変換装置1bが先に停止してそのあとに第一電力変換装置1aが停止してもよい。協調停止信号S2が送受信された後に、第一電力変換装置1aと第二電力変換装置1bとが同時に停止してもよい。
【0027】
仮に第一電力変換装置1aのみが停止して太陽光発電システム側の第二電力変換装置1bのみの運転が継続してしまうと、蓄電池2無しの運転となり安定な電力制御ができなくなる可能性がある。その結果、電力変換システム20の出力が不安定となり、負荷機器4への電力供給が不安定となる。
【0028】
この点、実施の形態によれば、蓄電池2の残電力量が少なくなったときに、太陽光発電システム側の第二電力変換装置1bが単独で動作し続けないように、第一電力変換装置1aと第二電力変換装置1bとを協調停止させることができる。協調停止を行うことにより電力変換システム20全体として不安定な電力制御が行われることを防止できる。
【0029】
以上の通り、実施の形態によれば、蓄電池2の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、第二電力変換装置1bおよび負荷制御部4aに対して協調停止信号S2および負荷調整信号S3が送信される。協調停止信号S2および負荷調整信号S3を送信することにより、電力変換システム20全体として不安定な電力制御が行われることを防止することができる。
【0030】
図2は、実施の形態にかかる電力変換システム20の停止動作を示す図である。MSC5は、蓄電池2の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、図2に示す変化率で負荷機器4に供給される電力を低下させるように電力変換システム20を制御する。一例として、MSC5は、負荷機器4に与えられる負荷供給電力が予め定めた低下率で徐々に減少するように、第一電力変換装置1aに与える電力指令値を低下させてもよい。
【0031】
これにより自立運転中の電力変換システム20を緩やかに停止することができるので、負荷機器4への電力供給が急停止することを抑制することができる。なお、第二電力変換装置1bも、図2に示す傾向で出力電力が低下するように緩やかに停止させても良い。
【0032】
図8は、比較例にかかる電力変換装置および電力変換システムを示す図である。図9は、比較例にかかる電力変換装置および電力変換システムの停止動作を示す図である。図9に示すように、第一電力変換装置1aおよび第二電力変換装置1bが急峻に運転停止されることで負荷供給電力が突然に低下することは好ましくない。この点、実施の形態によれば、負荷機器4への供給電力が突然に遮断されることを確実に抑制することができる。
【0033】
図3および図4は、実施の形態にかかる電力変換システム20で実行されるルーチンのフローチャートである。MSC5には図3および図4に記載されたルーチンが予めプログラムの形態で記憶されている。
【0034】
図3のフローチャートは、蓄電池2の残電力量に基づいて第一電力変換装置1aが電力を出力可能な残運転時間Topを算出する処理を示している。図3のルーチンでは、まず、MSC5は、蓄電池2における最新のSOC(State of Charge:充電状態)が予め定められた閾値SOCth以下となっているか否かを判定する処理を実行する(ステップS100)。
【0035】
SOCは、仕様上の完全放電状態を0%とし、満充電状態を100%としたときの、残電力量[%]を表す。MSC5は、継続的に第一制御装置11aから蓄電池2の電圧値および電流値などの電気的情報を受信することで、蓄電池2のSOCを算出している。
【0036】
ステップS100の判定結果が否定(NO)である場合には、今回のルーチンが終了する。
【0037】
ステップS100の判定結果が肯定(YES)である場合には、MSC5は、残運転時間Topを算出する(ステップS101)。残運転時間Topは、現時点でのSOC[%]から決まる残電力量と、現時点での負荷機器4の消費電力に基づいて算出してもよい。負荷機器4の消費電力として、例えば予め定めた一定期間における負荷機器4の平均消費電力の値を用いてもよい。
【0038】
残運転時間Topをより高精度に算出するために、SOCトレンドの蓄積を行っても良い。SOCトレンドの蓄積とは、負荷機器4への電力供給に伴うSOCの減少傾向を予め定めた期間に渡って記録することである。
【0039】
SOCトレンドの蓄積により、蓄電池2のSOCが相対的に速く低下する高消費電力運転の場合と、蓄電池2のSOCが相対的に遅く低下する低消費電力運転の場合と、を含む様々なSOC消費傾向が記録される。これらの異なるSOC消費傾向に基づいて各種分析を行うことで、残運転時間Topをより高精度に算出することができる。各種分析は、例えば、SOC低下率の平均値、SOC低下率の中央値、およびSOC低下率の極大値などに基づいて、現在のSOCから残運転時間Topを推定することを含んでもよい。
【0040】
次に、ステップS101で算出された残運転時間Topが報知される(ステップS102)。例えば、MSC5からシステム監視用端末に残運転時間Topの数値または割合などが表示されてもよい。
【0041】
次に、MSC5は、残運転時間Topが予め定めた下限閾値TopL以下となっているか否かを判定する処理を実行する(ステップS104)。このステップS104の判定結果が否定(NO)である場合には、今回のルーチンが終了する。
【0042】
ステップS104の判定結果が肯定(YES)である場合には、SOC≦SOCthかつTop≦TopLとなっている。この場合、MSC5は、前述した「他の装置」への通信処理を実行するとともに、システム停止処理を実行する(ステップS106)。「他の装置」への通信処理では、MSC5が、上述した協調停止信号S2および負荷調整信号S3を出力する。システム停止処理では、第一電力変換装置1aに対して停止信号S1が発せられ、図2で説明したように第一電力変換装置1aが緩やかに遮断される。その後、今回のルーチンが終了する。
【0043】
図4のフローチャートは、蓄電池2の蓄電容量の経時変化を取得する処理を含んでいる。図4のルーチンでは、まず、図3のルーチンで述べたステップS101、S104の処理が実行される。ステップS104の判定結果が肯定(YES)であった場合には、MSC5は警報器あるいはシステム監視用端末で警報を鳴らすアラーム処理を実行する(ステップS120)。
【0044】
ステップS104の判定結果が否定(NO)であった場合には、次に、MSC5はSOCサンプリングデータを読み込む(ステップS110)。MSC5は、予め定められた期間に渡ってSOCを時系列的にサンプリングしているものとする。
【0045】
次に、MSC5は、SOCサンプリングデータに基づいて蓄電池特性評価を実施する(ステップS112)。蓄電池特性評価は様々な公知技術を用いることができる。以下に具体例を示す。
【0046】
図5および図6は、実施の形態にかかる電力変換システム20の蓄電池状態の一例を示す図である。図5に示すように、負荷機器4への電力供給が行われることで蓄電池2のSOCは低下する一方で、予め設定された充電条件が成立すると蓄電池充電モードとなり蓄電池2が充電されてSOCが回復する。図5の特性50のように蓄電池充電モードにおいてSOCがほぼ100%まで充電される場合もある。
【0047】
しかしながら、蓄電池2の状態によっては、特性51、52のように充電によってSOCが十分に回復しない場合もある。そこで、充電によって予め定めたSOCレベルまでSOCが回復しない場合には、蓄電池2の特性が異常であるか或いは蓄電池2が劣化しているとみなしてもよい。
【0048】
また、図6に示すように、蓄電池2の容量維持率は充放電繰り返し回数に比例して低下していくのが一般的である。基準特性61に対して、実際の特性62が予め定めた基準幅Dthを超えて乖離している場合には、蓄電池2が異常であるとみなしてもよい。
【0049】
他にも、容量維持率が予め定めた基準維持率Pthを下回ったか否かに基づいて、蓄電池2の消耗の進行度合いを評価してもよい。また、充放電繰り返し回数が予め定めた基準回数Nthに達したか否かに基づいて蓄電池2の消耗の進行度合いを評価してもよい。
【0050】
次に、MSC5は、ステップS112の蓄電池特性評価の結果に基づいて、蓄電池2が寿命に達したか否かを判定する処理を実行する(ステップS118)。ステップS118の判定結果が否定(NO)である場合には、今回のルーチンが終了する。
【0051】
ステップS118の判定結果が肯定(YES)である場合には、ステップS120のアラーム処理が行われたあと、今回のルーチンが終了する。
【0052】
上述した図3および図4にかかる具体的処理によれば、蓄電池状態をリアルタイムに監視することで自立運転の継続が可能かどうかを精度良く評価することができる。予め蓄電池2の状態を正確に検出しておくことで蓄電池2の残電力量が枯渇する前に余裕を持って第一電力変換装置1aによる負荷機器4への電力供給を停止させることができる。従って、負荷機器4への供給電力が突然に遮断されることを抑制することができる。また、SOCトレンドを評価蓄積することで、蓄電池2の状態を精度良くモニタすることができる。
【0053】
図7は、実施の形態の変形例にかかる第一電力変換装置1aおよび電力変換システム20を示す図である。図7の変形例では、MSC5が省略されており、MSC5の代わりに第一電力変換装置1aに内蔵された第一制御装置11aが上述した実施の形態にかかる各制御動作を実行する。
【0054】
例えば、第一制御装置11aは、自立運転モードにおいて、蓄電池2の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、協調停止信号S2および負荷調整信号S3を負荷制御部4aおよび第二制御装置11bに送信する。これ以外のMSC5の動作についても同様に第一制御装置11aで実行される。図7の変形例によれば、負荷機器4への供給電力が突然に遮断されることによる弊害を抑制するように改良された第一電力変換装置1aが提供される。
【0055】
なお、上述した実施の形態では、下記の特徴的構成(A)〜(D)すべてが同一の電力変換システム20に搭載されている。構成(A)は、負荷調整信号S3を負荷制御部4aに伝達することで負荷供給電力を低減するものである。構成(B)は、協調停止信号S2を第二電力変換装置1bに伝達することで第一電力変換装置1aと第二電力変換装置1bとを協調停止させるものである。構成(C)は、蓄電池2の残運転時間Topの算出および蓄電池2の各種評価を行うものである。構成(D)は、少なくとも第一電力変換装置1aの出力電力を予め定めた低下率で徐々に低下させることでソフトな負荷電力遮断を行うものである。
【0056】
しかしながら、特徴的構成(A)〜(D)は同時に実施される必要はない。特徴的構成(A)〜(D)のうち一つまたは複数の構成を持つ電力変換システム20が提供されてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1a 第一電力変換装置、1b 第二電力変換装置、2 蓄電池、3 太陽電池アレイ、4 負荷機器、4a 負荷制御部、4b 負荷本体、6 遮断器、7 電力系統、10a 第一電力変換回路、10b 第二電力変換回路、11a 第一制御装置、11b 第二制御装置、20 電力変換システム、S1 停止信号、S2 協調停止信号、S3 負荷調整信号、SOCth 閾値、Top 残運転時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9

【手続補正書】
【提出日】2020年2月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と接続され、電力系統と系統連系するように構築され、前記蓄電池の電力を変換して負荷機器と前記電力系統との間の接続点に出力することで前記負荷機器に電力を供給する第一電力変換装置と、
前記電力系統が前記第一電力変換装置から切り離された自立運転時において、前記蓄電池の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、前記負荷機器の負荷制御部に対して前記負荷機器に供給される電力を低減するための負荷調整信号を送信する制御手段と、
を備え
前記蓄電池の状態が前記残電力不足条件に合致した場合に、前記第一電力変換装置の出力電力が予め定めた低下率で徐々に減少するように前記第一電力変換装置を制御する電力変換システム。
【請求項2】
蓄電池と接続され、電力系統と系統連系するように構築され、前記蓄電池の電力を変換して負荷機器と前記電力系統との間の接続点に出力することで、前記負荷機器に電力を供給する第一電力変換装置と、
太陽電池パネルと接続され、前記太陽電池パネルで発電した電力を変換して前記負荷機器と前記電力系統との前記接続点に供給する第二電力変換装置と、
前記電力系統が前記第一電力変換装置から切り離された自立運転時において、前記蓄電池の状態が予め定めた残電力不足条件に合致した場合に、前記第一電力変換装置の運転停止と前記第二電力変換装置の運転停止とを協調させて行うための協調停止信号を前記第二電力変換装置に送信する制御手段と、
を備える電力変換システム。
【請求項3】
前記蓄電池の残電力量に基づいて前記第一電力変換装置が電力を出力可能な残運転時間を算出する手段と、前記蓄電池の蓄電容量の経時変化を取得する手段と、のうち少なくとも一つを含む請求項2に記載の電力変換システム。
【請求項4】
前記蓄電池の状態が前記残電力不足条件に合致した場合に、前記第一電力変換装置の出力電力が予め定めた低下率で徐々に減少するように前記第一電力変換装置を制御する請求項2に記載の電力変換システム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、電力変換システムに関するものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、自立運転時において蓄電池の残電力量が低下したときにシステムの制御が不安定になることを抑制するように改良された電力変換システムを提供することを目的とする。

【国際調査報告】