特表-20045613IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧
<>
  • 再表WO2020045613-電源システム 図000003
  • 再表WO2020045613-電源システム 図000004
  • 再表WO2020045613-電源システム 図000005
  • 再表WO2020045613-電源システム 図000006
  • 再表WO2020045613-電源システム 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年3月5日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20201120BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20201120BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20201120BHJP
   B60L 58/20 20190101ALI20201120BHJP
【FI】
   H02J7/00 302C
   H02J7/00 P
   B60L50/60
   B60L3/00 S
   B60L58/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
【出願番号】特願2020-539614(P2020-539614)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年8月30日
(31)【優先権主張番号】特願2018-162344(P2018-162344)
(32)【優先日】2018年8月31日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】松本 健
(72)【発明者】
【氏名】滝沢 大二郎
(72)【発明者】
【氏名】藤山 貴士
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA11
5G503CB09
5G503CC02
5G503DA08
5G503DA18
5G503EA06
5G503EA08
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AB01
5H125AB02
5H125AB03
5H125AC13
5H125BB05
5H125BB07
5H125BC30
5H125EE23
5H125EE26
(57)【要約】
電源システム(10A、10B)において、バッテリECU(22)は、第1バッテリ(12)がPDU(18)から切り離される場合に、複数の第2バッテリ(14)のうち、いずれか1つの第2バッテリ(14)を、第1バッテリ(12)の代わりにバス電圧を決定するバス電圧決定用バッテリ(48)として選択し、バス電圧決定用バッテリ(48)に接続されているDC/DCコンバータ(16)について、バス電圧決定用バッテリ(48)とPDU(18)とを直結状態で接続する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷(18)に直結状態で接続され、前記負荷に供給するバス電圧を決定する第1バッテリ(12)と、複数の第2バッテリ(14)と、1次側が複数の前記第2バッテリのいずれかに接続され、2次側が前記負荷に対して前記第1バッテリと並列に接続される複数の入出力調整装置(16)と、前記バス電圧に基づいて複数の前記入出力調整装置を制御することで複数の前記第2バッテリに対する電力の入出力の制御を行わせる制御装置(22)とを有する電源システム(10A、10B)であって、
前記制御装置は、前記第1バッテリが前記負荷から切り離される場合に、複数の前記第2バッテリのうち、いずれか1つの第2バッテリを、前記第1バッテリの代わりに前記バス電圧を決定するバス電圧決定用バッテリ(48)として選択し、前記バス電圧決定用バッテリに接続されている入出力調整装置について、前記バス電圧決定用バッテリと前記負荷とを直結状態で接続する、電源システム。
【請求項2】
負荷(18)に直結状態で接続され、前記負荷に供給するバス電圧を決定する第1バッテリ(12)と、複数の第2バッテリ(14)と、1次側が複数の前記第2バッテリのいずれかに接続され、2次側が前記負荷に対して前記第1バッテリと並列に接続される複数の入出力調整装置(16)と、前記バス電圧に基づいて複数の前記入出力調整装置を制御することで複数の前記第2バッテリに対する電力の入出力の制御を行わせる制御装置(22)とを有する電源システム(10A、10B)であって、
前記制御装置は、前記第1バッテリが前記負荷から切り離される場合に、複数の前記第2バッテリのうち、いずれか1つの第2バッテリを、前記第1バッテリの代わりに前記バス電圧を決定するバス電圧決定用バッテリ(48)として選択し、前記バス電圧決定用バッテリに接続されている入出力調整装置について、前記2次側の電圧を調整する電圧制御を行う、電源システム。
【請求項3】
請求項1又は2記載の電源システムにおいて、
複数の前記入出力調整装置は、昇圧型、降圧型又は昇降圧型のDC/DCコンバータである、電源システム。
【請求項4】
請求項1記載の電源システムにおいて、
前記バス電圧決定用バッテリは、複数の前記第2バッテリのうち、電圧値が最も高いバッテリである、電源システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の電源システムにおいて、
前記第1バッテリと前記負荷とを接続する接続装置(28)をさらに有し、
前記制御装置は、前記第1バッテリの状態に基づき、前記負荷から前記第1バッテリを切り離す必要がある場合、複数の前記第2バッテリのうち、いずれか1つの第2バッテリを前記バス電圧決定用バッテリとして選択し、前記接続装置を制御して前記第1バッテリと前記負荷とを非接続状態にすることで、前記負荷から前記第1バッテリを切り離し可能とする、電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のバッテリから負荷に電力を供給する電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のバッテリから負荷に電力を供給する電源システムが、例えば、特開2015−220772号公報に開示されている。この公報には、高出力且つ高価な第1蓄電器(メインバッテリ)と、相対的に内部抵抗値の高い廉価な複数の第2蓄電器(サブバッテリ)とを備え、サブバッテリが着脱可能な電源システムが開示されている。
【発明の概要】
【0003】
上記の公報において、第1蓄電器(第1バッテリ)と負荷とは直結状態で接続されている。また、複数の第2蓄電器(第2バッテリ)は、複数のDC/DCコンバータ(入出力調整装置)を介して、負荷と並列に接続される。この場合、第1蓄電器は、負荷に供給するバス電圧(複数のDC/DCコンバータの2次側(負荷側)の電圧)を決定するバッテリである。複数のDC/DCコンバータは、バス電圧に基づく電流制御によって、第2蓄電器から出力される電力を負荷に供給する。
【0004】
一方、第1蓄電器が存在しない電源システムでは、複数の第2蓄電器のうち、いずれか1つの第2蓄電器(第1バッテリ)が負荷側に直結状態で接続される。この場合、直結状態の1つの第2蓄電器がバス電圧を決定するバッテリとなる。残りの第2蓄電器(第2バッテリ)に接続されるDC/DCコンバータは、バス電圧に基づく電流制御によって、当該残りの第2蓄電器から出力される電力を負荷に供給する。
【0005】
しかしながら、バス電圧を決定する第1バッテリが故障等の何らかの理由で負荷から切り離される場合、バス電圧を決定するバッテリが存在しなくなる。この結果、複数の入出力調整装置は、バス電圧に基づく電流制御を行うことができなくなる。
【0006】
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、第1バッテリが負荷から切り離される場合でも、第2バッテリに接続される入出力調整装置の電流制御を継続して行うことができる電源システムを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の態様は、負荷に直結状態で接続され、前記負荷に供給するバス電圧を決定する第1バッテリと、複数の第2バッテリと、1次側が複数の前記第2バッテリのいずれかに接続され、2次側が前記負荷に対して前記第1バッテリと並列に接続される複数の入出力調整装置と、前記バス電圧に基づいて複数の前記入出力調整装置を制御することで複数の前記第2バッテリに対する電力の入出力の制御を行わせる制御装置とを有する電源システムに関する。
【0008】
そして、本発明の第1の態様として、前記制御装置は、前記第1バッテリが前記負荷から切り離される場合に、複数の前記第2バッテリのうち、いずれか1つの第2バッテリを、前記第1バッテリの代わりに前記バス電圧を決定するバス電圧決定用バッテリとして選択し、前記バス電圧決定用バッテリに接続されている入出力調整装置について、前記バス電圧決定用バッテリと前記負荷とを直結状態で接続する。
【0009】
また、本発明の第2の態様として、前記制御装置は、前記第1バッテリが前記負荷から切り離される場合に、複数の前記第2バッテリのうち、いずれか1つの第2バッテリを、前記第1バッテリの代わりに前記バス電圧を決定するバス電圧決定用バッテリとして選択し、前記バス電圧決定用バッテリに接続されている入出力調整装置について、前記2次側の電圧を調整する電圧制御を行う。
【0010】
本発明によれば、第1バッテリが負荷から切り離される場合、いずれか1つの第2バッテリがバス電圧決定用バッテリとして選択される。これにより、第1バッテリによるバス電圧が消失する状況となっても、残りの第2バッテリに接続される入出力調整装置は、バス電圧決定用バッテリによるバス電圧に基づいて、電流制御を継続して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1実施形態に係る電源システムの構成図である。
図2図1の電源システムにおいて、PDUから第1バッテリを切り離す場合を示す図である。
図3】第1実施形態に係る電源システムの動作を示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る電源システムの構成図である。
図5図4の電源システムにおいて、PDUから第1バッテリを切り離す場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る電源システムについて好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら説明する。
【0013】
[1.第1実施形態の基本的な構成及び動作]
第1実施形態に係る電源システム10Aは、図1に示すように、第1バッテリ12と、複数の第2バッテリ14と、複数のDC/DCコンバータ(入出力調整装置)16と、負荷としてのパワードライブユニット(PDU)18及びモータ20と、バッテリECU(制御装置)22と、モータジェネレータECU(MG−ECU)24とを有する。電源システム10Aは、例えば、二輪車、三輪車、四輪車等の電動車両26に適用される。
【0014】
第1バッテリ12は、電動車両26に備わる固定式のバッテリであって、コンタクタ(接続装置)28を介してPDU18と直結状態で接続されている。第1バッテリ12のバッテリ電圧、バッテリ電流及び温度等の第1バッテリ12の状態は、センサ30によって検出され、通信線32を介してバッテリECU22に逐次送信される。
【0015】
コンタクタ28は、バッテリECU22からの制御によってオン又はオフすることで、第1バッテリ12とPDU18とを接続状態又は非接続状態に切り替える。従って、第1バッテリ12とPDU18との直結状態とは、コンタクタ28がオンの状態で、第1バッテリ12とPDU18とが、コンタクタ28を介して、略ショート状態で電気的に接続されていることをいう。なお、図1は、コンタクタ28をオンにして第1バッテリ12とPDU18とを直結状態にする場合を図示している。一方、図2は、コンタクタ28をオフにして第1バッテリ12とPDU18とを非接続状態にする場合を図示している。
【0016】
複数の第2バッテリ14は、電動車両26に対して着脱可能な着脱式のバッテリである。具体的に、複数の第2バッテリ14の各々は、第2バッテリ14を監視するバッテリマネジメントユニット(BMU)34を含むバッテリパック36に収容されている。複数の第2バッテリ14は、電動車両26に対してバッテリパック36を着脱することで、該電動車両26に対して着脱可能である。なお、第2バッテリ14の個数は一例であり、電源システム10Aは、2個以上の第2バッテリ14を備えていればよい。
【0017】
複数のBMU34は、不図示のセンサを用いて、第2バッテリ14のバッテリ電圧、バッテリ電流及び温度を逐次検出する。これらの第2バッテリ14の状態は、複数のBMU34から通信線38を介してバッテリECU22に逐次送信される。なお、複数の第2バッテリ14のバッテリ電圧の値(以下、バッテリ電圧値ともいう。)は、同一値でなくてもよい。すなわち、電源システム10Aでは、バッテリ電圧値の異なる複数の第2バッテリ14を電動車両26に搭載してもよい。
【0018】
複数のDC/DCコンバータ16は、昇圧型、降圧型又は昇降圧型のDC/DCコンバータ16である。複数のDC/DCコンバータ16は、1次側が複数の第2バッテリ14のうち、いずれか1つの第2バッテリ14と電気的に接続され、2次側がPDU18と電気的に接続されている。従って、複数のDC/DCコンバータ16は、PDU18に対して並列に接続されている。なお、昇圧型、降圧型又は昇降圧型のDC/DCコンバータ16は、周知であるため、その詳細な説明は省略する。
【0019】
複数のDC/DCコンバータ16は、1次側に接続されている第2バッテリ14のバッテリ電圧(1次側の電圧)を昇圧又は降圧することで、PDU18に出力する2次側の電圧(出力電圧)を所望の値(以下、出力電圧値ともいう。)に調整すると共に、PDU18に流す電流(出力電流)を所望の値(以下、出力電流値ともいう。)に調整する。また、複数のDC/DCコンバータ16は、通信線38を介して、バッテリECU22に自己の状態を逐次送信する。
【0020】
PDU18は、三相ブリッジ型のインバータを含み構成される。PDU18の入力側には、コンタクタ28及び複数のDC/DCコンバータ16が電気的に並列に接続されている。PDU18の出力側には、モータ20が電気的に接続されている。
【0021】
MG−ECU24は、PDU18及びモータ20を制御するコンピュータとしてのECU(電子制御装置)である。MG−ECU24とPDU18及びバッテリECU22とは、通信線40、42を介して、信号又は情報の送受信が可能である。また、MG−ECU24とモータ20とは、通信線44を介して電気的に接続されている。
【0022】
MG−ECU24は、不図示のメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、下記の機能を奏する。すなわち、MG−ECU24は、通信線40を介して、PDU18を構成するスイッチング素子を動作させるための制御信号(トルクの指令値を示す信号)をPDU18に供給する。PDU18は、通信線40を介して、PDU18の状態やMG−ECU24に対する保護要求を送信する。モータ20は、通信線44を介して、モータ20の状態やMG−ECU24に対する保護要求を送信する。
【0023】
MG−ECU24には、電動車両26の運転者が操作するアクセル操作部又はスロットル操作部等の操作量や、車速、補機の負荷要求値等の電動車両26の状態が入力される。MG−ECU24は、入力された電動車両26の状態や、PDU18及びモータ20から送信された情報に基づいて、モータ20の要求出力を算出し、算出した要求出力を、通信線42を介してバッテリECU22に送信する。また、MG−ECU24は、通信線42を介して、PDU18の状態等をバッテリECU22に送信可能である。
【0024】
バッテリECU22は、複数のDC/DCコンバータ16を制御するコンピュータとしてのECUである。バッテリECU22は、不図示のメモリに記憶されているプログラムを実行することにより、下記の機能を奏する。すなわち、バッテリECU22は、通信線46を介してコンタクタ28をオンにすることで、第1バッテリ12とPDU18とを直結状態にする。また、バッテリECU22は、受信した第1バッテリ12及び複数の第2バッテリ14の各々の状態と、MG−ECU24から受信したモータ20の要求出力とに基づいて、第1バッテリ12及び各第2バッテリ14から出力する電力量、又は、第1バッテリ12及び各第2バッテリ14に入力する電力量を算出する。
【0025】
この場合、第1バッテリ12のバッテリ電圧は、負荷であるPDU18に供給するバス電圧である。すなわち、第1バッテリ12は、バス電圧を決定するバッテリである。バッテリECU22は、バス電圧等に基づき、第1バッテリ12及び各第2バッテリ14に入出力する電力量を算出する。
【0026】
そして、バッテリECU22は、複数のDC/DCコンバータ16の各々について、算出した電力量に基づく電流目標値を算出する。バッテリECU22は、通信線38を介して、複数のDC/DCコンバータ16に電流目標値を送信すると共に、MG−ECU24に各第1バッテリ12及び第2バッテリ14のSOC(State Of Charge)等のバッテリ情報を送信する。
【0027】
複数のDC/DCコンバータ16は、受信した電流目標値に基づく電流制御によって、接続されている第2バッテリ14のバッテリ電圧を昇圧又は降圧することで、2次側(PDU18)に出力する出力電圧をバス電圧に調整すると共に、2次側に出力する出力電流を電流目標値に調整する。一方、MG−ECU24は、受信した第1バッテリ12及び各第2バッテリ14の情報に基づく制御信号を、通信線40を介してPDU18に送信する。PDU18は、受信した制御信号に基づいてスイッチング素子を動作させる。
【0028】
これにより、力行時には、第1バッテリ12及び各第2バッテリ14の電力量に応じた直流電力が出力され、PDU18は、出力された各直流電力を交流電力に変換してモータ20に供給する。これにより、モータ20が駆動されて、電動車両26を走行させることができる。一方、回生時には、モータ20が発電して交流電力をPDU18に出力し、PDU18は、交流電力を直流電力に変換する。変換後の直流電力は、各電力量に応じて分配され、第1バッテリ12及び各第2バッテリ14に入力(充電)される。
【0029】
[2.第1実施形態の特徴的な機能]
上述のように、第1実施形態に係る電源システム10Aにおいて、複数のDC/DCコンバータ16に供給される電流目標値は、第1バッテリ12のバッテリ電圧(バス電圧)に基づき決定される。ここで、バス電圧を決定する第1バッテリ12に何らかの故障、例えば、第1バッテリ12のバッテリ電圧又はSOCに異常がある場合には、図2に示すように、コンタクタ28をオフにして第1バッテリ12とPDU18とを非接続状態とした後に、第1バッテリ12を電源システム10Aから切り離し、新たな第1バッテリ12に交換する必要がある。なお、SOCは、センサ30が検出する第1バッテリ12の状態から推定することができる。
【0030】
この場合、コンタクタ28をオフ(図2参照)にしてから、新たな第1バッテリ12に交換してコンタクタ28をオン(図1参照)とし、第1バッテリ12とPDU18とを直結状態に復帰させるまで、バス電圧が一時的に消失する。これにより、複数のDC/DCコンバータ16に供給する電流目標値を決定することができず、各DC/DCコンバータ16での電流制御を継続して行うことができなくなることが懸念される。
【0031】
そこで、第1実施形態に係る電源システム10Aでは、図3のフローチャートに従って動作することで、第1バッテリ12によるバス電圧が一時的に消失する状況であっても、電流制御が不能となる状態を回避しつつ、各DC/DCコンバータ16の電流制御を継続して行えるようにしている。
【0032】
図3のステップS1において、バッテリECU22(図1及び図2参照)は、センサ30から送信される第1バッテリ12の状態に基づいて、第1バッテリ12の故障を検知する。この場合、第1バッテリ12のバッテリ電圧値が異常値であるか、又は、第1バッテリ12の状態から推定されるSOCが異常値であれば、バッテリECU22は、第1バッテリ12が故障していると検知する。
【0033】
次のステップS2において、バッテリECU22は、ステップS1での検知結果に基づき、複数の第2バッテリ14の中から、第1バッテリ12の代わりにバス電圧を一時的に決定するリカバリ用のバッテリ(バス電圧決定用バッテリ48)を選択する。この場合、バッテリECU22は、電源システム10Aを構築する前に予め決めておいた第2バッテリ14をバス電圧決定用バッテリ48に選択してもよいし、又は、複数のBMU34から送信される第2バッテリ14の状態に基づき、任意の第2バッテリ14をバス電圧決定用バッテリ48に選択してもよい。なお、図1及び図2では、一例として、4個の第2バッテリ14のうち、紙面の一番上の第2バッテリ14をバス電圧決定用バッテリ48に選択する場合を図示している。
【0034】
次のステップS3において、バッテリECU22は、コンタクタ28をオフにする。これにより、第1バッテリ12とPDU18とが非接続状態となり、電源システム10Aから第1バッテリ12が切り離し可能となる。この結果、作業者又はユーザは、故障している第1バッテリ12を電源システム10Aから切り離し、新たな第1バッテリ12に交換することができる。
【0035】
次のステップS4において、バッテリECU22は、リカバリ用の第2バッテリ14(バス電圧決定用バッテリ48)のバッテリ電圧値が、他の第2バッテリ14のバッテリ電圧値よりも高いかどうかを判断する。バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧値が他の第2バッテリ14のバッテリ電圧値よりも高い場合、すなわち、バス電圧決定用バッテリ48がバッテリ電圧値の最も高い第2バッテリ14である場合(ステップS4:YES)、バッテリECU22は、次のステップS5に進む。
【0036】
次のステップS5において、バッテリECU22は、バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧値をバス電圧にすることを決定する。次に、バッテリECU22は、バス電圧決定用バッテリ48に接続されているDC/DCコンバータ16を制御し、従前の電流制御から、バス電圧決定用バッテリ48とPDU18とを直結状態で接続するように切り替える。具体的に、バッテリECU22は、当該DC/DCコンバータ16を構成するスイッチング素子のゲートをオンにすることで、バス電圧決定用バッテリ48とPDU18とを略ショート状態で導通させ、バス電圧決定用バッテリ48とPDU18とを直結状態にする。
【0037】
次のステップS6において、バッテリECU22は、複数の第2バッテリ14のうち、バス電圧決定用バッテリ48以外の残りの第2バッテリ14に接続されているDC/DCコンバータ16の各々について、バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧値(バス電圧)及び要求出力等に基づいて電流目標値を設定する。これにより、バッテリECU22は、設定した電流目標値を各DC/DCコンバータ16に送信し、電流制御を継続して行わせることができる。この場合、残りの第2バッテリ14に接続されているDC/DCコンバータ16の各々は、接続されている第2バッテリ14のバッテリ電圧を昇圧することで、出力電圧値をバス電圧に調整する。
【0038】
一方、ステップS4において、バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧値が、他の第2バッテリ14のバッテリ電圧値のいずれかと比較して、同一値であるか、又は、低い場合、バッテリECU22は、次のステップS7に進む。
【0039】
次のステップS7において、バッテリECU22は、バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧値よりも高い任意の電圧値、例えば、PDU18及びモータ20の効率が良好となる電圧値や、モータ20の出力が最大となるような電圧値をバス電圧にすることを決定する。次に、バッテリECU22は、バス電圧決定用バッテリ48に接続されているDC/DCコンバータ16について、従前の電流制御から電圧制御に切り替える。これにより、当該DC/DCコンバータ16は、バッテリECU22からの制御に基づき、電圧制御によって、バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧を昇圧し、出力電圧値(バス電圧)を任意の電圧値に調整することができる。
【0040】
その後、バッテリECU22は、ステップS6の処理を実行し、残りの第2バッテリ14に接続されているDC/DCコンバータ16の各々について、当該バス電圧及び要求出力等に基づく電流制御を継続して行わせる。
【0041】
なお、図3のステップS2において、複数のDC/DCコンバータ16が昇圧型のDC/DCコンバータである場合、又は、複数のDC/DCコンバータ16が昇降圧型のDC/DCコンバータであって昇圧動作を行う場合、最も高いバッテリ電圧値の第2バッテリ14をバス電圧決定用バッテリ48とすればよい。これにより、バス電圧決定用バッテリ48に接続されるDC/DCコンバータ16のスイッチング素子のゲートをオンにするだけで、最も高いバッテリ電圧値をバス電圧として出力するバス電圧決定用バッテリ48と、PDU18とを直結状態にすることができる。
【0042】
また、図3のステップS2において、複数のDC/DCコンバータ16が降圧型のDC/DCコンバータである場合、又は、複数のDC/DCコンバータ16が昇降圧型のDC/DCコンバータであって降圧動作を行う場合、最もバッテリ電圧値の低い第2バッテリ14をバス電圧決定用バッテリ48とすればよい。この場合、ステップS4では、バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧値が他の第2バッテリ14のバッテリ電圧値よりも低いかどうかを判定する。ステップS4で肯定的な判定結果であれば(ステップS4:YES)、最も低いバッテリ電圧値をバス電圧として、ステップS5、S6の処理が順次行われる。一方、ステップS4で否定的な判定結果であれば(ステップS4:NO)、ステップS7において、バス電圧決定用バッテリ48に接続されるDC/DCコンバータ16を電圧制御することで、バス電圧決定用バッテリ48のバッテリ電圧値を降圧し、降圧後の出力電圧値をバス電圧とする。
【0043】
[3.第1実施形態の効果]
以上説明したように、第1実施形態に係る電源システム10Aは、PDU(負荷)18に直結状態で接続され、PDU18に供給するバス電圧を決定する第1バッテリ12と、複数の第2バッテリ14と、1次側が複数の第2バッテリ14のいずれかに接続され、2次側がPDU18に対して第1バッテリ12と並列に接続される複数のDC/DCコンバータ(入出力調整装置)16と、バス電圧に基づいて複数のDC/DCコンバータ16を制御することで複数の第2バッテリ14に対する電力の入出力の制御を行わせるバッテリECU(制御装置)22とを有する。
【0044】
そして、バッテリECU22は、第1バッテリ12がPDU18から切り離される場合に、複数の第2バッテリ14のうち、いずれか1つの第2バッテリ14を、第1バッテリ12の代わりにバス電圧を決定するバス電圧決定用バッテリ48として選択し、バス電圧決定用バッテリ48に接続されているDC/DCコンバータ16について、バス電圧決定用バッテリ48とPDU18とを直結状態で接続する。
【0045】
これにより、第1バッテリ12がPDU18から切り離される場合、いずれか1つの第2バッテリ14がバス電圧決定用バッテリ48として選択される。これにより、第1バッテリ12によるバス電圧が消失する状況となっても、残りの第2バッテリ14に接続されるDC/DCコンバータ16は、バス電圧決定用バッテリ48によるバス電圧に基づいて、電流制御を継続して行うことができる。
【0046】
また、バス電圧決定用バッテリ48に接続されるDC/DCコンバータ16では、バス電圧決定用バッテリ48とPDU18とを直結状態で接続する際、DC/DCコンバータ16を構成するスイッチング素子のスイッチ損失が発生しないため、DC/DCコンバータ16の効率を向上させることができる。
【0047】
あるいは、第1実施形態に係る電源システム10Aでは、バッテリECU22は、第1バッテリ12がPDU18から切り離される場合に、複数の第2バッテリ14のうち、いずれか1つの第2バッテリ14を、第1バッテリ12の代わりにバス電圧を決定するバス電圧決定用バッテリ48として選択し、バス電圧決定用バッテリ48に接続されているDC/DCコンバータ16について、2次側の電圧(出力電圧値)を調整する電圧制御を行う。
【0048】
この場合でも、第1バッテリ12がPDU18から切り離される際、いずれか1つの第2バッテリ14がバス電圧決定用バッテリ48として選択される。これにより、第1バッテリ12によるバス電圧が消失する状況となっても、残りの第2バッテリ14に接続されるDC/DCコンバータ16は、バス電圧決定用バッテリ48によるバス電圧に基づいて、電流制御を継続して行うことができる。
【0049】
また、バス電圧決定用バッテリ48に接続されるDC/DCコンバータ16の2次側の電圧(バス電圧)を調整することで、PDU18及びモータ20の効率を向上させ、モータ20の出力を高く設定することが可能となる。
【0050】
さらに、電源システム10Aでは、複数のDC/DCコンバータ16が昇圧型、降圧型又は昇降圧型のDC/DCコンバータであるため、直結状態又は電圧制御の対象となる第2バッテリ14を任意に選択することが可能となる。
【0051】
また、バス電圧決定用バッテリ48は、複数の第2バッテリ14のうち、バッテリ電圧値が最も高いバッテリであればよい。これにより、昇圧型又は昇降圧型のDC/DCコンバータ16を構成するスイッチング素子のゲートをオンにするだけの簡単な構成で、バス電圧決定用バッテリ48とPDU18とを直結状態にすることができる。
【0052】
また、電源システム10Aは、第1バッテリ12とPDU18とを接続するコンタクタ(接続装置)28をさらに有し、バッテリECU22は、第1バッテリ12の状態に基づき、PDU18から第1バッテリ12を切り離す必要がある場合、複数の第2バッテリ14のうち、いずれか1つの第2バッテリ14をバス電圧決定用バッテリ48として選択し、コンタクタ28を制御して第1バッテリ12とPDU18とを非接続状態にすることで、PDU18から第1バッテリ12を切り離し可能とすればよい。
【0053】
これにより、第1バッテリ12からバス電圧決定用バッテリ48への切り替えを円滑に行いつつ、バス電圧決定用バッテリ48以外の残りの第2バッテリ14に対する電流制御を継続して行うことができる。
【0054】
[4.第2実施形態の説明]
次に、第2実施形態に係る電源システム10Bについて、図4及び図5を参照しながら説明する。第2実施形態に係る電源システム10Bは、着脱式の複数のバッテリのうち、1個のバッテリが第1バッテリ12に設定され、残りのバッテリが第2バッテリ14に設定されている点で、第1実施形態に係る電源システム10A(図1図3参照)とは異なる。この場合でも、着脱式の第1バッテリ12は、コンタクタ28を介して、PDU18と直結状態で接続される。なお、第2実施形態に係る電源システム10Bにおいて、第1実施形態に係る電源システム10Aと同じ構成要素については、同じ参照符号を付けて、その詳細な説明を省略する。
【0055】
第2実施形態に係る電源システム10Bでは、第1バッテリ12が固定式(図1及び図2参照)ではなく、着脱式(図4及び図5参照)である点以外は、第1実施形態に係る電源システム10Aと同様の構成を有し、且つ、同様の動作(例えば、図3参照)を行う。従って、第2実施形態に係る電源システム10Bでも、第1実施形態に係る電源システム10Aと同様の効果を奏する。なお、第2実施形態に係る電源システム10Bでは、一例として、図4及び図5に示すように、着脱式の第1バッテリ12に何らかの故障が発生した際、着脱式の第2バッテリ14のうち、いずれか1つの第2バッテリ14(図4及び図5の紙面上、複数の第2バッテリ14の中で一番上の第2バッテリ14)がバス電圧決定用バッテリ48となる場合を図示している。
【0056】
なお、本発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】