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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2020年3月26日
【発行日】2020年12月17日
(54)【発明の名称】駆動輪、台車及び機器
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/02 20060101AFI20201120BHJP
   B60B 33/00 20060101ALI20201120BHJP
【FI】
   B60B33/02
   B60B33/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2019-549498(P2019-549498)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2019年3月25日
(11)【特許番号】特許第6737408号(P6737408)
(45)【特許公報発行日】2020年8月5日
(31)【優先権主張番号】特願2018-177548(P2018-177548)
(32)【優先日】2018年9月21日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】盛 真唯子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 圭
(72)【発明者】
【氏名】大石 保徳
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 学士
(57)【要約】
簡素な構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うこと。基部と、基部に対して回転可能に設けられた自転軸(第一軸)と、自転軸の廻りに回転可能に設けられた回転部材と、自転軸に直交して回転部材に設けられた駆動軸(第二軸)と、回転部材に設けられて駆動軸の廻りに回転可能な駆動車輪と、回転部材に設けられて駆動車輪を回転駆動する駆動部と、基部に対して回転部材の回転を許容する一方で基部に対して回転部材の回転を阻止するロック機構と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に対して回転可能に設けられた第一軸と、
前記第一軸の廻りに回転可能に設けられた回転部材と、
前記第一軸に直交して前記回転部材に設けられた第二軸と、
前記回転部材に設けられて、前記第二軸の廻りに回転可能な駆動車輪と、
前記回転部材に設けられて前記駆動車輪を回転駆動する駆動部と、
前記基部に対して前記回転部材の回転を許容する一方で、前記基部に対して前記回転部材の回転を阻止するロック機構と、
を備える駆動輪。
【請求項2】
前記駆動車輪は、前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられている、請求項1に記載の駆動輪。
【請求項3】
前記第二軸は、その軸心が前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられている、請求項1又は2に記載の駆動輪。
【請求項4】
前記第二軸と同軸上で前記回転部材に設けられた第三軸と、
前記第三軸の廻りに回転可能に設けられた従動車輪と、
前記従動車輪の回転を制動する制動機構と、
をさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動輪。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
を備える台車。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
前記台車本体に取り付けられる機材と、
を備える機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動輪、台車及び機器に関する。
【背景技術】
【0002】
モータにより自走が可能な走行台車は、駆動車輪を旋回させる構成を備える。例えば、特許文献1に記載された差動式キャスタは、鉛直軸を中心に水平軸を回転可能に設け、この水平軸の両端側で支持した一対の駆動輪にそれぞれ電動モータを内蔵し、各電動モータで各駆動輪を独立して駆動することで各駆動輪が鉛直軸を中心に旋回する。
【0003】
また、特許文献2に記載された車輪駆動装置は、筐体に鉛直な旋回軸と同軸上で互いに相対的に回転可能に設けられた第1の回転軸及び第2の回転軸が、それぞれ筐体に取り付けた第1のモータ及び第二のモータによって回転駆動される一方、筐体に対して旋回軸を中心に相対的に回転可能に設けられた旋回部に、旋回軸からオフセットされた位置で水平な軸まわりに回転可能な第1の車輪及び第2の車輪が設けられており、第1の回転軸から第1の車輪へ回転を伝達し、第2の回転軸から第2の車輪へ回転を伝達する伝達部が設けられて、各モータで各車輪を独立して駆動することで各車輪が旋回軸のまわりに旋回する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−66007号公報
【特許文献2】特開2016−49921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2では、一対の車輪をそれぞれ駆動するためそれぞれのモータを必要としているため、重量が嵩む問題がある。特許文献1では、鉛直軸に交差して水平軸を配置しているため、人力で操作されるマニュアル動作において旋回操作が円滑に行えない問題がある。特許文献2では、各モータの駆動を各車輪に伝達する構成として歯車やプーリなどを用いているため、当該構成が複雑であって、重量が嵩み、騒音が発生する問題があり、しかも、特許文献2では、人力で操作されるマニュアル動作において駆動を伝達する構成により負荷が発生する問題がある。
【0006】
ここで、例えば、病院で薬を運ぶため、倉庫から比較的離れた病棟の病室の前までは自走し、病室の中ではマニュアル(手押し)で動かすことが可能な台車が要望されていた。
【0007】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、簡素な構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことのできる駆動輪、台車及び機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の駆動輪は、基部と、前記基部に対して回転可能に設けられた第一軸と、前記第一軸の廻りに回転可能に設けられた回転部材と、前記第一軸に直交して前記回転部材に設けられた第二軸と、前記回転部材に設けられて、前記第二軸の廻りに回転可能な駆動車輪と、前記回転部材に設けられて前記駆動車輪を回転駆動する駆動部と、前記基部に対して前記回転部材の回転を許容する一方で、前記基部に対して前記回転部材の回転を阻止するロック機構と、を備える。
【0009】
これにより、駆動輪は、回転部材に設けた駆動部により駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の許容により回転部材を回転させて駆動車輪の方向を変更することができる。一方、駆動輪は、回転部材に設けた駆動部により駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の阻止により回転部材を固定させて走行することができる。また、駆動輪は、第一軸に駆動部を設ける必要がないため、ロック機構による回転部材の回転の許容により、第一軸の廻りに回転部材を負荷なく自由に回転させ、外力により駆動車輪を従動させたマニュアル動作が可能になる。この結果、駆動輪は、簡素な構成で低コスト化及び軽量化を図った構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことができる。
【0010】
上記の駆動輪の望ましい態様として、前記駆動車輪は、前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられている。
【0011】
これにより、駆動輪は、駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の許容により回転部材を回転させる際、駆動車輪が第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられているため、第一軸の廻りの回転部材の回転移動を円滑に行うことができる。
【0012】
上記の駆動輪の望ましい態様として、前記第二軸は、その軸心が前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられている。
【0013】
これにより、駆動輪は、ロック機構による回転部材の基部に対する回転の許容により、回転部材を自由に回転させ、外力により駆動車輪を従動させるマニュアル動作の際、第二軸の軸心が第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられているため、第一軸の廻りの回転部材の回転移動を回転方向の全方向に行うことができる。この結果、マニュアル動作による移動の位置調整が可能になり、走行性を向上できる。
【0014】
上記の駆動輪の望ましい態様として、前記第二軸と同軸上で前記回転部材に設けられた第三軸と、前記第三軸の廻りに回転可能に設けられた従動車輪と、前記従動車輪の回転を制動する制動機構と、をさらに備える。
【0015】
これにより、駆動輪は、従動車輪を備えることで、駆動車輪の回転に際して補助するため、回転部材の回転移動を軽快に行うことができる。特に、駆動輪は、駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の許容により回転部材を回転させる際、制動機構により従動車輪の回転を制動することで、駆動車輪の回転駆動に伴って回転部材に回転方向への回転力を付与することができ、回転部材の回転移動によって生じる駆動輪全体の移動量を小さく抑えることができ、効率良く回転部材を回転移動させることができる。
【0016】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の台車は、上記のいずれかに記載の駆動輪と、前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、を備える。
【0017】
これにより、台車は、駆動輪が、回転部材に設けた駆動部により駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の許容により回転部材を回転させて駆動車輪の方向を変更することができる。一方、台車は、駆動輪が、回転部材に設けた駆動部により駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の阻止により回転部材を固定させて走行することができる。また、台車は、駆動輪が、第一軸に駆動部を設ける必要がないため、ロック機構による回転部材の回転の許容により、第一軸の廻りに回転部材を負荷なく自由に回転させ、外力により駆動車輪を従動させたマニュアル動作が可能になる。この結果、台車は、駆動輪において、簡素な構成で低コスト化及び軽量化を図った構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことができる。
【0018】
上記の目的を達成するため、本開示の一態様の機器は、上記のいずれかに記載の駆動輪と、前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、前記台車本体に取り付けられる機材と、を備える。
【0019】
これにより、機器は、駆動輪が、回転部材に設けた駆動部により駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の許容により回転部材を回転させて駆動車輪の方向を変更することができる。一方、機器は、駆動輪が、回転部材に設けた駆動部により駆動車輪を回転駆動させつつロック機構による回転部材の基部に対する回転の阻止により回転部材を固定させて走行することができる。また、機器は、駆動輪が、第一軸に駆動部を設ける必要がないため、ロック機構による回転部材の回転の許容により、第一軸の廻りに回転部材を負荷なく自由に回転させ、外力により駆動車輪を従動させたマニュアル動作が可能になる。この結果、機器は、駆動輪において、簡素な構成で低コスト化及び軽量化を図った構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本開示によれば、簡素な構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態の駆動輪の構成例を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態の駆動輪の構成例を示す側面図である。
図3図3は、本実施形態の駆動輪の構成例を示す正面図である。
図4図4は、本実施形態の台車の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、本実施形態の駆動輪の動作の例を示概略平面図である。
図6図6は、本実施形態の駆動輪の動作の例を示概略平面図である。
図7図7は、本実施形態の駆動輪の動作の例を示概略平面図である。
図8図8は、本実施形態の台車の構成例を示す概略平面図である。
図9図9は、本実施形態の台車の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための形態(以下、実施形態という)につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施形態により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0023】
(実施形態)
図1は、本実施形態の駆動輪の構成例を示す斜視図である。図2は、本実施形態の駆動輪の構成例を示す側面図である。図3は、本実施形態の駆動輪の構成例を示す正面図である。図4は、本実施形態の台車の構成例を示すブロック図である。
【0024】
ここで、本実施形態を説明する各図では、駆動輪100の高さ方向をZ方向で示す。また、Z方向と直交する平面において、駆動輪100が直進する方向をX方向で示し、X方向と直交する方向をY方向で示す。また、本実施形態では、Z方向において、接地面Fから離れる方向を上側といい、接地面Fに近づく方向を下側という。
【0025】
図1から図4に示すように、本実施形態の駆動輪100は、固定される基部1に基づいて設けられており、自転軸(第一軸)3と、回転部材5と、回転軸7と、車輪9と、駆動部11と、制動機構13と、回転基準位置検出部15と、ロック機構17と、回転範囲規制機構19と、制御部212と、を有する。
【0026】
基部1は、例えば、金属製の棒材、枠材又は板材である。本実施形態において、基部1は、板材として形成され、上面1AがZ方向の上側に向き、下面1BがZ方向の下側に向くようにして、上面1A及び下面1BがZ方向と直交するX−Y平面に沿って配置される。
【0027】
自転軸3は、基部1に設けられている。自転軸3は、Z方向に延在して基部1を貫通して設けられている。自転軸3は、基部1に対して回転可能に設けられている。
【0028】
回転部材5は、例えば、金属製の枠材又は板材である。本実施形態において、回転部材5は、板材として形成され、上面5AがZ方向の上側に向き、下面5BがZ方向の下側に向くようにして、上面5A及び下面5BがZ方向と直交するX−Y平面に沿って配置される。回転部材5は、基部1の下面1Bを貫通した自転軸3の下端3Aに、上面5Aが当接され、下面5BからZ方向に貫通するボルト21によって自転軸3の下端3Aに固定されている。従って、回転部材5は、自転軸3と共に回転し、自転軸3の廻りに基部1と相対的に回転可能に設けられている。回転部材5は、その下面5Bから下側に延在して対向する1対の側板5Cが設けられている。側板5Cは、図1から図3において、Y方向で対向して設けられているように示されている。
【0029】
回転軸7は、回転部材5に設けられている。回転軸7は、Z方向と直交するX−Y平面に沿って配置される。回転軸7は、図1から図3において、Y方向に延在して設けられているように示されている。回転軸7は、駆動軸(第二軸)7Aと従動軸(第三軸)7Bとを有している。駆動軸7Aと従動軸7Bとは、同軸上に設けられているが、それぞれ独立して設けられている。
【0030】
また、回転軸7は、図2に示すように、その回転の中心である軸心7Cが、自転軸3の回転の中心である軸心3Cからオフセット量S1離れてオフセットした位置に設けられている。即ち、回転軸7は、軸心7Cが、自転軸3の軸心3Cとは交差しない位置に配置されている。
【0031】
車輪9は、例えば、金属製又はゴム製或いは金属の外周にゴム材が巻き付けて構成された円状のものである。車輪9は、円の中心が回転軸7上に配置され回転軸7の廻りに回転可能に設けられている。車輪9は、本実施形態では、駆動車輪9Aと従動車輪9Bとを有している。駆動車輪9Aと従動車輪9Bとは、同じ外径に形成されている。駆動車輪9Aは、回転軸7における駆動軸7Aに取り付けられて駆動軸7Aの廻りに回転可能に設けられている。本実施形態では、駆動車輪9Aは、駆動軸7Aに固定されている。駆動軸7Aは、回転部材5における一方の側板5C側に回転可能に支持されている。また、従動車輪9Bは、回転軸7における従動軸7Bに取り付けられて従動軸7Bの廻りに回転可能に設けられている。本実施形態では、従動車輪9Bは、従動軸7Bに固定されている。従動軸7Bは、回転部材5における他方の側板5Cに対して回転可能に支持されている。
【0032】
また、車輪9は、図3に示すように、駆動車輪9Aが自転軸3の軸心3Cからオフセット量S2離れてオフセットした位置に設けられている。即ち、駆動車輪9Aは、自転軸3の軸心3Cには交差しない位置に配置されている。また、車輪9は、従動車輪9Bが自転軸3の軸心3Cからオフセット量S3離れてオフセットした位置に設けられている。即ち、従動車輪9Bは、自転軸3の軸心3Cには交差しない位置に配置されている。
【0033】
駆動部11は、駆動車輪9Aを回転駆動する。駆動部11は、回転部材5における一方の側板5Cに取り付けられている。駆動部11は、例えば、ダイレクトドライブモータ(DDモータ)であり、図には明示しないが、ステータとロータとを有する。そして、駆動部11は、ロータに駆動軸7Aが取り付けられており、ロータの回転に伴って、駆動軸7Aと共に駆動軸7Aに固定された駆動車輪9Aを回転駆動する。駆動部11に電流を供給する電源220(図8及び図9参照)は基部1側に設けられており、当該電源220から駆動部11への電流の供給は、自転軸3に配置されたスリップリング23により自転軸3から回転部材5を介して行われる。また、駆動部11にダイレクトドライブモータを適用した場合、駆動部11への電流の供給を停止(励磁オフ)することで、駆動車輪9Aを負荷なく自由に回転させることが可能である。
【0034】
制動機構13は、従動車輪9Bの回転を制動する。制動機構13は、回転部材5における他方の側板5Cに取り付けられている。制動機構13は、例えば、図には明示しないが、アクチュエータを有する。そして、制動機構13は、当該アクチュエータにより、従動軸7Bの回転を許容する一方、従動軸7Bの回転を規制する。これにより、制動機構13は、従動軸7Bに固定された従動車輪9Bの回転を制動する。制動機構13への電流の供給は、駆動部11と同様にスリップリング23により自転軸3から回転部材5を介して行われる。
【0035】
回転基準位置検出部15は、回転部材5における基部1との相対的な回転移動において、基準となる基準位置を検出する。本実施形態において、回転基準位置検出部15は、図2に示すように、検出センサ15Aと、検出片15Bとを有する、検出センサ15Aは、例えば、投光部と受光部とで構成された投受光センサであって、投光部で照らされた光が受光部に到達した状態や、投光部で照らされた光が遮られて受光部に到達しなかった状態を検出する。検出センサ15Aは、例えば、基部1の下面1Bに固定されている。検出片15Bは、検出センサ15Aにおける投光部と受光部との間に配置されて投光部で照らされた光を遮る。検出片15Bは、回転部材5の上面5Aに固定されている。回転基準位置検出部15は、回転部材5における基部1との相対的な回転移動において、基準位置で検出片15Bが検出センサ15Aにおける投光部と受光部との間に配置されて投光部で照らされた光を遮る。本実施形態において、基準位置は、図1から図3に示すように、回転軸7(軸心7C)が、Y方向に沿って配置された状態における回転部材5の回転位置である。
【0036】
ロック機構17は、基部1に対して回転部材5の回転を許容する一方で、基部1に対して回転部材5の回転を阻止する。本実施形態において、ロック機構17は、基部1に設けられている。ロック機構17は、自転軸3を挿通するように配置されている。ロック機構17は、例えば、図には明示しないが、アクチュエータを有する。そして、ロック機構17は、当該アクチュエータにより、自転軸3の回転を許容する一方、自転軸3の回転を阻止する。これにより、ロック機構17は、自転軸3と共に回転する回転部材5の回転を許容する一方で回転部材5の回転を阻止する。
【0037】
回転範囲規制機構19は、回転部材5の基部1に対して回転する範囲を規制する。本実施形態において、回転範囲規制機構19は、図2に示すように、回転部材5の上面5Aから上側に突出したピン19Aと、基部1に形成されてピン19Aを挿通する円弧穴19Bと、を有する。円弧穴19Bは、自転軸3を中心として形成されている。従って、回転範囲規制機構19は、ピン19Aと円弧穴19Bとの係合により円弧穴19Bの範囲内で回転部材5の基部1に対して回転する範囲を規制する。
【0038】
制御部212は、駆動輪100を制御する。制御部212は、コンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、CPUのようなプロセッサ、及びROM又はRAMのようなメモリを含む。図4に示すように、制御部212は、メモリに予め記憶されたプログラムや、駆動部11及び回転範囲規制機構19から入力されたデータに基づいて、駆動部11、制動機構13、及びロック機構17に制御信号を出力する。
【0039】
図5から図7は、本実施形態の駆動輪の動作の例を示概略平面図である。
【0040】
図5から図7において、基部1が移動される移動対象として説明する。基部1の移動方向は、符号Ga,Gbで示し、Gaを前進とし、Gbを後進とする。また、図5から図7において、駆動車輪9Aの回転方向を、平面視での上半部の移動方向として符号Ra,Rbで示しており、Raを正転とし、Rbを逆転とする。
【0041】
図5に示す例では、駆動輪100は、回転部材5の回転位置が、回転軸7の軸心7CがY方向に沿って配置された基準位置にある。基準位置は、回転基準位置検出部15により検出される。駆動輪100は、この基準位置において、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、駆動輪100は、駆動車輪9Aが正転Raすることにより基部1が前進Gaする。一方、駆動輪100は、駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより基部1が後進Gbする。この動作を自走動作という。
【0042】
図6に示す例では、駆動輪100は、図5に示す回転部材5の基準位置において、制動機構13により従動車輪9Bの回転を規制したブレーキ状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とする。この状態で、駆動輪100は、駆動車輪9Aを逆転Rbすることにより、従動車輪9Bのブレーキ状態および回転部材5のロック解除状態が相まって基部1に対して回転部材5が自転軸3の廻りに時計回り方向に回転移動する。駆動輪100は、回転部材5の回転角度を、回転基準位置検出部15による基準位置の検出、及び予め設定されている基準位置からの駆動車輪9Aの逆転Rb時の回転量によって計測することができる。これにより、駆動輪100は、図6に示すように、回転部材5が基部1に対して自転軸3の廻りに相対的に回転移動する。その後、駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、駆動輪100は、駆動車輪9Aが正転Raすることにより基部1が図6中の右斜め上方向に前進Gaする。一方、駆動輪100は、駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより基部1が図6中の左斜め下方向に後進Gbする。この動作を自走動作という。
【0043】
図7に示す例では、駆動輪100は、図5に示す回転部材5の基準位置において、制動機構13により従動車輪9Bの回転を規制したブレーキ状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とする。この状態で、駆動輪100は、駆動車輪9Aを正転Raすることにより、従動車輪9Bのブレーキ状態および回転部材5のロック解除状態が相まって基部1に対して回転部材5が自転軸3の廻りに反時計回り方向に回転移動する。駆動輪100は、回転部材5の回転角度を、回転基準位置検出部15による基準位置の検出、及び予め設定されている基準位置からの駆動車輪9Aの正転Ra時の回転量によって計測することができる。これにより、駆動輪100は、図7に示すように、回転部材5が基部1に対して自転軸3の廻りに相対的に回転移動する。その後、駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、駆動輪100は、駆動車輪9Aが正転Raすることにより基部1が図7中の左斜め上方向に前進Gaする。一方、駆動輪100は、駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより基部1が図7中の右斜め下方向に後進Gbする。この動作を自走動作という。
【0044】
また、駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とする。この状態で、駆動輪100は、基部1側にX−Y平面(接地面F(図2,3参照))に沿って外力が付与されると、駆動車輪9A及び従動車輪9Bが従動しつつ、回転部材5が自転軸3の廻りに自由に回転移動することにより、X−Y平面(接地面F)に沿った全ての方向に前進Ga及び後進Gbする。この動作を人力で操作されるマニュアル動作といい、特に全方向マニュアル動作という。
【0045】
また、駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、駆動輪100は、前進Ga及び後進Gb方向に外力が付与されると、駆動車輪9A及び従動車輪9Bが従動しつつ、回転部材5の回転移動が阻止されることにより、駆動車輪9A及び従動車輪9Bが向く方向にのみ前進Ga及び後進Gbする。この動作を人力で操作されるマニュアル動作といい、特に前後旋回マニュアル動作という。
【0046】
このように、本実施形態の駆動輪100は、基部1と、基部1に対して回転可能に設けられた自転軸(第一軸)3と、自転軸3の廻りに回転可能に設けられた回転部材5と、自転軸3に直交して回転部材5に設けられた駆動軸(第二軸)7Aと、回転部材5に設けられて駆動軸7Aの廻りに回転可能な駆動車輪9Aと、回転部材5に設けられて駆動車輪9Aを回転駆動する駆動部11と、基部1に対して回転部材5の回転を許容する一方で基部1に対して回転部材5の回転を阻止するロック機構17と、を備える。
【0047】
これにより、駆動輪100は、回転部材5に設けた駆動部11により駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により回転部材5を回転させて駆動車輪9Aの方向を変更することができる。一方、駆動輪100は、回転部材5に設けた駆動部11により駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の阻止により回転部材5を固定させて走行することができる。また、駆動輪100は、自転軸3に駆動部11を設ける必要がないため、ロック機構17による回転部材5の回転の許容により、自転軸3の廻りに回転部材5を負荷なく自由に回転させ、外力により駆動車輪9Aを従動させたマニュアル動作が可能になる。この結果、駆動輪100は、簡素な構成で低コスト化及び軽量化を図った構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことができる。また、駆動輪100は、駆動部11にダイレクトドライブモータを適用すれば、励磁オフにすることで駆動車輪9Aを負荷なく自由に回転でき、マニュアル動作をより円滑かつ軽快に行うことができる。
【0048】
また、本実施形態の駆動輪100では、駆動車輪9Aは、自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられていることが好ましい。
【0049】
これにより、駆動輪100は、駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により回転部材5を回転させる際、駆動車輪9Aが自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられているため、自転軸3の廻りの回転部材5の回転移動を円滑に行うことができる。
【0050】
また、本実施形態の駆動輪100では、駆動軸7Aは、その軸心7Cが自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられていることが好ましい。
【0051】
これにより、駆動輪100は、ロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により、回転部材5を自由に回転させ、外力により駆動車輪9Aを従動させるマニュアル動作の際、駆動軸7Aの軸心7Cが自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられているため、自転軸3の廻りの回転部材5の回転移動を回転方向の全方向に行うことができる。この結果、マニュアル動作による移動の位置調整が可能になり、走行性を向上できる。
【0052】
また、本実施形態の駆動輪100では、駆動軸7Aと同軸上で回転部材5に設けられた従動軸(第三軸)7Bと、従動軸7Bの廻りに回転可能に設けられた従動車輪9Bと、従動車輪9Bの回転を制動する制動機構13と、をさらに備えることが好ましい。
【0053】
これにより、駆動輪100は、従動車輪9Bを備えることで、駆動車輪9Aの回転に際して補助するため、回転部材5の回転移動を軽快に行うことができる。特に、駆動輪100は、駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により回転部材5を回転させる際、制動機構13により従動車輪9Bの回転を制動することで、駆動車輪9Aの回転駆動に伴って回転部材5に回転方向への回転力を付与することができ、回転部材5の回転移動によって生じる基部1の移動量を小さく抑えることができ、効率良く回転部材5を回転移動させることができる。この結果、駆動輪100は、円滑な走行を行うことができる。
【0054】
図8は、本実施形態の台車の構成例を示す概略平面図である。図9は、本実施形態の台車の構成例を示すブロック図である。
【0055】
図8及び図9に示すように、台車200は、駆動輪100と、従動輪110と、台車本体120と、制御装置210と、電源220とを備える。
【0056】
台車本体120は、例えば鋼製のフレームである。台車本体120は、X−Y平面に沿って平坦な面を構成することで、当該面に被運搬物を載せることができる。即ち、台車200は、無人搬送車(AGV:Automatic Guided Vehicle)として構成することができる。また、台車200は、台車本体120のX−Y平面に沿って機材を配置することで走行する機器として構成することができる。機器としては、例えば、ロボットや、医療機材など様々なものがある。なお、図には明示しないが、台車本体120は、その上方に延在する取手部が設けられる。取手部は、例えば、下向きのコ字形状に形成されており、操作者が掴むために用いられる。
【0057】
駆動輪100及び従動輪110は、台車本体120に取り付けられる。駆動輪100は、上述した構成である。従動輪110は、Y方向に延在して設けられた軸心110Cの廻りに回転可能に取り付けられ、X−Y平面で方向が変更されず回転するのみの構成である。駆動輪100は、台車200の後進Gbの方向となる後方側200Bにおいて、台車本体120の底面のY方向の両側にそれぞれ1つずつ取り付けられている。駆動輪100は、基部1が台車本体120に固定される。従動輪110は、例えば、図8に示すように、台車200の前進Gaの方向となる前方側200Aにおいて、台車本体120の底面のY方向の両側にそれぞれ1つずつ取り付けられている。
【0058】
制御装置210及び電源220は、台車本体120に取り付けられる。制御装置210及び電源220は、例えば、台車本体120の底面に取り付けられる。図9に示すように、制御装置210は、受信部211と、制御部212とを有する。制御部212は、コンピュータシステムを含む。コンピュータシステムは、CPUのようなプロセッサ、及びROM又はRAMのようなメモリを含む。受信部211は、操作部300から送信されてくる操作信号Sigを受信する機能を有する。制御部212は、図9に示すように、受信部211が受信した操作信号Sigに基づき、メモリに予め記憶されたプログラムや、駆動部11及び回転範囲規制機構19から入力されたデータに基づいて、駆動部11、制動機構13、及びロック機構17に制御信号を出力する。駆動輪100を制御する機能を備える。例えば、制御部212は、配線を介して駆動輪100と電源220とにそれぞれ接続している。制御部212には電源220から電流が供給される。図9に示すように、台車200が複数の駆動輪100を有する場合、制御装置210は、複数の駆動輪100を個々に制御する。操作部300は、台車200から離れた位置に配置されていてもよいし、台車200の取手部などに取り付けられていてもよい。
【0059】
このような台車200(機器)において、図5から図7の本実施形態の駆動輪の動作の例を参照して動作を説明する。
【0060】
台車200の移動方向は、Gaを前進とし、Gbを後進とする。また、各駆動輪100における駆動車輪9Aの回転方向を、平面視での上半部の移動方向としてRaを正転とし、Rbを逆転とする。
【0061】
図8に示す形態では、台車200は、図5に示すように、各駆動輪100の回転部材5の回転位置が、回転軸7の軸心7CがY方向に沿って配置された基準位置にある。基準位置は、回転基準位置検出部15により検出される。各駆動輪100は、この基準位置において、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが正転Raすることにより前進Gaする。一方、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより後進Gbする。この動作を自走動作という。
【0062】
台車200は、図5に示す回転部材5の基準位置において、各駆動輪100を、制動機構13により従動車輪9Bの回転を規制したブレーキ状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とする。この状態で、図6に示すように、各駆動輪100は、駆動車輪9Aを逆転Rbすることにより、従動車輪9Bのブレーキ状態および回転部材5のロック解除状態が相まって台車本体120に対して回転部材5が自転軸3の廻りに時計回り方向に回転移動する。各駆動輪100は、回転部材5の回転角度を、回転基準位置検出部15による基準位置の検出、及び予め設定されている基準位置からの駆動車輪9Aの逆転Rb時の回転量によって計測することができる。これにより、各駆動輪100は、図6に示すように、回転部材5が台車本体120に対して自転軸3の廻りに相対的に回転移動する。その後、各駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが正転Raすることにより後方側200Bが図8中の右方向に移動して前方側200Aの向きが左向きに変わる。一方、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより後方側200Bが図8中の左方向に移動して前方側200Aの向きが右向きに変わる。その後、各駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を規制したブレーキ状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とし、この状態で駆動車輪9Aを駆動して図5に示す基準位置に回転部材5の位置を戻す。その後、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが正転Raすることにより前方側200Aの向きが変わった状態で前進Gaする。一方、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより前方側200Aの向きが変わった状態で後進Gbする。この動作を自走動作という。
【0063】
台車200は、図5に示す回転部材5の基準位置において、各駆動輪100を、制動機構13により従動車輪9Bの回転を規制したブレーキ状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とする。この状態で、図7に示すように、各駆動輪100は、駆動車輪9Aを正転Raすることにより、従動車輪9Bのブレーキ状態および回転部材5のロック解除状態が相まって台車本体120に対して回転部材5が自転軸3の廻りに反時計回り方向に回転移動する。各駆動輪100は、回転部材5の回転角度を、回転基準位置検出部15による基準位置の検出、及び予め設定されている基準位置からの駆動車輪9Aの正転Ra時の回転量によって計測することができる。これにより、各駆動輪100は、図7に示すように、回転部材5が台車本体120に対して自転軸3の廻りに相対的に回転移動する。その後、各駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが正転Raすることにより後方側200Bが図8中の左方向に移動して前方側200Aの向きが右向きに変わる。一方、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより後方側200Bが図8中の右方向に移動して前方側200Aの向きが左向きに変わる。その後、各駆動輪100は、制動機構13により従動車輪9Bの回転を規制したブレーキ状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とし、この状態で駆動車輪9Aを駆動して図5に示す基準位置に回転部材5の位置を戻す。その後、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが正転Raすることにより前方側200Aの向きが変わった状態で前進Gaする。一方、台車200は、各駆動輪100の駆動車輪9Aが逆転Rbすることにより前方側200Aの向きが変わった状態で後進Gbする。この動作を自走動作という。
【0064】
また、台車200は、各駆動輪100を、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を許容したロック解除状態とする。この状態で、台車200は、X−Y平面(接地面F)に沿って外力が付与されると、各駆動輪100において、駆動車輪9A及び従動車輪9Bが従動しつつ、回転部材5が自転軸3の廻りに自由に回転移動することにより、X−Y平面(接地面F)に沿った全ての方向に前進Ga及び後進Gbする。この動作を人力で操作されるマニュアル動作といい、特に全方向マニュアル動作という。
【0065】
また、台車200は、各駆動輪100を、制動機構13により従動車輪9Bの回転を許容したブレーキ解除状態とし、ロック機構17により回転部材5の基部1に対する回転を阻止したロック状態とする。この状態で、台車200は、X−Y平面(接地面F)に沿って外力が付与されると、各駆動輪100において、駆動車輪9A及び従動車輪9Bが従動しつつ、回転部材5の回転移動が阻止されることにより、駆動車輪9A及び従動車輪9Bが向く方向にのみ前進Ga及び後進Gbする。この動作を人力で操作されるマニュアル動作といい、特に前後旋回マニュアル動作という。
【0066】
このように、本実施形態の台車200及び機器は、駆動輪100が、自転軸(第一軸)3と、自転軸3の廻りに回転可能に設けられた回転部材5と、自転軸3に直交して回転部材5に設けられた駆動軸(第二軸)7Aと、駆動軸7Aの廻りに回転可能に設けられた駆動車輪9Aと、回転部材5に設けられて駆動車輪9Aを回転駆動する駆動部11と、回転部材5の回転を許容する一方で回転部材5の回転を阻止するロック機構17と、を備える。
【0067】
これにより、台車200及び機器は、駆動輪100が、回転部材5に設けた駆動部11により駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により回転部材5を回転させて駆動車輪9Aの方向を変更することができる。一方、台車200及び機器は、駆動輪100が、回転部材5に設けた駆動部11により駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の阻止により回転部材5を固定させて走行することができる。また、台車200及び機器は、駆動輪100が、自転軸3に駆動部11を設ける必要がないため、ロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により、自転軸3の廻りに回転部材5を負荷なく自由に回転させ、外力により駆動車輪9Aを従動させたマニュアル動作が可能になる。この結果、台車200及び機器は、駆動輪100において、簡素な構成で低コスト化及び軽量化を図った構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことができる。また、台車200及び機器は、駆動輪100において、駆動部11にダイレクトドライブモータを適用すれば、励磁オフにすることで駆動車輪9Aを負荷なく自由に回転でき、マニュアル動作をより円滑かつ軽快に行うことができる。
【0068】
また、本実施形態の台車200及び機器では、駆動輪100の駆動車輪9Aは、自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられていることが好ましい。
【0069】
これにより、台車200及び機器は、駆動輪100において、駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により回転部材5を回転させる際、駆動車輪9Aが自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられているため、自転軸3の廻りの回転部材5の回転移動を円滑に行うことができる。この結果、台車200及び機器は、円滑な走行を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態の台車200及び機器では、駆動輪100の駆動軸7Aは、その軸心7Cが自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられていることが好ましい。
【0071】
これにより、台車200及び機器は、駆動輪100において、ロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により、回転部材5を自由に回転させ、外力により駆動車輪9Aを従動させるマニュアル動作の際、駆動軸7Aの軸心7Cが自転軸3の軸心3Cからオフセットした位置に設けられているため、自転軸3の廻りの回転部材5の回転移動を回転方向の全方向に行うことができる。この結果、マニュアル動作による移動の位置調整が可能になり、走行性を向上できる。
【0072】
また、本実施形態の台車200及び機器では、駆動輪100は、駆動軸7Aと同軸上で回転部材5に設けられた従動軸(第三軸)7Bと、従動軸7Bの廻りに回転可能に設けられた従動車輪9Bと、従動車輪9Bの回転を制動する制動機構13と、をさらに備えることが好ましい。
【0073】
これにより、台車200及び機器は、駆動輪100において、従動車輪9Bを備えることで、駆動車輪9Aの回転に際して補助するため、回転部材5の回転移動を軽快に行うことができる。特に、駆動輪100は、駆動車輪9Aを回転駆動させつつロック機構17による回転部材5の基部1に対する回転の許容により回転部材5を回転させる際、制動機構13により従動車輪9Bの回転を制動することで、駆動車輪9Aの回転駆動に伴って回転部材5に回転方向への回転力を付与することができ、回転部材5の回転移動によって生じる台車本体120の移動量を小さく抑えることができ、効率良く回転部材5を回転移動させることができる。この結果、台車200及び機器は、円滑な走行を行うことができる。
【0074】
なお、台車200及び機器は、駆動輪100の数や配置について上述した構成に限定されるものではない。例えば、台車200及び機器は、図8に示す4輪の形態において、台車200の前方側200Aに駆動輪100を取り付け、台車200の後方側200Bに従動輪110を取り付けてもよい。また、図には明示しないが、台車200及び機器は、3輪以上の形態において、駆動輪100が1つであって他の車輪が全て従動輪110であってもよい。また、図には明示しないが、台車200及び機器は、3輪以上の形態において、従動輪110を有さず全ての車輪が駆動輪100であってよい。即ち、台車200及び機器は、3輪以上の形態において、駆動輪100が少なくとも1つあればよい。このような構成であっても、簡素な構成で自走可能であると共に、マニュアル動作を円滑かつ軽快に行うことができる。
【符号の説明】
【0075】
1 基部
1A 上面
1B 下面
3 自転軸(第一軸)
3A 下端
3C 軸心
5 回転部材
5A 上面
5B 下面
5C 側板
7 回転軸
7A 駆動軸(第二軸)
7B 従動軸(第三軸)
7C 軸心
9 車輪
9A 駆動車輪
9B 従動車輪
11 駆動部
13 制動機構
15 回転基準位置検出部
15A 検出センサ
15B 検出片
17 ロック機構
19 回転範囲規制機構
19A ピン
19B 円弧穴
21 ボルト
23 スリップリング
100 駆動輪
110 従動輪
110C 軸心
120 台車本体
200 台車
200A 前方側
200B 後方側
210 制御装置
211 受信部
212 制御部
220 電源
300 操作部
F 接地面
Ga 前進
Gb 後進
Ra 正転
Rb 逆転
S1,S2,S3 オフセット量
Sig 操作信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9

【手続補正書】
【提出日】2019年9月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に対して回転可能に設けられた第一軸と、
前記第一軸の廻りに回転可能に設けられた回転部材と、
前記第一軸に直交して前記回転部材に設けられた第二軸と、
前記回転部材に対して前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられて、前記第二軸の廻りに回転可能な駆動車輪と、
前記回転部材に設けられて前記駆動車輪を回転駆動する駆動部と、
前記基部に対して前記回転部材の回転を許容するロック解除状態となる一方で、前記基部に対して前記回転部材の回転を阻止するロック状態となるロック機構と、
前記駆動部および前記ロック機構を制御する制御部と、
を備え
前記制御部は、前記ロック機構をロック状態として前記駆動部を駆動する第一動作と、前記ロック機構をロック解除状態として前記駆動部を駆動し前記駆動車輪を伴って前記回転部材を前記第一軸の廻りに回転させる第二動作と、前記ロック機構をロック解除状態として外力により前記駆動車輪を前記第二軸の廻りに従動させつつ前記駆動車輪を伴って前記回転部材を前記第一軸の廻りに回転させる第三動作と、を制御する、駆動輪。
【請求項2】
前記第二軸は、その軸心が前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられている、請求項1に記載の駆動輪。
【請求項3】
前記第二軸と同軸上で前記回転部材に設けられた第三軸と、
前記第三軸の廻りに回転可能に設けられた従動車輪と、
前記従動車輪の回転を制動する制動機構と、
をさらに備え
前記制御部は、前記制動機構を制御し、前記第一動作において前記制動機構をブレーキ解除状態とし、前記第二動作において前記制動機構をブレーキ状態とし、前記第三動作において前記制動機構をブレーキ解除状態とする、請求項1又は2に記載の駆動輪。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
を備える台車。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
前記台車本体に取り付けられる機材と、
を備える機器。

【手続補正書】
【提出日】2019年12月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に対して回転可能に設けられた第一軸と、
前記第一軸の廻りに回転可能に設けられた回転部材と、
前記第一軸に直交して前記回転部材に設けられ、かつその軸心が前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられる第二軸と、
前記第二軸と同軸上で前記回転部材に設けられた第三軸と、
前記第三軸の廻りに回転可能に設けられた従動車輪と、
前記回転部材に対して前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられて、前記第二軸の廻りに回転可能な駆動車輪と、
前記回転部材に設けられて前記駆動車輪を回転駆動する駆動部と、
アクチュエータを有し、第一軸を挿通するように配置され、前記アクチュエータの動作に応じて前記基部に対して前記回転部材の回転を許容するロック解除状態となる一方で、前記基部に対して前記回転部材の回転を阻止するロック状態となるロック機構と、
前記従動車輪の回転を制動する制動機構と、
前記駆動部前記ロック機構および前記制動機構を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記制動機構をブレーキ解除状態とし、かつ前記ロック機構をロック状態として前記駆動部を駆動する第一動作と、
前記制動機構をブレーキ状態とし、かつ前記ロック機構をロック解除状態として前記駆動部を駆動し前記駆動車輪を伴って前記回転部材を前記第一軸の廻りに回転させる第二動作と、
前記制動機構をブレーキ解除状態とし、かつ前記ロック機構をロック解除状態として外力により前記駆動車輪を前記第二軸の廻りに従動させつつ前記駆動車輪を伴って前記回転部材を前記第一軸の廻りに回転させる第三動作と、を制御する、駆動輪。
【請求項2】
前記駆動部は、ダイレクトドライブモータである請求項1に記載の駆動輪。
【請求項3】
前記従動車輪は、前記回転部材に対して前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられている請求項1または2に記載の駆動輪。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
を備える台車。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
前記台車本体に取り付けられる機材と、
を備える機器。

【手続補正書】
【提出日】2020年4月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
前記基部に対して回転可能に設けられた第一軸と、
前記第一軸の廻りに回転可能に設けられた回転部材と、
前記第一軸に直交して前記回転部材に設けられ、かつその軸心が前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられる第二軸と、
前記第二軸と同軸上で前記回転部材に設けられた第三軸と、
前記第三軸の廻りに回転可能に設けられた従動車輪と、
前記回転部材に対して前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられて、前記第二軸の廻りに回転可能な駆動車輪と、
前記回転部材に設けられて前記駆動車輪を回転駆動する駆動部と、
アクチュエータを有し、第一軸を挿通するように配置され、前記アクチュエータの動作に応じて前記基部に対して前記回転部材の回転を許容するロック解除状態となる一方で、前記基部に対して前記回転部材の回転を阻止するロック状態となるロック機構と、
前記従動車輪の回転を制動する制動機構と、
前記駆動部、前記ロック機構および前記制動機構を制御する制御部と、
前記回転部材における基部との相対的な回転移動において、基準となる基準位置を検出する回転基準位置検出部と、
を備え、
前記制御部は、
前記制動機構をブレーキ解除状態とし、かつ前記ロック機構をロック状態として前記駆動部を駆動する第一動作と、
前記制動機構をブレーキ状態とし、かつ前記ロック機構をロック解除状態として前記駆動部を駆動し前記駆動車輪を伴って前記回転部材を前記第一軸の廻りに回転させる第二動作と、
前記制動機構をブレーキ解除状態とし、かつ前記ロック機構をロック解除状態として外力により前記駆動車輪を前記第二軸の廻りに従動させつつ前記駆動車輪を伴って前記回転部材を前記第一軸の廻りに回転させる第三動作と、を制御し、
前記回転基準位置検出部による前記基準位置の検出、及び予め設定されている前記基準位置に対する前記駆動車輪の回転量に基づいて計測した、前記第二動作における前記回転部材の回転角度に基づいて、前記制御部は、前記第二動作から前記第一動作へ切り替える、駆動輪。
【請求項2】
前記駆動部は、ダイレクトドライブモータである請求項1に記載の駆動輪。
【請求項3】
前記従動車輪は、前記回転部材に対して前記第一軸の軸心からオフセットした位置に設けられている請求項1または2に記載の駆動輪。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
を備える台車。
【請求項5】
前記台車本体の前方側に前記駆動輪が取り付けられ、
前記台車本体の前記前方側とは反対側の後方側に、第二の従動輪を備える、請求項4に記載の台車。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動輪と、
前記駆動輪が取り付けられる台車本体と、
前記台車本体に取り付けられる機材と、
を備える機器。
【国際調査報告】