(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2021年1月21日
【発行日】2021年9月13日
(54)【発明の名称】繊維用帯電防止加工薬剤及びその利用
(51)【国際特許分類】
D06M 13/328 20060101AFI20210816BHJP
D06M 13/463 20060101ALI20210816BHJP
【FI】
D06M13/328
D06M13/463
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2020-568825(P2020-568825)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2020年7月1日
(11)【特許番号】特許第6915176号(P6915176)
(45)【特許公報発行日】2021年8月4日
(31)【優先権主張番号】特願2019-129832(P2019-129832)
(32)【優先日】2019年7月12日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,IT,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000188951
【氏名又は名称】松本油脂製薬株式会社
(72)【発明者】
【氏名】池本 央輔
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 仁
【テーマコード(参考)】
4L033
【Fターム(参考)】
4L033AB04
4L033AC06
4L033BA46
4L033BA86
(57)【要約】
加工布の風合いを損なわず洗濯耐久性の高い繊維用帯電防止加工薬剤とその製造方法を提供する。
3級アミン化合物、前記3級アミン化合物の酸塩及び前記3級アミン化合物の4級化物から選ばれる少なくとも1種を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数1〜4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基である、繊維用帯電防止加工薬剤。前記3級アミン化合物が下記一般式(1)で示されると好ましい。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3級アミン化合物、前記3級アミン化合物の酸塩及び前記3級アミン化合物の4級化物から選ばれる少なくとも1種を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、
前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数1〜4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基である、繊維用帯電防止加工薬剤。
【請求項2】
前記3級アミン化合物が下記一般式(1)で示される、請求項1に記載の繊維用帯電防止加工薬剤。
【化1】
(一般式(1)において、R
1は炭素数1〜4のアルキル基である。2つのR
1は、同じであっても相違してもよい。R
2は炭素数5〜22のアルキル基である。nは1〜3の整数である。XおよびYは、それぞれ独立して、メチレン基、―NH−、―NR
3―又は−O−である。但しR
3は炭素数1〜4のアルキル基である。)
【請求項3】
前記R1は炭素数2乃至4のアルキル基である、請求項2に記載の繊維用帯電防止加工薬剤。
【請求項4】
無機酸又は有機酸にて中和してなる、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維用帯電防止加工薬剤。
【請求項5】
繊維材料に対して、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維用帯電防止加工薬剤を付与する工程を含む、帯電防止加工繊維の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維用帯電防止加工薬剤及びその利用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、合成繊維は非導電性かつ疎水性であり、摩擦等により静電気が帯電しやすい。合成繊維を衣料に用いた場合、静電気の発生は作業性の低下や、着心地の低下を招くだけでなく、汚れ物質の付着も生じやすくなる。そのため、合成繊維を用いた衣料には帯電防止剤の使用が必要となる。
【0003】
従来、帯電防止剤として、特許文献1に示すようなアミン化合物が使用されてきたが、家庭洗濯により脱落し持続的な帯電防止効果は得られなかった。洗濯耐久性を向上する試みとして、特許文献2に示すようなアクリロニトリルとアルコキシポリテトラメチレングリコールメタクリレートとの共重合体を帯電防止剤として使用する方法が提案されているが、洗濯耐久性が良好である一方で洗濯前の帯電防止性は十分でなく、また、加工布の風合いを損なうものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−82669号公報
【特許文献2】特開平10−183474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、従来の帯電防止剤が、帯電性能を偏重した結果、親水性が強いために、親油性を示す繊維との親和性が不足することにより、耐久性が低下していることを突き止めた。
よって、本発明の目的は、加工布の風合いを損なわず洗濯耐久性の高い繊維用帯電防止加工薬剤とその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造をしてなる3級アミン化合物であれば、上記課題を解決できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は、3級アミン化合物、前記3級アミン化合物の酸塩及び前記3級アミン化合物の4級化物から選ばれる少なくとも1種を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、
前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数1〜4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基である。
【0008】
前記3級アミン化合物が下記一般式(1)で示されると好ましい。
【0009】
【化1】
(式(1)において、R
1は炭素数1〜4のアルキル基である。2つのR
1は、同じであっても相違してもよい。R
2は炭素数5〜22のアルキル基である。nは1〜3の整数である。XおよびYは、それぞれ独立して、メチレン基、―NH−、―NR
3又は―O−である。但しR
3は炭素数1〜4のアルキル基である。)
前記R
1は炭素数2乃至4のアルキル基であると好ましい。
無機酸又は有機酸にて中和してなると好ましい。
【0010】
本発明の帯電防止加工繊維の製造方法は、繊維材料に対して、上記繊維用帯電防止加工薬剤を付与する工程を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は、繊維製品等に付着させた場合に、加工布の風合いを損なわず洗濯耐久性が高い効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、3級アミン化合物、前記3級アミン化合物の酸塩及び前記3級アミン化合物の4級化物から選ばれる少なくとも1種を含む繊維用帯電防止加工薬剤である。以下詳細に説明する。
【0013】
〔3級アミン化合物〕
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤に使用される3級アミン化合物は、窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数1〜4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基である。
窒素原子に結合するアルキル基の炭素数は1〜4であるが、洗濯耐久性が高いという観点から、2〜4が好ましく、3又は4がより好ましく、4が最も好ましい。
窒素原子に結合する2つのアルキル基は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
1つがカルボニル基を含む有機基としては、アミド基が挙げられる。
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤に使用される3級アミン化合物は、洗濯耐久性が高いという観点から、上記一般式(1)で示されると好ましい。
【0014】
R
1は炭素数1〜4のアルキル基であり、洗濯耐久性が高いという観点から、2〜4が好ましく、3又は4がより好ましく、4が最も好ましい。2つのR
1は、同じであっても相違してもよい。
R
2は炭素数5〜22のアルキル基であり、洗濯耐久性が高いという観点から、7〜22が好ましく、9〜22がより好ましく、11〜22が特に好ましい。
nは1〜3の整数であり、洗濯耐久性が高いという観点から、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
XおよびYは、それぞれ独立して、メチレン基、―NH−、―NR
3−又は―O−である。
洗濯耐久性が高いという観点から、R
3は炭素数1〜4が好ましく、2〜4がより好ましく、3〜4が特に好ましい。
【0015】
〔3級アミン化合物の酸塩〕
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤に使用される3級アミン化合物の酸塩は、上記3級アミン化合物を有機酸又は無機酸で中和したものである。
有機酸としては、ギ酸、酢酸、乳酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、酒石酸、安息香酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、サリチル酸等が挙げられるが、安全性等乳化性、取り扱い性の観点からギ酸、酢酸、乳酸が好ましく、ギ酸が最も好ましい。
無機酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸、リン酸、ホウ酸、メタケイ酸及び無水ケイ酸等が挙げられる。
中和度としては、中和物の乳化性という観点から、100%が好ましい。
【0016】
〔3級アミン化合物の4級化物〕
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤に使用される3級アミン化合物の4級化物は、上記3級アミン化合物を4級化したものである。
4級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等の炭素数1以上4以下のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等のアルキル化剤が挙げられる。
【0017】
〔その他成分〕
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は、本願発明の効果を損なわない範囲で、その他成分を含んでいてもよい。
その他成分としては、水、油剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、無機物、防腐剤、pH調整剤、消泡剤、溶剤、脂肪酸(塩)等が挙げられる。
【0018】
溶剤としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチルプロパノール、1,1−ジメチルエタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1,1−ジメチルプロパノール、3−メチル−2−ブタノール、1,2−ジメチルプロパノール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−へプタノール、2−へプタノール、3−へプタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ベンジルアルコール、ソルフィット、ポリアルキレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ペンチル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
【0019】
非イオン性界面活性剤としては、特に限定はないが、例えば、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル(ポリオキシアルキレンノニルフェニルエーテル等)、ポリオキシアルキレン多環アリールエーテル(ポリオキシアルキレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレントリスチリルメチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジスチリルメチルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンベンジルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンジクミルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンナフチルエーテル等)、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、ポリオキシアルキレンアルキルアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多環アリールエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンヒマシ油エーテル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油エーテル、ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル等が挙げられる。
【0020】
これら非イオン性界面活性剤を構成するアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ラウリル基、イソデシル基、トリデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基、ベヘニル基等が挙げられ、不飽和結合を有してもよく、第一級、第二級、第三級のいずれでもよく、直鎖でも分岐構造を有してもよい。
【0021】
同様にアルキルアリール基としては、トリル基、キシリル基、クミル基、オクチルフェニル基、2−エチルヘキシルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、メチルナフチル基等が挙げられ、アルキル基の位置、数に限定はない。
【0022】
同様に多環アリール基としては、スチリルフェニル基、スチリルメチルフェニル基、スチリルノニルフェニル基、アルキルスチリルフェニル基、トリスチリルフェニル基、ジスチリルフェニル基、ジスチリルメチルフェニル基、トリスチリルフェニル基、ベンジルフェニル基、ジベンジルフェニル基、アルキルジフェニル基、ジフェニル基、クミルフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、置換基の位置や数に限定はない。
【0023】
同様に多価アルコールとしては、ソルビット、ソルビトール、ソルバイド、ソルビタン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ネオペンチルグリコール、キシリトール、エリスリトール、アルカノールアミン、糖類等が挙げられる。
【0024】
同様にポリオキシアルキレン基としては、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等が挙げられ、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基が好ましい。2種以上の場合、ブロック付加体、交互付加体、又はランダム付加体のいずれを構成してもよい。また、ポリオキシアルキレン基は、ポリオキシエチレン基を必須に含有することが好ましい。ポリオキシアルキレン基に占めるポリオキシエチレン基の割合は、40モル%以上が好ましく、50モル%がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましく、80モル%以上が特に好ましい。オキシアルキレン基の付加モル数は、1〜50が好ましく、3〜30がより好ましく、5〜20がさらに好ましい。
【0025】
本発明が水を含む場合、水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水のいずれであってもよい。
【0026】
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、繊維用帯電防止加工と同時に加工可能な加工薬剤を含んでもよい。加工薬剤としては、変色防止剤、変色抑制剤、防虫剤、防黴剤、防ダニ剤、消臭剤、帯電防止剤、撥水撥油剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防汚剤、深色化剤、平滑剤、柔軟剤、顔料、蛍光増白剤、艶消し剤、浸透剤、湿潤剤、乳化剤、消泡剤、親水剤、抗菌剤、防臭剤、抗ウイルス剤、抗アレルゲン剤、遮熱加工剤、硬仕上げ剤、合成樹脂、可縫性向上剤、架橋剤、溶剤又は吸水剤等が挙げられる。これら薬剤は、複数含んでもよい。各薬剤については、公知のものを採用できる。
【0027】
〔繊維用帯電防止加工薬剤〕
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は、繊維材料に優れた帯電防止性を付与するために用いられるものである。本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は、前記3級アミン化合物、前記3級アミン化合物の酸塩及び前記3級アミン化合物の4級化物から選ばれる少なくとも1種を含むものである。なお、本発明の繊維用帯電防止加工薬剤とは、後述する製造方法で製造された薬剤のみならず、繊維材料に付与する際に該加工剤を水等により希釈した加工処理液を含むものである。
【0028】
繊維用帯電防止加工薬剤の不揮発分に対する前記3級アミン化合物、前記3級アミン化合物の酸塩及び前記3級アミン化合物の4級化物の合計の重量割合は、洗濯耐久性が高いという観点から、10〜90重量%が好ましく、30〜90重量%がより好ましく、50〜90重量%がさらに好ましく、60〜80重量%が特に好ましい。なお、不揮発分とは、薬剤を105℃で熱処理して溶媒等を除去し、恒量に達した時の絶乾成分をいう。
【0029】
繊維用帯電防止加工薬剤のpHは、特に限定はないが、難燃加工薬剤の貯蔵安定性の点から、1〜9が好ましく、3〜7がさらに好ましい。
【0030】
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤の粘度(20℃)は、100〜10000mPa・sが好ましく、150〜8000mPa・sがより好ましく、200〜5000mPa・sがさらに好ましい。
【0031】
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤の調製方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。例えば、上述のように誘導体を調製し、必要に応じて、水やその他成分を混合撹拌して調製することができる。
【0032】
[帯電防止加工繊維の製造方法]
本発明の帯電防止加工繊維の製造方法は、繊維材料に対して、本発明の繊維用帯電防止加工薬剤を付与する工程(I)を含むものである。すなわち、本発明の製造方法は、繊維用帯電防止加工薬剤を後加工にて繊維材料に付与する工程を含むものである。後加工とは、繊維材料が製造された後に加工することを意味する。本製造方法によれば、帯電防止性が優れ、洗濯耐久性にも優れた帯電防止加工繊維を得ることができる。
【0033】
繊維材料としては、天然繊維、化学繊維のいずれであってもよい。天然繊維としては、例えば、綿、大麻、亜麻、ヤシ、いぐさ等の植物繊維;羊毛、山羊毛、モヘア、カシミア、ラクダ、絹等の動物繊維;石綿等の鉱物繊維等を挙げることができる。化学繊維としては、例えば、ロックファィバ−、金属繊維、グラファイト、シリカ、チタン酸塩等の無機繊維;レーヨン、キュプラ、ビスコ−ス、ポリノジック、精製セルロース繊維等の再生セルロース系繊維;溶融紡糸セルロース繊維;牛乳タンパク、大豆タンパク等のタンパク質系繊維;再生絹、アルギン酸繊維等の再生・半合成繊維;ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、カチオン可染ポリエステル繊維、ポリビニル繊維、ポリアクリルアルコール繊維、ポリウレタン繊維、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリビニリデン繊維、ポリスチレン繊維等の合成繊維を挙げることができる。また、これら繊維を2種以上複合(混紡、混繊、交織、交編等)されていてもよい。
【0034】
繊維材料の形態としては、例えば、織物、編物、布帛、糸状、不織布等の形態を挙げることができる。繊維材料の用途としては、帯電防止性、耐洗濯性を付与する対象物、例えば、アンダーウェア、作業着、スポーツ衣料、寝具類、カバー類等を挙げることができる。
【0035】
繊維用帯電防止加工薬剤を繊維材料に付与する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を採用できる。これらの中でも、繊維用帯電防止加工薬剤を繊維材料に確実に固着させることができる点から、吸尽法、パッドドライ法、スプレー法及びコーティング法から選ばれる少なくとも1種の方法が好ましく、パッドドライ法がさらに好ましい。
【0036】
吸尽法、パッドドライ法、スプレー法、コーティング法としては、公知の方法を採用できる。吸尽法とは、薬剤の希薄溶液を用い、温度、浸漬時間、液循環回数等の条件を設定して、薬剤を繊維に選択吸着させることで吸尽付着させる方法である。その後、通常、水洗を行い、遠心脱水、乾燥を行う。パッドドライ法とは、薬剤の溶液中に繊維を短時間浸漬し、直ちに脱水マングル等で絞ることで付着させる方法である。その後乾燥を行い、必要に応じて、キュアリングを行う。スプレー法とは、一定速度のコンベアー上に繊維を乗せ、その上から、薬剤の溶液を一定量スプレーする事で付着させる方法である。その後乾燥を行い、必要に応じて、キュアリングを行う。コーティング法とは、通常マングルで薬剤の溶液を片面より塗布することで付着させる方法である。その後、余分の薬剤はドクターでかき落とし、乾燥を行い、必要に応じて、キュアリングを行う。
【0037】
本発明の繊維用帯電防止加工薬剤を繊維材料に付与する際の温度は、5〜40℃が好適である。付与温度が5℃より低いと、一定温度保持が難しいために繊維材料への一定付与ができなくなることがある。一方、付与温度が40℃より高いと、繊維材料に含まれる染料等の溶出が多くなることがある。
【0038】
繊維材料に付与する際の繊維用帯電防止加工薬剤(加工処理液)に占める誘導体の重量割合は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜10重量%がより好ましく、1.0〜7.0重量%がさらに好ましい。なお、所定の重量割合は、水等で希釈することにより調製することができる。
【0039】
繊維材料に対する誘導体の付与量については、特に限定はないが、繊維材料に対して0.01〜10重量%が好ましく、0.03〜7.0重量%がより好ましく、0.05〜5.0重量%がさらに好ましい。0.01重量%未満の場合、帯電防止加工剤中を処理した繊維が帯電防止性を示さなくなることがある。10重量%超の場合、帯電防止性及び洗濯耐久性のこれ以上の向上は見られず、経済的に不利となることがある。
【0040】
本発明の製造方法は、本発明の効果を阻害しない範囲で、帯電防止加工と同時に加工可能な工程を含んでもよい。同時に加工可能な工程としては、変色防止剤、変色抑制剤、防虫剤、防黴剤、防ダニ剤、消臭剤、帯電防止剤、撥水撥油剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防汚剤、深色化剤、平滑剤、柔軟剤、顔料、蛍光増白剤、艶消し剤、浸透剤、湿潤剤、乳化剤、消泡剤、親水剤、抗菌剤、防臭剤、抗ウイルス剤、抗アレルゲン剤、遮熱加工剤、硬仕上げ剤、合成樹脂、可縫性向上剤、架橋剤、溶剤又は吸水剤を付与する工程等が挙げられる。これら工程は、複数同時に行うことも可能である。各薬剤については、公知のものを採用できる。
【実施例】
【0041】
以下に本発明の実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、例中の「部」及び「%」とあるのは、特に示さない限り、「重量部」及び「重量%」を示す。
【0042】
[カチオン界面活性剤(A1)の調製]
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた容量1リットルの反応容器に、公知の方法により得られた上記一般式(1)において、R
1の炭素数が4、nが1、Xがメチレン基、Yが―NH−、R
2が炭素数18であるアミドアミン(a1)500g、76%ギ酸67gを仕込んだ。攪拌しながら昇温し、60℃で2時間反応を行い、アミドアミン型界面活性剤であるカチオン界面活性剤(A1)を得た。
【0043】
[カチオン界面活性剤(A2〜A10)の調製]
カチオン界面活性剤(A1)の調製において、アミドアミン(a1)をそれぞれ下記の(a2)〜(a10)に変更する以外は同様の操作を行い、アミドアミン型カチオン界面活性剤及びエステルアミン型カチオン界面活性剤であるカチオン界面活性剤(A2〜A10)を得た。
一般式(1)においてR
1の炭素数が4、nが1、Xがメチレン基、Yが―NH−、R
2が炭素数8であるアミドアミン(a2)
一般式(1)においてR
1の炭素数が4、nが1、Xがメチレン基、Yが―NH−、R
2が炭素数12であるアミドアミン(a3)
一般式(1)においてR
1の炭素数が4、nが1、Xがメチレン基、Yが―NH−、R
2が炭素数22であるアミドアミン(a4)
一般式(1)においてR
1の炭素数が2、nが1、Xがメチレン基、Yが―NH−、R
2が炭素数12であるアミドアミン(a5)
一般式(1)においてR
1の炭素数が2、nが1、Xがメチレン基、Yが―NH−、R
2が炭素数18であるアミドアミン(a6)
一般式(1)においてR
1の炭素数が2、nが1、Xがメチレン基、Yが―NH−、R
2が炭素数22であるアミドアミン(a7)
一般式(1)においてR
1の炭素数が4、nが1、Xがメチレン基、Yが―O−、R
2が炭素数18であるエステルアミン(a8)
一般式(1)においてR
1の炭素数が4、nが3、Xが―NH−、Yがメチレン基、R
2が炭素数16であるアミドアミン(a9)
一般式(1)においてR
1の炭素数が4、nが3、Xが―NH−、Yがメチレン基、R
2が炭素数10であるアミドアミン(a10)
【0044】
[カチオン界面活性剤(A11)の調製]
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた容量1リットルの反応容器に、アミドアミン(a1)500g、90%乳酸111gを仕込んだ。攪拌しながら昇温し、60℃で2時間反応を行い、アミドアミン型界面活性剤であるカチオン界面活性剤(A11)を得た。
【0045】
[カチオン界面活性剤(A12)の調製]
温度計、還流冷却器及び攪拌機を備えた容量1リットルの反応容器に、アミドアミン(a1)500g、氷酢酸67gを仕込んだ。攪拌しながら昇温し、60℃で2時間反応を行い、アミドアミン型界面活性剤であるカチオン界面活性剤(A12)を得た。
【0046】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
前記方法にて得られたカチオン界面活性剤(A1)2.1重量%、HLB=9.7のエーテル型ノニオン活性剤0.6重量%、イソプロパノール0.3重量%、水97重量%を混合撹拌し、処理液を調製した。この処理液にポリエステル布帛(ポリエステルトロピカル)を浸漬させ、絞り率65重量%にて処理し、次いで130℃にて2分間熱処理した。得られた処理布(試験布)の洗濯前と洗濯5回後の摩擦帯電圧、半減期、及び吸水性を評価した。その結果を表1に示す。なお、洗濯方法及び処理液安定性評価、摩擦帯電圧、半減期、風合いの試験方法については、下記の方法で行った。
【0047】
[風合い]
得られた試験サンプルについて、風合を、触感にて評価した。なお、風合の評価は以下の基準に基づき、以下の3段階に分類して判定した。○及び△を合格とした。
<判定>
○:柔軟である。
△:やや粗硬である(未加工のポリエステルトロピカルと同等)。
×:粗硬である
【0048】
[処理液安定性]
20℃、65%の室内で調製した処理液の外観を評価した。
<判定>
○:均一
△:やや不均一
×:不均一
【0049】
[摩擦帯電圧]
上記で得られた試験布を20℃、45%RHの恒温室内に2時間調湿したものを用いて、JIS L−1094 B法に従い、ロータリースタティックテスターを用いて、摩擦帯電圧を測定した。
【0050】
[半減期]
摩擦帯電圧を測定したときと同じ雰囲気下でスタティックオネストメーターを用い、上記で得られた試験布に10kVの電圧を印加し、印加された電荷が半分に減衰した時間を半減期として求めた。半減期は印加した電荷が半分に減少する時間を表すため、短いほど帯電しにくいことを示す。
【0051】
[洗濯方法]
JIS−L−0217 103法に準じて、試験布を洗濯した。洗剤はアタック(花王(株)製)を使用し、洗濯液の洗剤濃度を1.0g/Lとして使用した。前記条件により、繰り返し洗濯を5回行った。
【0052】
[洗濯耐久性の評価]
洗濯処理したものについて、上記方法と同様に摩擦帯電圧及び半減期を測定した。半減期が30秒以内、摩擦帯電圧が3000V以下であれば、帯電防止性が良好であり、洗濯前後で上の条件が満たされている場合、洗濯耐久性が良好であるといえる。
【0053】
(実施例2〜12)
実施例2〜12は、実施例1のカチオン界面活性剤(A1)を前記カチオン界面活性剤(A2)〜(A12)に変更した以外は、実施例1と同様にして評価をした。また、比較例1として、加工処理をしていないポリエステル布帛を実施例1と同様に評価した。その結果を表1、表2に示す。
【0054】
(比較例2)
実施例1のカチオン界面活性剤(A1)を使用することなく、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドに水を投入し、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドの重量割合が2.1重量%となる加工処理液を調製した以外は、実施例1と同様にして、評価した。その結果を表2に示す。
【0055】
(比較例3)
実施例1のカチオン界面活性剤(A1)を使用することなく、塩化カルシウムに水を投入し、塩化カルシウムの重量割合が1.0重量%となる加工処理液を調製した以外は、実施例1と同様にして、評価した。その結果を表2に示す。
【0056】
(比較例4)
実施例1のカチオン界面活性剤(A1)を使用することなく、アルカンスルホネートNa塩を投入し、アルカンスルホネートNa塩の重量割合が2.1重量%となる加工処理液を調製した以外は、実施例1と同様にして、評価した。その結果を表2に示す。
【0057】
(比較例5)
実施例1のカチオン界面活性剤(A1)を使用することなく、PET−PEG系帯電防止剤を投入し、PET−PEG系帯電防止剤の純分の重量割合が2.1重量%となる加工処理液を調製した以外は、実施例1と同様にして、評価した。その結果を表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
表1及び2から分かるように、実施例1〜12に係る帯電防止加工薬剤は、3級アミン化合物、前記3級アミン化合物の酸塩及び前記3級アミン化合物の4級化物から選ばれる少なくとも1種を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数1〜4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基であるため、本願課題である加工布の風合いを損なわず洗濯耐久性を高くすることが解決できている。
一方、比較例2〜5に係る帯電防止加工薬剤は、アミン化合物でない(比較例3〜5)、アミン化合物であっても、水溶性が高く洗濯耐久性がない(比較例2)、そもそも薬剤がない(比較例1)ため、本願課題のいずれかを解決できていない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の帯電防止加工薬剤は、繊維製品等に付着させた場合に、加工布の風合いを損なわず洗濯耐久性が高い効果を有するため、洗濯耐久性が要求される繊維製品に特に好適に用いることができる。
【手続補正書】
【提出日】2020年12月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3級アミン化合物、
及び前記3級アミン化合物の酸塩から選ばれる少なくとも1種を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、
前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数
2乃至4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基であり、
前記3級アミン化合物が下記一般式(1)で示される、繊維用帯電防止加工薬剤。
【化1】
(一般式(1)において、R
1は炭素数
2乃至4のアルキル基である。2つのR
1は、同じであっても相違してもよい。R
2は炭素数5〜22のアルキル基である。nは1〜3の整数である。XおよびYは、それぞれ独立して、メチレン基、―NH−、―NR
3―又は−O−である。但しR
3は炭素数1〜4のアルキル基である。)
【請求項2】
繊維材料に対して、請求項1に記載の繊維用帯電防止加工薬剤を付与する工程を含む、帯電防止加工繊維の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
すなわち、本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は、3級アミン化合物、
及び前記3級アミン化合物の酸塩から選ばれる少なくとも1種を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、
前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数
2乃至4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基であ
り、
前記3級アミン化合物が下記一般式(1)で示される、繊維用帯電防止加工薬剤である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記3級アミン化合物
は下記一般式(1)で示され
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
【化1】
(一般式(1)において、R
1は炭素数
2乃至4のアルキル基である。2つのR
1は、同じであっても相違してもよい。R
2は炭素数5〜22のアルキル基である。nは1〜3の整数である。XおよびYは、それぞれ独立して、メチレン基、―NH−、―NR
3―又は−O−である。但しR
3は炭素数1〜4のアルキル基である。
)
【手続補正書】
【提出日】2021年5月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3級アミン化合物の酸
塩を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、
前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数2乃至4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基であり、
前記3級アミン化合物が下記一般式(1)で示され
、
前記3級アミン化合物の酸塩がギ酸塩、乳酸塩及び酢酸塩から選ばれる少なくとも1種である、繊維用帯電防止加工薬剤。
【化1】
(一般式(1)において、R
1は炭素数2乃至4のアルキル基である。2つのR
1は、同じであっても相違してもよい。R
2は炭素数5〜22のアルキル基である。nは1〜3の整数である。X
及びY(X、Y)は、(メチレン基、―NH−)又は(―NH−、メチレン基)である。但しR
3は炭素数1〜4のアルキル基である。)
【請求項2】
繊維材料に対して、請求項1に記載の繊維用帯電防止加工薬剤を付与する工程を含む、帯電防止加工繊維の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
すなわち、本発明の繊維用帯電防止加工薬剤は
、3級アミン化合物の酸
塩を含む繊維用帯電防止加工薬剤であって、
前記3級アミン化合物の窒素原子に結合する3つの基のうち、2つが炭素数2乃至4のアルキル基、1つがカルボニル基を含む有機基であり、
前記3級アミン化合物が下記一般式(1)で示され
、前記3級アミン化合物の酸塩が、ギ酸塩、乳酸塩及び酢酸塩から選ばれる少なくとも1種である、繊維用帯電防止加工薬剤である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
【化1】
(一般式(1)において、R
1は炭素数2乃至4のアルキル基である。2つのR
1は、同じであっても相違してもよい。R
2は炭素数5〜22のアルキル基である。nは1〜3の整数である。X
及びY(X、Y)は、(メチレン基、―NH−)又は(―NH−、メチレン基)である。但しR
3は炭素数1〜4のアルキル基である。)
【国際調査報告】