特表-21106776IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2021年6月3日
【発行日】2021年12月2日
(54)【発明の名称】投球練習用道具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20211105BHJP
   A63B 39/00 20060101ALI20211105BHJP
   A63B 43/00 20060101ALI20211105BHJP
【FI】
   A63B69/00 505B
   A63B39/00 E
   A63B43/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】特願2021-531106(P2021-531106)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2020年11月20日
(31)【優先権主張番号】特願2019-212316(P2019-212316)
(32)【優先日】2019年11月25日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,IT,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】519420285
【氏名又は名称】株式会社SmilePlanner
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 剛士
(57)【要約】
中空であるボール(2)と、シャフト(3)と、羽根(4)とを備えた投球練習用道具であって、シャフト(3)の一端にはボール(2)が取り付けられ、他端には羽根(4)が取り付けられており、ボール(2)と羽根(4)とが、シャフト(3)を介して、ボール(2)の直径(D2)と羽根(4)の長さ(L4)とを足し合わせた長さ以上離れている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空であるボールと、シャフトと、羽根とを備えた投球練習用道具であって、
前記シャフトの一端には前記ボールが取り付けられ、他端には前記羽根が取り付けられており、
前記ボールと前記羽根とが、前記シャフトを介して、ボールの直径と羽根の長さとを足し合わせた長さ以上離れていることを特徴とする投球練習用道具。
【請求項2】
前記ボールは、その表面に中空に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の投球練習用道具。
【請求項3】
前記シャフトの長さが、前記ボールの直径と羽根の長さとを足し合わせた長さよりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の投球練習用道具。
【請求項4】
前記シャフトの長さが、30cmから60cmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投球練習用道具。
【請求項5】
中空であるボールと、シャフトと、羽根とを備えた投球練習用道具であって、
前記シャフトの一端には前記ボールが取り付けられ、他端には前記羽根が取り付けられており、
前記シャフトの長さが、30cmから60cmであることを特徴とする投球練習用道具。
【請求項6】
前記シャフトの一端は、前記ボールを貫通し、該ボールの直径の両端である極に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の投球練習用道具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、投球練習用道具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
投球動作は、野球やソフトボール等における動作の中で最も基本的なものである。投手によるピッチングだけでなく、野手による打球の処理や塁間の送球等、野球やソフトボール等のプレーには投球動作が必須であり、それゆえ投球時のフォームはボールの正確なコントロールや飛距離に大きく影響する。
【0003】
そのため、投球時のフォームを練習する練習具は、文献1のように回転数を計る計器を内蔵した棒状の器具を振ったり、文献2のように手袋に縫い付けたボールでシャドーピッチングを行ったりすることで、実際の投球動作時の腕の振り方や、動作時の負荷を再現することができる発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−218881号公報
【特許文献2】特開2012−239537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記をはじめとした発明では、実際にボールをリリースする感覚が得られず、ボールを用いた投球練習に移行した際に、思ったようにボールが投げられない懸念があった。
【0006】
そこで本開示は上記事情に鑑み、理想的な投球フォームの練習ができて且つ、実際にボールをリリースする感覚を味わうことができる投球練習用道具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示の投球練習用道具は、中空であるボールと、シャフトと、羽根とを備え、前記シャフトの一端には前記ボールが取り付けられ、他端には前記羽根が取り付けられており、前記ボールと前記羽根とが、前記シャフトを介して、ボールの直径と羽根の長さとを足し合わせた長さ以上離れていることを特徴とする。
【0008】
また、本開示の投球練習用道具は、中空であるボールと、シャフトと、羽根とを備え、前記シャフトの一端には前記ボールが取り付けられ、他端には前記羽根が取り付けられており、前記シャフトの長さが、30cmから60cmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、理想的な投球フォームの練習ができて且つ、実際にボールをリリースする感覚を味わうことができる投球練習用道具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の投球練習用道具の全体を示した斜視図である。
図2】投球練習用道具の使用方法の違いを示した説明図であり、(a)は野手の投球動作練習時の使用方法を示し、(b)は投手の投球動作練習時の使用方法を示している。
図3】本開示の投球練習用道具を、野手の投球動作時の使用方法で使用した際の説明図である。
図4】本開示の投球練習用道具を、投手の投球動作時の使用方法で使用した際の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0012】
以下より、本開示の投球練習用道具について詳説する。本実施形態において、投球練習用道具1は図1に示すように、ABS樹脂製の細長い円柱状の棒で形成された長さL3aが50cm程度のシャフト3と、シャフト3の一端部に取り付けられたボール2と、シャフト3の他端部に取り付けられた羽根4とを有している。なお、本明細書において、シャフト3の長さL3aとは、シャフト3の軸方向X(以下単に「方向X」ともいう)に沿った長さをいい、ボール2及び羽根4の取り付け部分を含む長さ(全長)を意味する。
【0013】
ボール2は例えば練習用の柔らかく且つ軽い(重量20g程度)ボールで、直径D2が約72mmの中空状の球体である。このように、中空のボール2を使用することで投球練習用道具1の重量を軽くし、飛距離を制限できる。
【0014】
また、ボール2の表面には27個の貫通孔2aが設けられている。この貫通孔2aは、ボール2の中空に貫通する貫通孔であり、ボール2表面の全面に形成されている。これにより、ボール2の重量がさらに軽くなるため、全力で投げたとしてもボール2の飛距離をより短くすることができ、投球練習の際に投球練習用道具1が遠くに飛んでいくことを防ぐ、つまり投球練習用道具1の飛距離をさらに制限できる。
【0015】
貫通孔2aの大きさは直径約11mmであることに対してシャフト3の直径は約6mmであるため、シャフト3を貫通孔2aに挿入した際に、ボール2をシャフト3の一端部で固定且つ抜け落ちないようボール2の直径D2の両端である極に留め具5,5を取り付けてある。これにより、ボール2とシャフト3とが一体化し、投球時の球練習用道具1の安定性が向上する。その結果、球練習用道具1の上記効果がより一層高まる。
【0016】
留め具5は長さ約3cmに切断したシリコンチューブを利用しており、ボール2の極に位置する貫通孔2aに挿入した後、留め具5を介してシャフト3をボール2へと挿入すると、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂製のシャフト3とシリコン製の留め具5との間で摩擦が生じるため、シャフト3が留め具5から抜け落ちにくくなる。
【0017】
上記のように、一端部にボール2を取り付けたシャフト3は、その他端部に弓道等で使用する矢に取り付けられている矢羽根のように、羽根4がシャフト3の他端部をぐるりと取り囲むように取り付けられている。本実施形態において、羽根4はウレタン樹脂製の薄板を矢羽根の形状に2枚切り出し、これら2枚の矢羽根状の薄板を十字に組んで羽根4が4枚となるように組立てている。このように、ボール2と対向するようシャフト3に取り付けた羽根4,4,…は、航空機の尾翼と同様の役割を果たすことで、手から離れた投球練習用道具1がぶれずに真っ直ぐ飛ぶことができる。羽根4,4,…は、その先端(図1では、方向Xのボール2側端)から後端に至るまでシャフト3に取り付けられていてもよく、その先端から中間部(先端と後端との間)に至るまでシャフト3に取り付けられていてもよい。
【0018】
このように組立てた投球練習用道具1では、ボール2と羽根4とが、シャフト3を介して、ボール2の直径D2と羽根4の長さ(シャフト3の軸方向Xに沿った羽根4の長さ)L4とを足し合わせた長さ(合計長さ:D2+L4)以上離れている(合計長さと同等かそれよりも離れている)。具体的には、ボール2と羽根4との間の距離、換言するとボール2及び羽根4が取り付けられていない部分におけるシャフト3の長さ(シャフト3の全長L3aからボール2及び羽根4の取り付け部分を差し引いた(除外した)長さ)L3bは、上記の合計長さ以上であればよい〔L3b≧(D2+L4)〕。長さL3bは、例えば15cm〜50cm(15cm以上50cm以下)程度である。
【0019】
投球練習用道具1は、ボール2と羽根4とが上記の合計長さ(D2+L4)以上離れていることで、後述するボール2の握り方によって野手又は投手の投球練習を行うときに、ボール2を握る手首が折れ曲がった状態で投げた場合は真っ直ぐ飛ばずにすぐに着地する。一方、ボール2を握る手首を曲げずにしっかり立てた状態で投げた場合は真っ直ぐに飛ぶ。これにより、実際にボールをリリースする感覚、より具体的にはボールをリリースする際に手首を立てる感覚を味わうことができ、その結果、理想的な投球フォームの練習ができる。なお、投球練習用道具1は、ボール2と羽根4との間の距離が離れている(長さL3bが大きい)ほど真っ直ぐに飛ばすことが難しいため、上級者向けといえる。
【0020】
投球練習用道具1の重心は、ボール2と羽根4との間におけるシャフト3の軸方向Xの中間部にあることが好ましく、当該中間部に対してボール2側にあることがより好ましい。
【0021】
なお、ボール2、シャフト3及び羽根4の材質、形状、大きさ、重量等は、上記したものに限定されず、投球練習用道具1の重心の位置に応じて、適宜調整できる。
【0022】
ボール2の直径D2は、40mm〜100mm(40mm以上100mm以下)程度でもよく、使用者の手の平(掌)の大きさに応じて適宜選択してもよい。ボール2の重量は、10g〜50g(10g以上50g以下)程度でもよい。また、ボール2の材質は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル(EVA)等の樹脂等が挙げられる。
【0023】
シャフト3の長さL3aは、ボール2の直径D2と羽根4の長さL4とを足し合わせた長さ(合計長さ:D2+L4)よりも大きい〔L3a>(D2+L4)〕。長さL3aは、例えば30cm〜60cm(30cm以上60cm以下)程度である。シャフト3の長さL3aが30cm〜60cmの間であると、使用者の投球レベルに合わせたシャフト3の長さを備える投球練習用道具を提供することができ、初心者から上級者まで幅広い投球レベルに使用可能である。例えば、上級者が使用する際のシャフト3の長さL3aは50cm〜60cm(50cm以上60cm以下)程度、初心者が使用する際のシャフト3の長さL3aは30cm〜50cm未満(30cm以上50cm未満)程度がそれぞれ好適である。シャフト3は予めそれぞれの長さのものを用意し、自分に好適な長さのものを選択して使用してもよい。また、シャフト3の断面形状は、円に限定されず、四角形、五角形、六角形等の多角形でもよい。つまりシャフト3としては、丸棒、角棒(四角棒)、六角棒等が挙げられる。シャフト3の断面の直径(多角形の場合は対角線の長さ)は、4mm〜8mm(4mm以上8mm以下)程度でもよい。
【0024】
羽根4の大きさは、ボール2の大きさや重量等に応じて適宜決定すればよいが、例えば、シャフト3の軸方向Xに沿った長さL4は、8cm〜15cm(8cm以上15cm以下)程度である。羽根4における方向Xと直交する方向に沿った寸法のうち最も大きい部分の寸法は、当該長さL4と同等かそれよりも小さい程度である。羽根4の厚みは、3mm〜10mm(3mm以上10mm以下)程度である。また、羽根4の合計重量は、ボール2の重量と同程度かそれよりも若干軽くてもよい。
【0025】
投球練習用道具1の総重量は、40g〜90g(40g以上90g以下)程度である。投球練習用道具1の全体の長さ(全長)L1は、シャフト3の長さL3aと同等かそれよりも若干長く、30cm〜70cm(30cm以上70cm以下)程度である。
【0026】
投球練習用道具1の具体例としては、シャフト3の長さL3aが50cm(例えば上級者向け)の場合、ボール2の直径D2が約72mmであり、羽根4の長さL4が約12cmである。ボール2及び羽根4が取り付けられていない部分におけるシャフト3の長さL3bが約35cm、つまりボール2と羽根4とが、シャフト3を介して、ボール2の直径D2と羽根4の長さL4とを足し合わせた長さ(D2+L4:約19cm)以上離れている。投球練習用道具1の全体の長さL1は、約55cmである。
【0027】
シャフト3の長さL3aが40cm(例えば初心者向け)の場合、ボール2の直径D2が約72mmであり、羽根4の長さL4が約12cmである。ボール2及び羽根4が取り付けられていない部分におけるシャフト3の長さL3bが約25cm、つまりボール2と羽根4とが、シャフト3を介して、ボール2の直径D2と羽根4の長さL4とを足し合わせた長さ(D2+L4:約19cm)以上離れている。投球練習用道具1の全体の長さL1は、約45cmである。
【0028】
シャフト3の長さL3aが30cm(例えば初心者向け)の場合、ボール2の直径D2が約40mmであり、羽根4の長さL4が約8cmである。ボール2及び羽根4が取り付けられていない部分におけるシャフト3の長さL3bが約18cm、つまりボール2と羽根4とが、シャフト3を介して、ボール2の直径D2と羽根4の長さL4とを足し合わせた長さ(D2+L4:約12cm)以上離れている。投球練習用道具1の全体の長さL1は、約30cmである。
【0029】
次に、投球練習用道具1の使用方法について説明する。投球練習用道具1は、ボール2の握り方によって野手の投球練習と、投手の投球練習とを行うことができる。
【0030】
野手の投球練習の場合、図2(a)に示すように、ボール2を握ったときに人差し指と中指の間で、且つ、両指の爪先にシャフト3が位置するようにボール2を把持する。その後、ボール2を持った腕をテイクバックし、実際の投球動作と同様にその腕を振る。この時、ボール2に取り付けられたシャフト3をバドミントンのラケットに見立てて腕を振ろうとすることで、図3(a)〜(b)のように肘から前に出るような動作を意識的にすることができる。
【0031】
練習でのボール2は把持したまま投球動作を行ってもよいし、実際に投げることも可能である。この時、ボール2のリリースは、図3(b)に示すように、回した腕が頭上のやや前方に来た時に行う。リリース時、シャフト3は図3(b)で示すように上を向いているが、羽根4は空気抵抗を受けてボール2よりも速度が落ちるため、図3(c)〜(d)のようにボール2が羽根4よりも先行して飛んでいき、空中で投球練習用道具1の姿勢が横倒しになって着地する。
【0032】
投手の投球練習の場合、ボール2の握り方は図2(b)に示すような握り方となる。人差し指と中指の間にシャフト3が位置するように把持する方法は同様であるが、本発明の投球練習用道具1を後側に約90度倒した状態で、シャフト3が人差し指と中指のみずかきに近づくように握る。投手の投球動作は野手のそれと同様に、ボール2を把持した腕をテイクバックした後、肘から前に出るよう腕を振ると、図4(a)〜(b)に示すようにシャフト3が側頭部付近を移動する。リリース直前では、図4(c)に示すようにボール2を人差し指と中指の腹で投球方向に押し出すことで、ボール2が手を離れる直前まで指先で力を加えることができ、ボール2へさらに勢いをつけて威力のある球を投げる練習をすることが可能である。
【0033】
なお、本実施形態において、シャフト3の長さは50cmとしてある。
【0034】
一般的に理想的な投球動作は、肘から前に出るように腕を振るようなフォームがよいとされており、腕を伸ばしたまま振り下ろすようなフォーム、所謂アーム投法から矯正することも多い。上記のように構成された投球練習用道具1では、ボール2に取り付けられたシャフト3が動作確認用目印の役割を果たし、テイクバックから腕を振り抜くまでの投球に関する一連の動作を見やすくすることで、現状の投球動作の課題を見つけ出し、正しく、理想的な投球動作へ矯正していくことができる。
【0035】
野手の投球練習においては、図2(a)に示すような握り方をするため、投球練習用道具1をバドミントンのラケットに見立ててオーバーヘッドストロークのように腕を振ることで、肘から腕を振り抜くような動作をすることができる。この動作ができることによって、理想的な投球動作に近づき、プレーの向上に繋げることができる。
【0036】
投手の投球練習においては、図2(b)に示すような握り方をするため、図4(a)〜(c)にかけてシャフト3が地面とおおよそ平行になっており、腕を振り抜く時もシャフト3及び羽根4が頭部の横を通過していく。このため、ボール2をリリースする練習に切り替えた際に、羽根4が耳の付近に来た時をリリースのタイミングと決めることで、ちょうど体の前方でボール2を離すことができる。その際、指で押し出すようにリリースすることで、リリース時における指先の力の入れ方を意識することができ、回転のかかったボールや体重の乗ったボールを投げる練習にもなる。
【0037】
本発明の投球練習用道具1に使用しているボール2は、表面に貫通孔2aが備えられた中空状の球で、その軽さによって投てきした際の飛距離はあまり伸びない。このため、投球練習用道具を全力で投げたとしてもあまり遠くまで飛んでいくことがないことから、練習場所が狭くとも投球練習が全力でできる。加えて、投球練習用道具1はボール2をはじめとして軽量な物質で構成されており、且つ、投てきした際の速さもあまり無いことから、投てきした投球練習用道具1が第三者に当たったとしても衝撃は少なく、重大な怪我に繋がることも少なくなることが期待できる。
【0038】
また、本発明の投球練習用道具1は、シャフト3の長さを20〜60cmの間で調節することで使用者の体格に応じたものを提供できるため、大人から子供まで幅広い年齢の方々に使用してもらうことができる。加えて、本発明の使用によって理想的な投球動作を会得することにより、無理な投げ方による肩や肘の故障を未然に防ぐことができ、長きにわたって競技に携わることも可能となる。
【0039】
本発明の投球練習用道具1は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で適宜変更できる。例えば、羽根4の枚数を増減させたり、各部材の素材を変更したりしてもよい。また、留め具5はシリコンチューブを切断したものを利用しているが、ボルトとナットのように、より外れ難いものを使用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
D2 ボールの直径
L1 投球練習用道具の全体の長さ
L3a シャフトの長さ
L3b ボール及び羽根が取り付けられていない部分におけるシャフトの長さ
L4 羽根の長さ
X シャフトの軸方向
1 投球練習用道具
2 ボール
2a 貫通孔
3 シャフト
4 羽根
図1
図2
図3
図4

【手続補正書】
【提出日】2021年5月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空であるボールと、シャフトと、羽根とを備えた投球練習用道具であって、
前記シャフトの一端には前記ボールが取り付けられ、他端には前記羽根が取り付けられており、
前記ボールと前記羽根とが、前記シャフトを介して、ボールの直径と羽根の長さとを足し合わせた長さ以上離れており、
前記シャフトは、全長にわたって棒状に形成されていることを特徴とする投球練習用道具。
【請求項2】
前記ボールは、その表面に中空に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の投球練習用道具。
【請求項3】
前記シャフトの長さが、前記ボールの直径と羽根の長さとを足し合わせた長さよりも大きいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の投球練習用道具。
【請求項4】
前記シャフトの長さが、30cmから60cmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の投球練習用道具。
【請求項5】
中空であるボールと、シャフトと、羽根とを備えた投球練習用道具であって、
前記シャフトの一端には前記ボールが取り付けられ、他端には前記羽根が取り付けられており、
前記シャフトの長さが、30cmから60cmであり、
前記シャフトは、全長にわたって棒状に形成されていることを特徴とする投球練習用道具。
【請求項6】
前記シャフトの一端は、前記ボールを貫通し、該ボールの直径の両端である極に取り付けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の投球練習用道具。
【国際調査報告】